シリカフュームを用いた高強度モルタルの力学的性 質
著者 川上 英男, 谷 康博
雑誌名 福井大学工学部研究報告
巻 41
号 1
ページ 87‑95
発行年 1993‑03
URL http://hdl.handle.net/10098/4188
告号月報 1 3 究第年研 幻 学 巻 目
大部制井学第福工
87
シリカフュームを用いた高強度モルタルの力学的性質
川 上 英 男 * 谷 康 博 料
Strength and Mechanical Properties of High Strength Cement Mortar with Silica Fume
Hideo KAWAKAMI and Yasuhiro TANI (Received Feb. 26
,
1993)Two series of tests were carried out to clarify the e宜'ectsof silica fume on the strength and mechanical properties of cement mortar. The test specimens of cement mortar were prepared within the fiow values between 180 m m and 240 m m which qualifies better worka.bility of the concrete. The fiow values were attained by using superplasticizer. The specimens were tested at the age of 4 weeks.
Main results of the experiments are as follows.
1. At a given cement water ratio, the larger volume of silica fume added to the cement mortar results the larger compressive strength. But excessive volume of silica fume invites adverse effect. There exists the most effective volume of silica fume for increasing the compressive strength.
2. Within the range of increasing compressive strength
,
the larger is the amount of si1ica fume,
the greater values of initial t.angent modulus and secant modulus of elasticity and the smaller value of plastic strain at the stress of one third of the compressive strength are obtained.3. In silica fume contained rnortar
,
the binder( cement+silica furne )‑water ratio is rnore appropriate than the cement‑water ratio as a factor indicating the cornpressive strength and elastic modulus of cement rnortar.1、序論
コンクリートの高強度化は、コンクリートの構造材料としての高性能性に直接関係してくること から、多くの研究がなされている。近年の業績をみると、加圧振動締固めや遠心力締固めなどの成 形法の改善やオートクレーブ養生などの特殊な養生方法が開発され、材料面でも18 60年代には 高強度用減水剤、 1880年代には無水石膏を主成分とする高強度用特殊混和材の開発、さらには ポリマー含浸コンクリートも実用化され、これらの技術を単独あるいは複合して用いれば、圧縮強
*
環境設計工学科教授* *
武生工業高校教諭(福井県教育委員会派遣・福井大学内地研究員)度10 0 Okgf/cm2のコンクリートを製造することはさほど困難ではない1)。日本建築学会標準仕 様書(JASS 5)では、強度が 270kgf/cm2以上のコンクリートを高強度コンクリートとして定 義しているが、超高強度コンクリートに関しては特に定義されて使われているわけではない。本報 告では強度が 60 O~ 8 0 Okgf/cm2程度のコンクリートを高強度コンクリート、 800~lOOO kgf/cm2程度のコンクリートを超高強度コンクリートという呼び方を用いることとする2)。
また、産業副産物であるフライアッシュ・高炉スラゲ・シリカフュームなどの超微粒子と高性能 分散剤を組合せることにより、著しく小さな水・粉体比で流動性の優れた高強度コンクリートを製 造する技術が開発されている。この超微粒子に共通している乙とは、セメントと同様のポゾラン反 応が怠こる点である。超微粒子の一つシリカフュームについて述べると、シリカフュームはポゾラ ン反応によって硬化するとともに、シリカ質粉末がコンクリート中の微細な空隙を埋めることによ コンクリートの材料分離抵抗性・強度・耐久性・水密性などの改善に効果があると期待されて
︑ ・ ・
J
•••
いる。
2
、研究目的コンクリートは多質の複合体あるが、巨視的にはモルタル母材中に粗骨材粒子が分散した
2
相複 合体とみなすことができる。シリカフュームの混入によるコンクリートの高強度化は主としてシリ カフュームがそのモルタル母材の物性に影響を及ぼす点にある.そこで本研究では、モルタルを検 討の対象とした。すなわちシリカフュームを混入した超高強度モルタルについて、シリカフューム の混入率とモルタルの圧縮強度、比重並びに初期弾性係数・圧縮強度の1/3
の応力度における割 線弾性係数・塑性歪みとの関係を検討するものである。なお、通常のコンクリート・モルタルにおいては圧縮強度を支配する因子として水セメント比又 はセメント水比が挙げられているが、シリカフュームを用いた場合には、セメントとシリカフュー ムを結合材として一括し、水結合材比又は結合材水比を用いる場合もある。このどちらがより適切 な影響因子とみなせるかについてもあわせて検討する。
3
、材料及び実験計画本実験では、シリカフュームの混入率がモルタルの圧縮強度におよぽす影響を考察するためモル タルの細骨材絶対容積を一定とし、
〔シリーズ1)水セメント比が一定で混 入シリカフュームの絶対容 積を段階的に変化させた(
水結合材比が変化)場合と、
〔シリーズ II)水結合材比が一定でシリ カフュームの絶対容積を段 階的に変化させた(水セメ ント比が変化)場合につい
実験概要
W/C
30%
W/B
・
1)35%130%125%122%120%
h在~ ( )内は、
j (0.0) j S F/‑C (%)
1r・h・0 0 0一一……H・H・……→を表す.
