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トリアムシノロンアセトニド マキュエイド硝子体内注用 40mg 医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請書 添付資料 CTD 第 1 部 ( 資料概要 ) 1.5 起原又は発見の経緯及び開発の経緯 わかもと製薬株式会社 1

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(1)

わかもと製薬株式会社

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(2)

1

医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請書

添付資料

CTD 第 1 部(資料概要)

1.5 起原又は発見の経緯及び開発の経緯

わかもと製薬株式会社

(3)

2

1.5.1 起原又は発見の経緯

マキュエイド

®

硝子体内注用

40mg

1)

(開発コード番号:

WP-0508)は,トリアムシノロンアセト

ニド(

TA)を有効成分とし,わかもと製薬株式会社が市販している添加剤を含有しない眼科手術

補助剤,硝子体内注用副腎皮質ホルモン剤である。

2010 年 10 月に「硝子体手術時の硝子体可視

化」

2012 年 11 月に「糖尿病黄斑浮腫」の効能・効果が承認されている。

TA はプレドニゾロンの誘導体の 1 つで,9α 位にフッ素,16α 位に水酸基が置換された合成副

腎皮質ホルモンであり,筋肉内注射用,関節腔内注射用等の製剤として

1961 年頃から抗炎症薬と

して用いられている

2)

。薬理作用として黄斑浮腫や血管新生の原因となる血管内皮増殖因子

VEGF)の作用を抑制すること

3),4)

,さらに,

VEGF 産生を促進するプロスタグランジン E

2

PGE

2

5),6)

や腫瘍壊死因子

-α(TNF-α)

7)

の産生を抑制することが知られており,眼科用剤として,糖尿病

黄斑浮腫,網膜静脈閉塞症(

RVO),ぶどう膜炎等の治療に使用されている

8)

黄斑浮腫は,糖尿病網膜症,

RVO,ぶどう膜炎等に合併する視力低下の主要な原因であり,血

液網膜関門が破綻し,網膜血管の透過性が亢進することにより引き起こされる病態である。

黄斑浮腫の病態は,疾患や患者ごとに多様性があり,一度発症すると根治は難しいと考えられ

るため,治療の使い分け,組合せを患者ごとに検討し,適切な時期に治療する必要がある。本邦

での標準的な治療方法としては,糖尿病網膜症や

RVO に伴う黄斑浮腫には,薬物治療[ステロ

イドの局所投与(硝子体内投与,テノン嚢下投与,点眼等)

VEGF 阻害剤硝子体内投与],網膜

光凝固,硝子体手術等

9)-12)

が選択されており,効能・効果が承認された硝子体内注射用剤がある

にもかかわらず,承認されていない投与経路(テノン嚢下投与,点眼等)で適応外使用されてい

る。ぶどう膜炎には,薬物治療[ステロイドの局所投与(点眼,結膜下注射,テノン嚢下投与等)

ステロイドの内服,コルヒチン,シクロスポリン,抗

TNF-α 抗体製剤等

13)-18)

]が選択されており,

眼科治療においては,ステロイド治療(適応外使用含む)が主体となっている。また,原疾患コ

ントロールの観点から,眼科以外の薬物治療も承認されている。

TA 含有製剤の眼科使用については,2001 年に Jonas ら

19)

が初めて糖尿病黄斑浮腫患者の硝子

体内に

TA を投与し,浮腫が軽減することを報告しており,2004 年には Ohguro ら

20)

が硝子体切

除に無効であった糖尿病黄斑浮腫患者に

TA をテノン嚢下投与し,中心窩網膜厚及び視力改善を

確認したと報告している。以来,眼科領域では,骨粗鬆症,糖尿病,肥満,高血圧等の全身副作

用を避ける上で,硝子体内投与やテノン嚢下投与が多く選択され,他の疾患も含め適応外使用さ

れてきた

8)

TA のテノン嚢下投与は,硝子体内投与に比してやや効果が減弱することが示唆されている

21)

が,

20 mg 及び 40 mg 投与後の有効性や持続性が報告されており

22),23)

,他の治療方法(光凝固,

硝子体手術,

VEGF 阻害剤等)との併用や組合せ治療に適していると考えられる。有害事象につ

いては眼圧上昇,白内障,眼瞼下垂等,多くの臨床報告があり,有害事象の種類,発生頻度,コ

ントロール方法等,実態が把握されてきている

8),24),25)

TA テノン嚢下投与は,硝子体内投与に比

(4)
(5)
(6)
(7)
(8)
(9)
(10)

9

以下に,臨床試験の結果概要を示した。

1.5.2.3.1 WP-0508ST(糖尿病黄斑浮腫)第 II/III 相試験

[資料番号:

5.3.5.1-1

,治験番号:

WP0508-4003ST]

WP0508-4003ST 試験は,糖尿病黄斑浮腫を有する患者を対象とした第 II/III 相,多施設共同無

作為化二重遮蔽(評価者遮蔽)並行群間比較試験である。本剤を

94 例[40 mg 群(30 例),20 mg

群(

32 例)又は非投与群(32 例)]の被験者の片眼に単回テノン嚢下投与し,有効性,安全性及

び血漿中薬物濃度を検討した。

また,

初回投与後

12 週以降 1 年以内に基準を満たした 37 例[40 mg

群(

8 例),20 mg 群(14 例)又は非投与群(15 例)]の被験者に対し 1~3 回の再投与(延べ 60

回)を行い,有効性,安全性及び血漿中薬物濃度を検討した。

初回投与後

12 週の経過観察の結果,主要評価項目(FAS)において,20 mg 群の投与後 12 週

最終評価時(エンドポイント)の時点で非投与群と比べ統計学的に有意な中心窩平均網膜厚改善

が認められた[

p<0.025(Bonferroni);スクリーニング値を共変量とした共分散分析(以下同様)]。

一方で

40 mg 群では統計学的に有意な改善は認められなかった(p=0.029)。PPS においては,両

群にて有意差が認められた(

p<0.025)。

副次的評価項目である中心窩平均網膜厚及び最高矯正視力の推移(

FAS)においては,40 mg

群,

20 mg 群とも投与後観察期間のいずれの時点(初回投与後 1~12 週)においてもスクリーニ

ング時と比べ有意な改善が認められ,エンドポイントにおける変化量平均は,中心窩平均網膜厚

では

40 mg 群で-97.8±153.20 μm,20 mg 群で-124.1±103.65 μm,最高矯正視力では 40 mg 群で

7.6±6.70 文字改善,20 mg 群で 6.1±8.52 文字改善した。投与後 12 週以降の追跡調査期間において

も,中心窩平均網膜厚では

40 mg 群で初回投与後 9 ヶ月,20 mg 群で初回投与後 12 ヶ月,最高矯

正視力では

40 mg 群,20 mg 群で初回投与後 9 ヶ月時点まで有意な改善が維持された(p<0.05;

