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調波平衡法によるリラクタンスモータの特性解析: University of the Ryukyus Repository

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(1)

Title

調波平衡法によるリラクタンスモータの特性解析

Author(s)

上里, 勝實; 平良, 健; 友利, 好克; 千住, 智信

Citation

琉球大学工学部紀要(43): 33-48

Issue Date

1992-03

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12000/5489

Rights

(2)

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Analysis of Characteristics of Reluctance Motor

by Harmonic .Balance Method

I\atsumi Uezato·

Yoshikatsu Tomori···

Takeshi Taira··

Tomonobu Senjyu·

Abstract

In general, the synchronous motor fed by PWM (Pulse Width

Mod-ulation) inverter supply has the problem: torque ripple, noise and

overheat because of harmonic current.

The harmonic balance method is useful to analyse the

respo~se

of

a system including harmonic component.

This paper applies this method to the reluctance motor and considers

the relation hetween harmonic current components and asynchronous

torque characteristics.

Key Words: Torque Ripple, Harmonic Balance

M~thod,

Reluctance

Motor

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(3)

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4

調波平衡法 によるリラクタンスモー タの特性解析 保守 も容易である。 この寵動機の速度制御 にも周波数 制御が用い られてお り.紡糸機の ように多数の砿動機 の精密 な可変速揃速運転 に用いる小容 最奄動 機 には, リラクタンスモータを同期電動機の代用 にす ることが 多い-.川 。 リラクタンスモー タはか ご形 誘導電動機 と して始動.加速する もので,誘導 トルクを利用 して同 期引入れをす る必要があるが,機器パ ラメー タの選定 によっては(8㌦ その非同期 トルク特性 に大 き.な トル クの陥没 を生 じる。いわゆる高調波非同期 トルク及び l判明トルク並 びにゲルゲス現象のため,同期 に引 き入 れ られない場合があ り電動椎の加熱.焼損の原因の一 つ とな り問題 となる。 この ような理由か ら,その非何 期特性 と調波成分の大 きさの関係 を明 らかに してお く ことは,機器の設計上,及び最適 なインバータ波形バ ター ンを決定する上か らも重要であると考 えるO これ まで誘導電動機 に対 しては調波平衡法 を適用 した研究 報告 :3:はあるが, リラクタンスモー タの調波成分 を明 らかに した報告 は筆者 らの知 る限 りないように思 われ る。 本論文は.前記の諸問題解決の足掛 りを得 るため, インバータ駆動時の リラクタンスモー タの特性解析 に 調波平衡法 を適用 し,非同期 トルク特性 に及ぼす機器 定数の影響 を計井機 シ ミュ レーションにより詳細 に調 べたQその結果, リラクタンスモー タの異常始動現象 を解析的に解明することがで きたOそ して種 々の拓調 波 と非同期特性,主に非同期 トルク特性 の関係 を明 ら かにすることがで き, リラクタンスモー タの設計 に際 し有用 な成果が得 られた。

2.

リラクタンスモータへの調波平衡法の適用 本帝ではインバー タ駆動時の リラクタンスモ- タの 非IiiJ期時の解析 に調波平衡法三日を適用 し,非 同期 トル クの式 を導llJfするOなお,式の導出は文敵 2)の方法 に 従 って行 うことにする。 解析 に際 しての仮定 を以下に示す。 I)固定子巻線はエアーギャップの起磁力が正弦波状 になるように巻かれているもの とする (屯動機の 空間高調波 を無視する)。 2)磁気回路の飽和及び ヒステ リシスは軽視する。 3)回転子回路 は 2個の コイルでモデ ル化 されている もの とする。

4

)回転子の速度は一定である。 5)屯源寵圧 は理想的である とす る。

Par

kの二反作用理論 により,回転子 と共に回虹 する回転座標上 におけるリラクタンスモー タの花If.方 程式 は(1)式で表 わされる:2:'m.

u。,r

- pVq//wb+Vdl

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また,電気的 トルク

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(1) (2) となる。 ここで, U

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r:

q軸固定子電圧,

ud

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d

軸固定子電托..

i

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:q軸固定子電流

,i

q.r':q軸回転子奄挽.

i

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d軸固定子電流

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:d軸回転子奄流. V qsr :q軸固定子磁束鎖交数,

Vd

s

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軸肘定子磁 水銀交数,町 。rr:q軸回転子磁束鎖交致,

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:

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軸回転子磁束鎖交数, p :微分演鈴子.(

-d/dt),wr

:回転子角速度,

wb

:基底 角速度,

S:

固定子座標上の畳

,r

:回転子座標上の鼠 調波平衡法 を適用す るため, リラクタンスモー タに 印加する電圧 を調波成分 を用いて表現する●7㌦ 図1は リラクタンスモー タと任意の周期的な租圧 を 出力可能なインバー タシステムの等価回路である。本 節では, まず インバー タ電圧 をフー リエ級数 に展開 し た形で表わ し. この係数 を用いて電圧 を調波で表現す る。 リラクタンスモー タに印加 される電圧 は周期的で あると考 えられるので フー リエ展開することができる。 すなわち

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ここで, ea.:

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相電源電圧,ebg:b相電源電圧,e

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i

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相 第

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次高調波成分.

E.

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E.

b

,:b相

帯k

次高調波成分

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C.

,Ek

‥ : C相節k次高調波成分.

w e

:電源電圧 の角周波数, α :

c

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成分, γ :

s

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n

成分 なお

,s

i

n

成分の うち

k-

0の ものは理論上

Eo

‥-巴O

B

,

-E。

り-0

(4)

琉球大学工学部紀要第43号,1992年 35 である。 また,リラクタンスモータの-相あたりの電圧は次 式で表すことができる。

同図より,U:3,Uisを求めると

Uq。。=2/3U・o-Ub,/3-リ。。/3 Ud.`=1/ね(U。.-Ub。)

}(.)

