超音波画像を用いた正常膝関節の持続牽引に伴う離開距離の解析
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(2) 2. 理学療法学 第 43 巻第 1 号. Tsuneizumi ら 6)は,人工膝関節置換術後患者の関節 のゆるみを検討するために,70°屈曲位での 10 kg の関 節牽引を行い,その際の離開距離を X 線画像で解析し ている。また,Palhais ら. 7). は,MRI(Magnetic Reso-. 置を用いることとした。 対象および方法 1.対象. nance Imaging:磁気共鳴画像)を用いた関節軟骨の評. 本研究では,膝関節の牽引に伴う離開距離を検討する. 価手法を検討するために,軽度屈曲位での 15 kg の牽引. ための本実験(以下,実験 1)と,牽引に伴う膝関節周. を実施し,離開距離を解析している。ただし,両者の報. 囲筋の活動量の変化を確認するための補足的実験(以. 告. 6)7). は,牽引強度と関節角度の条件が 1 種類であり, 8). 下,実験 2)を行った。. は,牽引強度. 実験 1 の対象は,両膝関節に整形外科的傷害の既往が. 2 水準(5・10 kg)と関節角度 3 水準(30・90・120°屈. ない健常者 42 名(男女各 21 名)とした。対象者の平均. 曲位)を組み合わせた条件で,3 分間牽引した際の離開. 年齢(範囲)は 21.4(21 ∼ 23)歳であり,身長と体重の. 牽引時間に関する記載がない。島田ら. 距離を超音波画像で解析し,10 kg での牽引に伴う離開. 平均値(標準偏差)は,1.67(0.08) m,59.2(8.3) kg だった。. 距離は 5 kg よりも有意に大きく,90°および 120°屈曲. 実験 2 の対象は,右膝関節に整形外科的傷害の既往が. 位での離開距離は,30°屈曲位よりも有意に大きかった. ない健常男性 10 名とした。対象者の平均年齢(範囲). と報告している。ただし,島田らの報告. 8). は,実験肢. 位の設定方法や画像の描出方法の詳細が不明である。 9). は 28.7(24 ∼ 36)歳であり,身長と体重の平均値(標 準偏差)は,1.73(0.05)m,67.8(8.2)kg だった。. では,健常者を対象として,牽引. 本研究は,首都大学東京荒川キャンパス研究安全倫理. 強度 2 水準(100・200 N)と関節角度 7 水準(完全伸. 委員会の承認(承認番号:11002)を得たうえで,対象. 展位・25・35・45・55・70・90°屈曲位)を組み合わせ. 者には,研究の趣旨と方法を説明した後,書面での同意. た条件で,10 秒間牽引した際の離開距離を超音波画像. を得て実験を行った。. 我々の先行研究. で解析した。結果,200 N 牽引時の離開距離は,100 N 牽引時よりも大きいことが示唆された。また,200 N 牽. 2.実験 1. 引時のデータを用いて算出した関節角度と離開距離の関. 1)対象者の群分け. 係を示す回帰式から,最大離開距離となる肢位が 51°屈. 我々の先行研究. 曲位であると推定した。さらに,部位(関節裂隙)と性. を検討するために,100 N と 200 N での牽引を行った。. 別の違いは,離開距離の大きさに影響を及ぼさないこと. 本研究では,より詳しい知見を得るために,100・150・. も確認した。. 200 N の 3 種類を牽引強度の条件とした。 9). 9). では,牽引強度と離開距離の関係. では,牽引強度の条. 実験 1 では,牽引強度の違いを要因として 3 つの群(以. 件が 2 種類だったため,牽引強度と離開距離の詳細な関. 下,100 N 群・150 N 群・200 N 群)を設け,各群に男. 係までは言及できなかった。また,牽引時間と離開距離. 女 7 名ずつを無作為に割りつけた。. の関係には着目しなかった。関節モビライゼーション. 2)実験課題. は,おもに靭帯や関節包などの結合組織を対象として行. 実験課題は,右膝関節 50°屈曲位での右下. しかしながら我々の先行研究. うが. 1)2). ,それらの組織は,伸張力が持続的に付加され. ることで経時的に伸長する特性をもつ 1). 10‒12). 。 ま た,. の長軸方. 向への持続牽引(180 秒間)であり,牽引前と牽引中の 右膝関節裂隙の超音波画像から離開距離を解析した。な. は,ROM 制限に対して関節モビライゼー. お,離開距離の大きさを群間比較することで,牽引強度. ションを行う場合,外力を加えた状態を少なくとも 7 秒. の違いによる影響を検討するためには,対象者の牽引に. 間保持し,強固な拘縮に対しては,1 分もしくはそれ以. かかわる身体特性(関節の不安定性や関節周囲組織の強. 上の持続時間で行うと述べている。それらの点を踏まえ. 靭性など)が,3 群で差がないことを確認する必要があ. ると,牽引時間の延長によって離開距離は増大すると予. る。本研究では,その確認に左膝関節の離開距離のデー. 想される。. タを用いることとし,右膝関節の測定に先立って,すべ. 本研究は,健常者の膝関節を異なる強度で持続的に牽. ての対象者の左膝関節を一定条件(50° 屈曲位・150 N・. 引した際の離開距離を解析し,牽引時間および牽引強度. 180 秒間)で牽引し,その際の離開距離を 3 群で比較. と離開距離の関係を検討することで,関節牽引を効果的. した。. に行うための示唆を得ることを目的とした。なお,測定. 基本的な実験課題の実施手順と離開距離の解析方法. 機器については,X 線装置のような被曝による人体への. は,我々の先行研究. 悪影響や,MRI 装置のような他の実験機器と実験肢位. 実験肢位は背臥位とし,可変式斜面を有するエクササ. Kaltenborn. の制約がなく,さらに我々の先行研究. 13). において,離. 開距離の解析方法の信頼性を確認した超音波画像診断装. 9)13). を踏襲した。. イズ用ベンチ(Lojer 社,Three Section Bench)と昇 降式治療用ベッド(パラマウントベッド社,KC-237).
