プライマリ・ケア
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総合病院における総合内科の役割-羽島市民病院 総合内科
森一郎
1.
総合内科とは?
2.
プライマリ・ケアとは?
病院
熱がある 体がだるい
頭が痛い
・発熱による頭痛
・片頭痛
胃が痛い 胸が痛い 胃が痛いと思っていても原因が 心臓であることがあります。 心筋梗塞 ・急性胃炎 ・胃潰瘍 ・十二指腸潰瘍 ・狭心症 ・心筋梗塞
さまざまな臓器があるため、それに対応して
内科の中でも以下のように様々な科があります。
消化器内科
循環器内科
呼吸器内科
内分泌・糖尿病内科
神経内科
血液内科
膠原病(リウマチ)・アレルギー内科
腎臓内科
総合内科
総合内科の歴史
1976年 天理よろづ相談病院 1981年 川崎医科大学 1986年 佐賀医科大学 2005年 48大学 (国立大学36,公立大学4,私立大学8)1999年3月 岐阜大学 総合内科
2008年4月 羽島市民病院 総合内科
1980年代以降に総合病院に設置
されるようになった歴史的背景①
医学の発展にともなって臓器別専門医が量産された が、医療の有効性、効率性という観点から適正配置 は図られてこなかった。 医療の進歩により専門性が高くなり、診療科がふえて しまったため、医師の数が足らなくなってしまった。消化器内科
循環器内科
呼吸器内科
内分泌・糖尿病内科
神経内科
血液内科
膠原病・アレルギー内科
腎臓内科
総合内科
内科
1980年代以降に総合病院に設置
されるようになった歴史的背景②
医学部卒業直後から狭い分野に偏った医 師が増え医療上のトラブルや弊害が指摘 されるようになった。 専門性が高くなり、特定の疾患しかみていないため 一般的な疾患をあまりみなくなった。 改善策として現在行われている臨床研修制度が 平成16年度から開始となっている。1980年代以降に総合病院に設置
されるようになった歴史的背景③
患者の心理・社会的側面への配慮、一般診療 上頻度の高い症候、病気などに関する教育が 手薄であった。 専門性が高く評価されたため、一般的な疾患への 教育がおろそかになってしまった。総合内科とは
特定の臓器に偏った診療ではなく、プ
ライマリ・ケア、全人的医療を実践す
るとともに、そのような能力を備えた
医師の養成を目的とする。
病気を診るのではなく、その患者の
全体を見て診療をおこなっていく。
プライマリ
とは
、
初期、近接、常在、基本、本来、
といった意味ですが、言葉として
は
プリマ(主役)
からきていると
され、重要なという意味も含んで
います。
ケア
とは
、世話、管理、注意、配慮、
といった意味があります。
プライマリ・ケアとは?
国民の健康や福祉に関わるあらゆる問題を、
総合的に解決して行おうとする、
地域での実践活動
のことです。
3次 2次ケア プライマリケア 健康診断 セルフケア・体力増進・健康教育 環境衛生 入院・治療 外来ケア 地域ケア プライマリヘルスケア
現在の医療システム
3次 2次ケア プライマリケア 健康診断 セルフケア・体力増進・健康教育 環境衛生 入院・治療 外来ケア 地域ケア プライマリヘルスケア
現在の医療システム
診断が困難な場合や、病気がたくさん
あり総合的に治療する必要がある場合
に治療を円滑にする役割があります。
③どんな病気をみているのか?
