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2018年度税制改正大綱

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Tax Newsletter

© 2017 KPMG Tax Corporation, a tax corporation incorporated under the Japanese CPTA Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.

2018

年度税制改正大綱

I. 法人課税 1. 所得拡大促進税制……….……….. 2 2. 情報連携投資等の促進に係る税制………..………. 4 3. 租税特別措置の適用要件の見直し………..………. 4 4. 収益認識等の見直し………...………. 5 5. 特別事業再編 - 株式を対価とする株式の譲渡に係る損益の繰延べ……….. 6 6. 組織再編税制………..………. 6 7. その他の主な租税特別措置………..………. 7 8. 投資法人………..…………. 8 II. 国際課税 1. 恒久的施設(PE)関連規定の見直し.………..……… 9 2. タックスヘイブン対策税制………..…………. 10 3. その他の改正……….…………. 13 III. 個人所得課税 1. 給与所得控除・公的年金等控除・基礎控除等の見直し………... 14 2. 特定支出控除…….………. 17 3. 森林環境税……….………..…….. 17 IV. 相続税・贈与税 1. 外国人の出国後の納税義務の見直し………..……. 18 2. 事業承継税制の特例の創設等…………..……… 18 3. その他の改正…....………..……... 20 V. 消費税 1. 延払基準の廃止………..………..……. 21 2. 券面のない有価証券等の譲渡に係る消費税の内外判定………... 21 3. 適格簡易請求書の電子化………..……… 21 VI. その他 1. 電子申告………..……… 22 2. 中小企業の固定資産税の軽減………..……… 24 2017 年 12 月 14 日、政府与党(自民党・公明党)は「2018 年度税制改正大綱」を決 定しました。このニュースレターでは、税制改正大綱に示された主な改正項目の概要 をお知らせいたします。 税制改正大綱は改正案の概要を示すものであり、改正の詳細は、改正法案の公表 並びに法律及び政省令の公布を待たなければなりません。また、今後の国会審議等 によりその内容に変更が生じる可能性がありますので、ご留意くださいますようお願 いいたします。

19 December 2017

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I. 法人課税 1. 所得拡大促進税制 所得拡大促進税制は2013 年度に導入され、青色申告法人について適用されてきま したが、2018 年度税制改正では、国内設備投資や人材投資、持続的な賃上げを促 す観点から、以下のように見直される予定です。新しい制度は、2018 年 4 月 1 日か ら2021 年 3 月 31 日までの間に開始する各事業年度について適用されます。 (1)大企業 【現行法】 要件 (a) 当期の給与等支給額 ≧ 基準事業年度の給与等支給額×105% (b) 当期の給与等支給額 ≧ 前期の給与等支給額 (c) 当期の平均給与等支給額 ≧ 前期の平均給与等支給額×102% 税額控除 (法人税額の 10%が上限) 要件(a)(b)(c)を満たす場合 (当期の給与等支給額-基準事業年度の給与等支給額)×10% + (当期の給与等支給額-前期の給与等支給額)×2% 《用語の意義》

「大企業」とは、(2)における「中小企業者」以外の法人をいいます。

「給与等支給額」とは、国内雇用者に対する給与等の支給額で、各事業年度の 法人の所得の金額の計算上損金の額に算入されるものをいいます。

「国内雇用者」とは、法人の使用人(役員の特殊関係者及び使用人兼務役員を 除きます。)のうち、その法人の国内の事業所に勤務する雇用者として、労働基 準法に規定する賃金台帳に記載された者をいいます。

「基準事業年度」とは、2013 年 4 月 1 日以後に開始する各事業年度のうち最も 古い事業年度の直前の事業年度をいいます。 【改正案】 要件 (a) 当期の平均給与等支給額 ≧ 前期の平均給与等支給額×103% (b) 当期に取得等した国内にある 減価償却資産の取得価額の合計額 ≧ 当期において損金経理した減価償却費×90% (c) 当期の教育訓練費 ≧ 前期・前々期の教育訓練費の平均×120% 税額控除 (法人税額の 20%が上限) 要件(a)(b)を満たすが、 要件(c)を満たさない場合 (当期の給与等支給額-前期の給与等支給額)×15% 要件(a)(b)(c)を満たす場合 (当期の給与等支給額-前期の給与等支給額)×20%

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2)中小企業者 【現行法】 要件 (a) 当期の給与等支給額 ≧ 基準事業年度の給与等支給額×103% (b) 当期の給与等支給額 ≧ 前期の給与等支給額 (c) 当期の平均給与等支給額 > 前期の平均給与等支給額 (d) 当期の平均給与等支給額 ≧ 前期の平均給与等支給額×102% 税額控除 (法人税額の 20%が上限) 要件(a)(b)(c)を満たすが、 要件(d)を満たさない場合 (当期の給与等支給額-基準事業年度の給与等支給額)×10% 要件(a)(b)(c)(d)を満たす 場合 (当期の給与等支給額-基準事業年度の給与等支給額)×10% + (当期の給与等支給額-前期の給与等支給額)×12% 《用語の意義》

「中小企業者」とは、以下の(i)又は(ii)の法人をいいます。 (i) 期末資本金の額が 1 億円以下の法人(ただし、以下の法人を除きます。)

発行済株式の総数の1/2 以上が同一の大規模法人(資本金の額が 1 億 円を超える法人等)に所有されている法人

発行済株式の総数の2/3 以上が大規模法人に所有されている法人 (ii) 資本又は出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が 1,000 人以 下の法人 (2019 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度については、過去 3 年間の平均所 得が15 億円を超える法人は除かれます。) 【改正案】 要件 (a) 当期の平均給与等支給額 ≧ 前期の平均給与等支給額×101.5% (b) 当期の平均給与等支給額 ≧ 前期の平均給与等支給額×102.5% (c) 以下のいずれかを満たすこと。 (i) 当期の教育訓練費 ≧ 前期の教育訓練費×110% (ii) その事業年度終了の日までに中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受け、 その計画に従って経営力向上が確実に行われたものとして証明がされたこと。 税額控除 (法人税額の 20%が上限) 要件(a)のみを満たす場合 (当期の給与等支給額-前期の給与等支給額)×15% 要件(a)(b)(c)を満たす場合 (当期の給与等支給額-前期の給与等支給額)×25% 上記に代わり、(1)で述べた改正案を適用することも可能です。

