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Key words: くも膜下ポート、脊髄くも膜下麻酔

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Academic year: 2021

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Key words: くも膜下ポート、脊髄くも膜下麻酔

 くも膜下ポート留置中の患者にポートより脊 髄くも膜下麻酔を試みたが手術に有効な効果を 得られず全身麻酔に変更した症例を経験したの で報告する。

症例 73歳男性

 前立腺癌多発骨転移の疼痛コントロールのた め 1 か月前にくも膜下ポート埋め込み術を施行 された。L 2 / 3 より穿刺し、カテーテル先端位 置は L 4 / 5 椎間板付近であった。

 当院泌尿器科通院中、前立腺癌のため尿閉か ら腎盂腎炎を併発し入院した。以前より大腿骨 転移が指摘されており、転倒後右下肢痛が増強 したため当院整形外科を受診した。転移性骨腫 瘍による右大腿骨転子下骨折のため、観血的整 復固定術が予定された。

手術前現症

身長:161.3cm 体重:45kg BMI:17.3 血圧:110/70mmHg 心拍数:95回 / 分

呼吸機能: VC 1.11L %VC 36.1% FEV

1.0

0.58L FEV

1.0%

75.32% Hugh-Jones Ⅳ 心臓超音波検査:EF40% 拡張障害+

       LV w a l l m o t i o n : s e v e r e hypokinesis

血液検査:

WBC 10400 /μl

Hb 8.6 g/dl

Plt 21.8万 /μl

D-Dimer 14.36 μg/ml

TP 5.1 g/dl

Alb 2.5 g/dl

GOT 50 U/l

ALP 3095 U/l

UN 13.9 mg/dl

Cr 0.53 mg/dl

CRP 7.59 mg/dl

BNP 1185 pg/ml

麻酔経過

 呼吸機能や心機能が悪く、疼痛も強いため、

留置中のくも膜下ポートからの脊椎麻酔を予定 した。0.5% 高比重ブピバカインを少量ずつ計

8 mlを使用したが十分な麻酔領域が得られな

かったため、全身麻酔に変更し手術を施行した。

 全身麻酔導入前には、左右L 2 領域付近のみ 冷痛覚が消失していた(Fig. 1 )。

 麻酔覚醒後、意識レベルは清明であり、右創 部痛があった。右下肢の知覚・運動とも低下な く、術後脊椎麻酔の効果はほとんど見られな かった。

術後ポート造影

 術後10日目にオムニパーク240

®

2 ml をくも 膜下ポートから投与したところ、Th12~ L 5 ま で造影剤は広がり、くも膜下腔にカテーテル

-39-

姫路赤十字病院誌 Vol. 37 2013 衛詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠鋭 液      液 液      液 液      液 液      液 液      液 液      液 液      液 液      液 液      液 液      液 液      液 液      液 液      液 疫詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠詠益

くも膜下ポートより脊髄くも膜下麻酔を試みたが 有効な効果を得られなかった 1 例

麻酔科 西海 智子、大森 睦子、倉迫 敏明、仁熊 敬枝、

八井田 豊、安積さやか、稲井舞夕子、上川 竜生、

川瀬 太助、中村 芳美、松井 治暁、塩路 直弘、

木田 好美、吹田 晃享

(2)

先端があることを確認した。造影剤は Th12~

L 2 付近でよく広がっていたが、L 3 ~ L 5 付 近では不十分であった。

考察

 すでに留置してあるくも膜下ポートを利用し た脊髄くも膜下麻酔を試みたが、手術に必要な 麻酔効果を得られなかった。くも膜下ポートを 利用した脊髄くも膜下麻酔についての文献は見 あたらなかったが、今回脊髄くも膜下麻酔が有 効でなかった原因として、①入院時すでに原疾 患が原因と考えられる尿閉をきたしており、ま

た、造影剤も L 3 ~ L 5 付近では広がりが不十 分であったことから下位腰椎へは薬液が広がら ない、②カテーテル長期留置の影響、③麻酔効 果を確認しながら少量ずつブピバカインを投与 したため薬液の広がりが悪い、④疼痛のため体 位変換ができず仰臥位で麻酔を施行し、さらに 角度調節のできないベッドを使用したことなど が考えられた

1, 2, 3)

 術後10日目のポート造影の結果から、ブピバ カインを一度に投与することで手術に有効な麻 酔領域を得ることができた可能性が考えられた。

しかし、癒着や原疾患が原因と考えられる下位

麻酔記録

術後(POD10)ポート造影施行 Fig. 1

-40-

(3)

腰椎レベルでの造影剤の広がりの悪さから、本 症例において脊髄くも膜下麻酔による下肢の手 術は困難であったと思われる。くも膜下ポート を利用し脊髄くも膜下麻酔を施行する場合には、

術前にポート造影を施行し造影剤の広がりを確 認し麻酔方法を選択するべきであると考えた。

結語

 疼痛コントロール目的に留置されたくも膜下 ポートより脊髄くも膜下麻酔を試みた。

 カテーテル先端がくも膜下腔にあるにも関わ らず、手術に必要な麻酔効果を得ることができ なかった。

参考文献

1 )樋口秀行:脊髄くも膜下麻酔 Brush up.日 臨麻会誌29:749-757,2009

2 )谷戸康人ほか:脊髄くも膜下麻酔の効きが 悪かった患者 脊髄くも膜下麻酔を安易に 考えると痛い目に 麻酔効果をなが持ちさ せる方法も駆使しよう.LiSA17:807-809,

2010

3 ) 山木良一ほか:脊髄くも膜嚢胞のため、脊 髄くも膜下麻酔の効果発現が不十分で あった帝王切開症例.麻酔58:1521-1523,

2009

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