Vol.
122
2017.7
CONTENTS
1 定時総会開催 2 五十嵐薫会長あいさつ 3 祝辞 栃木県知事 福田富一 4 祝辞 栃木県議会議長 小林幹夫 6 法定講習会のお知らせ 7 (一財)栃木県宅建サポートセンター 8 (一社)全国賃貸不動産管理業協会 9 紙上研修 13 無料相談日一覧 15 宅地建物取引士資格試験について 17 支部便り 22 (一財)ハトマーク支援機構 23 インフォメーション栃木県宅建協会は創立50周年を迎えました。
ユネスコ無形文化遺産登録 「烏山の山あげ行事」山あげ祭
写真提供:那須烏山市商工観光課 平成29年7月発行 発行人/五十嵐薫 編集人/広報流通委員会 発行所/公益社団法人 栃木県宅地建物取引業協会 公益社団法人 全国宅地建物取引業保証協会栃木本部 〒320-0046 栃木県宇都宮市西一の沢町6番27号地域と暮らしを支える「やりがい」
あなたも宅地建物取引業をはじめませんか?
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全宅連傘下の47都道府県宅建協会に入会している会員業 者は、日本の宅地建物取引業免許を持つ不動産業者13万 社の8割を超える10万社にものぼり、不動産業界最大の会 員数を誇っています。このスケールメリットを活かした豊富 な情報量を始め、会員の皆様に対し様々な業務サポートを 展開しています。宅建協会加入のメリット
1. 全国30万件の物件情報で即、営業スタート
2. 会員専用「全宅住宅ローン」で円滑な融資可能
3. 重要事項説明書・契約書は無料でダウンロード
4. 充実の研修システムで経営バックアップ
5. 全国最大の10万会員組織の業務インフラ・情報ネットワーク
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宅建協会
公益認定事業 【不動産キャリアパーソン】とは公益社団法人
全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)
不動産取引実務の基礎知識修得を目的とした通信教育資格講座。 宅建業従事者の方なら、修了試験合格後、全宅連に申請すると 「不動産キャリアパーソン」として資格登録されます。 資格は宅地建物取引業 従事者にのみ授与全宅連)
資 従 [不動産キャリア]サポート研修制度 全宅連からのお知らせ 佐藤まり江さん テキスト+ Webで 学習 不動産キャリアパーソン 〔お問合せ〕 全宅連 広報研修部 TEL 03-5821-8112 (平日9:00~17:00) 〔お申込み〕 全宅連ホームページまたは所属の宅建協会へ 〔お問合せ〕 全宅連 広報研修部 TEL 03-5821-8112 (平日9:00~17:00) 〔お申込み〕 全宅連ホームページまたは所属の宅建協会へ 〔お問合せ〕 全宅連 広報研修部 TEL 03-5821-8112 (平日9:00~17:00) 〔お申込み〕 全宅連ホームページまたは所属の宅建協会へ 受講料 ①宅建協会会員、その従業者:8,000円(税別) ②その他:12,000円(税別)定時総会開催
(公社)栃木県宅地建物取引業協会・(公社)全国宅地建物取引業保証協会栃木本部「定時総会」 が去る5月26日(金)ホテル東日本宇都宮で開催され、全議案原案通り可決承認されました。 当日は福田富一栃木県知事、小林幹夫県議会議長から祝辞をいただき、全議案滞りなく無事終了 したことをご報告いたします。(公社)栃木県宅地建物取引業協会
第51回定時総会
[報告事項] 報告事項1 平成28年度事業報告の件 報告事項2 平成29年度事業計画の件 報告事項3 平成29年度収支予算の件 [決議事項] 第1号議案 平成28年度収支決算承認の件 平成28年度監査報告 第2号議案 役員の報酬に関する規程の一部改正(案) 及び役員報酬限度額(案)承認の件(公社)全国宅地建物取引業保証協会栃木本部
第45回定時総会
[報告事項] 報告事項1 平成28年度事業報告の件 報告事項2 平成28年度決算報告の件 平成28年度監査報告 報告事項3 平成29年度事業計画の件 報告事項4 平成29年度収支予算の件平成29年度公益社団法人栃木県宅地建物
