279 道路建設の経済効果
通路建設の経済効果
ーー ノ ー
植 村 福 七
目 次 第1菱 総論
第2葦 コンペンレヨナル・アプローチについて 第3寒 地域産業連関分析によるアプローチについて
第1章 総
道路建設のインパクトとは,そ・の道路の勢力圏に.及ばす経済的,社会的,政 治的な各種の影野であるが,ここでほ主として経済的影轡を取上げる。−・般に
(注)
道路建設の経済的効果を直接効果と間接効果に分けるが,同一・経済地域内にお 注1経済企画庁の経済効果論
耐用期間の延長
ヒ票差芸芸慧一慧(破損危険性の減少)
直接的
・経済効→
果
ー滞貨の一掃
−一輪送費の減少にともなう生産と輸送の 誘発
一一地方開発にともなう輸送盈の増大 輸送景
 ̄の増大
〔∵昌衛視ふ
間接的−一地方の産業,経済の開発一叫従って地方民の所得 一経済効 水準の向上
果■ ,土地価格及び物資の贋源価値の上昇
‡憲実害毒誓芸濃袈裟漂慧蒜岩大,道路の美化車両乗 〉
道路建 設事業【
の効果 経済効果 一以外の直 接的効果
一地方開発(地方の社会的,文化的,観光的開発) 効果
経済審議庁計画部「経済効果測定方式並に共同費用振り分け方式総括表」1955,ppい36
−43.
解36巻 第3号
− 2・一
往2・鮎川道路調査会の経済効果論
280
橋本元三郎「鮎川構想に.よる全国道路整備計画の大要」昭和30年 注3.「ワトキンズ」調査団の経済効果論
(1)製造工業に及ばす効果 1‖ 工業経営の進=歩
(a)値接輸送費の低減
(b)その他輸送費の低減
(C)時間の節約
(d)生産の連続的諸段階の材料の流れの改善・
(el小生産者の利益 2.地理的移動
(a)工業の内陣分散
(b)工業の郊外への分散
(C)小都市への工業の分散
(d)−ユ業部門内の地理的統合
(e)地理的専業化 3.生産増加の促進
(a)既存工場の拡張
(b)新工場の建設
(C)新しし〕生産中心地の形成
(d)未発達地域の開発
(e)製造工業に対する直接刺激
(f)自動車ユ菜および関連工業に対する刺激 4・市場サ−ゼスの改善
道路建設の経済効果 ノ ■− 3 −−
(a)市場費用の減少
(b)輸送の適確性
(c)最盛期における需要を処理する能力
(d)販売経路の嘩純化 5市場流通の改良
(a)在庫の減少
(b)市場の中心地における商品の多様性
(C)国内消費の増加
(d)輸出に対する援助
6.経営者に対すもサービスの向上
(a)供給者と市場との連絡
(b)エ場経営の監督
(c)工場運転の中断
(d)自家用トラックの利用
(2)在庫に及臆す影響 1小 手持在庫の節減 2り 輸送在庫の節減
(3)鷹巣,林業,及び漁業に及ぼす効果 1… 農業に及ぼす効果
(a)高速道路建設にともなう農民の不利益
(b)農業に与えるプラスの経済効果
2・漁業一魚類その他の海産物:生産者と消費者の利益 3l林業一杯産物の原価及び販売に及ぼす効果
4.高速道路の可能な開発効果
(4)外国貿易及び国際収支に及ばす効果 1.観光
2.資源の開発と輸入の節減 3.輸出促進効果
4.国際収支の改善
RalphJ.Watkins,Kobe−Nagoya Expressway Survey for the MinistIy Of Const ruction,GoveImment OfJapan,August,1956.p.1
注4い 日本道路公団の経済効果論
(1)佐々木恒−イ道路の経済効果論」昭和36年 経済効果分類表
第36巻 第3号 282 一.J −
ける道路建設あるいは.整備の経済効果は同時発生的で,いずれを直接効果いず れを間接効果と判明しえざる場合が多いので,この区分には賛戌できかねる。
例えばある地域に新道路が建設されることにより,その沿道に工場が新設され たとすればそれによって道路上の交通暑が発生するのであるから,開発効果が 直接的で輸送効果ほ間接的であるとも云える。
道路建設あるいほ整備の経済効果を整理してみると次表の如くである。
(1)輸送効果 1 輸送費の節減 2 輸送時間の短縮
3 車両の大型化・−一帯載慮の増大
4 車両損傷の軽級丁修繕費の減少
(2)日本道路公団「インパクト・スタディの理論的実証的研究」昭和38年 1い 技術的外部経済(直接効果)
a‖ 走行費の節約 b輸送時間の短縮 C.運転手の疲労度の軽減 d‖ 交通快適度の増大 e。交通事故の減少 2,.市場的外部経済(間接効果)
a.生産,輸送計画の合理化 bい 荷傷みの減少と梱包費の節約 cり 褒源価値の上昇と利用方法の変化 d‖ 工業地帯の分散化
e.都市人口の分散化 f.流通過程の合理化 g.市場圏の拡大化
道路建設の経済効果
283 − 5 −■・
5 荷造梱包費の節減 6 生鮮食料品の鮮度向上
7 潜在交通鼠の誘発
8
9 快適度の増大と疲労の軽減 10 輸送の適確性
11交通事故の減少
(2)資産効果
1土地利用穐閲の拡人 2 地価の⊥昇 3 資源価値の上昇
4 手持在庫及び輸送在庫鼠の減少一利子節減
(3)開発効果 1 資源の開発
2 交通立地の変化による産業開発 3 エ其の地方分散
4 観光開発
5 地方開発(社会的・文化的)
(4)一市場効果 1 市場の形成拡大 2 市場流通の円滑化
8 市場費用の減少 4 地域内消費の増加
第5節 インパクト・スタディのアブロ・−チ
道路建設の経済効果を計測する方法に次の8っがある?