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2. 情報連携投資等の促進に係る税制 企業の内外におけるデータを連携・高度利活用すること等により生産性の向上を図 るため、生産性向上の実現のための臨時措置法(仮称)の制定を前提に、以下の投 資促進税制が創設されます。 適用法人 生産性向上の実現のための臨時措置法の革新的データ活用 計画(仮称)の認定を受けた青色申告法人 適用要件 同法の施行日から2021 年 3 月 31 日までの間に、 その革新的データ活用計画に従って、ソフトウェアの新設又は 増設をした場合において(*1、情報連携利活用設備*2の取得 等をして、その事業の用に供すること。 情報連携利活用 設備に対する 税制措置 (選択適用) 特別償却 取得価額×30% 税額控除 賃上げ要件(*3 満たさない場合 取得価額×3% (法人税額の15%が上限) 賃上げ要件を 満たす場合 取得価額×5% (法人税額の20%が上限) (*1その新設又は増設をしたソフトウェアの取得価額の合計額が 5,000 万円以上の 場合に限られます。そのソフトウェアとともに取得又は製作をした機械装置又は 器具備品がある場合には、これらの取得価額の合計額を含めて判定します。 (*2「情報連携利活用設備」とは、上記のソフトウェア、機械装置及び器具備品をいい、 開発研究用資産は除かれます。また、機械装置は、データ連携・利活用の対象と なるデータの継続的かつ自動的な収集を行うもの等に限られます。 (*3 「賃上げ要件」とは、「当期の平均給与等支給額が前期の平均給与等支給額の 103%以上であること」です。 3. 租税特別措置の適用要件の見直し 所得が増加しているにもかかわらず、賃上げや設備投資をほとんど行っていない大 企業については、一部の租税特別措置の適用が制限されることになります。 具体的には、大企業(I.1.(1)における「大企業」と同じ範囲です。)が、2018 年 4 月 1 日から2021 年 3 月 31 日までの間に開始する各事業年度において、要件(i)及び要 件(ii)のいずれにも該当しない場合には、その事業年度については、以下の 3 つの 租税特別措置の税額控除を適用できないこととされます。

要件(i)及び要件(ii)は、以下のとおりです。 要件(i) 当期の平均給与等支給額 > 前期の平均給与等支給額 要件(ii) 当期に取得等した国内に ある減価償却資産の 取得価額の合計額 > 当期において 損金経理した減価償却費 ×10%

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「3 つの租税特別措置」とは、以下のものをいいます。  試験研究費の税額控除制度  地域未来投資促進税制  情報連携投資等の促進に係る税制 ただし、その所得の金額が前事業年度の所得の金額以下の一定の事業年度につい ては、この措置の対象外とされます。(「所得の金額」は欠損金の繰越控除前の金額 とされるほか、必要な調整が行われることとなります。) 4. 収益認識等の見直し 今年7 月 20 日、国際会計基準(IFRS 第 15 号)を踏まえた企業会計基準公開草案 第61 号「収益認識に関する会計基準(案)」(2021 年 4 月 1 日以後に開始する連結 会計年度及び事業年度について適用。早期適用の特例あり。)が、企業会計基準委 員会より公表されました。これを受けて、法人税における収益の認識等について、以 下の改正が提案されています。 資産の販売等に 係る収益の額

資産の販売・譲渡又は役務の提供(「資産の販売等」)に 係る収益の額として所得の金額の計算上益金の額に算 入する金額は、原則として、その販売・譲渡をした資産の 引渡しの時における価額又はその提供をした役務につ き通常得るべき対価の額に相当する金額とすることが法 令上明確化される。

引渡しの時における価額又は通常得るべき対価の額 は、貸倒れ又は買戻しの可能性がある場合においても、 その可能性がないものとした場合の価額とされる。

資産の販売等に係る収益の額を実質的な取引の単位に 区分して計上できることとされる。

値引き及び割戻しについて、客観的に見積もられた金額 を収益の額から控除することができることとされる。 資産の販売等に 係る収益の額の 計上時期 以下の内容が法令上明確化される。

資産の販売等に係る収益の額は、原則として、目的物の 引渡し又は役務の提供の日の属する事業年度の所得の 金額の計算上益金の額に算入する。

資産の販売等に係る収益の額につき一般に公正妥当と 認められる会計処理の基準に従って上記の日に近接す る日の属する事業年度の収益の額として経理した場合 には、上記にかかわらず、その資産の販売等に係る収 益の額は、原則としてその事業年度の所得の金額の計 算上益金の額に算入する。

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返品調整引当金 返品調整引当金制度は廃止される。 なお、2018 年 4 月 1 日において返品調整引当金制度の対 象事業(出版業等)を営む法人については、以下の内容を含 む経過措置が設けられる。

2021 年 3 月 31 日までに開始する各事業年度について は、現行どおりの損金算入限度額による引当てが認めら れる。

2021 年 4 月 1 日から 2030 年 3 月 31 日までの間に開 始する各事業年度については、現行法による損金算入 限度額に対して1 年ごとに 1/10 ずつ縮小した額の引当 てが認められる。 長期割賦販売等 長期割賦販売等に係る資産の販売等について、延払基準に より収益及び費用の額を計算する特例制度は廃止される。 (ファイナンス・リース取引については、現行どおりの取扱い が維持される。) なお、2018 年 4 月 1 日前に長期割賦販売等に係る資産の 販売等を行った法人については、以下の内容を含む経過措 置が設けられる。

2023 年 3 月 31 日までに開始する各事業年度につい て、現行の延払基準により収益の額及び費用の額を計 算することができることとされる。

2018 年 4 月 1 日以後に終了する事業年度において延払 基準の適用をやめた場合には、繰延割賦利益額につい て10 年にわたり均等額が収益計上される。 5. 特別事業再編 ― 株式を対価とする株式の譲渡に係る損益の繰延べ 生産性向上を実現するために重要な役割を担う、大規模かつ迅速な事業再編を推し 進めていく観点から、自己株式を対価とした公開買付けなど、任意の株式交換につ いて、交換に応じた株主に対する譲渡損益の繰延措置が、産業競争力強化法の改 正を前提として設けられます。 この課税の繰延措置は時限措置で、認定事業者(改正産業競争力強化法の施行日 から2021 年 3 月 31 日までの間に特別事業再編計画(仮称)の認定を受けた事業 者)の行った特別事業再編(仮称)により、株主(法人及び個人)がその保有する株式 を譲渡し、その認定事業者の株式の交付を受けた場合について適用されます。 6. 組織再編税制 1)スピンオフ税制 2017 年度税制改正により、(i)分割法人が自己の事業の一部を切り出し、新たに設 立する分割承継法人に移転する分割(単独新設分割型分割)及び(ii)完全子法人株 式の全部を株主へ分配する株式分配等を利用したスピンオフが、一定の要件のもと、 適格組織再編成として位置づけられることになりました。

