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景気は緩やかに減速へ 現状 : 景気は持ち直し 7 月は弱含む指標が散見されたものの 総じてみれば経済の好調は持続 実質小売売上高は所得環境の改善により上向き 民間固定資産投資は企業の景況感が改善するなか持ち直し 輸出も世界経済の回復によって持ち直し傾向にあり 内外需ともに回復が明確化 政府が昨年か

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Academic year: 2021

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中 国 経 済 展 望

2017年9月

調査部 マクロ経済研究センター

http://www.jri.co.jp/report/medium/publication/china/

◆本資料は2017年8月31日時点で利用可能な情報をもとに作成 ◆照会先: 関辰一 (Tel:03-6833-6157 Mail:seki.shinichi@jri.co.jp) 本資料は、情報提供を目的に作成されたものであり、何らかの取引を誘引することを目的としたものではありません。本資料は、作成日時点で弊社が一般に信頼出来ると思われる資料に 基づいて作成されたものですが、情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、情報の内容は、経済情勢等の変化により変更されることがありますので、ご了承ください。

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景気は緩やかに減速へ

5 6 7 8 9 10 11 2014 15 16 17 (%) (年/期) 1人当たり実質可処分所得(年初累計) 実質小売売上高(CPIで実質化) 可処分所得と小売売上高(前年比) (資料)国家統計局を基に日本総研作成 (注)実質小売売上高の直近値は、2017年7月の値 中国 0 5 10 15 20 25 30 4 6 8 10 12 2 4 6 8 10 12 2 4 6 8 10 12 2 4 6 15 16 17 民間固定資産投資<26> 国有企業(含む政府機関)の固定資産投資<15> インフラ投資(除く電力)<9> 不動産開発投資<7> 固定資産投資(年初累計、前年比) (%) (年/月) (資料)国家統計局「民間固定資産投資」 「全国固定資産投資」「全国房地産開発投資和銷售情况」 (注)<>はGDPに占めるシェア、重複計上あり。 ◆現状:景気は持ち直し 7月は弱含む指標が散見されたものの、総じ てみれば中国経済の好調は持続。実質小売売上 高は所得環境の改善により上向き。民間固定資 産投資は企業の景況感が改善するなか持ち直 し。輸出も世界経済の回復によって持ち直し傾 向にあり、内外需ともに回復が明確化。政府が 昨年から景気対策を講じた一方、民間部門や外 需もほぼ同じタイミングで持ち直しに転じたた め、景気が予想以上に上振れた格好。 ◆展望:景気は緩やかに減速 今後を展望すると、景気の下振れよりも過熱 が心配される状況に変化したことから、政府は 再び構造調整の優先度合いを高め、景気過熱に ブレーキをかける見通し。 すでに、小型車減税措置が縮小されたため、 自動車販売台数の増勢は鈍化。当局の意向を映 じて、国有企業の固定資産投資も減速。バブル 抑制のため、金融面では短期市場金利を高めに 誘導。 足許では、政府による住宅市場の過熱抑制策 を受けて、住宅販売の急増に歯止め。7月の住 宅販売床面積(季調値)は、ピークとなった4 月から▲10.5%減少。これは、不動産開発投資 や家電販売の押し下げ要因に。 政府が構造調整の手綱を引き締めるなか、年 後半は景気減速に向かう見通し。もっとも、堅 調な消費拡大を受けて、2017年通年では前年を 若干上回る6.8%成長になる見通し。2018年は 6.4%と減速が鮮明になると予想。 一方、トランプ大統領が中国による知的財産 権侵害の調査を命じるなど、米国は通商面で対 中圧力を強化。中国が対抗措置を打ち出せば報 復合戦に陥る恐れも。これは米中間の貿易・投 資の縮小を招くだけでなく、世界的に保護主義 の拡大を加速させて世界経済の下振れ要因に。 70 80 90 100 110 120 130 140 2012 13 14 15 16 17 (年/月) 世界 <100> 米国 <18> 輸出額(季調値、米ドルベース) (資料)海関総署「貿易統計」を基に日本総研作成 (注1)<>は2016年のシェア。 (注2)BRISはブラジル、ロシア、インド、南アフリカ。 (2012年=100) 80 90 100 110 120 130 140 150 160 170 180 2012 13 14 15 16 17 (年/月) 分譲住宅販売床面積(季調値) 分譲住宅販売床面積(季調値) (2010年=100) (資料)国家統計局「全国房地産開発投資和銷售 情況」、Thomson Reutersを基に日本総研作成

