公 企 業 左 ど の 湾 営 に 関 す る 法 律 上 の 諸 問 題
喜 多 川 篤 典 ・ 松 岡 誠 之 崩 ・ 塩 入 婿 哲
‑10‑
概 要
との課題のもとでの研究目的は,都市K$~ける公的な企業活動(公営.私 営を問わ念い)と,市民の経済生活との関係を法的左側面から考察しようと するものである。したがって,その目的範囲はきわめて広汎なものであるが.
最初に,近年ととに問題とされている生鮮食料品の流通機情を当面の研究対 象として取上げてみるとととした。とれは.生産者から市場を経て消費者に いたる生鮮食料品の流通過程の全般
K
わたって種々の問題を包含していると とはいうまでも念L、。ただ.その法的観点からの研究として,われわれは,公営造物たる都市の卸売市場 1'($• ける取引を中心とした法的規制のあ b 方K 問題の焦点を絞ろうとしたものである。そζでまず.との問題についての資 料・文献の蒐集につとめ.また,東京都中央卸売市場の見学などを行なって 来たが.現在その成果を整理し,ある程度取りまとめるととが可能念段階に いたった。今回の報告に
b
いては.共同研究者の一員である塩入滑哲が研究 の一部としてまとめた「市場の問題点に関する資料」を掲げることとした。われわれとしては, とのよう念研究を今後も継続し.積上げて行くととを予 定して
b ! : I .
将来の展開を期している。卸売市場K関する問題点 序
都市の発展膨張,都市化の進展が急速念現今,都会Kは多種多様念問題が 山積されている。その内で,勤労所得者がひしめく都会にあって.消費者の 家計の安定を会びやかすのは.生鮮食品の暴騰や一般的物価高であろう。と の問題は都市に特有の現象では念いにしても,豊か~<らしの先ず第ーに考
えねば念ら念いととは事実である。叉.卸売市場の開設整備の計画的推進は,
拡大する都市
K
於ては必至の課題であb
急がれねば念ら念いものであ丸そ のための画→句営業取締につき全国的に市場を規制する法制度の確立が検討 課題にのぼっている。そとで,市場と流通の現状は如何に念っているか,を探り何処
K
問題点が‑1 1 ‑
あるのかを検討し,現在審議されている卸売市場法案がもたらす,改善の方 向を探って見た。勿論同法案が成立すれば,東京都中央卸売市場業務規程,
同施行細則も文改廃されねば走ら左〈在るが,新しL、規程及び同施行細則に 近代的流通の確立にふさわしい内容を如何にして盛るかが急務である。
ζ ζに中央卸売市場審議会,地方卸売市場制度協議会が,農林大臣宛の 答申『卸売市場制度改正の方向』と.経済企画庁,物価安定政策会議総合部 会の提案『野菜の価格安定対策について(案)』及び市場見学等K基いて問 題点を検討して見た。
〔注〕
以後前二者を次の様に簡略する。
{前二者の前者=農林省案
‑11ー後者=経企庁安定会議案
念i;>, とれらの案は今後の卸売市場制度改正の根幹をなすものであるから,
各改革案の眼目を資料として後掲して
b
いた。市場と流通の現状 (ll中央卸売市場と流通
生鮮食料品の需要と供給が会合する場としての中央市場は.本来両者を出 来うる限り広範囲に会合させて,平均化作用による需要供給の安定均衡を図 るものです。そとでは生産者.消費者双方の満足する公正妥当な価格の形成,
適種適量の品揃え,能率的在荷さばきを行う事が要求され,そうした物的流 通と商取引を集中的かつ能率的K行う場としての備
E
を担っている。中央卸 売市場は開設者(東京都).卸売人,仲買人(新法案では仲卸人),売買参 加入.が物的流通と商取引に参加し,青果市場(神田)では小売人がとれに 加わる。ではその各々は,需給の安定均衡に対して,何如~る機能を営んで いるものであろうか。経企庁安定会議案は,卸売人の機能につき.次の如〈述べている。中央卸売市場K於ける卸売人に対しては.法的規制が.立体的
K
需要調整の機能を営む余地を与えていなL、。との限b
で,中央卸売市場K
於ける価格形成比安定的である主制。保証を欠いている。従ってよb 積極
‑1 2‑
的に生産・消費のいずれかないし.その両者の組織化・計画化を助け,白か らも責任をもって需要調整の機能を担会うとする主体が形成されねば念らず.
