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地質ニュース530号,31-41頁,1998年10月

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地質ニュース530号,31-41頁,1998年10月獨楴獵湯㌰㌱っ瑯爬 ポーランドの金属鉱物資源 平野英雄1〕 j。はじめに ポーランドは,スロバキア,ハンガリー等のほかの 東欧諸国とは異なり,カルパチヤ帯(ナルプス変動 期に形成)の外側に位置する国である.ロシアに次 ぐヨーロッパ第二の生産量を誇る石炭など各種の 鉱物資源を産出する.金属資源では,堆積岩を母 岩とする2種類の鉱床,含銅けつ岩層中の銅鉱床 と炭酸塩岩中の鉛・亜鉛鉱床を特徴としている. 日本には見られないこれら2種類の金属鉱床を中 心に,ポーランドの鉱物資源の産状を紹介する. 150E1ぴ2ザ 十5yN++ バルト海、、8縦 早 \水1ト ト 為グダニスクノ \ムビドゴシュチ 泌 ポズナン、ふ。、 ワルタ川 ㌷シア ㌸ブロツワフ 十 ㌴Aa.カルパチア前縁沈降帯 Ab.カルパチア講 鯉雄代変動山塊 P目.スーデチ山塊 Pb.コリースペドグルチスキ山塊 〔紳地 羽鳩嶺 カニピー 苫 愛十2.概要 ポーランドはバルト海に面し,ドイツ・チェコ・ス ロバキア・ウクライナ・ベラルーシ・リトアニアおよ びロシア(飛び地)に囲まれた国である.面積は日 本の83%の広さ(31.3万km2)をもち,南部のカル パチア山脈と南西部のオーデル=ナイセ川上流域 を除き,主に平野部からなる.平野部はほぼ海抜 高度100m程度で,ウィスラ川など犬小の河川が走 り,それらはバルト海に注ぐ. ポーランドの地質は,その北東部分をしめる先方 。革パグ1“ ㈱十4ポN 票 ルブ状。。・・△ 晦. 第1図 ポーランドの鉱物資源分布 (0sika,1986.1990).鉱床 番号は,第1表に対応. 1)地質調査所地質情報センター キーワード:鉱物資源、金属鉱床,ポーランド 1998年10月号

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一32一 平野英雄 第、表ボーランドの鉱物資源一覧.鉱床番号は第、図のそれらに対応. 番号鉱床名鉱産物 1ラスカLask目石灰石 2ロペズLobez「e 3ダマスラウェックD百maslawek岩塩 4モギノMogino岩塩 5イノプロワフlnowroc1目w岩塩 6シェコチネクCiechocinek岩塩 7イズビカlzbica岩塩 8ルビエンLubien岩塩 9ラニエタLanieta岩塩 10クロダワKlod日wa岩塩 11レチカLeczycaFe 12クトノKutno石灰石 13ロゴズノRogozno岩塩 14シェロゾピセSieroszowiceCu 15ポルコビセPolkowiceCu 16ルドナRudnaCu 17ルビンLubinCu 18コンラッドKonradCu 19マリアMariaカオリン 20トロギエルツィンTurowGierczynSn(スズ) 21ゼルコビセZerkowice石灰眉 22スタニスラオStanislawowカオリン 23カルノKalnoカオリン 24ウィリィWiryマグネサイ 25グルゼディGrzedyバライト 26コワリイKowaryFe 27ワルプティチWalbrzych石炭 28ラドコウRadkow石炭 29ツカリィSzklaryNi 30プラツォピセBraszowiceマグネサイ 31ズロティストクZlotyStokAu,As 32ノウィワリトゥNowyWaliszow石灰石 33スbオニオビセSlawniowice石灰石 34オポレOpole石灰石 35イズビコlzbicko石灰石 36ゴラジネGorazdne石灰石 37ビルカビスWielkaWies石灰石 38ジアロシンDzialoszyn石灰石 39ス目ノSlawno石灰朽 40白ドラス1くodras石灰石 41ラトソウカLatosowk目石灰石 42チェストコーワCzestochowaZn,Pb 番号鉱床名 43ザプルゼZabrze 44バイトムBytom 45パイトムB皿om 46ダプロワDabrowa 47ザビエルチェZεwierde 48ポマーズニPomorzany 49ウォルプロムWolbrom 50オルクーツO1kusz 51トルゼビオンカ丁鵬bionka 52ジャウォルノ」aworn0 53カトビセKatowice 54リブニックRybnik 55レスナゴラLe5naGora 56ツァフラリSzafIary 57ビエリツカWeliczka 58レズコビセLezk◎wice 59ポチニアBochnia 60コンスキーKonskie 61モゼッツオMojzeszow 62レスニカLesnica 63トルツカビカT口uskawica 64ルドキRudki 65ラドムRadom 66ウエズビカWeαbic目 67アノポルAnnopo1 68グルッボウGrzybow 69ルドニキRudniki 70バラノウBaranow 71マチョウMachow 72ゼジオルカJeziork0 73バッニァBasznia 74プラゾPlazow 75ズラビセZurawice 76レジョビックRejowiec 77チェルムChe1m 78ボグダンカBogdanka 79クレミアンカKremianka 80ジャンター」antar 81ポゴルキザックPagorkiZach 82ザトカプカZatokaPuck包 83レバLeba 84ムゾザノウォMuzozanowo 鉱産物 石炭 石炭石炭 石灰石 石炭石炭石炭 石灰石 石灰石 岩塩 岩塩岩幅䙥 石灰石 石灰石 石灰石 硫化鉄 リン石灰石 リン硫黄硫責 硫董硫黄 硫黄硫黄石灰石 石灰石 石灰石 石灰石 石炭䙥こはく こはく 岩塩岩塩 こはく ンブリアプラットフォーム(以後卓状地),南東部分 の古生代卓状地,バリスカン期とアルブス期の変動 帯とからなる.先カンブリア卓状地とそれ以外と は,ポーランド中央部を北西一南東方向に走る犬構 造線,T-丁構造線(Teisseyre-Tomquisttectonic line)によって分けられている. 先カンブりア卓状地:ロシア台地の一部分をなし, T-丁構造線の北東側を占める.水平な堆積層(主 に中・新生代の地層)とそれに覆われる先カンブリ ア代の基盤岩(主に変成岩類)とからなる.基盤岩 の一部をなす理れい岩にはイルメナイトー磁鉄鉱鉱 床(クレミアンカ鉱床)が発見されている.卓状地 堆積層中にはモリブデン・バナジンの濃集(オルド ビス紀けつ岩),ボーキサイト(石炭紀),岩塩類(ペ ルム紀)が認められる. 古生代卓状地:基盤岩の上に堆積した古生層が やや変動を受けた地域で,準台地ともいう.この地 域の地質体は,垂直(年代)的に大きく3つのユニ ットに区分される.すなわち,古い方から,先カン ブリア紀の変成岩基盤,カレドニア・バリスカン期 の榴歯古生層およびそれらを覆うペルム紀から新 生代の卓状地堆積層に分けられる.中・古生代の 堆積層は,T-丁構造線に平行な北西一南東方向の 榴曲軸を持っている.鉱物資源では,ポーランドを 代表する石炭(上部石炭紀のハードコール,第三紀 のブラウンコール)・銅(ペルム紀含銅けつ岩), 鉛・亜鉛(三畳紀ドロマイト層),鉄(ジュ?紀)およ び岩塩層(ペルム紀,第三紀中新世)がある(第1 図,第1表). 古生代変動山塊:北西一南東方向の2つの背斜軸 部に沿って露出する複合山塊で,先カンブリア紀 から古生代ξこ至る幾度かの変動で形成された火成 地質ニュース530号