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さらに、2018 年度税制改正において、完全支配関係がある法人間で行われる当初 の組織再編成の後に適格株式分配を行うことが見込まれている場合には、当初の 組織再編成の適格要件のうち完全支配関係の継続要件を、その適格株式分配の直 前の時までの関係により判定することとする改正が行われます。これにより、あらか じめ設立した準備会社に移転する事業に必要な許認可を取得させてから行うスピン オフも、適格組織再編成として取り扱われうることになります。 (2)その他

当初の組織再編成の後に完全支配関係がある法人間で従業者又は事業を移転 することが見込まれている場合においても、当初の組織再編成の適格要件のう ち従業者従事要件及び事業継続要件が満たされるものとされます。

無対価組織再編成について、適格組織再編成となる類型の見直しが行われると ともに、非適格組織再編成となる場合における処理の方法が明確化されます。 7. その他の主な租税特別措置 適用期限が延長される租税特別措置法の主な特例措置は、以下のとおりです。 特例措置 適用期限の延長 備考 交際費等の損金不算入制度 2 年間延長 (2020 年 3 月 31 日まで) 中小企業者等の少額減価償却資産の取得 価額の損金算入の特例 中小企業者の欠損金等以外の欠損金の 繰戻しによる還付制度の不適用措置 国際戦略総合特別区域において機械等を 取得した場合の特別償却又は法人税額の 特別控除 関係法令の改正を前提に対象資産の 見直し等あり。 国家戦略特別区域において機械等を取得 した場合の特別償却等又は法人税額の特 別控除 国家戦略特別区域法等の改正を前提に 対象資産の見直し等あり。 国家戦略特別区域における指定法人の 課税の特例 地方拠点 強化税制 地方活力向上地域において 特定建物等を取得した場合の 特別償却又は法人税額の特別 控除 特定の地域において雇用者の 数が増加した場合の法人税額 の特別控除 同意雇用開発促進地域に係る措置の 廃止及び制度の見直しあり。 海外投資等損失準備金制度 準備金積立率の引下げの見直しあり。 新事業開拓事業者投資損失準備金制度 (ベンチャー投資促進税制) 1 年間延長 (2019 年 3 月 31 日まで) 産業競争力強化法の改正を前提とする。

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8. 投資法人(J-REIT) 投資法人については、その支払配当等の額が配当可能利益の額(税引前利益から 一定の項目を控除した金額)の 90%を超えていること(「90%超配当要件」)その他 の一定の要件を満たすときは、その支払配当等の額を損金の額に算入することを認 める、課税の特例措置が設けられています。しかし、現行の制度において 90%超配 当要件の基礎となる配当可能利益の額は、投資法人が海外で納付した法人税等 (「外国法人税額等」)を控除する前の税引前利益の額であるため、納付した外国法 人税額等に相当する配当等を支払うことができず、90%超配当要件を満たせなくな ることが、特に海外不動産への投資比率が高い投資法人において懸念されていまし た。 2018 年度税制改正により、90%超配当要件における配当可能利益の額について、 関係法令の改正を前提に、その投資法人が納付した外国法人税額等の控除後の額 とすることとされ、投資法人が納付する外国法人税額等が 90%超配当要件の充足 に抵触することがないように手当てされます。

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II. 国際課税

1. 恒久的施設(PE)関連規定の見直し

1)恒久的施設(PE)の定義の見直し

税源浸食と利益移転(BEPS:Base Erosion and Profit Shifting)プロジェクトの最終 報 告 書 にお け る勧 告 を反 映した 、BEPS 防止措置実施条約(MLI:Multilateral Instrument)(*及び2017 年版 OECD モデル租税条約を踏まえて、恒久的施設(PE) の定義について、以下の見直しが行われます。

*正式名称は「税源浸食及び利益移転を防止するための租税条約関連措置を実 施するための多数国間条約/Multilateral Convention to Implement Tax Treaty Related Measures to Prevent Base Erosion and Profit Shifting」で、BEPS プロ ジェクトのAction 15(多数国間協定の策定)の勧告に基づき策定され、2017 年 6 月7 日、67 の国/地域により署名されました。BEPS 防止措置実施条約は、BEPS プロジェクトにおける勧告を既存の租税条約に効率的に反映させる仕組みです。 A. PE 認定の人為的回避防止措置の導入 MLI 及び OECD モデル租税条約に沿った、人為的な PE 認定の回避に対処する措 置を導入するため、国内法のPE の定義について以下の見直しが行われます。

国内において非居住者又は外国法人(「非居住者等」)のために、その事業に関 し反復して契約を締結し、又は一定の契約の締結のために反復して主要な役割 を果たす者で、これらの契約が非居住者等の資産の所有権の移転等に関する契 約である場合におけるその者が、代理人PE の範囲に追加されます。

独立代理人の範囲から、専ら又は主として一又は二以上の密接に関連する者に 代わって行動する者が除外されます。

保管、展示、引渡しその他の特定の活動を行うことのみを目的として使用する事 業を行う一定の場所等については、その活動が非居住者等の事業の遂行にとっ て準備的又は補助的な機能を有するものである場合に限り、PE の範囲から除か れます。

建設 PE の期間要件(1 年超)について、契約を分割して建設工事等の期間を 1 年以下とすることにより建設 PE を構成しないことがその契約の分割の主たる目 的の一つであった場合には、分割された期間を合計して判定することとされます。 B. 関連規定の整備

日本が締結した租税条約において、国内法上の PE と異なる定めがある場合に は、その租税条約の適用を受ける非居住者等については、その租税条約上の PE を国内法上の PE とすることが明確化されます。