その主体には三種考えられるが,そのーっとして卸売人については,先ず各 種の課されている規制を緩和し,ぜり売りの機能を卸売業者から分離して別 の機関がとれを担当し,とれK公的念性格を付与する方法を提言する。との 場合には, 「効率的念競争を行える程度
K
多数である必要がある。」とれが ためには当面必要念課題として,卸売人の買付,相対取引,転送,市場外物 品の卸売りを行いうる余地を拡大すべきであり.せP
売b
は卸売人から分離 し当面共同せり機関の設置,せり人の特殊化の実施をすべきである。そして 相対取引価格とせb
価格を区別して,その日のうちに公開する。農林省案もほぼ同一見解に立ち.卸売市場法案では←定の範囲で卸売人の (I) (2)
それらの行為を認めている。基本的に卸売人に対する見解は.従来よ
D
の私 企業体として専門的念知識経験を有し継続的念集荷販売行為を遂行するに足 る十分左信用基礎を有する事が必要であるとされ,その企業体が.市場の需(3)
給を調整する程大きいζとを明確にしている。
そして.今後の改善の問題点としての競争原理の導入,施設使用料の入札 制.営業許可の短期更新.取引方法と営業活動の自由化等に対しては必しも
(4) (5) 積極的とは云え念いのである。ただ基本的な卸売人の見解Kついて,「厳格 公正念取引ルールの規制」の内容は,その中
K
何が盛られるかによって,問 題を残すととは云うまでも左L、。先ず,卸売市場法案との関係,独禁法制と の関係がさし当って検討されねば念ら念いであろう。仲買人については経企庁安定会議案ではほとんどふれてい念い。と云うよ りはほぼ卸売人と同一に論じてしまっている。しかし卸売人とは異念る機能 を果しているととは多言を要し念いであろう。仲買人の現状は一般的に取扱 規模が零細で,資力信用,経営能力も十分とは云え念い。農林省案では,ま ず仲買人の統合大型化の必要.市場流通近代化の方向に即した小売商のポラ ンタリー・チェーンの中核と走るとと,等を提唱する。が,仲買人不要論,
‑1 3 ‑
.
仲買人自由化論等の主張批判
j
についてはその改善を認めつつも否定的念立場 をとる。 ζれは改善の方向に於いて,よb
消費者に近づけた方向で解決するととが望ましいのであり,小売商の仕入部門の担当者あるいは小売商のポラ ンタリー・チェーンの中核と云った位置づけに営業活動の変改を提唱してい
(6)
る。市場での第一次的在価格形成に参加するのは,念んと云っても受託者で ある卸売人と買手である仲買人であるから. (但し小売商が参加出来る神田
市場等に於ては小売商も市場第一次価格形成に参加する事K~ るが)仲買人
に対する開設者の立入検査,行政処分につき法令上の根拠を明確
K
するとと を必要としている。勿論仲買人の必置を一律K
規定するととは,市場どと.取扱品どとによってその必吾妻性を異にするとしてはいるが.さ
b
とて小売商 の全面的参加については.中央卸売市場の運営の円滑化を阻害するものとし て.否定するものであるが.仲買人の取扱規模K匹敵する程の大型小売店,チェーンストア,共同仕入機構等の参加については積極句である。ただとう した仲買人以外の者の登場は.仲買人の現在行っている買付以上の買占めに よる暴利を充分警戒せねば念ら左いととは云うまでも念〈,法的規制の問題 を検討せねば走ら念いであろう。
取引方法については,経企庁安定会議案と農林省案とはほぼ同一見解に立 っている。即ち委託による集荷とせ
b
取引による販売を基本とし,経企庁安 定会議案では,卸売人.仲買人に市場K: I > ‑
ける平均化作用による需給の安定 均衡の調整作用の点から観て卸売人に課されている法的規制の緩和を唱え.農林省案では,出荷者の側の事情(『取扱品目の拡大,商品の規格性.貯蔵 性の増大.出荷者部皆に於けるコストの明確化等に伴い集荷面では無条件委 託の方式による集荷が困難に念って来て主ゆ』)と.せり売方式自体の欠陥
( 7 )
からの観点から.現在卸売人に課されている法的規制の緩和を唱えるもので ある。いづれにしろ,近代的取引又は近代的流通に則した方向に向わねば念 ら念い事は当然であ
b
,法的規制も当然それに則さねば念らず.ととに近代 的流通とは何である向の確たるグイジョンの下に規制,行政指導が念されね‑1 4 ‑
ば念ら念いととは多言を要し念いであろう。農林省案では,具体的にせり売 制度について検討を加えている。その要旨は次の様念ものである。(イ),塩千 品.冷凍品.練製品.輸入品等については.広範囲に買付による集荷,樹す による販売の方式を認める。叉とれらに類似した生鮮食料品(規格性,貯蔵 性があって.需給の予測の立ち易いもの)についても同様とする。(ロ),せ
b
取引の公正明朗化を期すために共同せJ !