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ポーランドの金属鉱物資源 一33一 策2表ポーランドの鉱物資源の時空分布.アルプス変動帯古生代変動山塊古生代卓状地兜カンプ1」ア卓状地 新生代;百嵐(第二紀)Ni(風化,第三紀)こはく(萬堆税,第四紀) ベントナイト(第三紀〕Pb一バライト(鉱脈,第三紀)こはく(第三紀) Fe(第三紀)硫黄(堆繊,第三紀)岩塩(第=紀) 中生代Mn(雌穂Iジユフ紀)リン灰土(白亜紀)石灰(古第三紀)一」ン灰土(白亜紀)Fe(堆積.ジュラ紀) Pb-Zn(三畳紀?) 石灰石(ジュラ紀) 古生代・百嵐(ペルム紀)石筑(ペルム紀〕岩塩(ペルム紀) Au-As(鉱脈.石旋紀?)Cu(ペルム紀)ボーキサイト(石炭紀) ボーキサイト(石炭紀)石炭(石炭紀)Mo-V(オルドビス紀) 耐火粘土(石炭紀)石灰石(デボン紀) 石炭(石炭紀) Fe(変成、石炭紀?) 先カンブリア代Cr(火成)Fe-Ti(火成) 岩・変成岩と中・古生代の堆積岩からなる.ポーラ ンド南西縁部(オーデルナイセ川上流部)のスーデ チ地域とポーランド中南部のコリースベトグルチス キ地域に分かれる. スーデチ地域の地質は,先カンブリア紀の花商 岩・片麻岩・角閃岩,超苦鉄質岩,結晶片岩,石 炭紀の花商岩等からなる.多様な鉱物資源があり, それらは主に古生代後期に形成された.古い時代 から,ボーキサイト,耐火粘土,石炭(ハードコール), 金一砒素,硫砒鉄鉱(以上石炭紀),岩塩,亜鉛一 銅一バライト(以上ペルム紀),マグネサイト,ラテラ イトニッケル,風化性カオリン(以上第三紀)であ る.コリースベトグルチスキ地域は,カレドニア期の変 成岩を主とし,カドミア期,カレドニア期,バリスカ ン期,アルプス期の4つの変動・鉱化作用が認めら れている.このうち古生代後期のバリスカン期の鉄 (ルドキ鉱床)と銅(ミドジインカ鉱床)の鉱化作用が 顕著である.アルプス期の鉱化作用には,ドロマイ ト中に生じた鉛一バライト鉱脈が知られている. アルプス変動帯(カルパチア帯)1ポーランドの南縁 部を占め,古生代卓状地の堆積岩と古生代変動山 塊の各種岩石の分布を横切るように分布している. 主に古生代から新生代の櫓曲した地層からなる. これらの地層中に堆積性マンガン鉱床(ジュラ紀), 熱水性鉄鉱床,新生代の堆積性鉄鉱床,ベントナ イト,岩塩・石こう・硫黄鉱床を伴う. これらの鉱物資源の時代別・地域別分布の概要 を第2表にまとめた. 3,金属鉱床 ポーランドの金属資源のうちでは,べ一スメタル (銅・鉛・亜鉛)と銀の生産量が著しい(第3表). 特にべ一スメタルの副産物として回収される銀は, 世界生産量の7%を占める. 第3表 ポーランドの主要鉱石生産量. 鉱種単位19801985 工9901993ユ994旦995 1金・t 2銀*t 3銅・kt 4鉛・kt 5亜鉛・kt 6ニッケル*kt 7鉄鉱石Mに 8カオリンkt 9ノ、ライトkt 1o岩塩Mt 11天然慌黄Mt 12石炭Mt 13セメントMt ㌴ 工88 ㈮0.王 ㈳ 〳 ㈮0.0工 ㈴ ㌲ ㌲ ㈵ ㈱ ㌸ ㌮ ㌸ ㈵ ㈮㈰ 〰 ㌸ ㈰ ㈮㈨ 世界95 ㈮㈵ 〰 〰 ㈮ 7,(〕00 1,(〕04 ㈴〰 *印:鉱石中の含有金属量.出典:σSGS,Minemml(1しls亡qアSumey1996等、 1998年10月号