1 4 く 1-1-1 E-B一■ 8BS Uひ叩U ll| ■Eg apbC eec》 ’’’’’’ 889 a。□C uひ川) qs-軸

qr-軸as-軸

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dr-軸 ds-軸

典。『

-.s

bs-軸

cs-軸 図2.静止座標および回転座標

回転子

となる。 (6)式に(3)式,(4)式,(5)式を代入し, U;s,リハを解き換えると 一一 ID回 十 V” a 十 eop

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図1.インバーターリラクタンスモータシステム

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となり,リラクタンスモータの各相の電圧の式が得ら れる。 次に,a-b-cの3相電圧を静止d,q座標で表 わした2相電圧に変換する式を求める。。,q座標系 のqs軸をa-b-c軸のa軸と一致するように取る と,図2となる。なお,qs軸とa軸間のなす角は任 意にとれる。 である。ただし,6は図2における糠止座標軸ds- qsと回転座標軸dr-qrとのなす角。 従って,股終的に調波成分で表わされた麺liiの式は 次のようになる。

(5)

調波平衡法によるリラクタンスモータの特性解析 36

リ。。『=侭2.1/2(V…+W,)COS

〔(k⑰。+⑩,)t+の

+1/2(VkQr-V…)sin 〔(k⑪。+⑩『)t十J〕

+1/2(V…-VM『)COS

〔(kmo-⑪『)t-6〕 +1/2(VM,+Vku")sin 〔〈k⑩。-⑰『)t-6〕 (2)「 k⑩e- ⑩ qr-軸 dr-mU ⑩「 dr-mIl

(。)

図3.リラクタンスモータに印加される遡王の調波成分

ひdo'三201/2(V…+Vkd,)sin

〔(k⑩。+⑩『)t+の -1/2(Vkq,-V…)COS 〔(k⑰。+⑰『)t+d〕 -1/2(Vkqo-Vkdr)sin 〔(k⑩。-⑩『)t-6〕 +1/2(V…+V…)COS 〔(k⑪。-⑩『)t-6〕 リラクタンスモータに流れる電流解を求めるため, 前章で導出した4個の電圧の調波成分を(1)式の Parkの方程式に代入する。解析の都合上,in圧及 び電流の調波成分を正方向成分と負方向成分に分け, k=、の場合について求める。 ⑪ 2.1正方向成分の電流 時刻t=Oにおける41|Mの鯛波を図3に示す。(lOL (11)式の第一項の和は振11iii(VM,+Vkd7)/2の

無限級数であり,負方向にプリ速度k⑳鰹十mrで回転

する調波である(図3a)。 liil様に第二項の和は振幅(V…-Vkd.)/2で第一 項の成分と回転方向が等しく,直交している調波であ る(同図b)。第三,第四項は正方向に回転する調波 を表わし,k(ue-mrで回転する(同図c,。)。す なわちリラクタンスモータに印加する電圧を4個の調 波成分に分けると,正方向に回転する成分及び負方向 に回転する成分とに分解されることが分かる。言い換 えると氾圧の4個の調波成分のみでリラクタンスモータ

に電圧を誘導し,その角速度k“`+〔Urおよびk⑩。-

〔Urを持つと言える。 (10)式,(11)式から図3(c),(。)に示した flZ圧のiiM波成分の正方向成分を取りlIlしたものをそれ ぞれ(12)式,(13)式に示す。 ここでは,k=、の場合について考えている。 ひ。。(卜凧)「=1/2(V…一V…)COS 〔(k⑩。-⑪『)t-6〕 +1/2(V回q『+V…)Sm 〔(k⑩。-⑪「)t-6〕⑫ u‘,(…「=1/2(V…-V、`,)sin 〔(k⑩。-⑰『)t-6〕 +1/2(V、。,+V…)COS 〔(k⑩。-⑩『)t-i〕⑬ ⑩「 リラクタンスモータに流れる樋流の周波数は,図3 に示した(12),(13)式における各項の調波成分in 圧により誘起されるものと考えられるから,甑圧のも つ角周波数と等しいことが分かる。そこで,次のよう に遜流の調波成分I。,.〈今、肋I…(.、川恥.(…, LDGァ,+、’@1.F.(十回),Iqrァ(÷。】,Idr.“、)および I`,ァ《…を仮定し,これらを用いて各電流を表わすこ とにする。ここで,電流について正方向成分のみを考 えている。 k⑩B十⑩r QJr qr-nII

トqr-ml,

②「 dr-軸 (。

(a)

dr-QU

(b)

(6)

琉球大学工学部紀要第43号,1992年 37 ができ,(14)式で仮定した電流の正方向成分の調波 成分が分かる。すなわち,電流の正方向成分が求めら れる。 iq,(十m)『=I…㈹.。)COS(、⑩。-⑩「)t +LI`バト、)sin(nm。-⑳「)t id,(+卿)『=I…,,、)COS(n⑩。-⑩『)t ,+1Jコア“剛)sin(n⑩。-α『)t iq,(1.11)『=11…(l、》COS(n0uo-⑪『)t +Iq,,(+、)sin(、⑪。-m「〉t

id『(+、)『.=I…(碗)COS(n②。-⑪『)t

+I。『パト。)sin(、、。-⑩`)t

(14)式,及び調波成分で表わした電圧式(12)

