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租税特別措置法 ( 登録免許税関係 ) の改正 目一認定低炭素住宅の所有権の保存登記等の税率の軽減措置の創設 ( 措法 74の 2 ) 488 二新関西国際空港株式会社が移転補償事業により買い取った土地の所有権の移転登記の免税措置の創設 ( 措法 82) 490 三特定認定長期優良住宅の所有権の保存

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(1)

租税特別措置法

(登録免許税関係)

の改正

はじめに

 平成24年度税制改正においては、新成長戦略の 実現並びに税制の公平性の確保及び課税の適正化 の観点から要請される特に喫緊の課題に対応する ため、認定低炭素住宅の新築等に係る住宅借入金 等を有する場合の所得税額の特別控除制度の創設、 環境関連投資促進税制の太陽光発電設備及び風力 発電設備に係る即時償却制度の創設、中小企業投 資促進税制の拡充、直系尊属から住宅取得等資金 の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置の拡 充・延長、自動車重量税に係る税率の見直し、地 球温暖化対策のための課税の特例の創設等につい て所要の改正が行われました。  これらの改正事項を盛り込んだ「租税特別措置 法等の一部を改正する法律案」は、 3 月30日に可 決・成立し、同月31日に公布(平成24年法律第16 号)されています。また、関係政省令告示もそれ ぞれ公布・制定されています。 ・ 租税特別措置法施行令の一部を改正する政令 (平成24年政令第105号) ・ 租税特別措置法施行規則の一部を改正する省 令(平成24年財務省令第30号) ・ 租税特別措置法施行令の規定に基づき国土交 通大臣が財務大臣と協議して定める件(平成24 年 4 月国土交通省告示第395号)  本稿では、これらの税制改正に盛り込まれた改 正事項のうち、租税特別措置法(登録免許税関係) の改正の概要について説明します。 目    次 一 認定低炭素住宅の所有権の保存登記等 の税率の軽減措置の創設(措法74の 2 )… 488 二 新関西国際空港株式会社が移転補償事 業により買い取った土地の所有権の移転 登記の免税措置の創設(措法82)……… 490 三 特定認定長期優良住宅の所有権の保存 登記等の税率の軽減措置の改正(措法74)… 493 四 マンション建替事業の施行者等が受け る権利変換手続開始の登記等の免税措置 の改正(措法76)……… 495 五 認定事業再構築計画等に基づき行う登 記の税率の軽減措置の改正(措法80①)… 496 六 預金保険法に規定する第 1 号措置を行 うべき旨の内閣総理大臣の決定に基づく 預金保険機構による金融機関の株式の引 受け等に係る資本金の額の増加の登記の 税率の軽減措置の改正(措法80②)…… 498 七 認定経営基盤強化計画等に基づき行う 登記の税率の軽減措置の改正(措法80の 2 )……… 499 八 会社分割に伴う不動産の所有権の移転 登記等の税率の軽減措置の改正(措法81) ……… 501 九 国際船舶の所有権の保存登記等の税率 の軽減措置の改正(措法82の 2 )……… 503 十 認定民間都市再生事業計画に基づき建 築物を建築した場合の所有権の保存登記 の税率の軽減措置の改正(措法83)…… 504 十一 租税特別措置等の廃止……… 505 十二 その他の登録免許税関係の改正…… 506

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一 認定低炭素住宅の所有権の保存登記等の税率の

軽減措置の創設(措法74の 2 )

1  制度創設の背景

 政府においては、地球温暖化対策の推進に向け、 2020年に、温室効果ガスを1990年比で25%削減す るとの目標を掲げているところですが(「新成長 戦略」(平成22年 6 月18日閣議決定)ほか)、民生 部門の温室効果ガスの排出量は1990年比で1.3倍 に増大しており(注 1 )、住宅・建築物分野にお ける取組みが急務となっています。  また、東日本大震災に伴う原子力事故の影響に より、電力需給に大きなギャップが生じ、家庭に おいても節電の要請が高まっており、住宅・建築 物分野でも電力使用量の削減につながる取組みが 求められています。  新築の住宅・建築物は、民生部門のエネルギー 消費に長期にわたり大きな影響を与えるものとな っており、政府では、これらの省エネ基準適合率 を2020年度までに100%とする目標を掲げていま す。しかしながら、新築住宅全体に占める省エネ 基準(平成11年基準)適合率は 4 割程度(推定) に過ぎず、現行の省エネ法(エネルギーの使用の 合理化に関する法律(昭和54年法律第49号)をい います。以下同じです。)に基づく取組みではこ の目標を達成することは極めて困難な状況となっ ています。  このような状況を踏まえ、国土交通省では、住 宅・建築物の省エネ基準適合率を引き上げるのみ ならず、より高い省エネ水準への誘導を図るため の措置として、所管行政庁による省エネ性能等の 認定制度(認定低炭素住宅制度)の創設等をする こととし、これらを内容とする「都市の低炭素化 の促進に関する法律案」を今通常国会に提出して います(平成24年 6 月29日現在、衆議院で審議中) (注 2 )。  新たに創設される認定低炭素住宅制度を普及促 進し、住宅についてより高い省エネ水準へと誘導 すること、すなわち、高い省エネ性能を有する住 宅の新築・取得を誘導していくことが省エネを一 層推進することとなり、政策目標(注 3 )の達成 のために有効であると考えられることから、平成 24年度税制改正においては、この認定低炭素住宅 に係る各種の特例措置を講じることとしており、 登録免許税についても、一定の低炭素建築物を建 築する場合の保存登記等に係る税率の軽減措置を 講じることとされました。 (注 1 ) 住宅・建築物については、その性質上い ったん建築されると長期間使用されるもの であり、民生部門(家庭・業務)のエネル ギー消費に数十年にわたり大きな影響を与 えるものであるため、その省エネ性能の向 上を特に進める必要がありますが、新築住 宅や既存ストックにおける省エネ基準適合 率は低い水準に止まっています。 (注 2 ) 国土交通省は当初、省エネ法の改正をす ることで新たな認定制度を創設することを 検討していました。しかし、低炭素・循環 型社会の構築を図り、持続可能で活力ある 国土づくりを推進することが重要な課題と なっていることを踏まえ、(省エネ法の改正 ではなく)国土交通省において検討してい た都市の低炭素化を目的とする「都市の低 炭素化の促進に関する法律案」において、 都市の基礎的な構成要素である住宅・建築 物の低炭素化を促進するための認定制度と して創設することとされました。なお、 CO2排出量の 9 割はエネルギー消費に由来 するものであり、省エネ化の促進は低炭素 化につながるものと言われています。 (注 3 ) 政策の達成目標 ① 「住生活基本計画(平成23年 3 月15日閣 議決定)」  省エネ法に基づく届出がなされた新築

