• 検索結果がありません。

平成21年11月16 日

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "平成21年11月16 日"

Copied!
14
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

平成

21 年 11 月 16 日

産科施設会員各位

支部長各位

東京産婦人科医会会長 町田利正

担当常務理事 山田正興

出産育児一時金等の医療機関等への直接支払制度について

日頃本会の運営にご理解、ご協力を賜り深く感謝申し上げます。

さて、標記制度が平成

21 年 10 月 1 日から、6 か月の猶予期間を含み、1 年 6

か月の暫定措置として開始されました。

東京都には

200 の分娩施設があり、それぞれの歴史と役割を有し、経営の形

態も多様です。そこで本制度の導入により、貴施設も様々な難題を抱え込む

事になられたかと存じます。

日産婦医会本部

(以降医会本部)は厚労省との交渉で、制度の仕組みや施行細部

の改善をはかっていますが、未だに課題は残っています。

平成

21 年 11 月 9 日に本会の医業対策部会・委員会が開かれ、本制度設立の

経緯と本会の関わりを産科施設会員に示す様、要望がありました。

その準備のさなか、医会本部から本制度設立経緯の纏めが届きました。

そこで、両者を同時にお送りいたしますので、併せてお読み下さい。

この暫定制度の行方は不透明ですが、制度が継続する限り、①つなぎ融資、②

入金の期間短縮③煩雑な事務処理等の改善を求めていきます。

各位のご意見やご要望をお寄せ下さい。また、本制度利用上、保険者や国保連

合会(支払い基金)からの不都合が生じましたらご連絡下さるようお願いいたしま

す。

設立経緯と本会の関わり

1.平成

20 年 3 月 17 日:

医会本部が厚労省へ「出産育児一時金の増額」要望。

2.平成

20 年 9 月 2 日:

医会本部が厚労省へ

「産科医療訴訟制度の増額

3 万円を分娩機関へ直接支給」

要望。

3.平成

20 年 11 月 27 日:厚労省 出産育児一時金に関する意見交換会。

厚労相の提案:出産育児一時金の医療機関への直接支払等。特に反対なし。

(2)

4.平成

20 年 12 月 12 日:第 31 回社会保障審議会医療保険部会。

出産育児一時金

42 万円直接支払制度の骨格決定。 ・政令で全国一律

・平成

22 年度までの暫定措置 ・引上げの国庫補助は直接支払い実施の保

険者に限定 ・出産に関る保険給付や費用負担のあり方を検討する。

5.平成

21 年 5 月 22 日:平成 21 年政令 139 号交付。

出産育児一時金

35 万円を 39 万円に増額。本年 10 月 1 日から平成 23 年 3

31 日までの暫定措置である。

6.平成

21 年 5 月 29 日:厚労省保険局長から医会本部等へ通知。

出産育児一時金等の医療機関等への直接支払制度の取り扱いについて。

7.平成

21 年 7 月 1 日:医会本部 月例連絡事項で本会(東京都支部)へ通知。

出産育児一時金等の医療機関等への直接支払制度の取り扱いについて。

8.本会の対応:7 月 2 日~8 月 10 日まで記す。

・本部「月例」別添の実施要項

(厚労省)から、事案の重要性を知り、直ちに

説明会開催に着手。

・各情報から本制度に関する窓口は医会本部ルートのみである。都の行政や

都医師会の直接的関わりはない。厚労省の制度設計を、医会本部が折衝し

て修正をはかる構図である。

・7 月 2 日:医会本部の加納武夫担当常務理事に連絡の上講師依頼、説明会

7 月 25 日に設定。医会本部へ講師依頼(7 月 6 日)→承諾(9 日)。

厚労省からの

Q&A は 7 月の半ばの見込み。

7 月 6 日:会員各位へ本制度説明会の案内状送付。

7 月 2 日:都国保連へ情報の収集(電話):中央から本制度への指示はない。

7 月 6 日:都国保連と話合い。現在まで本制度の決定事項は何もない。

・本会の説明会(7 月 25 日)へ都国保連から出席の要請があり、承諾する。

7 月 23 日:最大の懸案となる「つなぎ融資」の件等を、厚労省国保課へ

電話で質問(おの氏)。→医会本部神谷常務理事を通しての返答。現在、

本制度の実務等に関して部内の協議は停止状態で全てが不詳との事。

・7 月 25 日説明会: PM6:15~約 60 施設、150 人参加。質問・意見等多数。

昭和大岡井教授、鈴木江戸川区支部長の質問については持ち帰り。

・不参加施設(約 140) と不参加支部長には、当日の資料と医会本部 HP の

説明書を送付。

7 月 27 日(月)に発送終了。

・ 本件に関する質問、疑義,要請等は、今後本会事務局が

FAX で受領、

数回に分け、纏めて直接医会本部へ送り解決してもらう事になった。

(3)