1便益費用分析
2 従来のインパクト・スタディ
台 地域産業連関分析
284 第36巻 第3号
−・6 −
、(1)と(2)の方法ほ微視的であり,部分均衡論的であるため単純効果の測定には 有効であっても,産業間・地域間の波及効果や綜合効果測定には不十分であ
る。 これに対して地域産業連関分析ほ一・般均衡論の枠の中で道路建設の綜合的 経済効果を測定するに有効であるが,細目的効果(輸送効果●・資産効果・開発 効果・市場効果等)を捕捉するに不適当である。従ってこれらの方法ほ相互補 完的に用いなければならない。
第2章 コンベンショナル・アプローチについて 第1節 総
従来,退路建設プロ汐ごクトの経済効果測定方法として用いられてきた(1)便 益費用分析,(2微視的インバクー・スタディ,(3)日本における事例として名神 高速道路に対する日本道路公団提出のL世界・銀行提出資料1の手法紅つき説明
すると共に,それらの実効性と適用能力について検討してみる。
第2節 便益費用分析
元来,虞益費用分析(Benefit Cost Analysis)の手法ほアメリカに・おいて 水資源開発プロiタコ.クトの効率評価佐用いられてきた。この手法は・,そのまま 通路建設プロ汐工クトの効率評価に用いられることができる。
1 分析モデル
日本道路公団「インパクト・スタディの理論的実証的研究」昭和38年に・便益 費用分析のモデルがあるのでそれを紹介しよう。
このモデルは投資計画及び予算をコンスタントと仮定し,投資額の既存価値を最大にす るものである。
定義式 、
G古=百 ・一定の政府のプロジェクト投資額
脆 f年次におけるプロジェクトの資本額
0古=α穐−1 ≠年次における操業費,αは資本額に対する操業費の比率で,時間に対 して一足である。
哉=β垢−1 f年次における純便益額,βは資本額に対する便益の比率で,時間に対
道路建設の経済効果 ー 7 − 285
して.一足である。
ん=G−−Or ≠年次におけるプロ汐‡クトにおける新投資 穐。=す 初年度における資本の元本
γ 永久の生活と初会的時間選好率
Ⅴ刀 便益の現在価値
Ⅴク 費用の 〝
y 投段の 〝 第1年次に應巧、て
J ∬J=G∑(1一α)7ヱ 殉=0
=否−αgr。」一脆0
=百+(1・−α)j‰。
f年次において
_、r 垢=G∑(1−α)作
用=0
1−(1−・α)鉦1
(1)垢苧召(
f年次における便益は.,
β右=β百(上告竺 )
永久の昼席と社会的時間遺好率γを仮定して−,便益の現在価値は,
l 月=三 ,′一
£㌫(1+γ)才 α
ぎ1−(1一一α)£
・・′−・∑
α 品 (1十γ)J
鉦許)≠)
=悉(孟で三河一
=管(1+÷・一芸;)
G(1+γ)
_ β
(α+γ) 7
麹用の現在価値は.,
286 解36巻 第3号
−β−
Ⅴ。=_旦旦土n γ 便益費用比率は,
(2)旬yc=て㌫
投資の現在価値ほ,
−1)(
(3)Ⅴ=Ⅴ月−Vc=( β
」il1
コン∵スタントの配布額、すが与えられれば,投資の選択ほ異なった程度の資本集約率
(Capitalintensity)α,すなわち,栗本に対する操業費用の比率をもつ−・組のプロi7.ェク トの間での選択である。(同じプロジェクトの異なった規模は別のブロジェク†と考えら れる)。区Ⅰでほ,プロジュク=はαによって順序づけられる。OLほ与えられたαにおけ
る任意のプロ汐.ェクトの最高のβ,便益資本比率である。
最高のものを選択するため,われわれはαに関して現在l鵬値を最大化されねばならない。
Ⅴ研α・方α=意=0=(α+ツ)好(1」−γ)−β(呵1+γ))
0=(α+ツ)意二β
β _ dβ α+γ dα
(4)
道路建設の経済効果 − 9 −−
287
方程式4ほ現在イ酎磨に対する最大化条件を与えている。図において,この点大化条件は OL生産後会曲線(production opportunity curve)とγMとが接触(tangency)してい
ることである。OLに対する切線である便益費用比率線ほ,投資額の現在価値を最大化す るための最適比率を与える。接触点Sは最良のα,あるいは資本集約度を表わしている。
2 道路建設プロゴクェクトへの適用
便益費用分析を道路建設プロ汐工クトに適用する研究については,日本道路 公団佐々木但−∵氏による先駆的研究がなされているので,ここで紹介する0
(佐々水恒−イ道路の経済効果論−一経済効果の分類と測定」昭和36年)
便益費用分析においては,便益率,道路費用,通路使用者費用の3つが主要な分析要素 である。
(1)便 益 率
道路改良に対する道路使用者の便益分析ほ,現在道路と改良道路との年間費用の比較に ょって行なわれる。年間費用は年間道路使用者費用と道路の改良費,維持費および運営費 からなる。便益率とほ道路改良に対する投資にともなう道路費用の増加と,これ紅見合う 道路使用者便益の増大(収益)との比率である。便益率の算定方式は次のようである。