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米国が通商面で対中圧力を強化

中国 ▲ 20 ▲ 15 ▲ 10 ▲ 5 0 5 10 15 20 25 30 2010 11 12 13 14 15 16 17 対中直接投資(年初累計、前年比) (資料)商務部 (%) (年/月) 70 80 90 100 110 120 130 140 2012 13 14 15 16 17 (年/月) 世界 <100> 米国 <18> EU <16> アジア <25> BRIS <6> 地域別輸出額(季調値、米ドルベース) (資料)海関総署「貿易統計」を基に日本総研作成 (注1)<>は2016年のシェア。 (注2)BRISはブラジル、ロシア、インド、南アフリカ。 (2012年 =100) ◆輸出:全地域向けで回復 輸出は、米国向けがいち早く回復したほか、 新興国向け、EU向けも回復。米国は内需主導 で成長ペースが徐々に高まるほか、EUや新興 国の需要も拡大が続く見込み。先行きも輸出は 増加傾向が続く見通し。一方、米国の通商政策 の行方が中国輸出をめぐる最大のリスク要因。 ◆輸入:持ち直し 輸入も増加傾向。とりわけ、米国やEU、日 本からの持ち直しが顕著。中国景気の上振れを 反映した動き。 ◆通商政策:対中圧力を強める米国 8月14日、トランプ大統領は、通商法301条に 基づき、中国による知的財産権侵害の調査を米 通商代表部(USTR)に指示し、18日に調査 を開始。中国で合弁企業を設立する際に、技術 移転を求める中国側の姿勢を米産業界が強く問 題視。加えて、北朝鮮が8月9日にグアム沖へ のミサイル発射計画を発表したことも要因の一 つ。米国は、中国が北朝鮮問題の解決に向けて 役割を十分に果たしていないと批判。 8月14日、中国商務省は国連安全保障理事会 の制裁決議に基づき、北朝鮮からの石炭や鉄鉱 石、水産品などの輸入を15日から全面禁止する と発表。同時に、「通商法301条は、自国優先的 な色彩が濃厚である。中国は積極的な開放政策 を講じており、外資の投資・経営環境を改善す る努力をしてきた」と米国を批判。18日以降、 同様な主張を繰り返している状況。米国が対中 圧力を強化するなか、中国が報復措置を打ち出 せば、報復合戦に陥る可能性も否定できず。 ◆対中直接投資:減少 1~6月の米ドルベースの対中直接投資は前 年同期比▲5.4%。とりわけ、韓国や米国からの 投資が大幅に減少。 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 2012 13 14 15 16 17 (年/月) 世界 <100> NIEs+ASEAN <32> EU <13> 資源国 <11> 日本 <9> 米国 <9> 地域別輸入額(季調値、米ドルベース) (資料)海関総署「貿易統計」を基に日本総研作成 (注1)< >は2016年のシェア。 (注2)資源国はオーストラリア、ブラジル、ロシア、南アフリカ。 (2012年 =100) 0.6 ▲ 5.4 ▲ 11.3 ▲ 43.6 ▲ 50 ▲ 40 ▲ 30 ▲ 20 ▲ 10 0 10 日本 総額 EU 米国 国別対中直接投資(前年比) (資料)商務部 (注)2017年1~6月、人民元ベース。 (%)