(3) 超音波画像を用いた正常膝関節の持続牽引に伴う離開距離の解析. 3. 図 1 実験肢位と牽引方法 昇降ベッドの高さとベンチの斜面の傾きを調節し,下 を水平位に保持した状態で, 被験側の膝関節を 50°屈曲位に設定した. テンションメーターで牽引力を常時監視し,設定強度と 5 N 以上の差が生じないよう に,必要に応じて検者の徒手で牽引強度を調整した.. を用いて,被験側の膝関節を 50°屈曲位に設定した(図 1)。具体的には,被験側の大. を非伸縮性ベルト(幅:. 49 mm)でベンチの斜面に固定し,下. は昇降ベッド. を結ぶ線に直交する角度,矢状面:プローブの長辺が下 の中央線と平行になる角度とし,膝蓋靭帯の内側縁か ら内側 20 mm の部位で画像の描出を行った。ただし,. に載せて水平位を保持した。斜面の傾きとベッドの高さ. 骨隆起の影響で上記の基準を満たせない場合には,基準. を調節することで膝関節の角度を設定し,日本リハビリ. を満たすことができる周辺部位で画像を得た。なお,横. テーション医学会の測定方法. 14). にならい,ゴニオメー. 断面でのプローブをあてる角度は,もっとも鮮明な画像. ターを用いて,50°屈曲位にあることを確認した。. を描出できる角度とした。. 下. 画像の収集手順については,牽引前の画像を得た後,. の牽引には移動式プーリー(Lojer 社,Mobile. Speed Pulley)と,足関節の直上に装着した四肢牽引用. プローブを一定の角度であてたまま牽引力を加え,牽引. バンド(ミナト医科学社,KSU0264)を用い,右膝関. 開始から 5・10・30・60・120・180 秒後の画像を収集. 節は各群に該当する強度,左膝関節は 150 N にてそれ. した。. ぞれ牽引した。牽引力の抵抗となるベッドと下. 4)画像データの解析. 摩擦を最小限とするために,下. 後面の. の下にはバスタオルと. 収集した超音波画像をパーソナルコンピュータに取り. スライディングボード(Gausdal Sewing Industry 社,. こ ん だ 後, 画 像 解 析 ソ フ ト( 米 国 国 立 衛 生 研 究 所,. GSI BOARD)を敷いた。プーリーと牽引用バンドの間. Image J ver.1.42)を用いて解析した。. にテンションメーター(竹井機器工業社,T.K.K.5710e). 解析の指標とする脛骨の部位は,前面から関節面に切. を介在させ,牽引中の張力を常時監視し,設定強度と. り替わる部位とした。大. 骨の指標部位は,脛骨の指標. 5 N 以上の差が生じないように,必要に応じて検者の徒. 部位と同一深度にある大. 骨表面の周辺で,牽引前と牽. 手で牽引強度を調整した。実験機器によって膝関節の. 引中の画像において,形状と輝度が一致する部位とした。. 内・外反および下. 画像上での脛骨と大. の回旋が強制されていないことと,. 骨の指標部位の位置をピクセル. 牽引に伴う疼痛が生じていないことを確認したうえで,. の座標値(解像度:10 pixel/mm)で表し,ふたつの指. 対象者には牽引中の脱力を指示した。. 標点の横軸上距離を実寸値に変換することで,指標間の. 3)超音波画像の収集. 距離(以下,指標間距離)を求めた。さらに,牽引前と. 膝関節の超音波画像は,超音波画像診断装置(日立メ. 牽引中の指標間距離の差から,各牽引時間での変化量. ディカル社,EUB-7500)を用いて,牽引前と牽引中の. (以下,離開距離)を算出した。. 静止画(B モード)を収集した。プローブは,付属のリ. なお,我々が行った先行研究. 13). の結果,本研究と同. ニア型プローブ(中心周波数:10 MHz)を使用した。. 一方法で解析した離開距離のデータの級内相関係数. 画像を描出する部位は,膝関節の内側関節裂隙(脛骨. (interclass correlation coefficient:以下,ICC)は,検. 内側顆と大. 骨内側顆の間)として関節前面にプローブ. 者内(ICC1,1)で 0.81,検者間(ICC2,1)で 0.78 だった。. をあてた。具体的には,プローブをあてる角度の基準を,. また,測位誤差の大きさを示す最小可検変化量の 95%. 前額面:プローブの長辺が脛骨の内側顆と外側顆の上縁. 信頼区間は,検者内で 0.7 mm,検者間で 0.8 mm だった。.
