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学 術 専 門 科 目 と英 語 科 目 の 融 合 さ れ た 学 習 プ ロ グ ラ ム

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IOI

海 外 大 学 訪 問(そ の1):ロ ン ド ン 大 学SOAS (SchoolofOrientalandAsianStudies)

学 術 専 門 科 目 と英 語 科 目 の 融 合 さ れ た 学 習 プ ロ グ ラ ム

EducationalDevelopmentCaseStudy:SOAS,University ofLondonAcademicandEnglishLanguagePreparationProgram

マ リ コ ・J・ ホ ン マ MarikoJ.HONMA

は じめ に

2001年4月 に受 講 者51名 で 開 講 した 創 価 大 学 経 済 学 部 イ ン ター ナ シ ョナ ル ・プ ロ グ ラ ム(名 称 IP)は,本 年 で9年 目 を迎 え,受 講 者数 は336名(2009年 度 前 期)で あ っ た.英 語 で 経 済 学 の 基 本 を学 習 す る専 門科 目群 と,そ れ らの 授 業 を支 え る学 習 者 育 成 教 育 及 び 学術 英 語 ス キル 科 目 を合 わ せ る と,現 在 開 講 科 目数 は8科 目で,レ ベ ル別 授 業 と少 人数 学 術 英 語 科 目の セ ク シ ョン で は 年 間 合 計64セ ク シ ョ ンが あ る.IPは,コ ン テ ン ツ科 目(学 術 専 門科 目)と 英 語 教 育 が 融合 さ れ た プ ロ グ ラ ム で あ り,経 済 学 の 学 習 を通 じ,上 級 英 語 力 を 取得 す る.約2年 間 のIPを 履 修 した 学 生 は, 長 期 ・短 期 留 学 先 や 海 外 イ ン ター ン シ ップ で,立 派 な成 績 を修 め 帰 国 し,そ の他 の 学 生 も語 学 を 生 かせ る就 職 が 出 来 た とい う ケー ス が 数 多 く存 在 す る.

IPで は,海 外 大 学 や 創 価 大 学 内 で の 英 語 で行 わ れ る専 門科 目授 業 に 十分 つ い て いけ るこ と を達 成 目標 と し,そ の 準 備 と実 践 の プ ロ グ ラム で あ る.し た が って,学 生 の 習 熟 度 レベ ル に 沿 って カ リキ ュ ラ ム作 成 が あ り,徐 々 に経 済 学 授 業 の 内容 と,必 要 と され る語 学 力 の レベ ル が 高 くな る.

全 体 の カ リキ ュ ラ ム(4セ メ ス タ ー)は,英 語 専 門 教 貝 と経 済 学 担 当教 員 の 協 同 作 業 で作 成 さ れ, 全IP科 目担 当教 貝 は 自分 の 担 当科 目の 達 成 目標 に そ って シ ラバ ス を作 成 す る.全IP英 語 科 目教 員 は,学 術 英 語 教 授 法 の専 門知 識 を生 か し,各 レベ ル に最 も適 した シ ラバ ス を作 成 す る.こ こ で 重 要 な 課 題 は,こ の 様 な カ リキ ュ ラム の 成 功 の為 に は,コ ン テ ン ツ科 目担 当教 貝 が,プ ロ グ ラ ム の趣 旨に 合 う英語 で の専 門 科 目教 授 法 を学 ぶ こ とに よ っ て,よ り効 果 的 な授 業 を提 供 で き る とい う点 で あ る.

IPの 様 に,学 術 英 語 レベ ル を上 げ る た め に学 習 して い る学 生 に 対 して,英 語 で 専 門科 目 を教 え る場 合 に は,次 の3点 の知 識 が 大 変 必 要 で あ る と思 わ れ る:① 一 般 的 な 語 学 習得 の 明 確 な プ ロ セ ス,② 学 術 英 語 取 得 の プ ロセ ス,③ 語 学 レベ ル に合 わせ た 内 容 の コ ンテ ン ツ科 目授 業 の教 え方, で あ る.言 う まで もな く,学 生 が ネ イ テ ィ ブ に近 い語 学 力保 持 者 で あ れ ば,一 般 の 大 学 授 業 用 英 語 教 科 書 を使 用 し,何 の迷 い も無 く英 語 で講 義 を行 え る.し か し,英 語 を学 習 中 の 学 生 に,価 値

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・02季 集Vol .XXXIX,No.1・2・3・4

あ る 内 容 の 授 業 を 提 供 す る に は,英 語 面 と科 目面 の 考 慮(語 彙,授 業 ペ ー ス,教 科 書,リ ー デ ィ ン グ や ラ イ テ ィ ン グ の 課 題,教 授 法)が 必 要 不 可 欠 と な る.ま た,全 て の コ ン テ ン ツ 科 目 と語 学 サt一 ト科 目 は 連 動 し て い る の で,お 互 い の シ ラ バ ス の 連 携 が 重 要 で あ る.