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一34一 平野英雄 3.1金・鍍 金鉱床は,ポーランドの南西部スーデチ地域の 古生代変動山塊に数力所知られているが,ズロチ ィーストグ(ZlotyStok)地区の鉱脈鉱床を除き,い ずれも小規模なものである. ズロチィーストグの鉱床は,15世紀に開発された 鉱脈型の合金砒化鉱床で,1963年までに約23tの 金を生産した.合金砒化鉱床は,先カンブリア紀 結晶片岩中の不規則レンズ状の炭酸塩岩の周辺や その内部に脈状に存在する.選鉱岩は近くのバリ スカン期の閃長岩と花商岩と考えられている.比 較的大きな鉱体は,東西に分かれた計4つがある. 東側の鉱体はGoraHamingとGoraKrzyzowaと 呼ばれ,1∼20mの厚さの板状や鉱脈状の集合体 となっている.西側の鉱体は,GoraLysaとGora Bialaと名付けられ,全体の長さ300m以上,幅 20-30m、高さは約100mで,南東に6ポ傾斜する. 東西の鉱体とも多数の断層により,転位している. 砒化鉱石は,塊状鉱(As35-40%,Au409/t), 網状鉱(As6-29%,Au1-89/t),鉱染状鉱(As 1-7%,Au1-89/t)があり,金は,主に塊状鉱に 濃集している. 鉱石鉱物は,硫砒鉄鉱と砒鉄鉱で,磁鉄鉱,磁 硫鉄鉱,黄銅鉱,黄鉄鉱を伴う.また,部分的に方 鉛鉱,閃亜鉛鉱,輝安鉱も見られる. 塊状鉱は18世紀中頃に終掘となったが,19世紀 中頃からは,塩素法による砒化鉱石からの金の抽 出が適用され,年間30-70kgの金が回収された. そして,1963年を最後にこの地区の鉱石の生産が 停止された.砒素は除草,殺虫,木材防腐用に使 用された.砒化鉱石(精鉱)と金の生産量を以下に 示す(Osika,1986). 生産年砒化鉱石(t)生産年金(kg) 推定される.ちなみにこの量は,佐渡金鉱床(新 潟)の総産出金量の4分の1にあたる.この地区で 最近(1996年)ポーランド国営鋼公社(KGHMPo1-skaMiedzSA)が金鉱床の探鉱を開始した. 銀はポーランドの金属鉱物の中で主要な位置を 占めており,1995年は,世界生産量の7%にあたる 1,000tであった.銀は,金鉱床に伴うものではなく, 堆積岩を母岩とするべ一スメタル鉱床に伴う.すな わち,下シレジア地域の含銅けつ岩層(Kupfer-schiefer)の銅鉱床とシレジアークラクフ地域の鉛一 亜鉛鉱床に含まれ,これらのべ一スメタルを精製す る過程で副産物として回収されている.両地域か ら産出するそれぞれの鉱石の平均的な銀の品位は 次の通り(Osika,1986). Cu鉱石3,000-4,0009(Cu金属t当り) Pb-Zn鉱石(酸化鉱中)1509(Pb+Zn金属t当り) Pb-Zn鉱石(硫化鉱中)50g(Pb+Zn金属t当り) 上記鉱石の銀品位とへ一スメタル生産量(第3 表)から計算すると,銀の生産比率は含銅けつ岩か らのもの100に対し,Pb+Zn鉱石からのものは2∼ 5と推定される. 銀は上記の地域以外に,古生代変動山塊中のバ ライトー方鉛鉱脈(コリースベトグルチスキ地区,方 鉛鉱中にAgO.6%を含有)や硫砒鉄鉱中(スーデチ のクザルノフ地区,鉱石1t中にAg60-80gを含 有)にも伴われて産出する. 銀は,装飾品,食器などρ素材として,また銀の 十字架やマリア像としても広く国民に(90%がカト リック教徒)愛用されている.㈬〰 弱〰 弱〰 弱 弱弱 〰 ㌷㈮〰〰 ㈰〰 ㈰〰弱 ㈭〰 弱 弱 〰㈰ ㌮ 〰 ㌰㌵ズロティー地区からの金の総生産量は,上の表 に示された18世紀中頃までの生産量8.8tに,砒化 鉱石精鉱中の合金推定総量14tを加えて,約23tと 3.2銅 ポーランドの銅の鉱床タイプには,鉱脈型鉱床と 層状鉱床とがある.経済的には,層状鉱床(ペルム 紀上部の含銅けつ岩鉱床)が圧倒的に重要である. (1)層状銅鉱床 この鉱床は,大規模な広がりに対し厚さがきわ めて薄いこと,鉱床母岩(含銅けつ岩層シの堆積時 代が限定されること(ペルム紀上部)を特徴とする. 含銅けつ岩層ならびにその同時代堆積層はポーラ ンド・ドイツ・オランダからイギリスなどヨーロッパに 広く分布する(第2図).このうち鋼が特に濃集した 地質ニュース530号

