開発農地における個別農家の農業経営計画 および地域土地利用計画
亀 山
宏INDIVIDUAL FARM PLAN AND REGIONAL LAND
PLAN IN RECLAMATED FARM LAND
Hiroshi KAMEYAMA
In the reclamated far・mland the stabilization andimprovement are desired by the expanding Cultivatedland and consolidatingfieldirTlg・ation facility.Itis the chiefinterest for benefited far皿
how the cr・OpCOmbinationand the sizes by cropmakeassur・e tOincr・eaSetheagTic−11turalnetbenefit as soon as pos$ible・TherIefore from the point ofindividualfarm plan and,regionalland use plan as the case study the way to plan for the reg・10nal agTiculturaldevelopmentis considerIed.
開発農地においてこほ,耕地の拡大,畑かん施設の整備等による生産性の安定・向上が期待される。受益農家にとっ て大きな関心となるのは農業純収益の可及的拡大を保障する作物選択ならびに作物別規模である。そこで,個別農家 の営農計画および地域土地利用計画の両面から地域農業開発のための定量的手法を事例的に検討する。 Ⅰ は じ め に 本営農計画が対象とする中海干拓事業は,中海に約2,500haの大規模干拓を行い,あわせて中海・・宍道湖の残水域約 1,500haを洪水化して,干拓地と沿岸既耕地約7,300haの農業用水を確保し,山陰地方の産業の活性化を図るととも に,近代的農業経営を可能にする先進農業地域を創設し,周辺農家の経営改善を図るものであるが,この事業によっ て造成された農地は,すべて畑地として利用することとしている。このような広大な土地を畑地として利用し,営農 を・確立するためには諸種の問題が提起されることが予想される。本計画は島根県の本庄地区(1,514ha)を対象とし, 将来,農業基盤の整備,さらに事業に伴う土地利用の調整などの,農業生産をとり巻く条件の大幅な改善を契機とし て展開される農業経営の対応のすがたを規模的に策定することを目的とする。これによって,当地域における自立経 営あるいはこれへの志向農家に対して,自らの経営を改善し,さらに拡大再生産を遂げつつ発展するために必要とさ れる努力接近のための目標を提示する。 計画は,2段階で進められた。その第1段階は,当地域において将来見込まれる代表的な営魚類塾を策定すること であり,また,その第2段階は地域農業資源の既存畳のもとに計画的に策定しうる作計別作付面積および営農類型別 の最適戸数の検討を行うことである。これによって,より詳細な地域農業開発をめぐるための定畳的把握についての 示唆を得ることが可能となる。 Ⅱ 接近の方法 本稿では,地元農家の農業所得を可及的に向上させ得るための合理的営農方式(農業所得毅大化を満足する農業部 門構成・規模)を線型計画手法により策定し,これを営農類型別メニュ、−として提示しようとするものである。
線型計画法は周知のように,−・定の与えられた経営条件(例えば経営耕地規模,農業労働力規模)の下で,採用可 能な各種作目の技術係数(制約要素となる土地と労働投入量を数量化したもの)と各プロセスの純収益係数(採用規 模の大小にかかわりなく,採用急に比例して変化する生産諸要素をもとに算出され,採用畳に比例して得られる可変 的純収益)とを想定したうえ,制約要素の枠のなかで全体の農業所得の最大化に必要な部門構成,部門規模を算定す る手法であるが,同時に与えられた諸条件を種々得ることによって営農方式を分析的に検討できるばかりでなく,こ こで目的としている種々の営農炉型メニューを作成することもできる。 営農類型はまず,露地野菜作経営,施設野菜作経営(施設野菜十露地野菜),果樹作経営,花き作経常,酪農経営 の5つの基本輯型を想定し,それぞれの基本棋型について顔地面横,家族労働力保有規模等の経営条件を考慮して類 型をさらに細かく設定した。 1‖ 線型計蘭適用上の前提 線型計画法に利用する各諸元は,原則的に生産量(または販売量)の変化に比例すか諸生産要素,販売経費で構成 しているので,諸元の解釈,計算鮭果の評価に対して少なくとも次の点に留意しなければならない。 ① 部門規模の変化に対し,生産技術条件ほそれを単体表(計算の出発となる諸元配列表)に明示的に表現してい ない限り一・定である。 ② 減価償却費,租税公課などの生産量変化に対して不変的な費用科目や復数部門に共通し,部門分割が不可能な 共通経費ほ原則として計上されない。 2.農業経営条件に対する前提 ここでは,まず,各炉型に共通する前提条件を述べ,炉型ごとの特殊な前提条件は後に該当箇所で述べる。 ① 農業労働力 家族労働力ほ2.6人(男1.0人,女0.8人,補助者0.8人)とする。1日当り労働時間は8時間を原則とするが虔繁期に は最大10時間まで延長可能とする。原則として家族労力の範囲内で経営を維持する試算をするが,場合によっては農 業雇用労働力を前提とした類型も考える。 ・自家労働の稼働可能時間は,