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住宅における省エネ基準(平成11年基準) の達成率:42%(平成22年 4 月~ 9 月の 数値)⇒100%(平成32年度) ② 「新成長戦略(平成22年 6 月18日閣議決 定)」等  2020年までに既築住宅の省エネリフォ ームを現在の 2 倍程度まで増加させる

2  制度の内容

⑴ 個人が、都市の低炭素化の促進に関する法律 の施行の日から平成26年 3 月31日までの間に認 定低炭素住宅の新築をし、又は建築後使用され たことのない認定低炭素住宅の取得をし、その 個人の居住の用に供した場合には、その認定低 炭素住宅の所有権の保存登記で、その新築又は 取得後 1 年以内に登記を受けるものに対する登 録免許税については、その税率が1,000分の 1 (本則1,000分の 4 、一般住宅1,000分の1.5)に 軽減されました(措法74の 2 ①)。 ⑵ 個人が、上記⑴の期間内に建築後使用された ことのない認定低炭素住宅の取得(売買又は競 落によるものに限ります。)をし、その個人の 居住の用に供した場合には、その認定低炭素住 宅の所有権の移転登記で、その取得後 1 年以内 に登記を受けるものに対する登録免許税につい ては、その税率が1,000分の 1 (本則1,000分の 20、一般住宅1,000分の 3 )に軽減されました(措 法74の 2 ②)。 (注 1 ) 「認定低炭素住宅」とは、都市の低炭素化 の促進に関する法律第 2 条第 3 項に規定す る低炭素建築物(二酸化炭素の排出の抑制 に資する建築物であって、市町村長等の認 定を受けた低炭素建築物新築等計画に基づ き新築されたものをいいます。)で住宅用家 屋に該当するものをいいます(措法74の 2 ①)。 (注 2 ) 上記(注 1 )の「住宅用家屋」とは、個 人の住宅の用に供される家屋で、次の家屋 に該当するものであることにつき、その個 人の申請に基づき、市町村長等が証明した ものをいいます(措令41)。 ① 戸建て住宅  床面積の合計が50㎡以上の家屋 ② 区分所有住宅  耐火建築物若しくは準耐火建築物に該 当する家屋又は一定の低層集合住宅  (1,000㎡以上の一団の土地に集団的に新築 された地上階数が 3 以下の家屋で準耐火 建築物に準ずる耐火性能を有するものと して国土交通大臣の定める基準に適合す るものに限られます。)で専らその個人の 住宅の用に供する部分の床面積が50㎡以 上のもの (注 3 ) 上記⑵の特例の適用を受けようとする場 合において、建築後使用されたことのない 認定低炭素住宅を新築した者が所有権の移 転登記に応じなかったために取得後 1 年以 内に登記を受けることができなかったとき には、その新築後 1 年以内に訴えを提起し、 かつ、その訴えに係る判決の確定又は和解 調書若しくは認諾調書の作成の日から 1 年 を経過する日まで(原則:取得後 1 年以内) に登記を受けることにより、この特例の適 用を受けることができます(措法73、措令 42④)。 (参考) 上記の特例と一般の住宅用家屋に係る特 例について、比較すると次のとおりです。 項 目 本 則 特 例 一般住宅 認定低炭素住宅  所有権の 保存登記 4 /1,000 1.5/1,000 1 /1,000 所有権の 移転登記 20/1,000 3 /1,000 1 /1,000

3  適用を受けるための手続

 この特例の適用を受けようとする者は、その登 記の申請書に、その登記に係る家屋についての市 町村長等の証明書で、次に掲げる事項の記載のあ るものを添付する必要があります(措規26の 2 )。

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⑴ 上記 2 ⑴の特例の適用を受けようとする場合 ① その家屋が認定低炭素住宅であること ② その家屋が新築されたものであること又は 建築後使用されたことのないものであること ③ その家屋の新築又は取得の年月日 ⑵ 上記 2 ⑵の特例の適用を受けようとする場合 ① その家屋が認定低炭素住宅であること ② その家屋が建築後使用されたことのないも のであること ③ その家屋を売買又は競落により取得したこ と ④ その家屋の新築又は取得の年月日 (注) 上記 2 の(注 3 )の場合には、上記 3 の書 類のほか、訴えを提起した日を証する書類及 びその訴えについての判決、和解調書又は認 諾調書の謄本を添付する必要があります(措 規26の 2 ③)。

4  適用関係

 この特例の規定は、都市の低炭素化の促進に関 する法律の施行の日(同法の公布の日から 3 月以 内で政令で定める日)以後に受ける登記に係る登 録免許税について適用されます(改正法附則 1 十二イ、措法74の 2 ①、都市の低炭素化の促進に 関する法律附則 1 )。

二 新関西国際空港株式会社が移転補償事業により買い取った

土地の所有権の移転登記の免税措置の創設(措法82)