取引業会、(公社)全国宅地建物取引業保証
協会栃木本部、定時総会を迎え、事業案件
にご異議なくご承認いただきましたこと
は、誠に感謝に堪えません。今宅建業の業
界事情は、安穏としている時ではありませ
ん。社会現象の時代の流れが変革を求め、
時流はすでに変化しているのです。180度旋
回と解していますが、これは急速な人口減
少、工場海外移転、ロボット雇用化など転
入人口減少、一番は大手や全国展開の同業
者が地方の隅々まで網羅した営業地戦略に
あると考えます。ネット化の影響ですね。
総会では、併せて、昨年開設された(一財)
栃木宅建サポートセンターの事業経過、29
年度計画について報告をさせていただきま
した。今年度は、会員の皆様の宅建業事業
の収益拡大を会員の皆様に図るということ
でしょう。中小宅建業者の淘汰の時代を迎
えて、持続可能な拡大による安定経営をサ
ポートすること。会員の業態は、さまざま
です。不動産に関する事業とは元々、不動
産を通して総合生活関連産業です。関連商
品の取り扱いなど戦術化していき、極めつ
けは不動産管理業務を宅建業に取り入れる
ことです。今の業態を変える救世主となる
要素を持っています。既存住宅の情況調査
の取り扱いや、契約における民法の改正、
関連法の改正に熟知たる専門知識を備える
ことも大切なときです。
複雑多岐にわたる宅建業界、制限や規制
と考えるのではなく、大きなビジネスチャ
ンスと捉え、躍動飛翔の年、強気な思いで
頑張ります。会員の皆様のご理解、ご支
援、さらに協働のこころの思いで、よろし
くお願い申し上げます。
定時総会を通して考える
公益社団法人 栃木県宅地建物取引業協会 公益社団法人 全国宅地建物取引業保証協会栃木本部五 十 嵐 薫
会 長 本部長公益社団法人栃木県宅地建物取引業協会及
び公益社団法人全国宅地建物取引業保証協会
栃木本部の定時総会の開催に当たり、一言お
祝いを申し上げます。
県宅建協会におかれましては、昭和42年
の設立以来、半世紀にわたり宅地建物取引業
の健全な発展や会員の資質向上に努めてこら
れました。改めて、深く敬意を表します。
貴協会とは、昨年9月、大規模災害時の被
災者の応急住家対策として、「災害時におけ
る民間賃貸住宅の被災者への提供に関する協
定」を締結させていただきました。また本年
5月には、栃木県警察本部からの特殊詐欺事
件に関する不審者情報提供の協力依頼につい
て御了解をいただきました。宅建協会の皆様
には、様々な分野で県の施策に御支援をいた
して、心から感謝申し上げます。
8月には第2回「山の日」記念全国大会、
11月には「とちぎ技能五輪・アビリンピッ
ク2017」を開催いたします。さらに来年春
のデスティネーションキャンペーン、3年後
の東京オリンピック・パラリンピック競技大
会の開催、その2年後の本県開催の国体・全
国障害者スポーツ大会と、大きなイベントが
切れ目なく続きますので、この好機を適確に
捉え、本県の魅力・実力を広く発信し、おも
てなしの機運熟成による観光誘客に積極的に
取り組んで参ります。皆様方におかれまして
も引き続き御支援、御協力を賜りますようお
願い申し上げます。
結びに、宅建協会のますますの御発展と、
御参会の皆様の御健勝・御活躍を心から祈念
祝 辞
栃木県知事福 田 富 一
「公益社団法人 栃木県宅地建物取引業協
会」並びに「公益社団法人 全国宅地建物取
引業保証協会 栃木本部 」の定時総会の開催
に当たり、県議会を代表いたしまして、一言
お祝いの言葉を申し上げます。
貴協会におかれましては、不動産の取引に
関する専門家として、知識と経験そして調査
能力を発揮し、公正な不動産取引の確保及び
業界の健全な発展のために御尽力いただいて
いるところであり、深く敬意と感謝の意を表
する次第であります。
申し上げるまでもなく、宅地や建物といっ
た不動産は、私たちの生活や経済活動の基盤
として重要なものでありますが、近年は、人
口減少や少子高齢化の進展に伴う住宅需要の
減少などにより、「増加する空き家」が社会
問題となりつつあります。
地域における空き家の増加は、管理水準の
低下による「防災・防犯性の低下」「景観の
悪化」といった影響を及ぼし、ひいては地域
の魅力を低下させるおそれもあり、「人も地
域も輝くとちぎ」を目指す本県としても、見