1,2,3月及び12月は(2.6人×26日×8時間=540時間),4−11月は(2.6人×26日×10時間=676時間)
・家族労働の年間雇用労働時間は1,000時間以内で月最大100−200時間とする。 ・雇用労賃の単価は1時間当り平均雇用労賃を820円とする。 ② 農地条件 干拓地の農地は不定資源量とし,但し,増反経営の場合には背後地(既耕地)の農地両横を資源量に加え,農地規 模の大きさを変えて種々計算する。土地利用年間2作を基本にするが,作物の組み合わせによりそれぞれ決める。背 後地の水田に対する水稲作付面帯割合は水田両横の75%とする(転作率25%)。また,産地の出荷体制を考慮し,適 宜,個別経営計画において,各作物の採用規模について上限あるいは下限を設定している。 (参 営虚構型 対象となる営農煩塾は各種振興計画,背後地営幾実態,市場動向,干拓地栽培実績等を参考に選定する。 ④ プロセス純収益の計算は,粗収益から変動的経営費(一億的経営費である建物・大農機具等の減価償却費ほ含 まない)を差し引いて得られる。さらに,最適経営計画が策定された後に得られるプロセス純収益総額から一・定的経 営費を差し引いたものが免業所得である。 プロセス純収益=粗収益一変動的経営費, 農業所得=プロセス純収益総額一一・定的経営費 ⑤ 所得目標は,当該地域の農家所得水準を越え概ね600−700万円とする。 ⑥ 導入作目の経費は,個別経営とするが,生産組織の育成をはかり,施設機械の利用により,能率の向上と所得 の増大を図るものとする。 3試算の内容と意義 損益計算の最終的成果としての「プpセス純収益」,農業所得と効率指標として「1人当り農業所得」「1時間当り農業所得」「10ア1−ル当り農業所得」を・示した。 これらの参考として「家族労働利用時間」「家族労働利用率」「延作付面療」「耕地利用率」等,主に技術的指標 を示した。 4地域の土地利用計画 地域農業計画の方法ほ,計画主体や計画目標の内容によっていくつかの方式が考えられる。一・般に,①積み上げ方 式,②拠点的投資(波及効果)方技,⑨分割方式,④積み上げ調整方式,㊥地域農場的方式,の5つに整理されてい る。これらの方式ほ,大別すると下からの積み上げ方式か,上からの分割方式かに分けられる。また,生産の担い手 のある個別農家の経営計画を計画モデル内で陽表的に考慮するか,否かによっても区別される。 個別経営の問題を陽表的な形では取り扱わない方法として,⑤の地域農場的方式もその1つであり,この方式は個 別経営の枠を完全に取り払って,地域全体が一つの農場(即ち,地域内資源の完全流動化状況)のように考えて,将 来の最大生産可能純収益を算出するという考え方である。この場合には,地域全体の土地や労働力,水,施設の稼働 能力といった地域資源に関する制約の中で,いかなる作目(生産プロセス)を,どの時期に,どれだけ作付するのが 最適かを償出する。ただし,計画解として,土地など地域虚業資源をもっとも効率的に利用する土地利用計画(作自 別面積)が求められるが,地域で展開する主体である個別の農業経営を陽表的に取り入れないために,どのような主 体によって担われるかは不明となる。 これに対して,営農類型別の最適戸数を求める方法がある。これを「最適戸数方式」と呼ぶ。これは,まず第一・段 階として,個別レベルでの線型計画法などにより地域内において,将来,展開可能と思われるいくつかの営農炉型を 求める。そして次の段階として,地域内の純収益が最大となるような各営農類型の最適戸数を最適解として求める方 式である。現実には,これらの方式のそれぞれの結果を折衷して,地域土地利用計画の策定の指針とするものである。 ここでは,地区の土地利用計画を「地域農場的方式」,「最適戸数方式」の2つの方式によって求めることにする。 Ⅱ 策定された個別経営の営農類型 島根県本庄地区を想定して,各営農炉型ごとに試算をする。以下,それぞれの類型について検討する。 1露地野菜炉型 (1)類型策定の基本方針 本営愚計画では,干拓地という性格上,土地利用型の営農腰型がどこまでの農業所得を実現しうるかという点に関 心が集まると考えられる。そこで,露地野菜についてほ可能な限りの類型の試算に努めた。ことに,「畑地面積の拡 大に伴う最適経営計画の変化」に関する結果と「策定された営農類型」を関連づけながら検討する。 (2)類型策定の前提条件 経営耕地面積は,水田(既耕地)と畑(増反面積)で,どの塀型も水田0.7haとし,畑ほ3.Oha,2..7haの2つのケ ・−・スを設定する。また,野菜作において可能な限りの高度利用を実現するために,耕地利用が競合する時期について 必要に応じて,月別,旬別,前期り後期別に耕地利用の制約を設定する。 農業労働力は,家族労働力2り6人を想定し野菜作における作業の融通を可能とするように,旬別ではなく月別に労働 制約を設定する。 露地野菜全般について,根菜煩から葉菜類までの幅広い作物の栽培ができる資本装備を想定する。