9.平成

21 年 8 月 10 日:医会本部へ会員各位からの声(FAX)を提出。

本制度に対する会員各位の質問、疑義、要望、意見、抗議等の

FAX は原

文のまま署名入りで届けた。東京都支部の要望等は書面にして、

「全国支

部医療対策担当者連絡者会」の開催前に医会本部へ提出した。資料

1

10.平成

21 年 8 月 14 日:

医会本部医療対策委員会開催:医会本部記載。

11.平成

21 年 8 月 20 日:医会本部小林副会長にお願い。

小林副会長に電話と書面で会員からの不満、質問、要望等を伝えた。

副会長:直接の担当部門でないが、改善にむけ尽力するとのご返答。

12.平成

21 年 8 月 21 日:医会本部と厚労省の話し合い。医会本部記載。

13.平成

21 年 9 月 4 日:医会本部から各支部へ本制度の緊急アンケートがあ

った。9 月 2 日の常務理事会で各設問を討議し結論を以下の通り回答。

1)現時点では本支部としての方針は決まっていない。

2)10 月 1 日からの開始は容認できない。

理由:①準備が間に合わない。②事務手続きが煩雑。③資金繰りがつ

かない。④高額の借金が必要になることに納得がいかない。

3)①事務手続きの簡素化。②本制度が任意であれば容認できる。

14.平成

21 年 9 月 6 日:日産婦医会全国支部医療対策担当者連絡者会開催。

本制度の設立経緯・概要・実施要項の説明、各支部からの疑義・要望・

意見を含む

Q&A を行った。最終的には緊急アンケートの、各支部の結

果もふまえ本制度は

10 月 1 日より可能の施設からの開始が容認された。

15.平成

21 年 9 月 7 日:つなぎ資金の融資元について(1)

独立行政法人福祉医療機構:

つなぎ資金確保は最重要である。資金繰り不能のため

1 施設たりとも廃

院にしてはならない。紹介中の上記政府系機関へ問合わせ、確認の後、

会員各位に紹介した。

・現在までの照会は数件である。

・病院

1 億円、診療所 4,000 万円が上限。1, 000 万円まで無担保、保証

人は

1 人、金利 1.7%。会員各位へ紹介。

その後貸し渋りの情報が各所からきこえた。

10 月 8 日 医会本部発で更なる好条件(3,000 万円まで無担保、金利

1.1%,保証人は 1 人)の融資を公表した。貸し渋りはそのまま続く。

(4)

・福祉医療機構の貸し渋りの件は、医会本部に実態を繰り返し報告融資

実績の公表や、融資の拡大を求めている。11 月 13 日には寺尾会長

が再々度交渉に就いて頂いている。

16.平成

21 年 9 月 9 日:医会本部と厚労省の話し合い。医会本部記載。

17.平成

21 年 9 月 11 日:

産科施設会員各位、支部長殿に

10 月 1 日に本制度の開始を通知。

18.平成

21 年 9 月 25 日~9 月 28 日:厚労省 出産育児一時金に関する意

見交換会(情報)。

19.平成

21 年 9 月 29 日:厚労省 長妻大臣記者会見。

保険局長通知発出。6 か月の猶予。

20.平成

21 年 10 月 1 日:

一部猶予の出産育児一時金等の医療機関等への直接支払制度の発足。

21.平成

21 年 10 月 2 日:つなぎ資金の融資元について(2)

