平成 28年度
自動車関係諸税に関する要望書
平 成 2 7 年 7 月
自 動 車 総 連
(全日本自動車産業労働組合総連合会)
会 長 相 原 康 伸
目 次
<要望事項>
1.車体課税を抜本的に見直し、簡素化・負担の軽減を図る
1) 自動車取得税を廃止する
2) 自動車重量税の廃止を含めた負担軽減措置を講ずる
3) 自動車税・軽自動車税(四輪車等・二輪車)の負担軽減措
置を講ずる
2.燃料課税を抜本的に見直し、簡素化・負担の軽減を図る
1) 「当分の間として措置される税率」(旧暫定税率)を廃止する
2) 複雑な燃料課税を簡素化する
3) タックス・オン・タックスを解消する
はじめに
<自動車産業の位置づけ> 自動車産業は、車両生産・部品製造・販売・輸送・資材調達・部品補修・製造支援・利用 者向けサービスなど様々な関連業種を持つ広大な裾野産業と、日本の全就業人口のおよそ1 割にあたる 547 万人の雇用を抱え、地域経済を支えており、我が国の基幹産業であることは 言うまでもない。 私たち自動車総連は、自動車産業に働く 76 万 7 千人の仲間が結集した産業別労働組合であ り、結成以来 40 年間に亘り、自動車関係諸税の抜本改革に取り組んできた。 <自動車関係諸税の現状> 自動車は国民の生活必需品であるにも関わらず、取得・保有・走行の各段階で複雑且つ過 重な税負担が課せられており、一般財源化による課税根拠の喪失や不条理な二重課税といっ た多くの課題が残されている。そのため、社会保障と税の一体改革にともなう税制抜本改革 法第 7 条に記された「簡素化・負担の軽減及びグリーン化の観点から見直しを行う」に 則っ て、確実な負担軽減措置が講じられなければならない。 <平成 27 年度税制改正> 平成 27 年度税制改正は、昨年に引き続き、私たちが求める「簡素化・負担の軽減」に逆行 するものとなった。自動車取得税廃止の先送りをはじめ、自動車重量税の当分の間税率の残 置は、自動車関係諸税の不条理さを依然として残すものである。また、自動車取得税及び自 動車重量税のエコカー減税基準厳格化や、十分な議論のないまま、自動車税同様に軽自動車 税(四輪車等)への環境性能割導入が明記されるなど、ユーザー負担の軽減には何ら繋がって いない。 <日本経済の状況> 日本経済は、各種経済指標が好転し、消費者物価が明確に上昇に転じる中、長らく続いた デフレから真に脱却できるか否かの転換期を迎えており、経済好循環の実現のためには、個 人消費の活性化が不可欠である。しかしながら平成 27 年度税制改正における車体課税の見直 しは、国民の家計負担を増大させ、国内消費に悪影響を及ぼすことが懸念される。また平成 27 年度は、国内新車販売が 500 万台を割り込む厳しい見通しであり、不条理な税制改正が繰 り返されるようなことになれば、国内市場の縮小を加速させ、ひいては雇用の喪失に繋がる ことが危惧される。 以上を踏まえ、平成 28 年度税制改正において、自動車総連は、自動車関係諸税の「簡素化・ 負担の軽減」の実現に向け、以下内容を要望する。自動車関係諸税見直しの経緯と今後の方向性
【あるべき姿】
~税制抜本改革法第 7 条~(平成 24 年 8 月 10 日、社会保障・税一体改革に伴い成立) 政府は、社会保障・税一体改革大綱に記載された消費課税、個人所得課税、法人課税、資産 課税その他の国と地方を通じた税制に関する抜本的な改革及び関連する諸施策について、次 に定める基本的方向性によりそれらの具体化に向けてそれぞれ検討し、それぞれの結果に基 づき速やかに必要な措置を講じなければならない。 ~以下一部抜粋~ カ)自動車取得税及び自動車重量税については、国及び地方を通じた関連税制の在り方の見 直しを行い、安定的な財源を確保した上で、地方財政にも配慮しつつ、簡素化、負担の軽減 及びグリーン化の観点から、見直しを行う。【平成 26、27 年度税制改正大綱による見直し内容】