−・方で,上記の 頒型によっては不安な装備も含まれ,多少過剰気味であるが,露地野菜経営においては共通の資本装備を前提とする。 策定する類型としては,露地野菜経営は,土壌条件を考慮(塩分鼓の高い土壌においては板菜類の作付に.は適さな い)し,作目の栽培適正の点から¢)を,収益性の高い基幹作目ごとに⑨−㊥の6炉型を試算する。 ①露地野菜一・般型,②板菜炉制限型(すいか,ブロッコリー,キャベツを除く),⑨すいかなし型,④すいか主幹 型(すいか,ブロッコリ・−・,キャベツを除く),⑨ブロッコリー主幹型(すいか,キャベツを除く),⑥キャベツ主 幹型(すいか,ブロッコリーを除く)。 (3)計測結果 この表1では,営農類型別,耕地規模別,労働規模別の形態について,それぞれ所与の犠営条件の下で最大の純収
益をもたらす作目の組合わせと,その採用畳及び純収益が示されてある(斜線の引かれてある作目ほ,採用対象から 排除されたものである)。 1)畑地面積の拡大に伴う最適経営計画の変化 まず,各生産プロセスの導入面積について上限制約をかけずに,畑地面積の拡大に伴う最適経営計画の変化をみて みよう(図1)。 雇用の有無に関わらず,小面積の経営では冬キャベツがすいかと共に導入されていくが,紛1.5ha前後の面積から すいかが減少し,代わって,春ブロッコリー−が導入され始める。2.5ha弱のあたりから,春ばれいしょ,秋冬プロッ コリ・− ,秋ばれいしょが導入されるにしたがい,春プロッコリ・− ,冬キャベツがはぼ−・定面積で推移しはじめる。こ こでは,仮に農家に対して作付面積の制約がかからず,その経営面積の規模に応じて自由に作目の組合せを任せられ た場合の最適経営計画の変化をみたが,現実には,次にみるように地域全体の土地計画との調整によって各農家には 作目の導入面積について制約がかけられる。
表1 露地野菜 の最適経営 計画
注:1)畑地面硫ほ300a,作目別に60aまたは150aの制限を設定。 2)一定費ほ49万円。春ブロッコリー l 各プ ロ、セ ス の導入面積 畑 地 面 析 図1畑地両横の拡大による最適経営計画の変化露地野菜(雇用なし) 2)策定された露地野菜経営の最適経営計画 畑地面積や農業労働力の水準に関して同一・条件の場合は,営農類型の違いによって,盛業所得の額について概ね, 次のような大小関係がある。 一・般型>根菜類制限型>すいかなし型.>すいか主幹塑>キャベツ主幹型>プロッコリ・−・主幹型 炉型別に主たる作目構成をみると次のようである。 根菜頬制限塾ではすいか,秋ブロッコリーせ中心に,すいかなし型では冬キャベツを中ノ亡〉に,すいか主幹型ではす いかに秋ブロッコリ・− ,かんしょ,たまねぎ,キャベツ主幹塾ではかんしょとの組合せ,プロッコリ・一主幹型ではか んしょ,たまねぎという組合せによる経営である。ほぼ,いずれのケ1−スでも農業所得目標の700万円ほどは達成し ている。 2施設野菜類型 (1)煩型策定の基本方針 前記のように,土地利用型の営農頼型を試算,検討することが主たる課題であるが,ここでは,施設作目を主幹と しながら,その他に露地野菜を組み合わせた営農類型として施設野菜炉型を検討する。 (2)塀型策定の前提条件 経営耕地面積ほ,露地野菜型に準じ,畑は,2…4ha,2nlhaのケ・−スを加える。 施設野菜を主体とし,建物施設としてビニ1−/レハウスについて324m2の制約があり,施設野菜の栽培はほぼ3反ほ どに制約される。 施設野菜経営では,露地野菜経営で用いた作物のうち収益性の高い主幹作物である春ばれいしょ,秋はれいしょ, すいか,年内キャベツ,冬キャベツを除いた露地野菜を選択可儲とする。 そして,施設野菜としてはメロン(半促成,抑制),トマト(半促成,抑制),キュウリ(半促成,抑制)が導入
可能であり,そのう、ち,①メロン半促成+トマ†抑制,②トマト半促成十メロン抑制,⑨キュウリ半促成+トマト抑
制,④トマト半促成+キュウリ抑制 以上の4つの作型の組合せを前提として試算する。(3)計測結果 露地野菜のうち収益性の高い基幹的な作目を除き,雇用労働,作目ごとの作付制約条件を加えたものが用いる単体 表である0これを解きえられたのが表写である。雇用の有無と畑地面積からケ・−・スを分けている(ここでほ,雇用あ りのみ)。 表 2 施設野菜 の最適経営計画 注:1)作目別に60aまたは150aの制限を設定。 2)雇用労働力はなし。 3)−・定費は49方円。 まず,雇用なしの場合,畑地面積を300aから210aに縮小させると,かんしょを大幅に減少させ,施設面帯を9aか ら12aへと増やすが農業所得で約40万円ほど減少する。 雇用ありの場合は,300haでもかんしょよりはむしろ労使用的なたまねぎ,にんじんなどを作付し,畑地面積が縮 小させても直接に施設野菜を増加させない。 3果樹額型 (1)類型策定の基本方針 当初の配分計画では掲げられていないものの,果樹作は,現在,試験閲場で栽培されているぶどうを中心に期待さ れており検討する。果樹作経営では時期に.よって多くの雇用を必要とするので,多量の雇用のケースを設定する。ま た,樹園地の管理,栽培技術上は望ましい品種構成が指摘されているが,ここでは品種あるいは作型によって導入面 瘡の下限を設定することはしない。 (2)類型策定の前提条件 経営耕地面輩は,水田(既耕地)と畑(増反面積)で,いずれの炉型も水田0.7haとし,畑は0.9ba,1.2baの2つ のケースを設定する。