便益率==雌乱 の 道路費用差
Benefit Differencein road user cost
Bene董it ratio=
Costs Differencein highway cost
もっとも簡単な分析ほ現在道路と一つの改良通路との比較である。便益率く1の場合は 道路使用者便益の観点からみれば,改良道路より一般道路が有利なこ・とを示す。したがっ て改良工事は実施すべきでほない。便益率>1の場合ほ改良道路が血般通路より有利であ
り,改良工事を実施すべきである。道路使用者費用は津南運転費用と時間費用の合計額か らなる。道路費用は改良のための資本経費と道路の保守運営費からなる。
便益率の算定を次の式によって:更に具体的に示すことができる。
便益率=譜
点∵=現在道路の年間通路使用者費用 孔=改艮道路の年間道路使用者費用
〟=現在道路の年間道路費用 銑=改良道路の年間道路費用
(】一)
虹_j∂_J 第36巻 第3号 288 改艮通路が2つ以上ある場合はこ第1甲改良通路計画の便益率ほ(1)式により算出し,第 2の改良道路計画の便益率ほ(1)式の(忍1)および(〝1)に(亀)および(筏)をそれぞれ代入し て,その比率を算出すればよい。
(注)(裁)第2の改良道路の年間通路使用者費月ヨ
(月日)第2の改良道路の年間道路費用
このようにしていくかの通路改良言十画の便益率を相互に比較することによって.,その優 劣を判超するのがその日的である。すなわち第1の改良通路の便益率が第2のそれより大 きけれほ簡1の計画を実施すれほよい。
(2)退路食用
改良のための資本経費牲,道路改良蟄を償却するに必要な年間経蘭と利子せ含む。通 常,用地,地ならし,排水施設,舗装およ甘主要構造物に対して,それぞれ別な平均耐用 年数が使用される。通路の保守運営費は類似した条件の通路の実塵経由から推定する。運 営費にほ標語軋 照明などの費用が含まれる。年間道路費用(〝)は次の式で表わすことがで
きる。
H=CIKl+C2K2+C〇KB+C4K4+M ここで,Cl,C2{ノ改良施設別潜東経費
(2)
g〜改良施設の推定平均耐用年数
(31退路使用者費用
道路使用者費用の計静は次の式によって行なう。
道路使用者費用=365.A・エ・ぴ (3)
ここで,A〜分析期間中における年間剛日平均交通量 エ〜道路の区間別延長マイル
U〜当該道路における1卦マイル当り単位,運転費用 および時間費用
(Combined unit opeIating and time cost)
便益の基準を運転級用と時間費用との二つに限定したのは,この二つの便益がもっとも 測定しやすく,かつ大衆にも容認される便益だからである。
1)「A」の値
Aの値を決定するにほ次の三つの推定作業が必要である。
a 改.良工事が完了して当該道路が一般に.利用される初年度の一月平均交通量の推
_Jノー・・
適格建設の経済効果
289
定。
b 分析期間中における交通景の増加率(expansion factor)の決定。
分析期間ほ15年ないし20年が最高であり,それ以上の長期間になると正確性が乏し くなるから患定すべきでほない。したがっでこの分析期間ほ道路費用の計算に使用 する平均耐用年数(aveIagelife val11eS)とほ別のものである。
c 分析期間中の年間1日平均交通患の算出
交通量ほ車両の大きさ,重患および作業種別に想定しなければならない。しかし集 配トラックのような軽車両ほ乗用車のうち浸.包含してこさしつかえない。しかしより 大きい重患の車両(トラックやバス)は,別個な交通量として推定しなければなら ない。したがって
A=Ap+A右
ここで,A少〜乗用患の交通藍
A古〜†ラックおよびバスの交通量
しかしトラックとバスほ現在のところ乗用車と同じような単位費用が作られてい ないのでトラックやパスを乗用車に換算している。トラウクやバスを乗用車に.換算
した交通台数は,次の式で表わす。
Aβ=A♪+ダ…A古
ここで,Aβ〜t・ラックを含む換算乗用津台数
ダ′一乗用老に対するトラックの単億運転襲用の比率 トラック逆転費用の乗用車運転費用に対する比率は次の凄うである。
2)「エ」の僧
道路の延長ほ次のような事情のある場合にほ,いくつかの区間に分別する。
a)交通墓にはっきりした変化のある区間
・−・J2一_. 第36巻 第3号 290 b)通路施設の変化,すなわち凍線数,縦断面またほ舗装の種凝などの異なっている
区間
C)交通鼻と通路施設との双方紅よって決定された,車両運転型式に相異のある場合 3)「ぴ.」の偲
びの値は車輌単位当り運転経費および時間費用つまり燃料乱 タイヤ費,油脂費,維 持および修繕費,減価債却費および時間費用の6っの項目がそれぞれ推定されれば求 めることが出米る。従って,ここでほ快適性と便利性や外部経済的効果ほ.算入されて いない。
