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数学教育における日本の協力経験共有化へのパースペクティブ

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Academic year: 2021

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数学教育における日本の協力経験共有化へのパースペクティブ 算数・数学教育委員会の課題

Perspectives for Sharing Experiences of International Cooperation in Mathematics Education Task Analysis for the Mathematics Education Committee

礒田正美 ISODA, Masami

筑波大学・教育開発国際協力研究センター

Center for Research on International Cooperation in Educational Development, University of Tsukuba

[要旨]本課題研究は、数学教育分野における途上国教育協力を今後共同して取り組むための 手がかりとして、フィリピン、インドネシア、ケニア、南アフリカの教育協力プロジェクトの 成果を研究討議する。特にその主旨を記すことを求められたこの論文では、拠点システムの発 足経過と、算数・数学委員会の今年度の課題と事業計画を展望した。

キーワード 数学教育 教育協力 教材開発 教師教育 開発教育

1 教育協力のための.拠点システム発足   1991年「万民のための教育会議」を一契機 に、途上国への教育協力は、キャッチアップ 志向の高等教育・技術教育協力から、万民の 識字力を改善する基礎教育重視へとシフトし てきた。数学教育分野でも、その過渡期に展 開されたフィリピン理数科教師訓練センター プロジェクトにはじまり、エジプト、ケニア、

南アフリカ、インドネシア、ラオスなど数々 のプロジェクトが展開され、今なお、そのプ ロジェクト数は増大し続けている。そこに多 くの関係者の絶大なる貢献と努力があったこ とは言うまでもないことである。

プロジェクト数増大に対して、日本側支援 体制拡大が課題となり、その教育協力の体制 作りの必要を一つの背景にこれまで広島大学 教育開発国際協力研究センターCICE、筑波大 学教育開発国際協力研究センターCRICEDが 設立された。

平成14年7月、文部科学省国際協力懇談会 は最終報告書を提出し、「万人のための教育」

の実現にむけて、初等中等教育分野における 協力が重視される世界動向を確認した上で、

今後の教育協力政策に対して次の提言をした。 

ア)拠点システムの設立  イ)サポートセンターの設立 

ウ)国際開発戦略研究センターの設立  特にアの拠点システムでは、これまでの協 力経験を共有化し、これまでの「個別対応」

から「体系的対応」をはかる「拠点システム」

の設置を要請した(図1http://www.mext.go. 

jp/b̲menu/shingi/chousa/kokusai/002/tous hin/020801.htm)。 

それを受けて、財務省は平成 15 年度予算の 中で拠点システムに対して財政処置を行い、

機関対応として、CICE と CRICED が拠点シス テムの中核センターとして、拠点システム関 連事業を推進することになった。特に、広島 大学の CICE と筑波大学の CRICED の役割分担 の中で、教育協力の主力分野である、数学教 育・理科教育の協力経験共有化と協力モデル の開発は CRICED が分担することになった。 

その事業計画全容は 6 月 24 日「拠点システ ム発足記念セミナー」(文部科学省主催、国際 協力事業団後援)において発表された。 

拠点システム諸事業のねらいには、増大す

(2)

る途上国からの協力要請に柔軟に対応しえる 国内の共同体制を作ること、これまでの協成 果を参照可能にしていくこと、これまでの協 力経験を今後の教育協力に生かすこと、その 際に役立つモデルの開発などがある。 

2.算数・数学教育委員会の課題 

今年度の算数・数学教育委員会では、6月 に委員を委嘱し、7月から次の目的で会合を 開き成果を得ることを事業の主題としている。 

1)これまでの協力経験の集約 

2)これまでの協力経験の電子アーカイブ化  3)共同体制作りと来年度以降の事業計画で

取り組むべき課題の明確化と分担   1〜3の目的に対して、年会における課題 研究の主題は、集約すべき協力経験は何かを 柱だて今後の作業を容易にすること、どのよ うな情報を誰が必要としているかを明確にし て、アーカイブ化すべき情報は何かを明らか にすること、来年度以降の事業の中で何に取 り組むべきかを頭だしをすることである。 

1、3については、これまで、JICA プロジ ェクト技術協力で推進されてきた項目から、

次の討議の柱が予想される。 

a.各国カリキュラム及び評価の比較し、類 型化し、日本の教育課程を比較相対化して、

その国に日本の何が役立つかがわかるよ うにしていく。 

b.プロジェクト評価に必要な到達度評価テ ストなどの評価手法の開発研究し、プロジ ェクト評価に際して、参照可能にしていく。 

c.授業研究の手法や教材研究の資料、教師 教育の内容など教員の資質向上に必要な 教材等を開発していく 

d.途上国の教室で児童・生徒が活用できる、

また、開発に際して参照しえる教材・教具 を開発していく 

a〜dはすでに、教育協力の中で成果の蓄 積があるものであり、アーカイブ化されるべ き情報でもある。加えて、日本の数学教育の カリキュラム、実践、理論研究の成果を、途 上国で活用できるようにする必要もある。 

e.これまでの日本の数学教育学の研究成果 を集約し、参照容易にする研究 

それら内容は今年度を通じて明らかにされる。

図1.国際教育協力懇談会最終報告より

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