OECD モデル租税条約における PE の定義規定に沿って、国内法の PE の定義 規定の文言が整理される予定です。

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2)外国組合員に対する課税の特例の見直し 外国組合員に対する課税の特例について、現行の措置(一定の要件のもと、投資組 合契約の外国組合員がPE を有しないものとみなす措置)を PE 帰属所得(投資組合 契約に基づいて行う事業に係る PE に帰せられる一定のものに限ります。)に対する 所得税及び法人税等を非課税とする措置に見直すことが予定されています。 *** 上記の改正は、個人については2019 年分の所得から、法人については 2019 年 1 月1 日以後に開始する事業年度から適用されます。 2. タックスヘイブン対策税制 タックスヘイブン対策税制は、2017 年度税制改正において、BEPS プロジェクトの最 終報告書を踏まえて制度全体が改正されましたが、2018 年度税制改正では、追加 的な整備が行われます。 (新しい制度の概要及び下記で使用している用語の意義等は、KPMG Japan Tax Newsletter 「タックスヘイブン対策税制(2017 年度税制改正)」(2017 年 7 月 19 日 発行)にてご覧いただけます。) (1)経済活動基準の見直し 株式等の保有を主たる事業とする外国関係会社のうち外国金融子会社等に相当す る金融持株会社については、事業基準を満たすものとされます。 (2)買収後の事業再編等に伴う一定の株式譲渡益の特例 日本企業が外国企業の買収等により外国のペーパーカンパニー等を保有することと なった場合において、その買収後に行う事業再編において、そのペーパーカンパニ ー等に合算課税の対象となる所得が生じることがあります。この租税負担を軽減す ることにより円滑な事業再編を推進するため、以下に該当する株式の譲渡益につい ては、会社単位の合算課税の対象から除外する措置が設けられます。 譲渡者 ( 「 特 定 外 国 関 係 会社等」) 特定外国関係会社又は対象外国関係会社 (一定の内国法人が株主等であるもの以外) 譲受者 その特定外国関係会社等(譲渡者)に係る内国法人又は 他の外国関係会社(特定外国関係会社等に該当するもの以 外) 譲渡時期 《原則》 特定関係発生日から原則として同日以後2 年を経過する日 までの期間内の日を含む各事業年度 (「特定関係発生日」とは、居住者等株主等(居住者・内国法 人等)によるその特定外国関係会社等(譲渡者)に係る直 接・間接の株式保有割合等が 50%超となった日をいいま す。)

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《特例》 特定外国関係会社等(譲渡者)の 2018 年 4 月 1 日から 2020 年 3 月 31 日までの間に開始する各事業年度(の譲 渡)については、特定関係発生日から同日以後 5 年を経過 する日までの期間内の日を含む各事業年度 対象株式等 外国関係会社(特定外国関係会社等に該当するもの以外) の株式等で、その特定外国関係会社等(譲渡者)が特定関 係発生日に有するもの 主な要件

外国関係会社に該当することとなった外国法人の統合 に関する基本方針及び統合に伴う組織再編の実施方法 等を記載した計画書に基づく譲渡であること。

譲渡の日から2 年以内にその譲渡をした特定外国関係 会社等の解散が見込まれること。 (対象株式等を発行した外国関係会社の合併、解散による残余財産の分配その他 の事由による譲渡益は、この措置の対象とされません。) (3)無税国に所在する外国関係会社の租税負担割合 外国関係会社の租税負担割合は、「所得の金額」(本店所在地国の税法令に基づく 所得の金額に一定の調整を加えた金額)に対する「租税」(本店所在地国及び本店 所在地国以外の国において課される租税)の割合とされています。無税国に本店が 所在する外国関係会社については、本店所在地国以外の国において租税を課され る場合に租税負担割合を計算しようとしても、本店所在地国の税法令に基づく所得 の金額がないことから、租税負担割合が計算できないという問題がありました。 そこで、無税国に本店が所在する外国関係会社の租税負担割合について、以下の ように定められる予定です。

「所得の金額」は、決算に基づく所得の金額に、税法令がある国に本店が所在す る外国関係会社と同様の調整を加えて計算した金額とされます。また、その外国 関係会社が受ける配当等の額は、所得の金額から減算することとされます。

所得の金額がないとき又は欠損の金額となるときは、租税負担割合は零とされま す。 (4)部分適用対象金額に関する見直し

部分合算課税の対象としないこととされる関連者等に対する金銭の貸付けに係 る利子について、関連者等の範囲から個人が除かれることになります。

外国金融子会社等が解散により外国金融子会社等に該当しない部分対象外国 関係会社に該当することになった場合には、その該当することになった日から原 則として同日以後3 年を経過する日までの期間内の日を含む事業年度の一定の 金融所得について、部分合算課税の対象としないこととされます。

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5)外国金融子会社等に係る部分合算課税制度の見直し

外国金融子会社等に該当する保険子会社の要件について、英国ロイズ市場で 現地法令に従って設立された保険引受子会社と管理運営子会社が一体となって 保険業を営む場合は、これらを一体として判定を行うこととされます。(英国ロイズ 市場以外における一定の場合も、同様の取扱いとされます。)

外国金融子会社等に該当する外国金融持株会社の要件について、以下を含む 一定の見直しが行われる予定です。  一の内国法人による100%保有要件が見直され、「一の内国法人及びその一 の内国法人との間に発行済株式等の全部を保有する等の関係のある内国法 人によってその発行済株式等の全部を直接又は外国法人を通じて間接に保 有されている部分対象外国関係会社」に変更されます。  経営管理要件及び経営管理業務従事要件について、その対象に一定の中 間持株会社が発行済株式等の 50%超を有する外国金融機関及び他の外国 金融持株会社が加えられます。 (6)二重課税の調整 内国法人が合算課税の適用を受けた場合において、外国関係会社に対して課され た一定の日本の租税のうち合算された所得に対応する部分は、その内国法人の一 定の租税から控除されますが、それらの租税の範囲が以下のように見直されます。 現行法 改正案 控除対象となる外国関係会社にして課された日本の租税(a) 所得税、復興特別所得税、法人税 所得税、復興特別所得税、法人税 地方法人税、法人住民税 (a)が控除される内国法人の租税 法人税 法人税 地方法人税、法人住民税 *** 上記の改正は、外国関係会社の2018 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度から適 用されます。