交叉人】如こおける停頚による遅延鄭lヨを含んだ年間道路使用者資用は次の式によって計 簸される。
通路使用者費用=365.A..エび十365いβ5
ここで,β〜交叉点における停車を要する1日平均交通豊
5〜先に説明した車両1台当りの停庫にともなう平均追加費用 停車砿よる年間退路使用者費用ほ交叉点ごとにく−β>と・く5>とを評価し,これ紅365
を乗じて箪出する。
第3節 微視的インパクト・スタディ
便益費用分析が道路建設による直接便益(退路使用者費用の差)に」撮られる に対して,インバク†・スタディは諸々の経済効果につき計測せんとするもの である。従来の微視的インパクト・スタディほまず比較すべき経済指棲を定め,
これを道路の建設前と建設後又は建設地域と他の地域とを比較することによっ て嘩済効果を測定せんとする手法である。この分折方法に次の2つがある。
1 前後比較法
前後比較法(BefoIe andAfter CoふparisonMethod)ほ定められた経済指 標につき,退路建設前と建設後とを比較し,経済効果を測定する方法である。
比較する年次については(1)退路建設の公表の前年,(2)着工の年次,(3)建設期間 LP(4)完了の年次,(5)道路供用開始後2〜∂年の別間に.ついて行うべきである。
2 地域比較法
地奴比較法(Study Area and ContIOIArea Comparison Method)とは 研究地域(通路建設によって影響を受ける地域)と比較地域(退路建設以前の
ー・▲ヱ3−−
道路建設の経済効果
291
研究地域とはぼ同質的地域)につき経済指標を比較するこ・とによって経済効果 を測定せんとする方法である。ここで問題となるのは比較地場の選定である0 アメリカのアトランタにこおける事例によると退路沿道より1km以内のゾーン
l,1km〜2kmをゾーン2,2km〜8kmをゾーン8とし,ゾーン1を研 地域,ゾーン2,8を比較地域と.して−いる。
8 経済指標
比較する経済指標については
(1)沿道人口,就英人口(産業別)
(2)産米別,規模別事業所数
(3)産業別生産所得
(4)自動車保有台数(車種別)
(5)通路交通量,OD調査
(6)輸送費用,輸送時間
(7)土」地価格
(8)観光客数
等で,ケ−スによってはもっと多くの指標を設けることができる。
アメリカにおける1960年12月現在までに完成された69の研究の中で用いられ た主要指標ほ次の通りである。
(1.)土地利用
(2)土地価値
(3)叫・般的経済効果
(4)農業に対する効果
(5)税収に対する効果
く6)交通パターーン及び交通安全
(7)工共に対する効果
(8)宅地
(9)小売某
(10)社会成長
2り2
第36巻 第3号
−−J−ノ ー
(川 公益事業
(12)公共施設
(13)バイパヌ
l用 フロンデイツ汐・ロ−ド
(15)都市圏
(16)沿道の事業及びモデル
(17)人口
これらの指標のうら,どれを選ぶかはその分析目的による。
注 杉本康人「インパクト・スタディ」 道路196Ⅰ.11月号参照 第4節 目本における事例
日本において行われたインパクトスタディとしては次の′ものがある。
(1)「道路整備による経済効果研究のための調査報告書」僻和37年1月建設省 関東地方建設局常陸工事事務所
(2)′「_上江橋の経済効果に関する調査」昭和37年9月8日 日本道路公団
(3)「世界銀行提出資料」昭和36年8月 日本道路公団
このうち,日本道路公団「世界銀行提出資料」による経済効果ほ次の5項目 に分類されている。
(ユ)産業及び人口の再配置,都市の人口集中及び混雑の緩和
(2†都市への食料供給地域の拡大
(3)生産者及び商人の在庫の減少
(4)輸出品の利益マ−ジ∵ソの増加
(5)道路上の交通事故の減少
こ・れらの5項目に対して経済効果が算足されている。
第1の道路建設による産業構造ゐ変化ほ名神高車道路のもたらす経済効果の うち最も大きく,工業の再配置,人口分布の変化が予測されている。高速道路 建設後15年間の工場開発を次の如く推定している。(第1表)
第2の都市への食料供給地域の拡大については限界供給地域は約120km拡大 される9帯8の在犀の節約ほ手持在嘩及び輸送在庫合せて2,890百万円,これ
通路建設の経済効果 第1表
ーJβ −−
293
項 目 l各地区合計 開発工場数
開発工場額(10億円)
開発従業員数(人)
開発住宅戸数(戸)
開発屑住人ロ(人)
…芸…
3
1,645,644l
資料:「−世界銀行提出異聞」第2次惜款に関する矧榔割こ対する回答 昭和36年8月 日水道路公田1pl・6
第2表 名神高速道路による在席および利子の節約(嘩位百万円)
道路から の転換分