不明熱の原因
感染症 1.全身性感染症;敗血症、カテーテル菌血症、IE、粟粒結核、マラリア 2.呼吸器感染症;上気道炎、気管支炎、肺炎、胸膜炎、膿胸 3.尿路感染症;腎盂炎、前立腺炎、膀胱炎 4.生殖器感染症;骨盤内臓器感染症、膣炎、尿道炎 5.消化器感染症;下痢性腸炎、胆嚢炎、虫垂炎、腹膜炎 6.中枢神経感染症;髄膜炎、脳炎 7.骨軟部組織感染症;骨髄炎、筋炎、皮下膿瘍 8.AIDSなどに伴う日和見感染 悪性腫瘍 癌、肉腫、白血病、悪性リンパ腫 膠原病・アレルギー 関節リウマチ、血管炎 内分泌疾患 甲状腺機能亢進症、亜急性甲状腺炎、副腎不全 血液疾患 溶血性貧血、顆粒球減少症 中枢神経疾患 脳幹部出血感染症 54% 膠原病 19% 腫瘍 8% 薬剤 5% 遺伝 1% 不明 13%
38℃以上の発熱での入院患者
47歳女性
2月下旬から微熱、排尿痛あり。開業医で尿路感染症
と診断され抗生剤内服してよくなった。しかし3月26日か
ら37度台の
発熱
、
手足むくみ
を認め、4月1日に大学病
院を受診した。
皮疹や四肢の関節痛は見られなかったが、6kgの体重
増加があり、レントゲン、CTで胸水、腹水貯留を認めた。
治療するために同日入院となった。
症例①
伝染性紅斑はヒトパルボウイルスB19が原因です。 主に感染している人が呼吸の際に吐き出した飛沫を 吸うことで広がります。
リンゴ病(伝染性紅斑)
症状は感染してから約4~14日後に現れはじめます。 伝染性紅斑の子供は通常、微熱があり、少し気分が すぐれず、しばしばたたかれた後のようにほおが赤 くなるなどの症状が現れます。 青年期の若者では、関節に軽度 の痛みと腫れが残ったり、数週間 から数カ月の間、これらの症状が 出たり消えたりすることがあります。パルボウイルスB19関節炎
パルボウイルスB19は通常は 小児がかかる病気である。
大学病院でのパルボウイルスB19感染症4例
(2005年2月〜2007年6月)
症例4例全例で、治療はNSAIDS(鎮痛剤)を使用。 症例1 症例2 症例3 症例4 年齢性別 30歳女性 35歳女性 38歳女性 50歳女性 発熱 + + + + 浮腫 + ー + + 関節痛 + + + + 皮疹 + + + ー 周囲の感染者 ー + + ー症例②
16歳男性
2月に1日中続く
発熱を伴った頭痛
を月に数回
認めた。4月には38℃台の発熱と強い頭痛を感
じるようになった。6月に嘔吐を伴った際に他院
入院となったが原因不明であった。発熱・頭痛
に対しては鎮痛剤内服をしたが、効果は一時的
であった。その後症状の頻度は少なくなってい
たが、11月頃より悪化し週に3~4日間発熱と頭
痛を訴えるようになった。2月に大学病院に紹介
となり入院 。
鎮痛剤による髄膜炎を疑い内服中止とした。
内服中止後も発熱が継続したため、特殊な炎症
であると考え、発症年齢と症状から
家族性地中海熱(FMF)
を最も疑い、内服薬
を投与したところ、 発熱も頭痛も消失した。
その後、遺伝子診断で家族性地中海熱と診断。
経過
遺伝子が原因の発熱
漿膜炎・関節炎などを伴う周期的な発熱発作。
誘因なく、突然、胸腹部の激痛とともに高熱で
発症し、1~3日間続いて自然軽快する。
地中海沿岸に好発し、世界では10万人以上の患
者が存在するが、日本人では40例程度しか報告
がない。
10歳までに65%、20歳までに90%の症例が発症
する。
炎症が長期にわたると、続発性アミロイドーシ
スによる慢性腎不全を発症する。
家族性地中海熱
Exon 2: T329C (L110P); hetero
G442C (E148Q); hetero
Exon10: G2082A(M694I); hetero
本人
92 304 421 453 530 578 601 785
Exon 1 Exon 2 Exon 3 Exon 5 Exon 10
SPRY PRY CC B-box PYRIN 1 87 781 変異 allele 頻度(%) 0 10 20 30
MEFV
遺伝子変異
父 Exon 2: T329C (L110P); hetero G442C (E148Q); hetero Exon10: 変異なし 母 Exon 2: 変異なし発熱のなかにも、以上のよ
うな稀なものがあります。
通常の治療で発熱が改善しな
い場合は総合内科受診をお勧
めします。
総合病院における総合内科とは
1.Scientific
all round な医療技術の収得に努力し、更に、最新
の研究成果に基づいたEvidence Based Medicine の実践を心 がける。 2. Sympathetic 良好な医師・患者関係や精神・心理・社会問題に配慮 した全人的医療の実践。そのためには診療充実を計る とともに、救急医療と連携し、幅広い患者さんの要望 に答える。 3. Saving 各専門診療科と密接に連携し、患者・医師双方 にとって時間および労力の負担の軽減をはかる。