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昆虫羽ばたき時における非定常流体力計測

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Academic year: 2021

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愛総研・研究報告 第14号 2012年 63

昆虫羽ばたき時における非定常流体力計測

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Abstract Studies of flying insect have focus巴don 10w Reyno1ds number effect for biofluid behavior in un

-steady regime. The research of atmospheric flight prop巴rtiesis of interest to exp10re biofluid mechanism by

which process of th巴unsteadyforces, wak巳andvortex the unsteady motions interact with flapping wing. In the

present work, to simultaneous measuring of unsteady aerodynamic forces and flapping motion for flapping small b巴巴tlewith sampling frequency 10kHz. The 1ive small beetle generated horizonta1 force by upstroke and

feathering at T.D.Cヲwhi1ethat generated maximum vertica1 force at mid-downstrok巴

L

はじめに 無人飛行体は、自然災害によって倒壊した建物内部探 索、国境警備、火山の活動や大気汚染された地区の観測 やパイロットへの被害が懸念される地域など、極限環境 での探査を行う事ができる。小型無人飛行体(MAV)の制 御は、無線操作やコンビュータによる自立飛行による方 法が考えられる。そのため、航空工学・空気力学に加え、 電動化技術、カメラ情報収集技術、双方向性通信技術、 混信回避技術などの組み合わせ技術の確立が必要である。 MAVの最適な飛行方法はまだ決定されておらず、小型 ヘリコプター、羽ばたき翼及び固定翼など様々な方法が 考えられている。その中でも、ホパリングや急旋回が可 能である羽ばたき翼による飛行が注目されている (1)~(6)。 見虫の麹は趨脈と非常に薄い膜を有し、羽ばたき運動に おいても折れないしなやかと強度を合わせ持つo 昆虫の 麹を模擬した薄翼の低レイノルズ数環境(~104)におけ る空気力学特性の研究も盛んに行われている (7)~(8)。 本研究グループでは、コガネムシ科小型甲虫の羽ばた き飛行の特徴に注目し研究を進めている(9)。これは、 MAV の製作を考えた場合、他見虫と比べて胴体部分の容積が 大きく、各種機器の搭載の際に有利であると考えたため である。開発を行うにあたり、羽ばたき飛行のデータ収 集として、羽ばたき翼運動の機構、羽ばたき飛行時の流 れ場の詳細、発生する流体力の計測は重要な項目である。 本稿では、コガネムシ科昆虫羽ばたき時における流体力 計測結果と羽ばたき運動の可視化結果を報告する。

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愛 知 工 業 大 学 工 学 部 機 械 学 科 ( 豊 田 市 )

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回実験装置及び実験方法 Fig.1 は本研究室で製作した流体力計測装置の概略を 示す。ひずみゲージを取り付けたカンチレバーの端部に 昆虫を固定し、羽ばたき運動時に生じる流体力を計測す る。カンチレバーには φ2mm、長さ 130mmのカーボン ロッド、ひずみゲージには附共和電業製半導体ひずみゲ ージ KSP-2-120-E3 (ゲージ率:120)を用いた。ひずみゲ ージの回路には、測定感度向上の為に 2アクティブゲー ジ法を用いており、 2枚のひずみゲージを使用すること で、カンチレバーに生じる曲げひずみを測定している。 今回は、固定した昆虫の垂直方向に生じる流体力 (Fv)と 水平方向に生じる流体力 (Fh)を同時計測する為に、 2枚 l 組のひずみゲージを2箇所に貼り付けた。水平方向のひ ずみゲージはカンチレバーの端部から 95mm、垂直方向 のひずみゲージは端部から 105mmの位置に貼り付けた。 昆虫固定方法として、カンチレバー先端部にカーボンパ イ プ(O.D.3mm、I.D.2mm)を取り付け、その端部に市販 のシアノアクリレート系接着剤を用いて昆虫頭部を接着 し、テザード状態で固定した。この装置全体の固有振動 数は、約 155Hzとなった。コガネムシ科昆虫の羽ばたき 周波数は最大で約 100Hz程度であり、測定時にカンチレ バーの共振は発生しないと考えられる。 Fig.2は実験装置全体の概略国を示す。羽ばたき運動時 の流体力の測定方法は、ひずみ測定時にロガーから出力 される信号を、ハイスピードカメラの入力トリガとし、 流体力測定と同時に羽ばたき運動の可視化を行った。測 定時には、定常的な羽ばたき運動を行わせ、 2 秒間のデ ータを測定した。ロガーには(槻共和電業製 EDX-100A、 ブリッジボックスには附共和電業製 DB-120TM1、ハイ