32%11 N
; (7.5)
3 ぷ-広r
oo五己
---7--E--γF~一五000 (0.0) ; (16.9)l
(4.0.1)l
(59.1)l
(f~2)吐):水セメント比および水結合材比の値は、ベース モルタルの調合において表している。
表1
て、
圧縮試験を行い、圧縮強度を把握することとした。各シリーズの実験概要を表
1
、調合内容を図1
89
に示す。また、実験B・C・D.M.Nでは圧縮試験時に歪みを計測し変形性状の検討も行った。
な省、細骨材絶対容積はモルタルの
50%
とした。モルタルのフロー値が180mm'"'‑'240mm
程 度のときコンクリートの打ち込みが容易とみなされているので剖、高性能A E減水剤の使用量は、各実験ごとに、このフロー値の範囲に入るように調整した。
シリーズI調合内容(実験B‑C‑D‑F‑E)
v
I
‑ ‑
'刷書叩草 務…提鍔,滋,叫 祭祭器草 第町鍔器第 霊祭諺務i
/
. ‑ ‑
f'z四a ~
一
'~N, ==:回目m白:"
/"際議議室鍵綴おおF三三玉三主主 '~. M ~:
/ /
陸盤盤盤盤整1主主主主三;言語
= = =
E/慈謹重量密滋/主'主主主三三
*
~宗怒男事詰家罰器路事謹局書芯Z鍛Z萌部,局軍事罰i事否語認E可Z。
ロ
水図 りyト
国 シリカ7ューム
関 細骨材
図 空気 実験B
実験C 実験D 実験F 実験E
シリーズ
E
調合内容〈実験M‑N‑C)実験M 実験N 実験C
図1 調合計画〈絶対容積〉
4
、使用材料〈セメント〉
・種 類ボルトランドセメント
(TC
社製〉・比
重3. 1 6
‑強 度
JI8 R 5201
による強度試験 結果を表 2に示す。〈細骨材〉九頭竜川産川砂、粒径が
2. 5
1D1l以下を用いた。‑表乾比重
2 . 8 3
表
2
セメント試験結果( k g f / c m
2)実 験 N
一
60
‑' h3
M
一円
4
曲げ強度 圧縮強度
100 80
卜‑ sJ 4 茅 ‑ i 三 隊 、
: 鎖骨材の脚M
(JIS A 5308)
(J18
A1109)
・ 吸 水 率
2 . 25%
(J18
A1109)
.ふるい分け試験,ふるいを
60
通過する 質量百分率( % r 40
呼び寸法
5 . Omm
のふるい を通過したものを用いた。組粒率は
2 . 8 3
であった。また、細骨材の粒度曲線を図2
に示す。20
O
0 . 1 5 0 . 3 0 . 6
1.2 2 . 5 5 1 0
ふるい呼び寸法 (mm)図 2 細骨材の粒度曲線
〈混和材〉本実験ではシリカフューム (8F)パウダーを用いた。
・種 類
SF
パウダー(N J
社製)穎粒タイプ‑ 比 重 2. 2 0
〈混和剤〉本実験では高性能A E減水剤を用いた。
‑種 類
SP‑9HS (NM
社製)・主成分変性リゲニン、アルキルアリルスルホン酸および活性持続ポリマーの複合物
・比 重 1. 1 6"‑' 1. 2 0 (2 0 'C)
‑アルカリ量
o .
2 0 %‑塩素イオン量 O. 01%
5、調合
各実験におけるベースモルタルの調合を表
3
に示す。表 3 調 合 絶 対 p廿‑ 積 (Q/m3)
実 験 水 (補正値) セメント (C) 砂 S F (混C和+剤SF牢)) 1 C B
2 3 1 i i i i i f i i j
22311 5 44994 5 50 1 11..9 0D 21075222428 2 118555 44993 5 11068 7 3.3 6
E 9.