対応のある

t 検定)。

再投与における中心窩平均網膜厚(

FAS)において,投与後 12 週の変化量は,40 mg 群で再投

1 回目-55.1±154.41 μm(p=0.381,7 例),再投与 2 回目-50.5±64.88 μm(p=0.114,6 例),再投与

3 回目-2.0±53.74 μm(p=0.966,2 例)であった。20 mg では,再投与 1 回目-41.7±125.64 μm(p=0.236,

14 例),再投与 2 回目-17.0±28.00 μm(p=0.197,6 例),再投与 3 回目で 8.3±52.37 μm(p=0.808,3

例)であった。非投与群(

40 mg)では,再投与 1 回目-108.1±61.88 μm(p<0.001,14 例),再投

2 回目-81.0±73.63 μm(p=0.196,3 例),再投与 3 回目 30.0 μm(1 例)であった。

本剤

40 mg が投与された非投与群を含めて,40 mg 群及び 20 mg のいずれの群においても再投

2 回目まで投与後 12 週における中心窩平均網膜厚の減少がみられ,少数例となった再投与 3

回目においても各症例の中心窩平均網膜厚の推移は初回から再投与

2 回までと同様の推移であっ

たことから,再投与においても本剤による中心窩平均網膜厚の改善効果が維持されていると考え

られた。

再投与における最高矯正視力(

FAS)において,投与後 12 週の変化量は,再投与 1 回目の 20 mg

(11)

10

40 mg 群は明らかな改善がみられなかった。再投与 2 回以降はいずれの群においても明らかな最

高矯正視力の改善がみられなかった。

本試験の再投与を含む全試験期間において,重篤な有害事象が

40 mg 群 3 例(10.0%),20 mg

2 例(6.3%),非投与群 1 例(3.1%),非投与群(40 mg)1 例(6.7%)にみられた。因果関係

が否定されず副作用と判定されたのは

40 mg 群 3 例(10.0%),20 mg 群 1 例(3.1%)であり,い

ずれも水晶体混濁であった。中止に至った有害事象は,非投与群で

1 例(3.1%),再投与 3 回目

40mg 群で 1 例(3.3%)であり,糖尿病性網膜浮腫であった。当該事象はいずれも追跡調査期

間中に軽快が確認され,治験薬との因果関係は否定された。

全試験期間における副作用発現は

40 mg 群 15 例(50.0%),20 mg 群 9 例(28.1%),非投与群 2

例(

6.3%),非投与群(40 mg)2 例(13.3%)であった。いずれかの群において発現率 5.0%以上

となった副作用は,眼圧上昇[

40 mg 群 7 例(23.5%),20 mg 群 5 例(15.6%)] ,水晶体混濁[40 mg

8 例(26.7%),20 mg 群 3 例(9.4%)],後嚢部混濁[20 mg 群 2 例(6.3%)]及び好中球百分率

増加[

20 mg 群 2 例(6.3%)],角膜炎[非投与群(40 mg)1 例(6.7%)]であった。

本剤

20 mg 及び 40 mg をテノン嚢下投与した場合の血漿中薬物濃度は,用量に依存して T

max

長くなる傾向を,

AUC

0-t

は増加する傾向を示し,また,

C

max

においても用量に依存した増加がみ

られた。また,全身からの消失(

T

1/2

)も硝子体内投与の場合と類似し比較的遅い傾向にあり,全

身への吸収量(投与量あたりの

AUC)は他の投与経路(硝子体内投与[

5.3.5.4-1

],筋肉内注射

27)-29)

等)と同程度であると考えられた。眼以外の副作用発現率についても,マキュエイド

®

硝子

体内注用

40mg(WP-0508)と同様であった。

以上より,

20 mg 群にて副作用発現率,血漿中薬物濃度(C

max

)が低かったこと,主要評価項

目である初回投与後

12 週最終評価時(エンドポイント)の中心窩平均網膜厚が非投与群と比較し

て有意に改善(

p<0.025)していたことから,本剤の臨床用量として 20 mg が妥当と考えられた。

1.5.2.3.2 WP-0508ST(RVO)第 III 相試験

[資料番号:

5.3.5.2-1

,治験番号:

WP0508-4004ST]

WP0508-4004ST 試験は,網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫を有する患者を対象とした第 III 相,

多施設共同非遮蔽非対照試験である。

WP0508-4003ST 試験で至適用量とされた本剤 20 mg を用い

50 例の被験者の片眼に単回テノン嚢下投与し,投与後 12 ヶ月までの有効性及び安全性を検討

した。

主要評価項目である投与後

12 週最終評価時(エンドポイント)における中心窩平均網膜厚のス

クリーニング値からの変化量

-150.0±179.12 μm であり,その 95%信頼区間は-200.9~-99.1 μm であ

った。

95%信頼区間の上限値は本剤の有効性の判断として臨床的に意味のある閾値として設定し

-100 μm を下回らなかったものの,その上限は設定した閾値と同程度の結果であることから,

本剤は有効と判断できるものと考えた。

副次的評価項目である中心窩平均網膜厚の推移において,各評価時点のスクリーニング時から

(12)

11

-192.1±155.50 μm,エンドポイント-150.0±179.12 μm であり,いずれの時点でも有意な浮腫改善を

示した[

p<0.001;対応のある t 検定(以下同様)]。

投与後

12 週検査終了後に併用禁止が解除された追跡調査期間の投与後 6 ヶ月,9 ヶ月,12 ヶ月

( い ず れ も

39 例 ) のス ク リ ーニ ン グ時 か らの 中 心 窩平 均 網膜 厚 の変 化 量 はそ れ ぞれ

-217.7±195.81 μm,-235.6±175.79 μm,-244.2±171.99 μm と有意な浮腫改善を示した(p<0.001)。

副次的評価項目であるスクリーニング時からの

ETDRS による最高矯正視力の変化量は,投与

1 週 1.7±8.11 文字,4 週 2.3±6.78 文字,8 週 3.9±7.07 文字,12 週 4.6±8.08 文字,エンドポイン

2.6±9.77 文字であり,投与後 4 週,8 週及び 12 週で有意な文字数の改善がみられた(4 週で p

=0.023,8 週及び 12 週で p=0.001)。

また,

6 ヶ月,9 ヶ月,12 ヶ月(いずれも 39 例)のスクリーニング時からの最高矯正視力の変

化量はそれぞれ

5.4±8.27 文字,6.1±8.35 文字,6.2±8.96 文字であった(いずれも p<0.001)。

投与後

12 ヶ月において重篤な有害事象及び重度の有害事象はみられなかった。投与後 12 ヶ月

における副作用発現は

21 例(42.0%)であった。そのうち発現率 5.0%以上の副作用は,眼圧上昇

7 例(14.0%),結膜充血が 6 例(12.0%),結膜浮腫及び血中コルチゾール減少が各 5 例(10.0%),

血中トリグリセリド増加が

4 例(8.0%)であった。

中止に至った有害事象は,投与後

12 週以内に 7 例(網膜静脈閉塞 4 例,一過性視力低下 2 例,

一過性視力低下及び黄斑浮腫

1 例)の発現がみられた。これらの事象はいずれも現病の悪化とさ

れた。一過性視力低下の

2 例については,それぞれ発現から 21 日後,28 日後に消失が確認され

た。網膜静脈閉塞の

4 例については,発現から 286~331 日後に消失(2 例)又は軽快(2 例)が

確認された。一過性視力低下及び黄斑浮腫の

1 例については発現から 331 日後に消失が確認され

た。

以上より,本剤

20 mg は,有効性においてエンドポイントである中心窩平均網膜厚の変化量の

95%信頼区間の上限値が有効性の判断として臨床的に意味のある閾値として設定した-100 μm と

同程度であること,安全性において臨床的に問題となる有害事象はみられなかったことから,臨

床用量として妥当と考えられた。

1.5.2.3.3 WP-0508ST(非感染性ぶどう膜炎)第 III 相試験(投与後 12 ヶ月までの

結果)

