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Academic year: 2021

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Instructions for use

Title Wide-area geohazard risk assessment in snowy-cold regions by multiphase soil mechanics and multi-scale analysis [an abstract of dissertation and a summary of dissertation review]

Author(s) 朱, 玉龍

Citation 北海道大学. 博士(工学) 甲第14305号

Issue Date 2020-12-25

Doc URL http://hdl.handle.net/2115/80169

Rights(URL) https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/

Type theses (doctoral - abstract and summary of review)

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File Information ZHU̲Yulong̲review.pdf (審査の要旨)

Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP

(2)

学位論文審査の要旨

博士の専攻分野の名称  博士(工学)    氏名  朱 玉龍  審査担当者 主 査 教 授  石川 達也

       副 査 教 授  渡部 要一        副 査 准教授  西村 聡        副 査 教 授  清水 康行

学位論文題名

Wide-area geohazard risk assessment in snowy-cold regions by multiphase soil mechanics and multi-scale analysis

(高緯度寒冷地域の広域地盤災害リスク評価手法に関する研究)

 本研究では、斜面崩壊の発生をより正確に予測し、土砂災害早期警報システムを改善するため に、斜面崩壊メカニズムを解明し、種々の解析対象スケール、即ち地域スケール、流域スケール、

地点スケールの各々に対して適用可能な新しい数値解析や予測方法などを提案する。このため、ま ず、地点スケールでは、不飽和斜面内の各土要素の飽和度変化に伴う局所せん断強度(LSS)の変 化を計算するために局所安全率(LFS)法を提案し、さらに、LFS法を用いて有限要素法(FEM) 物質粒子法(MPM)を結合した大変形地盤解析システム(FEM-MPMカップリングモデル)を開発 した。その後、開発したLFS法に基づくFEM-MPMカップリングモデルの有効性を、極限平衡法

(LEM)およびせん断強度低下法(SSRT)から得られた単純な条件の解析結果と比較して検証する

とともに、2016年の北海道豪雨時に日勝峠で発生した大規模斜面崩壊の再現解析を行い、当該解 析モデルの実用性を示した。次に、流域スケールでは、降雨の浸透・流出に伴う広域斜面崩壊予測 を実施するために、浅水方程式、Richards方程式、Green-Ampt浸透能モデル、および局所安全率

(LFS)法に基づいて、降雨浸透・流出解析と局所安全率(LFS)法を用いた3D斜面安定解析の統合

モデルを開発した。その後、開発した降雨浸透・流出解析モデルの妥当性を、実際の斜面崩壊事例 の再現解析により検証した。その結果、降雨によって発生した地表流と浸透流を地表面の流出・浸 透を考慮することで再現可能であり、提案した解析手法が豪雨時の山岳地域の広域土砂災害リスク 評価に有用であることを示した。これにより、単一斜面の安定性評価にしか適用できない既存手法 の問題点が改善され、道路に沿った広域の複数の斜面のハザードマップを描画可能になった。最後 に、地域スケールでは、積雪寒冷地斜面での降雨・融雪による土砂災害発生危険度判定基準を設定 するために、既設定の土砂災害発生危険基準線(CL)と積雪寒冷地斜面安定性評価手法を用いたパ ラメトリックスタディの解析結果を基に、地形・地質条件等が異なる任意地点の種々の自然斜面・

法面に対して降雨・融雪時を対象とした土砂災害発生危険度判定法を提案した。その後、道内各地 域の過去の土砂災害事例を検討し、本研究で提案した土砂災害発生危険度判定法が積雪寒冷地斜面 の土砂災害リスク評価法として従来基準と比べ充分な実用性を有することを示した。さらに、力学 的ダウンスケーリング手法に基づき北海道の近未来の気象条件を予測の上、提案した土砂災害リス ク評価法を用いて気候変動が積雪寒冷地斜面の安定性に及ぼす影響を定量的に評価した。

 本論文の第1章では、本研究の背景、目的、および構成を説明した。第2章では、既存の数値

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解析手法(FEMFDMDEMDDAMPM)、および既存の斜面安定性評価アプローチ (LEM SSRTLFS)を紹介し、それらの特徴を比較して説明した。第3章では、降雨時の単一斜面の崩壊 現象について大変形解析を実施可能なLFS法に基づくFEM-MPMカップリングモデルを提案し た。第4章では、降雨時の流域の複数斜面に対して広域斜面崩壊予測を実施可能な降雨浸透・流出 解析と局所安全率(LFS)法を用いた3D斜面安定解析の統合モデルを提案した。第5章では、地 形・地質条件等が異なる任意地点の種々の自然斜面・法面に対して降雨・融雪時を対象とした土砂 災害発生危険度判定法を提案した。第6章では、力学的ダウンスケーリング手法と提案した土砂災 害リスク評価法を用いて、気候変動が積雪寒冷地斜面の安定性に及ぼす影響を定量的に評価した。

7章では、本研究で得られた結論を要約するとともに、本研究で充分に検討できなかった項目を 将来の研究課題として示した。

 これを要するに、著者は、これまで工学的検討が充分なされていなかった、降雨浸透・流出分析 による広域土砂災害リスク評価手法や地形・地質及び気象条件を考慮した土砂災害発生危険度判定 基準を開発し、それに基づき現行の北海道の土砂災害早期警報情報システムを改良するための貴重 な知見を得たものであり、積雪寒冷地特有の事象を踏まえた土砂災害対策の立案・維持管理ガイド ラインの作成を図る上で、寒冷地防災地盤工学の発展に対して貢献するところ大なるものがある。

よって著者は、北海道大学博士(工学)の学位を授与される資格あるものと認める。

参照

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