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平成 16 年(2004 年)新潟県中越地震における被災市町村の災害対応

Responses of Damaged Municipalities by the Mid Niigata Prefecture Earthquake in 2004

黒田洋司((財)消防科学総合センター) 廣井脩(東京大学大学院情報学環) 1.災害の概要 平成 16 年(2004 年)10 月 23 日(土)17 時 56 分頃、新潟県中越地方を震源とするマグニ チュード 6.8(暫定値)、最大震度7(川口町)の地震が発生した。地震活動は、その後、 同日 18 時 11 分、18 時 34 分、19 時 45 分、そして 10 月 27 日(水)10 時 40 分に、最大震 度6弱又は6強を観測する地震が連続するなど、活発な余震活動を伴った。新潟県中越地 震である。 これら一連の地震は、積雪寒冷という特質を持つ内陸山間部を中心に大きな被害をもた らし、都市型災害と異なる様相を含む震災となり、後に「中山間地地震」と呼ばれること になった。すなわち、これらの地震によって地すべり、がけ崩れなどの土砂災害が多発し、 河道閉塞や道路の寸断が引き起こされ、散在する集落の孤立といった事態が各所で起きた。 そして河道閉塞は、住宅等の水没を招いた他、土石流等二次災害の危険性を増大させた。 また、冬季前の発災であり、雪による土砂災害や住家被害の危険も長期に及んだ。 内閣府の資料によれば、この地震による被害は、平成 17 年3月 18 日9時現在、人的被 害が死者 46 名、重傷者 627 名、軽傷者 4,174 名、住家被害が全壊 2,827 棟、半壊 12,746 棟、一部破損 101,509 棟、建物火災9件となっており、10年前の阪神・淡路大震災以来 最大の被害になってしまった。また、避難指示は6市町村で 1,024 世帯 3,231 名に、避難 勧告は 21 市町村(合併前時点)で 18,723 世帯 61,663 名に出され、平成 17 年3月 18 日現 在でも継続しているところがある。この他、自主的に自宅以外の場所に避難した人も含め、 避難者は最も多い日で 10 万人を超えた。さらに、電力、ガス、水道、電話、道路、鉄道(新 幹線を含む)など社会基盤全般にわたってさまざまな被害が生じ、機能麻痺も甚大だった。 表1 新潟県中越地震における主な被害状況(平成 17 年3月 18 日9時現在) 項 目 被害状況 備 考 死者 46 名 全て新潟県 行方不明者 0 重傷者 627 名 内新潟県 626 名 人的被害 軽傷者 4,174 名 内新潟県 4,165 名 全壊 2,827 棟 全て新潟県 半壊 12,746 棟 全て新潟県 一部破損 101,509 棟 内新潟県 100,453 棟 住家被害 建物火災 9件 全て新潟県 市町村数 6 2市村継続中 避難指示 世帯数・人数 1,024 世帯・3,231 人 720 世帯 2,279 名継続中 市町村数 21 市町村(合併前時点) 9市町継続中 避難勧告 世帯数・人数 18,723 世帯・61,663 名 589 世帯 1,969 名継続中 最多避難者 10 月 26 日 103,178 名 34 市町村 (出典)平成 16 年(2004 年)新潟県中越地震について(第 54 報) 内閣府

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2.調査の目的と方法 本調査は、新潟県中越地震とそれに伴う一連の余震によって震度5弱以上を観測した 47 市町村(5県)(H17.3.1 現在)を対象に、被害発生状況、情報通信設備・施設の被災状況、 災害対応の状況等を把握するために実施したものである。なお、被災地域では市町村合併 が進められており、地震が発生した平成 16 年 10 月時点でみると、震度5弱以上の地震を 観測した市町村は 64 団体である。この 64 団体のうち、人口1万人未満が 38 団体(59.4%) を占める。また、高齢化率が高く、その大部分の 62 団体(96.9%)が 65 歳以上の人口比率で 全国平均(17.3%)を上回り、30%を超える市町村も 15 団体(23.4%)存在する。 表2 平成 16 年(2004 年)新潟県中越地震で震度5弱以上を観測した市町村一覧表 NO. 県 名 市町村名 (調査時) 合併前 市町村名 (地震時) 10 月 23 日 17 時 56 分 頃の地震 同日 18 時 11 分頃の 地震 同日 18 時 34 分 頃の地震 同日 19 時 45 分 頃の地震 10 月 27 日 10 時 40 分頃の 地震 人 口 65 歳以上 人口比率 (%) 1 新潟県 長岡市 − 震度6弱 震度5弱 震度5強 震度5強 193,414 18.2 2 新潟県 三条市 − 震度5弱 84,447 19.7 3 新潟県 柏崎市 − 震度5弱 震度5弱 88,418 22.0 4 新潟県 小千谷市 − 震度6強 震度6強 震度6弱 震度6弱 震度5強 41,641 23.6 5 新潟県 加茂市 − 震度5弱 33,085 22.9 6 新潟県 十日町市 − 震度6弱 震度6強 43,002 23.5 7 新潟県 見附市 − 震度5強 震度5弱 震度5弱 43,526 20.3 8 新潟県 燕市 − 震度5弱 震度5弱 43,480 18.2 9 新潟県 栃尾市 − 震度6弱 震度5弱 震度5弱 震度5強 24,704 27.4 10 新潟県 上越市 上越市 震度5弱 震度5強 震度5弱 134,751 19.4 安塚町 震度5強 震度6弱 震度5弱 3,733 33.8 浦川原村 震度5弱 震度5強 4,202 27.7 大島村 震度5弱 2,480 36.1 牧村 震度5弱 震度5強 2,991 35.9 柿崎町 震度5弱 震度5弱 12,116 25.6 (大潟町) − − 頸城村 震度5弱 震度5弱 9,538 20.0 吉川町 震度5弱 震度5弱 5,516 28.2 (中郷村) − − 板倉町 震度5弱 7,534 27.8 清里村 震度5弱 3,217 26.5 三和村 震度5弱 震度5強 6,284 25.2 (名立町) − − 11 新潟県 魚沼市 堀之内町 震度6弱 震度5弱 震度6弱 震度5弱 震度5強 9,653 25.5 小出町 震度5強 震度5強 震度5強 12,945 22.1 湯之谷村 震度5弱 震度5強 震度5強 6,655 21.3 広神村 震度6弱 震度5弱 震度6弱 震度6弱 9,116 25.7 守門村 震度6弱 震度5強 震度6弱 4,969 29.7 入広瀬村 震度6弱 震度6弱 震度6弱 2,048 35.7 12 新潟県 南魚沼市 六日町 震度5強 震度6弱 震度5強 29,295 21.6 大和町 震度5強 震度6弱 震度5弱 15,636 22.3 13 新潟県 弥彦村 − 震度5弱 8,535 19.7 14 新潟県 分水町 − 震度5弱 15,681 21.1 15 新潟県 吉田町 − 震度5弱 25,136 17.8 16 新潟県 巻町 − 震度5弱 29,486 20.4 17 新潟県 月潟村 − 震度5弱 3,831 22.2 18 新潟県 中之口村 − 震度5弱 6,483 21.4 19 新潟県 栄町 − 震度5弱 震度5弱 震度5弱 11,785 20.1 20 新潟県 中之島町 − 震度5強 震度5弱 震度5弱 震度5弱 12,804 19.9 21 新潟県 越路町 − 震度6弱 震度6弱 震度5強 震度5弱 震度5強 14,271 23.3 22 新潟県 三島町 − 震度6弱 震度5強 震度5強 7,618 27.7 23 新潟県 与板町 − 震度5強 震度5弱 震度5強 震度5弱 7,493 23.0 24 新潟県 和島村 − 震度5強 震度5弱 震度5強 震度5弱 4,954 25.2 25 新潟県 出雲崎町 − 震度5強 震度5弱 震度5強 震度5弱 5,814 33.8 26 新潟県 山古志村 − 震度6強 2,222 34.6 27 新潟県 川口町 − 震度7 震度6強 5,748 24.8 28 新潟県 塩沢町 − 震度5強 震度5強 20,561 24.9 29 新潟県 川西町 − 震度6弱 震度5弱 震度6弱 8,185 27.3 30 新潟県 津南町 − 震度5強 震度5弱 12,389 32.2 31 新潟県 中里村 − 震度6弱 震度6弱 6,422 29.4 32 新潟県 高柳町 − 震度5弱 震度5強 2,502 43.5 33 新潟県 小国町 − 震度6強 震度6弱 震度6強 震度5強 震度5強 7,389 31.6 34 新潟県 刈羽村 − 震度6弱 震度5弱 5,028 24.9 35 新潟県 西山町 − 震度5弱 震度5弱 震度5強 6,976 30.2 36 新潟県 松代町 − 震度5強 震度6弱 4,240 37.3 37 新潟県 松之山町 − 震度5強 震度5弱 3,184 42.1 38 福島県 只見町 − 震度5弱 震度5弱 5,557 34.9 39 福島県 西会津町 − 震度5弱 9,075 35.9 40 福島県 柳津町 − 震度5弱 4,669 32.3 41 群馬県 北橘村 − 震度5弱 震度5弱 10,301 20.0 42 群馬県 高崎市 − 震度5弱 239,904 16.8 43 群馬県 片品村 − 震度5弱 震度5弱 5,929 23.7 44 群馬県 昭和村 − 震度5弱 7,878 23.3 45 群馬県 沼田市 沼田市 震度5弱 46,339 20.8 白沢村 震度5弱 3,665 20.2 (利根村) − − 46 埼玉県 久喜市 震度5弱 72,654 12.5 47 長野県 三水村 震度5弱 5,526 25.9 (注)1.長岡市に合併前の大潟町、中郷村、名立町及び沼田市に合併前の利根村は震度5弱以上を観測していない。 2.震度は『平成 16 年(2004 年)新潟県中越地震について(第 54 報)』平成 17 年3月 18 日 18 時 00 分現在 内閣府 による。 3.人口、65 歳以上人口比率は平成 12 年国勢調査による。

