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アンケート調査から得られた大学生の 保険意識

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(1)

■アブストラクト

本稿では,経済学部所属の大学生を対象にしたアンケート調査を実施し,

そこから得られた調査結果をヒントにしながら,大学生と保険との係わりに ついて,多方面から接近することを試みた。興味深い結果としては,現代の 大学生は日常生活の中で保険の必要性を認識しているが,保険論の授業や就 職先としての保険会社には関心がないようである。

また,保険本質論に関連して尋ねた質問では,保険学会では多くの支持が 得られない 保険金は自らのお金が戻ってきただけに過ぎない との回答が 45%を占め,保険学会では定説となっている 保険金は保険会社のお金であ る との回答の40%を超えている。経済学を学ぶ大学生にとっては,前者の 考え方にそれほど違和感を持っていないように思われる。

■キーワード

保険アンケート,保険本質論,リスク分散

.はじめに

本稿は,大学生を対象として実施したアンケート調査から得られたファク トファインディングを紹介し,保険業および保険の教育・研究の発展に寄与 するであろうと推察する基礎資料を提供することを目的としている。

保険に係わってこれまでに実施されてきたアンケート調査は,①保険加入

アンケート調査から得られた大学生の 保険意識

井 口 富 夫

/ 平成27年 月30日原稿受領。

(2)

の実態や消費者の保険意識を調べることによって,保険の普及に役立てよう とする調査と,②保険教育の実態を明らかにすることを通じて,保険の教 育・研究の発展に結び付けようとする調査,の 種類に大別することができ るであろう。

本稿では,大学生を対象として,これら 種類に対応した質問だけでなく,

保険業および保険の教育・研究におけるより一層の発展に寄与するであろう と思われる新たな質問を追加することによって,これまでの諸アンケート調 査とは一味違ったアンケート調査を実施した結果を報告する。大学生と大学 生以外の若者の間には,行動や意見に違いがあるかも知れないが,本稿では,

大学生を対象としたアンケート調査結果から,現代の若者と保険との係わり について,その一端が明らかになることを願って作成されている。

以下,第 節では保険に係わるこれまでのアンケート調査結果のレビュー を行なう。第 節では龍谷大学で実施したアンケート調査の内容を概観し,

第 節においてアンケート調査結果を紹介する。

.保険に係わるこれまでのアンケート調査結果のレビュー

2.1 保険加入の実態および消費者の保険意識に係わるアンケート調査結果 保険加入の実態および消費者の保険意識に係わるアンケート調査は,生命 保険を対象にして(公財)生命保険文化センターが実施してきた 生命保険 に関する全国実態調査 が最も包括的かつ継続的なものであろう。この調査 は,一般家庭における生命保険の加入実態ならびに生命保険・生活保障に対 する考え方を把握することを目的として,昭和40年以降 年ごとに実施され てきた。

その最新版が, 平成24年度生命保険に関する全国実態調査 である。調 査時期は平成24年 月 日〜 月20日,調査地域は全国(436地点),調査対 象は世帯員 人以上の一般世帯であり,回収数は4,063件に達する大規模な アンケート調査である。生命保険文化センターが,プレスリリースのために 作成した文書を見ると, 平成24年度生命保険に関する全国実態調査 の主

(3)

要内容は,以下のように要約されている。

生命保険(個人年金保険を含む)の世帯加入率は90.5%

民保加入世帯の医療保険・医療特約の世帯加入率は92.4%

直近加入契約の加入チャネルは 生命保険会社の営業職員 が最も多く 68.2%

直近加入契約の加入チャネルに対して 満足 (88.3%)が4.4ポイント 増加

今後増やしたい生活保障の準備項目は 世帯主の老後の生活資金の準 備 が最も多く28.3%

直近加入契約の保険種類のうち遺族保障機能を主目的とした生命保険の 割合は55.1%

(出典) 生命保険文化センター 平成24年度生命保険に関する全国実態調査

(速報版) 2012年 月19日 ʼ12‑4号 Press Release(http : www.jili.

or.jp press 2012 nwl4.html)より作成。

この調査が対象とした年齢階層は,第 表のように半数以上の調査対象が 55歳を超えている。生命保険文化センターの調査は,若者と生命保険との係 わりを見るには適していない。

(4)