(4) 4. 理学療法学 第 43 巻第 1 号. 3.実験 2 関節牽引による靭帯・関節包・筋などに分布する固有 感覚受容器への伸張刺激は,関節周囲筋の不随意性収縮 を惹起し,その収縮力が離開距離の大きさに関与してい る可能性があった。そのため,実験 2 では,牽引時の膝 関節周囲筋の活動量を表面筋電図で確認した。 実験課題は,実験 1 と同じく,右膝関節 50°屈曲位で の 180 秒間の牽引であり,実験肢位の設定と下. の牽引. は,実験 1 と同一手順で行った。実験 2 では,すべての 対象者に対して,3 種類の強度(100・150・200 N)で の牽引を,無作為な順序で 1 回ずつ実施した。 表面筋電図の測定と解析には,多チャンネルテレメー タシステム(日本光電社,WEB-1000)を用いた。被験 筋は右側の大. 直筋・内側広筋・外側広筋とし,周波数. 帯域:15 ∼ 500 Hz,サンプリング周波数:1,000 Hz で 筋活動電位を記録した。電極の貼付位置は,大 上前腸骨棘と膝関節を結ぶ線の中点 蓋骨上縁から 20 mm 内側の部位 の 40 mm 上方の部位. 直筋:. 15). ,内側広筋:膝. 15). ,外側広筋:膝蓋骨. 15). とした。. 筋電波形の解析は,全波整流後,牽引前および牽引開 始から 5・10・30・60・120・180 秒後での 2 秒間(各牽 引時間の前後 1 秒)の積分値を求め,さらに,最大随意 収縮時の積分値で正規化した値(% Integrated ElectroMyoGram:以下,% IEMG)を算出した。 4.統計学的解析 実験 1 では,最初に,対象者の年齢・身長・体重と左 膝関節の離開距離のデータについて,対応のない一元配 置分散分析を実施して 3 群を比較した。次に,右膝関節 の指標間距離と離開距離それぞれについて,牽引時間と. 図 2 実際の超音波画像(牽引強度:150 N) [指標部位] 脛骨:前面から関節面に切り替わる部位. 大 骨:脛骨の指標点と同一深度(画像の縦軸)にある骨表 面の周辺で,牽引前と牽引中の画像において,形状 と輝度が一致する部位.. 群(牽引強度)を要因とする分割プロットデザインによ る分散分析を実施した。さらに,指標間距離については, 群ごとに,牽引前を対照とする Dunnett 法での多重比. データを表 1 に示す。対応のない一元配置分散分析の結. 較検定を行い,牽引によって有意な変化が生じていたか. 果,いずれの項目でも 3 群間の有意差を認めなかった。. を確認した。一方,離開距離については,分散分析後,. 右膝関節の指標間距離のデータを表 2 に示す。分割プ. Bonferroni 法での多重比較検定を実施して,群ごとに各. ロットデザインによる分散分析の結果,牽引時間×群. 牽引時間のデータを比較し,さらに,牽引時間ごとに各. (牽引強度)の交互作用と牽引時間の主効果は有意であ. 群のデータを比較した。. り(いずれも p = 0.00) ,群の主効果は非有意だった(p. 実験 2 では,牽引強度と筋の種類を組合せた 9 種類の. = 0.78) 。多重比較検定にて,群ごとに各牽引時間の指. 実験条件ごとに,牽引時間を独立変数,% IEMG を従. 標間距離を比較した結果,いずれの群についても,牽引. 属変数とする反復測定一元配置分散分析を実施した。な. 中のすべての指標間距離は,牽引前よりも有意に大き. お, す べ て の 統 計 学 的 解 析 に は IBM SPSS statistics. かった。. ver. 22 を用い,有意水準は 5%とした。. 右膝関節の離開距離のデータと多重比較検定の結果を. 結 果. 表 3 に示す。分割プロットデザインによる分散分析の結 果,牽引時間×群の交互作用は有意であり(p = 0.00),. 1.実験 1. ふ た つ の 要 因 の 主 効 果 も 有 意 だ っ た( い ず れ も p =. 収集した超音波画像の例とその解析結果を図 2 に示す。. 0.00) 。. 各群の年齢・身長・体重と,左膝関節の離開距離の. 多重比較検定にて,群ごとに各牽引時間の右膝関節の.