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本調査の調査方法、調査時期、回答状況及び主な調査項目は、次のとおりである。 [調査方法] 該当する 47 市町村の防災主管課に対して郵送によるアンケートを実施した。 [調査時期] 平成 17 年(2004 年)3月 [回答状況] 有効回答数:31 団体(66.0%) [主な調査項目] 表3のとおり。 表3 主な調査項目 大 項 目 小 項 目 最大震度 人的被害 住家被害 被害概況 その他の被害(集落の孤立等) 県防災行政無線 市町村防災行政無線(同報系) 情報通信設備・施設の被災状況 市町村防災行政無線(移動系) 市町村本庁舎の被害と代替施設での執務 災害対策本部の状況 職員の参集状況 応援受け入れの状況 被害情報の収集 震度が確認されなかった市町村の状況 避難所の開設 避難勧告・指示 広報活動(臨時広報紙、ホームページ) 報道機関への対応 住家被災者への支援 関係各機関の対応への評価 災害対応の状況等 災害対応の教訓

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3.調査結果 (1)回答市町村の基本属性 本調査に対して回答のあった市町村の人口は、「1万人以上5万人未満」13 団体(41.9%)、 「1万人未満」11 団体(35.5%)など、小規模市町村が多かった。また面積は、「25km2以上 50km2未満」が9団体(29.0%)で最も多かったが、「200km以上」も6団体(19.4%)あり、大 小散らばっていた。 消防体制は、複数の市町村で組織する「組合消防体制」が 21 団体(67.7%)で多くを占め、 「単独消防体制」は4団体(12.9%)であった。住民による自主的な防災組織である自主防災 組織の組織率については、「0(自主防災組織なし)」が 11 団体(35.5%)で最も多く、次い で、「10%以上 50%未満」が7団体(22.6%)、「10%未満」が5団体(16.1%)などとなっている。 表4 人口規模 団体数 1万人未満 1万人以上 5万人未満 5万人以上 10 万人未満 10 万人以上 30 万人未満 30 万人以上 無回答 31 (100.0) 11 (35.5) 13 (41.9) 1 (3.2) 3 (9.7) - (-) 3 (9.7) 表5 面積規模 団体数 25km2未満 25km2以上 50km2未満 50km2以上 100km2未満 100km2以上 200km2未満 200km2以上 無回答 31 (100.0) - (-) 9 (29.0) 6 (19.4) 7 (22.6) 6 (19.4) 3 (9.7) 表6 消防体制 団体数 単独組合体制 組合消防体制 他消防本部への 委託消防体制 非常備消防体制 無回答 31 (100.0) 4 (12.9) 21 (67.7) 2 (6.5) 1 (3.2) 3 (9.7) 表7 自主防災組織組織率 団体数 0(自主防災 組織なし) 10%未満 10%以上 50%未満 50%以上 80%未満 80%以上 無回答 31 (100.0) 11 (35.5) 5 (16.1) 7 (22.6) 1 (3.2) 4 (12.9) 3 (9.7) ※組織率=自主防災組織が組織されている地域の世帯数÷管内世帯数 (2)被害概況 今回の一連の地震で観測された最大震度は、震度5弱が 13 団体(41.9%)、5強が4団体 (12.9%)、6弱が 10 団体(32.3%)、6強が4団体(12.9%)となっている。

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これらの市町村の被害概況は次のとおりであった。 ア 人的被害 死者・行方不明者が発生したのは 11 団体(35.5%)である。そのうち、「1-3 名」が7団体 (63.6%)で最も多かった。負傷者が発生した団体は 24 団体(77.4%)である。そのうち、「1-49 人」が 18 団体(75.0%)と最も多かった。 表8 死者・行方不明者の発生団体数 団体数 あり なし 無回答 31 (100.0) 11 (35.5) 17 (54.8) 3 (9.7) 表9 死者・行方不明者の人数別団体数 団体数 1-3 人 4-6 人 7-9 人 10 人以上 無回答 11 (100.0) 7 (63.6) 2 (18.2) 1 (9.1) 1 (9.1) - (-) 表 10 負傷者の発生団体数 団体数 あり なし 無回答 31 (100.0) 24 (77.4) 6 (19.4) 1 (3.2) 表 11 負傷者の人数別団体数 団体数 1-49 人 50-99 人 100 人以上 無回答 24 (100.0) 18 (75.0) 2 (8.3) 4 (16.7) - (-) イ 住家被害 次に、住家被害についてみると、「住宅の全壊」が発生したのは 15 団体(48.4%)、「半壊」 は 20 団体(64.5%)、「一部破損」は 27 団体(87.1%)となっている。 表 12 住家被害の発生団体数 団体数 あり なし 無回答 住家の全壊 31 (100.0) 15 (48.4) 13 (41.9) 3 (9.7) 住家の半壊 31 (100.0) 20 (64.5) 6 (19.4) 5 (16.1) 住家の一部破損 31 (100.) 27 (87.1) 3 (9.7) 1 (3.2) ウ その他の被害 その他の被害として、「集落の孤立」、「危険物等の漏洩」が起こったのは5団体(16.1%)

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で、火災は4団体(12.9%)で発生した。また、「風評による生産物や観光への影響被害」が 発生したと答えたのは6団体(19.4%)であった。その他、特筆すべき被害としては、「地盤(宅 地)の崩壊による住家被害が多かった」などがあがっている。 表13 その他の被害の発生団体数 団体数 あり なし 判断できない 無回答 集落の孤立 31 (100.0) 5 (16.1) 26 (83.9) -(-) 危険物等の漏洩 31 (100.0) 5 (16.1) 25 (80.6) 1 (3.2) 火災の発生 31 (100.0) 4 (12.9) 27 (87.1) -(-) 風評による生産物や観光への影響 被害 31 (100.0) 6 (19.4) 19 (61.3) 4 (12.9) 2 (6.5) (2)情報通信設備・施設の被災状況 次に、新潟県等の防災関係機関や住民への情報伝達手段として整備されている都道府県 防災行政無線等の被災状況は次のとおりである。 ア 都道府県防災行政無線 今回の一連の地震において、都道府県防災行政無線に何らかの障害が発生した団体は 10 団体(32.3%)である。その内容についてみると、「端末の損壊」があったと回答した団体が 2団体(6.5%)、停電による機能停止が起きたと回答した団体が8団体(25.8%)となっている。 停電による機能麻痺が生じた団体が多かったことが伺える。 その他の原因によって県防災行政無線の機能停止が起きたのは2団体(6.5%)であるが、 いずれも無線設備を置いていた施設に立ち入ることができなかったことが原因と回答して いる。 表 14 県防災行政無線端末等の被害 団体数 あり なし 無回答 端末の損壊 31 (100.0) 2 (6.5) 29 (93.5) - (-) 停 電 に よ る 機 能 停止 31 (100.0) 8 (25.8) 23 (74.2) - (-) そ の 他 の 原 因 に よる機能停止 31 (100.0) 2 (6.5) 24 (77.4) 5 (16.1) イ 市町村防災行政無線同報系(屋外拡声器) 市町村防災行政無線同報系(屋外拡声器)を整備していた団体は 16 団体(51.6%)である。 このうち、5団体(31.3%)で何らかの障害が発生している。その内容をみると、「親局の損 壊」が1団体(6.3%)、「停電による親局の機能停止」が2団体(12.5%)、「その他の原因によ る親局の機能停止」(親局を設置していた役場旧庁舎が全壊して立ち入ることができなかっ