13)式を回転醗標上で表わした電圧方程式(1) ⑭

I(+邸》=〔I…(+劇),I…(十m),I…(+風),

L'07(+、),Iqr。(+11),IC『r(+、),

I。『。(十。),I。『,(+、〕!⑯

(14)式,及び調波成分で表わした電圧式(12)式, (13)式を回転醗標上で表わした電圧方程式(1)式 に代入し整理する。一方,調波平衡法の性Brより,左 辺と右辺のsincosの係数がそれぞれ等しくなけれ ばならないので,電圧方程式について次の調波平衡式 が得られる。 …-VM,)cosd- (VnqF十V…)sin …+VM厩)cosJ+

(V…-V、。,)sin

…+V…)cos6+

(V…-V⑥。,)sin

(V…-Vmdjcosd+

(V…+V…)sin

O O O O 6 6 ⑮ V(+、)=Z(+、)Iい、) -1

V('、)-百

07) 6 ここで,V(+③),Z(や側,及びI(十,1は(16)式, (17)式,(18)式である。

(17)式中の電圧の調波成分は(12)!(13)式に

より与えられる。また,(18)式から分かるようにイ ンピーダンス行列Z(.、)はリラクタンスモータの機器 定数及び電圧に含まれる高調波の次数nからなる。こ のように,Vi…及びZ:十mは次数、を与えると既知 となるので,(15)式を電流I!…について解くこと

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(7)

調波平衡法によるリラクタンスモータの特性解析 38 ここで,V(_剛》,Z(-回)及び’1-。)は(23)式, (24)式,(25)式である。 (24)式中の電圧の調波成分は(19),(20)式に より与えられている。また,(25)式から分かるよう にインピーダンス行列Z(-,,はリラクタンスモータの 機器定数及び電圧に含まれる高調波の次数nからなる。 このように,VI-d,及びZ(-0Jは次数、を与えると 既知となり,(22)式を電流11-ゴについて解くことが でき,(21)式で仮定した電流の負方向成分の調波成 分が分かる。すなわち,電流の負方向成分が求められ る。 以上,k=nにおける電流の正方向成分と負方向成 分を与える式の導出過程を示した。 (23)式から明らかなように,求める回転座標上の 電流は,k=0,1.2…。。までのすべての正方向成分 と負方向成分との和をそれぞれとることによって得ら れる。実際の数値計算の際にはkは適当な次数で打ち 切られる。 2.2負方向成分の電流 次に正方向の場合と同様に,(10)式,(11)式か ら図3(a),(b)に示した電圧の調波成分の負方 向成分を取り出したものを(19)式,(20)式に示す。 ここでも,k=、の場合について考えている。 u・・(_、)-1/2(V…+Vnd7)COS 〔(k⑰。+⑰『)t+の +1/2(Vnor-V…)Sm 〔(k⑩。+⑩「)t+の⑲ ひ。。(_、)『=1/2(V…+Vnd7)Sm 〔(k⑩。+⑩『)t+d〕 -1/2(Vnq,-V、。。)COS 〔(k⑩。+⑩『)t+6〕⑩ 前述のように,リラクタンスモータに流れる電流の 角周波数は,図3に示した(19),(20)式における 各項の調波成分電圧により誘導されるものと考えられ るから,電圧の周波数と等しいことが分かる。そこで, 次のように電流の調波成分I.,.(-回〉,I。`ァ(-.1, 1.9゜(-,),1.3ァ:-。)’1゜『.(-,)’1q”(一向),I。『.1-,) およびI`『γ`-,1を仮定し,これらを用いて各電流を表 わすことにする。ここで,電流についても負方向成分 のみを考えている。 I(-凧)=〔I…(-m), 1.0バー、), Idrq(-,), IqOパー、), Iqr②(-,), I。『バー耐)〕 I。‘。(-,〕, Iqrバー、川 倒 (V …+Vndr)cosi+ (Vnq『-V…)sin nq,-V…)cos6- (V…+Vndv)sin Vnqr-V…)cosi+ (V…+VndJsin noo十V、。『)COSO+ (Vnqγ-V…)sin O O O O 6 iq。(_、)『=I…(-m)COS(n⑩。+⑰『)t +1..パー、)sin(n⑩。+⑩『)t id。(_⑥)「=I…(_風)COS(n⑩。+⑪『)t +1.W(_、)sin(n⑪。+⑩,)t ioバー、),.=I.『。(_、)COS(n⑩。+⑩,)t +I。『『【-,)Sm(n⑩。+⑪『) idパー、)『,=I。『。(_、)COS(、⑩。+⑩『)t +I。『バー風)sin(、⑪。+(u『) Ⅳ 6 一( 、、 6 -1

V(-,)-百

(V “ (21)式,及びリラクタンスモータに印加する電圧 を調波成分で表わした(19)式,(20)式を回転座標 上で表わした電圧方程式(1)式に代入し整理する。 -- 調波平衡法の性質よ}),左辺と右辺のI]三弦,余弦の係 数がそれぞれ等しくなければならないので,結果的に 電圧方程式に関して次の調波平衡式が得られる。 ⑫ V(_、)=Z(-,1(_、)

(8)

琉球大学工学部紀要第43号,1992年 39

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iq。.=i。。=1/2〔{I…(十k)-1..,(十脚)

COS(k⑩。t+6)

+(I…(+上)+I…(十k))

sin(k⑩。t+i)

+(I…(_上)+’四八-k)}

COS(kouot-i)

+{1゜・バーM-I…(-k)}

Sm(kOuot-6)

+(I…(十k)+I‘。,(十k))

COS((kcuo-2Ou『)t-6}

+(I…(十k)-1…(十k)}

Sm((k⑩。-2⑰『)t-6}

+{I…(-k)-1…(-k))

COS((kの。+2⑩『)t十J)