果樹作のなかでもぶどう作の資本装備を想定する。 (3)計測結果 まず,雇用なしの場合は,表3に示されるように5月,6月の労働が不足して畑地面積が0.9ha,1.2haの場合とも に遊休地を生ずる。そこで,0.9haの畑地面積で雇用200時間/月可能とすると,畑地ほ利用尽くされ,その際の畑地 の限界生産力(最後の10a当たり利益産出力を意味し,さらに10aあれば該当額だけプロセス純収益を高める)が約 4万円となっている。 仮に,5月,6月に350時間/月ほどの雇用が時期的に確保することができれば1“2haの畑地面積も完全に利用でき る。 表 3 果樹 の最適経営計 画 注:1)作付面積に60aの制限を設定。 2)−・定費ほ51万円。 4花き炉型 (1)炉型策定の基本方針 現在,周辺地域で部分的に展開している花き経営を前提に試算検討する。 (2)炉型策定の前提条件 経営耕地面帯は,水田(既耕地)と畑(増反地)で,どの類型も水田0.7haとし,畑は1.8ha,2い1ha,2.4baの3つ のケースを設定する。 農業労働力について,9月のみ400時間雇用可能のケースを設ける。 栽培用ハウス0.1ha,育苗ハウス0.01haとし主に露地ものの花き作経営の資本装備を想定する。 (3)計測結果 土地利用型のそのほとんどは施設塾花きであり露地花き経営は考えられない(表4)。最低限の配分面帯は干陸終 了した地区では9反が下限であるが,労働の面から無理である。島根県の段菜振興指針によると,チエウリップは大 規模な水田の裏作を前提とされており,また,施設もののきく,ボタ∵/(苗木生産)の経営は大量の雇用が確保でき
表 4 花 き の最適経営計画 注:1) 一・定費は51万円。 2)経営額型4ほ9月のみ400時間。 る条件を必要としており花き専作経営は無理である。 5酪農類型 (1)類型蚕定の基本方針 酪農経営は乳肉複合経営を・前提とし,畑面斎の変化にともない,プロセス純収益を可及的に最大化するこの乳肉複 合経営の部門構成がどのように変化するかをみる。つまり,畑地面積の各段階ごとに経産牛などの最適飼養頭数を求 める。 (2)炉型策定の前提条件 農業労働力は家族労働力26人(男1,0人,女08人,補助者08人)として,原則として平均時に1日8時間, 更に超勤可能労働時間として1日2時間労働するものとする。このほか雇用労働は必ずしも前提としないが,必要に 応じて月100時間∼200時間の雇用ができる。 経営耕地面積としては,入植を前提とL.,背後地の水田における稲作付はせず,経営耕地規模は畑(増反面療)6 ∼9haである。 労働配分としてほ,飼養頭数規模の増加が自家労働時間の制約に厳しくかかることを避けるために,産乳部門(経 産年50頭,育成牛:成牛換算417頭),騎入部門(老廃牛,初生子牛)については飼養管理労働時間をあらかじめ差 し引いておく。したが・つて,労働係数は,老廃牛の肥育販売,ほ育育成販売及び自給飼料生産部門のみにかかる。こ の他,老廃牛は年平均にすると,
0.11時間/日・頭×120日×365日=0.036/頭−日。は育l・育成は年平均で5.17×6か月÷12か月=2.585分/頭・日とする。
飼料給与標準最および飼料給与制限について,飼養期間は,雌子牛が0か月∼12か月,育成牛が12か月∼24か月, 老廃牛の肥育が120日(550kgから670kg),ほ育・・育成牛が0∼6か月である。 飼料必要養分盈ほ日本飼養標準表を用い,必要養分慮は飼育計画に基づき,経産牛,育成牛,育成素牛について維持,妊娠,産乳に応じて決定した。指標としてほDCP,TDN養分および乾物最(DM)を用いそれぞれに制限を設 ける。 牛舎制限及び乾燥舎面積について,牛舎の面積は,経産牛1頭当たり年舎8.6m2,乾燥舎46m2,計13.2m2として 経産牛換算すると,牛舎面積750m2×13.2m2=56.8頭分である。 (3)酪放経営の技術並びに純収益・費用係数 1)乳牛飼養計画 飼養牛の能力について,①搾乳牛1頭当たり年間搾乳最ほ,5,500kg以上を目標とし,乳脂率35%を保つ。②平 均分娩間隔は14か月,搾乳期間ほ.10か月であり,体重550kgを維持する。 飼育頭数について,①搾乳牛50頭,更新年ほ自家生産牛で補充し,常に6∼8頭を育成する。②初産月齢は26か月, 耐用年数は初産後6年とし,年齢別構成では1歳牛から8歳牛までを飼養する。⑨更新は自家育成によることを原則 とし,技術係数は次式によっている。 成牛卜汰更新率(未経産補充率)=1/耐用年数6年=16.7% 育成牛飼養頭数率=12か月/分娩間隔14か月×(100一危険率5%)一成牛卜汰更新率16.7% その他,技術係数をみると,初生子年の購入は100一危険率10%=0.9,初生子牛の販売を1,ほ育の育成牛販売を1 とする。 2)酪農経営の純収益り費用係数 子牛の販売ほ1頭当たり41,562円(開発事業団実績),購入45,00P円(聞き取り)である。 