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たため)が1団体(6.3%)、「屋外拡声子局の損壊」が2団体(12.5%)、「停電による屋外拡声 子局の機能停止」が2団体(12.5%)となっていた。 表 15 市町村防災行政無線同報系(屋外拡声器)の被害 団体数 あり なし 無回答 親局の損壊 16 (100.0) 1 (6.3) 15 (93.8) -(-) 停電による親局の機能 停止 16 (100.0) 2 (12.5) 14 (87.5) -(-) その他の原因による親 局の機能停止 16 (100.0) 1 (6.3) 13 (81.3) 2 (12.5) 屋外拡声子局の損壊 16 (100.0) 2 (12.5) 14 (87.5) -(-) 停電による屋外拡声子 局の機能停止 16 (100.0) 2 (12.5) 14 (87.5) -(-) その他の原因による屋 外拡声子局の機能停止 16 (100.0) -(-) 14 (87.5) 2 (12.5) ウ 市町村防災行政無線同報系(戸別受信機) 市町村防災行政無線同報系(戸別受信機)を整備していた団体は 11 団体(35.5%)である。 このうち、3団体(27.3%)で何らかの障害が発生していた。その内容をみると、「停電によ る親局の機能停止」が1団体(9.1%)、「停電による戸別受信機の機能停止」が2団体(18.2%) となっている。 表 16 市町村防災行政無線同報系(戸別受信機)の被害 団体数 あり なし 無回答 親局の損壊 11 (100.0) -(-) 11 (100.0) -(-) 停電による親局の機能 停止 11 (100.0) 1 (9.1) 10 (90.9) -(-) その他の原因による親 局の機能停止 11 (100.0) -(-) 10 (90.9) 1 (9.1) 戸別受信機の損壊 11 (100.0) -(-) 10 (90.9) 1 (9.1) 停電による戸別受信機 の機能停止 11 (100.0) 2 (18.2) 8 (72.7) 1 (9.1) その他の原因による戸 別受信機の機能停止 11 (100.0) -(-) 10 (90.9) 1 (9.1) エ 市町村防災行政無線(移動系) 市町村防災行政無線(移動系)を整備していた団体は 27 団体(87.1%)である。このうち、 4団体(14.8%)で何らかの障害が発生していた。その内容をみると、「親局の損壊」が1団

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体(3.7%)、「停電による親局の機能停止」が2団体(7.4%)、「その他の原因による親局の機 能停止」が2団体(7.4%)、「停電による移動機器の機能停止」が1団体(3.7%)となっている。 表 17 市町村防災行政無線(移動系)の被害 団体数 あり なし 無回答 親局の損壊 27 (100.0) 1 (3.7) 26 (96.3) -(-) 停電による親局の機能 停止 27 (100.0) 2 (7.4) 25 (92.6) -(-) その他の原因による親 局の機能停止 27 (100.0) 2 (7.4) 21 (77.8) 4 (14.8) 移動機器の損壊 27 (100.0) -(-) 27 (100.0) -(-) 停電による移動機器の 機能停止 27 (100.0) 1 (3.7) 26 (96.3) -(-) その他の原因による移 動機器の機能停止 27 (100.0) -(-) 23 (85.2) 4 (14.8) (3)災害対応の状況 今回の一連の地震における被災市町村における災害対応の状況は次のとおりである。 ア 本庁舎の被害と代替施設での執務 「市町村本庁舎の損壊」があったのは、調査対象市町村の約半数の 17 団体(54.8%)であ った。また、停電、断水、ガスの供給停止はそれぞれ 14 団体(45.2%)、8団体(25.8%)、7 団体(22.6%)であった。その結果、代替施設での執務を行ったのは、4団体(12.9%)であっ た。 表 18 市町村本庁舎の被害と代替施設での執務 団体数 あり なし 無回答 市町村本庁舎の損壊 31 (100.0) 17 (54.8) 14 (45.2) - (-) 市町村本庁舎の停電 31 (100.0) 14 (45.2) 17 (54.8) - (-) 市町村本庁舎の断水 31 (100.0) 8 (25.8) 23 (74.2) - (-) 市町村本庁舎のガスの 供給停止 31 (100.0) 7 (22.6) 24 (77.4) - (-) 代替施設での執務 31 (100.0) 4 (12.9) 26 (83.9) 1 (3.2)

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イ 災害対策本部の状況 ①設置の有無と基準 本調査の対象とした震度5弱以上を観測した 47 市町村の約9割に当たる 27 団体(87.1%) において、災害対策本部が設置された。その設置基準は、「あらかじめ地域防災計画に定め ていた震度基準に従って設置した」と「被害の発生状況を踏まえて設置した」がほぼ半数 ずつとなっている。なお、設置しなかった4団体にその理由を尋ねたところ、いずれも「被 害が大きくなかったから」と回答した。 表 19 災害対策本部設置の有無 団体数 設置した 設置しなかった 無回答 31 (100.0) 27 (87.1) 4 (12.9) - (-) 表 20 災害対策本部設置の基準 団体数 あらかじめ地域防災計 画に定めていた震度基 準に従って設置した 被 害 の 発 生 状 況 を 踏 ま え て 設置した 近 隣 の 市 町 村 が 設 置 し た の で設置した 県 の ア ド バ イ ス に 従 っ て 設 置した その他 無回答 27 (100.0) 14 (51.9) 13 (48.1) -(-) - (-) -(-) -(-) ②拠点スペースの状況 次に、災害対策本部を設置した団体に対して、情報の集約や関係機関との調整等を行う 場所として拠点スペースを設けたかどうか尋ねたところ、23 団体(85.2%)が設けたと回答し た。その場所は、「庁舎内の会議室」が 11 団体(47.8%)で最も多い。会議室以外には、庁舎 内のオープンスペースや通常の執務室に設置したという回答があった。また、庁舎を立ち 入り禁止としたため、一時的に屋外にテントを張ったところもあった。拠点スペースの広 さについては、7団体(30.4%)が手狭だったと回答している。 拠点スペースに備えた設備等としては「机・椅子」、「一般加入電話」、「テレビ」、「ホワ イトボード」、「暖房設備」が半数を超えている。そのほか、「衛星携帯電話」、「パソコン」、 「プリンター」、「防災行政無線」、「黒板」を備えた団体もあった。また、次の災害に備え て準備しておくべきだと回答したものとしては、「非常照明」、「非常用電源」、「アマチュア 無線送受信設備」、「インターネット環境を備えたパソコン」などがあげられた。 表 21 拠点スペース設置の有無 団体数 設けた 設けなかった 無回答 27 (100.0) 23 (85.2) 4 (14.8) -(-) 表 22 拠点スペースの場所 団体数 庁舎内の会議室 庁舎内の会議室以外の場所 庁舎外の施設 その他 無回答 23 (100.0) 11 (47.8) 7 (30.4) 3 (13.0) 1 (4.3) 1 (4.3)

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表 23 拠点スペース広さに関する意識 団体数 十分だった 手狭だった わからない 無回答 23 (100.0) 13 (56.5) 7 (30.4) -(-) 3 (13.0) 表 24 拠点スペースに備えた設備等 団体数 一般 加 入 電 話 FA X 机・椅子 ホワ イ ト ボ ード コピー機 器 テレビ ラジ オ 暖房 設備 その 他 無回 答 23 (100.0) 18 (78.3) 10 (43.5) 19 (82.6) 14 (60.9) 10 (43.5) 16 (69.6) 11 (47.8) 13 (56.5) 7 (30.4) 3 (13.0) ③災害対策本部会議の開催状況 災害対策本部(本部長、副本部長、本部員出席)を最初に開催した時期は、10 月 23 日中 が 23 団体(85.2%)と大部分を占めていた。10 月中の開催状況については、「1日に2回以上」 が 10 団体(37.0%)で最も多く、次いで「1日に1回」6団体(22.2%)などとなっている。 表 25 地震後最初に災害対策本部会議を開いた時期 団体数 10 月 23 日中 10 月 24 日午前中 10 月 24 日午後 10 月 25 日以降 不明 無回答 27 (100.0) 23 (85.2) 1 (3.7) 1 (3.7) - (-) 1 (3.7) 1 (3.7) 表 26 10 月中の災害対策本部会議の開催頻度 団体数 1日に2回以上 1日に1回 2日に1回 上記以外 不明 無回答 27 (100.0) 10 (37.0) 6 (22.2) 2 (7.4) 5 (18.5) 3 (11.1) 1 (3.7) ④関係機関との合同会議の状況 県、自衛隊、消防本部、警察などが一堂に会した合同会議は、7団体(25.9%)が「開催し た」と回答した。また、その頻度(10 月中)は、「1日に2回以上」、「1日に1回」がそれぞ れ2団体(28.6%)となっている。出席機関としては、県、自衛隊、消防本部、警察のほか、 「県の出先機関」、「ボランティアセンター」、「教育委員会」、「消防団」があげられた。 表 27 県、自衛隊、消防本部、警察、応援機関等が一堂に会した会議の開催状況 団体数 開催した 開催しなかった 無回答 27 (100.0) 7 (25.9) 19 (70.4) 1 (3.7)

