大阪女学院大学・大阪女学院短期大学 教員養成センター http://www.wilmina.ac.jp/ojc/edu/ttc/ 〈英語教育リレー随想〉第 85 号 1 安倍晋三首相はさる1月20日の施政方針演説で、70年前に施行された日本国憲法で小 中学校の無償化を定めたことに触れた上で、次の70年に向け「誰もが希望すれば、高校 にも、専修学校、大学にも進学できる環境を整えなければならない」と訴え、新聞の記事 によると、大学までの教育無償化をテコに憲法改正を目指す考えをにじませた格好だ、と ある。大学教育の無償化についての議論が、憲法改正と併せて活発になりそうな模様であ る。 教育の無償化について、歴史を遡って見れば、国連による国際人権規約の中に、「教育の 無償化の導入」に努めることを規定した「国際人権A規約第13 条」がある。 この「国際人権A規約第 13 条」には、「中等教育と高等教育の無償化の漸進的導入によ り、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること」と明記されており、こ の国際人権規約を批准している 160 カ国中、日本とマダガスカルの2カ国だけは永らくこ の「中等・高等教育の無償化条項」を留保してきた。 その後、高校教育については、2010年にいわゆる「高校無償化法」が成立し、同年 4月に施行された。周知のごとく、同法は、公立高校について、原則として授業料の不徴 収を地方公共団体に義務づけるとともに、私立高校等については、原則として、公立高校 の授業料相当額を就学支援金として支給することとしている。この法律の成立を受け、文 部科学省は、「国際人権A規約第13 条」のうち、「国際人権A規約第 13 条」等教育の漸進 的無償化については、留保撤回の条件が整ったとの見解を示し、野田内閣の時に当該留保 を撤回することを閣議決定、続いてその旨を国連事務総長に通告した。このことにより、 日本は「無償教育の斬新的な導入」ということに拘束されているのが現状である。 ところで、小生は法律の専門家でもないので無知を承知で言えば、無償化拡大は憲法改 正とは無関係に、その気になれば今すぐにでも立法で実現できるのではないか。国会で多 数を占める与党であれば、あらゆる段階での教育無償化法案を提出して可決すれば、早期 に実現するのではないかとの思いが強いところであるが、教育は未来への投資、是非、実 現に向けて着実に歩みを進めてもらいたいものである。 大阪女学院大学・大阪女学院短期大学 教員養成センター
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