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3. その他の改正 1)不動産化体株式の判定時期 外国法人又は非居住者に係る不動産化体株式(総資産の 50%以上が日本にある 不動産により構成される法人の株式)の譲渡益課税について、対象となる株式の判 定時期が「譲渡の時」から「株式の譲渡の日前 365 日以内のいずれかの時」に見直 されます。 この改正は、2019 年分以後の所得税及び 2018 年 4 月 1 日以後に開始する事業年 度分の法人税について適用されます。 (2)店頭デリバティブ取引の証拠金に係る利子の非課税制度 外国金融機関等が国内の金融機関等との間で2018 年 3 月 31 日までに行う店頭デ リバティブ取引の証拠金に係る利子については、非課税適用申告書の提出等を要 件に所得税が非課税とされていますが、この非課税制度の適用期間が2021 年 3 月 31 日まで、3 年間延長されます。

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III. 個人所得課税 1. 給与所得控除・公的年金等控除・基礎控除等の見直し 働き方の多様化を踏まえ、さまざまな形で働く人を応援する観点から、給与所得控除 及び公的年金等控除を見直し、その一部を基礎控除に振り替える改正等が提案さ れています。 (1)給与所得控除 給与所得控除について、以下の改正が予定されています。

控除額の一律10 万円引下げ

控除の上限額が適用される給与等の収入金額の 850 万円(現行:1,000 万円) への引下げ

控除の上限額の195 万円(現行:220 万円)への引下げ この改正により、給与等の収入金額が 850 万円を超える給与所得者の税負担が増 加することになりますが、所得金額調整控除(詳細については、(4)をご参照くださ い。)の導入により、子育て世帯及び介護世帯については、税負担が増加しないよう に手当てされています。 改正後の給与所得控除額は、以下のようになります。 (単位:円) 給与等の収入金額(A) 給与所得控除額 現行法 改正案 子育て・介護世帯以外 子育て・介護世帯(*1) - 162.5 万以下 (A)×40% (最低65 万) 55 万 55 万 162.5 万超 180 万以下 (A)×40%-10 万 (A)×40%-10 万

180 万超 360 万以下 (A)×30%+18 万 (A)×30%+8 万 (A)×30%+8 万 360 万超 660 万以下 (A)×20%+54 万 (A)×20%+44 万 (A)×20%+44 万 660 万超 850 万以下

(A)×10%+120 万 (A)×10%+110 万 (A)×10%+110 万(*2) 850 万超 1,000 万以下 195 万(上限額) 1,000 万超 - 220 万(上限額) 210 万(上限額)(*2) (*1 所得金額調整控除の対象者です。(詳細については、(4)をご参照ください。)*2 所得金額調整控除による控除額を含みます。 2)公的年金等控除 公的年金等控除について、以下の改正が予定されています。

控除額の一律10 万円引下げ (公的年金等に係る雑所得以外の合計所得金額が一定額を超える場合には、さ らなる引下げあり。)

公的年金等の収入金額が1,000 万円を超える場合の控除額に上限(195.5 万円) を設定 改正後の公的年金等控除額は、以下のようになります。

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(単位:円) 公的年金等の 収入金額の 合計額(A) 公的年金等控除額 現行法 改正案 年金以外の所得 1,000 万以下 年金以外の所得 1,000 万超 2,000 万円以下 年金以外の所得 2,000 万超 年金受給者の年齢:65 歳未満 130 万未満 70 万 60 万 50 万 40 万 130 万以上 410 万未満 (A)×25% +37.5 万 (A)×25% +27.5 万 (A)×25% +17.5 万 (A)×25% +7.5 万 410 万以上 770 万未満 (A)×15% +78.5 万 (A)×15% +68.5 万 (A)×15% +58.5 万 (A)×15% +48.5 万 770 万以上 1,000 万以下 (A)×5% +155.5 万 (A)×5% +145.5 万 (A)×5% +135.5 万 (A)×5% +125.5 万 1,000 万超 195.5 万(上限額) 185.5 万(上限額) 175.5 万(上限額) 年金受給者の年齢:65 歳以上 330 万未満 120 万 110 万 100 万 90 万 330 万以上 410 万未満 (A)×25% +37.5 万 (A)×25% +27.5 万 (A)×25% +17.5 万 (A)×25% +7.5 万 410 万以上 770 万未満 (A)×15% +78.5 万 (A)×15% +68.5 万 (A)×15% +58.5 万 (A)×15% +48.5 万 770 万以上 1,000 万以下 (A)×5% +155.5 万 (A)×5% +145.5 万 (A)×5% +135.5 万 (A)×5% +125.5 万 1,000 万超 195.5 万(上限額) 185.5 万(上限額) 175.5 万(上限額) (3)基礎控除 基礎控除額が現行制度の38 万円から 48 万円に引き上げられます。ただし、合計所 得金額が 2,400 万円を超える場合には、基礎控除額が以下のように段階的に逓減 されることになります。 (単位:円) 所得金額 基礎控除額 現行法 改正案 - 2,400 万以下 38 万 48 万 2,400 万超 2,450 万以下 32 万 2,450 万超 2,500 万以下 16 万 2,500 万超 - 0 (個人住民税における基礎控除についても、同様の改正がなされる予定です。)

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4)所得金額調整控除 子育て世帯及び介護世帯の給与所得者に対する控除 (1)で述べたように、給与等の収入金額が 850 万円を超える給与所得者に給与所得 控除の上限額が適用されることになりますが、一定の子育て世帯及び介護世帯につ いては、税負担が増加しないように、所得金額調整控除額を給与所得の金額から控 除する制度が導入されます。 対象者 給与等の収入金額が 850 万円を超える者で、以下のいずれ かに該当するもの

特別障害者

23 歳未満の扶養親族を有するもの

特別障害者である同一生計配偶者又は扶養親族を有す るもの 所得金額調整 控除額 (給与等の収入金額-850 万円)×10% (上限額15 万円) ■ 給与所得及び公的年金等に係る所得を有する者に関する控除 給与所得及び公的年金等に係る雑所得の両方を有する一定の者についても、給与 所得控除額と公的年金等控除額の二重の引下げの影響を排除するため、所得金額 調整控除が適用され、以下の控除額が給与所得の金額から控除されます。 対象者 給与所得控除後の給与等の金額(A)と公的年金等に係る雑 所得の金額(B)の合計額が 10 万円を超える者 所得金額調整 控除額 (A)+(B)-10 万円 (上限額10 万円) (5)給与所得控除及び基礎控除の改正に伴うその他の改正 上記の給与所得控除額の引下げと基礎控除額の引上げに伴い、以下の改正が予 定されています。 ■ 扶養控除・配偶者控除・配偶者特別控除