消費税 自動車取得税 自動車重量税 自動車税 軽自動車税 26 年 度 ・ 増税 (5→8%) ・税率引き下げ (5→3%) ・エコカー減税拡充 ・エコカー減税見直し (軽課及び重課) ・ グリーン化特例 基準見直し・ 延長 27 年 度 ・ エコカー減税基 準見直し・延長 ・ エコカー減税基準 見直し・延長 ・ 増税 (四輪車等) 28 年 度 ・ 経年車への 重課(四輪車) ・ 増税 (二輪車) 29 年 度 ・ 増税 (8→10%) ・廃止 ・恒久化 ・ 環境性能割 導入 ・ 環境性能割 導入 (四輪車等)【平成 28 年度以降の方向性】
~平成 27 年度与党税制改正大綱より~ 「消費税率 10%段階の車体課税の見直しについては、平成 28 年度以後の税制改正において具 体的な結論を得る」「税制抜本改革法第7条(平成 24 年 8 月 10 日)に沿いつつ、自動車をめぐ るグローバルな環境や課税のバランス、自動車に係る行政サービス等を踏まえた議論を行う」 負担増 負担減 変化なしユーザー負担増大に繋がる見直しが繰り返されている
1.車体課税を抜本的に見直し、簡素化・負担の軽減を図る
平成 28 年度税制改正では、前述の税制抜本改革法第 7 条に記されている「簡素化・負 担の軽減・グリーン化の観点から見直しを行う」を確実に実現すべく、抜本的な見直しを 実施する。1)自動車取得税を廃止する
自動車取得税は、平成 27 年度与党税制改正大綱において、平成 29 年 4 月の消費税率 10%への引上げ時に廃止されることとなっている。しかしながら、道路特定財源の一般財 源化による課税根拠の喪失や、自動車購入時の消費税との二重課税といった税制上の不 条理さは依然として残っていることから、自動車取得税は、消費税率の引上げに関わら ず平成 28 年 3 月 31 日をもって廃止する。2)自動車重量税の廃止を含めた負担軽減措置を講ずる
平成 27 年度与党税制改正大綱において、自動車重量税は、消費税 10%段階における基 本構造の恒久化の方向性が示されているが、道路特定財源の一般財源化により、課税根 拠が喪失しており、税法上の不条理さは解消されていない。自動車重量税は本来、直ち に廃止すべきであるが、平成 28 年度税制改正では少なくとも、当分の間税率を確実に廃 止し、ユーザー負担の軽減に繋げる。3)自動車税・軽自動車税(四輪車等・二輪車)の負担軽減措置を講ずる
・グリーン化特例が、平成 28 年 3 月末で期限を迎えるため、ユーザー負担を増加させ ないための措置を講ずる。 ・軽自動車税は、平成 28 年 4 月から、四輪車の経年車への重課、二輪車の大幅な増税 が予定されているが、国民生活の負担軽減に向け、重課、及び増税を撤回する。 ・消費税 10%段階で導入する方向性が示されている環境性能割について、自動車取得税 の代替財源を自動車に求めることは、何らユーザー負担の軽減に繋がらないばかりか、 税制を更に複雑化するものであり、導入には断固反対する。要
望
事
項
2.燃料課税を抜本的に見直し、簡素化・負担の軽減を図る
自動車ユーザーに対する過剰な税負担が強いられていることからも、未だ残置されてい る「当分の間として措置される税率」の即刻撤廃はもちろんのこと、燃料課税についても 簡素化、負担の軽減を実現しうる抜本見直しを実施する。1)「当分の間として措置される税率」
(旧暫定税率)は廃止し、負担の軽減を図る
平成 21 年度の旧道路特定財源の一般財源化によって、課税根拠は既に喪失しているに も関わらず、暫定税率の廃止後も「当分の間として措置される税率」として残置され、 実質的負担は軽減されていない。「当分の間として措置される税率」については、直ちに 廃止し、負担の軽減を図る。2)複雑な燃料課税を簡素化する
現行の燃料課税は、油種毎に税率が異なること、税の納付先が国または地方と様々で あり、その徴収方法も蔵出し課税、給油所での課税など取り扱いが異なり、非常に複雑 であるため、整理統合を行うべきである。整理統合にあたっては、現行の燃料課税を全 て廃止した上で負担の軽減となる燃料税(仮称)に一本化する。3)タックス・オン・タックスを解消する