F 124851a2351 1 21658 4 44994 5 143 0 61..35 M N 239 (250 234 492 2 5 1. 4 牢
U :
宮居墨を結合材(セメント十シリカフユーム)重量のぞト割りで表した.*2):混練削の水に混入した場合も1固と数えた〈※を記入)0
6、実験方法
〈細骨材の取り扱い〉
混入回牢数2) 2 5 4 2※ 2※ 4 3
打ち込む前日までにフローコーンによる判定で表乾状態にした所要量を蓋の付いたポリバケツに 入れておく。打ち込み当日に再度フローコーンで表乾状態を確認してから使用した。
〈練り混ぜ・打ち込み方法〉
練り混ぜの方法がシリカフュームの分散・凝集状態に影響を及ぼすとの報告4)があるので、本実 験では通常の混練の前にジューサーミキサー (N社製)を用いてセメントとシリカフュームの空練
りを行った。練り混ぜ・打ち込みは以下の通りである。
1 .練り混ぜ
①セメントと
SF
をジューサーミキサーに入れ(以下、セメント+SF
を「結合材Jと呼ぶ) 3分間ジューサーミキサーで混合する。①モルタルミキサーに結合材を移し、水を加えて
1
分間練り混ぜ(通常回転)、細骨材を加え 1分間練り混ぜ(通常回転)。③1分間休止する。休止の聞に匙でパドルや鉢に付着したモルタルをかき落とし、鉢の底のモ ルタルをかき上げるようによくかき混ぜ、さらに2分間練り混ぜ(通常回転)。
@同様に、 1分間練り混ぜ(高速回転)。
@モルタルを取り出しフロー値を測定する。
崎フロー値が18 Omm未満ならば
r u .
混和剤の添加Jに進む。時フロー値が18 Omm 以上、 240mm以下ならば
r m .
型枠詰め込みj に進む。時フロー値が240mm以上ならば rr.練り混ぜjからやり直す。
91
I I .
混和剤の添加①モルタルをミキサーに戻して、匙で軽く混ぜる。
②混和剤を添加し川、 1分間練り混ぜ(高速回転)。
③ 1分間休止する。休止の聞に匙でパドルや鉢に付着したモルタルをかき落とし、鉢の底のモ ルタルをかき上げるようによくかき混ぜる。
④ 1分間練り混ぜ(高速回転)モルタルを取り出しフロー値を測定する州。
崎フロー値が
180
未満ならばr I I .
混和剤の添加J①に戻る。時フロー値が
180
以上、240
以下ならばr m .
型枠詰め込みJに進む。*1):練り混ぜに時間をかけ過ぎるとモルタルの硬化が始まってしまい、混和剤を添加しても フロー値が変化しなくなるため、混和剤添加量が多くなると十分予測できる場合には、
事前に混和剤を水に混入しておき、練り混ぜを行った。
*2):練り混ぜの段階で混和剤の増量の必要性が明らかな場合は、フロー値を測定せずにその まま混和剤の添加をして、練り混ぜをおこなった。
ill. 型枠への詰込み
JIS A 1132
と同様に行う。〈比重及び圧縮試験〉
比重及び圧縮試験は材令
30
日( 28
日間養生)で行った。圧縮試験にはアムスラー型200t
耐圧試験機(ひょう量
40t )
を使用し、載荷速度はJIS A 1108
に準じて2 . . . . . . . 3
同f/cmz/sec
とした.歪み測定にはT
研究所(株)製STRAINGAUGE CPL‑20‑11)
を 使用し、これを自動デジタル歪み測定器TDS‑301
に接続して測定した。〈応力一歪み度曲線の近似法〉
本実験で、得られたEo(初期弾性係数)、 Ec(割縁弾性係数)、 εp
C
塑性歪み)の結果は、計測した応力一歪み度関係(図3の模式図参照)を最小2乗法によって式 (1)に示す3次の多項 式で近似し、その解析から得られている。
σ = A1 +AzXε品 +AaXεグ
+A4
Xε3U ̲εp Ec Fc
1/3Fc 0
図 3 応力歪み曲線模式図
7、実験結果
ε
(1)
σ 応力度
A
1,....,A
4 実験定数ε 歪み
実験結果より得られた、供試体の比重・圧縮強度・初期弾性係数及び圧縮強度の
1/3
の応力度 における割線弾性係数・塑性歪みを表 4に示す。表4 実験結果 験
実 供体試 比重 圧(縮kg強f/度cmF2c) 初(期X1弾05性kg係f/数cmEz
。 )
割(線X1弾05性kg係f/数cmEzc) 塑性(x歪10‑み3εp%) 1 2. 3 3 715 3. 47 3. 20 5. 74