.せb
人の向上,開設者への登録.せり機械の導入(『導入に当り取引習慣,皮盟速度,コンビ且ーターとの接 (8.) 続関係,売場スペース等を十分考慮の上機械の方式を決定するべきである』
としている。が,とれらの各事項は開設整備の問題としても論じられて居丸 狭陸化した市場を大井埠頭地区に移転して解決する予定がある場合,早急に 解決せねばなら念いであろう。特に取引習慣がある念らば,近代的流通
K
必 要残存すべきものは何かの選択は,当面明確にさせねば念ら念い事である。)K
より高速・簡易・標準化を図る必要がある。付,指値制度は限定され易い から出荷者の希望価格をせり に反映させる方法を検討すべきである。(斗.貿 付品のせり売b
は,無命1.Jll艮K認めた場合.卸売人の財務の不健全化を招き,叉過度の需給操作が行われる辛子それがあるから許容要件を明らかにする。相 対売りについても,許容要件を明確にする。(札見本取引を積極的に導入す る必要があり.銘柄取引の導入も検討する必要あタとし.(サ.転送の合理的 交曜の問題では.地方市場の整備左いし大型化と中央卸売市場での仲買人の 統合大型化,数量限度の設定・仕切及び決済の公平・等転送ルールの確立が 必要である。(凡決済原則の確立につき,中央卸売市場の方式を高〈評価し,
今後は加工食品等については延取引を導入すべきであるとし,今後とも決済 の能率化のため共同計算センターの設置,寅受人の支払保証制度を検討すべ
きであるとする。
総じて.前述の知〈.卸売人,仲買人.売買参加入.小売人等の営業につ き改善の方向を現在の制度の基本の枠内で,逐次緩和するととも検討すべき であるとしている。とれら四者が.直接都民の生鮮食料品の価格形成.流通
『
15 ‑
に影響を与えるととにかんがみ更に深〈各分野どとに検討を加えるべきとと が必要であろう。
〔注〕
(1)卸売市場法案第三十四条,第三十五条.第三十六条第三十七条 第三十八条,第三十九条第四十一条,第四十三条 第四十四条
現在では卸売人に対する受託拒否の禁止,入荷品の昂日上場,全量販 売,卸売人聞の取引の禁止等あり。
中央卸売市場審議会
(2) 農林大臣宛答申『卸売市場制度改正の方向』地方卸売市場制度協議会 第十九頁『それぞれ専門的念知識経験を有し継続的念集荷販売行為を 遂行するに足る十分念信用基礎を有する企業体』を卸売人の 基本的捉え方とする。
(3) 前掲二十頁 (4) 前掲十九頁 (5) 前注(2)
(6) 前掲二十五頁2.(1X2), (7) 前掲注{1)
(8) 前掲二十八頁
(2) 消費者と流通
流通に於いて問題になるのは.前述の中央卸売市場と生産者と消費者とで あ
b
,行政は各様に各面を観ている。そとで市場価格,流通に於いては,顧 客の最終点でしかも大量に存在する消費者から,直接・間接に影響を受ける(!)