項 目!慧鮎券 合 封
庸子輝子麻子
在利在利在利 i ′l・・く・l︑ ′i 持 送 討
手 輸 合
資料:「世界銀行提出資料」p・40
紅伴う利子節約額289百万円である。
欝4の輸出品の利益マ−ジンの増加ほ名神地域3儀の1964年の輸出総額1兆 843億で,このうち高速道路を利用するものが全体の9・・9%,即ち1,076・89倦
円である。この輸出鶴のうち,高速道路を利用することに・よって得られる節約 額は294、3百万円である。第5の交通事放の減少については1964年の損害朝の 減少は1,487百万円と推定されている。
この外,世界銀行への提出資料ほ 1 名神高速道路交通最の推定 2 走行便益と時間便益の推定 3 租税増収額の推定
4 自動番保有台数と道路利用者税の推定 5 将来の輸送機関別輸送需要の推定
_.J6 − 罪36巻 第3号 294
6 国鉄新幹線と名神高速道路との関係
等の項目について−も考察されて−いるが,ここでほこれらの項目に.ついて−は省略 す畠。
第5節 評価・一美効性と適用能力
次にコンベンショナル・アブロ一−チとしての便益費用分析や従来の微視的イ ンバク†・スタディにつきその実効性と適用能力につき検討してみる。
便益費用分析はその便益叡として考えているものほ追捕使用車費用の節約額 即ち道路建設による技術的外部経済のみである。便益費用分析を拡大適用し
て,便益額を技術的外部経済のみならず,開発効果,資産効果,市場効果等の 市場的外部経済を包含せしめることは可能である。その場合,便益費用分析ほ 従来の微視的インパクト・スタディに近.くなる。
また,従来の微視的インパクト・スタディはたとえ比較する経済括標を如何 に細分しても全効果を網羅することほできない。また,貨幣夕」−ムで評価でき ない効果があるから−・般に遠路建設の聴合効果は過少評価される\。
しかも,その効果測定も1次効果のみで,間接的波及効果,特に他地域に対 する波及効果及びそのハネ返り効果を捕捉することはできない。特に重要なの は計測する経済効果が項目的であるので,その有機的関連性及び綜合効果測定 について問題点がある。綜合効果は各部門別効果の単なる算術的合計でほ.な い。この点従来のインバク†l・スタディは部門効果間の斉合性(consistency)
に対して解答を与えることほ/できない。
ここに,コンベンショナル・アプローチの実効性と適用能力の限界がある。
しかし,こ.のことはコンベンショナル・アブロ・−チの無用化とはならない。コ ンベンショナル・アプローチほ次章で述べる地域産業連関分析と補完的関係に あり,双方相倹って完全な経済効果測定が可能となる。
第5章 地域産業連関分析によるアプローチ 第1節 総
地域産業連関分析を用いるインパクト・スタディのモデルと.しては
ー・∫7一−・
道路建設の経済効果
295
(1)Mosesモデル
(2)Tinbergenモデル
(3)Tinbergen・・Bosモデル
(4)Bos−Koyckモデル 等がある。
Mosesモデルにほ地域産業連関分析の一・般モデルと線型計画法を牒入した モデルとがあ。後者ほ生産及び輸送に要する線型費用函数を極小とする最嘩地 域間輸送パタ・−ンを決定せんとするものである。
(2)から(4)までは基本的にTinbergenモデルである。Tinbergenモデルの特 長ほ通路建設による輸送費用の変化が如何に国民総生産又は国民所得紅変化を
もたらすかを計測せんとするものである。Tinbergen モデルは静態モデルと 開発モデル紅分けられる。静態モデルほ道路建設前と建設後の国民総生産又は 国民所得を比吸することによって道路建設の直接・間接の経済効果を測定せん とするものである。開発モデルは静態モデルの考え方を多地域,多部門に適用 したものである。このモデルは基本的にほ地域産業連関モデルであるが,若干
リニア・プログラミングの手法を導入している。
以下各モデルにつき説明すると共に,その実効性と適用能力について検討し てみる。
第2節 Mosesモデル
Leon N.Moses ほ1955年 The American Economic Review 誌に発表し た論文 The Stability ofInterregionalTrading Patterns andInput−
Output Analysis において,地域産業連関分析の一・般モデルを,更に1960年
同誌に.発表した輸文 A GeneralEquilibrium Modelof Prroduction,Inter−
regionalTrade,andLocationofIndustry において地域産業連関分析と線 型計画法を結び合せた地域経済分析モデルを説明している。
(1)地域産業連関分析の一・般モデル