[資料番号:

5.3.5.2-2

,治験番号:

WP0508-4005ST]

WP0508-4005ST 試験は,非感染性ぶどう膜炎に伴う黄斑浮腫を有する患者を対象とした第 III

相,多施設共同非遮蔽非対照試験である。

WP0508-4003ST 試験で至適用量とされた本剤 20 mg を

用いて

40 例の被験者の片眼に単回テノン嚢下投与し,投与後 12 ヶ月までの有効性及び安全性を

検討した。

主要評価項目である投与後

8 週最終評価時(エンドポイント)における中心窩平均網膜厚のス

クリーニング値からの変化量は,

-114.0±144.59 μm であり,その 95%信頼区間は-160.9~-67.1 μm

(13)

12

-50 μm を下回っており,本剤の有効性が確認された。

副次的評価項目である中心窩平均網膜厚の推移において,各評価時点のスクリーニング時から

の変化量は,投与後

1 週-79.5±84.61 μm,4 週-110.3±111.91 μm,8 週-121.5±150.23 μm,12 週

-115.3±115.85 μm,エンドポイント-114.0±144.59 μm であり,いずれの評価時点においても有意な

減少がみられた(いずれも

p<0.001)。

投与後

12 週検査終了後に併用禁止が解除された追跡調査期間の投与後 6 ヶ月後,9 ヶ月後,12

ヶ 月 後 の ス ク リ ー ニ ン グ 時 か ら の 中 心 窩 平 均 網 膜 厚 の 変 化 量 は そ れ ぞ れ

-117.2±135.78 μm

p<0.001),-91.5±132.31 μm(p<0.001),-88.6±127.90 μm(p=0.001)であった。

副次的評価項目である各評価時点のスクリーニング時からの最高矯正視力(

ETDRS)の変化量

(平均値±標準偏差)は,投与後

1 週で 4.9±7.04 文字,4 週で 8.4±7.76 文字,8 週で 10.3±8.32

文字,

12 週で 9.8±8.68 文字,エンドポイントで 9.7±8.19 文字といずれの時点でも有意な視力改

善を示した(いずれも

p<0.001)。投与後 12 週検査終了後に併用禁止が解除された追跡調査期間

の投与後

6 ヶ月後,9 ヶ月後,12 ヶ月後のスクリーニング時からの最高矯正視力(ETDRS)の変

化量はそれぞれ

9.4±7.00 文字,6.2±8.70 文字,7.5±9.51 文字(いずれも p<0.001)であった。

副次的評価項目である炎症スコアは,前房細胞数において,投与後

1 日から 12 週及びエンドポ

イントのいずれの時点においても有意な[いずれも

p<0.001;Wilcoxon の符号付順位和検定(以

下同様)

]炎症の改善が認められ,投与後

6 ヶ月,9 ヶ月,12 ヶ月のいずれの評価時においても前

房細胞数の有意な改善がみられた(

6 ヶ月:p=0.004,9 ヶ月:p=0.010,12 ヶ月:p=0.006)。前房

フレアにおいては,投与後

4 週から 12 週及びエンドポイントにおいて炎症の改善が認められ(4

週,

8 週,エンドポイント:p=0.002,12 週:p=0.008),投与後 6 ヶ月においては 9 ヶ月のみ前房

フレアの有意な改善がみられた(

6 ヶ月:p=0.063,9 ヶ月:p=0.031,12 ヶ月:p=0.125)。

投与後

12 ヶ月において,重篤な有害事象が 4 例(10.0%)にみられた。そのうち因果関係が否

定されず副作用と判定されたのは水晶体混濁

1 例(2.5%)であった。また,重度の有害事象は 3

例(水晶体混濁

1 例,硝子体出血 1 例,上部消化管出血 1 例)であった。

投与後

12 ヶ月における副作用発現は 12 例(30.0%)であった。そのうち,発現率 5.0%以上の

副作用は,眼圧上昇

6 例(15.0%),血中コルチゾール減少 4 例(10.0%)及び水晶体混濁は 2 例

5.0%)であった。

中止に至った有害事象は,投与後

12 週以内に 4 例(10.0%)みられ,現病の悪化とされた硝子

体出血

1 例,黄斑浮腫 1 例及び

ベーチェット症候群1 例

と,新規発症とされた筋骨格痛の

1 例であ

った。いずれも軽快又は消失の転帰を確認しており,本剤との因果関係は否定された。

以上より,本剤

20 mg は,有効性においてエンドポイントである中心窩平均網膜厚の変化量の

95%信頼区間が有効性の判断として臨床的に意味のある閾値として設定した-50 μm 以下であった

こと,安全性において臨床的に問題となる有害事象はみられなかったことから,臨床用量として

妥当と考えられた。

(14)

13

本剤の承認申請における臨床データパッケージ(評価資料)として,国内で実施した糖尿病黄

斑浮腫患者を対象とした

WP0508-4003ST 試験の薬物動態,有効性,安全性データ,並びに RVO

患 者 を 対 象 と し た

WP0508-4004ST 試 験 及 び 非 感 染 性 ぶ ど う 膜 炎 患 者 を 対 象 と し た

WP0508-4005ST 試験の有効性,安全性データを主な評価対象とした。糖尿病黄斑浮腫患者を対象

とした硝子体内投与による

WP0508-1001 試験及び WP0508-4002 試験については,参考資料とし

て構成した。

以上より,本剤の糖尿病黄斑浮腫,

RVO 及び非感染性ぶどう膜炎に対するテノン嚢下投与によ

る有効性と安全性が示され,以下の効能・効果を有する新投与経路医薬品として製造販売承認事

項一部変更承認申請するに至った。

(15)

14

予想される販売名

マキュエイド

®

硝子体内注用

40mg

追加が予想される

効能・効果

[テノン嚢下投与]

下記の疾患に伴う黄斑浮腫の軽減

〇糖尿病黄斑浮腫

〇網膜静脈閉塞症

〇非感染性ぶどう膜炎

追加が予想される

用法・用量

[テノン嚢下投与]

通常、本剤

1 バイアルに 1 mL の生理食塩液又は眼灌流液を注入してト

リアムシノロンアセトニド濃度が

40 mg/mL になるように用時懸濁し、

トリアムシノロンアセトニドとして

20 mg(懸濁液として 0.5 mL)をテ

ノン嚢下に投与する。

<用法・用量に関連する使用上の注意>

[硝子体内投与]

【糖尿病黄斑浮腫】

[テノン嚢下投与]