+(I…(-k)+I…(-k)}

Sm{(k⑩。+2⑰『)t+6)〕⑬

i・・『三2。{i、。(十k)『+io。(-k).『)

i`,『=k:。{id。(十k,

『+id。(-k)『}

i、『,『=k鷺。(i・『(十k)『,+i・『(-k)『.)

idrパヨ鷺。{i`「(十M『,+id『(-k,『`}

--1--1 ここで,iq愚(十k)『,iqs(-k)『,id。(÷M, 「p ids(-k】『,ior(+k)『‘,iqr(-k)『.,idr(十k), idパーM『'は(14)式および(21)式でnをkに置き 換えたものである。 ここでは,回転子と共に回転する座標上で考えてい るため回転子上から見た電流i・・「Ⅲidsr,iqr『., id/,が求められたことになる。 次に,固定子電流を求める。そのためには図2より 得られる次式を用いて,静止座標へ座標変換を行わな ければならない。

h二期駒jニト

ido。=1/2〔{1..ァ(十k)+I…(十k)}COS (k⑪。t+6)

+{-1…(十k》+I。`八十k)}

Sm(k⑩。t+6) +{-1。。『(-k)+I。`。(-k)} COS(k⑰。t-6)

+{I…(-k)+I。,バーk))

Sm(k⑰ot-d) 変換後の相電流i“.及びidooは次式のように表わ すことができる。

(9)

調波平衡法によるリラクタンスモータの特性解析 40 ttttt ttt +、』+、j+j+、』+1+、』+、j+1 trtrtrtrtrtrt7tr ① “ ⑰ ⑩ ⑳ ⑩ ⑩。⑩ 、』|慰刎|、U|、U|、。+、別十、。+、j+

弛艸刮叫認咄劃坐池坐抽叫柚乢杣叺

・2。!。’。!。!。!・2。! “Iの/し⑳く⑩/I⑪く⑩/I⑩“!⑩く 2,2,!、fn!、2,0,2, 。I●1・1。’。’・1・1。’ くSくs/IsくsくSくSISくs S1s1s1s1s1s1s1s1 0+o+o+o+o-0lo’0l cくclcくcIC!cICくcI I7J7J717J7 丁Ⅲ7jr I8181Tlrl0181rlr 十q十dIq十d一q’d’q一d 飢印釧印飢町釦Ⅵ畝U引⑩釧U即U B B r ■ B r q d q d q d q d U叩Ⅳv叩印可U ’’ ’’ ’’ ’一 一一 一一 十 十 十 十 く・・I、 S B r r S 5 T r q d q d q d q d vUVU叩UVⅣ +{-1..,(十k)+1.,。(十k)} COS((kmo-2⑩Jt-6} +{I…(十k)+1.,,(+上)} sin{(k⑪。-2⑩『)t-6) +(1..バー上)+I。`。(-k)) COS((k⑪。+2⑰『)t+6) +{-1…(-k)+1..バー上)} sin{(k①。+2⑪『)t+6)〕⑲ ⑫ ところで,これまで甑圧方程式(1)式は解析の仮 定で回転角速度(U「を一定としているので線形徴分方 程式となるが,(29)式から分かるように固定子電流 には固定子電圧には含まれていない角周波数k(Ue- 2(U『,k⑩。+2(U『が現れている。これらの角周波 数成分は,リラクタンスモータに流れる電流の不要な 周波数成分である。しかしながら,麺動機を駆動する 電源電圧波形に弼調波が含まれている場合には,これ らの調波成分が現れることになる。 に啓ける。 また,1J。.,,Ⅳ`。『,Wo.『,Wd。'’は電流と同形式

灘11IIilili]川

2.3トルクの鯛波成分 トルクの式を,これまでに導}Ⅱした電流式を用いて 表わすことにする。iliiれ磁束を無視した電気的トルク は,鎖交磁束とそれにif[交する電流との積になり,次 式のように表わされる。 (31)式に甑流の式(14)式,(21)式を代入し, 鎖交磁束のIピ方1,1成分W゜、.《、1,,1J…,.,), 1F`,.,今11,W`,,,+,,,および負方向成分W…1-,,, W…,-1,,.1V。.、1-,1,1V`,’i-,,を電流の調波成分 を用いて表わし,(32)式とそれぞれ比較すると次式 が得られる。 ⑩ Te=U「mdriqp『-WmqridOr ここで,漏れ磁束を無視した鎖交磁束は (I…!+,,+I。『。(十!)) (I…(`,》+I.『,(十!】) (I。`。(+,)+I。『。(十,1) (1.,『(+,)+I。『,(+,)) (I…1-,)+10『。(-,)) (I…(-,)+I。『バー,)) (1..。(_,)+I。『。(-,)) (I。`バー,)+I。『『(-1)) qqddqqdd mm、m、m、m XxxXxxxX ’’’’’’’’’’’’’’’’ 111jj11j l十十十一一一一 くく!IIII! ■』。α7ロ丁ロ7 8□5■53DO qqddqqdd UUVUVUUⅣ jj Tr rr dq ・’。l 十+ rr BB dq ・I01 くく .q mm xx ’’’’ 7r dq mm 可Ⅳ

}。,

“ となる。 トルクを求めるために,まず(31)式に電流の式 (26)式,(14)式,(21)式を代入して固定子鎖交 磁束の調波成分を導入する。 ここでも電流の調波成分を仮定した場合と同様な考 え方を用いる。すなわち,鎖交磁來はインダクタンス と電流との械であり,(14)式および(21)式に示し た電流の各項の角周波数とそれぞれ等しい角周波数成 分を持つものと考えられるから,鎖交磁束を次のよう に仮定できる。 (30)式のトルクの式を調波成分で表わすため.,調 波成分で表わした遜流及び磁束鎖交数の式(26)式, (33)式を代入すると,トルクは次のように書き換え ることができる。