医会本部勧奨の医師信用組合貸付制度は東京都に存在しない。

都内融資機関の掘り起こし。

・東京都医師会:都医会員への医療融資制度がある。調査の結果、会

員の取引銀行との交渉になる。金利で優遇措置の可能性がある。

・東京都:福祉保健局を通し調査したが、都には存在しない。福祉医

療機構を紹介された。

・医師協同組合連合会:都内に7組合ある。融資可能な組合は殆どない。

組合員のみ利用できる。

・日本政策金融公庫:昔の国民金融公庫。少額なら融資可能と思える。

22.平成

21 年 10 月 9 日:国保連合会による本制度の実務上の説明会。

不参加施設には、当日資料を国保連から送付してもらった。

23.以降、医会本部からの情報は、可及的速やかに産科施設会員各位、支部

長各位にお伝えした。

以上

(5)

資料

1

出産育児一時金の医療機関直接支払制度についての要望等

日産婦医会東京都支部

1.本政令と制度設計について

本制度は政令として、本年

5 月 22 日の官報第 5075 号に内閣総理大臣名で発

せられ、その公示の内容は出産育児一時金を平成

21 年 10 月から同 23 年 3

月までの期限で

35 万円から 39 万円にする、と記載されているのみです。

・医療機関への直接払いが当初、医会の要望とはいえ、本制度の具体的な事

務処理の流れは国と医会本部とで綿密に協議し、運用しやすい仕組みに設

計すべきであります。

・国と医会本部、両者のすり合わせや協議が十分でないなら、拙速を避け、活

動しやすいシステムを構築してから開始して頂きたい。

2.事務処理上の煩雑さと経費の負担増

・産科医療補償制度、妊健の公費負担制度で事務処理量や経費が激増し、苦闘

している中、この度の直接払いの制度設計とモデルの書式を拝見すると、医

療機関側の本件に関する事務処理上の煩雑さと経費の負担増は目に余り、も

はや耐えられないと、特に有床診療所の会員は悲鳴をあげています。

医療機関の疲弊を諦観に変えないよう、これ以上の事務処理量の増加を阻止

して頂きたい。

3.つなぎ資金の確保について

・東京の自然分娩の費用(入院費・分娩費)は 1 人平均 51 万円と云われます。

月の分娩数×

51 万円が、10 月と 11 月は医療機関に入りません。

・ぎりぎりな経営を余儀なくされている昨今の医療機関は、年末の賞与を含め

た人件費、リース代等各種の支払が出来ません。

・政府系の融資機関があると聞きますが、簡略な手続きで融資が受けられるの

でしょうか。民間の機関を利用するなら、金利がばかにならず、また、年間

の売上減として、次回の融資に負の足跡を残します。

10 月までの短期間につなぎ資金の確保は現実的に困難と思われますが、どう

すればよいのか、方法等をご教授下さい。

4.本制度の意義とその帰結

・出産育児一時金の増額は、妊婦に福音となり、緊急な少子化対策として有効

であると考えます。しかし、医療機関にとっては、上記の理由により自院の

存続の危機にひんすることになります。

(6)

・東京には本年

5 月の時点で産科医療機関が 199 ありますが、前年比で 18 機

関が産科を廃止しました。平成

20 年は都内の医療機関で 95,843 件の出産が

あり、一方、都の人口動態調査の速報値は、

106,018 を示し、いわゆるお産

難民の継続が示唆されています。

・したがって、本制度が国の設計通り、このままで強制開始されるなら、産科

医療機関のさらなる減少は必至と考えます。

5.本支部からの具体的な要望

・本制度は、1 年数か月の限定にすぎません。産科の現場をいたずらに混乱さ

せるのは今後に禍根を残します。今後、国と医会本部が十分に協議をして制

度設計し、国民と医療機関の理解の上で本制度を開始して頂きたい。

・受け取り代理制度の存続と充実

従前からの当該制度は医療機関への直接支払いである。妊産婦と医療機関側

がやっと馴染んできた本制度を充実していけば何の問題もないと考える。

受け取り代理制度を存続して頂きたい。

・新制度は医療機関の任意でおこなう。

少なくとも相当期間、任意でおこなえば、つなぎ融資の件も解消される。

任意の制度として開始して頂きたい。

以上

(7)