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ポーランドの金属鉱物資源 一35一 芦.亀 、 オスロ gストック米ルム: \パ・・ 孫舛氏五 '壬・.、! \ベルリンζ 見≧乏二災鼠111㌻ 'ノ∠1ポ、ランド国境 500km魚 銅の鉱化帯(含銅けつ岩層中) 第2図 ペルム系Zechstein層 の分布(Vaughanef ∂五,1989). ノ グビン………㌔. \㌰(サリ \. .㌧.J 50㎞ \. \◎ジェロナゴラ キ\ ㌣海シュロズビセ…蕪1…1 ㈰〰グロゴウ \。∼レグニカ ○レナプロツワフ 濃帯λ r・銅鉱化帯等深度線 ◎都市 部分がポーランドやドイツ国マンスフェルトトラフな ど数地区が知られており,採掘対象となっている. ポーランドの層状銅鉱床は下シレジア地域に3地区 に分かれて分布している(第3図). 3地区のうち最初に発見されたのはグロゴウーレ グニカ地区のルビン鉱床である.ポーランド地質調 査所による基礎ボーリング調査によって1952年に, 予想された位置に予想を遥かに超える巨大鉱床 (10億t以上の埋蔵量)が発見された.この鉱床の 埋蔵鉱量はドイツMansfeld鉱山(生産十埋蔵量= 第3図 下シレジア地域の 層状銅鉱床の分布 (Ry血ewski,1978). 7,500万t)や米国WhitePine鉱山(5.5億t)を上 回る(GustafsonandWi11iams,1981).現在4鉱 山(ポーランド国営鋼公社が所有)が深さ900-1,100mの鉱体を採掘中で,1993年の精鉱生産量 とその品位は,ルビン(6.68Mt,Cu1.31%,A9 709/t),ポルコビゼ(6.83Mt,Cu1.82%,Aと549/t), ルドナ(10.63Mt,Ag1.829/t),シュロゾビセ (3.07Mt,Cu1.79%,A9329/t)であった(Mining㈬癯㌲湯㌰ これらの鉱床は,いずれもペルム紀の厚い炭酸、 1998年10月号

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一36一 平野英雄 第4表下シレジアグロゴウーレグニカ地区Lubin. 層序地層平均の厚さ岩相鉱化用 紀58㎜秒,土,','礫 第二紀293m砂・粘土・シルト層からなり,リグナイトを挟む 二畳紀79m黒や緑色の細粒砂岩.粘土を狭む粘土質けつ岩層32m赤,ピンク,茶色のけつ岩.石こうを含む 硬石こつ層123m灰の粗粒∼細粒硬石」う層.炭質物を挟む 上部ペルム紀(Zechstein)炭酸塩岩層59m石灰岩とドロマイト.薄いCa一ドロマイト,石こうを伴う底部付近に硫化Pb-Zn鉱化作用あり含銅けっ岩層0.3-3.0m炭酸塩を含む頁岩で,薄いけつ岩や炭質物を挟む硫化銅の強い鉱化作用あり 白色砂岩層9.5m細粒の石英質砂岩.粘土一石灰質のセメンティング地層上部に硫化銅の鉱化作用あり 下部ペルム紀(RotHegendes)赤色砂岩層500-600m赤茶色の中粒砂岩.けつ岩の薄層を挟む.多孔質 塩堆積層の下盤のけつ岩層(含銅けつ岩)を中心 に存在する(第4表).鋼の実質的な濃集層は3層 に渡り,それらは,黒色から灰黒色のマール質けつ 岩層(Cu1-3.4%)と,その直下の酸化した赤っぽ い砂岩層(CuO.5-1.5%)およびけつ岩層直上の 炭酸塩岩の基底層(Cu約1.5%)である、鉱化層の 合計の厚さは1∼数㎞で,鉱化層の平均含有量は, Cu1∼2%である.鉱床の主体は含銅けつ岩層で, このけつ岩層は層内で成分変化が見られ,下位で 粘土分が多く,上部に向かいドロマイト含有量が増 す.層の底部を占める厚さ3cmほどの薄層はれぎ 青炭質のけつ岩で,かなりの量のタール成分を含 む.この地域の鉱床層準は,広い範囲にわたりボー リング調査され,酸化帯と還元帯に明瞭に分けら れることが判明した.酸化帯には,炭酸塩,硫酸 塩,水酸化鉄,還元帯には,鋼・鉛・亜鉛・鉄の硫 化物が存在する.べ一スメタルの濃集は還元帯に 限られ,しカ;も酸化還元環境によく対応した元素分 布の規則性が見られる.すなわち,硫化銅鉱物は, 酸化帯(RoteFau1e)を近くに伴う還元帯中に濃集 し,鉛・亜鉛鉱物は,酸化還元境界から離れた還 元帯の内部に濃集している(第4,5図). 還元帯の鉱石鉱物は,輝鋼鉱,斑銅鉱,黄銅 鉱,方鉛鉱,閃亜鉛鉱で,少量のテトラヘドライトを 伴う.輝鋼鉱がもっとも多く含まれ,その粒径は, 100ミクロン以下である.鉱石鉱物は,垂直方向に 規則的な変化を示し,基底では輝銅鉱,中程では ◎ ポズナン 糞勢ゴウ ナ↑ルビン §硫化物鉱化帯C…b・Z・ ξ……■硫化物鉱化帯Pb>Cu・Znレグニカ ⑳硫化物鉱化帯Zn>Cu,Pb ⑭酸化帯 鑑酸化帯を貫いたポーりシグ孔 ○都市 \。。。。 第4図 グロゴウーレグニカ地区 のlZechstein層下部の酸 化/還元帝とCu,Pb,Zn の分布(Rydzewski, 地質ニュニス530号

