Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Sooiety for the Soienoe of Design5
.
社 会
的 研
究
課
題
社
会
的 活 動 を 実
現
す る た め
の方
策
社 会
問 題 を 吸い上 げ,
総 合的
に デ ザ インを考 え
ること を進
め たい.
様
々 な 社会
問 題 が あ る が,
これ をい か に吸
い 上 げ,
自
らの問
題 と して取
り組
み,
提 案
,
解 決
していく
か が重
要 と なっ て く る.
例 え ば
,
情 報 化
,
国 際 化
,
高 齢 化
,
都市 化
な どが最 近
の社
会
問題
と してあ
る.
情 報 化
につ い ては,
画 像 デ ザ インやバー
チ ャ ル リ ア リ ティな ど が デ ザ イン の テー
マ と な ろう
.
ま た国際 化
ではア ジア の デザ イン,
海 外
デザ イン団体
との交 流
な ど,
高 齢 化
で はバ リア フリー
のデザ イ
ンな
どが社 会 的研
究 課 題
とし
てあ
る.
都 市 化
につ い ては,
環 境
問 題 や災 害 と
デ ザ イン,
公 共 空 間
のデザ イ
ンなど
が考 え ら
れ る.
いず れ に し て も
,
この よ う な 社 会 的 課 題 は,
限 ら れ た専
門 分 野に止 ま ること な く広い視 野
で総合 的
に考
える必 要
があ
る.
デザ イン の分 野
は益
々細 分 化
し て,横
の連携
が取 り
にく
い状 況
にあ
る,
デ ザ インと
関 係 す る学 会
や団体
と共同
で活
動 す
るこ と を し たい.
デザ インは 建
築
の分 野
で も同
じ であ
る が,
依 頼
に よっ て仕 事
を する のが一
般 的
であ
る,
し か し,
社 会 的
な責 任
を 果たす
とい っ た観 点
か らす
ると,受
け身
で な く,
主体 的
に能
動 的 に取 り組
む必 要
があ
る.
今
回の災害
でも待
っ てい て はデ ザ イン的解 決
は 先 に進
ま ない.
提 案
型の姿 勢
を強
め,
社 会
に積 極 的
に働 き
かけ
て こそ
,
デ ザ インが社 会 的
に認 知 さ
れる ことにな
る であ
ろう
,
相
互の議論
を継
続
してい る,
今年
度 中
には本 格 的
・
組 織 的
な部 会 活 動
を軌 道
に乗
せ ら れ る見通
しであ る が,
今 回
の春 季
大会
テー
マに関 す
る部 会
全員
の合議
の機 会
を得
ら れ な かっ た た め,
以下
の内 容
は 主査
・
幹 事
を中心
にま と め たも
の であ
るこ と を お断 り し
てお く
.
デ
ジ
タ
ル メ
デ
ィ ア
社 会
に
向
け
た
デ ザ イ
ン
研 究
中村 茂
神
戸芸 術
工科 大学
メ デ ィア& デ ザ イン部
会
舞羅覊 擁 難轣鑛覊 覊覊…
皿
熈瀰・
驪灘 鞣繊驟韈驪 羅覊難鰈灘 灘騾 靉灘 難鑼1 .
は じ め にM
&D
(
Media
andDesign
) 部 会
は,
70
年 代
か らコ ンピュ
ー
タ とデザ インの新 し
い可 能性
の探 究 を続 け
てきた
C
&D
部 会
を発 展 的
に継 承
し,95
年
4
月 に発
足 した最 も新
し い部 会
であ
る.
情 報 化
と デ ジ タル化
のグロー
バ ルな進
展,
産
業 社 会 か ら情 報 社 会
へと
いう
変化
に即
した新
た なステー
ジ のデ ザ イン研
究
の必 要 性
が新
部 会 設
立の趣 旨
であ
る,
現 在
,
発 足
の時 点
で告 知
に応
じて集 ま
っ た約
30 名
の メ ンバー
により構 成
され てお り,
関連
領
域
の広 が り を考
慮
して学
会外
か らの参
加 も 積 極 的 に 歓 迎 し てい る.
発 足後
1
年
間 を経
過 し,
数
回の ミー
ティ ング と 電 子メー
ル に よ る意
見交
換 を 重 ね な が ら,
研 究 領 域
・
テー
マ,
活 動 方 針
・
計
画 に 関す
るメ ンバー
2 .