損害保険に対する消費者の意識調査に関する包括的な調査として,(社)日 本損害保険協会が実施した 損害保険業界に対する消費者の意識調査 があ る。最新の調査は,平成25年 月に実施されている。全国の20歳以上の男女

(学生は除く)を対象としたインターネット調査である。サンプル数は7,200 名(2011年と2012年調査は3,200名)で,全国を エリア(北海道,東北,

関東,中部,近畿,中国,四国,九州)に分け,性別・年代別(20代・30 代・40代・50代・60歳以上)に均等割付されている。主な調査項目は,損害 保険会社(損害保険業界全体)に対する信頼感, 契約内容の確認手続き に対する印象,契約している損害保険(損害保険会社)に対する満足感,損 害保険会社の業務品質やサービス向上に向けた各種の取り組みに対する評価 などである1)。第 の質問のみ,結果を紹介したのが,第 図である。 信

第 表 生命保険に関する全国実態調査 における調査対象

年齢階層 回収件数 構成比(%)

29歳以下 77 1.9

30〜34歳 204 5.0

35〜39歳 349 8.6

40〜44歳 396 9.7

45〜49歳 344 8.5

50〜54歳 350 8.6

55〜59歳 430 10.6

60〜64歳 558 13.7

65〜69歳 444 10.9

70歳以上 911 22.4

合 計 4,063 100.0

出所:生命保険文化センター 平成24年度生命保険に関する全国実態調査 より作成。

1) 調査結果の概要は,日本損害保険協会が平成25年 月20日に行なったニュー スリリース【No. 13‑012】 損害保険業界に対する消費者の意識調査結果〜損 害保険業界に対する信頼感は高い水準を維持〜 (http : www.sonpo.or.jp news release 2013 1309̲05.html)にある。

(5)

頼できる , ある程度信頼できる との回答を合計すると77.6%に達する。

損害保険協会のこの調査は,上述のように,全国の20歳以上の男性を対象 としているが,大学生は除かれている。

保険加入の実態および消費者の保険意識に係わるその他の主な調査として,

以下の諸調査結果が発見できた2)

全国生命保険労働組合連合会(略称:生保労連) 銀行等による生命保 険販売に関する消費者モニターアンケート調査

農協共済総合研究所 くらしの保障についてのアンケート 全国生命保険労働組合連合会 郵政改革に関する国民意識調査 全国生命保険労働組合連合会 郵政民営化に関する国民意識調査 ニッセイ基礎研究所 生命保険マーケット調査

第 図 損害保険に対する信頼度

出所:日本損害保険協会,ニュースリリース【No. 13‑012】(平成25年 月20日)

より作成。

2) 井口(2003)は,保険に係わるアンケート調査結果をレビューしている。

(6)

これらの調査の実施方法や得られた結果については省略するが,各調査が 対象とした年齢別属性だけを紹介することにする。生保労連 銀行等による 生命保険販売に関する消費者モニターアンケート調査 (平成26年10月)は,

956人から回答を得ており,そのうち20歳代は109人(11.4%)である(20歳 未満は対象外)。農協共済総合研究所 くらしの保障についてのアンケート

(平成23年度)は,4,000世帯の世帯主を対象としている。世帯主の平均年齢 は60.7であり,世帯主が60歳以上である世帯の割合は58.1%であった。

全国生命保険労働組合連合会 郵政改革に関する国民意識調査 (平成22年 10月)は,20歳以上の一般個人1046名を対象とし,そのうち20歳代は208人

(19.9%)である。全国生命保険労働組合連合会 郵政民営化に関する国民 意識調査 (平成27年 月)は,20歳以上の一般個人1078名を対象とし,そ のうち20歳代は207人(19.2%)である。

ニッセイ基礎研究所が実施した 生命保険マーケット調査 については,

平成21年に実施したようであるが,調査結果の詳細は入手できなかった。し かし,この調査結果を使った文献をみると,20歳代から40歳代の年齢層が対 象となっているようである3)

井口[2003]は,平成13年 月に経済学部所属の大学生を対象にして実施 されたアンケート調査 保険に関する意識調査 の結果(有効回答数220件)

を紹介している。この調査は,大学生の生命保険と自動車保険(任意保険)

に係わる意識の違いを比較することを主な目的にして実施されている。調査 結果については,以下の第 節で,本稿の調査結果とあわせて紹介する4)