(5) 超音波画像を用いた正常膝関節の持続牽引に伴う離開距離の解析. 5. 表 1 基本データと左膝関節の離開距離 年齢 [ 歳 ]. 身長 [m]. 体重 [kg]. 100 N 群. 21.3(0.5). 1.67(0.07). 150 N 群. 21.6(0.6). 1.68(0.09). 200 N 群. 21.4(0.5) n.s.. 有意確率 p. 左膝関節の離開距離 [mm] ※全群 150 N で牽引 5秒. 10 秒. 30 秒. 60 秒. 120 秒. 180 秒. 59.1(8.3). 1.2(0.3). 1.3(0.3). 1.6(0.3). 1.9(0.4). 2.2(0.6). 2.4(0.8). 60.0(8.9). 1.1(0.7). 1.3(0.6). 1.6(0.6). 1.9(0.7). 2.3(0.7). 2.6(0.8). 1.66(0.08). 58.6(7.7). 1.2(0.5). 1.4(0.4). 1.7(0.4). 2.0(0.4). 2.3(0.4). 2.5(0.3). n.s.. n.s.. n.s.. n.s.. n.s.. n.s.. n.s.. n.s.. n = 42(各群 14 名ずつ) 平均値(標準偏差)で表示. 左膝関節の離開距離:同一条件で牽引した場合の群間差の有無を確認するために,左膝関節は全群 150 N で牽引した. 有意確率 p:対応のない一元配置分散分析にて,3 群のデータを比較した結果.n.s.:p > 0.05(not significant).. 表 2 右膝関節の指標間距離 [mm]. 100 N 群. 平均値 標準偏差. 150 N 群. 5秒. 10 秒. 30 秒. 60 秒. 120 秒. 180 秒. 18.7. 19.8 *. 19.8 *. 19.8 *. 19.8 *. 19.8 *. 19.9 *. 3.5. 3.4. 3.4. 3.4. 3.4. 3.4. 3.4. 95%信頼区間(上限). 19.8. 20.9. 20.9. 20.9. 20.9. 20.9. 21.0. (下限). 17.6. 18.7. 18.7. 18.7. 18.7. 18.7. 18.8. 平均値. 18.2. 19.4 *. 19.6 *. 19.9 *. 20.3 *. 20.6 *. 21.0 *. 標準偏差. 200 N 群. 牽引前. 4.3. 4.2. 4.4. 4.2. 4.4. 4.4. 4.5. 95%信頼区間(上限). 19.5. 20.6. 20.9. 21.1. 21.6. 21.8. 22.2. (下限). 17.0. 18.2. 18.3. 18.6. 19.0. 19.3. 19.7. 平均値. 18.0. 19.3 *. 19.5 *. 19.9 *. 20.2 *. 20.5 *. 20.8 *. 4.1. 4.2. 4.2. 4.2. 4.1. 4.2. 4.1. 標準偏差 95%信頼区間(上限). 19.2. 20.6. 20.7. 21.1. 21.4. 21.7. 22.0. (下限). 16.8. 18.1. 18.3. 18.7. 19.0. 19.3. 19.6. n = 42(各群 14 名ずつ) *:Dunnett 法での多重比較検定の結果,牽引前の指標間距離との比較で p < 0.05.. 離開距離を比較した結果,100 N 群の離開距離は,牽引 時間の違いによる有意差を認めなかった。150 N 群と. 考 察. 200 N 群では,5 秒と 10 秒の離開距離には有意差を認. 1.群間比較の妥当性. めなかったが,30 秒の離開距離は 5・10 秒よりも有意. 実験 1 の結果,対象者の年齢・身長・体重は 3 群間の. に大きく,60 秒の離開距離は 5・10・30 秒よりも,120. 有意差を認めなかった(表 1) 。さらに,すべての対象. 秒の離開距離は 5・10・30・60 秒よりも,180 秒の離開. 者を同一条件で牽引した左膝関節の離開距離は,いずれ. 距離は 5・10・30・60・120 秒よりもそれぞれ有意に大. の牽引時間でも,3 群のデータに有意差を認めなかった. きかった。. (表 1)。それらの結果は,対象者の牽引にかかわる身体. 多重比較検定にて,牽引時間ごとに各群の右膝関節の. 特性,たとえば関節の不安定性や関節周囲組織の強靭性. 離開距離を比較した結果,5 秒と 10 秒では 3 群間の有. (抗伸張力)などに,3 群間の差がなかったことを示唆. 意差を認めなかった。30 秒およびそれ以降の牽引時間. している。したがって,右膝関節の離開距離を群間比較. では,150 N 群と 200 N 群の離開距離には有意差を認め. することで,牽引強度と離開距離の関係について検討で. ず,それら 2 群の離開距離は,100 N 群よりも有意に大. きると考える。. きかった。 2.牽引時間と離開距離の関係 2.実験 2. 右膝関節の指標間距離に関する多重比較検定の結果,. % IEMG のデータを表 4 に示す。反復測定一元配置. いずれの群についても,牽引中のすべての指標間距離は. 分散分析の結果,大. 直筋・内側広筋・外側広筋とも. 牽引前よりも有意に大きく,3 群ともに,牽引を開始し. に,いずれの牽引強度でも,牽引前を含む各牽引時間. た直後から有意な離開が生じていたことが示された(表. の% IEMG に有意差を認めなかった。. 2)。その点を前提として各実験条件での離開距離(指標.