扶養控除の対象となる扶養親族及び配偶者控除の対象となる同一生計配偶者 の合計所得金額に関する要件が、48 万円以下(現行:38 万円以下)に引き上げ られます。

配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計所得金額に関する要件が、48 万円 超133 万円以下(現行:38 万円超 123 万円以下)とされ、控除額の算定の基礎 となる合計所得金額の区分がそれぞれ10 万円引き上げられます。 (個人住民税についても、同様の改正がなされる予定です。) ■ 源泉控除対象配偶者 源泉控除対象配偶者の合計所得金額に関する要件が、95 万円以下(現行:85 万円 以下)に引き上げられます。

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青色申告特別控除 青色申告特別控除額が以下のように改正されます。

取引を正規の簿記の原則に従って記帳している等の一定の要件を満たす者: 55 万円(現行:65 万円)に引下げ(*

上記以外の者:10 万円(改正なし) (*その年分の仕訳帳及び総勘定元帳について、電子帳簿保存法の定めに従って 電磁的記録の備付け及び保存を行っている場合又はその年分の所得税の確定 申告書、貸借対照表及び損益計算書等の提出を、その提出期限までにe-Tax を 使用して行う場合には、65 万円が適用されます。 *** 上記の改正は、2020 年分以後の所得税及び 2021 年度分以後の個人住民税につ いて適用されます。 2. 特定支出控除 特定支出控除は、給与所得者が特定支出をした場合において、その年の特定支出 の額の合計額が給与所得控除額の 1/2 を超えるときに、その超過額を給与所得控 除後の所得金額から控除することができる制度ですが、その対象となる特定支出の 範囲について以下の拡充がなされます。

特定支出の範囲に、職務の遂行に直接必要な旅費等で通常必要と認められるも のが追加されます。

特定支出の範囲に含まれている単身赴任者の帰宅旅費ついて、月4 往復までと する制限が撤廃されるとともに、帰宅のために通常要する自動車の燃料費及び 有料道路の料金が追加されます。 この改正は、2020 年分以後の所得税及び 2021 年度分以後の個人住民税について 適用されます。 3. 森林環境税 森林整備等の財源に充てられる、森林環境税(仮称)の創設が予定されています。 国内に住所を有する個人から、年 1,000 円が個人住民税と併せて賦課徴収される 制度で、2024 年度から適用されます。

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IV. 相続税・贈与税 1. 外国人の出国後の納税義務の見直し 2017 年度税制改正では、一時的に日本に在留する(した)外国人の関わる相続・贈 与については、一定の要件のもと、国外財産を相続税・贈与税の課税対象に含めな いこととする改正が行われました。 しかし、その一方で、日本に 10 年超居住した外国人が出国後 5 年以内に死亡した 場合には、たとえ相続人が日本に住所及び日本国籍を有していなくとも国外財産に まで課税が及ぶこととされたため、この改正が外国人の来日を妨げる要因になると の指摘がなされていたところです。

(改正の詳細は、KPMG Japan Tax Newsletter 「2017 年度税制改正 相続税・贈与 税 国外財産に対する納税義務の範囲の見直し」(2017 年 6 月 19 日発行)にてご覧 いただけます。) このような状況を踏まえ、2018 年度税制改正において、以下の相続人・受贈者が被 相続人・贈与者から相続等により取得する国外財産について、相続税・贈与税が課 されないこととする改正が行われます。 相続人 受贈者 相続開始又は贈与の時において国外に住所を有する日本国籍を有し ない者等 被相続人 贈与者 以下のいずれにも該当する者

相続開始又は贈与の時において国内に住所なし。

国内に住所を有しないこととなった時前 15 年以内において国内に 住所を有していた期間の合計が10 年超 (その期間引き続き日本国籍を有していない。) ただし、贈与者が国内に住所を有しないこととなった日から同日以後2 年を経過する 日までの間に国外財産を贈与した場合において、同日までに再び国内に住所を有す ることとなったときは、贈与税が課されることになります。 上記の改正は、2018 年 4 月 1 日以後に相続・贈与により取得する財産に係る相続 税・贈与税について適用されます。 2. 事業承継税制の特例の創設等 中小企業の代替わりを促進するため、今後 10 年間の措置として、非上場株式等に 係る贈与税・相続税の納税猶予の特例制度が創設されます。 特例措置の主な内容は以下のとおりです。(下記以外の要件等は現行の事業承継 税制と同様とされます。)

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特例認定承継会 社の代表者(*1) か ら 特 例 後 継 者 への非上場株式 の贈与・相続・遺 贈(「贈与等」) 特例後継者が取得した全ての非上場株式に係る課税価格に 対応する贈与税・相続税の全額について納税が猶予される。 ← 現行制度において納税猶予の 対象とされるのは、非上場株式 の発行済株式総数の 2/3 に達 するまでの部分とされており、 さらに相続税については、その 課税価格の 80%に対応する部 分に限られています。 ⇓ 特例承継期間 (5 年間) 【納税猶予期間】