(公財)消費者教育支援センターと(公財)生命保険文化センターが,共同 で実施したアンケート調査として, 高校生の消費生活と生活設計に関する アンケート調査 (平成24年度)がある。この調査は,全国の高校生の消費

3) たとえば,久我(2011 a),(2011 b),(2011 c)を参照。

4) 井口(2003)には,保険業を取り巻く調査時点での諸問題(相互会社問題,

保険会社の倒産,予定利率の引き下げ,簡易保険問題など)に関する消費者意 識を明確にすることを目的にして,大学生の保護者を対象にしたアンケート調 査結果(有効回答数195件)も紹介されている。

(7)

生活と生活設計に関する実態を明らかにし,平成25年度から学年進行で適用 される新学習指導要領を踏まえた学習指導,教材開発等の一助となることを 目的として実施された5)。調査地域は全国にわたり,調査対象は高等学校 年生と 年生である。調査票の回収数は,81校・213人であった6)

包括的なテーマではないが,アメリカではクーパーを中心として1990年頃 から保険販売従事者が直面する倫理的課題に関するアンケート調査が継続的 に実施されてきた7)。Cooper and Nakabayashi (2010)は,生命保険販売従 事者が直面する倫理的課題についてのアンケート結果をもとにして日米比較 研究を行ない,その結果に基づいて日本の生命保険販売をめぐる倫理的課題 について検討している。さらに中林(2013)は,日本固有の倫理問題と新た な倫理的課題への対応を述べている。

2.2 保険教育の実態に係わるアンケート調査

日本の大学において,どのようなあるいは,どの程度保険に係わる教育が 行なわれているのかを調べた実態調査結果がいくつか公表されている。包括 的な調査は,これまでに 回実施されている。その概要をまとめたのが,第 表である8)。これらの調査では,日本の大学における保険に関連した講義

5) 文部科学省の学習指導要領における 学年進行 とは,新しい学習指導要領 が実施される場合,新入生にだけ適用し,既に入学している ・ 年生は卒業 するまで旧学習指導要領に基づいたカリキュラムで教育が行われることを意味 する。

6) この調査結果の概要は,生命保険文化センターの平成25年 月 日付けプレ スリリース(ʼ12‑9号)を参照。

7) 生命保険を対象とした調査に,Cooper = Frank (1991),(2005),(2011)と Cooper = Bell = Frank (1996)がある。損害保険を対象とした調査は,Cooper

= Frank (1990),(2001),(2012)である。

8) 第 回から第 回までの調査結果については,次の諸論文などで紹介されて いる。松島(1966),保険学雑誌編集委員会(1978),生命保険文化センター

(1983 a),生命保険文化センター(1983 b),生命保険文化研究所(1988),生 命保険文化研究所(1994),日本保険学会・生命保険文化研究所(1999),日本 保険学会・生命保険文化センター・損害保険事業総合研究所(2006)。なお,

(8)

の実態を把握することを目的にして,保険論ないし保険学に関連する講義を 開講している大学数,講座数,受講者数などが調べられている。

家森(2015)は,日本の中学校と高等学校において,保険がどのように教 えられているかを確認することを目的としてまとめられている。その中には,

以前に行なわれたアンケート調査結果も紹介されている。

.大学生を対象とした保険アンケート調査の実施

筆者は,経済学部所属の大学生を対象として, 保険に関するアンケート 調査 を平成27年 月19日(月)に実施した。質問数は,次のように必要最小 限にとどめた。

質問 加入しているすべての保険ないし,これまでに加入したことのあ る保険に○印をつけてください。

質問 保険料(掛金)は,誰が支払いますか。

質問 保険は必要と思いますか。

日本保険学会は, 回目の調査を現在準備中である。

第 表 日本の大学における保険教育の実態調査一覧

出所:小川(2010)p.98の表 を転載。

実施年(間隔) 調査主体 調 査

大学数

回 答

大学数 回収率 保険有 大学数

第 回 1966年 日本保育学会 52

第 回 1978年(12年) 同上 106

第 回 1981年( 年) 生命保険文化センター 175 130 74.3% 107 第 回 1987年( 年) 日本保険学会

生命保険文化研究所 182 160 87.9% 140 第 回 1993年( 年) 同上 208 186 89.4% 164 第 回 1998年( 年) 同上 376 374 99.5% 262