過ごすことのできない問題であります。
こうした中、貴協会は「空き家バンク媒介
に関する協定」を市町と締結するなど、空き
家対策にも取り組まれており、今や地域づく
りに欠かすことのできない存在であります。
県議会といたしましては、安全で快適な、
暮らしやすいとちぎの実現に向け、執行部と
ともに取り組んで参る所存であります。
皆様方におかれましても、今後とも、県民
の快適な住生活の実現、さらに活気あふれる
まちづくりのため、なお一層の御尽力を賜り
ますようお願い申し上げます。
結びに、栃木県宅地建物取引業協会並びに
全国宅地建物取引業保証協会栃木本部のます
ますの御発展と、御参会の皆様方の御健勝・
御多幸を心から祈念いたしまして、お祝いの
言葉といたします。
祝 辞
栃木県議会議長小林幹夫
第228回 第229回 第230回 第231回 第232回 第233回 第234回 第235回 第236回 第237回 平成29年 6月 7日(水) 平成29年 7月13日(木) 平成29年 8月23日(水) 平成29年 9月12日(火) 平成29年10月18日(水) 平成29年11月 7日(火) 平成29年12月 6日(水) 平成30年 1月18日(木) 平成30年 2月 2日(金) 平成30年 3月 7日(水) H29.6.7~ H29.12.6 H29.7.13~ H30.1.12 H29.8.23~ H30.2.22 H29.9.12~ H30.3.11 H29.10.18~ H30.4.17 H29.11.8~ H30.5.6 H29.12.6~ H30.6.5 H30.1.18~ H30.7.17 H30.2.2~ H30.8.1 H30.3.7~ H30.9.6 栃木商工会議所 (県南会場) 栃木県不動産会館 コンセーレ (大ホール) コンセーレ (アイリス) コンセーレ (大ホールA) 栃木県不動産会館 コンセーレ (アイリス) コンセーレ (大ホールA) 県北支部会館 (県北会場) コンセーレ (大ホール) 日 程 会 場 対象者の有効期限 申 込 締 切 日 平成29年 5月 8日(月)まで 平成29年 6月12日(月)まで 平成29年 7月21日(金)まで 平成29年 8月14日(月)まで 平成29年 9月19日(火)まで 平成29年10月10日(火)まで 平成29年11月 6日(月)まで 平成29年12月18日(月)まで 平成30年 1月 9日(火)まで 平成30年 2月 7日(水)まで
法定講習会のお知らせ
平成29年度 宅地建物取引士
●試験合格1年以内の方を除き、宅建士の業務に 従事しようとする方 ●宅建士証の更新をしようとする方(期限の6か月 前から受講できます) 【受講案内請求・お問合せ】(公社)栃木県宅地建物取引業協会
TEL 028-634-5611
宅建協会は法定講習会を
毎月
開催します!
法定講習会はハトマークの
宅建協会で受講しましょう!!
有効期限の
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栃木宅建
検 索㈱宅建ファミリー共済
家財・賠償保険の代理店募集のご案内です
会員様の事務所で保険加入ができます
少額短期保険募集人の資格が必要です
全宅住宅ローン㈱
フラット 35 の商品が取り扱えます
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富士火災海上保険 総代理店制度
年間1契約以上で火災保険等の取扱いができます
各種保険募集の資格が必要となります
㈱ピーシーコネクト
間取りソフトが会員価格で購入できます
とちぎ住宅診断サービス
既存住宅の建物検査
(フラット 35 適合証明検査証明書発行・既存住宅瑕疵保険加入)
建築士(インスペクター)をご案内します
新設事業
CIZ宅建保証(アークシステムテクノロジーズ㈱)
賃貸物件の家賃保証
居住用賃貸・事業用賃貸の家賃保証
希望(全宅ファイナンス㈱)
既存住宅 仕入・リフォーム一括融資
既存住宅 空き家・空き地対策相談センター
消費者相談・アドバイス
TEL028-634-6100
(一財) 栃木県宅建サポートセンター
宅建協会会員様はどうぞご利用ください
手数料
有無あります!