B
2 2. 33 738 3. 46 3. 24 4. 80平3均 2.33 3 742 33..4301 3. 14 3. 88 2. 33 732 3. 1 9 4. 8 1 1 2. 3 7 971 3. 64 3. 53 2. 78
C
2 2. 3 7 937 3. 2 1 3. 20 0.33*3)平3均 2.33 7 949 2 33..6591 3. 53 3. 9 9 2. 3 7 95 3. 42 3. 39
・
4)1 2. 3 6 108 5 3. 6 5 3. 59 1. 58
D
2 2. 3 6 1069 3. 7 5 3. 6 1 3. 57平3均 2. 3 6 993 3. 82 3. 6 6 3. 67 2. 3 6 1049 3. 74 3. 62 2. 94 1 2. 2 9 744
E
2 2. 2 9 6 0 1 001)平3均 2. 28 728 2. 2 9 736月 】
F I よ │2222.... 3 30 30 3 0 0 QUQUQUQU UAιEハυQOn nO1ι zヮ ︐ム凋
1 2. 3 7 926 3.58 8 5
3333....33222 8 1 0
6. 07
M
2 2.3 33 6 8979 1 9 33 3 .4 4.49 9 2平3均 2 . 6 6 98 3 3 5. 6
2. • 47 5. 4
1 2. 3 5 993
3333....44
s
s 3 3 s 13. 22 6. 3 1
N
2 222...33355 5 88g 60577 6 3 3 3.28 1.24 2 1平3均 32 1 2. 7
• 2 7 3. 4
L 一一
たた めめ
求求
をを
均均.
平平
たのの
って て
行いいを
つつ
験にに
MMFMJHJ
搬残残
縮しし圧除除
︑開 削
後ででた
のの
しいい形ささ整小小をにに面端端圧極極
内 川 凶 . .. 和問 削品
H4Hめ度み
た強 歪
の縮性良圧塑不ののグ体体ン試試ピ供供
ツの の ヤ1 3
キ *
*
︑ ︐
︐
ε︑ ︐
F︑.
F 'i nL au z
* 牢 寧
8
、考察〔実験シリーズ1) (司比重及び強度
水セメント比が一定でシリカフュームの混入量を段階的に変化させた場合、シリカフューム混入 率(対セメント)と圧縮強度の関係は図4に示す通りである。シリカフュームの混入率が大きくな る程圧縮強度も大きくなるが、ある範囲(図では調合
D)
を超えると圧縮強度は低下し、調合C
と 調合Fの聞で圧縮強度が最大値を示すと推察される。同図中に示した曲線は両者の関係を各調合の 圧縮強度の平均値を用いて最小二乗法によって3
次式で近似したものである。この式において圧縮 強度の最大値を示すシリカフューム混入率は調合Cと調合Dの中間の37. 1 %である。図5は結合材水比と圧縮強度の関係を示したものである。ただし、ここでは硬化体としての性質 を検討する観点から、水は調合表に示した値に混和剤中の水分(混和剤の比重1. 1 8より算出し た)を補正した値を採用している(表3中 の ( )内に示した)。調合Eではシリカフユームの混 入率が調合Dより大きいにも拘らず結合材水比が小さいのは混和剤の使用量がより大きいことによ るものである。
一方、シリカフューム混入率と比重の関係を示した図6によると、調合Cと調合Dの間に比重が
93
最大となるシリカフューム混入率が存在すると推察できる。さらに、比重と圧縮強度の関係をみる と、調合Cと調合Dの問付近に比重および圧縮強度が最大となる点が存在するらしいことが、その 傾向からも推察できる(図7)。
以上のことは、シリカフユームがモルタル中のセメント粒子をコーテインゲしていると共にシリ カフューム粒子どうしが凝集しモルタル内の空際を埋めている状態であることを考えた時、空際が 最小となる、つまり比重が最大となるシリカフユーム混入率で圧縮強度が最大となると考えること ができる。
圧縮強度
(kgf/cm
Z)D F OOパ
iφiφ'ρ'E
/ j m o C
QE
/ '
g O
B
1000
h ‑ n o
800︑
¥
︑
E
F¥¥
︒ ¥
q o
D
¥ 0 0 o 圧縮強度〈同
f/cm
2)C,~/
B @ O 1000 1054
800
比
倣3齢
戸!