1  制度創設の背景

 関西国際空港は、海上への建設(海上の埋立て) により多額の事業費を要したこと等から約1.3兆 円もの負債を抱え、これが経営を圧迫し、完全24 時間運用という国際拠点空港としての本来の優位 性を活かした戦略的な経営や前向きな投資の実行 が困難となっており、国が政府補給金を毎年支給 することで事業の継続性を確保している状況とな っています。こうした状況を踏まえ、国土交通省 は、関西国際空港と大阪国際空港の一体的運営を 行う新関西国際空港株式会社(以下二において「新 関空会社」といいます。)を設立・経営統合をして、 民間手法により両空港を効率的に運営することで 収益改善及び両空港の事業価値の増大を図り、(現 在の負債を完済できる条件での)コンセッション (公共施設等運営権の設定)をできるだけ早期に 実現するため、昨年の通常国会に「関西国際空港 及び大阪国際空港の一体的かつ効率的な設置及び 管理に関する法律案」を提出し、平成23年 4 月20 日に可決・成立しました(平成23年法律第54号) (注)。  両空港の経営統合により、空港の設置管理に併 せて、これまで国が実施してきた大阪国際空港に 係る環境対策事業の実施義務についても、新関空 会社に移管され、新関空会社はこの環境対策事業 として大阪国際空港周辺の一定範囲の土地につい て、その土地の所有者から申請があった場合には、 義務的にこれを取得することとされており、その 際、土地の所有権の移転登記について登録免許税 の負担が生じることとなります。  平成24年度税制改正においては、環境対策事業 がこれまで(国が行うものとして)登録免許税が 課税されていなかったこと等を踏まえ、経営統合 後の新関空会社が環境対策事業として行う大阪国 際空港周辺の土地の取得に係る移転登記に対する 登録免許税の免税措置を講ずることとされました。 (注) 大阪国際空港は国が直接管理し、関西国際 空港は関西国際空港会社(国が 2 / 3 、地元 自治体・民間が 1 / 3 )が管理しています。 平成24年 4 月 1 日に新たに設立された新関空 会社は、両空港の経営統合(平成24年 7 月 1 日に、国・関西国際空港会社から新関空会社 への事業承継)後の両空港運営会社(国100% 出資)となり、両空港を管理していくことと されています。経営統合後は、両空港の長期

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の事業運営権(公共施設等運営権)の投資家 等への売却(いわゆるコンセッション)を実 施することにより、関西国際空港が抱えてい た債務の一層円滑な返済が可能になると考え られています。

2  制度の内容

 新関空会社が、関西国際空港及び大阪国際空港 の一体的かつ効率的な設置及び管理に関する法律 (平成23年法律第54号、以下二において、「設置管 理法」といいます。)の施行の日(平成24年 7 月 1 日)から次に掲げる日のうちいずれか早い日ま での間に、公共用飛行場周辺における航空機騒音 による障害の防止等に関する法律(以下二におい て「航空機騒音障害防止法」といいます。)第 9 条第 2 項の規定により環境対策事業として第二種 区域に所在する土地の所有者からの申出に基づき その土地の買入れを行った場合には、その土地の 所有権の移転登記については、その買入れ後 2 年 以内に登記を受けるものに限り、登録免許税を課 さないこととされました(措法82)。 ① 平成26年 3 月31日 ② 設置管理法第29条第 2 項に規定する空港運 営権者が同条第 1 項に規定する特定空港運営 事業に係る民間資金等の活用による公共施設 等の整備等の促進に関する法律第 2 条第 7 項 に規定する公共施設等運営権について設定の 登録をする日 (注 1 ) 「環境対策事業」とは、航空機騒音被害の 軽減のため、航空機騒音による障害の防止・ 軽減・生活環境の改善を図る事業をいい、 具体的には、緑地帯等の緩衝地帯の造成・ 管理、一定の土地からの移転に伴う補償や その土地の買入れ等を行うこととされてい ます(設置管理法 9 ①四)。 (注 2 ) 「第二種区域」とは、第一種区域(航空機 の騒音により生じる障害が著しい区域: WECPNL75以上)のうち航空機の騒音によ り生ずる障害が特に著しいと認める区域 (WECPNL90以上)です(航空機騒音障害 防止法 9 ①)。この区域は、騒音障害が特に 著しいことから、航空機騒音を抜本的に解 決するためには、居住者がいない状態とし、 当該区域を騒音の緩衝地帯として確保する ことが最も効果的であると位置づけ、この ため、障害の軽減に資するため最も有効な 方法である区域外への移転を行う者に対し、 原因者に移転費用を負担させることによっ て移転を促進することとしており、特定飛 行場の設置者(国→新関空会社)が移転補 償できることとされています。 ※ 「WECPNL(加重等価平均感覚騒音レ ベル)」とは、航空機による騒音のうるさ さに着目した評価単位であり、航空機騒 音の大きさ、頻度、飛行時間帯等を考慮 し定められます。 (注 3 ) この特例がコンセッションの実現に向け た環境整備的な側面があること、環境対策 事業として移転補償対象地の早期買取り(所 有者からの買取り申出)の促進等の観点を 踏まえ、この特例の適用期限については、 平成26年 3 月31日又は公共施設等運営権の 設定登録の日のいずれか早い日までとされ ています。 (参考) 公共用飛行場周辺における航空機騒音に よる障害の防止等に関する法律(昭和42年 法律第110号) (移転の補償等) 第 9 条 特定飛行場の設置者は、政令で定め るところにより第一種区域のうち航空機の 騒音により生ずる障害が特に著しいと認め て国土交通大臣が指定する区域(以下「第 二種区域」という。)に当該指定の際現に所 在する建物、立木竹その他土地に定着する 物件(以下「建物等」という。)の所有者が 当該建物等を第二種区域以外の地域に移転 し、又は除却するときは、当該建物等の所 有者及び当該建物等に関する所有権以外の 権利を有する者に対し、政令で定めるとこ ろにより、予算の範囲内において、当該移