2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 一般社団法人全国賃貸不動産管理業協会 設立 (2011 年3月) 国土交通省 「賃貸住宅管理業者登録制度」 一部改正 (2016 年9月) 会員研修会 開始 (2002 年2月) 契約書等書式 提供 (2004 年5月) 電話法律相談 開始 (2005 年11月) 「賃貸不動産経営管理士」 資格制度 開始 (2007 年10月) 国土交通省 「賃貸住宅管理業者登録制度」 開始 (2011 年12月) 「賃貸不動産管理業務 マニュアル」 発行 (2013 年2月) 「賃貸不動産管理 標準化 ガイドライン」 策定 (2014 年6月) 「全宅管理業務支援 システム」 開始 (2016 年6月) 「賃貸管理業賠償責任保険」 開始 (2001 年5月) 賃貸不動産管理業協会設立 (2001 年5月) 「賃貸不動産管理士」 資格制度 開始 (2003 年9月) 所在地 〒 - 資料請求 賃貸不動産管理業務マニュアル、 全宅管理フラッグ他計7点贈呈!
全国賃貸不動産管理業協会
一 般 社団法人 全宅管理 〒101-0032 東京都千代田区岩本町2-6-3 全宅連会館5階 TEL.03-3865-7031 全宅管理 で 検 索 事業内容、入会資格等については ホームページでご確認ください。 いますぐ賃貸管理業を行う宅建協会会員をあらゆる事業でサポート!
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●250種類の最新書式ダウンロード(無料) ●弁護士による電話法律無料相談 ●賃貸管理業務に欠かせないサービス・商品を会員価格で ●最新でホットな情報提供 (WEBページ、メール・FAXマガジン、会報誌) ●会員研修会を開催 ●入居のしおり、原状回復冊子等を低価格で賃貸管理のスタンダード
全宅管理は業界最大の組織です
(全宅管理業務支援システム、クラウド型防犯システムカメラ、宅配ボックス、 夜間休日サポートシステム、家財保険、家賃保証etc) (2017年1月達成) 平 成 29 年 度 入 会 特 典 TEL/FAX TEL( ) - FAX( ) - 会社名 担当者名 資料をご希望の方は、このページをコピーして下欄にご記入の上、ファックスでお申込みください。 FAX. 03-5821-7330会 員 限 定
主なサポート事業 宅建協会 新規入会会員“応援プロジェクト”実施中 ◆宅建協会に平成29年度(H29.4.1~H30.3.31)に入会し、1年以内に本会の入会 受付(入金)を完了した方の入会金(2万円)を全額免除します! さらに ハトマークグループ紙上研修
─ 建物の瑕疵 ─
一般財団法人 不動産適正取引推進機構 RETIO105号より売主が悪意の瑕疵につき、瑕疵担保責任期間短縮特約によ
る免責は信義にもとるとして、担保責任を認容した事例
(東京地判 平28・1・27 ウエストロー・ジャパン) 買主が、建物等に瑕疵があるとして、瑕疵 担保責任又は説明義務違反による不法行為に 基づき、売主に損害金等の支払を求めた事案 において、売主が悪意の建物やエレベーター 内の水漏れに関しては、瑕疵担保責任期間短 縮特約の効力を否定して、売主の瑕疵担保責 任を認め、部品交換の必要性が指摘されてい たエレベーターの不具合等については、経年 相当等として瑕疵に該当しないとされた事例 (東京地裁 平成28年1月27日 一部認容 ウエ ストロー・ジャパン)1 事案の概要
平成24年12月23日、X(原告・買主)は、 Y(被告・売主)との間で、本件土地建物に つき、代金2億円余、Yの瑕疵担保責任期間 を引渡しから3か月、また、Yは付帯設備の 瑕疵担保責任を負わないとする売買契約を締 結し、平成25年2月26日に残代金を支払い、 本件土地建物の引渡しを受けた。 本件建物は、鉄筋コンクリート造3階建(平 成2年築)で8戸の専有部分と車庫があり、 Yは3階の301号室に居住していたもので、 売買契約に際し、YはXに、301号室に雨漏り が発生したことはないと告知した。 同年3月9日、Xは、本件建物のクロスや 床等の張替えなどのリフォーム工事を行った 上で、301号室に入居したが、同年4月30日 に出窓天井のクロス張替え箇所に、水による あったことを明かした。 同年5月23日、Xは、エレベーターの点検 業者から、エレベーターの塔内に水漏れが発 生しており、当該雨漏りは遅くとも平成22年 10月から確認されていたこと、平成24年12月 の定期点検の際には、経年劣化による部品交 換の必要性が指摘されていたことを聞いた。 