研
究
課 題
M
&D
部 会
とし
て発 足 し
た当 初
は,
専 門分 野 が異 な
る多 く
の初 対 面
の メ ンバー
による テー
マ設 定
に時 間 を
費
やす
こと
を避
け る た め,
設立 趣 旨
に基
づき幹
事
を
中心
に想
定
して お いた 研 究テー
マを 以 下の よう
に提 示 し,
そ れに基づ いて議
論 を 始 め るこ と と し た,
1
)情 報
イン フ ラ とデザ イン(
サ イバー
スベー
ス デザイ ン〉
社 会
や 生活
に 浸透
でき
る よう
な サ イバー
スペー
スのデ ザ イン
研 究
.
2
)情 報 環境
インフ ラ の使
い方
(
コ ンテン ツ デ ザ イ ン)
バ
ー
チャルな 世 界 と 現実
と をデ ザ イ ンで どう結
ぶ か.
3
) イン ター
フェー
スデ ザ インネッ トワ
ー
ク 型マ ル チ メデ ィ ア環 境
に おけ
る イ ンタ
ー
フェー
ス のあ り方
.
これ
ら
のテー
マ が部 会 と
し て重 要
と考 え
る研 究 課 題
の全
体
の枠
組であ る が,
さ らに具体 的
な 課 題の設定
に向
けて メ ン バー
個々の関
心によ り3
つの グルー
プに分 か れて検 討
を 進 め た.
その過 程の中で現在
,
社 会 的 に も 大 き な 関 心 を 集 め て いるイ
ン ター
ネ
ット
を具 体 的 な研 究 対 象
とし
,
デザ イ ナー
の視 点 か ら見
た問題 点 を検 証 す
る ことを必 要
と考 え
,
ホー
ムペー
ジ,
アイ
コ ン,
イ
ンター
フェー
ス のデザ イ
ン,
情
報
内容
の構
成,
ブラ ウジング・
ナ ビゲー
ショ ンの新 技
術等
に注
目 する ことになっ た.
ま た,
M
&D
部
会自体
も研
究対 象
で ある ホー
ムペー
ジ を開 設
し,
対 外 的
に部 会 活 動
を発 信
し な が ら, その中で イ ン ター
ネッ ト に関 わる デザ イン の実 験
お よび提 案
,
課
題の発 見 を試
みるこ と に した
.
その結
果,
昨 年
12
月 下旬
より筑波 大学
のサー
バを借 り
て部 会
と して の発 足
趣旨
,
活
動
報
告
を 内
容
とす
る ホー
ム ペー
ジ(
http
:〃
vcd.
geijutsu
.
tsukuba.
ac.
jp
/md !md.
html
)
を開
設 し,
今
後
も研
究
テー
マ の紹 介
や部 会 活 動
へ の勧 誘 等
の情 報
を掲 載
していく計
画であ
る,
さら に, こ
う
した イン ター
ネ
ッ トを代 表
例 とす
る デジタ ル メディア に 共 通す
る より基 本 的
な 問 題と
して,従 来
のグ ラフ ィック デ ザ イン,
ビジュ アルコ ミュ ニ ケー
ショ ンデザ
インの範
囲 で は明 確
に意 識
さ れ ず,
充 分 に 体系
化 さ れ て は い な かっ た「
情 報
の デザ イン」
を研 究 課
題に据 え
るこ とにつ いても意 見
が交
わ された,
こ こ で の「
情 報
デザ イン」
と は,
従 来
か ら あ るメディア に特 有
の表
現 技 術
と してのデ ザ イン で は な く,
情 報
が極
めてフ レキシブル な形
をと り う る サ イ バー
スペー
ス において,
特
に理解
を目標
と す るコ ミュ ニ ケー
ショ ンのあ り方
その ものまでを対 象
と す る デ ザ イン と い う意 味 で 捉 え よ う と す る もので あ る.
64SPECIAL
ISSUE
OF
JSSD Vol
,
4 NQ,
2 1996 デ ザ イ ン学研究特 集号Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Sooiety for the Soienoe of Design3
.