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表 28 10 月中の合同会議の開催頻度 団体数 1日に2回以上 1日に1回 2日に1回 上記以外 不明 無回答 7 (100.0) 2 (28.6) 2 (28.6) 1 (14.3) 1 (14.3) - (-) 1 (14.3) ウ 職員の参集状況 今回の最初の地震は 10 月 23 日(土)の 17 時 56 分頃に発生した。 地震発生から1時間以内の職員の参集状況についてみると、「3∼5割が参集した」が 13 団体(41.9%)で最も多く、次いで「5∼8割」8団体(25.8%)となっていた。当日中につい てみると、「5∼8割が参集した」が 12 団体(38.7%)で最も多く、次いで「8割以上が参集 した」が 10 団体(32.3%)となっている。 表 29 職員参集状況 団体数 8 割 以 上 が 参 集 し た 5 ∼ 8 割 が 参 集 し た 3∼5割 が参集し た 参 集 し た の は 2 割 以 下 だった 不明 無回答 最初の地震 発生から1 時間以内 31 (100.0) 5 (16.1) 8 (25.8) 13 (41.9) 5 (16.1) - (-) -(-) 最初の地震 発生当日 (100.0) 31 10 (32.3) 12 (38.7) 5 (16.1) 4 (12.9) - (-) -(-) エ 応援受け入れの状況 次に、いろいろな団体、組織からの応援の受け入れ状況についてみると、「特に応援は受 けなかった」が 15 団体(48.4%)で半数程度を占めている。 一方、応援を受けた市町村をみると、1/4 程度が、「自衛隊」、「事前に協定を締結してい た他市区町村」、及び「(協定締結以外の)他市区町村」から応援を受けている。そのほか、 応援を受けた機関としては、「NPO法人」、「NHK」、「警備会社」、「郵便局」があげられ た。 また、応援の要請及び受け入れに当たっての教訓としては、次のような回答があった。 ・応援対応するための人的体制の整備 ・応援要請の手順がまちまちだった。県を通してほしいと言われた市町村、直接要請した 市町村など、色々だった。 ・被害が甚大であれば、自衛隊の要請を早くした方がよい。 表 30 応援受け入れの状況(複数回答) 団体数 他消防機 関(緊急 消防援助 隊等) 事 前 に 協 定 を 締 結 し て い た 他 市 区 町 村 左 記 以 外 の 他 市 区 町村 自衛隊 電力会社 通信事業者 ( N T T 等) その他 特 に 応 援 は 受 け な か った 31 (100.0) 4 (12.9) 8 (25.8) 8 (25.8) 9 (29.0) 4 (12.9) 5 (16.1) 4 (12.9) 15 (48.4)

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オ 被害情報の収集 今回の最初の地震は、土曜日の夕方(17:56 頃)起きた。そのため、被害情報の収集は夜間 にかけて行われ、その内容は、「現場に出動した職員からの報告」、「住民からの電話」、「消 防団員からの報告」などであった。そして、こうした被害情報の収集に、約半数―14 団体 (45.2%)―が、「困難があった」と回答している。具体的な困難としては、電話の不通、停 電による視界の悪さ、道路の不通、余震の危険性といった点があげられ、これらが複合し て被害情報の収集を困難なものにしたといえる。 なお、電話についてみると、一般電話は約4割(13 団体)、携帯電話は約半数(15 団体)が 「ほとんど使えなかった」と回答している。なお、災害時優先電話については、保有して いたと回答した 28 団体のうち、約半数(13 団体)が「有効だった」としている。 教訓としては以下の項目があがっている。 ・災害時優先電話(一般加入電話、携帯電話)が役立ったこと ・各地区に衛星携帯電話を設置すること ・市町村防災行政無線の出力を大きくすること ・市町村防災行政無線(移動系)の移動端末を増やすこと ・地域防災無線の使用方法を徹底させること 表 31 被害情報の収集方法(複数回答) 団体数 住 民 か ら の電話 現場に出動した職 員からの 報告 消防団員か らの報告 消 防 本 部か ら の 情 報入手 警 察 か ら の 情 報 入 手 都道府県や 国の出先機 関からの情 報入手 その他 31 (100.0) 23 (74.2) 28 (90.3) 22 (71.0) 18 (58.1) 16 (51.6) 6 (19.4) 5 (16.1) (注)「その他」の内容は、主に町内会・自治会長等地域住民組織の長を通じてというもの。 表 32 10 月 23 日夜間にかけての被害情報の収集 団体数 困難があった 困難はなかった 無回答 31 (100.0) 14 (45.2) 16 (51.6) 1 (3.2) (困難の具体的内容) ・停電と道路の寸断などにより目視による被害確認はほとんどできず、消防や住民からの情 報提供に頼らざるを得なかった。 ・道路、電気、電話がすべてやられ何もできなかった。 ・山間集落において、道路状況が把握できず、危険なためにパトロールができなかった。電 話も通じなく、一時、孤立が生じた。 ・道路や家屋など構造物の被害がほとんどわからなかった。 ・土砂災害の範囲が確実につかめない(規模が不明、道路の被災状況等)。 ・暗くて被害の状況が見えない。道路も照明がなく車の通行にこまった。 ・回線のパンク、停電 ・被災状況が確認できなかった。 ・目視による被害状況の把握が困難であったため、正確な情報の収集に時間を要した。 ・一般加入電話が通じない。 ・地震直後、停電となったため、避難所をはじめ、現況把握が混乱した。 ・暗かった。 ・停電で真暗な所に、余震が度々きて、被害情報の把握に時間を要した。 ・全域で停電となったため、現場確認が困難であった。

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表 33 被害情報入手に当たっての一般電話及び携帯電話の状況 団体数 問 題 な く 使えた や や 輻 輳 が生じた ほとんど使 えなかった 何 と も 言 えない 無回答 一般電話 31 (100.0) 6 (19.4) 11 (35.5) 13 (41.9) 1 (3.2) - (-) 携帯電話 31 (100.0) 2 (6.5) 13 (41.9) 15 (48.4) 1 (3.2) - (-) 表 34 災害時優先電話の有効性 団体数 有効だった 有効ではなかった 何とも言えない 無回答 28 (100.0) 13 (46.4) 1 (3.6) 14 (50.0) - (-) カ 震度が確認されていなかった市町村の状況 本震からおよそ3時間後の 10 月 23 日 21 時 30 分現在、調査対象市町村のうち、川口町 や山古志村などの 16 町村については、気象庁において震度が確認されていなかった。今回 の調査で、このうち、10 団体から回答があり、地震当日「このことを知っていた」という 団体は4団体であった。当日、外部機関から震度に関する問い合わせがあったと回答した のは1団体で、「不明」という回答が7団体であった。 キ 避難所の開設 避難所は 26 団体(83.9%)で開設された。開設期間の最長は約 60 日である。また、延べ避 難者数は約 46 万人であった。このうち、10 団体(38.5%)が、避難所としてあらかじめ指定 していた施設が地震によって被害を受けたり、余震によって被害を受ける可能性があるた めに予定通り開設できなかった、と回答した。なお、5団体(19.2%)が災害時要援護者専用 の避難所を開設した、と回答した。その場所は、特別養護老人ホーム、在宅介護支援セン ター、ケアハウスであった。 表 35 避難所開設の有無 団体数 開設した 開設しなかった 不明 無回答 31 (100.0) 26 (83.9) 5 (16.1) -(-) - (-) 表 36 予定通り開設できなかった避難所の有無 団体数 あった なかった 無回答 26 (100.0) 10 (38.5) 15 (57.7) 1 (3.8) 表 37 災害時要援護者専用避難所開設の有無 団体数 開設した 開設しなかった 不明 無回答 26 (100.0) 5 (19.2) 20 (76.9) 1 (3.8) - (-)

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ク 避難勧告・指示 今回の一連の地震における避難勧告・指示の発令状況をみると、これら両者を発令した のは5団体(16.1%)、他方、どれも発令しなかったのは 14 団体(45.2%)であった。避難勧告・ 指示のいずれか又は両方発令した団体にその伝達手段を尋ねたところ、「町内会・自治会、 自主防災組織を通じての戸別の伝達」が 11 団体(64.7%)で最も多く、次いで「広報車」が 8団体(47.1%)、「同報系防災行政無線(屋外拡声器)」が6団体(35.3%)、「消防職員や消防 団員を通じての戸別の伝達」が6団体(35.3%)などとなっている。 また、災害時要援護者に対しての避難誘導支援の状況について尋ねたところ、8団体 (47.1%)が行ったと回答した。これらの団体では、地域住民、消防団員、民生委員、職員に よる支援が行われた。一方、5団体(29.4%)が「対象者がいたが行えなかった」と回答した。 災害時要援護者への避難勧告・指示の伝達や避難誘導に当たっての問題点・課題として は、行政だけの対応には限界があること(地域住民の協力が必要であること)、安否の確認 に時間を要したこと、市外施設への受け入れに時間を要したことなどがあげられた。 表 38 避難勧告・指示の状況 団体数 避 難 勧 告 と 避 難 指 示 の 両 方 を 発 令 した 避難勧告のみ を発令した 避難指示のみを発令した いずれも発令しなかった 不明 無回答 31 (100.0) 5 (16.1) 10 (32.3) 2 (6.5) 14 (45.2) - (-) -(-) 表 39 住民への伝達手段(複数回答) 団体数 サイ レン・半鐘 広報 車 同報 系 防 災行政無線 ︵屋 外拡声器︶ 同報 系 防 災行政無線 ︵戸 別受信機︶ 有線放送 オフ トー ク通 信 ケーブルテレビ コミュニティFM 消防 職 員 や 消 防団員 を 通じ て の 戸別の伝達 町内 会 ・ 自治会、 自主防 災組 織を 通じて の 戸別 の伝 達 インタ ー ネ ッ ト ホ ーム ページ ︵ 携帯端末による ものを 含 む ︶ 専用の イ ン タ ーネット メー ルシ ステム ︵ 携帯端 末によるものを 含 む ︶ その 他 17 (100.0) (5.9) 1 (47.1) 8 (35.3) 6 (17.6) 3 (-) - (-) - (5.9) 1 (5.9) 1 (35.3) 6 (64.7) 11 (11.8) 2 (-) - (23.5) 4 (注)「その他」は主に「職員による伝達」である。 表 40 災害時要援護者に対しての避難誘導支援の状況 団体数 行った 対象者がいなかった ので行わなかった 対象者がいたが行えなかった 無回答 17 (100.0) 8 (47.1) 4 (23.5) 5 (29.4) - (-) ケ 広報活動 ①臨時の広報紙(チラシ・張り紙等を含む)の発行 地震後の広報活動としては、約半数―17 団体(54.8%)―が臨時の広報紙を発行した。この うち、13 団体(76.5%)が「地震発生から3日目以降」に発行している。また、発行・配布に