ととは事実であろう。消費者の側からすれば,農政K於ける生産者対策と.
仲買人に於ける無用の中間欄鶏的観点K立つ無用論とに批判が浴せられるで あろうが,ととに消費者の市場を経由し念い流通ルートが問題に在る。産地 直結取引がそれである。経企庁安定会議案では次の様に評価している。『流 通経路の短縮,流通経費の節減の菌で積極的在意義を認めるととには問題が
‑1 6‑
(2)
ある。』として農林省案とほぼ同じ見解
K
立つが,『計画化,組織化された 需要を背景として.出荷を計画化,組織化し,生産から消費K至る金過程の システム化を試みる萌芽としては,高〈評価すべきであろう。とれはまた以(3)
上で述べた新しい流通機構のあり方とも一致する。』とれに対し,農林省案 では,『生鮮食料品流通のトータノレ・コストの低減のための新らた念方途の 開拓に資し,かつ.今後の卸売市場の改善合理化に対するインセンテイブ効
(4)
果をもつものとして評価できるものがあろう。』としつつも,一般化すると とは難しし当面生鮮食料品流通近代化の主力となるととは困難であるとす る。現在各所の団地で,生協方式によって行われているととは事実であるが.
とうした流通ノレートに対する都の法的規制・行政指導は今の所何も念いので あるが.一体とれは如伺にあるべき念のであろうか。今後の問題点でもある。
〔注〕
(1) 消費者の多様化が進行し,又.核家族化の進行と共K,家庭内の貯蔵 スペースが小規模で購売行動は計画性に乏しい。則ち当日買いの傾向 で.需要の安定性K影響を与える。一次的には小売商に影響を与える。
(2) 農林省中央卸売市場審議会「卸売市場制度改正の方向
J
1 7頁
(3)同前掲
1 7頁(4)
同前掲
7頁ー
17‑
資 料 1 農 林 省 案
発卸売市場制度改正のねらい 争時
付 商 品 特 性 と 卸 売 市 場 の 鞠
E
わが国の生鮮食料品の流通.と
Oc
青果物,水産物の流通は一般に,卸売 市場を経由して行われている。生鮮食料品については,①産地が全国に分布し.多数の農林漁業者がその 生産に従事して
b
b,また, f乍況出回わりが自然的要因によって大きく左右 され易いζと.②買手の主力は多数の零細念小売商であ! J .
消費者の購買慣 行もあって,日々の仕入販売を要するとと,③本来,規格性.貯蔵性に乏し し品目がきわめて多岐にわたるうえ,最近になける消費の高度化と消費パ ターンの均イは伴いますます豊富念品揃えが必要と左っているとと,④ζれらの諸要因が重なhあって,品目毎の日hの需給事情は流動9であるとと 等の特殊性がある。したがって生産者,消費者双方の満足する公正妥当な価 格の形成,適種適量の商品の品揃え.能率的念荷さばき等を行念うためには,
多種大量の現物をーカ所に集積い仕入れに集まった多数の買手との間で物 的流通と商取引を集中的かつ能率的に行なう卸売市場の存在が必要と念ると 考えられる。
念ま...食肉については.@夜扱品目が少左〈品揃えの必要が薄いとと,② 生産に季節性が左〈地域性も乏しいとと.③屠殺解体処理を経てはじめて商 品化されるとと,
G
沸絡の標準化が進み,また,冷凍冷蔵技術の発達に伴い輸送b
よび貯蔵が容易と左っているとと.⑤農協,食肉加工企業等と消費地 小売店を結ぶチェーン取引の形成が進んでいるとと等の事情があるため食肉 卸売市場の流通上の地位,機能は.青果物.水産物の卸売市場のそれとは相 当異っている。しかし.食肉卸売市場は.①大消費地域K i ; ‑
いては集荷販売 ルートとしての重要性に加えて公開的念場に公いて標準的念建値形成が行わ れるものであb
との機能は今後とも高〈評価されるべきものと考えられるほ か.告滞G
通機構の来整備念地方都市にむいては地場需要の安定的充足の場とn o
−
しての役割を果たすものとして評価すべきであろう。
白卸売市場をめぐる生鮮食料品流通の与件の変化と見通し
卸売市場をめぐる生鮮食料品の生産,消費.物的流通等の諸条件は.とと 数年.次のように大きく変動しつつある。
1 .
