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(様式13号) 「論文博士用」

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Academic year: 2021

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(1)

(様式13号) 「論文博士用」

学 位 論 文 の 要 旨

氏 名

ふ り が な

秦野

は た の

和也

か ず や

学位論文題目

レーザー蒸発法による

Si-Ge

および

Ge-C

一次元ナノ構造体の形成と構造解析

Formation and Characterization of Si-Ge and Ge-C One-Dimensional Nanostructures by Laser Vaporization

2000

年代初頭より急速に成長したナノテクノロジー・ナノサイエンスは、今日でも盛んに研究さ れている分野である。依然として、数多くの研究成果が報告されている。ナノ材料の代表例として、

中空状の一次元ナノ構造体であるカーボンナノチューブ(NT)やシート状の二次元ナノ構造体である グラフェンが挙げられる。ナノ材料はバルク材料に比べ比表面積が非常に大きく、触媒に用いる場 合に優れた特性を示す他、量子サイズ効果によってバルク材料では見られない特性を発現すること もあり、様々な元素や化合物のナノ構造体形成が試みられている。数あるナノ構造体の中でも、Si や

Ge

により構成される半導体ナノ構造体は、様々な応用が期待されている。ナノ材料の代表的な合 成法としては、レーザー蒸発法、アーク放電法、化学気相成長法、溶液法などが知られており、そ れぞれ異なる特徴を持つ。レーザー蒸発法はチャンバー内で石英窓を通してレーザー光をターゲッ ト(固体試料)に照射し、閉鎖系内で反応を起こす手法である。外乱の影響をほぼ無視することができ 良好な再現性が得られるため、実験パラメータと実験結果の因果性・相関性の切り分けが容易であ り、生成メカニズム解明などを目的とする基礎研究分野において真価を発揮する。著者が所属して いた研究室では、これまでに高圧

Ar

ガス中での連続発振レーザー蒸発法によって様々な一次元ナノ 構造体が形成されてきた。この方法では、高圧

Ar

ガスによるレーザー蒸発物の閉じ込め効果が働く。

極限状態の反応場(高存在密度および高温)を効率的に維持することが可能であり、新規なナノ構造合 成や高効率ナノ材料合成に非常に有利な方法である。

本研究では、

Ge-グラファイト混合ターゲットおよびSi-Ge

混合ターゲットへの連続発振レーザー 照射による新規ナノ構造体の形成を試みた。ターゲットの組成およびチャンバー内の

Ar

ガス圧を変 化させることで、どのような生成物が得られるか研究した。

高圧

Ar

ガス中での

Ge-グラファイトターゲットへの連続発振レーザー照射により、片側の先端に

ナノ粒子(NP)が付着する一次元ナノ構造体の形成に成功した。透過型電子顕微鏡観察から、得られ たナノ構造体はカーボンで被覆された

Ge-C

コアシェルナノワイヤー(NW)であることがわかった。

コア部分は結晶性の

Ge、シェル部分はアモルファスカーボンから構成されていた。従来の研究とは

異なり、結晶性

Ge

はカーボンで完全にカプセル化されており、カーボンの中空構造は確認されなか った。また、この

NW

の生成割合は

Ge-C

ターゲット中の

Ge

含有率によって大きく変化し、Ge 含 有量

40

原子量%の条件において最大であった。Ge 含有率が少ない条件では多面体グラファイトが、

Ge

含有率が多い条件では

GeNP

が主生成物として得られた。Ar ガス圧を増加させると、大きな直 径をもつ

NW

が生成する傾向も見られた。さらに、NW 直径と先端

NP

直径には強い相関があるこ

続紙 有■ 無□

(2)

(様式13号-続紙)「論文博士用」

氏 名

ふ り が な

秦野

は た の

和也

か ず や

とを見出し、NW の成長に特定範囲のサイズおよび組成を持つ溶融

Ge-C NP

の形成、Ge とカーボ ンの析出と相分離プロセスが関与する新規な成長メカニズムを提案した。

Ge

含有量

Ge 95

原子量%の

Si-Ge

混合ターゲットへのレーザー照射によって、片側の先端に

NP

が付着する特徴的なチューブ状一次元ナノ材料が得られた。透過型電子顕微鏡観察およびエネルギ ー分散型

X

線分光測定による構造解析の結果、得られた

NT

はアモルファス

SiOxNT

であり、先端 部に付着する

NP

は結晶性

Ge

であることがわかった。Ge-カーボンターゲットへのレーザー照射に よって得られた生成物と同様に、NT 直径(および層厚)と先端

NP

直径に強い相関があり、この

SiOxNT

の成長も溶融

GeNP

を触媒とする

vapor-liquid-solid(VLS)機構によって説明できる。しかし、

この

NT

成長は一般的な触媒成長によるナノ構造体合成と明らかに異なり、触媒に対して

NT

原料 が非常に少ない奇異な組成系から

NT

が得られている。我々は、NT の成長は

VLS

機構における触 媒として寄与する溶融

Ge NP

からの

SiOx

析出量が少ない(SiO

xNW

の場合と比較して、

10-3

から

10-2

程度)ことが、NT 成長に大きな役割を果たすと考察した。過去の報告の

SiOxNT

成長メカニズムと は異なり,溶融

Ge NP

からの析出量に支配される独創的な成長メカニズムを提案した。

これらの

2

種類のターゲットへのレーザー照射実験によって得られた生成物は、両者ともにガス 圧を上げることによって、よりサイズ(長さおよび直径)の大きいナノ構造体になり、これは高圧

Ar

ガス中での閉じ込め効果が影響していると考えられる。

本研究で得られたナノ構造体は共に独自性に富む構造であり、高い価値を持つと考えられる。カ

ーボンで被覆された結晶

Ge

を内包する

NW

および、

Si、O、Ge

から構成される先端に結晶性

GeNP

を持つ

SiOxNT

は、リチウムイオン電池の負極材料をはじめとする新規機能性材料として価値があ

る。さらに、得られた生成メカニズムに関する知見を半導体プロセスに展開することで、これらの

ナノ構造体を三次元半導体構造のビルディングブロックとして応用することも期待できる。

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