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当たって、他市区町村やボランティアから応援を受けた団体は2団体であった。一方、広 報紙を発行しなかった団体にその理由を尋ねたところ、「臨時の広報紙を発行する必要性が ないと判断した」が大部分―13 団体(92.9%)―であった。 表 41 臨時の広報紙(チラシ・張り紙等を含む)の発行状況 団体数 発行した 発行しなかった 無回答 31 (100.0) 17 (54.8) 14 (45.2) - (-) 表 42 広報紙の発行時期 団体数 地震発生の翌日 地震発生から2日目 地震発生から3日目以降 無回答 17 (100.0) 4 (23.5) -(-) 13 (76.5) -(-) 表 43 広報紙の発行・配布での応援の状況 団体数 他市区町村とボ ランティアの応 援を受けた 他市区町村から のみ応援を受け た ボランティアから のみ応援を受けた いずれも応援は受けなかった 無回答 17 (100.0) 1 (5.9) -(-) 1 (5.9) 15 (88.2) -(-) 表 44 広報紙を発行しなかった理由 団体数 臨時の広報紙を発行す る必要性がないと判断 した 発行のための要 員を確保できな かった 発 行 の た め の 資 機 材 を確保できなかった その他 無回答 14 (100.0) 13 (92.9) 1-(7.1) - (-) - (-) -(-) ②ホームページを通じての広報 23 団体(74.2%)がホームページを通じての広報を行っていた。このうち、13 団体(56.5%) が「地震発生から3日目以降」にホームページを使った広報を開始している。広報に当た って、他市区町村やボランティアから応援を受けた団体は1団体のみであった。ホームペ ージを通じての広報を行わなかった団体にその理由を尋ねたところ、「ホームページを通じ た広報の必要性はないと判断した」が大部分―7 団体(87.5%)―であった。 表 45 ホームページを通じた広報の実施状況 団体数 行った 行わなかった 無回答 31 (100.0) 23 (74.2) 8 (25.8) -(-) 表 46 ホームページを通じた広報の開始時期 団体数 災害発生当日 災害発生の翌日 災害発生から2日 目 災害発生から3日目以降 無回答 23 (100.0) 4 (17.4) 4 (17.4) 2 (8.7) 13 (56.5) -(-)

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表 47 ホームページを通じての広報での応援の状況 団体数 他 市 区 町 村 と ボ ラ ン テ ィ ア の 応 援を受けた 他市区町村から のみ応援を受け た ボランティアか らのみ応援を受 けた いずれも応援は 受けなかった 無回答 23 (100.0) 1 (4.3) -(-) -(-) 22 (95.7) -(-) 表 48 ホームページを通じた広報を行わなかった理由 団体数 ホームページを 通じた広報の必 要性はないと判 断した ノウハウを持つ要 員を確保できなか った 機器や回線を確保 できなかった その他 無回答 8 (100.0) 7 (87.5) 1-(12.5) -(-) - (-) -(-) ③報道機関への対応 報道機関に対する記者発表を行ったのは6団体(19.4%)であった。その方法は、「資料提 供」、「不定期の記者会見」、「時間を決めた記者会見」がそれぞれ同数の2団体である。記 者発表を行った人については、「広報担当―課長級―」が2団体で、「防災担当(課長級)」、 「市町村長」、「その他」(広報担当―係長級―)がそれぞれ1団体であった。記者発表に当 たっての教訓としては、「被災者のプライバシーに関わる内容の取材については個人情報の 保護が必要」という点があがっている。 なお、テレビ、ラジオ、新聞等の取材によって災害対応に支障が起こったことがあるか どうかを尋ねたところ、11 団体(35.5%)が「あった」と回答している。その具体的内容とし は以下の通りである。 ・電話での取材によって情報収集や発信に支障が生じたこと ・取材対応に多くの時間を要したこと。 ・記者の入れ替わりによって同じことを繰り返し説明する必要が生じたこと ・駐車場等のスペースを占有されたこと ・誤った報道によって市民からの問い合わせが殺到したこと また、特定の市町村に報道が偏り、自分の市町村の状況について報道がされにくいいわ ゆる「報道過疎」といった現象を感じたかという設問に対しては、8団体(25.8%)が「感じ た」と回答していた。 表 49 報道機関に対する記者発表の有無 団体数 行った 行わなかった 無回答 31 (100.0) 6 (19.4) 25-(80.6) -(-) 表 50 主な記者発表の方法 団体数 資料提供 不定期の記者会見 時間を決めた定期的な記者会見 無回答 6 (100.0) 2 (33.3) 2 (33.3) 2 (33.3) -(-)

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表 51 記者発表を主に行った人 団体数 防災担当 ︵係 長級 ︶ 防災担当 ︵ 課 長級 ︶ 防災担当 ︵ 部 長級 ︶ 広報担 当 ︵ 課 長級 ︶ 広報担 当 ︵ 部 長級 ︶ 助 役 又 は 収 入役 市町村長 その 他 無回 答 6 (100.0) - (-) 1 (16.7) -(-) 2 (33.3) -(-) -(-) 1 (16.7) 1 (16.7) 1 (16.7) (注)「その他」は「広報担当(係長級)」 表 52 取材によって生じた災害対応支障の有無 団体数 あった なかった わからない 無回答 31 (100.0) 11 (35.5) 14 (45.2) 6 (19.4) - (-) 表 53 「報道過疎」という現象についての意識 団体数 感じた 感じなかった どちらとも言えない 無回答 31 (100.0) 8 (25.8) 13 (41.9) 9 (29.0) 1 (3.2) コ 住家被災者への支援 住宅に被害を受けた人への支援内容についてみると、「災害救助法に基づく住宅の応急修 理」が 18 団体(58.1%)で最も多く、次いで「災害救助法に基づく応急仮設住宅の供与」が 12 団体(38.7%)、「公営住宅の提供」が7団体(22.6%)などとなっている。 また、被災者生活再建支援法は、26 団体(83.9%)で適用されている。なお、住家の被災者 に対して市町村単独の経済的支援を行ったと回答したのは 13 団体(41.9%)であり、その内 容は以下のようなものであった。 ・全国からの義援金を配分(4団体) ・半壊以上の被災住宅の解体費等の補助金 ・市被災者生活再建支援金 ・一部損壊以上の被害世帯に、一世帯あたり 2,000 円支給 ・半壊以上の世帯に町単独の支援金を支給 ・住宅補修支援、宅地補修支援、合併浄化槽修理補助、高齢者への見舞金 ・住宅災害見舞金 ・見舞金支給(全半壊住家) ・半壊以上の世帯に見舞金 5 万円 ・市災害見舞金 全壊 30 万円、半壊 15 万円 表 54 住家に被害を受けた人への支援内容(複数回答) 団体数 災 害 救 助 法 に 基 づ く 住 宅 の 応急修理 災害救助法 に基づく障 害物の除去 災害救助法に 基づく応急仮 設住宅の供与 公 営 住宅 の提供 民間賃貸住宅の借 り上げ、 提供 その他 31 (100.0) 18 (58.1) 6 (19.4) 12 (38.7) 7 (22.6) 3 (9.7) 5 (16.1)