(6) 6. 理学療法学 第 43 巻第 1 号. 表 3 右膝関節の離開距離 [mm] (I)5 秒 (i)100 N 群. (ii)150 N 群. (iii)200 N 群. (II)10 秒 (III)30 秒 (IV)60 秒 (V)120 秒 (VI)180 秒. 平均値. 1.1. 1.1. 1.1. 1.1. 1.1. 1.2. 標準偏差. 0.5. 0.5. 0.5. 0.5. 0.5. 0.5. 95%信頼区間(上限). 1.5. 1.5. 1.5. 1.5. 1.5. 1.6. (下限). 0.7. 0.7. 0.7. 0.7. 0.7. 0.8. 多重比較(牽引時間). N.S.. N.S.. N.S.. N.S.. N.S.. N.S.. (群). n.s.. n.s.. ii, iii. ii, iii. ii, iii. ii, iii. 平均値. 1.2. 1.4. 1.7. 2.1. 2.3. 2.7. 標準偏差. 0.7. 0.6. 0.6. 0.7. 0.7. 0.8. 95%信頼区間(上限). 1.7. 1.9. 2.1. 2.6. 2.9. 3.3. (下限). 0.7. 0.9. 1.2. 1.5. 1.8. 2.2. 多重比較(牽引時間). III, IV, V, VI. III, IV, V, VI. I, II, IV, V, VI. I, II, III, V, VI. I, II, III, IV, VI. I, II, III, IV, V. (群). n.s.. n.s.. i. i. i. i. 平均値. 1.3. 1.5. 1.9. 2.2. 2.5. 2.8. 標準偏差. 0.5. 0.4. 0.5. 0.5. 0.6. 0.6. 95%信頼区間(上限). 1.8. 1.9. 2.3. 2.6. 3.0. 3.3. (下限). 0.9. 1.1. 1.5. 1.8. 2.0. 2.3. 多重比較(牽引時間). III, IV, V, VI. III, IV, V, VI. I, II, IV, V, VI. I, II, III, V, VI. I, II, III, IV, VI. I, II, III, IV, V. (群). n.s.. n.s.. i. i. i. i. n = 42(各群 14 名ずつ) 多重比較(牽引時間) :Bonferroni 法での多重比較検定にて,群ごとに各牽引時間の離開距離を比較した結果. N.S.:他の牽引時間との比較でいずれも p > 0.05(not significant),I:5 秒との比較で p < 0.05,II: 10 秒との比較で p < 0.05,III:30 秒との比較で p < 0.05,IV:60 秒との比較で p < 0.05,V:120 秒との比較で p < 0.05,VI:180 秒との比較で p < 0.05. 多重比較(群) :Bonferroni 法での多重比較検定にて,牽引時間ごとに各群の離開距離を比較した結果. n.s.:他の 2 群との比較でいずれも p > 0.05(not significant),i:100 N 群との比較で p < 0.05,ii:150 N 群との比較で p < 0.05,iii:200 N 群との比較で p < 0.05.. 表 4 牽引前と牽引中の% IEMG [%]. 大. 直筋. 内側広筋. 外側広筋. 牽引前. 5秒. 10 秒. 30 秒. 60 秒. 120 秒. 180 秒. 有意確率 p. 100 N. 5.8(3.2). 5.7(3.1). 5.9(3.0). 5.8(3.1). 6.3(3.0). 5.7(3.1). 5.5(2.8). n.s.. 150 N. 5.6(2.9). 5.6(2.9). 5.6(2.9). 5.6(2.9). 5.4(3.0). 5.6(2.9). 5.6(2.9). n.s.. 200 N. 5.6(2.9). 5.7(2.9). 5.7(2.9). 5.6(2.8). 5.6(2.9). 5.6(2.9). 5.5(2.7). n.s.. 100 N. 4.0(1.6). 3.9(1.6). 3.9(1.6). 4.0(1.6). 3.9(1.5). 3.8(1.6). 3.8(1.6). n.s.. 150 N. 3.8(1.6). 3.8(1.6). 3.7(1.6). 3.7(1.5). 3.6(1.4). 3.8(1.6). 3.8(1.6). n.s.. 200 N. 3.8(1.5). 3.8(1.5). 3.8(1.6). 3.8(1.5). 3.7(1.5). 3.8(1.5). 3.9(1.6). n.s.. 100 N. 6.2(3.4). 6.0(3.4). 6.3(3.5). 6.2(3.7). 6.1(3.6). 5.9(3.4). 5.9(3.5). n.s.. 150 N. 5.8(3.5). 6.0(3.4). 5.7(3.3). 5.8(3.3). 5.8(3.5). 6.0(3.4). 6.0(3.4). n.s.. 200 N. 6.0(3.4). 5.8(3.0). 6.0(3.4). 5.7(3.0). 6.0(3.4). 5.9(3.2). 6.0(3.2). n.s.. n = 10 平均値(標準偏差)で表示. 有意確率 p:反復測定一元配置分散分析にて,牽引前を含む各牽引時間のデータを比較した結果.n.s.:p > 0.05(not significant) .. 間距離の変化量)を比較すると,多重比較検定では,い. みの程度に着目し,関節の不安定性を評価するために実. ずれの群についても,5 秒での離開距離と 10 秒での離. 施され. 開距離に有意差を認めなかった(表 3)。さらに,5 秒と. ROM 制限を改善するためにも実施されている. 10 秒では 3 群の離開距離に有意差を認めなかった(表. がって,離開距離の大きさは,牽引によって除去された. 3)。先行研究において関節牽引は,靭帯や関節包のゆる. 靭帯・関節包のゆるみの量と,牽引に伴うそれらの組織. 6) 16). ,さらに,関節周囲の非収縮性組織を伸張し, 17). 。した.