平成 21 年 11 月 11 日 日本産婦人科医会 各都道府県支部長 殿 医療対策担当者 殿 (社)日本産婦人科医会 医療対策部 担当副会長 竹 村 秀 雄 担当常務理事 石 渡 勇 担当常務理事 加 納 武 夫 担当常務理事 神 谷 直 樹 担当常務理事 千 歳 和 哉 出産育児一時金等の医療機関等への直接支払制度について Ⅰ はじめに 常日頃医会医療対策部の活動にご理解・ご協力賜わり感謝申し上げます。 さて、平成21年10月1日より、平成23年3月までの一年半の暫定措置として出 産育児一時金等の医療機関等への直接支払制度が開始されました。開始後一カ月が経 過した時点でも、この制度に対する疑問や要望が多くの会員諸氏より出されておりま す。そこでこの制度の経緯等をお示しいたしますので、理解を深めていただきたいと 考えます。貴支部会員諸氏への伝達等ご配慮いただけますようお願いいたします。 また医会ホームページにも掲載いたしますことを申し添えます。 Ⅱ 経緯 この制度は (1)平成20年8月22日、舛添厚生労働大臣が閣議後の記者会見で、「贅沢しな ければ、手元に現金が無くても、安心して妊娠、出産できるようにしたい」と発 言されたことに端を発しております。 (http://www.mhlw.go.jp/kaiken/daijin/2008/08/k0822.html) そして (2)平成20年9月29日、麻生総理大臣が所信表明演説で「妊娠や出産費用の不 安については一日も早く解消する」と触れられました。 (http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg2166.html) このような流れの中で出産育児一時金の見直しが舛添厚労大臣の元で開始されま した。 制度設計の上で、出産育児一時金の関係者すなわち保険者代表、医療提供者、国 民代表等の意見を聴取する必要があり、 (3)平成20年11月27日「出育産児一時金に関する意見交換会」が開催されま 1

(8)

した。(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/11/txt/s1127-3.txt) その後この制度の具体化が厚生労働省で開始されたと推察しております。先ずこ の検討会で、舛添大臣が少子化対策の一環として提案された項目は次の3点です。 ・出産育児一時金の医療機関への直接支払いはどうか。 ・地域による出産費用に差があるが、そのまま反映させるのが良いか悪いか。 ・正常分娩に保険がきかないのは何故という疑問の声が市民の間にあり、みんな が納得する形にしたい。 この提案に対して日本産科婦人科学会が地方格差反対を、そして医会が現金給 付堅持を主張いたしました。また支払者(保険者)側は、緊急特別対策として行 うのであれば保険料での負担ではなく公費投入に特化すべきであり、さらに地域 格差は望ましくないとされました。そして恒久的に法律で出産育児一時金のあり 方の見直しを行うのであれば、時間をかけて検討すべきと発言されています。一 方連合代表者や一般学識経験者からは分娩費用の透明化と保険給付(現物給付) を求める意見が出ております。ただ医療機関への直接支払いに関してはどの代表 者からも反対意見が出ておりません。 なお、当会が直接支払いを求めていたのは以下の理由によります。産科医療補 償制度のスタートにあたり全ての分娩機関の加入が求められました。脳性麻痺児 が補償を受けられない事態となれば、医療機関は社会的に批判を受けるからです。 しかし、周産期救急等を積極的に受け入れている中核病院等では、結果的に分娩 費の未払い患者数が多くなっていました。このような分娩の多い機関でも一分娩 につき3万円の掛金を払わなければならないのです。このような病院は、倒産を 回避するために産科医療補償制度に加入できない状況でした。そこで医会はこの 窮状を打開する一法として出産育児一時金の増額と直接支払いを要望していたの です。 さてその後厚生労働省保険局で、さらに設計が進められ、 (4)平成20年12月12日の社会保障審議会医療保険部会に諮られ、制度の骨格 が決定されました。その内容は ・政令改正により全国一律に額を上げる。 ・緊急の少子化対策で平成 22 年度末までの暫定措置とする。 ・保険者に対する国庫補助は、保険者への影響に応じて重点的な補助を行う。 ・国庫補助は医療機関への直接支払いを実施している保険者に限定する。 ・出産に関わる保険給付やその費用負担の在り方は今後検討する。 の5項目です。(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/12/s1212-6.html) その後厚生労働省は平成21年1月に行った厚生労働科学研究費による分娩 費調査の結果なども参考にして、緊急の少子化対策の一環として、安心して出 産できる環境を整備するという観点から ・出産育児一時金の引き上げ分に伴う国庫補助支給対象を、医療機関等に直 接支払う保険者に限ることにより、直接支払いを徹底する。すなわち、出 産育児一時金の4万円の増額と 直接払いをセットにして改正する。 ・医療機関は、被保険者と代理契約を締結の上、保険者に出産費用を請求(代 2

