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Academic year: 2021

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大都市災害における

情報ネットワーク制御の研究開発

朝香卓也

首都大学東京

システムデザイン学部

電子情報システム工学科

電子情報通信学会ICM研究会 2019年3月7日

(2)

大都市災害における情報ネットワーク制御の研究開発

 災害・防災のためのICT技術  大都市災害の特徴と対策  防災・減災のためのICT技術  災害時の情報ネットワーク  インフラ系ネットワーク  非インフラ系ネットワーク  災害時の情報ネットワークへの要求条件  我々の取り組み:災害時においても頑健な情報ネットワーク技術

 すれ違い通信(DTN: Delay Tolerant Network)を用いた情報転送

 無線マルチホップ型センサネットワークを用いた災害情報収集

(3)

災害の種類

 地震災害  ビルの倒壊や破損  地下街の破損  地震火災(延焼)  つなみ  液状化  斜面崩壊  水害  台風、大雨、ゲリラ豪雨  外水氾濫、内水氾濫  斜面崩壊、土石流  その他  大雪、強風、竜巻、  雷、高潮、噴火、隕石 3  二次災害  帰宅困難者  避難経路喪失(屋内・屋外)  停電、断水、電話不通  救助活動時の被災  避難所での健康被害  車中泊時の健康被害 赤字は都市災害で特に顕著

(4)

大都市災害の特徴

 構造物・建築物の複雑化・高層化・高密度化  都心部の巨大な地下街・西新宿等の高層ビル群の損壊  下町地域の高密度地域の損壊や火災  コンクリート化された都市  ⇒ 数多くの建造物の倒壊や破損の検出・対応  ⇒ 特徴的な水害(ゲリラ豪雨、内水氾濫)の対応  人口過密地域  極端に大きな群衆としての避難・移動  複雑な電車・地下鉄網・道路等の渋滞・飽和  ⇒ 多数の帰宅困難者への対応  ⇒ 多数の被災者の避難経路(屋内・屋外)や手段の確保

(5)

災害のためのICT技術いろいろ

 避難訓練シミュレーター  デジタルハザードマップ  災害予測(地震予測、台風大雨予測)  災害センシング(気象、地震、雨量、構造物、人流)  災害緊急システム(Jアラート)  インフラ系通信NWの強化(予備・携帯設備の増設)  非インフラ系通信NWの強化(DTN、ドローン等)  災害用スマホアプリ(東京都防災アプリ等)  災害用クラウドサービス  避難誘導システム  災害情報システム(Lアラート)  防災無線  テレビ・ラジオ 5

防災

減災

(6)

(脱線)災害アプリ

(7)

(脱線) 東京都防災アプリ

 2015年に東京都が都民全世帯に配布した「東京防災」のアプリ版

 いつも・いざというときにも役に立つ、東京都公式の防災アプリ

 「東京防災」「東京くらし防災」「災害時モード」の3つのモード

(8)

インフラ系ネットワーク

 総務省の取り組み総務省:「情報通信白書」平成30年  消防防災通信ネットワーク・非常用電源等の整備  地方公共団体に、災害対策用移動通信機器(衛星携帯電話300台、 MCA無線280台、簡易無線900台 を全国の総合通信局等に配備)  ICTユニット(アタッシュケース型)  Jアラート:全国瞬時警報システム  Lアラート:地域災害情報を集約し、テレビ・ネット・防災無線等に 一括配信  通信事業者の取り組み  災害に強い局舎・設備  予備電源の確保  通信経路の多ルートによる冗長化  可搬型の基地局  無線アクセスの大ゾーン基地局

(9)

9

総務省総合通信基盤局「電気通信事業者の平成28年熊本地震への対応状況」平成28年7月

(10)

インフラ系ネットワーク(つづき)

 平成28年6月 総務省 大規模災害時の非常用通信手段の在り方に関する研究会報告書 ~ICTによる災害医療・救護活動の強化に向けた提言~  大規模災害時の医療・救護活動は、携帯電話等が途絶することが「当然 の前提」として、すみやかに見直されるべき。  ちなみに、他の提言  非常時通信訓練の実施  衛星通信の活用  啓蒙活動「不要不急の通信の抑制」「短時間通信の実施」  優先的通信の確保  災害に有効な通信技術の開発

(11)

インフラ系ネットワーク(つづき)

11  耐災害ICT研究協議会「災害に強い情報通信ネットワーク導入ガイドライ ン」2018年6月  「災害により通信が途絶した場合、防災行政無線、TV、ラジオ放送以外 の手段は利用できなくなり、住民への情報提供と安否情報収集・確認が 困難になります。そこで、それらを実現するための代替手段が必要」

(12)

非インフラ系ネットワーク

 無線メッシュネットワーク  スマホを使ったアドホックNW  ドローンを中継としたアドホックNW  車車間通信・路車間通信  スマホを使ったすれ違い通信(スマホDTN)  無線マルチホップセンサネットワーク wikipedia