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転又は除却により通常生ずべき損失を補償 することができる。 2  特定飛行場の設置者は、政令で定めると ころにより、第二種区域に所在する土地の 所有者が当該土地の買入れを申し出るとき は、予算の範囲内において、当該土地を買 い入れることができる。 3  省略 (参考) 関西国際空港及び大阪国際空港の一体的 かつ効率的な設置及び管理に関する法律(平 成23年法律第54号) (事業の範囲) 第 9 条 会社は、その目的を達成するため、 次の事業を営むものとする。 一~三 省略 四 大阪国際空港の周辺における航空機の 騒音その他の航空機の運航により生ずる 障害を防止し、若しくはその損失を補償 するため、又は大阪国際空港の周辺にお ける生活環境の改善に資するために行う 次に掲げる事業 イ 緑地帯その他の緩衝地帯の造成及び 管理 ロ 公共用飛行場周辺における航空機騒 音による障害の防止等に関する法律(昭 和42年法律第110号。以下「航空機騒音 障害防止法」という。)第 5 条及び第 8 条の 2 に規定する工事に関する助成 ハ 航空機騒音障害防止法第六条に規定 する共同利用施設の整備に関する助成 ニ 航空機騒音障害防止法第 9 条第 1 項 の規定による同項に規定する建物等の 移転又は除却により生ずる損失の補償 及び同条第 2 項の規定による土地の買 入れ並びに航空機騒音障害防止法第10 条第 1 項の規定による損失の補償 ホ 航空機の騒音によりその機能が害さ れるおそれの少ない施設の建設及び管 理 五~七 省略 2  省略 (民間資金法の特例等) 第29条 会社が、民間資金法第 6 条の規定に より、第 9 条第 1 項の事業に係る特定事業 (関西国際空港又は大阪国際空港の運営等 (民間資金法第 2 条第 6 項に規定する運営等 をいう。第32条第 2 項において同じ。)を行い、 空港法(昭和31年法律第80号)第13条第 1 項に規定する着陸料等を自らの収入として 収受する事業を含むものに限る。以下「特 定空港運営事業」という。)を選定する場合 には、当該特定事業は、公共施設等運営権 を設定することにより実施されるものでな ければならない。 2  特定空港運営事業に係る公共施設等運営 権を有する者(以下「空港運営権者」という。) が第 9 条第 1 項第 4 号の事業を含む特定空 港運営事業を実施する場合には、当該特定 空港運営事業には、同号イからホまでの事 業のいずれもが含まれなければならない。 この場合において、会社は、同項の規定に かかわらず、同号の事業を行わないものと する。 (参考) 民間資金等の活用による公共施設等の整 備等の促進に関する法律(平成11年法律第 117号) (定義) 第 2 条 この法律において「公共施設等」とは、 次に掲げる施設(設備を含む。)をいう。 2 ~ 5  省略 6  この法律において「公共施設等運営事業」 とは、特定事業であって、第10条の 3 の規 定による設定を受けて、公共施設等の管理 者等が所有権(公共施設等を構成する建築 物その他の工作物の敷地の所有権を除く。 第10条の16第 4 項において同じ。)を有する 公共施設等(利用料金(公共施設等の利用 に係る料金をいう。以下同じ。)を徴収する ものに限る。)について、運営等(運営及び 維持管理並びにこれらに関する企画をいい、

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国民に対するサービスの提供を含む。以下 同じ。)を行い、利用料金を自らの収入とし て収受するものをいう。 7  この法律において「公共施設等運営権」 とは、公共施設等運営事業を実施する権利 をいう。

3  適用を受けるための手続

 新関空会社が、この特例の適用を受けようとす る場合には、その登記の申請書に、その登記がこ の特例の対象となる登記であることを証する国土 交通大臣の証明書で、次に掲げる事項の記載のあ るものを添付する必要があります(措規31の 2 )。 ① その登記に係る土地が第二種区域に所在す ること ② その土地の買入れが環境対策事業としてそ の土地の所有者からの申出に基づき行われた ものであること ③ その土地の買入れを行った日

4  適用関係

 この特例の規定は、平成24年 7 月 1 日以後に受 ける登記に係る登録免許税について適用されます (措法82、改正法附則 1 二イ)。

三 特定認定長期優良住宅の所有権の保存登記等の税率の

軽減措置の改正(措法74)

1  改正前の制度の概要

⑴ 個人が、長期優良住宅の普及の促進に関する 法律の施行の日(平成21年 6 月 4 日)から平成 24年 3 月31日までの間に特定認定長期優良住宅 の新築をし、又は建築後使用されたことのない 特定認定長期優良住宅の取得をし、その者の居 住の用に供した場合には、その所有権の保存登 記で、その新築又は取得後 1 年以内に登記を受 けるものに対する登録免許税については、その 税率が1,000分の 1 (本則1,000分の 4 、一般住 宅1,000分の1.5)に軽減されていました(旧措 法74①)。 ⑵ 個人が、上記⑴の期間内に建築後使用された ことのない特定認定長期優良住宅の取得(売買 又は競落によるものに限ります。)をし、その 者の居住の用に供した場合には、その所有権の 移転登記で、その取得後 1 年以内に登記を受け るものに対する登録免許税については、その税 率が1,000分の 1 (本則1,000分の20、一般住宅 1,000分の 3 )に軽減されていました(旧措法 74②)。 (注 1 ) 「特定認定長期優良住宅」とは、長期優良 住宅の普及の促進に関する法律第10条第 2 号に規定する認定長期優良住宅(認定長期 優良住宅建築等計画に基づき建築及び維持 保全が行われ、又は行われた住宅で、維持 保全期間が経過していないものをいいま す。)に該当する住宅用家屋をいいます。 (注 2 ) 上記(注 1 )の「住宅用家屋」とは、個 人の住宅の用に供される家屋で、次の家屋 に該当するものであることにつき、その個 人の申請に基づき、市町村長等が証明した ものをいいます(措令41)。 ① 戸建て住宅  床面積の合計が50㎡以上の家屋 ② 区分所有住宅  耐火建築物若しくは準耐火建築物に該 当 す る 家 屋 又 は 一 定 の 低 層 集 合 住 宅 (1,000㎡以上の一団の土地に集団的に新 築された地上階数が 3 以下の家屋で準耐 火建築物に準ずる耐火性能を有するもの として国土交通大臣の定める基準に適合 するものに限られます。)で専らその個人 の住宅の用に供する部分の床面積が50㎡ 以上のもの