3 37.1%
30 60
シリカフューム混入率(%)
oTF
O結合材水比一圧縮強度 図
5
シリカフューム混入率一圧縮強度 図4
圧縮強度(同
f/cm
Z)C
D b
B '
00
ぺ
O / '
/ ' B
︐
@0
00'O
F
︐︐ //
︐
︐
m e
︐E
1000
800
ち
E T
︑ S
WA
D
¥
︑ ︑
c a ︒ ︑
'
Bd u 比重
2.35
2.3
2.35 比重 0
1 f
1 2.33 0 6 0 シリカフューム混入率(%)
oT
O
比重一圧縮強度 図7
シリカフューム混入率一比重
図6
(b)変形性状
初期弾性係数及び割線弾性係数については、シリカフューム混入率が大きくなるに従い両弾性係 数とも増加する傾向を示した(図
8)
。なお、両弾性係数の差はシリカフューム混入率の変化に関 係なくほぼ一定であった。また、圧縮強度の1/3
の応力度における塑性歪みについてはシリカフ ユーム混入率が大きくなるに従い小さくなる傾向がみられた(図9)。( c )
実験シリーズ Iのまとめ上述のようにセメント水比が同じ場合においては、シリカフューム混入率を大きくしていくと比 重(密度) ・圧縮強度・弾性係数も大きくなり、塑性歪みは小さくなっていく。やがて、モルタル の比重が最大(空隙が最小)となる時に圧縮強度の値は最大を示す。さらにシリカフューム混入率 を大きくすると、比重が低下し圧縮強度は急激に低下する。このことは、モルタルにおけるシリカ フューム混入率の変化が圧縮強度及びその力学的挙動にに与える影響は、高強度・超高強度のモル タルにおいても従来の空際理論と異なるものでは訟く、普通強度のモルタルの延長上にあることを 示すものと考えられる。
弾性係数 (x1 05kgf/cm2)
3.5
3.0
。
,
T
Jo
20 4 0 シリカフューム混入率(%) 図8 シリカフューム混入率一弾性係数〔実験シリーズ II)
塑性歪み (X10‑5)
6.0
4.0
2.0
。 丁
O
a
B O ¥、 O¥ ¥ @
c ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑
o D
O
o
20 4 シリカフューム混入率(%) 図9
シリカフューム混入率一塑性歪み水結合材比を一定にして水セメント比を変化させた場合、圧縮強度・初期弾性係数・割線弾性係 数の値ともほぼ横ばい傾向を示した(図10,図 11)。すなわち、圧縮強度・弾性係数は水セメ ント比の変化に明際な対応を示していない。一方、結合材水比に対しては実験シリーズ
I
の図5
, 図8に示したように、圧縮強度・弾性係数とも明瞭な対応関係が認められる。これらとの対応を示 す因子としては、セメントとシリカフュームを一つにまとめて結合材として扱ったほうが適切であることを示している。
95
圧縮強度 (kgf/cm2)
1 000 O
︒
M O﹀︒
QU
¥N
n §
C
弾性係数 (x1 0 5kgf/ cm2)
3 5 4 c U O B
セオ一, n M
ロ 議 マ
800 3.0 Ec
3 . 5
セメント水比 図10 セメント水比一圧縮強度
3
戸 i
3円! 3 . 5
セメント水比 図11 セメント水比一弾性係数
9、結論
シリカフユームを混入した高強度モルタルについて、シリカフュームの混入率(対セメント)が モルタルの圧縮強度及びその力学的挙動に与える影響について、次の点が明らかとなった。
①水セメント比が同じ時シリカフュームの混入率が大きくなる程圧縮強度は増大する。しかし、
ある混入率を超えると圧縮強度は滅少の傾向を示し、ここに圧縮強度が最大となるシリカフュ ーム混入率が存在する。
②圧縮強度が大きくなる範囲においては混入率が大きくなるにつれて初期弾性係数・割線弾性係 数とも大きくなる。
③圧縮強度が大きくなる範囲においては混入率が大きくなるにつれて、圧縮強度の1/3の応力 度における塑性歪みは小さくなる。
④モルタルの圧縮強度及び弾性係数に寄与する因子としては、セメント水比よりもセメントとシ リカフュームをまとめた結合材水比を採用する方がより適切である。
参考文献
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2 )最新コンクリート材料・工法ハンドブック編集委員会:最新コンクリート材料・工法ハンド ブック,建設定業調査会 pp. 349""'360 (1985)
3)甲斐雅人、上村克郎、橘高義典、小西敏正、桝回佳寛、阿部道彦、中村成春:
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4)
柳橋邦生、米津敏男、池尾陽作:コンクリートの中でのシリカフュームの分散状態の研究 その3.練り混ぜ方法の違いが分散状態に及ぼす影響,日本建築学会学術講演梗概集 A、Pp. 267‑‑‑‑268 (1992)