(9)

理受領:出産育児一時金内)し、保険者は医療機関に対して支払う。この 時の請求書は妊婦への請求書と同じ内容のものとする。 ・保険者は、支払業務を原則として審査支払機関(国保連)に委託する。但 し支払基金は、支払基金法で自費の事務を扱うことができないので、自費 分は国保連に請求とする。 ・審査支払機関、医療機関等におけるシステム改修を要するため、施行は2 1年10月とする。 ・緊急の少子化対策として、21年10月から23年3月までの1年半の暫 定措置とする。23年4月以降は今後検討する。 と決定したのです。 その後、厚生労働省担当課から日本医師会と医会へは ・保険者へ出す請求書の様式にレセプト用紙を使用したいがどうか。 ・請求書の項目は、医会発行の医療保険必携に記載されているものでどう か。 などの相談があり、レセプト用紙利用案は拒否し、医療保険必携に記載され ている領収書モデル案の項目採用には異議を唱えておりません。そして (5)平成21年5月29日、厚生労働省担当課より、社会保険庁、地方厚生局長、 都道府県知事、全国健康保険協会理事長、健康保険組合理事長等へ「出産育児一 時金等の医療機関等への直接支払制度」の取扱いについて通知したので、医会会 員各位への周知方をお願いしたいと実施要綱とともに示されました。各関係団体 とも調整は終わっているという姿勢でした。 この通知を受けて医会では、 (6)会員各位に対する広報準備に着手いたしました。 ・日本産婦人科医会報7月号(14ページ)に概要掲載。 ・日本産婦人科医会報8月9月合併号に同封。 *今回の改正に至る経緯 *実施要綱 *Q&A(医会版) *合意文書(医会モデル案) *説明用資料 以後医会で行われた出産育児一時金に関する会議等を示します。 (7)平成21年8月14日出産育児一時金に関する問題点整理と交渉目標協議 (8)平成21年8月21日厚労省保険局担当課長ほか2名と協議 協議内容(医会からの質問事項と回答) 1.従前の一時金事前申請(委任受領)から直接支払制度に変更した理由につ いての会員への納得のいく説明が欲しい。今までの委任受領払を徹底(保険 者の受入れ率を75%から100%)することでよかったのではないか。 回答: 昨年の厚労省と関係団体代表との意見交換会で、妊婦の負担軽減のために 直接支払制度へ移行することを確認の後、おおよその内容については日本医 3

(10)

師会・医会等との折衝の上、本制度の実施要綱が5月の段階で作成され、5 月29日に医会本部で担当役員に説明をして承諾を得たつもりである。 その後厚労省通達として、実施要項は保険者、支払機関に既に発出し、本 制度が10月1日より実施されることが定められている。今になって前の制 度に戻すことは不可能である。実施要綱の変更は不可ということでした。 2.本制度が10月1日より実施となると、2~3ヶ月の入金遅延によって資 金繰りに苦慮する医療機関(特に産科専門施設)が少なくない。また事務手 続が煩雑となり直ちに対応困難と訴えるところも多い。最悪、本制度をボイ コットする医療機関、分娩を止めざるを得なくなり医療機関等も出てくる。 よって10月1日からの100%実施は難しいので猶予期間が欲しい。制度 の説明を受けた時、医会は100%参加でスタートとは認識せず、産科医療 補償制度発足の時と同様に、段階的制度参加でも良いと受け止めていた。 回答: 保険者側は支払機関に手数料を払って事務手続きをしてもらうことで直 接支払制度の受け入れについて理解を得ている。しかも100%の実施が原 則であり、本制度を実施する医療機関が始めから混在するようなことは厚労 省としては想定していない。100%実施まで数ヶ月かかるとするなら、何 時から完全実施出来るか具体的に期間を決めて欲しい。全面的に制度を利用 しないという医療機関には保険者、支払機関が納得する理由を示してもらい たい。 医会説明: 実施要綱の医会会員への配布は8月17日以降であるが、この時点でも制 度の詳細が厚生労働省から示されていない。従ってごく一部のブロック、支 部において説明会が行われただけで、詳細な運用方法を周知するには時間が 足りない。 資金繰りについても、個別の医療機関においても100%実施で始めるの は負担が重すぎる。従って徐々に利用率を上げていくように努力する形でス タートさせたい。 (追記:実施要綱の詳細が厚生労働省ホームページに掲載されたのは9月 26日であった。) 3.金融機関から融資を受けるにしても利息が重くのしかかる。無利子で借り るような方法を考えてもらいたい。 回答: そのような貸付制度を実施するには、国からの予算がないと出来ない。 4.従前の委任払制度では、振り込まれるお金が一括の場合に個人が特定出来 ないことがあったが、今度はどうなるのか。 回答: 直接支払では個人の特定が出来るように配慮する。 以上、10月1日からの新制度実施については、従来の委任受領払制度に後 戻りすることは不可能であることを明確に言われた。100%実施については 4