燃料課税の抜本的な改革を行ううえでは、現状のガソリン税(揮発油税+地方揮発油) および石油ガス税に対しても消費税を課しているタックス・オン・タックスを解消する。 以上資料①自動車ユーザーに課せられている不条理且つ過重な税負担 消費税 自動車税・軽自動車税 地方揮発油税 消費税 軽油引取税 取得段階 保有段階 走行段階 自動車取得税 自動車重量税 揮発油税 石油ガス税 車体課税 燃料課税 資料②燃料課税に課せられている本則以上の税負担 本則税率 当分の間税率 現在の税率 揮発油税 24.3円/ℓ 24.3円/ℓ 48.6円/ℓ 2.0倍 地方揮発油税 14.4円/ℓ 10.8円/ℓ 15.2円/ℓ 1.2倍 軽油引取税 15.0円/ℓ 17.1円/ℓ 32.1円/ℓ 2.1倍 石油ガス税 17.5円/kg ー 17.5円/kg ー 消費税(燃料) ー 燃 料 課 税 8% 本則税率との比較 (増税率) 資料③平成 27 年度租税総収入の税目別内訳並びに自動車関係諸税の税収額(当初) 注 1:租 税総 収 入内 訳の消 費 税収は自動 車関 係 諸税 に含まれる消費 税を除く。 注 2:自動 車 関係 諸 税の消 費税 収(自 動 車 整備 含む)は日本 自動 車 工 業会 推 定。 注 3:消 費税 収には地 方 消費 税 収を含む。 [日本 自 動車 工 業会 調べ] 取 得 ・ 保 有 ・ 走 行 の各 段階で課せられる 9 種 類に及ぶ複雑且つ過重 な税を負担している 消費税との二重課税が 依然存続している
資料
国全体の税収の 1 割近くを自動車ユーザーが負担している 当分の間として措置される税が未だ存続、タックス・オン・タックスが継続している 単位:億円資料④自家用乗用車ユーザーの負担額(13 年間) 資料⑤自動車関係諸税(取得・保有段階の車体課税)の国際比較 車 体 課 税 乗用車平均使用年数 13 年の税負担は新車購入価格を大きく上回る 前提 条 件:①1800cc で車 両価 格 180 万 円(税 抜き小 売価 格)の乗 用 車 ②車 両 重量 1.5 トン以 下 ③年間 燃 料消 費 量 1,000ℓ ④重量 税は車 検 証交 付 時または届け時に課 税 (新 車に 限り購入 時に 3 年分 徴 収) ⑤税 率は 2015 年 4 月 1 日 現 在 ⑥消 費 税は 8%で計 算 ⑦リサイクル料金は 1800cc クラスの平均 的 な額 注1:有 料道 路 料金、自 賠 責及びリサイクル料金は自動 車 諸税に準ずる性 格を有するため計算 上 加味した(自 賠責 保 険は 2015 年 4 月 1 日 現在の保険 額) 注2:有 料道 路 料金は 2013 年 度 料金 収 入より日 本 自動 車 工業 会 試算 [日 本 自動 車 工 業会 調べ] 日本の自動車ユーザーは国際的に比較しても重い税負担を課せられている 前提 条 件:①排 気量 1800cc ②車両 重 量 1.5t以下 ③JC08 モード燃費 値 15.3 ㎞/ℓ(CO2 排出 量 152g/㎞) ④車体 価 格 180 万円 ⑤フランスはパリ、米 国はニューヨーク市 ⑥フランスは課税 馬力 8 ⑦13 年 間 使用(平 均使 用 年数:自 検協データより)⑧為替レートは1€=\140、1£=\181、1$=\111(2014/4~2015/3 の平均) 注:1.2015 年 4 月時 点の税 体 系に基づく試 算 2.各 国の環 境 対策 としての税 制 政策 (軽 減措 置 等)は加 味していない。 3.各 国の手 数 料は除く。 4.フランスは 2000 年をもって個 人 所有に 対する自動 車 税は廃 止。 [日本 自動 車 工 業会 調べ] 単位:万円