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ス ピ ー ド カ メ ラ に は 日 本 カ ノ マ ッ ク ス 附 製 High-Speed-Star-6を使用した。サンプリング周波数はロ ガー、カメラともに 10kHzとした。この時、羽ばたき周 波 数 100Hzの場合、一回の羽ばたきで100個のデータが 取得できる事となる。また、ハイスピードカメラによる 撮影の為、照明としてレフランプを使用した。実験時に は、照明の放射熱による見かけひずみの発生を避ける為、 ひずみゲージ周辺を断熱材で、覆った。 Fig.3は、実験方法の概略を示す。流体力計測では、一様 流速度 Om/sで、の実験(Teth巴rd1)と、昆虫を低速風洞出口 付近に固定して、約2m1sの気流を流し、飛行を模擬した 状態で、実験(Tetherd2)を行った。測定時には、 Teth巴rd1で は昆虫を取り付けた状態、 Teth紅白では気流を流じた状 態で補正を行った。その為、測定値には昆虫の白重、気 流による抵抗は含まれていない。

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舗実験結果 Fig.4、 Fig.5はTetherd1、Fig.6、Fig.7はTetherd2の実 験結果を示す。供試体は、コガネムシ科昆虫カナブン(学 名 :Rhomborrhinajaponica)とした。供試体の質量1.485g、 体角16deg、羽ばたき周波数はTetherd1で84.5Hz,Tetherd2 で83.5Hzである。 Fig.1 Measurement syst巴m ofunsteady aerodynamic forces Fig.2 Overall view of experimenta1 syst巴m Fig.3 Schematic description ofTeth巴rd1and Tetherd2 ここで、体角は水平軸と昆虫腹部のなす角として定義 した。結果は、同時刻における羽ばたき運動の可視化結 果と、流体力の測定結果のグラフを表している。可視化 結果は、羽ばたき下死点から l周期分を表している。横 軸は、 l周期の羽ばたきに要する時間で無次元化した無 次元時間T*、縦軸は、測定した各方向の流体力をカナブ ン の 自 重 (W)で 無 次 元 化 し た 流 体 力 Fv*(Fv川T)、 Fh*(Fh/W)を表す。羽ばたき l周期の実時間は、 Tetherd1 で12.1ms、Tetherd2で12.2msとなった。グラフ中の赤 線が Fv*、緑線が Fh*を表し、 Fv*は供試体上方向を正、 Fh*は供試体E商方向をEとした。グラフは流体力の変 動を示し、ある時刻における流体力を点としてプロット した。 Fig.4、 Fig.5 において、 T*=0.000~0.375 が振り上げ 過程、 T*=0.500 が T.D.C 、 T*=0.625~0.875 が振り下ろし 過程、 T*=1.000がB.D.Cである。 ド =0.000~0.375 の振り 上げ過程において、 Flずは常に正の値となっており、姐 前方に前縁剥離渦が生じ、推力が発生していると考えら れる。振り上げ中間付近でFh*の最大値が発生しており、 値 は1.81である。振り上げ中間付近で、羽ばたき速度が 最大となった為と考えられる。また、振り上げ中聞を過 ぎた後、 Flげは減少していくが、 T*=0.375から Fh*の減 少が緩和されている。 T.D.C付近でのフェザリングによ り、麹前方の前縁剥離渦が後方へと流れ、噴流の様な流 れが生じていると考えられる。また、 T*=0.375~0.500 に かけて、Fv*は急激に増加している。T*=0.500において、 値 はO目799となっていることから、後方へと流れた前縁 剥離渦により、後方下向きに噴流が発生していると考え られる。 T*=0.625~0.875 の振り下ろし過程において、 Fv* は常に正の値となっている。振り下ろし中間付近で F刊 の最大値が発生しており、値は 2.18である。 Fv*は自重 の 2倍以上が発生しており、麹上面の前縁剥離渦と、羽 ば た き 速 度 が 最 大 と な っ た 為 と 考 え ら れ る 。 ま た 、 T*=0.875~ 1.000にかけて、 Fh*は急激に増加しており、 趨前方に負圧が生じていると考えられる。このことから、 B.D.Cでのフェザリングによっても、題前方に負圧が発 生していると考えられる。