(11)

しばらくの猶予期間の設定となりそうだが、その理由をきちんと説明しなけれ ばならない。この説明が条件の一つと言われた。 (追記:厚生労働省から、従来の委任受領払制度廃止の通知が出たにも関わら ず、地方自治体の独自判断で委任受領払制度を存続させている自治体がある。 自治体でも独自の判断でこの制度に対応されていると推測されます。) (9)平成21年8月25日、厚労省保険局と猶予期間について交渉。 (10) 平成21年8月31日、福祉医療機構に出向き、医療貸付について交渉。 (11)平成21年9月2日、国保中央会と専用請求書について確認。 (12)平成21年9月6日、全国支部医療対策担当者連絡会。一ヶ所 「この制度を採用することによって、一ヶ所でも分娩取扱中止施設を出しては ならない」を基本として意見交換される。その結果、制度の採用は可能な施設から、 可能な範囲内で開始することとされた。そして今後融資条件の良い金融機関等を 夫々の支部でも探すこととし閉会した。 (13)平成21年9月7日、厚労省保険局と猶予期間について交渉。 (14)平成21年9月8日、国会議員と面談。 分娩費用のあり方について意見交換。現金給付堅持の援護を依頼。 (15)平成21年9月9日、厚労省保険局と猶予期間について交渉するも、保険者 からの条件(制度不採用医療機関の公表) は、容認できず交渉中断となる。 (16)平成21年9月9日、記者懇談会で、出産育児一時金直接支払制度に対する 対応を説明。 (17)平成21年9月11日、厚労省保険局長、医政局長、医政局総務課長と面会。 出産育児一時金直接支払制度に対する医会の姿勢を説明し、理解を求める。現在 の分娩費用設定には、自治体病院の経営を度外視した低い分娩費用も大きく影響 していることを示し、改善指導も要望した。 (18)平成21年9月15日、福祉医療機構に出向き再度条件緩和等交渉。 (19)平成21年9月16日、厚労省保険局担当課長と電話による打ち合わせ。福 祉医療機構への対応を依頼。 さて、ここで出産育児一時金等の医療機関等への直接支払制度に関する他団体 等の動きを時系列的に列記します。 *平成21年9月15日、全国保険医団体連合会(住江憲勇会長)が厚労省に緊 急是正要望書を提出。 *平成21年9月17日、国会法第74条により、小池晃日本共産党政策委員長 が参議院議長に質問主意書を提出。 *平成21年9月26日~29日、足立信也参議院議員(政務官)、長妻厚労大 臣等が出産育児一時金等の医療機関等への直接支払制度について現場の声を参 考にしながら協議。 *平成21年9月29日、長妻厚労大臣記者会見で出産育児一時金直接支払制度 の6ヶ月猶予を表明。 *平成21年10月1日、鳩山総理大臣から小池晃議員への答弁書発出。 その内容は以下の通リです。 5

(12)