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2  改正の内容

 平成21年 6 月の制度創設以降、特定認定長期優 良住宅(以下 2 において単に「長期優良住宅」と いいます。)の普及は順調に進んできており、平 成23年度末現在で約27万件近くの長期優良住宅が 建築計画の認定を受けています。  平成23年 3 月に閣議決定をした「住生活基本計 画」では、「『自宅を作っては壊す』社会から、『い いものを作って、きちんと手入れして、長く大切 に使う』社会へと移行することが重要」とされ、 さらに同計画では「2020年度(平成32年度)に新 築住宅における長期優良住宅の割合を20%(平成 21年 6 月から平成22年 3 月まで:8.8%)とする」 との目標も掲げられ、また、「新成長戦略(平成 22年 6 月18日閣議決定)」においても「数世紀に わたり利用できる長期優良住宅の建設、適切な維 持管理、流通に至るシステムを構築する」ことが 基本方針の一つとして掲げられており、適正に維 持保全された良質なストックが市場において循環 利用されるよう、長期優良住宅の普及・促進を図 ることは、政府の重要な課題となっています。  他方で、この長期優良住宅に長く住み続け、そ の価値を維持していくためには、ハウスメーカー 等と相談しながら、居住者自身が定期的な点検や 補修などの適正な維持保全措置を行うことが不可 欠となっているのですが(注 1 )、(国土交通省が 行ったアンケート調査によれば)長期優良住宅に 居住する者の多くがこの維持保全措置の必要性に ついて認識しておらず、「良質な住宅ストックを 将来世代に承継することで、より豊かで優しい暮 らしへの転換を図る」といった制度趣旨(政策目 的)に見合った運用がなされていないという実態 が明らかとなっています。  また、長期優良住宅を巡っては、大手住宅メー カー等において、認定通知書等の偽造が行われた ことにより、基準性能が満たされていない住宅が 長期優良住宅として流通するといった悪質な事件 も数件報告されており、長期優良住宅の認定手続 におけるチェック体制にも問題があるところです。  こうした問題は長期優良住宅制度の根幹を揺る がす重大な問題ですが、(先述したように)長期 優良住宅の建設、適正な維持管理、流通による同 制度の更なる普及促進も我が国にとって重要な課 題です。  国土交通省では、これらの問題(維持保全義務 の不徹底・偽装認定事件)に対処するため、所管 行政庁等を通じた注意喚起や技術支援、事務処理 マニュアル・パンフレット・チラシによる周知広 報、抽出調査(維持保全状況に係る報告徴収)等 を行うことにより、長期優良住宅の適正な維持管 理の実施が徹底されるようにするとともに、偽装 認定等の不正事案の再発防止に向けた対応の検討 を早急に進めることとしています。  平成24年度税制改正においては、こうした状況 及び租税特別措置の整理合理化の観点を踏まえつ つ、長期優良住宅のうち普及が遅れている共同住 宅(マンション)の建設促進を図るため(注 2 )、 長期優良住宅の移転登記(注 3 )に係る軽減税率 のうち、共同住宅については軽減税率(1,000分 の 1 )を据え置くこととする一方、戸建住宅につ いては1,000分の 2 (改正前:1,000分の 1 )に引 き上げられた上で、この特例の適用期限が平成26 年 3 月31日まで、 2 年延長することとされました。 (注 1 ) 法律上も、長期優良住宅としての認定を 受ける時に作成された維持保全計画どおり の点検・補修を行いながら、建築時や点検 等の記録を大切に保存していくことが義務 付けられています(将来、地方公共団体か ら維持保全の状況について報告等を求めら れる場合があります。)。これらの義務に違 反した場合、すなわち、点検・補修・記録 の保存等が行われなかった場合には、認定 が取り消されることになっています(認定 時に国庫補助等を受けている場合には、補 助金等を返還する必要があります。)。 (注 2 ) 長期優良住宅は新築住宅全体の 1 割強を 占めるものとなっていますが(平成23年度 末までの累計:約26.6万件)、その内訳で見 ると、戸建住宅が約26万件と順調に推移し

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ているのに対し、共同住宅が約0.6万件とな っており、共同住宅での普及に遅れが見ら れます。 (注 3 ) 戸建住宅の長期優良住宅に係る保存登記 については、一般住宅(戸建・共同)の軽 減税率(措法72の 2 )が1,000分の1.5である こととのバランスを踏まえ、軽減税率(1,000 分の 1 )の引上げは行われていません(適 用期限の 2 年延長のみ)。

3  適用関係

 上記 2 の改正は、平成24年 4 月 1 日以後に取得 をする特定認定長期優良住宅の所有権の移転登記 に係る登録免許税について適用され、同日前に取 得をした特定認定長期優良住宅の所有権の移転登 記に係る登録免許税については、従来どおりとさ れています(改正法附則 1 )。

四 マンション建替事業の施行者等が受ける権利変換手続開始の

登記等の免税措置の改正(措法76)

1  改正前の制度の概要

 マンションの建替えの円滑化等に関する法律 (以下「マンション建替法」といいます。)第 2 条 第 1 項第 5 号に規定する施行者等が、平成24年 3 月31日までに、マンション建替法の規定によるマ ンション建替事業に伴い受ける次に掲げる登記に ついては、登録免許税を課さないこととされてい ました(旧措法76)。 ① マンション建替法第55条第 1 項に規定する 権利変換手続開始の登記 ② マンション建替組合がマンション建替法の 規定により取得する施行マンションの区分所 有権又は敷地利用権の取得の登記 ③ マンション建替法第74条第 1 項に規定する 権利変換後の土地に関する権利(参加組合員 が取得するものを除きます。)について必要 な登記  なお、上記③に掲げる登記のうち、権利変換計 画で区分所有権若しくは敷地利用権の増加の対価 として支払うこととされた清算金の予定額又は隣 接施行敷地を取得する権利の対価の額に相当する 部分は課税対象となります。

2  改正の内容

 マンション建替法では、その適用の対象となる マンション建替えの要件として、施行再建マンシ ョン(再建後の新マンション)の住戸面積や居住 室数の基準が設けられていますが、これまで、以 下の基準が全国一律に定められていました(旧マ ンションの建替えの円滑化等に関する法律施行規 則(以下「マンション建替省令」といいます。) 15一)。 ① 建替え後の各住戸の床面積が、以下の基準 に該当すること イ 単身者用の住戸:25㎡以上 ロ 年齢、所得その他の特別の事情によりや むを得ないと認められる住戸:30㎡以上 ハ イ及びロ以外の住戸:50㎡以上 ② 建替え後の各住戸の居住室数が、 2 以上で あること  しかしながら、建替えマンションを含む周辺の 市街地環境や建築規制の状況等は様々であり、一 律の基準を当てはめた場合に、本来円滑な建替え が望まれるマンションの建替えが進まなくなるケ ースも指摘されていたところです。  このような状況を踏まえ、国土交通省では、マ ンション建替省令を改正し、マンション建替組合 の設立の認可権者である都道府県知事が、地域の 住宅事情の実態に応じ、最低住宅面積を緩和する ことができることとするとともに、上記②の居住 室数要件については廃止することとしました(平 成23年国土交通省令第30号。平成24年 4 月 1 日施 行)。