第 回 2006年( 年)

日本保育学会 生命保険文化センター 損害保険事業総合研究所

大学数541

学部数843 学部数759 90.0% 482

(9)

質問 保険論の授業は必要ですか。受講しますか。

質問 就職先として保険会社をどう思いますか。

質問 保険会社が,保険契約者を100人( 12,…, 100)まで,

人 契約に限定し,各人から 万円を保険料として徴収するとい う保険を募集しました。その結果,100人の応募があり,100件の 保険契約が成立しました。保険会社は,100人の保険契約者から 合計100万円(= 万円*100人)を受け取りました。保険会社は,

そのうち,20万円を経費ないし利益とし,残りの80万円を100人 の中の最初に死亡した人(たとえば, 1)の家族に死亡保険金 として支払いました。この保険の場合, 1の家族が受け取った 保険金について適切な記述と思われる項目を,次の中から一つだ け選んでください。

回答者が回答を始める直前に,質問 を答える際の手掛かりとして,次の つのスライドを説明した。

保険の社会的機能と保険会社の役割

保険の社会的機能とは

経済的損失を補填する社会的制度

=多数の契約者から保険料を少額ずつ集める

→事故が発生

→保険金受取人に多額の保険料を支払う

保険会社の役割とは( つの考え方があるとしましょう) 保険の社会的機能全体を担当している

保険制度を維持管理しているだけである

(10)

.アンケート調査結果の紹介

有効回答数は,269件であった。調査結果の詳細は附論にあるようである。

ここでは,調査結果の概要だけを紹介することにする。

最も多くの回答者が加入している保険は生命保険である。次に多いのが,

電気製品などを購入した際の 年間ないし 年間の延長保証である。こ のような保証も,回答者の多くは保険と同じ機能をもつと認識している。

第 に多いのが,自動車保険(任意保険)である。

保険料は家族が支払っているとの回答が80%を占める。

90%以上が保険は必要であると感じている。

保険論の授業については,約70%が保険論の授業が開講されたとしても,

受講するかどうか分からないと回答している。 大学で保険論の授業は 必要である。開講されれば必ず受講する と答えた割合は20%に過ぎな い。 大学で保険論の授業は必要でない が %あった。

支払われる保険金は誰のお金か

保険会社の役割を 保険の社会的機能全体を担当してい る と考えた場合

リスクが保険会社に移転する

→保険会社のお金で保険金が支払われる

保険会社の役割を 保険制度を維持管理しているだけ と考えた場合

リスクは保険契約者間で分散するだけ

→契約者として支払った自分のお金が保険金となって戻 ってくる

(11)

就職先としての保険会社に関する質問では, 保険会社には関心がない から,応募しない が最も多く,40%を超えている。次いで多いのが,

面接の練習と思って,保険会社に応募してもいい の20%強である。

保険会社を就職先の第一希望する回答者は %にも達しない。 新卒就 職人気企業ランキング では,大手の保険会社が名前を連ねていること を見かけるが,それは単に人気だけかも知れない。

保険本質論に関連して尋ねた質問では,保険学会では多くの支持が得ら れない 保険金は自らのお金が戻ってきただけに過ぎない との回答が 45%を占め,保険学会では定説となっている 保険金は保険会社のお金 である との回答の40%を超えている。経済学を学ぶ大学生にとっては,

前者の考え方にそれほど違和感を持っていないように思われる9)

次に,平成13年 月に実施した井口(2003)の結果と,今回の調査結果を 比較することによって,経済学部所属の大学生の生命保険と自動車保険の加 入状況などの推移を見る事にする。第 表は,生命保険の加入状況を比較し ている。平成13年と27年では,加入状況に大差は見られない。

次に,自動車保険の加入状況を比較してみよう。平成13年調査は,質問の 記述が正確でなかったため,任意保険の自動車保険だけを尋ねているのか,

あるいは自賠責保険も含めて尋ねているのかが曖昧であった。そのため,平 第 表 生命保険の加入状況

平成13年調査 平成27年調査 加入している 127( 57.7%) 160( 59.5%) 加入していない 34( 15.5%) 74( 27.5%) 分からない 59( 26.8%) 35( 13.0%) 合 計 220(100.0%) 269(100.0%)

9) 本稿との係わりで,保険本質論に関連した文献として,井口(1999)(2002)