1. 長期投与時の有効性及び安全性は確立していない。長期投与により、

白内障のリスクが高くなるおそれがあることから、継続的な長期投

与は避けること。再投与は、患者の状態をみながら治療上の有益性

が危険性を上回ると判断される場合にのみ、

3 ヶ月以上の間隔をあけ

て行うこと。糖尿病黄斑浮腫に対する硝子体内投与の場合は、トリ

アムシノロンアセトニド粒子の消失を細隙灯顕微鏡等で確認した後

に再投与すること。

2. 臨床試験においては、両眼治療は行われていない。両眼に治療対象

となる病変がある場合は、両眼同時治療の有益性と危険性を慎重に

評価した上で本剤を投与すること。

なお、初回治療における両眼同日投与は避け、片眼での安全性を十

分に評価した上で対側眼の治療を行うこと。

1.5.3 参考文献

1) マキュエイド

®

硝子体内注用

40mg 添付文書 2015 年 1 月改訂(第 5 版)

[資料番号:

5.4-1

2) ケナコルト-A

®

筋注用関節腔内用水懸注

40mg/1mL 添付文書 2015 年 3 月改訂(第 14 版)

[資料番号:

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3) Edelman JL, Lutz D, Castro MR. Corticosteroids inhibit VEGF-induced vascular leakage in a rabbit

model of blood-retinal and blood-aqueous barrier breakdown. Exp Eye Res. 2005;80:249-58.

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リアムシノロン使用状況全国調査結果

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[資料番号:

5.4-10

11) 飯島 裕幸. 網膜静脈分枝閉塞症の治療戦略. あたらしい眼科. 2014;31:1119-24.

[資料番号:

5.4-11

12) 瓶井 資弘. 網膜中心静脈閉塞症の治療戦略. あたらしい眼科. 2014;31:1125-30.

[資料番号:

5.4-12

13) 毛塚 剛司. ぶどう膜炎に合併する黄斑浮腫の治療. 眼科. 2011;53:897-906.

[資料番号:

5.4-13

14) 蕪城 俊克. ぶどう膜炎の最近の治療. 眼科. 2008;50:435-43.

[資料番号:

5.4-14

15) 中村 聡. 免疫抑制薬の現状と今後の可能性. 専門医のための眼科診療クオリファイ 13 ぶど

う膜炎を斬る!

. In:園田康平, 編. 中山書店;2012. p.123-9.

[資料番号:

5.4-15

16) 慶野 博. 分子標的治療薬とぶどう膜炎治療. 専門医のための眼科診療クオリファイ 13 ぶど

う膜炎を斬る!

. In:園田康平, 編. 中山書店;2012. p.130-7.

[資料番号:

5.4-16

17) 慶野 博. リウマチから学ぶ各種抗 TNF 阻害治療薬の使い方とぶどう膜炎への応用. 専門医

のための眼科診療クオリファイ

13 ぶどう膜炎を斬る!. In:園田康平, 編. 中山書店;2012.

p.138-42.

[資料番号:

5.4-17

(17)

16

どう膜炎を斬る!

. In:園田康平, 編. 中山書店;2012. p.143.

[資料番号:

5.4-18

19) Jonas JB, Sofker A. Intraocular injection of crystalline cortisone as adjunctive treatment of diabetic

macular edema. Am J Ophthalmol. 2001;132:425-7.

[資料番号:

5.4-19

20) Ohguro N, Okada A, Tano Y. Trans-Tenon’s retrobulbar triamcinolone infusion for diabetic macular

edema. Grafes Arch Clin Exp Ophthalmol. 2004;242:444-5.

[資料番号:

5.4-20

21) Cardillo JA, Melo LA, Costa RA, Skaf M, Belfort R, Souza-Filho AA, et al. Comparison of

intravitreal versus posterior sub-Tenon's capsule injection of triamcinolone acetonide for diffuse

diabetic macular edema. Ophthalmology. 2005;112:1557-63.

[資料番号:

5.4-21

22) 五味 文. 糖尿病黄斑浮腫に対するトリアムシノロンアセトニドのテノン嚢下投与の有用性

と限界

. 日本糖尿病眼学会誌.2005;10:33-37.

[資料番号:

5.4-22

23) 鳥飼 慶, 馬渡 祐記, 岡元 有己子, 伊藤 康裕, 越山 靖夫, 福島 美紀子, 他. びまん性糖尿

病 黄 斑 浮 腫 ・ 有 硝 子 体 眼 に 対 す る ト リ ア ム シ ノ ロ ン ・ テ ノ ン 嚢 下 注 入 の 効 果

. 臨床眼

.2006;60:533-7.

[資料番号:

5.4-23

24) 直井 信久, 白坂 陽子. 網膜疾患に対するトリアムシノロン局所療法の副作用. あたらしい

眼科

. 2004;21:1035-41.

[資料番号:

5.4-24

25) 中西 頼子, 山本 博之. 黄斑浮腫に対するトリアムシノロンの効果と副作用. あたらしい眼

.2005;22:605-12.

[資料番号:

5.4-25

26) 公益財団法人 日本眼科学会,公益社団法人 日本眼科医会,TA の眼科用製剤早期承認に関す

る要望書

. 2012 年 10 月 16 日.

[資料番号:

5.4-26

27) Kusama M, Sakauchi N, Kumaoka S. Studies of plasma levels and urinary excretion after

intramuscular injection of triamcinolone acetonide. Metabolism. 1971;20:590-6.

[資料番号:

5.4-27

28) Döppenschmitt SA, Scheidel B, Harrison F, Surmann JP. Simultaneous determination of

triamcinolone acetonide and hydrocortisone in human plasma by high-performance liquid

chromatography. J Chromatogr. B. 1996;682:79-88.

[資料番号:

5.4-28

29) Blauert-Cousounis SP, Ziemniak JA, McMahon SC, Grebow PE, Horaham PA. The pharmacokinetics

(18)

17

Clin Immunol. 1989;83:221.

(19)

1

医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請書

添付資料

CTD 第 1 部(資料概要)

1.6 外国における使用状況等に関する資料

わかもと製薬株式会社

(20)

2

外国において,「マキュエイド

®

硝子体内注用

40mg」は硝子体手術時の硝子体可視化及び糖尿

病黄斑浮腫の治療薬として韓国で承認されている(

2016 年 3 月現在)。なお,韓国では,

韓ハン美ミ薬 品株式会社

によって医薬品承認申請がなされ,承認された。外国における承認状況を表

1.6-1 に示

す。

1.6-1 外国における承認状況

国名 承認状況 韓国 販売名: マカイド注 製造販売会社: 韓美薬品株式会社 登録番号: 第5018 号(医薬品,輸入品) 承認日: 2015 年 1 月 30 日 剤形・含量: 用時懸濁して用いる注射剤(バイアル) トリアムシノロンアセトニド40 mg を含有する 効能・効果: 硝子体手術時の硝子体可視化 糖尿病黄斑浮腫 用法・用量: 硝子体手術時の硝子体可視化: 1 バイアルに 4 mL の生理食塩液又は眼灌流液を注入してトリ アムシノロンアセトニドの濃度が10 mg/mL になるよう用時懸濁 し,トリアムシノロンアセトニドとして0.5~4 mg(懸濁液とし て0.05~0.4 mL)を硝子体内に注入する。なお,患者の状態等に 応じてトリアムシノロンアセトニドの濃度を増減できるが,最大 で40 mg/mL を超えないようにする。 糖尿病黄斑浮腫: 1 バイアルに 1 mL の生理食塩液又は眼灌流液を注入してトリ アムシノロンアセトニドの濃度が40 mg/mL になるよう用時懸濁 し,トリアムシノロンアセトニドとして 4 mg(懸濁液として 0.1 mL)を硝子体内に注入する。