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ポーランドの金属鉱物資源 一37一 硯石こう層 硬石こう層1一」』L』』L」」」』」`..'ドロマイト.'パ、!'・榊・石灰岩層!'ω姪.!・/卵が雌ゲ鋼けつ岩層一…慧弼譲・びぺ㌻劣∵』』』 』』』』』 石灰岩 .二㌦パ・一…'・` E'婁 約2km 第5図 Zechstein層下部の岩相, 酸化/還元帝,べ一スメタ ルの濃集を表す概念図 (Vaughane士∂五,1989). 第5表下シレジア地域Zechstein層下部の銅鉱石の化 学組成(Sawlowicz,1993), 分\鉱石 有機炭素(%)┩ 用┩ 剥偐洩偐洩 側偐洩偐洩 分≡ 回に富鉱石㌮ 〈0.005〰 生化鉱 〳 〰 くO.005〰 二酸ヒ鉱 4.工 ㈱ ㈸〶 斑銅鉱,上部では黄銅鉱が卓越する.輝銅鉱 には,700-1,000ppmの銀が含まれる(0sika, 銀以外の貴金属元素に関しては,ルビンとポル コビセ鉱山の銅鉱石の一部に,きわめて高濃度の 金・白金族元素が含まれることが報告された.その 品位は,Au3,000ppm,Pt10-370ppm,Pd10-120ppmで(Kucha,1982),これらの貴金属元素は 微粒な金属相や砒素化合物としてケロジェン・方解 石に伴われている(Kucha,1981.1990).世界各 地のれき青炭質けつ岩中に,金や白金が濃集する 傾向は知られているが,これほど高濃度の金・白 金が濃集することを追認したレポー・はみあたらず, “濃集層準"等の確認が必要かも知れない.最近の 分析例(Sawlowicz,1993)を第5表に示す. 成因:含銅けつ岩層の鋼の濃集メカニズムとそ の時期については,多くの論争がある.研究当初, この鉱床は,火山噴気一堆積性鉱床で,銅の錯体 が火山活動によって海中に放出され泥灰質堆積物 とともに堆積したものされてきた(同生説).硫黄同 位体の研究から,硫化鉱物の硫黄(δ34S=一33%・程 度)の起源は,海水硫酸イオンのバクテリア還元で あることがわかっている.べ一スメタル金属の起源 は,鉱床分布地域の下部ペルム系の火山噴出岩 (化学組成がbimoda1の∀o1canics)と結びつけられ る.それは,ポーランドではこの噴出岩を欠く地域 には同層準の堆積層にべ一スメタルの濃集が見ら れないためである(Osika,1986).グロゴウーレグ ニカ地区やサリー地区のべ一スメタル濃集帯は,詳 しくは含鋼けつ岩層をまたいで分布する.そして銅 と鉛亜鉛の含有量比は前述したよ'うに,むしろ酸 化・還元帯の分布とよく対応している.顕微鏡観察 では,還元帯の硫化銅鉱物と酸化帯の赤鉄鉱が, 堆積直後に生じたフランボイダル黄鉄鉱を置換して いる.これらは,上部ペルム紀堆積層のダイアジェ ネシス(続成作用ともいい,堆積物が堆積直後に圧 縮・脱水・鉱物成長により固結する作用)の過程 で,べ一スメタルの移動・沈殿が低温の層間水を介 して生じた可能性を示している.酸化帯の赤鉄鉱 の帯磁時期が,磁極の見かけの移動位置から, 250-220Maと求められたが(Jowette亡a五,1987), この年代は含銅けつ岩の堆積時期(256Ma)と近 く,そのダイヤシェネシスの時期と重なる年代であ る.その後英国・ドイツ・ポーランドなどの含銅頁岩 を広域的に比較し,鉄の酸化を伴う「ダイアジェネ シス後期」が主要な鉱化時期であるとまとめられた畧晡 (2)鉱脈鉱床 規模は小さいが,古生代変動山塊地域(スーデ チ地域とコリースベトグルチスキ地域)に鉱脈型鋼 鉱床が知られている. スーデチ地域にはミチェンカとスタラゴラの2地 1998年10月号