購入飼料の10kg当たり費用は,配合飼料が10kg当たり691円として, TDN7kg,DCPl.4kg,DMlOkg×86リ5%=8。65kg, 稲わらが10kg当たり400円として,DM87.7%,DCPl.1%,TDN38.O% 3)建物,施設,機械装備などの資本装備と年間償却費と劇定的経営費ほ個別経営とするが,近辺のほぼ同山規模 の農家と共同で大型農機を装備し,労働の省力化をほかる。また,牛舎及び施設についてほ,′くイプライソミルカー, バルクク・−ラー,バンクリ1一ナ・−を設置し,品質管理及び衛生面において充分な注意をはらう。畜舎施設についてほ 標準的設定を行う。ここでの固定資本投下ほ初期のセ・ブナ投資が前提であり,評価額ほ現在価格である。酪農経営50 頭飼育基準を例示した。酪農経営の一定費(一・定的経営費)はiこの減価償却費のほかに,修繕費,農業共済費,租 税公課,支払利息,雑費を加える。 4)自給飼料の安定供給ができ,生産の拡大を図るため,厩肥の土壌還元を行い,飼料畑の地力を高める。自給飼 料畑ではイタリアンライダラスととうもろこしを生産するものとする。 (4)計測結果 まず,各生産プロセスの導入面積について上限をかけずに,畑地面積の拡大に伴う最適経営計画の変化をみてみよ う。計測ほ以下の類型によって行い,表5のような結果となった。ここで,経産牛50頭固定型については6.Oha以下 では解不能となっている。 次に雇用,畑地面積についての条件の下でえられた般適経営計画の結果は次のようになった。 a)酪農経営一般型………・①雇用なし(1−3),②5月,9月のみ雇用100時間/月が可儲(4) b)経産牛50頭固定型…・・5月,9月のみ雇用100時間/月が可能(5−7) c)老廃牛肥育なし・…・ 5月,9月のみ雇用100時間/月が可能(8−12) 1)酪農経営一般型の雇用なし(a−①)の場合 全般的に目的値であるプロセス純収益総額そして農業所得が660万円∼960万円と低くまた飼料畑のための畑地面 積を増加させても目的値が増加せず,安定年次での目的値がこの程度では経営は困難と思われる。 2)酪農一・般型で雇用あり(a−②)の場合 労働が不足する5月,9月に雇用を月最大100時間採用可能にすると(酪農では野菜のように安易に雇用が得られな いのではないかとの理由で100時間とした)老廃肥育が極端に増える。この経営類型ほ,経産牛を27頭ほど飼養するも のの,主として老廃牛を170頭ほと儲入し,これに搾乳期間の過ぎた自家の経産牛4頭ほどを加えて120日間肥育し, 販売する経営である。このため,配合飼料による老廃牛の飼養管理労働に家族労働があてられ,畑地面積を6haから 増加させ計測したが,自給飼料生産はイタリアンライグラス,とうもろこし共に4り6haにとどまっている0 しかしな がら地域全体で考えると老廃牛の購入がこれだけ可能とほ考えられない0
表 5 酪農経営の最適経営計画 経 営 類 型 番 号 ロ 2 3 4 5 6 8 9 10 12 酪 袋 経 営 一・般 塾 雇用100 経産牛50頭固定型 老廃牛肥育なし 雇用100時間/5月.9月 雇用100時間/5月.9月 時間/月
.5ha 6ha 7.5ha 8ha 9ha 6ha7ha 7.5ha 8ha 9ha
経 産 牛 頭 423 亜8 448 279 50 50 50 423 455 471 486 50
育 成 牛 71 75 75 46 83 83 83 71 76 78 81 83 来 年 育 成 71 75 75 46 83 83 83 71 76 78 81 83 隣 141 (42) (59) 1703 25 25 25 入 (76) (76) (76) (76) (76) (76) (759) 755 368 175 (76) (76) 老 廃 牛 (191) (149) (149) (191) (191) (191) (1914) 68 73 75 78 8 販 初 生 年 271 28 7 二お7 178 32 32 32 (84〉 (84) (84) 16 32 老廃牛肥育 209 72 72 1747 10 5 105 105 売 ほ 育 育 成 (392) (442) (463) (278) (104) (104) (256) 95 62 3 459 295 (13) 自 55 52 46 7 5 8 81 6 7 75 8 9 給 6 70 72 43 75 8 90 6 7 75 8 8829 配 合 飼 料 10kg 5,4516 5,7596 5,7567 2,、7603 5,7381 5,0362 4,5675 5,4516 4,9228 も7695 4,6682 4,0736 TDN上限135% 8,2、790 6,9400 6,9399 25,0846 8,0534 8,0039 7,8031 6,1798 6,4556 6,548台 6,6251 6,5339 畳 DM上限 13,4666 14,2533 14,2530 8,8625 15,9100 15,9100 15,9100 13,4666 14,4781 14,9733 15,4685 15,9100 牛 舎 制 限 頭分 69 63 63 (1559) (3953) (3953) (1867〉 01 (1570) (1854) (1805) 16 プロセス純収益総額 千円 13,7856 16,7856 16,79$2 21,137 2 19,3592 19,9782 20,6583 17,6876 18,8270 19,3524 19r8489 20,2279 農 業 所 得 〝 6,6095 9,6095 9,6201 13,9611 12,1831 12,8021 13,4822 1仇5115 11,6509 12,1763 12,6728 13,0518 1人当り農業所得 ′/ 〝 〝 疾働労働時間 時間 7,2011 7,0561 7,0533 8,9(旧7 7,2018 7,2438 7,2922 8,3177 7,9330 7,7認3 7,5436 7,193−5労 働 稼 働 率 % 759 744 743 938 759 763 768 876 836 815 795 758
10アール当り労働時間 時間 12,0018 10,0802 9,4044 14,8345 g,6024 9,0弱8 8,1025 13,8628 11,3328 10,3177 9,4295 7,9928
注:()内は潜在価格 (千円)3)経産牛50頭固定型(b)の場合 50頭で固定すると若干目的値ほ低下するが可能な経営と思われる。しかし,7ha以下では,TDN自給率が60%を下 回るため飼料養分必要量を自給することができず,制約条件にかかり実現不能という結果がでる。 4)老廃牛肥育なし(c)の場合 (b)の経営をみると,老廃牛を多数購入し初生子牛を販売するという経営であるので補完として老廃牛肥育をしな い経営を考える0目的値をみるとほぼ同程度の数億となり,7.5ha以下でほ老廃牛を販売し初生子年を購入するとい う(b)と逆の結果となる。 以上の結果から,地区内で酪農経営を考えるためにほ,次のような類型の異なる経営を組み合わせることが適当と 思われる。 ア)面積7・5haで,経産牛50頑固定型と老廃牛肥育なし経営を組み合わせ,地域で老廃牛と初生子牛の補完を行う。 イ)面積7baの場合には自給率60%に可能な程度に(b)の経度牛を落とし(c)と組み合わせる。 Ⅳ 地区における土地利用計画 1い 「地域農場的方式」による土地利用計画 この方式の場合にほ求める変数は各作目別作付面積であり,地域農業計画がそのまま土地利用討動こなっている。 この計画方式は,個別経営計画の場合と全く同じ方式により作成することができる。 まず,この計画でほⅡで用いた作目を導入可能な生産プロセスとして設定する。 (1)計画作成上の前提と制約条件 ① 土地条件 土地は,水田と畑に分け取り扱う。水田は,1戸当たり0.7haの既耕地を想定し,農家戸数の増加にともなって増 加する。畑は,地区∵面積1,689ha,造成面帯1,514haの内,宅地農業用施設用地208haを除いた1,306haである。 ② 農業労働力条件 本計画でほ農家戸数を292戸としている。そこで,1,2,3月及び12月は(540時間×292戸=157,680時間),4 ∼11月は(676時間×292戸=197,392時間)とし,そのうえで,この農業労働力水準を「現状」として,更に,2割増 加,4割増加,5割増加の5ケ・−・スについて試算する。 ⑨ 作目別作付面積 本地区における作目別の作付面積の制約条件は,昭和57年12月に島根県大阪事務所により大阪中央卸売市場におい て実施された結果「京阪神市場が島根県に供給を期待する野菜及び果実頬」に基礎を置くことにする。 (2)「地域農場的方式」による土地利用計画の策定結果 この計画方式では,土地利用や労働力利用に関して個別経営の枠を設けず,地域内では完全に流動化するものと仮 定している。したがって,これほ地域全体としても最も効率的な土地利用方法を求めたことになる。次のような結果 を得た(表6)。 この地区では,これだけの農用地が増成された場合,市場への販売戦略に基づく作物別作付面積の制約のもとにお いて,「現状」(農家戸数292戸)の農業労働力水準だけでほ地域農業の充分な展開が困難とみられる。そこで,農 業労働力が現在よりも2割,4割,5割増加した場合の最適土地利用計画をも求める。この結果から,次の点が指摘 される。 第1に,現在の労働力水準でほ,造成された農地を全て利用することは不可能であり,約220haの遊休地を生ずる。 もし,農業労働力が5割増しに確保されれば遊休地は約40haに減少する。 第2に,このような農業労働力の増加に伴って,導入作目の構成も若干変化する。すなわち,露地野菜では,ほと んどが既に「現状」水準において作付面積の制限に掛かっているが,労働集約的なすいかがわずかに減少し,労働粗 方的なたまねぎが増加する。そして,露地野菜のほとんどが,作付面積の制約にかかるにつれて施設野菜が取り入れ られ,相対的に収益性の低い果樹が作付されるようになる。 また,この計画では,地域内で有機物が確保され循環すること,更に,乳用牛の飼養にともない−・定数の乳雄の肥 育がなされることを考えた。この計画のもとでは,作物別の作付制限が強く効いており,労働粗方的な作目の制約が 緩和されることにより農地の遊休地が解消されると思われる。ただし,この場合,市場への供給量が増加し,市場単