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雇用情勢は改善

中国 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 2012 13 14 15 16 17 (%) (年/月) 名目ベース 実質ベース 小売売上高(前年比) (資料)国家統計局「社会消費品零售総額」 (注)CPI上昇率で実質化、1月と2月は1~2月の合計。 ◆個人消費:持ち直し 7月の実質小売売上高は前年同月比9.0%増、 名目小売売上高は同10.4%増。2017年入り後、 個人消費は持ち直し傾向。 この背景には、雇用・所得環境の改善が指摘 可能。総じてみれば、これまで続いてきた企業 のリストラが一服したため、雇用情勢は改善。 企業における人員増強のための賃上げにより、 1~6月の一人当たり実質可処分所得も前年同 期比7.3%増と、2016年の前年比6.3%増を底に 持ち直し。 ◆求人数:2四半期連続でプラス 中国人力資源市場信息監測中心によると、4 ~6月期の全国95都市の公共就業サービス機構 の求人数は前年同期比5.5%増と、2四半期連続 でプラスに。企業活動の活性化で、労働需要が 回復していることを示唆。 業種別にみると、リース・企業向けサービス は、リストラの動きが一巡して同87.3%増と大 幅に拡大。不動産業も、昨年までマイナスが続 いていたものの、今期は同30.8%増。 他方、増加が続いていた金融業では、業務の 見直しが進められ同▲53.0%と大幅に減少。当 局が銀行のリスク管理に対する監督管理を強化 したことが一因に。 ◆自動車販売:年末にかけて駆け込み需要発生 本年初からの小型車減税措置の縮小を受けて 自動車販売台数は急減速していたものの、7月 には前年同月比6.2%増と、持ち直しの動き。 今後を展望しても、本年末に予定される減税 措置終了に向けて駆け込み需要が生じることが 予想されるため、年末にかけて自動車販売台数 は徐々に持ち直す見通し。 ただし、2018年入り後には、減税措置の終了 に伴い再び販売が減少する公算大。 ▲ 20 ▲ 15 ▲ 10 ▲ 5 0 5 10 2012 13 14 15 16 17 (%) (年/期) 都市部の求人数(前年比) (資料)中国人力資源市場信息監測中心「部分都市公共就業服 務機構市場供求状況分析」 ▲ 20 0 20 40 60 80 100 2008 09 10 11 12 13 14 15 16 17 グラフ タイトル 自動車販売台数(前年比) (%) (年/月) (資料)中国汽車工業協会「汽車工業経済運行情況」 を基に日本総研作成 小型車取得税率 10.0% 5.0% 7.5% ▲ 60 ▲ 40 ▲ 20 0 20 40 60 80 100 リー ス ・企 業 向け サ ー ビ ス 不動 産業 鉱業 教育 建設 業 全業種 運輸 ・保 管 業 飲食 ・宿泊 金融 業 業種別の求人数 (%) (資料)中国人力資源市場信息監測中心「2017年第二季部分都 市公共就業服務機構市場供求状況分析」 (2017年4~6月期、前年比)

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製造業の生産活動が拡大

中国 0 5 10 15 20 25 30 4 6 8 10 12 2 4 6 8 10 12 2 4 6 8 10 12 2 4 6 2014 15 16 17 全体<100> インフラ投資(除く電力)<20> 不動産開発投資<17> 固定資産投資(年初累計、前年比) (%) (資料)国家統計局「全国固定資産投資」 (注)<>は2016年のシェア。 (年/月) ▲ 10 ▲ 5 0 5 10 15 2013 14 15 16 17 粗鋼の生産量(前年比) (%) (年/月) (資料)国家統計局「主要工業産品産量」 (注)1月と2月は1~2月の合計。 ◆固定資産投資:減速に歯止め 1~7月の固定資産投資は前年同期比8.3%増 と、2016年通年の前年比8.1%増から小幅に加 速。 内訳をみると、政府が景気てこ入れ策を講じ るなか、インフラ投資と不動産開発投資が、そ れぞれ20.9%、7.9%増と昨年から加速。 これらの結果、関連産業の生産・販売活動は 大きく拡大。7月の主要建機メーカーの油圧 ショベルの販売台数は前年同月の2.1倍に。製造 業を中心とした第2次産業の名目GDP成長率 や鉄道貨物輸送量、電力消費量の伸び率も急上 昇。 ここ2年間大幅にスローダウンした民間固定 資産投資も同6.9%増と持ち直し。医療や娯楽な どの第3次産業のみならず、通信機械や電子部 品、はん用機械などの製造業の設備投資にも回 復の動き。 他方、国有企業の固定資産投資は同11.7%増 と、昨年から減速。景気失速懸念が後退したた め、当局の意向を映じて投資抑制に転じたこと が主因。 ◆工業生産:横ばい 7月の工業生産は前年同月比6.4%増と、伸び 率は横ばい圏内で推移。内外需要の好調持続を 反映。 業種別にみると、はん用機械や電気機械、鉄 金属業の生産拡大が顕著。品目別にみると、産 業用ロボットやノートパソコン、粗鋼などの生 産が大幅に拡大。とりわけ、7月の粗鋼の生産 量は同10.3%増と、伸び率が急上昇。 もっとも、先行き工業生産の伸び率は緩やか に減速する見通し。過剰生産が懸念され始めて いるほか、政府が景気過熱にブレーキをかけて いることから、国内需要が減速に向かうことが 背景。 ▲ 100 ▲ 50 0 50 100 150 200 250 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 油圧ショベル販売台数(前年比) (%) (年/月) (資料)中国工程機械工業協会 (注)主要建機メーカー。 0 2 4 6 8 10 12 2013 14 15 16 17 工業生産(右目盛) 工業生産(前年比) (%) (資料)国家統計局「規模以上工業増加値」 (年/月)