Xは、平成26年1月ころ、23万円余を支出 し、エレベーターの経年劣化していた部品を 交換した。 平成26年1月〜2月に、Xは、210万円を 支出し、301号室の出窓廻りの防水工事、エ レベーター室の補修工事、屋上全体の防水工 事等を、また、301号室の出窓については、 同年6月に再度シミが発生したことから、同 年8月ころ、210万円余を支出し、建物外壁 の補修工事を行なった。 Xは、Yより告知のなかった下記の瑕疵に つき、Yは瑕疵担保責任、又は説明義務違反 による不法行為責任を負うとして、計542万 円余の損害賠償をもとめ提訴した。 ①301号室・エレベーターの水漏れ工事費用 ②エレベーター不具合による部品交換費用等 ③使用期限切れの消火器の取替費用 ④駐車場残置のバイク等の撤去費用 ⑤ 地上波デジタル放送移行に際し設置したアン テナの設置費用。 これに対しYは、瑕疵担保責任期間短縮特 約により除斥期間を経過している、XはYよ最近の判例から
ない、などとしてXの主張を否定した。2 判決の要旨
裁判所は、次のように判示して、XのYに 対する瑕疵担保責任に基づく請求のうち、水 漏れに関しての請求は容認したが、その他の 請求は棄却した。 301号室は、売買契約から間もない平成25 年4月30日に、出窓天井のクロス張替え箇所 に、水によるシミが発生していることが確認 されたのであるから、売買契約時点に水漏れ が発生する瑕疵が存在していたと考えられ、 隠れた瑕疵に当たると認められるから、Yは 瑕疵担保責任を負うべきである。 Yは契約時点に、同水漏れが存在すること を認識していたと考えるのが合理的であるか ら、Yは契約締結に当たり、同室の水漏れの 事実を知りながら、Xに告知しなかったこと になり、Yを瑕疵担保責任の除斥期間を短縮 する期間制限特約により免責することは、信 義に著しくもとるものであり、悪意の売主に つき瑕疵担保責任免責特約の効力を否定する 民法572条の法意に照らし、許されないとい うべきである。 Xは、平成25年4月30日に同水漏れを認識 し、平成25年2月25日に提訴したことから、 Xの請求が除斥期間により妨げられることは ない。また、エレベーターの水漏れが発生す る隠れた瑕疵についても同様である。 エレベーターは、売買契約の当時、経年劣 化により部品交換が必要な状態にあった事実 が認められるが、Xの部品交換前も支障なく 使用できていたことなどを踏まえると、本件 建物の瑕疵に当たるとまでは考え難く、Yの 瑕疵担保責任や説明義務違反が問題となるこ ともないというべきである。 建物内の消火器及び残置物は、建物の一部 でないため、売買契約に基づく瑕疵担保責任 が問題となる余地はなく、一見して認識し得 るので、Yの説明義務違反が問題となるとも 考え難い。また、Xは、地上波デジタル放送 への切替えテスト時、テレビ視聴ができな かった点を瑕疵と主張するが、社会通念上、 損害賠償責任を基礎付ける瑕疵として問題と されるべきものであるとは考えられない。 Xは、エレベーターの水漏れ等の対応に、 屋上全体に防水工事をし、210万円を支出し たが、屋上防水タイルの破損を原因とする漏 水への対処としては必要範囲を超える部分が 含まれると考えられ、屋上全体とエレベー ター部分の割合などにかんがみ、同水漏れと 相当因果関係のある損害額は105万円とみるの が相当である。 また、Xは301号室の水漏れ等の対応にも、 建物外壁の一面全体の補修工事費用210万円 余を支出したが、概ね1/4に当たる54万円 の限度で相当因果関係のある損害とみるべき であり、Xの損害額合計は159万円となる。3 まとめ
本件は、売主が瑕疵を知っているにもかか わらず告げなかった場合の典型的な事例であ り、媒介業者が、売主に売却物件の状況につ いて告知してもらう際に、売主の瑕疵担保責 任を説明するのに参考になると思われる。 また、設備等の瑕疵の判断についても、設 備保守事業者から部品交換が必要との指摘が あっても、それが即瑕疵と言えるものではな く、部品交換前も支障なく使用できたことか ら、経年劣化相当として瑕疵を認めなかった 本件判断は、設備に関する瑕疵について疑義 が生じた際の参考になるものと思われる。 (RETIO 84-85)紙上研修
─ 媒介業者の説明義務 ─
一般財団法人 不動産適正取引推進機構 RETIO105号より会社用建物が建てられないことの説明義務違反があるとする