(7) 超音波画像を用いた正常膝関節の持続牽引に伴う離開距離の解析. 7. の伸長量というふたつの要素を含んでいると推察でき. なかった 100 N 群の離開距離は,牽引によって取り除か. る。また,靭帯や関節包は,伸張力が持続的に付加され. れた靭帯・関節包のゆるみの量を反映していると考える。. て,主成分である波状コラーゲンが直線状へと変形する. 次に,150 N 群と 200 N 群の右膝関節の離開距離は,. 10‒12). 。以上の見. いずれの牽引時間でも,2 群間の有意差を認めなかった. 解を踏まえると,牽引開始直後のわずかな牽引時間で. (表 3)。先述した通り,150 N 群と 200 N 群では,牽引. は,膝関節の靭帯や関節包は伸長していなかったと考え. 開始から 10 秒後以降に膝関節の靭帯や関節包が伸長し. られ,牽引時間と牽引強度の違いによる差異を認めな. ていたと考える。その点も合わせると,30 秒以降の牽. かった 5 秒と 10 秒での離開距離は,牽引によって取り. 引時間において,150 N 群と 200 N 群の離開距離に有意. 除かれた靭帯・関節包のゆるみの量をおもに反映してい. 差を認めなかったことは,牽引によって得られた靭帯・. ると考える。. 関節包の伸長量が,ふたつの群で同等だったことを示唆. 次に,150 N 群と 200 N 群の右膝関節において,30. していると考える。in vitro で靭帯の破断実験を行った. 秒の離開距離は 5・10 秒よりも有意に大きく,60 秒の. 多くの先行研究. 離開距離は 5・10・30 秒よりも,120 秒の離開距離は 5・. ど,組織の損傷リスクが高いことを示している。また,. 10・30・60 秒よりも,180 秒の離開距離は 5・10・30・. 本研究の実験中,150 N 群よりも 200 N 群の方が右膝関. 60・120 秒よりもそれぞれ有意に大きかった(表 3) 。そ. 節牽引時に伸張感を訴えた対象者が多く,牽引強度が大. れらの結果は,牽引開始から 10 秒後以降,牽引時間の. きいほど,疼痛を誘発する可能性は高いと考える。以上. 延長によって離開距離が経時的に増大していたことを示. の点を踏まえると,結合組織性の ROM 制限を改善する. ことで,経時的に伸長する特性をもつ. 18). 22‒24). の結果は,引張り強度が大きいほ. は,靭帯や関節包の伸長を得るため. ために膝関節を牽引する場合,得られる効果は 150 N. には,それらの組織が引き伸ばされた状態を一定時間保. と 200 N で同程度と推察されるが,リスク管理の観点. している。赤居. 19). は,結合. では,150 N を選択することが適切と考える。なお,ふ. 組織の伸張時間と塑性変化の程度には正の相関があると. たつの牽引強度で差異がなかった原因には,膝関節周囲. 述べている。それらの見解を踏まえると,150 N 群と. 筋の不随意性収縮の関与が疑われるが,実験 2 において,. 200 N 群において,牽引開始から 10 秒後以降に生じて. 大. いた離開距離の経時的な増大は,膝関節の靭帯・関節包. 変化がみられなかったことを踏まえると,筋収縮が離開. が経時的に伸長していたことを示唆していると考える。. 距離の大きさに影響した可能性は低いと考える。. 持する必要があるとし,さらに,Hepburn. 直筋・内側広筋・外側広筋の活動量に,牽引に伴う. 以上の内容をまとめると,関節牽引を用いて膝関節の 靭帯や関節包の伸長を得るためには,一定以上の牽引強. 4.本研究の臨床的意義. 度の付加を 10 秒より長い時間持続する必要があり,さ. 膝関節の ROM 制限や疼痛に対する関節牽引の有効性. らに,その伸長量は牽引時間の延長に伴って増大すると. を示した先行研究. 考える。. 研究で実施された牽引は,牽引強度と牽引時間に関する. 3‒5)17). は多数存在するが,それらの. 介入条件の選択理由が不明瞭である。また,渉猟する限 3.牽引強度と離開距離の関係. りでは,関節モビライゼーションの実施時間を具体的に. 前述した通り,靭帯や関節包は,持続的な伸張力の付. 示した諸家. 加により経時的に伸長する特性をもつ。したがって,牽. あたらない。さらに,Kaltenborn. 引によってそれらの組織に十分な伸張力が付加されてい. ゼーションの実施強度を 3 段階で定義しているが(グ. た場合には,150 N 群や 200 N 群のように,離開距離は. レードⅠ:正常な関節内圧を取り除く強度,グレード. 経時的に増大すると予想できる。しかし,100 N 群の右. Ⅱ:関節周囲の非収縮性組織のゆるみを取り除いて最初. 膝関節の離開距離は,牽引時間の違いによる有意差を認. に停止するまでの強度,グレードⅢ:非収縮性組織を伸. めなかった(表 3) 。膝関節周囲の非収縮性組織の強靭性. 張する強度),それらの定義は質的なものであり,量的. に関しては,健常者の両脚着地動作において前十字靭帯. には不明確である。. 20). 1)2). の見解を検証するような先行研究は見 1). は,関節モビライ. や,家. 本研究の結果から,靭帯や関節包の伸長を目的として. 兎の膝蓋腱には運動時に体重の約 230%の張力が付加さ. 膝関節を牽引する場合には,100 N より大きな牽引強度. にかかる張力が最大で 332 N だったとの報告 21). などがある。本研究では持続的な. と 10 秒より長い牽引時間が必要なことが示唆された。. 牽引力の付加を実験課題としたため,運動時の瞬間的な. また,150 N もしくは 200 N の牽引力を付加することで,. れていたとの報告. 20)21). を単純に引照す. 靭帯や関節包の伸長量は,牽引開始から 10 秒後以降,. ることはできないが,100 N(対象者の平均体重の約. 経時的に増大することが示唆された。本研究の結果は,. 17%)の牽引強度は,膝関節の靭帯や関節包を伸長する. 膝関節に対する牽引を効果的に行うための基礎資料とな. ためには不十分だったと考えられ,経時的な増大を認め. り,特に関節モビライゼーションを実施するセラピスト. 強靭性を示したそれらの先行研究.