Mosesは「地域間交易構造の安定と産巣連関分析」という論文の中で,「1 つの地域の所得,雇用,産出額はその地域と交流関係にある他の地域のそれら
第36巻 欝3旨 296
・一 丁ゴ ー
と関係をもっていること.ほ自明の理である。しかも最近における統計資料の整 備と解析技術の進歩によって,地域間の移出入,所得の変化の波及効果を推計
できるように.なった。」と述べて−いる。彼の論文ほ第1編地域間投入産出分析 の構成と理論,第2編地域モ.デルの実証的研究からなっている。
Mosesのモデルほ.次の2っの特長をもっている。第1にtime dimensionを 除いた静態啓デ)L/(static)である。第2にOpen Varietyであることである。
開放性(openess)と言うのは⊥虐の最終需要(finaldemand)を与え,中間 需要(intermediate demand)−一即ち各産業の生産水準を求めるモデルであ る。モデルを簡単にするため経済は農業,工業,商業の8部門と.し,地域は束 部,中西部,西部の3地域とする。投入産出表は2種類の方程式を表わしてい
る。1っはバランスの関係を示し,他ほバランスと構造関係をあらわし七いる。
即ち1産業の産出最は他産業及び最終需要部門への販売量の合計に等しい。
地域間産業連間表はこれにregionaldimensionが加わるに過ぎない。即ち 1地域の1産業の産出遠ほ.全ての地域の各産業及び最終需要部門への販売蚤の 合計と一・致することを示している。その関係をカ程式で示せは次の如ぐであ
る。
ーノ先王要一一光圭喜一・ガ子吉=yfl+y壬2+yまB
− 雄一先去…一方去喜=y羞1+y墨2+y主3
−棚一機−ガ責苦=y左1十y主2+y主3
−.増「堵−芳ぎ…ニy君1十yぎ2+y㍗
・、_・、 −・ − −こ 一 機一瑠ト.方……=y書1+y宣2+y≡8
−.先雪≡ト.碩ト.%雪喜=yぎ1+搾+y至8
−.増−。碩ト.方…喜=y塁1+y彗2+y塁8
一増−.城一機=y喜l・十y…2十y書8
一一l・ナデーl・!≡−一l・iさ;
−.雄一招一堵
−.据一方星…−摘
−増「媚−・増
−、・≡トl・さミ■・■・・・、・‡云
−.堵}.掘−.増 利 一γ王ト.班ト.芳チ孟
g圭 一嫁トヰ針→境
Ⅹ昌 一祀ト.先主卜芳き主 都 一雄・−硝「硝 都 −堵十.祓一堵 圭 一、・汁−・l・ミトlぷ
一頃圭一.堵ト.硝 −.増−.光至芸−.増
−−:.ミ」・−、−ご_て・:−一 二
∴ 、−;、、さ_ ミ ・・−−・_、・・・、 a
上記の方程式において,又は地域産出量,ズは産業間の購入鼠,yほ地域最 終需要轟を示している。ズ…は西部における農産物の産出量,.堤ほ中西部の農
l一 ∫9 −−
道路建設の経済効果
297
業が東部の工業から買った額を示している。y寧は西部の最終需要部門による
農産物の需要額を示している。 この8地域8部門モデルは9っの方程式と117 の未知数を含んでいる。しかしこのモデルは2舶の構造常数(structuralcon−
stants)を導入することによって解くことができる。そのlつは生産構造を示 すもので1っの地域の各産業に.投入される原材料ほ産出量に比例すると言うこ
とを仮定する。これを投入係数又は技術係数(technicalcoef董icients)と言い αで表す。αほ各産業の投入崖を示すと同時に各産業への販売巌をもあらわし
ている。
簡2の構造常数ほ地域構造を示すもので,各地域ほ−・定の地域間供給パタ・−
ソに基いですべて−の原材料を購入するものと仮定する。この供給バク、−ンを地 域間購入係数(trade coefficients)iであらわす。この係数は各産米別に各地 域よりの総購入額点で各地域よりの購入額グを険して得られる。
例えばげほ東部から西部の各産業及び最終需要が購入した農産物の額,属…
ほ全地域から西部の各産業及び最終需要が購入した農産物の矧である。以上2
雑の構造常数から地域投入産出係数(regionalinput−OutputCOefficient)と 言う新しいマトリックスを作ることができる。この係数∂は生産構造と地域構
造の両面を表しているものである。即ち特定の地域の商品1単位を生産するた めに各地域から一党崖の色々な原材料が投入される関係を示している。例えば 昭は第2地域で生産される工業製品1単位当りの第3地域から購入される農 産物の鰍でα空2(才…2)と等しい。
次に示す表は,第1表ほ地域別投入係数表で,3地域3部門に分かれている0 8地域ほ東部,中西部,西部で,8部門は農業,エ業,商業である。投入係数
の算出方法は総産出最Ⅹ壬で,投入最.方壬1,光量1,.完…1を除して得られる。第2表 は地域間購入係数表で,総投入量武で,各地域よりの投入最タ・壬1,㌢≡1,タ■…1を 除して得られる。第8表は地域投入産出係数で,投入係数α壬1に・地域間購入係 数≠壬1を乗じて求めることができる。