(10)

琉球大学工学部紀要第43号,1992年 41 (次章で記述する)。すなわちリラクタンスモータの 非同期トルク特性は12個のトルクTo1.,ToI7, T…,T…,…中,T…の影響がかなり大きいと いえる。ところで,トルク調波成分ToI。仏.,)を求め る計算猛に比べ,時間平均トルクを求めるための計算 量は3次元的に墹加し,更に各調波成分を求めるには? フーリエ解析が必要で,計算時間の点で問題があるこ とも分かった。 本研究では甑圧の高調波成分がリラクタンスモータ の非同期トルク特性に与える影響を詳しく調べるため, (38)式のトルクの調波成分を用いることにする。

飛でM1;IF鰍lil二Ⅲト

上式にさらに(34)式,(14)式及び(21)式を代 入すると最終的なトルクの式は次のようになる。

T・=#.(T…+T…)

T…=,ZokZJcos(k-2)⑩otl上'C1.W,

T・],=l2ohZFin(k-2)⑰otlⅢ`C1,W,

}.,

3..方形波インバータ電圧波形のフーリエ変換 ここで, 1k=〔I…(+k),1.,『(十k),I…(十k)’ 1.2ァ(十k),Iqs画(-k〕,IqOァ(-k)’ 1.`。(-k),1.,『(-k)〕1 W,=〔W…(Ⅱ),nF.,,(+'),w…(卜!), wd。(+I),1F。‘。(-1),wqor(-'), Ud,。(-1),Udo7(-,】〕【 次に(37)式の正弦,余弦の係数部分を取り出しト ルクの調波成分を求めると次式となる。 第2章では電圧波形のフーリエ係数を(3)式で与 えている。種々のシミュレーションを行う場合,その 係数が必要になるので,本章では第2章で述べた結果 に基づき,駆動電圧波形の周波数成分を求める方法に ついて検討する。本論でシミュレーションに用いるイ ンバータは,方形波インバータである。図4にシミュ レーションを行なうインバーター電動機系を示す。 直流電力を交流電力に変換する電力変換器をインバー タと定義する。周知のようにインバータには電圧形と 電流形とがあるが,本論文では電圧形インバータ駆動 時のみを考えることにする。電圧形インバータは入力 側に強い直流電源,すなわち内部インピーダンスが零 の理想的な電源を持つ電力変換器である。なお,電圧 形インバータの電圧は矩形波状となり,電流は電動機 のインダクタンスのために正弦波状となる。 図5に方形波インバータの各部分の電圧波形を示す。 同図より,リラクタンスモータのa相電圧は図6とな る。 調波平衡法を適用する前に,リラクタンスモータに 印加する周期的な甑圧波形をフーリエ変換し,そのフー リエ係数を求めることが必要である。方形波インバー タの場合には,比較的容易にフーリエ変換が可能であ るので解析的にその係数が求められる。しかしながら, 解析的にフーリエ係数を求めるのが困難な電圧波形も 存在する。その一例として電源電圧が不平衡時131お よびスイッチング素子の遅れのために設けるデッドタ イムを考感した電圧などが考えられる。 前述のように,調波平衡法の利点の一つは電動機の 印加電圧のフーリエ係数さえ与えれば,l魁uiIj機の電流, トルクなどの近似値が容易に得られることである。 11111111-111 町UVUUUVUUrUU □7口7口r□7回7口7 002233445566 CccccccccccC l1t1t111t1t0 khhkkkkhhkkk T1TlTlT△TlF1TlTlTlTlTlTl ’’’’’’’’一一一一一一一一一一一一一一一一 J1JlIjIjjjIJ 111111111111 60000■●qe↓PD khhhkkkkkkkk くIlIⅡlI!Iくくく 。7回7■7口7口7口J 112233445566 ecccccceeeee TTTTTTTTTTTT ⑬ 以上,リラクタンスモータのトルク式を導出し,調 波成分で表わすことができた。トルクはin流と電流の 積で表わされるから電流の次数k×2個の無数の調波 成分で表わされることが分かる。計算機シミュレーショ ンの結果,トルク調波成分中のTo1.1M)と時lHI平均 することによって求めたリラクタンスモータの非同期 平均トルクは,類似していることが明らかになった

(11)

調波平衡法によるリラクタンスモータの特性解析 42 れば容易にフーリエ係数が得られ,調波平衡法を適用 することが可能となる。 図6の電圧波形をフーリエ級数に展開すると(39), (40),(41),式となる。 そこで本研究では,電圧のフーリエ係数を求めるの にini連フーリエ変換(FFT)アルゴリズムを利用し て,数i齢|・算によってそれぞれのフーリエ係数を求め ることにする。この演算計算により発生する誤差のl1Il 題はあるが,複雑な電圧波形の場合でも周期関数であ

VI

'、 S MUUヘノI C a

整流器フィルタインバータ固定子

図4.シミュレーションを行うインバーター電動機系 Vab O

梺二亡

⑩OL (a) 1 000DDI000 050505050 □■■■●。■■● 2-1000112 。』←二 【』)、。■出け叶倒■ Vbc O

1-仔二

⑩0t GLI OO (b) ]、刀TLD[ VcD O

□二F

⑩⑪t に) 図5.インバータ各部の電圧 図6.リラクタンスモータの固定子電圧U・・

,。。=半|…。t+÷c・…。t一

十cos7"ot-ffc。…。t+…}卿

U盧・=半lc。…。[-4霜/3)+

÷cos5(…-4癩/3)-

÷Cow("ot-4添/3)-

fHcos11("。t-4扇/3)+串}⑪

ここで,VIは図4の整流回路からの出力TID圧で, ここでは,vl=2W]とする。 Vb、およびVcoについては,それぞれV、,の位相を 2汀/3,4万/3ずらしたものとなる。 (39)式,(40)式および(41)式の各相躯圧を2 章の(6)式を用いて静止。,q座標系へ3相2相変