がある。なお。井口(1999)は,井口(2008)第 章に所収されている。

(12)

成27年調査は,その両者の数値を考慮した。いずれのケースにおいても,自 動車保険の加入率が低下している。この結果は,自動車保険に加入していな いというよりも,保険料を自分で負担していないため,加入しているかどう かが定かではないと解釈すべきであろう。

最後に,保険料を負担しているのは誰かを尋ねた結果を紹介する。平成13 年と27年では大差がない。80%は家族が負担している。

.結びにかえて

本稿では,経済学部所属の大学生を対象にしたアンケート調査を実施し,

そこから得られた調査結果をヒントにしながら,大学生と保険との係わりに ついて,多方面から接近することを試みた。興味深い結果としては,現代の 大学生は日常生活の中で保険の必要性を認識しているが,保険論の授業や

第 表 自動車保険の加入状況

平成13年調査 平成27年調査 平成27年調査 加入している(任意保険のみ) 156( 70.9%) 108( 40.1%)

加入している

(任意保険+自賠責保険) 178( 66.2%)

加入していない 52( 23.6%) 126( 46.8%) 56( 20.8%) 分からない 12( 5.5%) 35( 13.0%) 35( 13.0%) 合 計 220(100.0%) 269(100.0%) 269(100.0%)

第 表 保険料の負担者

平成13年調査 平成27年調査 自 分 28( 12.7%) 41( 15.2%) 家 族 177( 80.5%) 212( 78.8%)

その他 15( 6.8%) 16( 5.9%)

合 計 220(100.0%) 269(100.0%)

(13)

就職先としての保険会社には関心がないようである。ドイツの経済学者 ヘルマン(Herrmann, E.)が19世紀の終わり頃に, 保険学は経済学の継子

(ままこ)である (“Das Versicherungswesen ist das Stiefkind der Volkswirtschaftslehre”)と言ったが,この言葉は現在でも通用するようであ る10)。保険学会と保険業界は,自らの今後の持続的な発展のためにも,何ら かの方策を早急に考えなければならない状況に瀕している。

本稿で紹介したアンケート調査結果は,龍谷大学で実施した結果であり,

今後は日本全国の大学で実施,さらに,海外でも実施することにより国際比 較を含めて,実態をより正確に把握することが可能になるとともに,さらに 興味深いファクトファインディングが得られるであろう。

(筆者は龍谷大学)

参考文献

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第 号,pp. 1‑20。

井口富夫(2003) 保険に係わる消費者の意識調査結果に関する研究 生命保険 論集 第144号,pp. 1‑34。

井口富夫(2008) 現代保険業研究の新展開 競争と消費者利益 NTT 出版。

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久我尚子(2011 b) 独身男性の生命保険加入実態 ニッセイ基礎研 REPORT

(冊子版) 2011年 月号。

久我尚子(2011 c) 若年層の生命保険加入先と加入商品 生活研究部門 ニッセ イ基礎研 REPORT(冊子版) 2011年 月号。

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10) Herrmann(1897)を参照。日本語訳は,庭田(1991)による。

(14)

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生命保険文化研究所(1988) 調査 わが国の大学における生命保険教育につい て 文研論集 第82号,pp. 99‑186。

生命保険文化研究所(1994) 特集 わが国の大学における保険教育 文研論集 第107号別冊,pp. 1‑127。

生命保険文化研究所(1999) わが国の大学における 保険分野に関する教育 に ついて 第 回アンケート調査結果 保険学雑誌 第566号,pp. 118‑147。

生命保険文化センター(1983 a) 大学における保険教育に関するアンケート集計 結果(昭和56年度) くらしのインフォメーション 創刊号。

生命保険文化センター(1983 b) 大学における保険教育に関するアンケート集計 結果(昭和56年度) くらしのインフォメーション 第 号。

中林真理子(2013) 日本の生命保険販売従事者の倫理的課題 日米比較研究から の示唆 保険学雑誌 第622号,pp. 103‑121。

日本保険学会・生命保険文化研究所(1999) 大学における 保険分野に関する教 育 についてのアンケート調査報告書 。

日本保険学会・生命保険文化センター・損害保険事業総合研究所(2006) 大学に おける 保険分野に関する教育 についてのアンケート調査報告書 。

庭田範秋(1991) 新種保険としての社会保険 季刊・社会保障研究 第27巻,

第 号。

保険学雑誌編集委員会(1978) わが国の大学における保険教育の現状 保険学 雑誌 第482号。

松島宏(1966) わが国の大学における保険教育の現状 保険学雑誌 第433号,

pp. 121‑132。

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(15)