買主の媒介業者に対する損害賠償請求が否認された事例
(東京地判 平27・11・26 ウエストロー・ジャパン) 購入目的とした会社用建物の建築が不可能 であったため、土地の売買契約を手付解除し た買主が、媒介業者及びその担当者に対し て、用途制限・建築制限に関する適切な説明 をしなかった説明義務違反があるとして損害 賠償請求をした事案において、媒介業者らは 買主の購入目的を、投資用アパートの建築と 聞いており、買主が媒介業者らに対し、会社 用建物を建築する目的であることを具体的に 告げた事実は認められないとして、その請求 を棄却した事例(東京地裁 平成27年11月16 日 判決 棄却 ウエストロー・ジャパン)1 事案の概要
買主X(原告)は、平成26年3月31日、媒 介業者Y1(被告)の媒介により、売主Bとの 間で、本件土地71.68坪につき、売買代金 9500万円として本件売買契約を締結し、手付 金500万円を支払うとともに、仲介手数料305 万円余をY1に払った。 本件土地は、その一部は第一種低層住居専 用地域に、その他の部分は第二種中高層住居 専用地域に指定されており、建築基準法48条 に基づく用途制限・建築制限がされていた。 Xは、本件土地上には、Xが代表取締役で ある有限会社A社の会社用建物を建てること ができないとして、同年4月末日に手付金を放 棄して本件売買契約を解除した。 その後、Xは、本件土地において目的とす 本件土地の建築制限等に関し適切な説明をし なかったため、Xは本件売買契約を解除せざ るを得なくなったとして、Y2に対しては説 明義務違反を理由とする不法行為に基づき、 Y1に対しては使用者責任に基づき、放棄し た手付金500万円、支払済み仲介手数料305万 円余等、計810万円余の損害賠償を求めて提 訴した。 本件裁判において、Xは、「XはY2に対 して、会社用建物の建築用地の紹介しか依頼 していない。Y2の本件紹介に際し、Xは会 社用建物の建築用地として購入することを検 討したいと伝えたところ、Y2は会社用建物 は建築可能と答えている。」などと主張した。 これに対してY2は、「Xからは投資用ア パートを建築する予定と聞いており、会社用 建物を建築する予定とは聞いたことはない。 Xに対しては、これを前提に、建築制限に関 する説明を含め、宅地建物取引業者の従業員 として通常求められる説明をしており、説明 義務違反はない。」と主張した。2 判決の要旨
裁判所は次のとおり判示して、Xの請求を 棄却した。 Y2の説明義務違反の有無についてである が、認定事実によれば、Xは、平成25年9月 中旬ころにY2から投資用の物件として紹介 された本件土地に関し、本件土地の利用方法最近の判例から
用のアパートとする2階建ての建物を建築す る構想を得たのであるから、同時期以降、 Y2も、本件土地の購入検討を通じ、Xが土 地利用の方法の一つとしてA社の移転先とし ての会社用建物を建築するという程度の抽象 的構想を抱くに至ったこと自体は認識してい たということができる。 もっとも、Y2は、平成25年8月17日に、 Xから50坪以上の自宅用の物件又は相続対策 としての投資用の物件を紹介することを依頼 されて以降、Xに対し、自宅用又は投資用の 物件をも複数紹介しており、本件土地に関し ても、1回目の売出しの際には自宅用又は投 資用の物件として、2回目の売出しの際には 投資用の物件として、Xに紹介している。 そして、X自身も、本件土地の1回目の売 出しの際に本件土地の近隣の騒音により自宅 用の物件として購入することは見送り、本件 土地の2回目の売出しの際には、本件土地上 に存在した2棟の建物を引き続き利用したい 旨の意向を有していたことなどからすると、 平成26年3月中旬ころまでは、本件土地を、 投資用の物件として購入することを検討して いたのであり、Xが本件土地に関してA社の 移転先として利用しようという具体的構想を 抱くようになったのは、売主側の要望で本件 土地の更地での引渡しという条件が維持され ることが決まって、XがD税理士に本件土地 に関する税務相談を行うことを決めた同月20 日ころであったと見ることができる。 しかしながら、Xは、同日ころにY2から 居住用建物に係る不動産取得税の軽減に関す る資料の送付を受けその説明をされた際にお いても、Y2に対し、本件土地上に具体的に どのような構造を有する会社用建物を建築す るつもりであるのか、その具体的構想に言及 することはなく、その後も本件売買契約を締 結するまでの間、Y2に対し、上記のような 具体的な建物建築の予定はもとより、本件土 地上に会社用建物を建設する意図も伝えたこ とはなかった。