第36巻 第3号 298 20
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道路建設の経済効果 ー 2ユー岬 299
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300 第36巻 第3号
22
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301 道路建設の経済効果 】∴2β−】
そこでわれわれほ(1)の方程式を次の如く書換えることができる。
】相対十相磯−∂主喜郎=けy壬十才子2y雷+f圭3y要
一相対十相磯一捕祁=f圭1y去+ヂも2y≡+才左By…
一相対十硝頻一礪g喜=頼y去+≠左2y亘+f去3yヨ
ー昭利」昭芳一昭文喜=才呈1y圭 ⊥≠至2y≡+f雪∂y至 一昭須「喘祁−一昭g喜=才宣1y去十J宣2yい−才宣3y塁
」貌須「昭新一昭Ⅹ菖=材y主十才…2y§+才邑8y喜 一増窄一昭現★噌祁=g至1yi+坪y若十≠望8y要 一昭利十昭照一昭Ⅹ喜=枠y乏+f芝2y≡+f…3y彗 一昭窄「昭祁一昭Ⅹ喜=柑y去+才芸2y琶+f邑ay喜 ズト相方ト蟻Ⅹ呈十蟻Ⅹト
Ⅹ卜現圭Ⅹト∂去三方ト場Ⅹ∃「
耳巨利調け」機首一城首巨 利十硝耳卜凝猪卜明膵十 方…一昭ガト硝斉圭一鳩首卜 利一堀割丁場照一堀Ⅹトー
Ⅹ巨哨Ⅹト硝Ⅹ卜硝Ⅹト
Ⅹ喜一粥圭Ⅹトみ…乏Ⅹ卜硝Ⅹ≡「
耶一堵Ⅹ卜蟻Ⅹト鳴Ⅹ主∵
(2)
結論としてMosesは次の如く述べている。「要するに地域産業嘩閑分析に ほi欠の3つの基本的仮定がある。
(1)披術係数がd\定であること。(thefixty oftechnicalcoeHicients)。
(2)1地域内のすべての産業の購入関係が劃一朝であること(theuniform−
ity of tradingcoefficients)。
(3)購入関係が安定して:いること.(tnestabilityoftradingrelationships)。」
(21線型計画法せ結合した地域産業連関分析モデル
このモデノレは,地域分折に2っの手法一地域産業連関分析と輸送問題に関す る線型計画法せ結合(blend)したものである。従来この2つの手法ほ,全く別 個の問題に適用されてせた。線型計画儀を伺いる輸送問題は,次の3っのこと が与件とされている。(1)多数の出荷地点における財の出荷可能鼠,(2)多数の到 着地点における需要量,(3)出荷地点から到着地点までの財1単位当りの輸送費 用。そこで問題は総輸送費用を最小として必要量を輸送する地域間交易のパタ
−ンを決定することである。即らそれほ各地域における生産鼠と消費量を与件 として,特定財の交易網(network of trade)を決定するにある。地域産業連 関分析においてほ,産業間の相互関連性を重視する。そうして,その目的はす べての地域の,すべての財の産出屋と投入鼠を決定するにある。その場合,多 かれ少なかれ,地域間交易構造は与件として取扱われる。本研究が従来のそれ
第36巻 第3号 302
・−1ごJ・
と異なる点はこの点である。このモデルにおいて−は,すべての財の地域産出量 及び投入崖と同様隼地域間の交易パタ−ンが決定される点である0このモデル にほ,産業連関分析の中に,生産技術の変化と代替性の問題を導入している。
即ち産米問の代替性と同一・産業部門内の異なる技術的段層間の代替性の問題を 取り上げて.いる。
1 モデルの設定
問題の提起と記号を簡単に.するため,2地域,3部門の封鎖経済(closed economy)を仮定する。即ち地域ほ東部と西部,産業部門ほ(1)食料品,(2)燃 料,(3)衣服の3つの同質財の生産と輸送を行なっているとする。財の同質性
(assumption of homogeneity)の仮定は,1地域からの特定財は,他の地域 の同財に対して完全に代替的であることを意味する。更に・輸送部門を各地域の 第4部門,家計東門を第5部門と考える。労働を唯一・の第雷次生産要素として 取扱う。こ.の論文を通じて言己号のサブスクリプトは,産業の種類を示し,産業 間の財の流れを・意味する。ス・−リペースクリプトはぃ地域を示し,地域内と同様に 地域間の財の流れを意味する。
LA)モデルの与件(Data of the model)
地域最終需要(即ちモデルの外生部門の需要),地域別生産能力及び各地域 の各産業の技術構造は,モデルの与件として知っておかねばならない。
(1)地域最終需要
最終需要をyとすれほ,2地域3財の場合にほ次の6っ,y壬,y去,y吉,
y…,y≡,y言が与えられる。ここでほy…ほ西部に‥おける第1財,即ち食料品 に.対する家計の需要であり,y孟は第8財,即ち衣服紅対する東部家計の需要 を示す。