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昆虫羽ばたき時における非定常流体力計測 Fig.4Experimental result ofTetherdl flight condition at the upstroke process Fig.6 、 Fig.7 において、 T*=0.000~0.372 が振り上げ過程、 T*=0 .496 が T.D.C 、 T*ニ0.620~0.868 が振り下ろし過程、 T*=1.000が B.D.Cである。流体力変動の傾向は、 Tetherdl と同様である。振り上げ過程で Fh*、振り下ろし過程で Fすが正の値をとっている。しかし、 Fv*と Fh*の最大値 発生の時期は変化しており、それぞれ B.D.C、T.D.C付近、 値は1.58、1.04となった。このことから、羽ばたきによ る流れ方向変更の慣性力の反作用は、弱まっていると考 えられる。 慣性力の反作用が弱まった分、気流の影響により、 B.D.C、 65 _ z.s 1..l5 、1 1 .5 D_2 OA T'f-) Z..s 1 . . , 0.-5 .j 宅5 1).2 (1,4 0.6 ti.tl τーH 2..5 1 O }島宮崎 色5 官 t 同 , .{)5

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-{)5 1 .15 .2 a 25 2 もら t ~ 05 " --¥:15 _,事 ♂ Q 忠弘 E R P μ 臨む Us Fig.7 Experimental result ofTetherd2 flight condition at the :>0 島odyAngle [degj

Fig.8 Relation between Body angle andAverag巴Fv

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昆虫羽ばたき時における非定常流体力計測

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結 論 カンチレバーを用いてコガネムシ科昆虫羽ばたき時 における流体力計測と羽ばたき運動の可視化を行い、以 下の結果を得た。 謝 辞 コガネムシ科昆虫は、 l周期の羽ばたき運動におい て、主に振り上げ過程で水平流体力、振り下ろし過 程で垂直流体力を発生させている。 推力の最大値を振り上げ過程の中問、揚力の最大値 を振り下ろし過程の中間で発生させている。前縁剥 離渦を、振り下ろし過程では麹の上面、振り上げ過 程では題の前方に発生させ、揚力、推力を生成して いる。 気流中における飛朔では、フラッピングと比較して、 揚力は変化せず、推力は減少した。気流により、流 れ場が変動し、前方に進む力が減少している。 本研究の一部は財団法人市原国際奨学財団助成金の 助成を受けた。本研究で使用した機器は、日本カノマッ ク ス 附 様 の 御 協 力 に よ り 高 速 度 カ メ ラ (High-Speed-St砕 6)を、附共和電業様の御協力によりデー タロガー(EDX-100A)をお借りさせて頂いた。ここに付記 し、感謝の意を表す。 参 考 文 献 (1) Sir J. Lighthill, "Mathematica1 Biofluid dynamics", SIAM (1975) (2) C. P. Ellington, "The aerodynamics of hovering insect 自ight,III.Kinematics", Phi. Trans. ofthe R. Soc. of London, Vol. 305, No. 1122,41-78 (1984) (3) R. Dud1ey, "The Biomechanics ofInsect F1ight", Prince -ton Univ. Press (2000)

(4) M. Azhar, et a1“Mimicking u, nfo1ding motion of a beetle

hind wing", Chinese Science Bulletin, Vol. 54, No. 14ラ 2416拘2424(2009) (5) A.J.B町ton,"Dir巳ctiona1Change in a F1ying Beet1e", J. Exp. Bio, 54, 575-585 (1971) (6) A.J.Burton, "Nervous contro1 offlight orientation in a beetle", Nature, Land. 204, 1333(1964) (7) M目Okamotoヲ巴ta1“Aerodynamic c, haracteristics of the wings and body of a dragonflyヘJ.Exp. Bio., 199, 281-294 (1996)

(8) S. Sunada巴ta, 1“A,irfoil characteristics at a 10w rey-no1ds

numb巴r",J.F10w Visua1ization& Image Processing, Vol.

7,207-215 (2000)

(9) K. Kitagawa, et a1, "Visualization of flapping wing of the

drone beet1巴"J.Visualization, Vol. 12, No. 4, 393-400

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参照

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