消費の多様化と平準化国民消費生活の高度化
t c
伴い.生鮮食料品消費についても高級化と多 様化の傾向が著しし卸売市場会よび小売店t c : i > ‑
いては,一信豊富念品 揃えが要求されている。とうした消費構造の変化は,局部的念ものでは念〈.地域会よび所得階層をζえて急速に進展しつつある。
2 .
産地の大型化と出荷の計画化青果物公よび畜産物については専門大型産地の比重の増大と計画出荷 体制の整備が進展しつつあ
J ' J
,一方,水産物については冷凍技術の進歩 と貯蔵能力の増大等に伴って出荷調整機能が拡大してきている。とれを背景K需給予測
j
の進歩.生産出荷コストの明確化.大型出荷者 の価格交渉力の増大等に伴って,白からの出荷調整等によb
安定した価 格形成を実現できる条件を卸売市場に希望する声が遂次あらわれつつある。
3 .
商品の規格化と包装の標準化商品の規格化,荷造りの標準化,包装資材の改良等が急速に進展しつ つあ
b
,とのζとと加工貯蔵技術の向上とが相まって.商品特性上も取 扱上も.生鮮食料品と加工食品との区分境界が逐次不明確と念りつつあ る。4 .
小売業の変革生鮮食料品の小売店は,他の業種と比べてもと〈に零細規模で数も多 いが.消費動向の変革.スーパーマークタト会よびチェーンストアの進 出,大企業の食品流通部門への組織的参入,労働力需給構造の変化等K 伴い,既存イ噴店の聞にも大型化,チェーン化,総合店化等による経営
‑19‑
合理化の気運が盛り上りつつある。
5 .
輸送単位の大理化と自動車輸送の増加卸売市場では,全国の産地から大口貨物を搬入し,とれを域内小売店 に多種小口貨物の詰合せとして分荷搬出する集配体系がとられているが.
専門大型産地の成長,モータリゼーションの進展,道路網の整備等によ り,搬入面になける輸送単位の大型化,自動車輸送の比重の増大とその 長距離化・高速化が進展するとともに搬出面での自動車利用の全面化
と車輔台数の増加が顕著と念っている。
6 .
労働力需給構造の変化国民経済の高度成長に伴って.労働力の需給事情は,全産業を通じて ますます逼迫しつつある。と
Oc
,生鮮食料品の流通部門t
亡診いては.その労務内容の特殊性もあって,急激念賃銀水準の上昇,若年労働力の 確保と熟練労働力の定着化の困難性が深刻化する趨勢にあるが,今後の 流通活動の多様化と量的念増大傾向に対応して,金流通過程を通ずる物 的流通技術の革新,情報処理のシステム化等労働効率化の要請は一層高 まりつつある。
ヱ
都市形成の進展と過密化人口の都市への集中.モータリゼーションの進展等に伴って.全国の
主要都市は一様に膨張を続けて ;S,•̲!:). とれらの都市の多〈で交通渋滞等 の過密化現象が進行し.物的流通機能の低下が顕著と在っている。 ζ
う
した都市化と過密化の進展に対処して.生鮮食料品の流通施設の立地,
配置,構造等は都市政策上からも重要念問題となってきている。
また,首都圏.近畿圏等にないては,大都市周辺部のドーナツ状人口 分布に対応する住宅団地の開発,道路網の整備等に伴い,行政区域にζ
だわら念い広域的念経済生活圏の形成が進みつつあり,卸売市場を含む 各種の流通施設について.機能の近代化と適正配置の要請が増大してい る。
『
20‑
同大型卸売市場の優位性と市場外総量の可能性
(1¥ 生鮮食料品流通をめぐる諸条件の変化に伴って.生鮮食料品の流通パ ターンは,地域自給型流通から全国的大量流通へと移行してきて
b
!:>.1また,出荷団体bよび小売商も信用力と物資の消化力があり,品揃えも 豊富左大型卸売市場を選好する傾向を強めてきている。
ζうした諸情勢を背景K,①情報 bよび物資の集積による需給バラン スと価格水準の安定.@浮寝荷・販売面での規模の利益と能率的念物的流 通の実現による取引コストの低減等の見地から大型卸売市場の優位性は 急速に高ま
b
つつある。との場合f ' C
:Jo≫いて.①市場の管理運営に当たっ ては,公開的左運営,能率的念集分荷,公正妥当な価格形成.適正念仕 切決済等を基本とする統→切Jレールの設定とその遵守を図る必要があ るζと,②市場の膨大左交通発生量,市民生活との密接な関係等にかん がみて.その立地と施設のあり方は都市形成のあるべき姿とも十分整合 する必要があるとと,③大規模念市場の開設には,克直の適地への立地,十分念用地規模の確保,近代的左施設の総合的念整備が必要と念るので,
最近の地価の高
l l t .