価の下落を通じてプロセス純収益係数に影響を生ずることになる。 表6 「地域農場的方式」による土地利用計画 単位:ha,頭 農 業 労 働 水 準 制 約 現 状 2 割増 加 4 割増加 5 割 増加 水 稲 137小 9 1655 1 1773 か ん し ょ 80 80 80 80 80 春 は れ い し ょ 60 60 60 60 60 秋 ば れ い し ょ 60 60 60 60 60 さ と い も 20 20 20 20 す い か 100 963 91.0 88.0 867 春 プ ロ ッ コリ− 20 20 20 20 20 秋 ブ ロ ッ コ リ ー 20 20 20 20 20 た ま ね ぎ 100 386 865 100 100 に ん じ ん 60 60 60 60 60 ス イ ー ト コ・− ソ 40 年 内 キ ャ ベ ツ 60 冬 取 り キ ャ ベ ツ 60 60 60 60 60 か ぼ ち ゃ 60 メロン + トマト キ、ユウリ + トマ† トマト + メロン tマ† + キュウリ 102 20 メ ロ ソ 半 促 成 80 抑 制 80 ト マ ト 半 促 成 20 102 20 抑 制 28 き ゅ う り 半 促 成 80 抑 制 80 10.2 20 デ ラ ウ・エア露地 80 無加温 80 3 60“0 80 80 加温 80 19 26小 8 42小 3 452 巨 峰 無 加 温 20 20 20 20 20 加 温 20 20 10 20 チ ュ ー リ ッ プ 10 グ ラ ジ オ ラ ス 10 10 10 10 き く 10 ボ タ ン 10 10 10 10 10 新 鉄 砲 ゆ り 10 08 57 乳 用 牛 4,750 4,750 4,750 4,750 4,750 肉 用 牛(繁 穂) 950 97 乳 雄 肥 育 2,375 2,375 2,375 2,375 2,375 純収益総額(10万円) 35,342小 4 38,159“3 40,814.2 42,039.3
面l水
田 1379 165.5 1780 177,3 積 畑 1,306 1,0864 1,3060 1,243小1 1,265.0計 内(樹園地)
74t 6 116.9 162.3 145.22 「最適戸数方式」による土地利用計画 「地域農場的方式」においては,将来,本地区において展開すると思われる代表的類軋あるいは自立経営として 展開可儲と思われる個別営農類型を策定し試算した0ここでは,次の段階として,地域内の資源利馴こ関する制約と 地域生産目標などの制約条件下において,地域全体の純収益が最大となるような各経営炉型の最適戸数を最適解とし て求める。 (1)計画作成上の前提と制約条件 ① 土地条件 「地域農場的方式」に準ずる。但し,畑の1,306haの内,45haを横国地とする(本計画では1戸当り0・9haを拝聞 し,1集団当り5戸の集団を10集団を設けることにしている)○ ② 農業労働力条件 表7 「最適戸数方式」による地域農業計画 単位:ha,戸 作付面軍制約 ケ・−ス1 作付面積制約 ケ・−ス2 経 営 炉 型 労働力現状水準 現 状 水 準 土地利用a b a b
塀刑 経 営 類 型 労働力 水 田 畑 戸数 面 積 戸数 面 積 戸数 面 街 戸数 面 横 ≡ヒニ 番号 (人) (ba)、 (ha) (ha) (ha) (ha) (ha)
ロ 2 26 ブロッコリー主幹型 26 26 26 7.5 22.6 7.5 2乙 6 キャベツ主幹塾 26 2.6 8 26 10 26 90四
26 12 26 13 26 14 26 15 26 16 17 26 18 26 _19 26 20 26 21 26 22 23 26 24 26 25 26 95.0 570.0 10.1 60.9 26 27 28 26 95.0 855.0 84.9 763.7 29 30 26 蔓 _. 26 32 26 33 26 合計農家戸数 2915 290小9 324 324 および面帯 9667 1,2523 1,0536 1,3060 畑地遊休面療 339 3 537 2524 00 注:1)経営条件において自家労働力は2い6人。 2)酪盈経営の月当り雇用労働は5月,9月のみ。 3)土地利用条件,aは畑地面積の制約について不等号,bは等ち◇前記に準ずる。このなかで地域内の雇用労働をまかなう。 ⑨ 作目別作付面積の制約条件 前記に準ずる。そのうえ,試算の際には,これをケ・−ス1,更に,ケ1−ス2として,この制約を作目について各々 20haずつ増加させて試算する。酪農経営については類型の如何にかかわらず戸数95戸とする。 ここでの試算に用いる経営類型では,露地野菜経営,施設野菜経営については,常時の雇用労働力確保は困難と思 えるので,雇用なしで家族労働のみとし,果樹経営についてほ,極端に農業所得が低いこともあり,1か月当り100 時間,200時間の雇用を可儲とした。なお,花き経営は,充分な農業所得目標を実現しえず除くことFこする。酪農経 営では,5月,9月に.100時間の雇用も可能である。 (多 士地利用条件 畑地の利用についてほ各生産プロセス(作付面瘡及び酪農農家戸数)の制約だけで最適土地利用を求めるが,この 場合,農業労働力の制約畳の水準によってほ畑地に遊休地を生ずることもある。そこで,次善のケ・−・スとして畑地面 帯をなるべく全て使い尽くすように符号条件に.して試算する。 ・畑地面積の関係式を通常の不等式…… 「土地条件a」,同関係式を等号…‥ 「土地条件b」 (2)「最適戸数方式」による土地利用計画の策定結果 表8 「最適戸数方式」による土地利用計画 単位:ha 計画条件 ケ ・−・ ス 1