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一38一 平野菜燵 区があり,いずれもバリスカン期の火成岩により形 成された. ミチエンカ地区の鉱脈は断層破砕帯中に存在. 24本見つかっているが,それぞれの厚さは1-3cm と薄い.黄銅鉱を主とし,輝銅鉱,斑銅鉱,コベリ ン,硫砒銅鉱,閃亜鉛鉱,方鉛鉱,硫鉄鉱を伴う. 品位は不規則に,Cu0-35%,Zn0.3-2.5%と変 化する.スタラゴラ地区のものは古生代末のひん 岩の岩脈に伴う参金属脈で,黄銅鉱のほか,硫砒 鉄鉱,方鉛鉱,閃亜鉛鉱,車骨鉱,黄鉄鉱,輝コ バルト鉱を伴う.鉱石には金・銀が含まれる.鉱 石品位は,Cuσ.7-1.6%で,Au1-189/t,Ag ㈰立 コリースベトグルチスキ地域には湊熱水性の銅鉱 脈があり,チェシニ市近くのミエチンカイ地区とキ ェルチェ市近くのミエチェゴラ地区が知られてい る. 3,3鉛・亜鉛 ポーランドの鉛・亜鉛鉱床は,炭酸塩岩を母岩 とする層準規制鉱床(シレジアークラクフ地域),鉱 脈鉱床(コリースベトグルチスキ地域,スーデチ地 域),堆積性鉱床(上シレジア地域の前期古生代 層)がある. 主要な鉛・亜鉛鉱床は,シレジアークラクフ地域 に集中する(第6図).この地域ρ鉱床は古くから稼 行され,今でも国の経済を支える重要な柱となっ ている.ちなみに,シレジアークラクフ地域の鉛・ 亜鉛鉱床は,規模・品位ともオーストラリアのMac ArthurRiver鉱床(埋蔵量2.4億t)と,同じとされ ている(GustafsonandWi11iams,1981).以下に シレジアークラクフ地域の鉱床について記述する. この地域の鉛・亜鉛鉱床はクラクフ北西の,南 北50km,東西50kmの広い範囲に分布し,鉱体の 分布から,西部トラフ地区(バイトム),西部(タルノ ウスキーゴリ),南部トラフ地区(チュルザノフ),東 部(オルクーツ),北東部(ザビエルチェ)に分けら れる.なお,「トラフ」とは,三畳系の炭酸塩堆積層 が古生層基盤岩に囲まれた細長い地区を表す.鉱 床数は20以上が知られている.鉱床の開発は12 世紀にさかのぼる.古くは銀と鉛の鉱床として,鉱 体周辺の酸化鉱を中心に採掘された.鉱体の深度 が浅いものもあり,採掘に伴う陥没のために鉱体直 N/1^\国コ・咋・・鉱体 1〆藻ヂ 緒鼓ツニ、≡ 11晩I一・ヨ 帖締} 第6図シレジアークラクフ神域の鉛・亜鉛鉱床の分布. 鉱山名1①Byton;②TamowskieGory;③ Miotek-Z1e1ona;④Trzebi㎝ka;⑤Ma蚊1da:⑥ Ga1many:⑦Sikorka;⑧Pomorzany;⑨O1kusz; ⑩Boleslaw;⑪Krzykawa;⑫LasH;⑯困ucze;⑭ Jaroszo洲ec-Pa刎rek;⑯Chechlo;⑯Za㎞ercie;⑰ Marciszow;⑱RoヒitnoSzlacheckie;⑩Poreba; ⑳Goluchowice. 上の町が最近になって放棄された例もある. 現在鉱石生産中の鉱山は4つあり(採掘深度50-300m),それらは,オルクーツ(1967開発,鉱石の 年産能力60万t),ポマーズニ(1974開発,ポーラン ド最大の亜鉛鉱山,年220万tの鉱石生産),トルゼ ビオンカ(1885年開発,1993年に,112ktの亜鉛精 鉱(品位Zn3.5-4.O%)と40ktの鉛精鉱(品位Pb 1.5-2.O%)を産出),ボレスラクである(Mining これらの鉱床の多くは三畳系の炭酸塩岩(ドロマ イト)中に形成されているが,鉱化作用はときに石 炭系・デボン系のドロマイト中にも及んでいる.こ の地域の代表的な層序・岩相図を示す(第7図). 5地域の鉱床の産状・構成鉱物種・鉱石の構 造・化学成分にはそれぞれ個性があるが,ここでは 東部地域の鉱床を代表例として紹介する. この鉱床地域の中央部には,ポマーズニ,シコ ルカ,オルクーツ,ポレスロウ,ラスーキ,クルツィカ ワの各鉱床が,北部には,クルクゼ,ジャロスゾビー パスレック,チェクロ鉱床が分布する.特に,中央 部の鉱床は,何枚かの“鉱床層準"があり,鉱脈と 直結するネットワーク状の鉱染状鉱体も発達してい 地質ニュース530号

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ポーランドの金属鉱物資源 一39一 層序γやけつ岩一ドロマイトー砂岩ピスコビセ地区(鉱化域外〕パイトム地区オルクーツ地区{パイトム西25km) ■■■11' 爺一一'ポルソピセけつ岩 一」1タルノピセ石灰岩タルノピセ眉灰岩タルノピセ石灰岩 騎 佳デイプロポラドロマイトデイプロポラドロマイトデイプロポラドロマイト ヘミ余ミH八{く一・一.・一一カルテョピセ層テレプラツラ層ゴラジエ石灰岩鉱化ドロマイトオルクーツ属 牒蝦…籟ト}一{ゴコリノ石灰岩■}∼一一,,ゴゴリン石灰岩ゴゴリン石灰岩 ,一一^一一} 竈一Llブロウ朽灰岩ローディアン一一一1一 ブロウ石灰岩ローデイアン ドロマイトローデイアンドロマイト 一へ八ドロマイト 騎、}}∴1まだら状砂岩と砂質けつ岩まだら状砂岩と砂質けつ岩まだら状砂岩と砂質けつ岩 第7図シレジアークラクフ地域の三畳系の層序と鉛・亜 鉛鉱床(黒色部)(Osika,1986). る.そのため,厚さ10mを越えるものも少なくな い.これらのうち,ポマーズニ,オルクーツ,ボレス ラウが最も重要な鉱床である.上記鉱体群のほと んどは,三畳系のドロマイト中に存在する. ポマーズニ鉱床1この鉱床は,12km2の広がりを もつ.地表から80-100mを採掘中.個々の鉱体 は,板状,レンズ状,ネット状で,全体として見ると 平らな板状をなす.その大きさは,長さ300-1,000mで,厚さは3-10mである.鉱体は北東に向 かうにつれ,より上位の層準に移行する傾向にあ る.鉱石は,硫化鉱物の含有量から硫化鉱と酸化 鉱とに分けられる.硫化鉱の鉱石鉱物は鉄含有量 の低い微粒の閃亜鉛鉱で,方鉛鉱,自鉄鉱を伴う. 酸化鉱は,スミソナイト,自鉛鉱,針鉄鉱,バライト, 方解石からなる.鉱石のZn:Pb比は3:1である. オルクーツ鉱床:規模はポマーズニ鉱床とほぼ同 じで,鉱体の構造,鉱石鉱物も似ている.鉱床は, 下部ムッシェルカルク(Musche1kalk)層中のいくつ かの層準にわたって別々に発達している.鉱石の Zn:Pb比は2:1である. 鉱石の構造1鉱石の構造・組織は,さまざまで,石 灰岩・ドロマイトの角礫を充てんする塊状または脈 状の鉱石,ドロマイトに鉱染状に散在する鉱石鉱 物,魚卵状ないしコロフオーム構造をもつ縞状の鉱 石,カルスト性空洞に層状に堆積した鉱石などがあ る.硫化鉱物,特に閃亜鉛鉱は一般に微粒∼細粒 で,しかも著しくFeに乏しいことが特徴である.閃 亜鉛鉱は,しばしば、“ブルンカイト(brunckite,コ ロイド状の閃亜鉛鉱)"として,記載されるほど,粒 径が細かい.ちなみに,オルクーツ鉱床のカルスト 空洞にできたブルンカイトの堆積層はスモーカーの 堆積物(現世海嶺で見つかった熱水噴出物)に対 比されている(Haranczyk,1970).さらに,ザビエ ルチェ鉱床では,ムッシェルカルク層堆積当時,ブ ラックスモー力一を排出したとされる小さなベント (閃亜鉛鉱・自鉄鉱・黄鉄鉱からなる細脈)が貝化 石(腕足類)とともにデボン/三畳紀の不整合面上で 見つかっている(Haranczyk,1996). この地域の鉛・亜鉛鉱床内部には,層状構造が 明瞭な鉱層がしばしば観察される.鉱層はカルス ト性空洞を埋めたものが多いが,一部に母岩(鉱 床周囲の炭酸塩堆積岩)と同生的に生成したこと を示す堆積構造がみられる.そのため,ミシシッピ ー型と区別され,アルパイン型とされた(Sangster, 化学組成1この地域の鉱石は硫化鉱と酸化鉱と に分けられる.酸化鉱は鉱体の周辺部にみられる. 以下に鉱石(精鉱)の代表的な化学組成を示す. 成分 硫化鉱酸化鉱 䙥 杏 卩㈰ ㈰張 ㈮㈬ ㈷ ㈬㈭㈮ 弱 ㈭㈬ た㈮ ㈮㈬ た 硫化鉱・酸化鉱の化学成分のうち,Zn,Pb,Cd, AgならびにS(硫酸)は回収・生産されているが, 鉱石中に存在が確認されているGa,In,Geについ ては,現在も未回収のままである. 成因:鉱化ドロマイトとPb-Zn鉱床の成因につい ては,いろいろな説があるが,集約的には後成的・ テレサーマル・交代性となるであろう(0sika, 1990).すなわち,塩類または有機酸などを含む低 温の水溶液によって運ばれたMg,Zn,Pbが,地下 のカルスト石灰岩を鉱化ドロマイトに置換したり, 粘土とともにカルスト性空洞に堆積したとされる (例麦は,Wodzicki,1987).しかし,潟湖やバック リーフの堆積環境を鉱床生成の要因とする説や, 海底でのスモー力一(噴気)堆積物とする考えもあ 1998年10月号