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 平成24年度税制改正では、こうしたマンション 建替えにおける見直しを踏まえ、次のような改正 が行われました。 ⑴ マンション建替事業に係る適用要件の見直し  上記のように、都道府県知事が、必要に応じ 施行再建マンションの最低住宅面積を緩和する ことができることとなりましたが、登録免許税 の特例についても、基本的には、緩和された面 積要件での特例の適用を可能としつつ、良好な 居住環境の確保に資する観点から、マンション 建替事業に係る特例の適用要件について、施行 再建マンションの住戸の規模及び構造が国土交 通大臣の定める次の基準に適合するものとされ ました(措法76、措令42の 3 ①、平成24年 3 月 国土交通省告示第395号)。 ① 施行再建マンションのうち、各住戸の戸境 壁を再構築することにより、その各住戸の専 有部分の面積を変更することができる構造と なっているもの その施行再建マンションの 住戸の平均床面積が、次に掲げる住戸の区分 に応じそれぞれ次に定める面積以上であるこ と イ 建て替えられるマンションに現に入居し ている単身者が入居すべき住戸:25㎡ ロ 建て替えられるマンションに現に入居し ている60歳以上の者で、所得水準等から勘 案して50㎡以上の住戸とするために必要な 費用を負担することが困難であると認めら れる者(単身者を除きます。)が入居すべ き住戸:30㎡ ハ イ及びロの者以外の者が入居すべき住 戸:50㎡ ② 上記①以外の施行再建マンション その施 行再建マンションの各住戸の床面積が、上記 ①イからハまでに掲げる住戸の区分に応じそ れぞれ上記①イからハまでに定める面積以上 であること (注) 上記の改正に伴い、特例の適用を受ける際 に登記の申請書に添付する都道府県知事(市 の区域内にあっては、市長)の証明書の記載 事項に、「施行再建マンションの住戸の規模及 び構造が上記の基準に適合するものであるこ と」が追加されています(措規28)。 ⑵ 適用期限の延長  適用期限が平成26年 3 月31日まで、 2 年延長 されました。

3  適用関係

 上記 2 の改正は、平成24年 4 月 1 日以後に受け る登記に係る登録免許税について適用されます (改正法附則 1 )。

五 認定事業再構築計画等に基づき行う登記の税率の

軽減措置の改正(措法80①)

1  改正前の制度の概要

⑴ 次の表に掲げる事項について登記を受ける場 合において、その事項が産業活力の再生及び産 業活動の革新に関する特別措置法に規定する次 の①から⑤までに掲げる計画に係る認定(我が 国における産業活動の革新等を図るための産業 活力再生特別措置法等の一部を改正する法律の 施行の日(平成21年 6 月22日)から平成24年 3 月31日までの間に受けるものに限ります。)に 係るものであるときは、これらの認定の日から 1 年以内に登記を受けるものに限り、その登記 に係る登録免許税の税率は次の表のとおり軽減 されていました(旧措法80①)。 ① 認定事業再構築計画 ② 認定経営資源再活用計画 ③ 認定経営資源融合計画 ④ 認定資源生産性革新計画

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⑤ 認定中小企業承継事業再生計画 区  分 本則税率 軽減税率 イ 株式会社の設立又は資本金の 額の増加の登記(ロ及びハの登 記は除かれます。) 1,000分の 7 1,000分の3.5※ ロ 合併による株式会社の設立又 は資本金の額の増加の登記 (それぞれ資本金の額又は合併によ1,000分の1.5 り増加した資本金の額のうち、合併 により消滅した会社のその合併の直 前における資本金の額(その消滅し た会社が合名会社又は合資会社であ る場合には、900万円)に一定の割 合を乗じて計算した額を超える部分 については、1,000分の 7 ) 1,000分の 1 ※ (それぞれ資本金の額又は合併によ り増加した資本金の額のうち、合併 により消滅した会社のその合併の直 前における資本金の額(その消滅し た会社が合名会社又は合資会社であ る場合には、900万円)に一定の割 合を乗じて計算した額を超える部分 については、1,000分の3.5) ハ 分割による株式会社の設立又 は資本金の額の増加の登記 1,000分の 7 1,000分の3.5※ ニ 法人の設立等の場合における 次の登記 ・不動産の所有権の移転登記 ・船舶の所有権の移転登記 1,000分の201,000分の28 1,000分の161,000分の23 ホ 合併による法人の設立等の場 合における次の登記 ・不動産の所有権の移転登記 ・船舶の所有権の移転登記 1,000分の 41,000分の 4 1,000分の 21,000分の 3 ※ 資本金の額の純増部分のうち、3,000億円までの部分に限ります。 ⑵ 株式会社が平成21年 4 月 1 日から平成24年 3 月31日までの間に、新設分割又は吸収分割を行 った場合には、当該分割による会社の設立等に 係る不動産又は船舶の所有権の移転登記に係る 登録免許税の税率は、上記⑴の認定の日から 1 年以内に登記を受けるものに限り、次のとおり 軽減することとされていました(旧措法81⑥)。 ① 不動産の所有権の移転登記 1,000分の 2 (本則1,000分の20) ② 船舶の所有権の移転登記 1,000分の12(本 則1,000分の28)

2  改正の内容

 上記 1 ⑴ハ及び⑵の特例は、平成13年度税制改 正において「会社分割に伴う移転登記等の税率の 軽減措置」(措法81)が創設された際、会社分割 が認定事業再構築計画等に基づき行われた場合の 軽減税率として創設されたものです。「会社分割 に伴う移転登記等の税率の軽減措置」については 平成23年 4 月から軽減税率の引上げが行われてい ま す が( 例. 所 有 権 の 移 転 登 記:1,000分 の 8 →1,000分の13)、上記 1 ⑴ハ及び⑵の軽減税率 については据え置かれており、制度間のバランス が悪い状態となっていました。こうした状況を踏 まえ、平成24年度税制改正においては、この軽減 税率について次のとおり引き上げられた上、特例 の適用期限が平成26年 3 月31日まで 2 年延長され ました(措法80①、81⑤)。 ⑴ 分割による株式会社の設立又は資本金の額の 増加の登記  1,000分の 5 (改正前:1,000分の3.5) ⑵ 分割による法人の設立等の場合における次の 登記 ① 不動産の所有権の移転登記 1,000分の 4 (改正前:1,000分の 2 ) ② 船舶の所有権の移転登記  1,000分の23 (改正前:1,000分の12)