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(16)

附論 アンケート調査結果

質問 加入しているすべての保険ないしこれまでに加入したことのある保 険に○印をつけてください。(延回答数に対する構成比を算出)

回答数 構成比(%)

生命保険 160 22.0

旅行保険 86 11.8

ボランティア保険 19 2.6

傷害保険 37 5.1

下宿の火災保険など 53 7.3

下宿の地震保険 12 1.6

賠償責任保険 13 1.8

普段乗っている原付バイク・自転車の任意保険 108 14.8

自賠責保険 70 9.6

10 電気製品などを買った時の( 年間や 年間の)

保証 122 16.8

11 その他 13 1.8

具体的に 0 0.0

12 分からない 35 4.8

合 計 728 100.0

(17)

質問 − 加入しているすべての保険ないしこれまでに加入したことのあ る保険に○印をつけてください。(質問 の回答者数に対する 構成比を算出)

質問 保険料は(掛け金)は,誰が支払いますか。

回答数 構成比(%)

生命保険 160 59.5

旅行保険 86 32.0

ボランティア保険 19 7.1

傷害保険 37 13.8

下宿の火災保険など 53 19.7

下宿の地震保険 12 4.5

賠償責任保険 13 4.8

普段乗っている原付バイク・自転車の任意保険 108 40.1

自賠責保険 70 26.0

10 電気製品などを買った時の( 年間や 年間の)

保証 122 45.4

11 その他 13 4.8

具体的に 0 0.0

12 分からない 35 13.0

質問 の回答者数 269 100.0

回答数 構成比(%)

ほとんど自分で支払う 41 15.6

主に家族が支払う 212 80.6

主にその他の人 2 0.8

分からない 8 3.0

合 計 263 100.0

(18)

質問 保険は必要と思いますか。

質問 保険論の授業は必要ですか・受講しますか。

質問 就職先として保険会社をどう思いますか。

回答数 構成比(%)

保険は必要である 240 91.6

多額の貯金があれば,保険は必要でない。 17 6.5

十分注意をしていれば,事故は起きないから,保

険は要らない。 2 0.8

保険以外にも対処する方法があるから,保険は必

要でない。 0 0.0

分からない 3 1.1

合 計 262 100.0

回答数 構成比(%) 大学で保険論の授業は必要である。開講されれば

必ず受講する。 56 21.7

大学で保険論の授業はあってもいいが,開講され

ても受講するかどうか分からない。 176 68.2

大学で保険論の授業は必要ない。 5 1.9

分からない。 21 8.1

合 計 258 100.0

回答数 構成比(%)

保険会社は,第 希望である。 2 0.8

保険会社は,第 希望ではないが,関心があり有

力な候補である。 53 20.5

面接の練習と思って,保険会社に応募してもいい。 60 23.3

保険会社には関心がないから,応募しない。 106 41.1

分からない 37 14.3

合 計 258 100.0

(19)

質問 保険会社が,保険契約者を100人( 12,…, 100)まで, 人 契約に限定し,各人から 万円を保険料として徴収するという保 険を募集しました。その結果,100人の応募があり,100件の保険契 約が成立しました。保険会社は,100人の保険契約者から合計100万 円(= 万円*100人)を受け取りました。保険会社は,そのうち,

20万円を経費ないし利益とし,残りの80万円を100人の中の最初に 死亡した人(たとえば, 1)の家族に死亡保険金として支払いま した。この保険の場合, 1の家族が受け取った保険金について適 切な記述と思われる項目を,次の中から一つだけ選んでください。

回答数 構成比(%)

1の家族が受け取る80万円は,合計100万円を負 担した 1から 100までのお金である。保険会社 は保険料の徴収や保険金の支払いなど,事務的な 仕事をしているだけである。

111 45.1

1の家族は保険会社から支払われた80万円を受 け取っているため,80万円は保険会社のお金であ る。

98 39.8

その他の考え方 6 2.4

分からない 31 12.6

合 計 246 100.0

参照

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