(2)地域別生産能力
地域別生産能力(regionalcapacity)は,各部門が生産できる最大能力を
意味する。ここでは,幻,郎,幻,∬≡,幻,g…,∬≡,∬…,エ1,エ2の8っ の制約条件がある。最初の6つほ,2地域の生産部門に関するものである。即
ち郎ほ,単位時間当りの西部の食料品の生産能力であり,現一は,単位時間
303 道路建設の経済効果 −25−
当りの東部衣服の生産能力である。第7番目と第8番臼の茸ほ,2地域の輸 送部門に関するものである。即ち現ほ単位時間当りの東部の輸送部門の最大 輸送能力であり,属誓ほ単位時間当りの西部の輸送部門の最大輸送能力であ
る。エ1とエ2は.供給できる2地域の最大労働鼠を示す。エについてほ,ザブス クリプトがないのほ各地域の労働は同質で,完全に移動可能と仮定するためで ある。
(3)各地域に.おける産業の技術構造
地域産業連関表には,財1単位を生産し,それを同地域及び他地域へ輸送す るために必要な投入量が示されて−いる。地域産業連関表は各地域同一・である必 要ほない。即ち2つの地域ほ必ずしも同一一・生産技術を用いてない。地域産業連 関表ほ,次の2つの点において国民産業連関表と異る。算1に.地域産業連関表 の輸送部門の行(Column)ほ1つでなくて多数あることである。その正確な数 は地域数×生産部門数だけある。第2ほ輸送部門の列(IOW)ほ地域マトリック にはあらわれて−いない。輸送部門の投入鼠は異なる財の−・定量を輸送すること によ.り,また異なる地域間に−・定財を一億鼠輸送することにより変化する。ま た,財別・地域別の交易構造の変化ほ時間に依って変化するから,多数の輸送 部門の行がすべて−の地域産出鼠の変化に対する影響を判明させてくれる。
この2地域,3部門のモデルにおいては各地域産業連関表は,6つの輸送部 門の行をもっている。したがって各地域の技術係数マトリヅデスほ3列・9行 となる。例えば束部地方の技術係数マトリックスほ.,次の通りである。
α壬1α王2 α主旨 α去1α塁2 α墨3
α主1α孟2 α皇8
1び王11即壬2 ⊥夷11び羞21夷11即皇2
Alyl= ㍗ γ 1
2
(1)
Bび圭18む圭2 8び墨1 3再13び主2
左側のザプ・マトリックス技術係数Alは,東部地方の8生産部門に.関する ものであり,α去1は東部紅おける食料品1単位生産する紀要する燃料の投入盈 である。また,α去2ほ束部地方における燃料1単位生産するに要する衣服の投 入量を示す0 これらの技術係数咋,投入鼠の地理的生産地については別に意味 をもたない。
第36巻 節3号 304
ーーヱ∂−−
右辺のサブ・ヤトリプクスylの18の係数は東部地力の輸送部門に関するも のである。これらの係数は輸送部門が地域内及び地域間に各産出物1単位を輸 送するために.8生産部門から購入する昌を示している。輸送係数は,左側のサ ブスクリプトに輸送部門の投入財を,右側のサブスクリプトに輸送される財を 示して.いる。ス−パースクリプトの左側は生産地を示し,右側は到着地を示 す・。例えば,1げほ,東部地力から西部地方へ輸送せられる衣服1単位当りを 輸送する紅要する食料品の投入盈であり,こび王1ほ東部地方内で食料品1単杜輸 送するに必要な燃料の投入量を示している。
ここ∴でほ,西部地力の技術係数を省略したが同じで,霊び号1は西部地力が東部 地力へ食料品1単位を輸送するため西部地方の輸送部門が必要とする燃料の投 入鼠を示す。
(B)決定すべき変数
C.のモデルほ地域間及び地域内出荷巌(interregionalandintra−regional shipments)SFq(i蒜1,2,8:P・q=1,2)を決定するため紅用いうる。後者ほ
⊥走の地域最終需要を満足するに必要な直接・間接の必要鼠である。若し在庫 巌が細視できるならば,1地域のある朗の総出荷鼠ほ,その別の総産出盈に等 しい。かくして杵二5号1+讃望・の式が成り立つ。左.の式ほ個部地方における食料 品の産甘鼠ほ,同地域及び東部地方への出荷鼠の合計に等しいことを示す。1 国の産出鼠は地域産出鼠の合計であるので,前者ほこのモデルの副生産物とし
て作ることがそきる。総輸送費用ほ各財の総出荷巌×単位当り輸送費用で求め ること.ができる。
(C)代替性と輸送費用極小化
最初に,東部地力で生産せられる各期ほ,西部地方で生産せられる当該財と
完全虹代皆的であると仮定する。しかも生産部門及び家計師1リの地域購入パタ
−ンほ固定的でない。これらの条件は,地域間代替性の問題が起ることを意味 する。各地域の企業及び家計は,輸送費用を極小にするように購入パタ・−・ンを 調整することができる。別の衷現を用いれば,若し地域最終需要計画ができれ ほ,この計画の直接及び間接必要鼠を満足する産出量及び交易鼠の地域間分布