施設費の増大等を考慮すると.民間企業体の採算に 乗り難いとと等の見地から, ζのような大型卸売市場の多〈は.中央卸 売市場もしくは公設による大型の地方告|暁市場の形態をとるととと念ろう。
(2) 生鮮食料品流通をめぐる諸条件の変化に対応して.一部に市場を経由 し念い流通ルートの可能性が論議され,その実験的念試みや萌芽も各所 でみられるととろである。
とのような動きには,生鮮食料品流通のトータルコストの低減のため の新た念方途の開拓に資し,かつ,今後の卸売市場の改善合理化に対す るインセンテイブ効果をもつものとして評価できるものがあろう。しか し.市場を経由し左い流通ルートは,特定の大型産地と都市の大口需要 者等との聞での高度の規格性と貯蔵性をもち.継続的供給が可能念特定
‑21 ‑
の商品についてはある程度成立しうるとしても. ζれを一世化するとと は,①多種物品の継続的かつ豊富念品揃え. ([耀地,消費地双方に納得 のいく価格の形成,③販売代金の回収.産地への送金の迅速確実念反哩,
⑤
j
涜店への配送の能率的交盟等の諸点を総合的に勘案すると難し〈,企業採算上も問題があるので.当面生鮮食料品流通近代化の主力と左る ととは困難であると考えられる。
(3) とのようにして,飼噴市場は.今後も生鮮食料品の集配の拠点として.
多数の生産者I'(対しては安定的な販路と左!J.多数の小売商に対しては 安定した仕入先を提供する樹
E
を果たすべきものと考えられるが,前述 したよう念卸売市場をめぐる流通の与件の変化に対応し,その制度のあ り方について基本的な改善が求められてきている。(同卸売市場制度改正のねらい
卸売市場をめぐる生鮮食料品施直の与件の変化とその見通しに即し.卸売 市場制度のあり方を改正しようとする場合,そのねらいとするととるは,会 会よそ次の三点と考えられる。
1 .
中央卸売市場,地方卸売市場を通ずる市場流通の組織化
包沸市化の進展,②消費の高度化と消費パターンの均一化,R*量全 国型流通への移行,佐清働力不足の激化等が急速に進行する過程で,経 済社会の発展と調和を保ち念がら,活発にして能率的な生鮮食料品の流 通活動を展開するためには,長期の展望と経済圏どとの流通実態に即し.
中央卸売市場と地方卸売市場をそれぞれの機能に応じて適正に配置する とともに,その施設bよび商業機巨の近代化.大型化を計画的に推進し.
全国令念視点に立って効率的念生鮮食料品流通網の形成を図る必要が増 大している。とのため.中央卸売市場,地方卸売市場を通ずる市場流通 の組織化を進める見地に立って,卸売市場整備の長期の計画を策定する とともにその実現を組蜘快推進するための国会よび地方公共団体の 市場行政の整備拡充を図る必要がある。
‑22‑
2 .