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一40一 平野英雄 る.Mg,Zn,Pb元素の起源については,火成活動 による熱水溶液,海水,または,地層中の層間水 に由来するなどの説がある. Pb-Zn鉱床の形成年代についても,鉱化ドロマ イトの生成時期とともに,三畳紀中期から第三紀に わたるいろいろな考えがある. 3.4鉄 ポーランドの鉄鉱床は,先カンブリアから第三紀 までのものがあり,しかも全国に広く分布している. 鉱床タイフは,火成鉱床,変成鉱床,熱水鉱脈鉱 床,堆積性鉱床などがある.堆積性鉄鉱床はほか のタイフの鉄鉱床と比べ規模が大きく,また採掘条 件も良いため,多くは開発されている.堆積性鉱 床の鉱石は「アイアンストーン」と称される鉄に富む 化学的堆積岩である.鉱物組成は,細粒のシデラ イト,シャモサイト,石英からなり,鉄品位はそれほ ど高くない(Fe32-36%).リンの含有量がやや高 い(P2050.1-0.5%)のが特徴で,鉄鉱層の近くに リン灰土層を伴うことがある.ポーランドの主な鉱 床名と鉱床タイフを以下に示す. 工業都市カドビチェの発展の基礎物質となった. 3,5クロム クロマイト鉱床はポーランド西部に1力所知られて いる(第1図).20世紀初め頃から開発されたが,規 模は小さい.鉱体は,スーデチ地域の先カンブリア 変成岩中の蛇紋岩一かんらん岩体(面積100km2) のダナイト中に産し,その形態はレンズ状ないし字 状である.鉱体の大きさは,長さ8∼20m,幅4-8m,厚さ2-4m程度.開発当初から今までに約 4,000tのクロマイト鉱石(品位はCr20326%)が採 掘されたのみである(0sika,1986). 鉱床名鉱床タイプ形成時代 メモ楡湫睡特 創Ossa-Bi乱1aczow 偲散穹潢剥 浩楣 Polsk乱睡 潢 慴歯 却敧 却数楮 火成鉱床先カンプリア 変成鉱床先カンプリア 熱水鉱脈古生代 堆横性鉱床ジュラ紀 堆穫性鉱床ジュラ紀 堆横性鉱床ジュラ紀 堆横性鉱床ジュラ紀 堆横性鉱床ジュラ紀 堆横性鉱床ジュラ紀 堆横性鉱床ジュラ紀 堆積性鉱床ジュラ紀 堆櫨性鉱床ジュラ紀 堆横性鉱床ジュラ紀 堆櫨性鉱床自亜紀 1962発見未開発 1960終掘 終掘古生代変 動山塊 古生代卓状地 古生代卓状地 古生代卓状地 古生代卓状地 古生代卓状地 古生代卓状地 古生代卓状地 首生代卓状地 古生代卓状地 古生代卓状地 カルパチア帯 このうち,近年の鉱石生産に寄与しているのは,全 てジュラ紀中期(Dogger)の時代の堆積性鉱床で ある.データは少し古いが,1976年までの生産量 の90%は上シレジア地域のチェストコワークロブク 地区の鉱床(ザルキ,ポラジ,カミエニカポルスカ, チェストコワ,クロブク)から産出した(Osika,1990). これらの鉄鉱石は,近くから産出する上部石炭系 の石炭(ハードコール),石灰石,鉛・亜鉛とともに 3.6ニッケル ニッケル鉱床は,上記クロム鉱床の南30kmのス ーデチ地域Szk1ary地区の3つの丘の上に分布す る.鉱床は,先カンブリア系申の蛇紋岩の岩体を 覆う風化帯(風化残留層)として産出する.これら の風化帯は第三紀中新世の温暖気候のもとで生成 された.風化帯の分布規模は小さいが、その厚さ は10から15mである.風化帯上部は,褐色で鉄の 濃集と脈状のオパールや玉ずいがみられる.下部 は灰緑色で,ニッケルが濃集し採掘の対象とされて いる.その下位の蛇紋岩の割れ目には,脈状のマ グネサイトがみられる. 鉱石鉱物はNi一ケロライト(緑色の鱗片状鉱物), ガー二エライト(青緑色のソラマメ状鉱物)等で,鉱 石晶位はNi0.5-2.5%,Fe10∼12%である.鉱 床は1891年に開発され,断続的ではあるが現在ま で採掘されてきた.蔦晶位部分(Ni1.0-2.5%)は すべて採掘済みで,現在はNi0.7%の低晶位鉱が フェロニッケルの原料用として採掘されている. 4。まとめ ポーランドの地質は卓状地と,その南西端が古 生代末から新生代にかけて変動を受けた岩石から なる.鉱物資源は,火成岩に伴う大規楳鉱床はな いが,堆積岩を母岩とする銅(けつ岩),鉛・亜鉛 (炭酸塩岩)の層状鉱床や鉄・塩類などの化学的堆 積岩鉱床および石炭層が大規模に発達している. これらの鉱床の母岩は全て卓状地に発達した堆積 岩である.ポーランドは「卓状地型鉱床」に卓越し 地質ニュース530号