(13)

非インフラ系ネットワーク(つづき)

 非インフラネットワークへの要求条件  マルチキャスト的機能:集団・地域への配信・地域被災情報の収集  広域あるいはローカルな「被災救援情報」を無駄なく収集  広域あるいはローカルに「被災救援情報」を無駄なく配信  トリアージ的機能:緊急情報・重要情報の優先制御  救援要請等の「緊急情報」を優先的に低遅延で転送  支援物資要請等の「重要情報」を信頼度を高く転送  ユーザからみて普段使いのインターフェイス(だと嬉しい)  低コスト 13

(14)

研究紹介

 すれ違い通信(DTN)を用いたデータ伝送  すれ違い通信における災害時の集団移動を考量した制御  すれ違い通信を用いた配信データ到達率の向上  すれ違い通信を用いた参加型センシングのデータ収集法  無線マルチホップ型センサネットワークを用いた災害情報収集  災害領域検出のためのエッジ探索を用いたデータ収集法  災害領域における測定値分布推定のためのデータ収集法  モバイルセンサノードを用いた広域データ収集法  エッジコンピューティングを用いたセンサデータ収集・蓄積  エッジコンピューティングを用いたデータ収集のための負荷分散法  エッジコンピューティングを用いたデータシェーピング  エッジコンピューティングを用いたセンサデータ分散配置

(15)

すれ違い通信

 すれ違い通信

 Delay Tolerant Networking(DTN)/遅延耐性ネットワーク

 無線通信可能な端末のすれ違い時にデータをバケツリレー  携帯電話等のない場所・足りない場所・災害時等で有効  メモリやバッテリなどの端末資源の制約  データ到達率の向上  重要データの優先的配信 15 宛先端 末 発信源

(16)

研究紹介:すれ違い通信における災害時の集団移動を考量

した制御

 交通機関停止による帰宅困難者の集団移動を考慮したすれ違い通信  従来技術:  手順:単純なバケツリレー(あるいはその属性等を考慮)  課題:単純なバケツリレーでは集団で移動するノードは同じようなデ ータを保持するので非効率的  提案技術:集団移動しているとみなされるノード群を判定して数少ない ノードだけを選択してデータ転送 宛先端 末 発信源 「集団」内のn個 のノードに転送 「集団」で一定以 上の距離を移動 発信源 「集団」内のn個 のノードに転送

(17)

研究紹介:すれ違い通信における災害時の集団移動を考量

した制御(つづき)

 甲州街道を想定した集団帰宅者を想定した計算機シミュレーション  提案方式(FCMT方式)の到達率が最も高く,一定距離方式の4倍以上 17 ノード数 到達率

ER 提案方式 FCMT 一定距離 S&W 4倍以上 道幅2m

(18)

研究紹介:すれ違い通信を用いた重要情報配信ための優先

制御

 周知を求められるような重要情報の配信(マルチキャスト)  従来技術:  すれ違い通信において「優先情報のマルチキャスト」は未検討  提案技術:  ノード内のバッファにおいて非優先データ用のバッファをリザーブ  ノード内のバッファにおいてデータがあふれてきた時に、非重要情報を 先に廃棄  「回線留保」のアナロジー :重要配信データ :Point to Point データ ① ⑤ ③ ② ④ データ廃棄の優先順位

バッファ 1 2 3 4 5 1 6 2 7 8 ノードA ノードB 受信 廃棄

(19)

研究紹介:すれ違い通信を用いた参加型センシングの

データ収集法

 参加者センシングを想定した測定データ収集法の提案  従来:  センサデータをすべて収集・転送  欠点:空間的に重複した測定データを収集。高い転送負荷。  提案技術:  同じような場所の測定データを重複情報とみなし積極的に廃棄  利点:ネットワーク内の無駄なデータ転送を抑制。ストレージを圧迫を 抑制。 各スマホ(センサ)で収集した データをシンクへ送信 シンク シンク 重複した空間の情報を積極 的に削除

(20)

研究紹介:すれ違い通信を用いた参加型センシングの

データ収集法(つづき)

行動範囲

観測位置

E

p

id

e

m

ic

S

p

ra

y

提案方式では、地域の情 報を万遍なく取集可能

(21)

研究紹介:すれ違い通信を用いた配信データ到達率の向上

 あて先端末(シンク)へのデータ転送法の提案  従来技術:Epidemic Routing  データを保持するノードが他のノードと通信可能となった場合に いつでも保持しているデータの複製を他のノードに送信  欠点:網内のバッファを激しく消耗かつ輻輳時に大幅な性能劣化  提案技術:  到達可能性の高いノードにデータが渡れば、積極的に自分の当該データ を削除。重複したデータの積極的廃棄  利点:ストレージを圧迫を抑制 宛先端末 発信源 発信源 宛先端末 提案 従来 無駄となる転送を停止、あるいは データを削除

(22)