そうすると、本件土地の利用 方法に関する協議以降、XがA社の移転先を も土地利用の一つの選択肢としているという 程度の認識をY2が有していたとしても、 Y2において、当時Xが抱いていた具体的な 会社用建物の建築構想を予見することができ なかったといわざるを得ない。 以上によれば、第一種低層住居専用地域及 び第二種中高層住居専用地域においても店舗 や事務所等も一定規模以下であれば建築する 余地があることに照らせば、Y2らが、本件 土地の第一種低層住居専用地域及び第二種中 高層住居専用地域に係る建築基準法上の建築 制限に関し、重要事項説明書の記載事項を説 明するにとどまり、それ以上に具体的な説明 を付加しなかったことをもって、Y2に説明 義務の違反があったということはできない。3 まとめ
本件は、(建築制限について)説明を行っ た媒介業者の社員に説明義務違反があるとし て、買主が社員個人の責任及び宅建業者の使 用者責任を訴追したものであるが、裁判所は、 認定事実を踏まえて、買主の請求を棄却した ものである。 買主は、口頭でのやり取りの中で、社員か ら「会社用建物が建つ」と聞いたと主張した が、裁判所の事実認定では、買主の会社用建 物を前提とする計画は明確には示されていな いと判断された。 宅建業者としては、依頼後に買主の購入・ 利用目的が変わることもあり得ることから、 口頭でのやりとりも含めて、その意向を充分 に確認しながら仲介業務を行うことが肝要で あり、トラブル防止に留意頂きたい。 (RETIO 88-89)無料相談一覧
県央支部
住所:宇都宮市西一の沢町6−27 電話:028−634−5788
県北支部
住所:那須塩原市上厚崎462−5 電話:0287−62−6677
月 日 付 場 所 時 間 平成29年 7月 3(月) 栃木県不動産会館(宇都宮市) 13:30〜15:00 13(木) 〃 13:30〜15:00 21(金) 〃 13:30〜16:00 8月 10(木)3(木) 栃木県不動産会館(宇都宮市)〃 13:30〜15:0013:30〜15:00 23(水) 〃 13:30〜16:00 9月 13(水)1(金) 栃木県不動産会館(宇都宮市)〃 13:30〜15:0013:30〜15:00 22(金) 〃 13:30〜16:00 10月 13(金)3(火) 栃木県不動産会館(宇都宮市)〃 13:30〜15:0013:30〜15:00 23(月) 〃 13:30〜16:00 11月 13(月)2(木) 栃木県不動産会館(宇都宮市)〃 13:30〜15:0013:30〜15:00 22(水) 〃 13:30〜16:00 12月 13(水)1(金) 栃木県不動産会館(宇都宮市)〃 13:30〜15:0013:30〜15:00 22(金) 〃 13:30〜16:00 平成30年 1月 12(金) 栃木県不動産会館(宇都宮市) 13:30〜15:00 23(火) 〃 13:30〜16:00 2月 13(火)2(金) 栃木県不動産会館(宇都宮市)〃 13:30〜15:0013:30〜15:00 23(金) 〃 13:30〜16:00 3月 13(火)2(金) 栃木県不動産会館(宇都宮市)〃 13:30〜15:0013:30〜15:00 23(金) 〃 13:30〜16:00 月 日 付 場 所 時 間 平成29年 7月 4(火) 栃木県不動産会館(那須塩原市) 13:30〜15:30 11(火) 矢板市保健福祉センター2階会議室 13:30〜15:30 21(金) 栃木県不動産会館(那須塩原市) 13:30〜15:30 8月 17(木) さくら市氏家公民館1階第3研修室4(金) 栃木県不動産会館(那須塩原市) 13:30〜15:3013:30〜15:30 23(水) 栃木県不動産会館(那須塩原市) 13:30〜15:30 9月 12(火) 那須烏山市烏山庁舎1階市民室5(火) 栃木県不動産会館(那須塩原市) 13:30〜15:3013:30〜15:30 22(金) 栃木県不動産会館(那須塩原市) 13:30〜15:30 10月 16(月) 矢板市保健福祉センター2階会議室3(火) 栃木県不動産会館(那須塩原市) 13:30〜15:3013:30〜15:30 23(月) 栃木県不動産会館(那須塩原市) 13:30〜15:30 11月 13(月) さくら市氏家公民館1階第3研修室2(木) 栃木県不動産会館(那須塩原市) 