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「九州・福岡」から見た北東アジア地域間協力関係の展望

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Academic year: 2021

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【特集】

鳥取大学地域学部設置記念

鳥取県―中華人民共和国吉林省・大韓民国江原道交流10周年記念

北東アジア地域学国際会議

期日:2004年7月27日―7月28日

会場:鳥取大学地域学部

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「九州・福岡」から見た北東アジア地域間協力関係の展望

石川捷治

(九州大学大学院法学研究院、九州大学韓国研究センター) はじめに この報告は、「九州・福岡」という地域を中心として、そこから見た北東アジアの地域間の交流・ 協力ネットワークの展望について、政治学の観点から考察するものである。 最初から私事に渡ることをお許しいただきたい。私は敗戦直前の1944(昭和19)年10月、中国東 北部大連市に生まれ、翌年5月、旧制中学の英語教師であった父親が応召し、シベリア抑留にて死 亡、1948(昭和23)年7月に日本に引き揚げた(私の祖父母が大連に渡航したのは1911(明治44) 年である)。このような自らの人生とも重ね合わせて、北東アジアの平和と地域の安定的発展への 熱望と関心は、学問・研究以前に既にあった。現在、専門(本来はヨーロッパ政治史専攻)ではな いにもかかわらず、国立大学法人では唯一の九州大学韓国研究センターの仕事を引き受けているの も、そのためである。 国家というフィルターを通してではなく、「人びとが生活している空間の広がりと、そこにおけ る社会関係を示すもの」としての「地域」から、そこに暮らす人々の視点から考えてみたい。 「九州・福岡」の地域としての特徴 ・ 古代よりアジア大陸・朝鮮半島との深い交流関係(歴史的・地理的関係) ・ 朝鮮戦争時(1950年6月29日)、福岡、八幡、戸畑、小倉などに空襲警戒警報発令・灯火管制の 実施 ・ 今日の日韓交流・協力の状況(資料参照) 交流・協力の主体としての地域・自治体・市民 (1) 国家建設から自治体建設の時代へ ローカルに封印された能力をローカルに解放する。 自治体建設はピース・メイキングである。 (2) 自立と自治 「生きる場」としての「地域」は、人々が「生きる」ということ自体がもつ柔軟性や重層性ゆ えに、様々なレベルでの人々の一体感を伴う空間を生み出すとともに、歴史を通じてそうした 空間の変容や消滅をもたらすことになる。

(3)

48 地 域 学 論 集 第 1 巻 第 3 号(2005) 北東アジア地域間協力ネットワークの構造 (1) 地域間経済交流の進展と北東アジア 戦後北東アジアの地域形成 経済交流の進展 (a)「海峡経済圏」(b)「環日本海経済圏」 (c)「環黄海経済圏」(d)「北回帰線経済圏」 (e)「東アジア地中海経済圏」 cf.小川雄平『東アジア地中海の時代』明石書店、2004年、100−126頁。 (2)北東アジア「安全保障共同体」をつくること――政治的側面 市民的な共同体意識 「地域秩序」の5つのタイプ ①ヘゲモニー争いを含むパワー・ポリティクス ②大国協調 ③安全保障レジーム ④多元的安全保障共同体 ⑤ゆるやかな結合 「人間の安全保障」 ・専門家や政策エリートだけでなく多次元的レベルにおける市民のネットワークへの拡大 ・アイデンティティ ・市民的公共圏 新しい「地域秩序」と自治のあり方を求めて ・「九州・福岡」から見る地域間交流・協力の中核としての「日韓共同生活圏」 ・大学・研究者――知に基礎をおいた専門家集団の国境を越えたネットワークの役割 参考文献 (1) 石川捷治・平井一臣編『地域から問う国家・社会・世界−「九州・沖縄」から何が見えるか』ナカ ニシヤ出版、2000年 (2) 石川捷治・平井一臣編『終わらない20世紀−東アジア政治史 1894∼』法律文化社、2003年 (3) 小川雄平『東アジア地中海の時代』明石書店、2004年 (4) 宇野重昭・増田祐司編『北東アジア地域研究序説』国際書院、2004年 (5) 増田祐司編『21世紀の北東アジアと世界』国際書院、2001年 (6) 宇野重昭編『北東アジアにおける中国と日本』国際書院、2003年 (7) 薮野祐三「自治体の国際戦略」岩波講座『社会科学の方法11』岩波書店、1994年 48

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49 【特集】 北東アジア地域学国際会議

東アジア地中海経済圏

出所:小川雄平『東アジア地中海の時代』明石書店、2004年、105頁 参考資料(資料提供:福岡県国際交流課) 49

参照

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