・医療機関等の資金繰りに支障を来すことのないよう独立行政法人福祉医療 機構において低利融資を実施しているところである。 ・診療報酬の場合には申請から支払いまでに2ヶ月を要するところを、出産 育児一時金の場合には、異常分娩の場合を除き 1 ヶ月に短縮することとし ている。 ・10月から実施困難な医療機関等においては、その旨を窓口に掲示するこ と等の措置を講じた上で、6ヶ月間、制度の適用を猶予する。 ・福祉医療機構では21営業日で資金の交付が行われているので、「運転資金 融資」としての役割を果たし得ないとは考えていない。 ・医療機関等での資金面での負担の軽減については、引き続き検討してまい りたい。 ・産科医療補償制度の掛金の徴収は1ヶ月延期しているのでご指摘の対応を 行う必要は無い。 ・出産後に被保険者の資格の喪失が明らかになった場合であっても,診療報 酬の支払い同様に支払われる。 ・保険料の滞納による出産育児一時金の支払い差し止めは、行わないことと しているので、出産育児一時金と国保滞納保険料との相殺が行われること はない。 (20)平成21年9月30日、保険局長からの猶予に関する通知を全国支部長、分 娩取扱機関に「医会の取扱い方針」として文書で示す。(医会報とはがき) (21)平成21年10月1日、産科医療補償制度における掛金支払の延期。(産医補 償第66-2号) 産科医療補償制度の掛金は、保険者から機構への直接支払、又は審査支払機関 からの直接支払を要望してきましたが、実現しておりません。しかし今回の入金 遅延を考慮し、特例措置として、希望する分娩機関についてのみ、1 か月間延期 とすることが決定され通知されました。 (22) 平成21年10月8日、福祉医療機構が当会の要望に応えて融資条件を変更。 (23)平成21年10月9日、日本産婦人科医会医療対策部よりの事務連絡を医会 MLに発信。 (24)平成21年10月16日、「出産育児一時金等の医療機関等への直接支払制 度について」という「妊婦の皆様へのお知らせ(案)」を全国支部医療医対策担 当者に発信。 (25)平成21年10月20日、社会保険診療報酬支払基金担当者と、出産育児一 時金等の過誤調整に係る同意書の取扱いについて協議。 (26)平成21年10月24日、社会保障制度における妊娠・出産のあり方検討会 開催。 (27)平成21年10月26日、「出産育児一時金等の過誤調整に係る同意書の取 扱いについて」と「出産育児一時金の過誤調整に関する同意書(修正版)」を全国 支部支部長、医療対策担当者宛に発信。 (28)平成21年11月9日、「直接支払制度の対応について(お願い)」と≪「出 6

(13)

産育児一時金等の過誤調整に係る同意書の取扱いについて」の通知について≫を 全国支部支部長、医療対策担当者宛に発信。そして医会ホームページに掲載。 Ⅲ 「出産育児一時金等の医療機関等への直接支払制度」運用の留意点 さて今我々に知らされている制度の運用にあたっての留意点を示します。 ① 保険証の確認を怠らない。退院時に同日日付で最終確認を行った証拠を残せれ ば理想的です。これは保険証の確認を怠った故の過誤調整を避けるために必要 な項目です。なお、「出産育児一時金等の過誤調整に係る同意書の取扱いにつ いて」という連絡が来ておりますが、これは過誤調整が必要になった時、国保 連や支払基金が、保険者に代わって調整事務作業を行ってよいかどうかの同意 を求めているものです。法的裏付けがないためのものです。 ② 合意文書の作成(2通:コピー、複写可、妊婦への手交は退院時に)。 従来どおりの償還払い(従来どおり被保険者が分娩後に保険者に対し一時金を 請求する方法)の時でも、被保険者から保険者に対して一時金を請求する場合 は、 ・「直接支払制度を利用していない」旨の合意文書 ・「直接支払制度を利用していない」旨を記載した領収明細書 が必ず必要となりますので(二重払い防止目的)、対応をお願いいたします。 ③ 分娩費の内訳を記した領収明細書を退院時に交付する。実施要綱では、妊婦さ んに発行する領収明細書も専用請求書と同じ明細項目を求めておりますが、当 会の基本的な姿勢は領収明細書の様式は既存のもので良いとしています。ただ、 書式の検討をされる機会がありましたら、医会発行「医療保険必携」198頁 に示しております領収書のモデル案の項目にしていただきたいと考えておりま す。また自費診療のみの場合には、手数料や文書料も社会通念内であれば請求 可能です。 ④ 専用請求書の作成と支払機関への提出。 1ヶ月余分をまとめて10日までに提出。正常分娩は全て国保連へ。社保の異常 分娩は支払基金へ。正常分娩の場合に提出する国保連では、専用請求書のチェッ クは計算間違いの有無だけです。異常分娩の場合は専用請求書に記載されている 「一部負担等」の金額とレセプトとの突合が行われます。従って保険診療上、査 定等があれば過誤調整の対象となります。又約二ヶ月後の入金時には、入金の細 目が報告されますので、患者確認ができます。 Ⅳ 「出産育児一時金等の医療機関等への直接支払制度」の問題点 さて新制度開始にあたって我々が問題点として上げている事項は、 ① 事務手続きが煩雑であること。 2009年に入ってから、産科医療補償制度、妊婦健診公費負担制度、そし てこの出産育児一時金等の医療機関等への直接支払制度と膨大な事務系負担も 課せられています。 ② 二ヶ月間の入金遅延があること等です。 7