(8) 8. 理学療法学 第 43 巻第 1 号. にとっては有意義な内容と考える。 5.本研究の限界と今後の課題 本研究では,解析した離開距離のデータから,膝関節 の牽引を効果的に実施するための条件について言及し た。今後の課題のひとつは,今回得られた知見を踏まえ ての臨床研究を実施し,関節牽引の有効性を検討するこ とである。ただし,機能異常が生じている関節の離開距 離は,健常者を対象とした本研究の結果とは異なる可能 性がある。つまり,たとえば結合組織性の ROM 制限を 呈する関節の靭帯や関節包では,コラーゲン線維の短縮 や増殖,架橋形成が生じていると予想されるため. 25). ,. それらの組織の強靭性やゆるみの量は,健常時とは異な る可能性がある。したがって,今後,膝関節の機能異常 を有する対象者の離開距離を解析し,本研究の結果との 相違を確認することが必要と考える。 本研究では,膝関節の実験肢位を 50°屈曲位とした。 その理由は,我々の先行研究. 9). において,離開距離が. 最大となる肢位を 51°屈曲位と推定したためである。だ だし,最大離開距離となる肢位の前後では,牽引力に抗 9) する組織が異なると推察されるため ,たとえば屈曲最. 終域と伸展最終域では,靭帯・関節包の伸長を得るため に必要な牽引時間や牽引強度が異なる可能性もある。し たがって,効果的な関節牽引の実施に向けてより詳細な 示唆を得るためには,本研究とは異なる肢位での結果も 確認する必要があり,その点は今後の課題である。 結 論 本研究では,健常者の膝関節を異なる強度で持続的に 牽引した際の超音波画像から離開距離を解析し,牽引時 間および牽引強度と離開距離の関係を検討した。結果よ り,関節牽引を用いて膝関節の靭帯や関節包の伸長を得 るためには,100 N より大きな牽引強度と 10 秒より長 い牽引時間が必要なことが示唆された。また,150 N も しくは 200 N の牽引力を付加することで,靭帯や関節 包の伸長量は,牽引開始から 10 秒後以降,経時的に増 大することが示唆された。本研究の結果は,膝関節に対 する関節牽引を効果的に行うための基礎資料になると考 える。今後は,今回得られた知見を踏まえての臨床研究 を実施することで,関節牽引の有効性を検討したい。 文 献 1)Kaltenborn FM: Manual mobilization of the joints volume 1 the extremities 6th ed. Olaf Norlis Bokhandel, Minneapolis, 2002, pp. 13‒96. 2)竹井 仁:骨関節疾患に対する関節モビライゼーション. 理学療法科学.2005; 20(3): 219‒225. 3)中井 保,鈴木健夫,他:変形性膝関節症に対する下肢牽. 引療法の試み.理学療法学.1992; 19(5): 471‒475. 4)加藤康吉,藤田里美,他:膝伸展制限に対し治療用ベッド を用いて牽引と持続伸張を取り入れた PT アプローチ.愛 知県理学療法士会誌.2005; 17(2): 36‒37. 5)Yoshikubo H: Histopathological effects of the traction on joint capsule after four-week knee joint.金沢大学つるま 保健学会誌.2006; 30(1): 1‒11. 6)Tsuneizumi Y, Suzuki M, et al.: Evaluation of joint laxity against distal traction force upon flexion in cruciateretaining and posterior-stabilized total knee arthroplasty. J Orthop Sci. 2008; 13: 504‒509. 7)Palhais NS, Guntern D, et al.: Direct magnetic resonance arthrography of the knee: utility of axial traction. Eur Radiol. 2009; 19(9): 2225‒2231. 8)島田隆明,島田圭三,他:膝関節の関節裂隙離開の経時的 変化.理学療法学.2002; 29: 347. 9)小川大輔,竹井 仁,他:超音波画像を用いた正常膝関 節の牽引に伴う離開距離の解析─関節角度と牽引強度の 違いが及ぼす影響について─.理学療法学.2012; 39(2): 102‒109. 10)織田弘美:靭帯,整形外科クルブス(改訂第 4 版) .中村 耕三(監),南江堂,東京,2003,pp. 57‒62. 11)福井尚志:関節,整形外科クルブス(改訂第 4 版) .中村 耕三(監),南江堂,東京,2003,pp. 32‒49. 12)Twomley L, Tayloy J: Flextion, creep, dysfunction and hysteresis in the lumber vertebral column. Spine. 1982; 7: 116‒122. 13)小川大輔,宇佐英幸,他:超音波画像解析による正常膝関 節牽引時の関節裂隙距離変化値の信頼性─相対信頼性と絶 対信頼性の検証─.日保学誌.2012; 15(2): 81‒88. 14)日本リハビリテーション医学会(編) :関節可動域表示な らびに測定方法.リハ医学.1995; 32(4): 207‒217. 15)下野俊哉:電極の設置と筋電図波形のサンプル,表面筋電 図マニュアル 基礎編.酒井医療,東京,2004,p. 107. 16)国定俊之,中塚洋一,他:牽引による股関節不安定性の検 討.Hip joint.1995; 21: 449‒452. 17)Maher S, Creighton D, et al.: The effect of tibio-femoral traction mobilization on passive knee flexion motion impairment and pain: a case series. J Man Manip Ther. 2010; 18(1): 29‒36. 18)赤居正美:関節拘縮─その予防・治療について─.リハ医 学.2003; 40: 76‒80. 19)Hepburn GR: Case studies: Contracture and stiff joint management with Dynasplint. J Orthop Sports Phys Ther. 1987; 8(10): 498‒504. 20)徳永由太,江原義弘,他:矢状面膝関節モデルを用いた着 地動作時に生じる膝前十字靭帯張力負荷の推定.理学療法 科学.2011; 26(4): 499‒505. 21)山本憲隆,林鉱三郎,他:家兎膝蓋腱に作用する張力の in vivo 計測.