また,同成分となるトリアムシノロンアセトニドの眼科用製剤はアメリカにおいて

2 製品が承

認されており,そのうち,

Alcon Laboratories, Inc.の TRIESENCE が市場に流通し,使用されてい

る。ただし上記両製剤は,用法・用量にテノン嚢下投与が含まれておらず,黄斑浮腫の改善につ

いても効能・効果として承認されていない。他のトリアムシノロンアセトニド眼科用製剤の外国

(21)

3

国名 販売状況

アメリカ 販売名: TRIESENCETM

製造販売会社: Alcon Laboratories, Inc.

登録番号: (NDA) 022223,(NDA) 022048 承認日: 2007 年 11 月 29 日 剤形・含量: 40 mg/mL のトリアムシノロンアセトニド懸濁液 1 mL を含む単回 使用のバイアル瓶 効能・効果: 以下の眼疾患の治療:交感性眼炎,側頭動脈炎,ぶどう膜炎,コ ルチコステロイド類の局所投与に反応しない眼炎症性疾患 硝子体手術時の硝子体可視化 用法・用量: 眼疾患治療用の用量: 推奨される TRIESENCE の開始用量は 4 mg(40 mg/mL 懸濁液 100 µL)であり,以降の用量は治療過程での必要性に応じて決め る。 硝子体手術時の硝子体可視化用の用量: TRIESENCE の推奨用量は 1~4 mg(40 mg/mL 懸濁液 25~ 100 µL)であり,硝子体内に投与する。

(22)
(23)
(24)
(25)
(26)
(27)
(28)
(29)
(30)
(31)
(32)
(33)
(34)

16

処方情報の最重要点

これらの最重要点には,

TRIESENCE

TM

を安全かつ効果的に使用するのに必要な情報のすべては

含まれていない。

TRIESENCE

TM

の完全版処方情報を参照のこと。

TRIESENCE

TM

(トリアムシノロンアセトニド懸濁注射液)

40 mg/mL

米国における最初の承認:

1957 年

効能及び用途

TRIESENCE

TM

は,以下に適応とされるコルチコステロイドである。

以下の眼疾患の治療:交感性眼炎,側頭動脈炎,ぶどう膜炎,コルチコステロイド類の局所投

与に反応しない眼炎症性疾患(

1.1)

硝子体手術時の硝子体可視化(1.2)

用法及び用量

可視化を除くすべての適応に推奨される開始用量は 4 mg(40 mg/mL 懸濁液 100 µL)であり,

以降の用量は治療過程での必要性に応じて決まる。

2.1)

可視化の推奨用量は 1~4 mg(40 mg/mL 懸濁液 25~100 µL)であり,硝子体内に投与する。

2.2)

剤形及び力価

40 mg/mL のトリアムシノロンアセトニド懸濁液 1 mL を含む単回使用のバイアル瓶(3)

禁忌

全身性真菌感染症の患者(4)

トリアムシノロン又は本剤の何らかの成分に対して過敏な患者(4)

警告及び使用上の注意

TRIESENCETM は懸濁液であり,静脈内投与すべきではない。(5.1)

眼疾患への影響:白内障,感染症及び緑内障が含まれる。眼圧をモニターすること。(5.1)

視床下部-下垂体-副腎系(HPA)軸抑制,クッシング症候群及び高血糖症について,患者の状

態をモニターし,用量を徐々に減少させること。

5.2)

感染:新たな感染への感受性が増大し,潜伏感染の増悪,播種又は再燃のリスクが増大する。

5.3)

血圧上昇,塩及び水分の貯留並びに低カリウム血症のリスクがある。血圧及びナトリウム,カ

リウムの血清濃度をモニターすること。

5.4)

胃腸穿孔:特定の胃腸障害を有する患者においてリスクが増大する。(5.5)

(35)

17

行動障害及び気分障害:多幸感,不眠症,気分変動,人格変化,憂鬱症及び精神病の可能性が

ある。

5.6)

骨密度の低下:コルチコステロイド療法を長期間受けている患者の骨密度を定期的に測定する

こと。

5.7)

生ワクチン又は弱毒化生ワクチン:コルチコステロイド類による免疫抑制療法を受けている患

者に接種してはならない。

5.8)

発育及び成長に対する悪影響:コルチコステロイド療法を長期間受けている小児患者をモニタ

ーすること。

5.9)

妊婦における使用:妊娠初期に使用すると,胎児への害が生じ得る。(5.10)

体重増加:食欲亢進が生じることがある。(5.11)

有害事象と疑われるものを報告するには,

Alcon Laboratories Inc.(1-800-757-9195)あるいは FDA

1-800-FDA-1088 又は www.fda.gov/medwatch)に連絡されたい。

薬物との相互作用

抗血液凝固薬:抗血液凝固作用を増強又は低下させることがある。血液凝固指数を測定するこ

と。

7)

抗糖尿病薬:血中グルコース濃度を上昇させることがある。抗糖尿病薬の用量調整が必要にな

る場合がある。

7)

CYP 3A4 誘導物質又は阻害物質:それぞれコルチコステロイド類のクリアランスを増大又は

低減させる。用量調整が必要になることがある。

7)

アスピリン及びサリチル酸塩を含む非ステロイド性抗炎症薬類(NSAIDS):胃腸への副作用

のリスクを増大させる。

7)

17 節の患者に対するカウンセリング情報を参照のこと。

改訂日:

2007 年 11 月

(36)

18

完全版処方情報:目次

*

1 効能及び用途

1.1 眼疾患

1.2 硝子体手術時の硝子体可視化

2 用量及び投与

2.1 眼疾患治療用の用量

2.2 硝子体手術時の硝子体可視化用の用量

2.3 投与の準備

2.4 投与

3 剤形及び力価

4 禁忌

5 警告及び使用上の注意

5.1 眼病に対する効果

5.2 内分泌機能の変化

5.3 感染関係のリスク増大

5.4 心血管機能/腎機能における変化

5.5 胃腸障害を有する患者における使用

5.6 行動障害及び気分障害

5.7 骨密度の低下

5.8 ワクチン接種

5.9 発育及び成長に対する影響

5.10 妊婦における使用

5.11 体重増加

5.12 神経筋への作用

5.13 カポジ肉腫

6 有害事象

7 薬物との相互作用

8 特定個体群における使用

8.1 妊婦

8.3 授乳期間中の母親

8.4 小児における使用

8.5 高齢者における使用

11 処方

(37)