社 会 的
活 動
の現 状
発 足 間 もな
いM
&D
部 会
は社 会 的活 動
の第
一
歩
と
して学
会 内
に と どま
ら ず,
広 く関 連 分 野 か らの認 知 を得
ること を 目 指 して,
昨 年11
月にJAGDA
(杜団 法
人日本
グ ラ フイッ ク デ ザ イ ナー
協 会 )
と共 催
で,
研 究
・
実践 両 面 か ら
のデ ジ タル メデ ィ ア デザ インの新
た な可 能性
の方 向 を探
る「
デ ジ タル メ デ ィ ア フ ォー
ラム1995
」 を
開催
し た.
部 会担 当 部
分 と し て「
デジ
タルメディ ア時
代
にお け るデザ イン の フロ ン テ ィ ア」
と 題 す るパ ネル セ ッシ ョ ンを行
い,
イン ター
ネ
ッ トWW
W
の現 状 分 析
と 可能性
,
情 報
デ ザ イン,
イン ター
フェー
スデ ザイ ン,コ ミュ ニ ケー
シ ョ ンデ ザ イン,
デ ザ イン教 育 等
の視
点
か ら,
デ ジ タルメ デ ィ ア・
デ ザ イン に関
す る問
題提 起
を行
っ た,
こ の フォー
ラ ムをJAGDA
と共
に企画
し準 備 す
る過
程
に おい て,
デザ イ ナー
の職 能 団 体
であ
るJAGDA と研 究 組
織
であ
る学 会
との様
々 な相 違 を 感
じ させ ら れ ると同 時 に,
開 か れ た 部会
とし ての社 会 的 位 置 付 け や 活 動 方法
に関 わ る問
題点
を改
めて認識
させ ら れ たことも事実
であ
る.
4
.
今 後
の 社 会 的 活 動 の 計 画
研
究 活動
の方
向
性
を固
めつ つ ある現 在
,
部 会
とし て の成
果 は 未 だ充
分 と はい え ないが,
M
&D
部 会
メ ンバー
は研 究
組 織
とし て単
に内 向 け
の活 動
に専 念 す
る こ と だ け を重 視
し て はい ない,
む
しろ対 杜 会 的
な研 究 成 果
の還 元,
あ るい は社会
的 な貢 献
を直 接 的
な 目標
と す る活 動
の比 重 を高
め,
広 く
デザイ
ン以外
の関連 分 野
とのネ
ット
ワー
ク形 成 を も目指
し た部 会 活 動
の可能
1
生を探
っ ていく
べき
であ
ると
考
え
てい る,
そ う し た 社 会 的 活 動の 中で,
今 後,
部 会 と して実 現 を 目 指 し た計
画 を検 討
してい る ものは 以 下の通 りであ る.
1
)デ ジタ ル メ デ ィ ア にお け
る アイ
コ ン等
の図記 号
の標 準 化 提 案
既 に
家 電 製
品等
で実 施
さ れ ている 図記 号
の標 準
化の デ ジ タル メデ ィ ア版,
2
) インター
ネッ トの デザ イン評 価のた めの調 査
分 析「
情 報
デザ イン」
の視 点
か らの ホー
ム ペー
ジ 画面
・
情 報 構 成
の デザ イン評 価
.
3
) インター
ネ
ッ ト・
デザ イ
ン ミュー
ジア ム(
Virtual
Design
Museum
)
の構 想
デザ イン のデ
ー
タベー
ス の構
築 と その検
索・
閲 覧シ ス テ ム の
実 験
・
提 案
.
5
.
学 会 と して 重 要 と思 わ
れ る社
会
的
活 動
と研
究
課 題
昨 年
か ら今 年
に か けて,
マ ス メディア のあ り方
を根 本 的
に問 直
す 必要
のあ る事 件
が度
重 な り,
一
方 的 に垂
れ 流 され る情 報
公害
と も呼
ぶべ き事 態
の深刻
さ が浮
き彫
りに され た.
イ
ンター
ネ
ッ トの急 激 な広
がり
は,
従 来
のマ ス メ デ ィアか らの脱皮
に期 待
を 寄せ る動き
であ り
,
新
たなメ ディア環 境
の形 成に向 けて激 し く変
動 す る 情 報 技 術に対 す るヒュー
マ ナイ ゼー
シ ョ ンの実 現
は今 後
の デザ イン の最
重要
なテー
マ の一
つ であ
るこ と は疑
い ない.