ロ ン ドン大 学SOAS視 察

そ こ で,IP授 業 の 向 上 を 目 指 し,海 外 で 行 わ れ て い る コ ン テ ン ツ 科 目 と 学 術 英 語 科 目 の 模 範 的 な プ ラ グ ラ ム を 視 察 し て き た.特 に 注 目 し た 点 は,コ ン テ ン ツ 科 目 の 教 授 法 及 び 学 術 科 目 と の 連 携 で あ る.具 体 的 な 内 容 は,教 授 法,講 義 ス タ イ ル,課 題(レ ポ ー ト文 字 ・ペ ー ジ数,参 考 文 献 数,論 理 的 思 考 力 ・表 現 力),授 業 で 求 め ら れ る イ ン プ ッ ト ・ア ウ トプ ッ トス キ ル(読 解 力,講 理 解 力,発 言 力,質 問,返 答 論 理 性)で あ る.2009年1月 に 訪 問 し た,ロ ン ド ン 大 学SOAS(School ofOrientalandAsianStudies)は,イ ギ リス で 唯 一 ア ジ ア,ア フ リ カ,中 東 分 野 を 専 門 と し,

ヨ ー ロ ッ パ の 高 等 教 育 機 関 に お い て,当 分 野 の 専 門 家 が 最 も集 ま っ て い る.学 部 ・院 生 を 含 む 計 4500名 の 学 生 は,45%が 留 学 生 で あ り130以 上 の 国 か ら 学 び に 来 て い る.訪 問 し たIFCELS(Inter‑

nationalFoundationCoursesandEnglishLanguageStudies)は,留 学 生 が 多 い 分,学 術 英 語 教 育 の ニ ー ズ は 高 く,SOASの な か で も教 育 の 質 の 高 さ が 評 判 で あ る.当 組 織 は,語 学 科 目 と専 門 科 目 の 融 合 的 カ リ キ ュ ラ ム を 提 供 し,学 生 た ち は こ こ で 高 水 準 の 語 学 力 と 専 門 知 識 を 取 得 し, 終 了 後 に 学 部 ・大 学 院 へ と進 む.当 プ ロ グ ラ ム を 終 了 し た 学 生 は,SOAS以 外 に も 英 国 内 に お い て 学 部 ・大 学 院 へ 進 学 す る レ ベ ル が あ る と評 価 さ れ,終 了 書 は 英 国 大 学 学 部 ・大 学 院 の 入 学 資 格

と な る.

IPと 最 も類 似 点 を 有 す る プ ロ グ ラ ム はIntermediateCertificateCourseinComparative

InternationalStudies(ICC)の 一 部 で あ るUndergraduateFoundationCourseと 言 い,受 講 者 は9月 か ら 翌 年6月 の 約1年 間 の プ ロ グ ラ ム(3タ ー ム:各 タ ー ム 約10〜11週 間)を 履 修 す る.

毎 週 約20時 間 の 授 業 時 間 と,課 題 用 時 間 は20〜25時 間 と さ れ る.授 業 は,専 門 科 目 講 義 と チ ュ ー ト リ ア ル(少 人 数 デ ィ ス カ ッ シ ョ ン),及 び こ れ ら 専 門 科 目 に 必 要 と さ れ る 学 術 英 語 サ ポ ー ト科 目 で あ る.各 タ ー ム に,2つ の 必 修 科 目 と し て イ ン テ ン シ ブ 学 術 英 語 と 「ヨ ー ロ ッパ 社 会 と 思 想 」 (留 学 生 が ヨ ー ロ ッパ 的 価 値 観 ・志 向 を知 る た め)が あ り,そ の 他2つ の 専 門 科 目 を 以 下 の 科 目 か ら 選 択 す る:経 営 理 論,経 済 学,統 計 学,メ デ ィ ア ・ コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン 学,世 界 美 術 論,国 法,政 治 学,開 発 学,世 界 史,世 界 文 学 概 要.学 生 が 履 修 し た い 専 門 科 目 が 中 心 と な り,そ の 科 目 に 必 要 と さ れ る 全 て の イ ン プ ッ ト と ア ウ ト プ ッ ト の サ ポ ー トが 英 語 科 目 で あ る.週 間 ス ケ ジ ュ ー ル は,以 下 の 順 序 で 行 わ れ る.