,駒一半lc.s("。t-2燕/3)+

÷cos5("。t-2露/3)-

÷cos7("。t-2露/3)-

台cosll(…-2癒/3)+…}御

(12)

琉球大学工学部紀要第43号,1992年 43 4.計算機シミュレーション及び実験結果 換し.V:`,V2,を求めると(42)式,(43)式が得 られる。

。。。。=半|…。t+÷c・…。t-

号cos7。。t-台cos1,"。t+…’㈹

本章では,第2章で述べたリラクタンスモータの調 波平衡法の原理,および第3章で求めた回転座標上で 表わした。,q軸電圧のフーリエ係数を用いて,駆動 電圧波形に高瀬波を含んだ方形波インバータ駆動時の リラクタンスモータの電圧,電流,トルク及び機器パ ラメータが,閥定子および回転子の各電流,非同期ト ルク特性に与える影響を計算機シミュレーションで求 め,その結果について検討を加える。また,方形波イ ンバータを用いて実験を行ない,電流波形,すべり一 トルク特性を求め,シミュレーション結果と定性的に 比較検討する。 ここでは,第2章で挙げた仮定のもとに,図4に示 すようなインバーター電動機系のシミュレーション及 び実験を行なう。計算機シミュレーションに用いた供 試電動機の定格121は3相,4極,10[HP],220[VL 60mz]のリラクタンスモータである。シミュレーショ ンに用いた機器定数を表lに示す。また,実験には定 格0.2[kW],200[Vl4極のかご形誘導砿動機の固 定子(Y結線)を使用し,回転子は軟鋼の塊状鉄心を 用いた(5)。 最初に断わっておくが,計算機シミュレーションと 実験に用いたリラクタンスモータの機器定数は異なる。 これはリラクタンスモータの機器定数を測定するため の確立された方法が筆者の知る限りないためである。 特に機器定数の中でも,回転子回路定数が測定困難で あり,いくつかの方法が,提案されているのが現状で ある。以上の理由から定屋的な比較は行なわず定性的 な比較検討のみ行なう。 なお,特に断わりないかぎり以降のシミュレーショ ンでは表lの値を用いている。 表1機器定数

…=半|-…。t+÷i…。t+

券in7"。t一存in,,…+…}㈹

1lTE難Ⅲ

となる。なお,図6の波形の場合には V…=VM.=O である。 次に,図7に(42)式,(43)式の。,q軸電圧の フーリエ係数を2048点のFFTによって求めた結果を 示す。同図から分かるようにV…およびVkdγの 6k±1次(k:自然数)に電圧の高調波が見られ,符号 も含めて(44)式の解析結果と一致することがわかる。 2. ● ご 冗叩】 ●Ⅱ① (一一●●■← 00 ]nUコヌno4.0,6.0,,.U[ 0

〔pu.〕

〔p、u・〕

〔pu〕

〔p、u・〕

〔pu.〕

〔p、u、〕

〔rad/s〕

〔deg.〕

〔rad/s〕

-1. 0.Ol212 qO306 0.28935 0.7791 0.01235 000685 1207丁 -30. 24汀 ‐rr B化、、、脳b e rxxxxx②⑥、)⑩ 1. 成伍

-F~'-1’1.0,

0. 】on’八2.UUq.、[ > -1. -2. (b)d軸正弦成分 ● 図7.方形波インバーター出力電圧のフーリエ変換

(13)

鯛波平衡法によるリラクタンスモータの嚇性解析 44 形方形波インバータで駆動時の非同期トルク特性に及 ぼす機器定数の影響を調べたものである。 同様に(a)に。軸回転子抵抗r8;をパラメータと した時のすべり-トルク特`魅を示す。liil図から,抵抗 の小さい場合,すべI)0.5付近でのトルクの落ち込み は大きいことが分かる。 (b)は。軸リアクタンスxm0`を変化した時のすべ り-トルク特性である。xmdが1W加するに伴いすべり 0.5付近まではトルクは増力Ⅱするが.その後は急激に トルクは減少し,ゲルゲス現象が強く現れていること が分かる。これはxmdが大きくなると突極性が強調さ れるので,二次回路の不平衡の影轡が大きくなるため と思われる。 図11は実験によりえられた180.形方形波インバー タ駆勤時のすべり-トルク特11kである。シミュレーショ ン結来(図10(d)(LO3x緬急の場合)と比べて分かるよ うに,すべり1.0から0.5付近までのトルクの減少傾向 が比較的一致しているといえる。しかしながら,同図 の実験結果では,すべりの大きなところで同期性トル クが現れているが,シミュレーション結染にはそれが 見られない。これは本解析で空1111闘調波を無視したこ とによるものと思われる。また,すべり0.5以下にお けるシミュレーションと実験結果の相述は,前述の原 因の他に,実験に用いたリラクタンスモータの回転子 が塊状鉄心であるため,そのインピーダンスが犬であ ることによるものと考えられる。 ここで,発晒機動作時を6の正方向としたので,電 動機動作時にはDは負の値をとる。 本節ではⅢまず方形波インバータでリラクタンスモー タを駆Ⅲ!)した時のllfllI1領域における迩流及びトルクを 示し,次に趣流及びトルクの調波成分を求める。そし て機器定数変化時のすべりに対する非|司期トルク特性 などの紺特性を求め,考察を加える。 4.1時間領域の電流及びトルク 方形波インバータ駆動時のリラクタンスモータの電 流,トルクの計劒:機シミュレーション結果を'2118(a) ~(c)図に示す。回転速度は(U『=⑩鰹のliillUI速度 の場合で,横軸は矼気角で示してある。計御:の打ち切 り次数はN=23である。これは,liilじ条件のもとで (1)式を時lill領域で直接解いた結果とほぼ一致する ように選んだ時の打ち切り次数である.同(a)図は 固定子d軸Tm流j6.の時間変化であり,これは第2章 で求めたaキ!|in流i・`に等しいものである。(b)は 。軸回転子電流の時lllj変化である。また,(c)は電 気的トルクTeの時1111変化である。同(c)よりトル クは雑本波の6倍の周波数で脈動していることが分か る。方形波インバータで電動機を駆動した場合,一般 にトルクは6倍次の高調波トルクを含む。(b)の回 転子回路に流れる岻流もトルクとlilj様に6倍の周波数 で脈milしていることが分かる。また,dIIiil回路に流れ る髄流の位ネIlはトルクの位相と一致していることも分 かる。 図9はリラクタンスモータを180.形方形波インバー タで駆動時のイIliILlIH波形および柵|髄流波形の実験結果 である。計算機シミュレーションと実験に用いたリラ クタンスモータの機器定数が異なるため,fEijfIMiは図 8(a)のシミュレーション結果とは同一にならない が,両図の波形の傾向は比較的一致していることが分 かる。また,同図の晒圧波形がシミュレーション結果 と異なるのは,119(流リンク回路の平滑回路が理想的で ないためであると思われるご 第3噸の解析結采および図7の方形波インバータ電 圧のフーリエ係数を見ると分かるように,次数が期す とその値は次数分のlに比例して減少し,岡次になる 程,影騨が少なくなる。そして,リラクタンスモータ のフィルタ作lllのためにN=23次程腿でも樋流のかな りよい近似値が求められる。 便110(aハ(b)図は,リラクタンスモータを180。 4. =Z. [。“」 ◆ ◆ nm〉 ヘグ」 ぱげ叶側曰 、、ヨ5.m【】h’1臼呵.In1j