19

12 臨床薬理学

12.1 作用機序

12.3 薬物動態

13 非臨床毒物学

13.1 発癌性,変異原性,受胎障害

13.2 動物における毒物学及び/又は薬理学

16 供給形態,保管方法及び取扱い方法

17 患者に対するカウンセリング情報

*:完全版処方情報から削除された項目は記載されていない。

(38)

20

完全版処方情報

1 効能及び用途

1.1. 眼疾患

TRIESENCE

TM

(トリアムシノロンアセトニド懸濁注射液)

40 mg/mL は,以下に適応とされる。

交感性眼炎

側頭動脈炎

ぶどう膜炎

局所コルチコステロイド類に反応しない眼炎症性疾患

1.2. 硝子体手術時の硝子体可視化

TRIESENCE

TM

は,硝子体手術時の硝子体可視化に適応とされる。

2 用量及び投与

2.1. 眼疾患治療用の用量

推奨される

TRIESENCE

TM

の開始用量は

4 mg(40 mg/mL 懸濁液 100 µL)であり,以降の

用量は治療過程での必要性に応じて決まる。

2.2. 硝子体手術時の硝子体可視化用の用量

TRIESENCE

TM

の推奨用量は

1~4 mg(40 mg/mL 懸濁液 25~100 µL)であり,硝子体内に

投与する。

2.3. 投与の準備

厳密な無菌化技術が必須である。使用前に,

10 秒間バイアル瓶を激しく振り,懸濁液を確

実に均質にする。懸濁液の凝集すなわち粒子の状態(粒子の凝集)を確認してから懸濁液

を吸引する。凝集は,冷凍温度にさらされると生じ,その状態の製品は使用しない。注射

器内での固着を回避するため,吸引後は

TRIESENCE

TM

を直ちに注入する。血管内への注

入又は感染を生じる可能性のある微生物の取り込みを回避するため,注意深く作業する。

2.4. 投与

注入操作は無菌状態下で行わなければならず,滅菌手袋,滅菌布,滅菌開瞼器(又は同等

品)を使用することが含まれる。注入前に,適切な麻酔剤及び広域スペクトル殺菌剤を投

与する。

注入後は,眼圧上昇及び眼内炎の有無を確認する。

(39)

21

注入直後に視神経乳頭の血流確認,注入から

30 分後の眼圧測定,注入 2 日後及び 7 日後の

間に細隙灯顕微鏡検査を行う。患者には,眼内炎を示唆する何らかの症状が生じたら直ち

に報告するように指示する。

各バイアル瓶は,片眼の治療のみに使用する。反対側の眼の治療も必要な場合は,新たな

バイアル瓶を用い,滅菌した術野,注射器,手袋,布,開瞼器及び注射針に変えてから,

TRIESENCE

TM

をもう一方の眼に投与する。

3 剤形及び力価

単回使用の

1 mL バイアル瓶には,40 mg/mL のトリアムシノロンアセトニドの懸濁液が含

まれている。

4 禁忌

コルチコステロイド類は,全身性真菌感染症の患者に禁忌である。

トリアムシノロンは,コルチコステロイド類又は本剤に含まれる成分に過敏な患者に禁忌

である。まれな症例として,アナフィラキシー様反応がコルチコステロイド療法を受けた

患者に発生している。

[有害事象,

6 を参照のこと]

5 警告及び使用上の注意

5.1. 眼疾患に対する影響

TRIESENCE

TM

は懸濁液であるため,静脈内投与してはならない。厳密な無菌化技術が必須

である。

感染のリスク

コルチコステロイド類は,感染の徴候を隠してしまうことがあり,コルチコステロイド類

を使用中に新たな感染が生じることがある。コルチコステロイド類を使用すると,局所的

な感染に対する抵抗力が低下又は喪失することがある。コルチコステロイド類は,真菌又

はウイルスによる二次的な眼感染症を促進又は確定化させることがある。コルチコステロ

イド療法の間に感染が生じたら,すみやかに適切な抗菌剤療法で対処すること。感染に関

するリスクの増大

5.3 も参照されたい。

眼圧の上昇

トリアムシノロンアセトニド注入に関係する眼圧上昇は,患者の

20~60%で認められてい

る。眼圧上昇は,視神経を損傷して緑内障につながることもある。眼圧への影響は,注入

後最長

6 ヶ月間持続する可能性があり,通常は局所治療で管理する。積極的な非局所治療

を必要とする患者の割合は低い。眼圧並びに視神経乳頭血流を適切に管理しなければなら

ない。

(40)

22

眼内炎

感染性で培養陽性の眼内炎の発症率は

0.5%である。トリアムシノロンアセトニドを投与す

る場合は,常に適切な無菌化手段を用いるべきである。また,感染症が生じた場合に直ち

に治療できるように,注入後は患者をモニターすべきである。

白内障

コルチコステロイド類の使用により,白内障,特に後嚢下白内障が生じることがある。

眼単純ヘルペス患者

眼単純ヘルペスの患者においては,角膜穿孔の可能性があるため,コルチコステロイド類

を注意深く使用すべきである。活動性の眼単純ヘルペス患者にコルチコステロイド類を使

用してはならない。

5.2. 内分泌機能の変化

長期間投与の場合,視床下部-下垂体-副腎系(

HPA)軸抑制,クッシング症候群及び高血

糖症について,患者の状態をモニターすること。

コルチコステロイド類は,治療終了後に,糖質コルチコステロイド欠乏を生じる可逆性

HPA

軸抑制を誘発する可能性がある。薬剤誘発性の二次性副腎皮質機能不全は,投与量を徐々

に低減することにより最小限にすることができる。この種の二次性機能不全は,治療終了

後数ヶ月間続くことがある。したがって,この期間に何らかのストレスが生じるなら,ホ

ルモン療法を再開すべきである。

コルチコステロイド類の代謝性クリアランスは,甲状腺機能の低下した患者において低下

し,甲状腺機能の亢進した患者において上昇する。これらの患者の甲状腺の状態変化によ

り,用量の調整が必要となることがある。

5.3. 感染に関するリスク増大

コルチコステロイド類は,ウイルス,細菌,真菌,原生動物又は蠕虫による感染を含め,

何らかの病原体による感染関係のリスクを増大させることがある。コルチコステロイド投

与の用量,経路及び期間と特定の感染リスクとがどの程度関係しているかは十分解明され

ていないが,コルチコステロイド類の投与量が増大すれば,感染合併症の発症率が増大す

る。

コルチコステロイド類は,感染のいくつかの徴候をマスクすることがあり,新たな感染に

対する抵抗力を低下させることがある。

コルチコステロイド類は,感染症を増悪させ,感染拡大のリスクを増大させることがある。

活動性結核におけるコルチコステロイドの使用は,結核が爆発的に拡大又は拡大する可能

性があり,かつ適切な抗結核療法と併用して結核の管理に用いられる場合に限定すべきで

ある。

(41)