中央卸売市場制肢の改正中央卸売市場が流通消費上の重要拠点に主砕ける集配機構として現実に 果たしつつある憐
E
等を考慮すると.今後もその制度の根幹はとれを踏 襲するととが適当と考えられるが.さきにみたよう左与件の変動に即し て中央卸売市場の適正かつ健全念開設運営を図っていくためKは,次のよう念改善を加える必要があろう。
第ーは,今後の都市形成の方向とつり合いのとれた市場の開設整備を 促進するζとである。首都圏等の巨大都市圏はもとよ
b
,その他の地域 にあっても,中央卸売市場の集散市場的機巨は一層高まb
,その流通聞 はさらに広域化する傾向にある。また,各都市 K~いて過密化現象の深爽批 K
対処するための市場立地の適正化についての要請も強まっている。とのため,中央卸売市場の配置と開設運営について.関係地方公共団体 聞の調和のとれた連繋,国の誘導勧告.開設整備の促進のための財政基 盤の強化等の措置が必要となっている。
第二は,中央卸売市場の運営原則を改善するととである。市場K$>け る取引ルールについては,商品形態の変化.生産出荷コストの明確化.
小売業の変革等に対応して,委託販売せ
b
取引の原則K付加して.能率 の向上と佃絡の乱高下の防止を主眼とする新た念集荷販売ルールが要求 されている。また.卸売人.仲買人.売買参加者等についても.企業規模の大型化.
営業活動の適正化・能率化等の見地から,規制
b
よび指導監督のあり方 を再検討する必要がある。第三は.市場流通t亡命ける物的流通技術の革新と情報化を進める ζと である。場内荷役の機械化,道路その他の関連公共施設を含めた市場の
レイアウトの合理化.近代的念諸設備の総合的配置等によって,能率的 念市場の物流体系を整備するほか.取引会よび情報皮躍の迅速適正化を 図るとともK全国の市場一産地を結ぶ情報ネットワークの形成K役立た
‑23 ‑
せるよう,市場 K;;1>~けるコンピュータの導入について配慮する必要があ
る。
3 .
地方卸売市場に関する統一的念法制の整備地方卸売市場は.生鮮食料品流通量の過半を取
b
扱い.地域流通の拠 点として重要念役割を果たしているが.地方卸売市場に関する制度とし ては,現在, 3 5道府県になL、て魚菜青果物水産物または食肉のいず れかに係る卸売市場条例が命l旋されているにすぎ左い実情Kある。しかし左がら.消費の高度化,多様化と消費パターンの均一化が進展 する中に抗、て.地方都市の消費者の倶jlからは.長
H
売市場が整備されて いる大都市住民と同水準の食生活を享受できるよう,地方卸売市場の集 荷力の増強と安定した価格形成が強〈求められるようになってbタ,ま
た一方,生鮮食料品の大量全国型流通への移行の中で,全国各地の卸売市場と取引をする ζ とと念る生産者の側からは,市場 Ki»ける能率的~
荷さばき.公正念価格形成と確実念決済信用の確保が強〈求められてい る。
とのように,全国の消費者.生産者双方から施設整備ならびに運営原 則の確立の見地K立って,地方在院市場に関する統一的な法制を整備す るζとが要請されてお・り,その具体化が急務と在っている。 ζの場合,
地方卸売市場が地域流通の拠点である点にかんがみ,国は,地方卸売市 場の開設,運営取引等に関する基本原則を法制化するものとし,地域の 実情K応じたきめの細かい制度の運用は.者噛府県にとれを担当せしめ
るととが適当であろう。
‑24 ‑
資 料 2 経 済 企 画 庁 物 価 安 定 政 策 会 議 案 1
.