_杣。]

(a)180.形方形波インバータ駆鋤時の|Al定子iu流 00000,00 00000,0 ■ g ■ P ■ ■ 32101男3 P ご 戸『],』」・・皿、小凹Ⅲ

1,, 瓦10 fLI (b)180.形方形波インバータ駆動時のlTl紘子趣流

(14)

琉球大学工学部紀要第43号,1992年 45 30.00 25.00 10.,0 6.00 - ■ 塁5.DO C 陰 Q、4.00 全 一 2.0, 000 000 ■ 0 ● 050 211 (■・エ]、凸《 虹、(dC41 0.00 0.0010.0036.0054.00フ2.OO XIO (c)180゜形方形波インバータ駆動時のin気的トルク 図8シミュレーション結果 5.00 0.00 1.000.800.600.400.200.0O すべり (b)x団。変化時のすべり-トルク特性 図10180.形インバーター駆動時の非同期トルク特性 00000000 ●Sc●●巳● 0000000 468 864 2’ 一12 【シ】。・・シ凹官十便■

rJL

I_______ 0.75 pkh

l ̄ ̄▼ ̄ ̄ ̄

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0.O ldb8.9

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0 5 5 2 0 ● 0 〔百・二]、△へ二 (a)180.形方形波インバータ駆動時の間定子耐圧 粕DAO6iM 3. 0.00

,q人へ

〃人へ

1. 1.000.800.600.400.200.0O すべり 図11180.形方形波インバータ駆動時の非同期トルク 特性(実験結果) .】 0 L ■ 0 週⑪昨倒已

で▽(’

Wv

-3. 4.2電流及びトルクの調波成分 (b)180.形方形波インバータ駆動時の固定子in流 図9実験結果 第2章で述べたように電気的トルクは廻流と電流と の積で表わされるので,(37)式は(電流の次数k) ×(電流の次数幻個の無数の調波成分の和で表わさ れる。 (36折式中には,電流の固定子調波成分1kが含ま れているので,非同期トルク特性に与える影響の大き い主要な電流成分を明らかにすることは並要である。 そこで,(15)式,(22)式を電流について解き,電 流の調波成分を求める。図12(a)~(。)に方形波 インバータ駆動時の電流の調波成分を示す。同図から, 主要な電流の調波成分は1次,7次,13次などである ことが分かる。また,すべり0.5付近において電流が 大きく変化しているのは,ゲルゲス現象“)と関係が あるものと思われる。 30.00 25.00 000 000 0。50 21l (■・一〕心負二 5.00 0.00 1.000.800.600.400.200.0O すぺリ rd『'変化時のすべり-トルク特性 (a)

(15)

鯛波平衡法によるリラクタンスモータの特性解析 46 次に,図13にすべりを0.5とした時の方形波インバー タ駆動時における主要なトルクの調波成分T`1.1M) の大きさを示す。横軸は電流の次数k,2である。k= 6,±1(、:自然数),2=6,±1(、:自然数) の位脳で高調波トルクが現れていることが分かる。高 調波トルクの中でもk=1または’=lの位1mにある 調波成分To,.(1.,1,Tol.⑩.,】が比較的大きい。つま り麺流の基本波と高調波との間に発生するトルクの方 が.高調波と高調波との間に発生するトルクよりも大 きな値になるといえる。 図14(a),(b)に。軸リアクタンスxmdを変化さ せた時のトルクの調波成分To,.(L,川To,.,ヒル対 すべり特性を示す。(a),(b)と図10(b)と比 較すると分かるように両者はよく一致する。すなわち