(14)

8 二ヶ月間の入金遅延は、我々医療機関に多大な経営圧迫を与えることが明ら かです。 Ⅴ 見解 以上のことから、我々は猶予期間中である今、新制度がすべての医療機関で実施で きるとは考えないし、勧奨もしません。制度移行による資金繰り困難で、医業廃止機 関が発生することは、周産期医療崩壊を防止する観点から絶対に避けなければなりま せん。すなわち実施できる医療機関から実施できる範囲内でと考えております。徐々 に実施率を高めてくださるよう要望いたします。 さて、我々が危惧いたしますことは、現場での妊婦さんとのトラブルです。この制 度は法律ではなく、妊婦さんにとって任意であり、医療機関にとっては入金遅延等か らスタッフ雇用等に影響がでる制度であることを医会発行のポスター等を提示し、医 療保険者による出産費用の貸付制度等を紹介しつつ、ご理解とご了解をいただけるよ うな配慮が必要と考えます。 さて我々は、10月1日に既に開始された「出産育児一時金等の医療機関等への直 接支払制度」は妊婦さんにとって有益な制度の一つと認識しております。しかし医会 会員にとって痛みを伴う制度であることも認識しております。そこで今後は以下の項 目等に対して要望を続けて行きます。 1)事務手続きの簡略化。 2)入金遅延の解消。 等 Ⅵ おわりに 現在平成22年度末までの暫定措置であるこの制度に対して、制度廃止や延期そし て法律(憲法)違反等様々な意見が出されていることはご承知の通りです。そして我々 の姿勢が、運用上の不具合を改善し、妊婦さんの利便性を図ることにあるのは前述の 通りです。 今我々が注意しなければならないことは、この制度運用によって得られた情報等の 平成23年4月からの次制度への影響についてです。すなわち最も大切なことは、平 成23年4月以降の制度を良いものにするという努力が今必要ということです。医会 本部も「社会保障制度における妊娠・出産給付のあり方検討会」を立ち上げ情報収集 から始めました。しかしこのような問題は一部会員だけでなく、診療所医師も勤務医 師も全ての医会会員が次世代の産婦人科医のためにも考えるべき問題です。しかも今 年中に医会の方針を策定し、提言すべきだと考えます。 会員各位に於かれましても、夫々の支部で支部長先生や医療対策担当者様と十分に ご検討ください。我々も問題点を共有させていただき、広く受益者として妊産婦を含 む全ての国民にも、さらに我々医療提供者にも納得のいく良い方向へ進めて行きたい と考えております。 以上

参照

関連したドキュメント

少子化と独立行政法人化という二つのうね りが,今,大学に大きな変革を迫ってきてい

健学科の基礎を築いた。医療短大部の4年制 大学への昇格は文部省の方針により,医学部

 神経内科の臨床医として10年以上あちこちの病院を まわり,次もどこか関連病院に赴任することになるだろ

医師の臨床研修については、医療法等の一部を改正する法律(平成 12 年法律第 141 号。以下 「改正法」という。 )による医師法(昭和 23

 医薬品医療機器等法(以下「法」という。)第 14 条第1項に規定する医薬品

(問5-3)検体検査管理加算に係る機能評価係数Ⅰは検体検査を実施していない月も医療機関別係数に合算することができる か。

独立行政法人福祉医療機構助成事業の「学生による家庭育児支援・地域ネットワークモデ ル事業」として、

いしかわ医療的 ケア 児支援 センターで たいせつにしていること.