作付
ケ ・−・ス 2面積
労働力現状水準両群
現 状 水 準制約
b制約
a b 水 稲 1375 13’75 1603 160.3 か ん し ょ 100 1000 1000 120 1200 1200 春 ば れ い し ょ 80 78 92 120 130 130 秋 ば れ い し ょ 80 OL0 00 100 00 00 さ と い も 150 14小0 i39 170 171 17小1 す い か 100 154 183 120 57 5“7 春ブロ ッ コリ ー 20 43 00 40 113 11,3 秋ブp ッ コリ ー 20 200 00 40 364 364 た ま ゎ ぎ 120 433 429 140 398 398 ケこ ん じ ん 80 800 800 100 1000 100小0 ス イ ート コ 鵬−「ン 50 00 00 70 0。0 0“0 年 内 キ ャ ベ ツ 80 00 0.0 100 0.0 0り0 冬取 りキ ャベツ 80 800 800 100 1000 100‖0 か ぼ ち ゃ 80 800 796 100 1000 100.0 メ ロン 半促成 100 10 11 120 00 0.0 抑制 100 134 131 120 159 159 トマト 半促成 20 134 131 40 159 15小 9 抑制 20 10 11 40 00 00 きゅう り 半促成 100 00 00 120 0‖0 0小 0 抑制 100 00 00 120 00 00 デラウェア蕗地 100 00 00 120 0“0 0 無加温 100 00 0.0 120 0小0 00 加温 100 00 00 120 00 0∴0 巨峰 無加温 30 150 150 50 150 150 加温 30 30小0 30.0 50 300 30.0酪 農 経 営
5700 855.0 5700 8246 純収益総額(10万円) 25,486 25,008 27,763 27,356木方式でもこの地区では農業労働力の確保が重要な問題になる。農業労働力に.関して現状水準(計画戸数292戸) と現状よりも2割∼5割増加の各ケ・−スを想定して,最適解を求めている。しかし,この方式によって地域農業の展 開を考察する場合,幾業労働力の水準に応じては結果の解が変化しない(表7,8)。 その理由としては,次の点があげられる。収益性の高い作目を基幹とし,相対的に高い純収益総額をあげうる営農 横型が優先的に採用され,その経常内で基幹的作目が地域全体として生産する制約畳に達するに至った時点で,次に 有利な営虔炉型を採用するという過程を経て,地域全体で利用のできる資源量の制約に達するまでこれを繰り返す。 そして,すべての作目に.ついてその作付制限量まで生産されるとそこで土地利用計画の最適解になる。そのため,仮 に,農業労働力の水準を増加していっても,主要な作目の作付上限に達すれば,計算は終了し,畑地面積を完全に使 いきらぬまま遊休部分を生じる。 そこで,次に,畑地をできるだけ完全に使い尽くし遊休地を生じないために,「土地利用b」を想定し検討する。 作付面積ケ・−・ス1において土地利用aの場合,畑地の遊休面積が約340haであったのが,土地利用bになって53い7ha にまで減少する。作付面積ケ・−ス2において各作目の制約面積を20haずつ増加させて,制約を緩和させると,畑地の 遊休面積ほ,土地利用aの場合の252.4haから土地利用bになって完全に使いきることができた。 3策定結果について 以上において,2つの方式により地域土地利用計画を策定したが,2つの方式について結果を比較すると,地区.に おいて,資源の完全流動化を前提とした「地域農場的方式」が,10億円以上高いプロセス純収益総額を実現している。 しかしここでほ,変動的経営費のみを考慮している。導入作目の構成としては地域複合化を目標とするに・しても,個 別経営完結の性格を強めるほど地域全体として−・走的経営費を増すのであり,次に,いかなる機械,施設等の共同利 用あるいほ畑作の機械化集団を前提にするかによって大幅に変わりうる。 お わ り に 開発農地における個別営農計画および地域土地利用計画をめぐる諸種の問題点の抽出に努めた。このように,新た に大面積な農地を開発し,食粒の供給能力を増大する場合,ほとんどの品目において過剰基調にあるなかで,いかな る産地の育成を図りうるのか。受け入れ着である市場との密接な連携をとることによってはじめてその計画の実行性 を高めうる。さらに,個別経営計画にとって最大の関心事である土地代金の佑還水準の営農設計への影響,前提とさ れうる償還方式についてほ問題が残される。 (1987年10月31日受理)