To1.,1.1,は,図10(b)の時間平均トルクとほぼ等し

いことがわかる。これを用いれば容易にリラクタンス 〕.00 2.00 1.00 0.00 00 】一己[】U-B[ -1.CO (。) 図12180.形方形波インバータ駆動時の電流の鯛波成分 IOU 0 ,)nUnU

l(一・茎)6「のト’

S-0.5

濤iri‘

モータのすべり-トルク特性が得られる。

'01

5101520 00000000 00000000 ●00●■□●の 6543210I

次数E

図13180.形方形波インバータ駆動時のトルクの鯛波 成分の大きさ 0.■ 000000010 00000000 ● ● ● ● C q ● 05050505 322-l (□・■】二.g●。●卜 00 】_■Ⅱ■■□_。[ すべり (a) 000000 000000 ■ ◆ 3210I2 P■●〕似●●円 jKJUD-En0-GF すべり (a)

更7

00 Inm-n⑥、_■Ⅲ 0000000 00000o0 O C 05050s0 32211 {□・■]S▲ご●』・卜 (b) 0000000 0000000 ● 0 ■ 0 9 ● I012305 勺 C●●ご■」●筒 00 Ju-0.日ロD-B缶 00 -5.00」 すべり (b) 図14180.形方形波インバータ駆動時のトルクの 鯛波成分 に)

(16)

琉球大学工学部紀要第43号,1992年 47 図15(a),(b)にrdr,xmdを変化させた時の すべり-トルク特性を示す。トルクは7次のトルク調 波成分To1,(7.,)である。図から分かるように,すべり S=0.9付近で回転時同期トルクによるものと思われ る異常トルクが発生している。回転時同期トルクは, 始動異常現象の原因の一つで,比較的低次の高調波同 期トルクにより,すべりの大きな所で発生することが 知られている。実験によってリラクタンスモータに回 転時同期トルクが発生することは文献(6)で報告さ れており,このトルクは時間高調波と空間高調波との 複雑な相互作用によって発生する。本研究では空間高 調波を無視して解析を行なったが,この解析結果に基 づくシミュレーションによっても,回転時同期トルク が発生していることが類推できる。 ゲルゲス現象のため,非同期トルク特性に大きなトル クの陥没を生じ,同期に引き入れられない場合がある。 以上のような始動時異常現象を解明するため,本論 文ではリラクタンスモータの非同期特性と高調波成分 の大きさとの関係を明らかにした。 本論文は,前記の諸問題解決の足掛りを得るため, インバータ駆動時のリラクタンスモータの特性解析に 調波平衡法を適用し,非同期トルク特性に及ぼす機器 定数の影響を計算機シミュレーションにより詳細に調

べた。その結果,種々の高調波と非同期特性,主に非

同期トルク特性との関係勘明らかにすることができた。

また,すべりの小きい領域で回転時同期トルクが発生 することを明らかにした。 ところで,計算機シミュレーションを行なう場合, 調波の次数は適当なところで打ち切る必要があるが, その決定に関しては電圧波形の周波数特性及び電動機 の機器定数によって変わるため,試行錯誤的に求めて いるのが現状である。この問題を解決するため,本論 文では複雑な電源電圧波形でも容易にフーリエ変換係 数を求めることが可能なFFTを用いて,高調波を多 く含むインバータ蝿圧波形のフーリエ係数を計算機シ ミュレーションによって求めた。 本研究では磁気飽和を無視して解析を行なったが, 実際のリラクタンスモータでは飽和が発生するので, その影響を把握するため,磁気飽和を考慮した解析を 行なう必要がある。また,インバータ駆動の場合,あ る条件下ではスイッチング素子の上下短絡防止時間の ために設けるデツドタイムによる電圧波形ひずみが原 因となって,系が不安定になることが報告されてい る(8).(鋤。この問題に対して調波平衡法を適用した報 告はこれまでにない。 以上の諸問題が今後の課題として残されている。 最後に本論文をまとめるにあたり御協力下さった坂 本英樹君に感謝の意を表します。 l060 LlO u50

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1050 -Ip00 -I,釦 日・卜 00

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(a)r‘『,変化時のすべり一トルク特性 8ⅢLu00LI C凸C s.▲》■・ロト (b)x画`変化時のすべり-トルク特性 図15180.形方形波インバータ駆動時のトルク調波 成分 5.むすび 参考文献 インバータの出力電圧には多くの高調波を含むため, 電動機の騒音及び加熱などを生じる原因となり,最近 電動機駆動システムにおいて問題となっている。 リラクタンスモータはかご形誘導電動機として始動, 加速するもので,誘導トルクを利用して同期引入れを する必要があるが,機器パラメータの選定によっては, いわゆる高調波非同期トルク及び同期トルクならびに (1)藤田:「非線形問題」,P125(昭53),コロナ社 (2)T・ALipo:‘ⅢPerformanceCalculationsof aReluctanceMotorDrivebydqHarmonic Balance,,,IEEETransIndustr・Applic., voLIA-15,25,(1979) (3)森田:「パラメータ不平衡時の誘導電動機の波形

(17)

鯛波平衡法によるリラクタンスモータの特性解析 48 解析」,電学論D,Vol、109.10,733(平元-10)

(4)上里:「塊状鉄心三相リラクタンスモータの特性」,

電学論,VoL98-B,9,744,(昭53-9) (5)上里:「サイリスタインバータで駆動される塊状

鉄心三相リラクタンスモータの特性」,琉球大学

理工学部紀要工学編,第15号,p95(1978) (6)上里,上田:「塊状鉄心三相リラクタンスモータ の非同期始動特性北琉球大学工学部紀要第21号, 1982年,pP98-101

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⑬村井,細野,常広:「PWMインバータで駆動さ

れる誘導電動機の安定性について山繭学論B,

105,467

参照

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