3  適用関係

 上記 2 ⑴の改正は、平成24年 4 月 1 日以後に上

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記 1 ①~⑤の計画の認定がされる場合における上 記 1 ⑴の登記に係る登録免許税について適用され、 平成24年 3 月31日以前に認定がされた場合におけ るこれらの登記に係る登録免許税については従来 どおりとされています(改正法附則 1 、42②)。  また、上記 2 ⑵の改正は、平成24年 4 月 1 日以 後に新設分割又は吸収分割を行った場合における 上記 1 ⑵の登記に係る登録免許税について適用さ れ、平成24年 3 月31日以前に新設分割又は吸収分 割を行った場合におけるこれらの登記に係る登録 免許税については従来どおりとされています(措 法81⑤、改正法附則 1 、42⑧)。

六 預金保険法に規定する第 1 号措置を行うべき旨の

内閣総理大臣の決定に基づく預金保険機構による

金融機関の株式の引受け等に係る資本金の額の増加

の登記の税率の軽減措置の改正(措法80②)

1  改正前の制度の概要

 預金保険法第102条第 1 項第 1 号の措置を行う べき旨の内閣総理大臣の決定に基づき預金保険機 構による株式の引受け又は取得(平成22年 4 月 1 日から平成24年 3 月31日までの間にされた決定に 係るものに限ります。)が行われる場合において、 銀行等が、当該株式の引受け等に係る資本金の額 の増加の登記を行った場合の登録免許税の税率は、 その内閣総理大臣の決定の日から 1 年以内に登記 を受けるものに限り、1,000分の3.5(本則1,000分 の 7 )とされていました(旧措法80②)。 (注) 「銀行等」とは、預金保険法第102条第 1 項 第 1 号に掲げる金融機関又は同号に規定する 銀行持株会社等をいいます(措令42の 6 ③)。

2  改正の内容

⑴ 預金保険法第102条第 1 項第 1 号(以下「 1 号措置」といいます。)による金融機関の資本 増強は、個別金融機関の救済措置ではなく、増 加した資本を原資としてその金融機関が提出す る経営健全化のための計画が履行されることに よって、我が国又はその金融機関が業務を行っ ている地域の信用秩序の維持を図ろうとするも のです。また、 1 号措置による金融機関の資本 増強においては、従来より、資本増強とともに 株式交換を行うこと、株式移転によって銀行持 株会社を設立することも認めているところです。  この特例の適用により、 1 号措置の適用によ り公的資本増強を受けた金融機関の負担を減少 させ、経営健全化のための計画を履行するため の財産的基盤が確保され、預金者保護・信用秩 序の維持につながることが期待されていますが、 この特例の適用対象となるのは(平成16年の創 設当初より)公的資本増強による資本金の額の 増加登記に限られており、株式移転によって設 立される銀行持株会社の設立登記は適用対象と はされていませんでした。  平成24年度税制改正においては、こうした状 況を踏まえ、公的資金をより有効に活用するこ とができる資本増強が可能となるよう、資本増 強により行われる株式移転によって設立される 銀行持株会社の設立登記についても、この特例 の適用対象に含めることとされました。 ⑵ 具体的には、特例の対象に、銀行等が行う株 式移転によりその銀行等の株式移転設立完全親 会社(会社法第737条第 1 項第 1 号に規定する 株式移転設立完全親会社をいいます。)となっ た株式会社が受ける設立の登記を追加した上、 特例の適用期限が平成26年 3 月31日まで 2 年延 長されました(措法80②)。 (注) 上記の株式会社が、この特例の適用を受け ようとする場合には、その登記の申請書に、 その登記がこの特例の対象となる登記である ことを証する内閣総理大臣の証明書で、次に 掲げる事項の記載のあるものを添付する必要

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があります(措規30の 2 ④二)。 ① 資本金の額の増加を行う者が、租税特別 措置法施行令第42条の 6 第 3 項各号に掲げ る者であること ② その登記に係る株式会社の設立が、株式 の引受けによる金融機関又は銀行持株会社 等の資本金の額の増加に伴うものであるこ と ③ その金融機関又は銀行持株会社等が行う 株式移転によりその株式会社がその金融機 関又は銀行持株会社等の株式移転設立完全 親会社となったこと ④ その株式の引受けに係る内閣総理大臣の 決定の日

3  適用関係

 上記 2 の改正は、平成24年 4 月 1 日以後に内閣 総理大臣の決定がされる場合における資本金の額 の増加又は株式会社の設立の登記に係る登録免許 税について適用され、平成24年 3 月31日以前に内 閣総理大臣の決定がされた場合における資本金の 額の増加の登記に係る登録免許税については従来 どおりとされています(改正法附則 1 、42③)。

七 認定経営基盤強化計画等に基づき行う登記の税率の

軽減措置の改正(措法80の 2 )