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表 55 被災者生活再建支援法の適用 団体数 適用された 適用されなかった 無回答 31 (100.0) 26 (83.9) 5 (16.1) - (-) 表 56 住家被災者に対する市町村単独の経済的な支援 団体数 行った 行わなかった 無回答 31 (100.0) 13 (41.9) 18 (58.1) -(-) (4)各機関の対応に関する評価 次に、災害対応全般にわたり、被災市町村に対する関係機関の対応についてどのように 感じているかを尋ねた。 「満足」と答えたのは「自衛隊」が 14 団体(45.2%)で最も多く、次いで「応援市町村」 12 団体(38.7%)となっている。一方、「不満」は、「テレビ局」が6団体(19.4%)で最も多く、 次いで「国」と「携帯電話会社」が4団体(12.9%)となっている。 表 57 各機関の対応に関する評価 団体数 満足 おおむね 満足 やや不満 不満 どちらとも言えない 無回答 応 援 市 町 村 (100.0)31 12 (38.7) 7 (22.6) -(-) -(-) 10 (32.3) 2 (6.5) 県 31 (100.0) 4 (12.9) 19 (61.3) 3 (9.7) 1 (3.2) 3 (9.7) 1 (3.2) 自衛隊 31 (100.0) 14 (45.2) 6 (19.4) -(-) -(-) 8 (25.8) 3 (9.7) 国 31 (100.0) 4 (12.9) 9 (29.0) 6 (19.4) 4 (12.9) 6 (19.4) 2 (6.5) 電力会社 31 (100.0) 7 (22.6) 10 (32.3) 6 (19.4) 1 (3.2) 6 (19.4) 1 (3.2) 固 定 電 話 会社 (100.0)31 4 (12.9) 12 (38.7) 9 (29.0) 2 (6.5) 3 (9.7) 1 (3.2) 携 帯 電 話 会社 (100.0)31 5 (16.1) 8 (25.8) 8 (25.8) 4 (12.9) 5 (16.1) 1 (3.2) テレビ局 31 (100.0) 2 (6.5) 9 (29.0) 5 (16.1) 6 (19.4) 7 (22.6) 2 (6.5) ラジオ局 31 (100.0) 4 (12.9) 11 (35.5) 3 (9.7) 2 (6.5) 9 (29.0) 2 (6.5) 新聞社 31 (100.0) 2 (6.5) 11 (35.5) 5 (16.1) 3 (9.7) 8 (25.8) 2 (6.5) また、特に評価したい機関・団体をあげてもらったところ、以下のような回答を得た。 自衛隊や応援市町村をあげた団体が複数あった。 18 ・自衛隊・・・孤立集落からの住民救出、炊き出し、風呂の設置等全力をあげて取り組んで いただいた。 ・自衛隊 全村避難にあたり、その対応は非常に心強かった。 ・自衛隊:素早い対応で飲料水等の供給を行ってくれたため。 ・自衛隊:対応の素早さはバツグン。 ・支援を受けた友好都市、それ以外の市町村 ・災害時応援協定を締結している自治体の動きはすばやかった。また応援にあたっても、宿 泊、食事等において、すべて自前で確保して頂き、被災自治体の負担を少なくする配慮が あった。 ・日赤はじめ支援医療チーム ・自衛隊 ・長野県庁(新潟県の被災地に対して、支援物資を 提供してくれたことは、本当に感謝されている。) ・電力会社:停電の早期復旧 地元 FM ラジオ局:災害情報の発信 地域消防団:地域内の災 害対応、巡回等 ・NPO 新潟県災害救援機構(第 9 回防災まちづくり大賞消防庁長官賞受賞) 会員相互間で無 線機やメール、ポケベルを活用し、災害情報の収集、提供を行うとともに、被災地での救 援活動を行った。 ・消防団及び自主防災組織。本震発生時は夜間を通して状況把握・災害防除に努めてくれた。

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(5)災害対応の教訓 災害対応の教訓としては下のような項目があげられた。体制やマニュアルの整備、情報 収集・伝達のための手段や体制の整備などの観点からのものが多い。 (体制・マニュアル) ・地震は無いものと誰もが信じていた所に起きた。自然災害の恐ろしさをあらためて痛感さ せられた。普段から備える必要がある。この度の震災の教訓を生かして、阪神大震災とは 違った中山間地特有の地震対策マニュアルの整備をしていきたい。 ・幸いにも被害は軽度であったが防災体制の強化を痛感した。 ・初動体制の訓練が重要である。 ・防災計画も大事だが、職員がどう動くかというマニュアルも大切だと思った。 ・災害対応マニュアル的なものの策定。 ・多様な災害発生に対応できる対応づくり。 ・避難所は、指定した場所以外にも自然発生的にできることから、それらに対応できるよう な体制づくりが必要。 ・全国各地からの支援物資が多数送られてくるが夜間の時が多いのでその対応をどのように するか検討を要す。 ・今回の地震においては支援側であったが、被災地外からの人的、物的応援が有効であった ことから市町村間における災害時相互応援協定の締結の推進の必要性を強く感じている。 ・今回の震災で、対応や支援策等、様々な分野で、知識を得ましたので、今後、全国で同様 の災害が発生した場合は、力になれるものと思っています。この際には、まず被災地の負 担にならないことが絶対条件です。少ない職員で救助に追われる状況となりますので、応 援自治体に応対できることはまずありえません。 (情報収集・伝達) ・確実な通信手段の確保が必要。 ・孤立集落との連絡手段の確保。 ・全市を揺るがすような被害ではなかったものの情報収集の困難さと安否の確認の方法につ いて研究が必要。詳細な対応マニュアルも必要と考える。 ・住民への速やかな情報提供の必要性 ・住民への情報の伝達方法の確立 ・防災行政無線、一般電話、携帯電話などの通信機器がうまく機能しなかったため、初動期 の情報収集、発信が迅速にできなかった。的確な情報収集に基づく市民に対する迅速な情 報の伝達の必要性を痛感した。 ・収集した情報をいかにもれなく伝達するかがとても難しいと感じた。 (その他) ・7.13 水害を経験したので、その教訓を基にして対応出来たのではと思っている。(・災害対 策本部設置 ・被害状況調査 ・避難所対応) ・日頃から救援物資を備蓄し整備していくこと ・停電時の対応策の確立 ・被災判定は、被災後から調査に入ることから内閣府の示す基準により簡易な調査票を作成 しておく必要がある。 ・地域ごとのコミュニティの大切さ、人と人との和と地球のきずながいかに大切かを実感し た。 ・ガスのマイコンメーターを採用したので、ガス未普及地区において火災が1 件(2 棟)発生し たのみにとどまったことは幸いであった。

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4.調査結果から得られる市町村としての教訓と課題 最後に、以上の調査結果を踏まえ、主に市町村の立場から、今後の防災対策の教訓と課題 を以下の三つの観点から整理しておきたい。 ① 迅速・的確な初動活動 ② 的確な避難所開設・運営、避難誘導 ③ 的確な広報、報道機関対応 (1)迅速・的確な初動活動の促進 大地震が発生した直後、市町村は平常業務体制を離れ、全庁的な被害情報の収集、救助、 避難、応援要請等を行う地震災害対応体制に移行する。この移行が迅速・的確に行われな ければ、対応が後手後手になり、救うことのできる生命や財産を失うことにもつながりか ねない。阪神・淡路大震災は、こうした移行期(「初動活動期」)の重要性を痛切に認識さ せられた震災であった。吉井(2000)は、阪神・淡路大震災の初動体制を検証し、迅速・的 確な初動活動の条件として以下の五点を指摘している。 (吉井,2000) 阪神・淡路大震災では、多くの市町村がこれらの条件を満たすことができず初動活動に さまざまな問題が生じた。約10 年後に起きた新潟県中越地震ではどうだったのか。この枠 組みに沿って今回の調査結果を見ると、以下の教訓と課題が得られる。 [空間の確保] 教訓1 市町村本庁舎が被災したケースがあった。 →課題1 市町村庁舎の耐震化を進める必要がある。 市町村本庁舎については、回答のあった団体のうち、約半数(17 団体)が「損壊あり」と 回答した。そのため、代替施設での執務を余儀なくされたのも4団体あった。市町村本庁 舎は災害対応の拠点施設であり、その機能を維持できるよう庁舎の耐震化を進める必要が ある。 教訓2 代替施設で執務を行ったケースがあった。 →課題2 市町村本庁舎が使用できない事態を想定し、代替施設を選定しておく必要があ ① 空間の確保:初動活動を行うために必要な要員や資機材等を収容するための適切な空間(災 害対策本部室等)の確保 ② 情報通信システムの確保:被害情報を収集、分析し、他機関に応援を要請するための情報 通信システムの確保 ③ 専門要員確保と組織的活動:防災に関する専門的知識を持った要員を確保するとともに、 それらの要員を緊急事態に対応できるように組織化する。 ④ 適切な情報収集・伝達、意思決定:上記の資源を最大限に活用して、迅速かつ的確な情報 の収集と伝達を行うとともに、適切な意思決定を行う。 ⑤ 組織間調整:大災害に対応するには、多くの防災機関や地域組織、ボランティア団体等の 一致協力した活動が必要で、そのための組織間調整も重要

