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(様式4) 学

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Academic year: 2021

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(1)

博士課程用(甲)

- 1 -

(様式4)

学 位 論 文 の 内 容 の 要 旨

(学位論文のタイトル)

High stromal TGFBI expression is a novel marker of progression and poor prognosis in gastric cancer

(胃癌における間質TGFBIの高発現は癌進行と予後不良の新規マーカーである)

(学位論文の要旨)

1) 背景と目的

近年胃癌患者の予後は改善傾向にあるものの、進行胃癌における予後は依然として不良 であり、新たな治療標的の発見は重要である。TGFBIはTGF-βにより誘導される細胞外マト リックス蛋白であり、細胞のインテグリンに結合して細胞内シグナルに影響を与えると考え られている。これまでいくつかの癌種においてTGFBIの影響が報告されてきているが、胃癌 における報告は十分ではなく、今回胃癌におけるTGFBIの意義について検討を行った。

2) 対象と方法

1999年から2006年の期間に当科で手術を施行した胃癌手術検体208例(男性146例、女性6

2例)を対象とした。それらの検体を用いて組織マイクロアレイを作成し、TGFBIの免疫染色

を行いTGFBIの発現と臨床病理学的因子および予後との関連について検討した。また胃癌細 胞株と胃の線維芽細胞株から蛋白を抽出し、Western BlottingにてTGFBIの発現状況を確認し た。さらに胃癌細胞株MKN7およびMKN45と、TGFBI発現を特異的siRNAにて抑制した胃癌 線維芽細胞株CAF64を共培養させ、TGFBIが胃癌細胞株の浸潤能、遊走能に与える影響を検 討した。

3) 結果

TGFBIは主に胃癌間質で認められ、間質TGFBI高発現群は低発現群と比較して予後不良

であった(P = 0.0016)。臨床病理学的因子の検討では、間質TGFBIの高発現は、壁深達度、

リンパ管侵襲、静脈侵襲、腹膜播種、病期の進行と関連を認めた。予後に対する単変量解析で は有意差を認めたものの、多変量解析ではTGFBIの高発現は独立した予後不良因子とはなら なかった。細胞株のWestern Blottingでは、TGFBIの発現は胃癌細胞株には認めず、線維芽細 胞株に認めた。線維芽細胞株のTGFBIを抑制することによって、共培養した胃癌細胞株の浸 潤能、遊走能が抑制された。

4) 考察

他の癌種におけるこれまでの報告では、TGFBIは癌細胞自体から発現することが示唆さ れていたが、今回の免疫染色と細胞株のWestern Blottingの結果から、胃癌においてTGFBIは 癌細胞自体ではなく線維芽細胞から主に産生されるものと考えられた。胃癌間質におけるTG F-βシグナルの増強がこれまでに報告されており、線維芽細胞におけるTGFBIの発現の原因 であると考えられた。

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博士課程用(甲)

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TGFBIは癌種によって腫瘍促進、腫瘍抑制の相反する機能が報告されてきたが、今回の

結果から胃癌においては腫瘍促進的な機能を持つことが示唆され、癌進行や不良な予後のマ ーカーとなり得ると考えられた。

胃癌の治療におけるkey drugの一つにパクリタキセルがあるが、過去の卵巣癌の報告で はTGFBIが微小管の安定化を介してパクリタキセルの感受性を高めることが指摘されている。

胃癌間質のTGFBIの発現状況を確認することが胃癌の化学療法の適切な選択に繋がる可能性 があると考えられた。

In vitroの検討において胃線維芽細胞株のTGFBIが胃癌細胞株の浸潤能と遊走能を亢進さ

せることが示唆され、TGFBIをターゲットとした治療戦略が有効である可能性があると考え られた。

5) 結語

胃癌における間質TGFBIの発現は、胃癌の進行や予後に対する有用なマーカーとなると 考えられた。またTGFBIが胃癌治療における新たな治療ターゲットとなる可能性が示唆され た。

参照

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