そ れに伴
い,
産 業 社
会 か ら情
報 社 会
へ の変 化
に見 合
っ たデザ イン概 念
の再 編 成
,
お よ び デ ザ インの社会
的 価値
の再 認 識
が学 会 全 体
と して明き
らか にすべ き研 究 課 題
と なる であ
ろう
.
そう
し た 砺 究 活 動 を 支 えるため に必 要
な社 会
的活 動
とその具 体 的方 策
は未
だ明 確
で はない が,
一
例と して デ ザ イン分 野
以外
の産
・
官
・
学
との よ り積
極 的 な 交 流の拡 大
,
美 術 教 育
に包 含
さ れ た初 等
・
中等
教育
に お け る デ ザ イン教 育
の改 革
へ の働 き
かけ 等
を挙 げ
る こ と がで き るの では ないだろう
か.
わ
か
り や
す
い
デ ザ
イ
ン
古
屋繁
拓 殖大 学
工学部
デザ
イン方法論 部会
E
−
mai1 :sfuruya@
id
.
takushoku−
u.
ac.
jp
雛 覊
…醐
i臣
v 霧鵜 嬲 雛 鏃 雛 鏃 鏃嬲 翳灘DM 部
会
の研 究領 域
を10年前
のも
の を比 較 する と,
当 初 は統
計
的手
法 (
多
変
量解析
)
を 用いた ものが中
心であっ た が,
近 年
はエキスパー
ト シス テム を は じ め,
商 品単 体
を対
象
とし
たも
のか らラ インナッ プ やそ
れ らの変 化
の変 遷
(
モ デル チェ ンジ)を対 象
と した も
のへ と移 り
つ つあ
る。ま た
,
その他にも
インター
フェ イス やマ ル チ メ ディ ア等
,
デ ザ イ ンを と り ま く環境
は大
き く変
貌 しい るこ と を 反 映 して,
ま た 既往
の分 野
におい て も求
め ら れる内容
が変 化
して きてい る ことを示
してい る。そ
して,
他 学 会
に目
を向 け
る と,
まさ
にデザ イ
ン の問 題
と と れるこれ らの領
域,
問 題
に取 り組
ん でいる他 分
野の研究 者
やエ ンジニ ア等 を 目
にす
る ことが
でき
る。
これ らの人々 は,
非 常
に デザ イ
ンに対
して興 味
と 関 心 をも
っ て接
し よう と
し て おり
,
今
ほ ど他 学 会
や公 的 機
関 との 「交 流」
が 望 ま れてい る 時 代はない。
DM
部 会で は,
従 来
か ら あ るデザ イ ナー
自身
の直
感や経 験に託 す 伝 統 的 方法 だ け
では,
これ
らの新
たな
デザ イン領 域
や諸 問題
に アプ ロー
チす
ること
が でき
ないと
いう
問題 意識
に基
づ い て,
客
観 的・
実
証 的方 法 を 導
入す
ることを
目的
と して研 究 活 動
を行
っ て き た。 現在
はデザ イン手 法
の情 報 分 析
や研 究 開発 を
行
っ て い るが,
これ を踏
まえ
て,
将 来
は 認知
科 学 や情 報 科
学
,
美 学 等
,
周
辺学 術
との関連
を みつ け る 現実
的 な 方 法 を も探
っ てい き たい と考
えてい る。こ の よ
う
な状 況 を受 け
て,近 年
はフ ァジィ学 会
との合 同
セ ミナー
の開催
(
1994 年
)等
の活 動 を行
っ てきた
。そ れ
ら を通
し て,
多
くの他 分
野 の 人々が デ ザ インのことあ
るい は デザイン学 会
で研 究
され てい る内 容
を知 り
た がっ てい るこ とがわかっ てき
た。
こ の期待
に こ たえるため には,
デザ イン を デ ザ イ ナー
同 士で は直感
的に わ かり合
える かも し れ ない感 覚 的
な表
現に よ らず,
デ ザ イ ン や デザ イン学
会 をい かに わ か りや す く解 きあ
かす
ことが必 要
であ
る。DM
部
会の立デ ザイン学 研 究 特 集 号 SPECIAL ISSUEOF JSSD Vol