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る。 庁舎の耐震化を進める一方で、庁舎が被災して使用できない最悪の事態を想定し、代替 施設も選定しておく必要がある。 教訓3 市町村本庁舎が停電したケースがあった。 →課題3.1 非常用電源を確保しておく必要がある。 →課題3.2 移動電源車の派遣が速やかになされるよう、電力会社との協力体制を整え る必要がある。 回答のあった団体のうち、約半数(14 団体)で市町村本庁舎の停電があった。災害時の停 電は市町村にとって常に想定しておくべき事態のひとつであり、停電が起きても迅速・的 確に応急対応を遂行できるように、非常用電源を確保しておく必要がある。 また、電力会社からの移動電源車の派遣も電力確保のひとつの方法である。移動電源車 の派遣が速やかになされるように、電力会社との協力体制を整える必要がある。なお、広 域災害を想定すると、特定の市町村への移動電源車の派遣をあらかじめ電力会社が担保す ることは難しいと考えられるので、都道府県レベルでの調整を求めるべきである。 教訓4 拠点スペースが手狭だった団体があった。 →課題4 十分な広さと設備を持つ拠点スペースを整備しておく必要がある。 ※適切な拠点スペースのあり方については今後の重要な研究課題である。 情報の集約や関係機関との調整等を行うための拠点スペースを設けた団体が多かったが、 庁舎外の施設に設けた団体が3団体あった。拠点スペースの広さについては、7団体(拠 点スペース設置団体の3割)が手狭だったと回答している。情報の集約や関係機関の調整 等を的確に行えるよう、あらかじめ十分な広さを持つ拠点スペースを選定し、必要な設備 等を整備しておく必要がある。なお、必要な設備等として、パソコン、プリンター、イン ターネット環境を挙げた団体もあり、情報の収集、集約、発信の手段としてこれらの手段 を有効に活用できる環境を考慮する必要がある。 ところで、適切な拠点スペースのあり方(広さ、レイアウト、必要な設備等)について は具体的な研究が不足しており、国レベルで実践的な研究・提案が行われることが望まれ る。 [情報通信システムの確保] 教訓5 情報通信設備の設置場所が被災したケースがあった。 →課題5 設置スペースの耐震化を進めること、また、耐震化されたスペースに設備を置 くことが必要である。 新潟県の防災行政無線端末や市町村防災行政無線の親局を置いていた施設が被害を受け、 立ち入ることができなかった団体があった。こうした事態を想定すると、設置スペースの 耐震化を進めることが必要であり、また、耐震化が済むまでの間は十分な耐震性を有する 場所にこれらの設備を設置しておくことが必要である。

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教訓6 情報通信設備が地震によって損壊したケースがあった。 →課題6 情報通信設備が地震によって被害を受けないよう対策を講じておくことが必 要である。 地震によって県防災行政無線端末、市町村防災行政無線の親局、屋外拡声子局が損壊し た団体があった。また、ある団体では、自家発電機は正常に稼働したものの、地震の際に 親局のコンセントが抜けたため一時機能停止になってしまった。これらの施設は非常時の 活用を想定して整備されているものであり、地震動等によって機能麻痺が生じないよう、 設置場所や設置方法の工夫等を行っておく必要がある。 教訓7 停電によって情報通信設備が機能を停止するケースがあった。 →課題7 非常用電源等を備えることが必要である。 地震後の停電によって県防災行政無線端末、市町村防災行政無線の親局、屋外拡声子局、 戸別受信機が機能停止に陥った団体があった。停電を想定し、非常用電源の確保、乾電池 の点検・更新(戸別受信機)を行っておく必要がある。 教訓8 災害時優先電話の有効性が示された。 →課題8 災害時優先電話(固定・携帯)を備え、習熟しておく必要がある。 災害時優先電話については、保有していたと応えた 28 団体のうち、約半数(13 団体)が「有 効だった」としている。被害情報の入手に当たって、一般電話や携帯電話は4∼5割の団 体が「ほとんど使えなかった」と回答しており、災害時の情報収集・伝達手段のひとつと して、災害時優先電話(固定・携帯)を備え、有効に活用できるよう使い方に習熟してお く必要がある。 [専門要員確保と組織的活動] 教訓9 教訓として初動訓練やマニュアルの整備をあげる団体があった。 →課題9 震災の教訓を共有化し、初動活動マニュアルや訓練に生かしていく必要がある。 災害対応の教訓として、いくつかの団体は初動訓練の実施やマニュアルの整備をあげた。 職員の参集に関しては特に問題を指摘した団体はなかったが、参集後の対応については、 教訓とすべき点が多々あったものと推測される。今後、今回の震災の教訓を全国の市町村 が共有し、初動活動マニュアルや訓練に生かしていくことが望まれる。 [的確な情報収集・伝達、意思決定] 教訓 10 震度に基づく災害対策本部の設置が初動活動の迅速化につながったと推測された。 →課題 10 震度を災害対策本部の設置基準とすること 回答のあった 31 団体のうち、27 団体で災害対策本部が設置された。その根拠として「あ らかじめ地域防災計画に定めていた震度基準に従って設置した」とする団体が半数を占め た。「震度」という客観的基準に基づいて災害対策本部を設置すると事前に意思決定してお き、それを職員に周知徹底しておくことにより、発災時の意思決定が自動化され、かつ、 職員動員の伝達も不要になる(職員はラジオ等で自ら把握した「震度」に基づいて自動的 に参集することになる)。

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災害対策本部の設置基準として震度等の客観的基準を採り入れることについては、かね てから国レベルでの指導が行われ、阪神・淡路大震災を受けて、改めて「市町村地域防災 計画(震災対策編)検討委員会報告書」(消防庁震災対策指導室,1996)などで示されてい る。今回の地震は土曜日の夕刻に発生したが、この方式を採用していた市町村では、対応 の迅速化に寄与したものと推測される。「震度」を災害対策本部の設置基準としていない市 町村においては、この方式を導入すべきだと考えられる。 教訓 11 夜間・停電下(暗闇)での情報収集に大きな困難があった。 →課題 11 非常用照明設備の分散配備や地区単位での情報収集・伝達体制を構築するこ とが必要である。 今回の最初の地震は 10 月下旬の夕刻6時頃に発生した。夜間にかけての被害情報の収集 は、「現場に出動した職員からの報告」、「住民からの電話」、「消防団員からの報告」などに よって行われたが、こうした被害情報の収集に、約半数―14 団体(45.2%)―が「困難があっ た」と回答している。 困難の具体的内容のひとつとして、停電による視界の悪さがあげられた。道路の損壊の 状況、家屋の被害状況などが目視で確認しづらく、応急対応に支障を来した。早朝に発生 した阪神・淡路大震災とは異なる意味で、被害情報の収集の難しさが示された災害といえ る。市町村としては、暗闇の中でも可能な限り情報を収集できるよう、非常用照明設備の 分散配備や地区単位での情報収集・伝達体制の構築などに取り組んでいく必要がある。 教訓 12 孤立地区との間の情報収集・伝達に大きな困難があった。 →課題 12 孤立危険地区毎に、衛星携帯電話、市町村防災行政無線(移動系)等を整備 する必要がある。 今回の一連の地震は内陸山間部を中心に大きな被害をもたらしたが、その地勢的特性か ら、地すべり、がけ崩れなどの土砂災害が多発し、河道閉塞や道路の寸断が引き起こされ、 散在する集落の孤立といった事態が各所で起きた。加えて、電話の不通により通信面でも 孤立し、被害情報の収集に大きな困難をもたらした。こうした事態に備えて、孤立危険地 区毎に衛星携帯電話や市町村防災行政無線(移動系)等の通信手段を整備していく必要が ある。 [組織間調整] 教訓 13 他市区町村、自衛隊などから組織的な応援を受けた団体が多く、受け入れた団体 にとって有益だった。 →課題 13 できるだけ多くの機関・団体との間で応援協定の締結を促進すべきである。 (社)地方行財政調査会が(財)自治総合センターから委託を受けて実施した調査によ ると、今回の震災で、新潟県以外の都道府県、都市から延べ約 50,000 人日の人的支援が行 われたこと、災害応援協定を締結していた自治体間では迅速に支援が行われ、阪神・淡路 大震災の教訓が生かされていることなどが示されている((財)自治総合センター,2005)。 本調査で回答のあった団体の 1/4 程度は、事前に協定を締結していた他市区町村やその 他の市区町村、自衛隊などから応援を受け、多くがその応援に満足している。こうした応

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援活動が速やかに行われるためには、あらかじめ、できるだけ多くの機関・団体との間で 応援協定を締結しておくことが有効と考えられる。 教訓 14 受け入れ側の人的体制や応援要請手順等、応援の受け入れに課題があった。 →課題 14 応援の受け入れ体制を整備していく必要がある。 ※広域的な災害の場合の応援要請や受け入れの合理化について、国レベルで実践的な研 究・提案が行われることが望まれる。 応援の受け入れに当たって、受け入れ側の人的体制、応援要請手順等の課題が指摘され た。的確に応援を受け入れるため、あらかじめ応援の受け入れに関するマニュアルの策定、 図上訓練の実施等を行っていく必要がある。 なお、応援側にとっても、応援協定等のルールがない場合、支援の意思決定をどのよう に行うのか、必要な支援内容等の情報をどのように入手するのかといった課題が指摘され ている(八木,2005)。消防、警察、自衛隊などの分野では、阪神・淡路大震災以降、国レ ベルの調整によって全国的な応援体制が整備され、今回の震災でも貢献した(武居,重松,横 山,2005)(消防科学総合センター,2005)。 一方、避難所の運営、物資や食料の確保・運搬、広報活動等災害時に顕在化するさまざ まな活動については個々の自治体の対応に委ねられているのが現状である。特に広域的な 災害の場合、応援要請・受け入れの合理化という課題は今後も顕在化すると考えられ、国 レベルで実践的な研究・提案が行われることが望まれる。 以上、阪神・淡路大震災での教訓を基にして、迅速・的確な初動活動の促進という観点 から教訓をあげた。今回の震災は阪神・淡路大震災から 10 年近く経って発生したが、被災 地市町村では今なお積み残されているものが多かったといえる。しかし、災害対策本部を 震度基準に基づき速やかに立ち上げた団体が多かったことなど、阪神・淡路大震災の教訓 が生かされた面もある。 (2)的確な避難所開設・運営、避難誘導 回答のあった 31 団体のうち、避難所は 26 団体で開設された。開設期間の最長は約 60 日 である。また、延べ避難者数は約 46 万人である。避難勧告・指示については、いずれも発 令したのは5団体、いずれも発令しなかったのは 14 団体であった。避難所の開設・運営及 び避難誘導に関して、今回の調査から下記の教訓があげられる。 教訓 15 指定していた避難所が使えないケースがあった。 →課題 15 避難所の耐震化を進める必要がある。 10 団体で、指定していた避難所が地震によって被害を受けたり、余震によって被害を受 ける可能性があるために予定通り開設できなかった。避難所を安心して開設できるよう、 耐震化を進める必要がある。 教訓 16 災害時要援護者専用の避難所を開設した団体があった。 →課題 16 災害時要援護者専用の避難所を指定しておく必要がある。