研究紹介:無線マルチホップ型のセンサネットワーク

 災害時でのセンサネットワーク  突発的な災害情報を効率的に検出  災害情報の迅速で効率的な転送  無線マルチホップを利用したセンサネットワーク  分散してフィールドや施設に配置  必要な情報だけをフィルタリングして効率化

(23)

23

研究紹介:災害領域検出のためのエッジ探索

3 . 0 3 . 1 3 . 2 4. 8 5 . 2 4 . 3 5 . 5 6 . 1 6 . 7 7 . 6 7 . 3 7 . 2 7 . 9 8 . 5 8 . 8  高密度に配置されたセンサにおいて、イベント発生時のイベント領域を 効率的に検出・転送する方式の提案  従来技術  イベントが検出されたセンサ全てからデータ送信が発生  欠点:必要のないデータ転送が発生  提案方式  イベント領域の「エッジ」検出し「エッジ」情報だけを送信  利点:必要なノードの情報のみ送信。輻輳回避。省電力。

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研究紹介:災害領域検出のためのエッジ探索(つづき)

(25)

25

研究紹介:災害領域における測定値分布推定のためのデー

タ収集法

 イベント発生した領域内部の測定値分布を収集法の提案  従来技術  イベント領域内のセンサデータを全部からデータ転送  欠点:必要のないデータ転送が発生  提案方式  帯状の「等高線」を検出し「等高線」情報だけを送信  利点:省電力。

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研究紹介:災害領域における測定値分布推定のためのデー

タ収集法(つづき)

5層 6層 全ノード収集 収 集 観 測 ノ ー ド の 位 置 観 測 値 補 間  特徴  分布推定の測定精度は若干下がるが、小消費電力

(27)

27

研究紹介:モバイルセンサを用いたデータ収集方式

 モバイル型のセンサネットワーク技術  センシングの必要な場所に適宜移動  省電力なデータ伝送  従来技術  各モバイルセンサが独立に移動してデータ収集  提案方式  「論理的レール」上を各モバイルセンサが連携して移動  「長距離で無線」or「移動して手渡し」を選択  利点:ノードの無駄な移動を大幅に削減

(28)

研究紹介:エッジコンピューティングを用いたセンサデー

タ収集のための負荷分散法

 災害情報をエッジサーバに一旦蓄積・集約してクラウドに転送を想定  従来技術:特定地域の被災のため特定のエッジのみが高負荷  提案技術:特定エッジの高負荷を回避するため、ローカル情報だけを用 いてエッジーエッジ間での負荷分散を実現 クラウド エッジ 周辺のエッジノ ードへ負荷分散 制御前 制御後

(29)

研究紹介:エッジコンピューティングを用いたセンサデー

タ収集のための負荷分散法

 災害情報をエッジサーバに一旦蓄積してクラウドに転送を想定  従来:時間的・空間的に重複する情報が存在  提案技術:クラウドの高負荷を回避するためのエッジサーバでのトラヒ ックシェーピング  目標:時間的・空間的に重複する情報を冗長な情報として扱い、クラウ ド側の受付可能トラヒック量上限以下で、出来だけ公平に受付 29 クラウド エッジ 制御前 制御後 空間的・時間的 公平性を実現

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研究紹介:エッジコンピューティングを用いたセンサデー

タ分散配置

 センサデータを効率的にハンドリングするエッジコンピューティング技術の 提案:地産地消型のデータ分散配置  従来技術  クラウドに全データを転送してるのでセンサデータ転送総量が増大  提案方式  センサデータを各地域ごとのエッジサーバに配置し、P2P技術

DHT(Distributed Hush Table)を用いてデータを「階層的」に分散管 理  必要に応じて必要なデータをP2P探索  利点:データ転送の総量を大幅に削減 21~30 11~20 0~10 M u lt i-o v e rl a y n e tw o rk s

The range of managed sensor data

測定データ群毎に異な るP2Pを構成

(31)

災害時のICTに関わる今後の課題

 多様で頑健な情報ネットワークの構築・実現  まずはインフラ系ネットワークの機能の確保  複数の代替手段の確保  バッテリの確保  必要十分な情報を必要な人・場所へ  情報の優先度を考慮した収集と配信  効率的な災害情報・避難情報の収集と配信  ローカルな細やかな情報はローカルに配信・収集  上位レイヤの課題  異なる情報源からの被災情報・支援情報の集約  多言語化、普段使いのI/F、デジタルサイネージ等の情報提供手段  デマ情報の検出と回避  「こころ」のケア 31

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大都市災害における情報ネットワーク制御の研究開発

 災害・防災のためのICT技術  大都市災害の特徴と対策  防災・減災のためのICT技術  災害時の情報ネットワーク  インフラ系ネットワーク  非インフラ系ネットワーク  災害時の情報ネットワークへの要求条件  我々の取り組み:災害時においても頑健な情報ネットワーク技術

 すれ違い通信(DTN: Delay Tolerant Network)を用いた情報転送

 無線マルチホップ型センサネットワークを用いた災害情報収集

参照

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