1.Reading.語 学 教 貝 担 当.内 容:Readingskills,専 門 科 目 語 彙,講 義 準 備

2.Lecture.専 門 科 目 担 当.内 容:一 般 科 目 講 義.必 要 ス キ ル:listeningandnote‑takingskills

3.LectureReview.語 学 担 当 教 員.講 義 内 容 の 確 認,語 彙,コ ン セ プ ト,専 門 科 目 に つ い て の デ ィ ス カ ッ シ ョ ン ・ス キ ル

4.Tutoria1.専 門 科 目 教 員.専 門 科 目 内 容 に つ い て の 質 疑 応 答,論 理 的 思 考 力 に 基 づ く発 信 力 ・

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March2010マ リコ ・J・ホ ンマ:海 外大 学訪 問(そ の1)・ 。3 発 言 力

5.Writing.語 学 教 員 担 当.学 術 小 論 文 の 構 成 ・論 理 的 展 開,分 析,英 語 文 法,結 論 作 成 法 毎 週 この リズ ム で 進 み,全 て の 科 目は,専 門科 目 とこ れ らの サ ポー ト科 目 との セ ッ トに な って お り,徹 底 した 連 携 の も とに 授 業 が運 営 され る.し たが っ て,ペ ア とな る科 目群 の 複 数 の教 貝 は シ ラバ スの 調 整 等,常 時 親 密 な連 絡 を取 る.現 在 のIPは,週 間 授 業 数 は レベ ル に よ っ て6〜9時 間 で,2年 間 の カ リキ ュ ラム と して,ほ ぼ 同様 の 内容 で構 成 さ れ て い る.

今 回 の 訪 問 で は,国 際 関 係 論 講 義 現 代 社 会 と宗 教 講 義AcademicWriting,社 会 科 学Lecture Review,国 際 関係 論LectureReviewの 授 業 聴 講 と,専 門科 目教 員(2名),writinginstructor, 1ecturereviewinstructor,プ ロ グ ラ ム履 修 学 生,学 部 進 学 用 プ ロ グ ラ ム長,大 学 院 進 学 用 プ ロ グ ラ ム 長,全 提 供 プ ロ グ ラム 長 との 懇 談 会 を行 っ た.専 門科 目教 員 は,学 部 ・大 学 院 で の 講義 も担 当 して お り,こ の プ ロ グ ラ ム に適 し た 内容 の 講 義 を準 備 して い る.つ ま り,英 語 レベ ル,ペ ー ス, 講義 内 容 をプ ロ グ ラ ム受 講 学 生 に合 うよ うに 調 整 して い る.そ して,語 学 担 当 者 は全 貝 学 術 英 語 教 授 法 の専 門 家 で あ る.

専 門科 目講 義 は,講 義 とチ ュ ー トリア ル を明 確 に分 類 し,講 義 で は50分 授 業 講 義 を し,学 生 は レ ジ メ に そ って ノー トを取 っ て い る.情 報 が 整 理 さ れ て い る あ らす じの 様 な レ ジ メ を使 用 し,そ れ に そ っ て 語 彙 は若 干 簡 単 す る もの の,話 し方 は一 般 授 業 と同様 の 早 め の ス ピー トで あ る.英 語 で の 大 量 の 専 門 的情 報 を,学 生 は 整 理 し,理 解 し,メ モ を取 る.LectureReviewを 担 当 し て い る 語 学 教 員 は,学 生 と共 に 講 義 を受 け,同 様 に ノー トを と り,授 業 で 活 用 す る.

講 義 科 目の 特 徴 は,① 内容 を単 純 化 しな い,② 学 生 が 理 解 で き る明 確 な コ ミュ ニ ケ ー シ ョン カ を保 有 して い る,③ 一 般 専 門 授 業 で必 要 な 専 門的 語 彙 ・基 本 理 念 を含 む,④ 英 国学 生制 度 で学 生 に 求 め られ る知 識 ・技 能 ・態 度 等 の 実 践 の 場 所 とな る.