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5団体が災害時要援護者専用の避難所を開設したと回答した。その場所は、特別養護老 人ホーム、在宅介護支援センター、ケアハウスであった。阪神・淡路大震災を受けて、災 害時要援護者に配慮し、「福祉避難所」の開設が災害救助法に規定されたが、それが活かさ れたといえる。災害時要援護者専用の避難所を指定していない市町村にとって、今後の課 題のひとつである。 教訓 17 行政による災害時要援護者の避難誘導支援に限界があることが指摘された。 →課題 17 地域ぐるみでの災害時要援護者の避難誘導体制を構築していく必要がある。 災害時要援護者に対しての避難誘導支援の状況について尋ねたところ、8団体が行った と回答した。これらの団体では、地域住民、消防団員、民生委員、職員による災害時要援 護者の支援が行われた。一方、5団体は「対象者がいたが行えなかった」と回答した。 災害時要援護者への避難勧告・指示の伝達や避難誘導に当たっての問題点・課題のひと つとして、行政だけの対応には限界があること(地域住民の協力が必要であること)があ げられた。大規模な災害では、支援の対象となる災害時要援護者の人数が多数にのぼり、 市町村だけに災害時要援護者の避難誘導支援を委ねることは現実的ではない。地域ぐるみ での避難誘導体制を整備していくことが望まれる。 (3)的確な広報と報道機関対応 多くの市町村が広報紙の発行、ホームページを通じた情報発信を行った。また、報道機 関から取材を受けたり、記者発表を行って情報を提供した。この点に関して、今回の調査 から下記の教訓が挙げられる。 教訓 18 広報紙の発行やホームページを通じた情報発信で他市区町村等の応援を得たケー スがあった。 →課題 18 災害時の広報活動について、他市区町村等の応援を組み込んだ体制を構築す ることが望まれる。 他市区町村からの応援を受けて、広報紙やホームページを通じた広報活動を展開した団 体があった。練馬区による川口町への支援報告書によると、災害時広報紙の発行に係る支 援活動に高い評価を得たとされている(練馬区,2005)。被災地市町村にとって、広報活動は 重要さを承知しつつも、他の業務との関係で要員を確保しにくい業務と考えられる。広報 活動は被災者の適切な行動を促すとともに、心理的安定を図る上で重要であり、市町村と しては、迅速・的確な広報活動を展開できるよう、他市区町村等からの応援も考慮した広 報体制を構築することが望まれる。 教訓 19 報道機関からの取材によって災害対応に支障があったと指摘する団体があった。 また、いわゆる「報道過疎」を感じた団体もあった。 →課題 19 報道機関対応のルールや体制を明確にしておく必要がある。 ※災害時の報道取材のあり方について、国レベルでの検討が必要である。 テレビ、ラジオ、新聞等の取材によって災害対応に支障が起こったことがあるかどうか を尋ねたところ、11 団体が「あった」と回答している。具体的には「電話での取材によっ

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て情報収集や発信に支障が生じた」、「取材対応に多くの時間を要した」、「駐車場等のスペ ースが占有された」などが指摘されている。 また、特定の市町村に報道が偏り、自分の市町村の状況について報道がされにくい、い わゆる「報道過疎」といった現象を感じたかという設問に対しては、8団体が「感じた」 と回答した。さらに、「被災者のプライバシーに関わる内容の取材については個人情報の保 護が必要」という教訓も指摘された。 関係機関の対応に関する評価についての設問で、「テレビ局」を「不満」と回答したのが 6団体で最も多かったが、それは上記のような点が要因となっていると考えられる。こう した報道機関対応の問題は、今回の震災が初めてではなく、阪神・淡路大震災などで従来 から指摘され続けてきたものであり(山中,2005)(中村(功),中村(信),中森,廣井,2004)、災害 対応において未だ残された課題のひとつと言える。市町村の立場からは、まず、報道機関 からの取材を受ける責任者を明確にしておくこと、記者発表の方法等をあらかじめ定めて おくことが求められる。一方、災害時の報道取材のあり方については、一市町村の問題で はなく、さまざまな災害を想定して国レベルで検討する必要がある。 表 58 調査結果から得られる市町村としての教訓と課題 教 訓 課 題 迅速・的確な初動活動の促進 [空間の確保] 1 市町村本庁舎が被災したケースがあった。 市町村庁舎の耐震化を進める必要がある。 2 代替施設で執務を行ったケースがあった。 市町村本庁舎が使用できない事態を想定し、代替施設を選定 しておく必要がある。 3 市町村本庁舎が停電したケースがあった。 非常用電源を確保しておく必要がある。 移動電源車の派遣が速やかになされるよう、電力会社との協 力体制を整える必要がある。 4 拠点スペースが手狭だったという団体があった。 十分な広さと設備を持つ拠点スペースを整備しておく必要 がある。 ※適切な拠点スペースのあり方については今後の重要な研 究課題である。 [情報通信システムの確保] 5 情報通信設備の設置場所が被災したケースがあ った。 設置スペースの耐震化を進めること、また、耐震化されたス ペースに設備を置くことが必要である。 6 情報通信設備が地震によって損壊したケースが あった。 情報通信設備が地震動によって被害を受けないよう対策を 講じておくことが必要である。 7 停電によって情報通信設備が機能を停止するケ ースがあった。 非常用電源等を備えることが必要である。 8 災害時優先電話の有効性が示された。 災害時優先電話(固定・携帯)を備え、習熟しておく必要が ある。 [専門要員確保と組織的活動] 9 教訓として初動訓練やマニュアルの整備を挙げ る団体があった。 震災の教訓を共有化し、初動活動マニュアルや訓練に生かし ていく必要がある。 [的確な情報収集・伝達、意思決定] 10 震度に基づく災害対策本部の設置が初動活動の 迅速化につながったと推測された。 震度を災害対策本部の設置基準とすること。 11 夜間・停電下(暗闇)での情報収集に大きな困難 があった。 非常用照明設備の分散配備や地区単位での情報収集・伝達体 制を構築することが必要である。 12 孤立地区との間の情報収集・伝達に大きな困難が あった。 孤立危険地域毎に、衛星携帯電話、市町村防災行政無線(移 動系)等を整備する必要がある。

表 23  拠点スペース広さに関する意識  団体数 十分だった 手狭だった わからない 無回答 23  (100.0)  13(56.5) 7(30.4) -(-) 3 (13.0)  表 24  拠点スペースに備えた設備等  団体数 一般 加 入 電話 FAX 机・椅子 ホワイトボード コピー機器 テレビ ラジオ 暖房設備 その他 無回答 23  (100.0)  18 (78.3)  10(43.5) 19 (82.6)  14(60.9) 10(43.5) 16(69.6) 11(47.8) 13 (
表 28  10 月中の合同会議の開催頻度  団体数  1日に2回以上  1日に1回  2日に1回  上記以外  不明  無回答  7  (100.0)  2 (28.6)  2(28.6) 1(14.3) 1(14.3) - (-)  1(14.3) ウ  職員の参集状況  今回の最初の地震は 10 月 23 日(土)の 17 時 56 分頃に発生した。  地震発生から1時間以内の職員の参集状況についてみると、 「3∼5割が参集した」が 13 団体(41.9%)で最も多く、次いで「5∼8割」8団体(25.
表 33  被害情報入手に当たっての一般電話及び携帯電話の状況  団体数  問 題 な く 使えた や や 輻 輳が生じた ほとんど使えなかった 何 と も 言えない 無回答  一般電話  31  (100.0)  6(19.4) 11(35.5) 13(41.9) 1 (3.2)  - (-)  携帯電話  31  (100.0)  2(6.5) 13(41.9) 15(48.4) 1 (3.2)  - (-)  表 34  災害時優先電話の有効性  団体数  有効だった  有効ではなかった  何とも言え
表 51  記者発表を主に行った人  団体数 防災担当 ︵係長級︶ 防災担当︵ 課長級︶ 防災担当︵部長級︶ 広報担当︵課長級︶ 広報担当︵部長級︶ 助役又は収入役 市町村長 その他 無回答 6  (100.0)  - (-)  1 (16.7)  -(-) 2(33.3) -(-) -(-) 1 (16.7)  1 (16.7)  1(16.7) (注) 「その他」は「広報担当(係長級)」  表 52  取材によって生じた災害対応支障の有無  団体数  あった  なかった  わからない  無回答  31
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