資料⑥都道府県別自家用車保有台数 平成26年度3月末現在 順位 都道府県 1世帯当り台数 順位 都道府県 1世帯当り台数 順位 都道府県 1世帯当り台数 1 福 井 県 1.743 17 滋 賀 県 1.406 33 鹿 児 島 県 1.142 2 富 山 県 1.709 18 島 根 県 1.397 34 愛 媛 県 1.116 3 山 形 県 1.674 19 岩 手 県 1.397 35 奈 良 県 1.113 4 群 馬 県 1.654 20 秋 田 県 1.385 36 広 島 県 1.109 5 栃 木 県 1.628 21 岡 山 県 1.370 37 高 知 県 1.091 6 岐 阜 県 1.605 22 徳 島 県 1.350 38 福 岡 県 1.082 7 茨 城 県 1.603 23 香 川 県 1.336 39 長 崎 県 1.078 8 長 野 県 1.583 24 宮 城 県 1.310 40 埼 玉 県 1.009 9 福 島 県 1.564 25 熊 本 県 1.307 41 北 海 道 1.007 10 新 潟 県 1.555 26 愛 知 県 1.298 42 千 葉 県 1.006 11 山 梨 県 1.539 27 大 分 県 1.277 43 兵 庫 県 0.921 12 佐 賀 県 1.508 28 沖 縄 県 1.275 44 京 都 府 0.838 13 石 川 県 1.492 29 宮 崎 県 1.265 45 神 奈 川 県 0.736 14 三 重 県 1.464 30 山 口 県 1.227 46 大 阪 府 0.660 15 鳥 取 県 1.444 31 青 森 県 1.224 47 東 京 都 0.461 16 静 岡 県 1.419 32 和 歌 山 県 1.205 全 国 平 均 1.069 ※自家用車とは普通乗用車(3ナンバーの自家用)、小型乗用車(5,7ナンバーの自家用)及び軽自動車(5,7ナンバーの自家用)の合計。 [自動車検査登録情報協会調べ] 資料⑦都道府県別軽四輪車保有台数 平成26年度12月末現在 順位 都道府県 1世帯当り台数 順位 都道府県 1世帯当り台数 順位 都道府県 1世帯当り台数 1 佐 賀 県 1.04 17 香 川 県 0.86 33 石 川 県 0.74 2 鳥 取 県 1.03 18 鹿 児 島 県 0.86 34 栃 木 県 0.74 3 長 野 県 1.02 19 熊 本 県 0.85 35 宮 城 県 0.64 4 島 根 県 1.01 20 福 島 県 0.85 36 広 島 県 0.63 5 山 形 県 1.01 21 高 知 県 0.85 37 奈 良 県 0.58 6 福 井 県 1.00 22 群 馬 県 0.84 38 福 岡 県 0.57 7 沖 縄 県 0.95 23 岐 阜 県 0.84 39 愛 知 県 0.51 8 山 梨 県 0.94 24 三 重 県 0.84 40 兵 庫 県 0.43 9 新 潟 県 0.93 25 大 分 県 0.84 41 京 都 府 0.43 10 宮 崎 県 0.92 26 滋 賀 県 0.81 42 北 海 道 0.41 11 徳 島 県 0.90 27 長 崎 県 0.80 43 千 葉 県 0.41 12 富 山 県 0.89 28 愛 媛 県 0.79 44 埼 玉 県 0.40 13 岩 手 県 0.88 29 青 森 県 0.77 45 大 阪 府 0.28 14 和 歌 山 県 0.88 30 山 口 県 0.76 46 神 奈 川 県 0.22 15 秋 田 県 0.88 31 茨 城 県 0.76 47 東 京 都 0.12 16 岡 山 県 0.87 32 静 岡 県 0.74 全 国 平 均 0.54 [全国軽自動車協会連合会調べ] 自動車は、地方を中心に生活必需品として浸透している
資料⑧新車販売台数推移 資料⑨軽自動車税(四輪等)経年車への重課導入 新規登録から 13 年を経過した軽四輪車にかかる税率を概ね 20%引き上げる。 H27/4以降