学 術 英語 科 目で は,学 生 が 専 門科 目講 義 を深 く理 解 し,そ こか ら更 に ク リテ ィ カ ル ・シ ン キ ン グの ス キル を使 って 分 析 ・発 言 ・ラ イ テ ィ ン グへ と発 展 し,丁 寧 に 指 導 して い た.今 まで もIPの 英 語 授 業 を聴 講 す る機 会 に 恵 まれ た が,私 の 様 な専 門 科 目担 当 者 は,イ メー ジ 的 に 各 英 語 授 業 の

内容 を想像 して い る部 分 もあ る.実 際 の 授 業 聴 講 に よ っ て,学 術 英 語 に 必 要 な全 て の ス キ ル を ど の 様 に 学 生 が 修 得 す る の か を よ り明確 に 理 解 す る こ とは,イ ン ター ナ シ ョナ ル プ ロ グ ラ ム全 体 の 発 展 と専 門 科 目講義 の 向上 に 大 変 重 要 で あ る と痛 感 した.

最 後 に

帰 国 後 は,IPの 更 な る改bの た め に,視 察 に よ っ て得 た情 報 ・知 識 を以 下 の 点 に 生 か して い る:

1経 済 学 科 目の 内 容 を各 習 熟 度 レベ ル に合 っ た 内容 と して い る.

2講 義 で の英 語 の ペ ー ス を,IP初 級 レベ ル は別 と して,そ の 他 レベ ル で は ネ イ テ ィ ブ ・ス ピー カー レベ ル で 話 して い る.

3英 語教 員 との シ ラバ ス,課 題 内容 ・提 出期 限 等 を,今 まで 以 上 に コー デ ィ ネ ー トして い る.

4英 語 科 目で 学 習 して い る 内容 は,あ らか じめ ほ ぼ 全 て 専 門科 目で 必 要 と して い る ス キ ル で あ

)

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・。4.季 刊 創 価 経 済 論 集Vol.XXXIX,No.1・2・3・4 る よ う徹 底 した.

5.学 生 に,一 段 上 の レベ ル の 科 目を聴 講 させ,必 要 とさ れ る知 識 ・技 能 を よ り明 確 に理 解 させ て い る.

6.語 学 担 当 教 員 に,講 義 授 業 に 参 加 して い た だ き,講 義 の 内容 と必 要 で あ る技 能 の 確 認 を させ て い る.

この 度 の視 察 に は,経 済 学 部 長 谷 部 秀 孝 学 部 長 と渡 英 し,共 に 授 業 の聴 講 と関 係 者 との 懇 談 に 参 加 す る こ とが 出来 た.専 門科 目 と英 語 教 育 が 融 合 して い るSOASの 質 の 高 い教 育 を学 習 す る こ とが で き,IPの 更 な る発 展 に確 実 に寄 与 出 来 るで あ ろ う.な お,今 回の 訪 問 内容 は,学 術 英 語 分 野 の 専 門家 に とっ て は,す で に よ く知 っ て お られ る内容 で あ る.し か し,専 門科 目担 当者 自身 が, こ の様 な プ ロ グ ラ ム全 体 の 達 成 目標 ・カ リキュ ラ ム構 成 ・講 義 法 を よ り理 解 し,プ ロ グ ラ ム の 成 功 の ため に授 業 運 営 をす る こ とに メ リ ッ トが あ る.

最 後 に,今 後 の 課 題 と して,学 生 の 習 熟 度 に 合 っ て い な い 内容 の 課 題 を経 済 学 講 義 の 授 業 で 課 して しま っ た 面 が あ るの で,達 成 目標 に 向 か っ ての,シ ラバ ス 内容 の 向 上 に つ い て よ り探 求 して い く必 要 が あ る.今 後 も,語 学 教 員 専 門家 の 方 々 の 協 力 の も とに,プ ロ グ ラム の 成 功 の為 に 改 善 を続 け て い き た い.そ の為 に,参 考 と な る模 範 的 プ ロ グ ラム につ い て,学 ん で い きた い.

参 考 資 料:

1.ロ ン ド ン 大 学SOAS(SchoolofOrientalandAsianStudies) http://www.soas.ac.uk/

2.IFCELS(lnternationalFoundationCoursesandEnglishLanguageStudies) http://www.soas.ac.uk/ifcels/

3.IntermediateCertificateCourseinComparativeInternationalStudies(ICC)UndergraduateFoundation Course

http://www.soas.ac.uk/programmes/prog7825.htm]

参照