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住宅価格は早晩頭打ちに

中国 ▲ 10 ▲ 8 ▲ 6 ▲ 4 ▲ 2 0 2 4 6 8 10 12 2007 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 (%) (年/月) 消費者物価(CPI) 工業生産者出荷価格(PPI) CPIとPPI(前年比) (資料)国家統計局「居民消費价格」「工業生産者出荷价格」 ◆物価:インフレ率は横ばい圏内 7月のCPIは前年同月比+1.4%と、横ばい 圏内で推移。医療や教育関連のサービス価格が 押し上げ要因となる一方、豚肉の供給拡大に伴 う価格下落が押し下げ要因に。 7月のPPIは同+5.5%と、2カ月連続で横 ばい。鋼材価格が内需拡大を受けて値上がりす る一方、輸入価格の上昇が鈍化。 ◆不動産価格:一段と上昇 7月、主要70都市の平均価格は前月比+0.4% 上昇。70都市のうち、価格が上昇したのは56都 市。これまで、住宅販売が急増を続けてきたこ とが背景。 もっとも、住宅販売は2017年春頃に頭打ち に。住宅価格は住宅販売に半年から1年程度遅 れて変動することを踏まえると、秋の党大会後 には住宅価格が頭打ちとなる見通し。 ◆人民元レート:元高の動き 人民元の対米ドルレートは、1月頃に減価に 歯止めがかかり、足許では元高が進行。 この背景には、資本流出規制の強化、景気減 速懸念の後退、短期市場金利の上昇によって、 資本流出に歯止めがかかったことが指摘可能。 経常収支の黒字も構造的な元高要因として作 用。 足許では、政府が金融機関に対して、対外M &Aに積極的な企業に対する信用リスク調査を 強化するよう要求。これは、対外直接投資によ る資本流出の大きなブレーキ要因に。 資本流出に歯止めがかかったため、中国人民 銀行による元買い・ドル売りの為替介入は一 服。7月末の外貨準備高は3兆807億元と、6カ 月連続で増加。米国側統計をみても、国債保有 額は、6月末に中国が日本を抜いて9カ月ぶり に首位に。 6.0 6.1 6.2 6.3 6.4 6.5 6.6 6.7 6.8 6.9 7.0 10 11 12 13 14 15 16 17 (元/ドル) (年/月/日) <人民元レートの推移>人民元レート●● (資料)Datastream (注)トムソン・ロイター社調べ。 元安 96 101 106 111 116 121 126 80 100 120 140 160 180 200 2012 13 14 15 16 17 (年/月) 主要70都市の新築住宅価格(右目盛) 分譲住宅販売床面積(季調値) ●● 住宅の販売床面積と価格 (2012年 1月=100) (2010年 =100) (資料)国家統計局「全国房地産開発投資和銷售 情況」、Thomson Reutersを基に日本総研作成 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 2014 15 16 17 ●● 外貨準備高 (億ドル) (資料)国家外為管理局 (年/月)

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