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ポーランドの金属鉱物資源 一41一 た国とい麦よう. 参考文献 Gustafson,L.B.andWilliams,N.(1981):Sedimen仁hostedstratト 地mdepositsofcopper,leadandzinαlnEconomicgeology75th anniversa収volum巳ed,bySkinner,Bエ,EconomicGeology,p.㌹ Haranczyk,C.(1996):SmokersderivedminerlsoftheSiles三a阯C附 。owZ咋Pb一ぷredeposits.ICAMI96 Jowett。凪C.andPearce,W.G(1987a):AMidTH乱ssicP前eomagne直。 慧晴敲獣敦敲浩牡穡楯慮搬摯 revisedapp副rentPolarWanderPathforEuropeandRussia.J. Geoph汎Researchvo1.92,no.B1,p,581-59& Kucha,H.(1982):P-atinu阯Group㎜etalsintheZechsteincopper灯瑳湯浩汯癯 Osika,R一(1986):Po-and.InMineraldepositsofEurope.vo13.Ce吐 tralEurope.p.55-97.Ins亡MiningandMetallurgy,M1neralog一 三。alSoc. Osika,K,e↓(1990):Geo1ogyofPo-and,voLaMineralDeposits. 314p.Geo1og三。alInstituteofPoland. Sangster,D.R(1976):Carbonatehostedlea止zincdeposits.p.447-慮潯歯晳慴慢潭牡瑩景 数楴癯捨慰癩敲 卡楣㌩物摩畭慮摯敲灬慴楮畭杲浥 geochemicalmarkersinsed…mentaryenvironments,Palaeo-来牡礬慥瑯汯慥汯癯〴瀬㈵㌭ ㈷ 畧測 楣栬慮慮捺 C.(1989):TheKup丘erschiefer:Anoverviewwith…mappra…salof thedi旋rent帥esofminera-izat三〇n.EconomicGeology,voL84, 〰㌭ Wodzicki,A(1987):Ori勧no舳eCracovi肚SilesianZrトPbdepos:ts. AnnalesSocietalisGeolo些Poloniae.vo一、57,p.3-36. 主なもののみ示した.ポーランドの地質・鉱床の詳しい文献は0s1ka (1986.1990)を参照. HI㎜voHideo(1998):Meta11icmineralresourcesof <受付:1998年9月11日> く東欧メモ4>ヨハネパウロニ世 <東欧メモ5>カドビチェ 1920年,ポーランドのクラクフ市近郊バトビチェ 生まれ.クラクフの枢機卿を経て,1978年に,非イ タリア人としては,456年ぶりにローマ法王に選出 されました.世界平和への関心が強く,81年には 広島・長崎を,最近はキューバを訪問しました.法 王としてポーランドに幾度か里帰りして,共産国で の自主管理労組「連帯」の誕生と発展に強い影響 を与え,「連帯」の活動が東欧革命の原動力となり ました.共産圏出身者として89年12月にソ連のゴ ルバチョフ書記長と会談し,ロシア革命以来70余 年続いたソ連とバチカンの宗教上の冷戦が終わり ました.それは,米ソ首脳により東西の冷戦体制 の終結が確認される直前でした.(H) ポーランド最大のシロンスク工業地帯の中核とな った工業都市で,上シレジア地方に位置する.石 炭・鉄・銅・鉛・亜鉛・石灰石・岩塩などの犬鉱山 に近く,製鉄・精錬・コークス・化学製品などの大 規模工場が集中している.東欧の大気汚染(公害) 都市として,チェコのモスト,旧東独のビターフェル トなどとともにしばしば登場.これら三都市は,大 量の石炭・褐炭を生産,消費していることが共通 点.三都市をそれぞれ中核とするポーランド南部, チェコ北部,旧東独南部を囲む範囲は,環境問題 の専門家から「黒いトライアングル」とよばれてい る.(H) 1998年10月号

参照

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■本 社 TEL 〒〇62札幌市豊平医平岸3条5丁目1番18号八ドソンビル ■八ドソン札幌 TEL

〒020-0832 岩手県盛岡市東見前 3-10-2

○珠洲市宝立町春日野地内における林地開発許可の経緯(参考) 平成元年11月13日

1 北海道 北海道教育大学岩見沢校  芸術・スポーツ産業化論 2019年5月20日 藤原直幸 2 岩手県 釜石鵜住居復興スタジアム 運営シンポジウム

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