13:30〜15:3013:30〜15:30 22(水) 栃木県不動産会館(那須塩原市) 13:30〜15:30 12月 12(火) 那須烏山市烏山庁舎1階市民室5(火) 栃木県不動産会館(那須塩原市) 13:30〜15:3013:30〜15:30 22(金) 栃木県不動産会館(那須塩原市) 13:30〜15:30 平成30年 1月 9(火) 栃木県不動産会館(那須塩原市) 13:30〜15:30 12(金) 矢板市保健福祉センター2階会議室 13:30〜15:30 23(火) 栃木県不動産会館(那須塩原市) 13:30〜15:30 5(月) 栃木県不動産会館(那須塩原市) 13:30〜15:30≪受付方法≫
・
事前に電話予約の上
ご来所ください。尚、文書及び電子メール等での相談は
受け付けておりません。最寄の宅建協会支部までご連絡ください。
県南支部
住所:栃木市大宮町2617−15 電話:0282−27−9088
月 日 付 場 所 時 間 平成29年 7月 4(火) 小山市役所 地下1階相談室 9:00〜12:00 14(金) 佐野市総合福祉センター 13:30〜16:00 19(水) 足利市役所 市民相談室 13:00〜16:00 21(金) 栃木市役所 2階市民相談室 10:00〜12:00 21(金) 栃木県不動産会館(栃木市) 13:30〜16:30 8月 1(火) 小山市役所 地下1階相談室 9:00〜12:00 9(水) 足利市役所 市民相談室 13:00〜16:00 10(木) 佐野市総合福祉センター 13:30〜16:00 18(金) 栃木市役所 2階市民相談室 10:00〜12:00 23(水) 栃木県不動産会館(栃木市) 13:30〜16:30 9月 5(火) 小山市役所 地下1階相談室 9:00〜12:00 8(金) 佐野市総合福祉センター 13:30〜16:00 15(金) 栃木市役所 2階市民相談室 10:00〜12:00 20(水) 足利市役所 市民相談室 13:00〜16:00 22(金) 栃木県不動産会館(栃木市) 13:30〜16:30 10月 3(火) 小山市役所 地下1階相談室 9:00〜12:00 13(金) 佐野市総合福祉センター 13:30〜16:00 18(水) 足利市役所 市民相談室 13:00〜16:00 20(金) 栃木市役所 2階市民相談室 10:00〜12:00 23(月) 栃木県不動産会館(栃木市) 13:30〜16:30 11月 7(火) 小山市役所 地下1階相談室 9:00〜12:00 10(金) 佐野市総合福祉センター 13:30〜16:00 15(水) 足利市役所 市民相談室 13:00〜16:00 17(金) 栃木市役所 2階市民相談室 10:00〜12:00 22(水) 栃木県不動産会館(栃木市) 13:30〜16:30 12月 5(火) 小山市役所 地下1階相談室 9:00〜12:00 8(金) 佐野市総合福祉センター 13:30〜16:00 15(金) 栃木市役所 2階市民相談室 10:00〜12:00 20(水) 足利市役所 市民相談室 13:00〜16:00 22(金) 栃木県不動産会館(栃木市) 13:30〜16:30 平成30年 1月 12(金) 佐野市総合福祉センター 13:30〜16:00 17(水) 足利市役所 市民相談室 13:00〜16:00 19(金) 栃木市役所 2階市民相談室 10:00〜12:00 23(火) 栃木県不動産会館(栃木市) 13:30〜16:30 2月 6(火) 小山市役所 地下1階相談室 9:00〜12:00 9(金) 佐野市総合福祉センター 13:30〜16:00 16(金) 栃木市役所 2階市民相談室 10:00〜12:00 21(水) 足利市役所 市民相談室 13:00〜16:00 23(金) 栃木県不動産会館(栃木市) 13:30〜16:30 3月 6(火) 小山市役所 地下1階相談室 9:00〜12:00 9(金) 佐野市総合福祉センター 13:30〜16:00 16(金) 栃木市役所 2階市民相談室 10:00〜12:00 22(木) 足利市役所 市民相談室 13:00〜16:00 23(金) 栃木県不動産会館(栃木市) 13:30〜16:30 月 日 付 場 所 時 間 3月 13(火) 那須烏山市烏山庁舎1階市民室2(金) 栃木県不動産会館(那須塩原市) 13:30〜15:3013:30〜15:30 23(金) 栃木県不動産会館(那須塩原市) 13:30〜15:30お 問 合 せ 先 Tel.