卸売市場制度の改革
(1) 卸売市場の卸売人が需給調整機能を担う卸売業者として脱皮するζと を可能念らしめるため,彼らが買付,相対取引,転送,市場外物品の卸 売り等を行念いうる余地を拡大すべきである。
また,仲買人がその属する卸売市場の卸売人以外の者から質入れを行 念う場合についても,同様.その余地を拡大すべきである。
な
b
,せり売b
については,上述のよう念理由からその実施部門は卸 売人から分離させるζとが望ましL、ので,当面.共同せり機関の設置.せ
b
人の地位の特殊化左どを実施すべきである。また.今後,相対取引の拡大に伴い, ζれにより形成された価格は,
せり価格と区別してその日のうちに公開されるよう念措置が講ぜられる 必要がある。
(2)卸売市場を通ずる流通が,野菜流通の大宗を占める現状にてらし.当 面小売チェーン等の商品調達部門も,卸売市場からの仕入れに大きく依 存ぜざるを得ないものと思われる。しかし,現在とれらの商品調達部門 が買参入として参加する道は制限されている場合が多〈,との道が聞か れている場合でも.取引単位が小口であるため,とれら大口の買参入に とってスクールメリットを発揮しうる余地が少念い。かかる買参権の制 限を緩和し.取引単位を大型化して. ζれら商品調達部門がみずから需 給調整機能の担い手として発展しうる基盤を整備すべきである。
(3) 念念,現在国会で継続審議中の「卸売市場法案」は,一定の範箇内で,
卸売人については買付による集荷.相対取引.市場外物品の卸売丸転 送等を.まずこ仲買人についてはその所属する卸売市場の卸売人以外の者 からの買入れを認めるとともに,せり人の登録
f
悦買参入の承認制等Uて ついて規定している。そζで,同法案が成立し,施行する際には,との提案の趣旨K沿って
ー
25‑
できる限
b
弾力的にその運用を行念うべきである。2 .
生産者団体等の販売担当部門bよぴ小売チェーン,生協等の商品調 達部門の育成等(1) 生産者団体等の販売担当部門が主体的念需給調整機能の担い手として 機能するためには,市場流通のみに依存するとと念しみずから積極的 K需要を把握しとれに合わせて生産を計画化する努力が不可欠であるが.
政府もかれらによる正確な情報把握を助け.また生産,出荷の指導等を 一層強化すべきである。
(2)小売チェーに生協等の商品調達部門の育成を図るため,
1
の(2)の措 置とあわせて,小売商の組織化のための指導を強化するとともに, ζれ らが行~う長期安定価格による取引に伴い発生するリスクの負担を平準化するための税制上の措置について検討すべきである。
(3) ζれら両部門が効鞠悦需給調整を行なえるよう.集配送のための施 設の設置等
K
対しては,融資.税制上の優遇等の助成措置を講ずべきである。
(4) 卸売業者についても小売チェーン等の商品調達部門に準じた措置を講 ずべきである。
3 .
流通機構改革のための環境条件の整備等札上による需給調整機能の担い手の育成を助け.かつ.とれらによる 需給調整が円滑に行念われるための環境条件を整備する観点から,生産,
流通,消費の各部皆にわたり.次のよう念対策を積穣的ltL進めるべきで ある。
(1) 野菜の規格化.検査制度の確立を図
9 .
銘柄取引や見本取引の導入を 推進すべきである。(2) 野菜の商品特性を可能な限り改善して行くため,冷凍食品等新しい加 工形態の普及会よびその流通機構の整備について適切な指導会よび助成
を行左うべきである。
‑26‑
( 3 )
各幌市場等主要を流通拠点 K:J>~いて,低温流通のための施設等新しい機能K対応した施設の設置を強力に進めるべきである。
(4) 野菜供給の組織的計画化を図るためには,その前提として生産の安定 化が基本的
K
重要であるので,野菜指定産地制度の拡充.施設園芸生産 の増強.畑地かんがい施設の整備等を強力に推進すべきである。(5) 生産,出荷の組織化.計画化を進め,価格の安定を図るためのやむを え念い措置として,翌年の作付保証を条件K,野菜全体の値絡の安定上 戦略的
K
重要と思われる特定の品自について産地廃棄制度の具体化を図 るべきである。(6) 消費者の購買行動の合理化は,現時点では極めて困難であるが.小売 劇場の競争条件を整備し.その近代化,合理化を進める上で重要念役割 を果すものと考えられるので,とれらの点について消費者の正しい認識 を喚起するよう,消費者教育の充実を図るべきである。との場合.新設 される国民生活センターや各都道府県の消費生活センタ一等を積穣的K 活用すべきであろう。
(7) (6)による消費者教育の充実とあわせて,消費者がみずから購買行動の 合理化のために消費生協等を通じて行念う活動に対し積径的K便宜を供 与すべきである。
(8) 需給調整が効率的