一定の事由が生じた場合には、納税猶予税額の期限が確 定する。

ただし、一定の事由のうち現行の雇用確保要件を満たせな い場合であっても、その理由を記載した書類(認定経営革新 等支援機関の意見が記載されているものに限る。)を都道 府県に提出した場合には、納税猶予は継続される(*2 【参考 現行制度の雇用確保要件】 経営承継期間の末日において、雇用の 5 年間の平均が相続 開始時の雇用の8 割を下回らないこと。 ← 現行制度では、雇用確保要件 が満たせない場合には、納税 猶予税額の全額と利子税を納 付しなければならないこととされ ています。 ⇓ 特例承継期間 経過後 【納税猶予期間】 経営環境の変化を示す一定の要件を満たす場合(*3におい て、特例認定承継会社の非上場株式の譲渡、合併、解散等が 行われたとき →B の合計額を納付する。 (A>B となる場合にはその差額が免除される。) A 当初の納税猶予税額 B 譲渡等の対価(相続税評価額の 50%が下限(*4)又は解散 時の相続税評価額を基に再計算した贈与税額・相続税額 + 過去5 年間に支払われた配当・過大役員給与等相当額 ← 現 行 制 度 に お い て 、 経 営 ( 贈 与)承継期間経過後に非上場 株式の譲渡等が行われた場合 には、譲渡部分に対応する税 額を納付しなければならないと されていますが、譲渡等の時点 での株式価値に基づき税額を 再計算する規定は設けられて いません。 ⇓ 特例後継者の 死亡等 納税猶予税額の全額が免除される。 (*1 特例後継者が特例認定承継会社の代表者以外の者から贈与等により取得する 特例認定承継会社の非上場株式についても、特例承継期間(5 年)内にその贈 与等に係る申告書の提出期限が到来するものに限り、この特例措置の対象とさ れます。 (*2 雇用確保要件を満たせない理由が経営状況の悪化である場合等には、認定経 営革新等支援機関から指導及び助言を受けて、その内容を記載しなければなり ません。 (*3 直前の事業年度終了の日以前 3 年間のうち 2 年以上、特例認定承継会社が赤 字である場合やその売上高が前年に比して減少している場合などをいいます。 (*4特例認定承継会社の非上場株式の譲渡・合併の対価がその時における相続税 評価額の50%を下回る場合の特例規定も設けられています。

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【用語の意義】 また、上記のほか、以下の見直しも行われます。

特例後継者が贈与者の推定相続人以外の者(その年1 月 1 日において 20 歳以 上である者に限ります。)であり、かつ、その贈与者が同日において60 歳以上の 者である場合には、相続時精算課税の適用を受けることができることとされます。

現行の事業承継税制についても、新たな特例措置と同様に、複数の贈与者から の贈与等が対象とされます。 上記の改正は、2018 年 1 月 1 日から 2027 年 12 月 31 日までの間に贈与等により 取得する財産に係る贈与税又は相続税について適用されます。 3. その他の改正

小規模宅地等の特例の本来の趣旨を逸脱した悪用を防止する観点から、持ち家 に居住していない相続人に係る特定居住用宅地等の特例(いわゆる家なき子特 例)の適用対象者の範囲及び貸付事業用宅地等の範囲が見直されます。

一般社団法人等に財産を移転することによる課税逃れを防止するため、一般社 団法人等に対して贈与等があった場合の贈与税等の課税について、その規定を 明確化する等の見直しが行われます。 特例後継者 以下の要件を満たす者  特例認定承継会社の特例承継計画に記載されたその特例認定 承継会社の代表権を有する後継者(同族関係者と合わせてその 特例認定承継会社の総議決権数の過半数を有する者に限る。) であること。  同族関係者のうち、その特例認定承継会社の議決権を最も多く 有する者であること。 (特例承継計画に記載された後継者が2 名又は 3 名以上の場合 には、その議決権数のそれぞれ上位2 名又は 3 名の者(総議決 権数の10%以上を有する者に限る。)であること。) ← (参考) 現行制度では、経営承継相続 人等又は経営承継受贈者は 認定(贈与)承継会社が定めた 一の者に限ることとされていま す。 特例認定 承継会社 2018 年 4 月 1 日から 2023 年 3 月 31 日までの間に特例承継計画 を都道府県に提出した会社であって、中小企業における経営の承 継の円滑化に関する法律による認定を受けたもの 特例承継 計画 認定経営革新等支援機関の指導及び助言を受けた特例認定承継 会社が作成した計画で、その特例認定承継会社の後継者や承継時 までの経営見通し等が記載されたもの

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V. 消費税 1. 延払基準の廃止 今年7 月 20 日、国際会計基準(IFRS 第 15 号)を踏まえた企業会計基準公開草案 第61 号「収益認識に関する会計基準(案)」(2021 年 4 月 1 日以後に開始する連結 会計年度及び事業年度について適用。早期適用の特例あり。)が、企業会計基準委 員会より公表されました。これを受けて、長期割賦販売等に係る資産の譲渡等につ いて、延払基準により資産の譲渡等の対価の額を計算することを認める特例制度が 廃止されることが提案されています。(ファイナンス・リース取引については、現行ど おりの取扱いが維持されます。) なお、2018 年 4 月 1 日前に長期割賦販売等に係る資産の譲渡等を行った事業者に ついて、以下の内容を含む経過措置が設けられます。  2023 年 3 月 31 日までに開始する各年又は各事業年度について現行の延払基 準により資産の譲渡等の対価の額を計算することができることとされます。  2018 年 4 月 1 日以後に終了する課税期間において延払基準の適用をやめた場 合には、賦払金の残金について 10 年にわたり均等額が資産の譲渡等の対価の 額とされます。 2. 券面のない有価証券等の譲渡に係る消費税の内外判定 券面のない有価証券等の譲渡に係る消費税の内外判定基準が、以下のように定め られます。 有価証券等 内外判定基準 振替機関又はこれに類する外国の機関 (「振替機関等」)が取り扱う券面のない 有価証券等(*) その振替機関等の所在地 上記以外の券面のない有価証券等 その有価証券等に係る法人の本店、 主たる事務所その他これらに準ずるも のの所在地 (* 券面の発行された有価証券のうち振替機関等が取り扱うものが含まれます。 3. 適格簡易請求書の電子化 適格請求書発行事業者は、あらかじめ課税資産の譲渡等を受ける事業者から承諾 を得た場合には、書面による交付に代えて、適格請求書の記載事項に係る電磁的 記録を提供することができることとされています。 一方で、不特定かつ多数の者に対して交付される適格簡易請求書については、電磁 的記録による提供はできないこととされていましたが、2018 年度税制改正により、適 格簡易請求書についても書面による交付に代えて、電磁的記録による提供ができる こととされます。 この改正は、インボイス制度が導入される2023 年 10 月 1 日以後に国内において事 業者が行う資産の譲渡等及び課税仕入れについて適用されます。