日本機械学会論文集.1992; 58(551): 1142‒1147. 22)Woo S L-Y, Hollis JM, et al.: Tensile properties of human femur-anterior cruciate ligament-tibia complex. Am J Sports Med. 1991; 19(3): 217‒225. 23)Amendola A, Fowler P: Allograft anterior cruciate ligament reconstruction in sheep model. The effect of synthetic augmentation. Am J Sports Med. 1992; 20(3): 336‒342. 24)Noyes FR, Grood ES: The strength of the anterior cruciate ligament in humans and rhesus monkeys. J Bone Joint Surg. 1976; 58(8): 1074‒1082. 25)武 富 由 雄: 関 節 可 動 域 制 限, 図 解 理 学 療 法 技 術 ガ イ ド(第 3 版) .石川 齋,武富由雄(編) ,文光堂,東京, 2007,pp. 81‒94..
(9) 超音波画像を用いた正常膝関節の持続牽引に伴う離開距離の解析. 〈Abstract〉. Analysis of Separation Distance Induced by Continuous Traction of Normal Knee Joint using Ultrasound Imaging: The Influence of the Different Traction Times and Traction Strengths. Daisuke OGAWA, PT Department of Physical Therapy, Faculty of Health Sciences, Mejiro University Daisuke OGAWA, PT, Masafumi HATA, PT, Sho MITOMO, PT Doctoral Course, Department of Physical Therapy, Graduate School of Human Health Sciences, Tokyo Metropolitan University Hideyuki USA, PT, PhD Division of Physical Therapy, Faculty of Health Sciences, Tokyo Metropolitan University Masashi MATSUMURA, PT, PhD Department of Physical Therapy, Faculty of Health Sciences, Kyorin University Masafumi HATA, PT, Yoji SHIMIZU, PT Department of Physical Therapy, Senkawa-Shinoda Orthopaedic Clinic Sho MITOMO, PT Department of Rehabilitation, Kawakita General Hospital Hitoshi TAKEI, PT, PhD Department of Physical Therapy, Graduate School of Human Health Sciences, Tokyo Metropolitan University. Purpose: The purpose of this study was to understand how to effectively perform joint traction by analyzing the distance change of the joint space (separation distance) induced by continuous traction of the knee joint. Method: A total of 42 healthy subjects were divided into three groups based on traction strength (100, 150, and 200 N group). We then analyzed the separation distance using ultrasound images of the joint space, before and during knee joint traction (5, 10, 30, 60, 120, 180 s) at 50°flexion angle. Result: All groups showed statistically significant separation immediately after the start of the traction; however, separation distance did not change over time in the 100 N group. On the other hand, we observed a significant chronological increase in separation distance in the 150 N and 200 N groups at 10 s after the start of the traction. There were no significant differences in separation distances among the three groups for 5 s and 10 s; however, after 30 s, separation distances in the 150 N and 200 N groups were significantly greater than that of the 100 N group. Conclusion: These results suggest that extending the connective tissue of the knee joint using traction requires traction strengths greater than 100 N and traction times longer than 10 s. Key Words: Knee joint, Joint traction, Ultrasound image analysis. 9.
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