23

コルチコステロイド類により,免疫のない幼児又は成人において,水痘及び麻疹はより重

篤なあるいは死亡への経過をたどる可能性がある。これらの疾病に感染したことがない幼

児又は成人において,感染防止の注意が特に必要である。患者が水痘に曝露される場合,

水痘帯状疱疹免疫グロブリン(

VZIG)による予防法が適応とされる。患者が麻疹に曝露さ

れる場合は,免疫グロブリン(

IG)の筋肉内投与が適応とされる。水痘が発症したら,抗

ウイルス薬による治療を考慮すべきである。

コルチコステロイド類は,ストロンギロイデス属(線虫)の侵入が既知の又は疑われる患

者において,非常に注意して使用すべきである。このような患者においては,コルチコス

テロイド誘発性の免疫抑制がストロンギロイデス属の過剰感染並びに広範囲にわたる幼期

回遊による拡大へとつながることがあり,重度の腸炎をともなうことが多く,致命的なグ

ラム陰性菌の敗血症をともなう可能性もある。

コルチコステロイド類は,潜伏感染症の再活性化又は増悪のリスクを増大させることがあ

る。コルチコステロイド類を潜伏結核又はツベルクリン反応陽性の患者に処方する場合は,

潜伏結核の再活性化が生じることがあるため,緻密な観察が必要である。長期間のコルチ

コステロイド療法の間には,患者に化学的予防法を施すべきである。

コルチコステロイド類は,潜伏アメーバー症を活性化することがある。したがって,熱帯

地域に住んだ経験がある患者又は原因不明の下痢がある患者においては,コルチコステロ

イド療法を開始する前に,潜伏又は活動性のアメーバー症を排除することが推奨される。

コルチコステロイド類を脳マラリアに使用してはならない。

5.4. 心血管機能/腎機能における変化

コルチコステロイド類は,血圧,塩及び水の貯留,並びにカリウム及びカルシウムの排出

について亢進を引き起こす可能性がある。これらの効果は,大用量での使用の場合を除き,

合成誘導体によっては生じにくい。食事の塩分制限及びカリウムの補給が必要なこともあ

る。高血圧,うっ血性心不全又は腎不全の患者においては,これらの薬剤を注意深く使用

すべきである。

亜急性心筋梗塞における,コルチコステロイド類の使用と左心室自由壁破裂との関係が,

文献で示唆されている。したがって,これらの患者におけるコルチコステロイド類による

療法は,注意深く行うべきである。

5.5. 胃腸障害を有する患者における使用

何らかの胃腸障害を有する患者においては,胃腸穿孔のリスクが増大する。腹膜刺激等の

胃腸穿孔の徴候が,コルチコステロイド類を投与された患者において,マスクされること

がある。

(42)

24

切迫穿孔,膿瘍又は他の化膿性感染症,憩室炎,新鮮腸吻合,並びに活動性又は潜伏性の

消化性潰瘍の可能性があるなら,コルチコステロイド類を注意深く使用しなければならな

い。

5.6. 行動障害及び気分障害

コルチコステロイドの使用が,多幸感,不眠症,気分変動,人格変化,憂鬱症から明らか

な精神病の発現に及ぶ,中枢神経系への効果と関係することがある。また,既存の情緒不

安定又は精神病的傾向が,コルチコステロイド類によって増悪することがある。

5.7. 骨密度の低下

コルチコステロイド類は,いずれもそれらのカルシウム制御に対する効果(すなわち,カ

ルシウムの吸収を低減させ,排出を増大させる)及び骨芽細胞機能の阻害を介して,骨形

成を低減させ,骨吸収を増大させる。タンパク質異化の増大に続発する骨のタンパク質基

質の低減をともなうこのような作用,並びに性ホルモン産生の低減は,幼児及び若者にお

ける骨成長の阻害,また,年齢にかかわりなく骨粗鬆症の発症へとつながることがある。

コルチコステロイド療法開始の前に,骨粗鬆症のリスクが高い患者(すなわち,閉経後の

女性)について特別に考慮する必要があり,長期間のコルチコステロイド療法を受けてい

る患者については,骨密度を測定すべきである。

5.8. ワクチン接種

生ワクチン又は弱毒化生ワクチンの接種は,免疫抑制用量のコルチコステロイド類を投与

されている患者に禁忌である。死菌ワクチン又は不活性化ワクチンは接種可能であるが,

このようなワクチンへの反応は,予測不能である。予防接種は,例えばアジソン病に対す

る補充療法としてコルチコステロイド類の投与を受けている患者において行われる可能性

がある。

コルチコステロイド療法を受けている間,患者は天然痘のワクチン接種を受けるべきでは

ない。コルチコステロイド療法を受けている患者,特に高用量を受けている患者において

は,神経学的合併症の危険及び抗体応答の欠如の可能性から,他の予防接種を開始すべき

ではない。

5.9. 発育及び成長に対する影響

コルチコステロイド類の長期間使用は,幼児の発育及び成長に対して悪影響を及ぼす可能

性がある。長期間のコルチコステロイド療法の際の小児患者の発育及び成長は,注意深く

モニターすべきである。

5.10. 妊婦における使用

トリアムシノロンアセトニドは,妊婦に投与されると,胎児に害を及ぼす可能性がある。

(43)

25

ヒト及び動物における研究は,妊娠初期の間のコルチコステロイド類の使用が口顔裂,子

宮内生育制限及び出生時の体重低下のリスク増大に関係していることを示唆している。妊

娠中にトリアムシノロンアセトニドが使用される又はトリアムシノロンアセトニド使用中

に患者が妊娠した場合,胎児に生じる可能性のある障害について,患者に知らせるべきで

ある[特定個体群における使用,

8.1 を参照のこと]。

5.11. 体重増加

コルチコステロイド類の全身投与により,食欲が増進し,体重が増加することがある。

5.12. 神経筋への作用

比較臨床試験で,コルチコステロイド類が多発性硬化症の急性増悪の解消促進に有効であ

ることが示されているが,比較臨床試験では,コルチコステロイド類が多発性硬化症の最

終的転帰又は自然な経過にどのように影響するかが示されていない。これらの研究では,

顕著な効果を示すには比較的高用量のコルチコステロイド類が必要であることが示されて

いる。

高用量のコルチコステロイド類の使用により,急性筋障害が認められており,その多くは,

神経筋伝達障害(例えば,重症筋無力症)の患者又は神経筋遮断薬(例えば,パンクロニ

ウム)による併用療法を受けた患者に生じている。この急性筋障害は全身化し,眼筋及び

呼吸筋を巻き込み,四肢不全麻痺となることがある。クレアチンキナーゼの亢進が生じる

こともある。コルチコステロイド類の投与中止後,臨床的改善又は回復が認められるまで

数週間から数年を要することもある。

5.13. カポジ肉腫

カポジ肉腫が,コルチコステロイド療法を受けている患者に生じることが報告されており,

たいていは慢性的にコルチコステロイド療法を受けている患者である。コルチコステロイ

ド類の投与を中止すると,臨床的改善が得られる。

6 有害事象

臨床試験は幅広い様々な条件下で行われるため,ある薬剤の臨床試験において認められる

有害事象の発症率を,他の薬剤の臨床試験における発症率と直接比較することはできず,

実際に認められる発症率に反映させることもできない。

様々な濃度のトリアムシノロンアセトニドで治療された

14,000 眼以上を評価した比較臨床

試験及び非対照臨床試験からのデータを含む

300 報の発表論文から,有害事象のデータを

収集した。これらの臨床試験において最も多い投与用量は,一次療法又は補助療法として

トリアムシノロンアセトニド

4 mg であり,主に単回注入としてであった。

トリアムシノロンアセトニド注入後に最も多く報告された有害事象は,眼圧の上昇及び白

内障の進行であった。これらの事象は患者の

20~60%に生ずると報告されている。

(44)