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VI. その他 1. 電子申告 1)電子申告の義務化 経済社会の ICT 化の進展、納税者の利便性及び行政の効率性の向上等の観点か ら、一定の法人については法人税等の電子申告(*が義務化されます。 * 申告書に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法(国税は e-Tax、 地方税はeLTAX)により提供することをいいます。 電子申告が求められることとなる法人及びその対象となる申告書の範囲は以下のと おりです。 対象法人 内国法人のうち以下の法人

事業年度開始時における資本金額が1 億円超の法人

相互会社、投資法人及び特定目的会社 対象となる申告書 (1) 法人税及び地方法人税の 確定申告書、中間申告書及び修正申告書 (2) 消費税の 確定申告書、中間申告書、修正申告書及び還付申告書 (3) 法人住民税及び法人事業税の 確定申告書、中間申告書及び修正申告書 申告書に係る添付書類の提出方法

申告書に係る添付書類も電子申告により提出することが求められますが、(1)の 申告書の添付書類については、光ディスク等により提出することも可能とされま す(* 電子申告がなされない場合の取扱い

電子申告がなされない場合には、原則として、無申告又は不申告として取り扱わ れます。

ただし、電気通信回線の故障等により電子申告を行うことが困難であると認めら れる場合において、書面により申告書を提出することができると認められるときは、 所轄税務署長の承認により、(1)及び(2)の申告書及びその添付書類を書面に より提出することができることとされます(**地方税の対応については、国税の措置等を踏まえて今後検討される予定です。 この改正は2020 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度又は課税期間について適用 されます。

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2)電子化促進のための環境整備 法人税等に係る申告データを円滑に電子提出することができるよう、以下の環境整 備が行われます。 項目 改正案 添付書類 第三者作成書類

法人税において、一定の制度(収用等の特例等)の適用を受ける場合に確定申告 書等に添付することとされている第三者作成書類については、その添付要件が廃 止され、書類を保存することにより制度の適用を受けることができることとされます。

国税の、スキャナ等により作成したイメージデータ(PDF 形式)を送信する添付書面 等について、解像度及び階調に係る要件を満たした場合には、紙原本での保存が 不要とされます。 電子申告対象法人 以 外 の 法 人 による 提出 上記(1)の電子申告対象法人以外の法人も、法人税及び地方法人税の確定申告書 等に係る添付書類を、光ディスク等により提出することが認められることとなります。 (2020 年 4 月 1 日より施行) 法人事業税におけ る貸借対照表及び 損益計算書 外形標準課税対象法人又は収入金額課税法人が法人税の確定申告書又は中間申 告書を電子申告した場合において、これらに貸借対照表及び損益計算書の添付があ るときは、法人事業税におけるこれらの書類の提出が不要とされます。 (2020 年 4 月 1 日より施行) 連結納税 個別帰属額等の 届出

連結親法人が連結子法人の個別帰属額等を電子申告又は光ディスク等により連結 親法人の所轄税務署長に提出した場合には、連結子法人がその個別帰属額等を 記載した書類をその連結子法人の本店等の所轄税務署長に提出したものとみなさ れます。 (2020 年 4 月 1 日以後に終了する連結事業年度について適用)

更正により個別帰属額等が異動した場合の個別帰属額等の届出は不要とされま す。 (2020 年 4 月 1 日以後の個別帰属額等の異動について適用) 連結納税の承認の 申請書等 連結親法人が連結納税の承認の申請書等を提出した場合には、連結子法人が提出 することとされている届出書等の提出が不要とされます。 (2019 年 4 月 1 日以後に生じた事実について適用) 署名等 自署押印制度 法人税、地方法人税、復興特別法人税、法人事業税及び地方法人特別税の申告書 における代表者及び経理責任者等の自署押印制度が廃止されます。 電子署名及び電子 証明書の送信 e-Tax 又は eLTAX により法人が行う申請等について、その代表者から委任を受けたそ の法人の役員又は職員の電子署名及び電子証明書を送信する場合には、その代表 者の電子署名及び電子証明書の送信は不要とされます。 その他 法人税及び地方法 人税の申告手続に 係る運用上の対応

別表(明細記載を要する部分に限ります。)、財務諸表及び勘定科目内訳明細書に ついて、データ形式が柔軟化されます。

勘定科目内訳明細書の記載内容が簡素化されます。

電子申告の送信容量が拡大されます。 なお、法人住民税及び法人事業税の確定申告書等の添付書類の提出方法の柔軟 化については、国税の措置等を踏まえて今後検討される予定です。

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2. 中小企業の固定資産税の軽減 生産性向上の実現のための臨時措置法(仮称)の制定を前提に、中小事業者等(*) に課される固定資産税が軽減される特例措置が創設されます。 【特例措置の概要】 対象事業者 先端設備等導入計画(仮称)につき、市町村の導入促進基本計 画(仮称)に適合し、かつ、労働生産性を年平均3%以上向上させ るものとして認定を受けた中小事業者等 適用要件 生産性向上の実現のための臨時措置法の施行日から2021 年 3 月31 日までの間において、 認定を受けた先端設備等導入計画に記載された対象資産で、 生産、販売活動等の用に直接供されるものを取得すること。 特例措置 最初の3 年間、対象資産の課税標準は、その対象資産の価格に 0 以上 1/2 以下の範囲内で市町村の条例で定める割合を乗じた 額とされる。 (*「中小企業者等」とは、以下の法人(発行済株式の総数の1/2 以上が同一の大規 模法人により所有されているものを除きます。)及び個人をいいます。

資本金の額又は出資金の額が1 億円以下の法人

資本又は出資を有しない法人の場合、常時使用する従業員の数が1,000 人 以下の法人

常時使用する従業員の数が1,000 人以下の個人 【対象資産の範囲】 対象資産 要件(全てを満たすもの) 販売開始時期 生産性(単位時間当 たりの生産量、精度、 エネルギー効率等) の向上 1 台又は 1 基の 取得価額 機械・装置 10 年以内 旧モデル比で 年平均1%以上 160 万円以上 測定工具及び 検査工具 5 年以内 30 万円以上 器具・備品 6 年以内 建物附属設備(*14 年以内 60 万円以上 * 家屋と一体となって効用を果たすものは除かれます。 なお、上記の特例措置の創設に伴い、中小企業等経営強化法に規定する認定経営 力向上計画に基づき中小事業者等が取得する対象資産に係る固定資産税の課税 標準の特例措置は、適用期限(2019 年 3 月 31 日)をもって廃止されます。

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