26

より少ない有害事象として,眼内炎(感染性及び非感染性)

,前房蓄膿,注入部位反応(視

覚のぼやけ及び一過性不快感とされている)

,緑内障,飛蚊症,網膜色素上皮剥離,視神経

乳頭血管障害,眼感染症,結膜出血及び視力低下が最高

2%発症した。眼球突出の症例も報

告されている。

コルチコステロイド類の全身投与による一般的な有害事象には,体液貯留,耐糖能の変化,

血圧上昇,行動及び気分の変化,食欲増進及び体重増加が含まれる。

コルチコステロイド類の投与にともない発生したと報告された他の有害事象は,以下の通

りである。

アレルギー反応

過敏症反応,アナフィラキシー,血管性浮腫

心血管における有害事象

徐脈,心停止,不整脈,心肥大,循環虚脱,うっ血性心不全,脂肪塞栓症,高血圧,未熟

児における肥大型心筋症,亜急性心筋梗塞に続発する心筋破裂,肺浮腫,失神,頻脈,血

栓塞栓症,血栓性静脈炎,血管炎

皮膚の有害事象

座瘡,アレルギー性皮膚炎,皮膚萎縮及び皮下萎縮,乾燥皮膚,浮腫,顔面紅斑,過剰色

素沈着及び低色素沈着,創傷治癒障害,発汗増大,点状出血及び斑状出血,発疹,無菌性

膿瘍,皮膚線条,皮膚試験に対する反応の抑制,皮膚の菲薄化,薄毛,蕁麻疹

内分泌における有害事象

異常な脂質沈着,炭水化物耐性の低下,クッシング様病態の発現,多毛病,潜在糖尿病の

発現並びに糖尿病におけるインスリン又は経口血糖降下薬の必要量増大,生理不順,満月

様顔貌,二次性の副腎皮質及び下垂体の不反応(特に,ストレス時,外傷,手術,疾患の

場合)

,小児患者における成長の抑制

体液及び電解質の平衡異常

カリウム喪失,低カリウム性アルカローシス,ナトリウム貯留

胃腸における有害事象

腹部膨張,血清中の肝臓酵素濃度の亢進(投与中止時には通常は可逆性)

,肝腫大,慢性吃

逆,倦怠感,悪心,膵炎,穿孔及び大出血の可能性がある消化性潰瘍,潰瘍性食道炎

代謝における有害事象

タンパク質異化による窒素バランス異常

(45)

27

筋骨格における有害事象

大腿骨頭及び上腕骨頭の非感染性壊死,シャルコー様関節症,筋肉量低下,筋力低下,骨

粗鬆症,長骨の病理学的骨折,ステロイド筋障害,腱断裂,脊髄圧迫骨折

神経/精神における有害事象

くも膜炎,けいれん,うつ病,情緒不安定,多幸感,頭痛,通常は治療中止に続発する乳

頭水腫(偽脳腫瘍)による頭蓋内圧の増大,不眠症,髄膜炎,神経炎,神経障害,不全対

麻痺/対麻痺,知覚異常,知覚障害,めまい

生殖機能における有害事象

精子の運動性及び数における変化

7 薬物との相互作用

アムホテリシン

B

アムホテリシン

B とヒドロコルチゾンの併用に心肥大及びうっ血性心不全が続発した症例

が報告されている。カリウム除去薬類を参照のこと。

抗コリンエステラーゼ類

抗コリンエステラーゼ剤とコルチコステロイド類との併用は,重症筋無力症患者における

重度の筋力低下を生じることがある。可能な場合には,コルチコステロイド療法開始の少

なくとも

24 時間前に抗コリンエステラーゼ剤の投与を中止すべきである。

抗血液凝固薬

通常,コルチコステロイド類とワルファリンとを併用投与すると,ワルファリンに対する

反応が阻害されるが,これに相反する報告もいくつかある。したがって,凝固指数を頻繁

に測定して,必要な抗血液凝固効果を維持すべきである。

抗糖尿病薬

コルチコステロイド類は血中グルコース濃度を増大させることがあるため,抗糖尿病薬の

用量調節が必要なこともある。

抗結核薬類

イソニアジドの血清中濃度が低下することがある。

CYP 3A4 誘導物質(例えばバルビツール酸塩類,フェニトイン,カルバマゼピン,リファンピン)

肝臓ミクロソーム薬物代謝酵素活性を誘導する,バルビツール酸塩類,フェニトイン,エ

フェドリン,リファンピン等の薬剤は,コルチコステロイド類の代謝を促進することがあ

り,そのため,コルチコステロイド類の増量が必要になることもある。

(46)

28

CYP 3A4 阻害物質(例えば,ケトコナゾール,マクロライド系抗生物質)

ケトコナゾールは,ある種のコルチコステロイドの代謝を最大

60%低減させ,コルチコス

テロイドの副作用のリスクを増大させることが報告されている。

コレスチラミン

コレスチラミンは,コルチコステロイド類のクリアランスを増大させることがある。

シクロスポリン

シクロスポリンとコルチコステロイド類とを併用すると,双方の活性が上昇することがあ

る。この併用によるけいれんが報告されている。

ジギタリス

ジギタリス配糖体を投与されている患者は,低カリウム血症による不整脈のリスクが増大

することがある。

経口避妊薬を含むエストロゲン類

エストロゲン類は,ある種のコルチコステロイドの肝代謝を低減させてそれらの効果を高

めることがある。

アスピリン及びサリチル酸塩類を含む

NSAIDs

アスピリン又は他の非ステロイド性抗炎症薬とコルチコステロイド類との併用は,胃腸に

おける副作用のリスクを増大する。アスピリンは,低プロトロンビン血症において,コル

チコステロイド類と注意深く併用するべきである。コルチコステロイド類との併用により,

サリチル酸塩類のクリアランスが増大することがある。

カリウム除去薬類(例えば,利尿剤類,アムホテリシン

B)

コルチコステロイド類をカリウム除去薬と併用投与する際は,低カリウム血症が発症しな

いか患者を綿密に観察すべきである。

皮膚試験薬類

コルチコステロイド類は,皮膚試験薬類に対する反応を抑制することがある。

タンパク毒素類並びに生ワクチン類及び不活性化ワクチン類

長期間コルチコステロイド療法を受けている患者は,抗体反応の抑制により,タンパク毒

素類並びに生ワクチン類及び不活性化ワクチン類に対する反応が低下することがある。コ

ルチコステロイド類は,弱毒化生ワクチンに含まれているいくつかの微生物の複製を増強

することもある。

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