1  改正前の制度の概要

⑴ 次の表に掲げる事項について登記を受ける場 合において、その事項が、金融機関等の組織再 編成の促進に関する特別措置法(以下「金融再 編法」といいます。)第 8 条に規定する認定経 営基盤強化計画に係る認定(平成24年 3 月31日 までに一定の金融機関等が提出をした認定経営 基盤強化計画に係るものに限ります。)に係る ものであるときは、その認定の日から 1 年以内 に登記を受けるものに限り、その登記の税率を 以下のとおり軽減することとされていました (旧措法80の 2 ①)。 (注) 「一定の金融機関等」とは、銀行、長期信用 銀行、信用金庫、信用協同組合、労働金庫、 信用金庫連合会、信用協同組合連合会、労働 金庫連合会、農林中央金庫、農業協同組合連 合会、漁業協同組合連合会、水産加工業協同 組合連合会、銀行持株会社等をいいます(金 融再編法 2 ①)。 預金保険機構が取得した金融機関の 株式を銀行持株会社の株式と交換 預金保険機構が取得した金融機関の 株式を移転し銀行持株会社を設立 預金保険機構 金融機関 ①資本注入 ②増資の登記 金融機関 ①資本注入 銀行持株会社 ③資本注入 ④増資の登記 預金保険機構 預金保険機構 金融機関 銀行持株会社 ①資本注入 ②増資の登記 ④増資の登記 ③株式交換 預金保険機構 金融機関 新設銀行持株会社 ①資本注入 ②増資の登記 ④設立の登記 ③株式移転 【株式移転型】 【株式交換型】 【銀行持株会社経由型】 【直接型】 ②増資の登記 区  分 本則税率 軽減税率 イ 株式会社の設立又は資本金の 額の増加の登記(ロ及びハの登 記は除かれます。) 1,000分の 7 1,000分の3.5 ロ 合併による株式会社の設立又 は資本金の額の増加の登記 (それぞれ資本金の額又は合併によ1,000分の1.5 り増加した資本金の額のうち、合併 により消滅した会社のその合併の直 前における資本金の額(その消滅し た会社が合名会社又は合資会社であ る場合には、900万円)に一定の割 合を乗じて計算した額を超える部分 については、1,000分の 7 ) 1,000分の 1 (それぞれ資本金の額又は合併によ り増加した資本金の額のうち、合併 により消滅した会社のその合併の直 前における資本金の額(その消滅し た会社が合名会社又は合資会社であ る場合には、900万円)に一定の割 合を乗じて計算した額を超える部分 については、1,000分の3.5) ハ 分割による株式会社の設立又 は資本金の額の増加の登記 1,000分の 7 1,000分の3.5 ニ 合併による法人の設立等の場 合における不動産の所有権の移 転登記 1,000分の 4 1,000分の 2 ホ 法人の設立等の場合における 抵当権の移転登記 1,000分の 2 1,000分の1.5 ─499─

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⑵ 株式会社が平成21年 4 月 1 日から平成24年 3 月31日までの間に、新設分割又は吸収分割を行 った場合には、当該分割による法人の設立等に 係る不動産の所有権又は抵当権の移転登記に係 る登録免許税の税率は、上記⑴の認定の日から 1 年以内に登記を受けるものに限り、次のとお り軽減することとされていました(旧措法81⑥)。 ① 不動産の所有権の移転登記 1,000分の 2 (本則1,000分の20) ②  抵 当 権 の 移 転 登 記 1,000分 の0.6( 本 則 1,000分の 2 ) ⑶ 上記⑴及び⑵の規定は、金融機関が、次の決 定又は承認に基づき、上記⑴及び⑵に掲げる事 項について登記を受ける場合にも適用されるこ ととされていました(旧措法80の 2 ②)。 ① 金融機能の強化のための特別措置に関する 法律(以下「金融機能強化法」といいます。) 第 5 条第 1 項又は第17条第 1 項の経営強化計 画に係る主務大臣の決定(平成24年 3 月31日 までに金融機関等が提出した経営強化計画に 係るものに限ります。) ② 金融機能強化法第 9 条第 1 項又は第19条第 1 項の変更後の経営強化計画に係る主務大臣 の承認(平成24年 3 月31日までに金融機関等 が提出した変更後の経営強化計画に係るもの に限ります。) (注) 上記⑶について、東日本大震災の被災者等 に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律 (震災税特法)第41条の 2 の規定の適用がある 場合には、震災税特法の規定が適用されます (旧措法80の 2 ②ただし書)。

2  改正の内容

 上記五と同様に(上記五 2 参照)、上記 1 ⑴ハ 及び⑵の軽減税率について次のとおり引き上げた 上、特例の適用期限が平成26年 3 月31日まで 2 年 延長されました(措法80の 2 ①②、81⑤)。 ⑴ 分割による株式会社の設立又は資本金の額の 増加の登記  1,000分の 5 (改正前:1,000分の3.5) ⑵ 分割による法人の設立等の場合における次の 登記 ① 不動産の所有権の移転登記 1,000分の 4 (改正前:1,000分の 2 ) ② 抵当権の移転登記  1,000分の 1 (改正 前:1,000分の0.6)

3  適用関係

 上記 2 ⑴の改正は、上記 1 ⑴の認定経営基盤強 化計画又は⑶の経営強化計画若しくは変更後の経 営強化計画が平成24年 4 月 1 日以後に提出される 場合における上記 1 ⑴の登記に係る登録免許税に ついて適用され、これらの計画が平成24年 3 月31 日以前に提出された場合におけるこれらの登記に イ 株式会社の設立又は資本金の 額の増加の登記(ロ及びハの登 記は除かれます。) 1,000分の 7 1,000分の3.5 ロ 合併による株式会社の設立又 は資本金の額の増加の登記 (それぞれ資本金の額又は合併によ1,000分の1.5 り増加した資本金の額のうち、合併 により消滅した会社のその合併の直 前における資本金の額(その消滅し た会社が合名会社又は合資会社であ る場合には、900万円)に一定の割 合を乗じて計算した額を超える部分 については、1,000分の 7 ) 1,000分の 1 (それぞれ資本金の額又は合併によ り増加した資本金の額のうち、合併 により消滅した会社のその合併の直 前における資本金の額(その消滅し た会社が合名会社又は合資会社であ る場合には、900万円)に一定の割 合を乗じて計算した額を超える部分 については、1,000分の3.5) ハ 分割による株式会社の設立又 は資本金の額の増加の登記 1,000分の 7 1,000分の3.5 ニ 合併による法人の設立等の場 合における不動産の所有権の移 転登記 1,000分の 4 1,000分の 2 ホ 法人の設立等の場合における 抵当権の移転登記 1,000分の 2 1,000分の1.5 ヘ 合併による法人の設立等の場 合における抵当権の移転登記 1,000分の 1 1,000分の0.5 ――平成24年 3 月改正――

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係る登録免許税については従来どおりとされてい ます(改正法附則 1 、42④)。  また、上記 2 ⑵の改正は、平成24年 4 月 1 日以 後に新設分割又は吸収分割を行った場合における 上記 1 ⑵の登記に係る登録免許税について適用さ れ、平成24年 3 月31日以前に新設分割又は吸収分 割を行った場合におけるこれらの登記に係る登録 免許税については従来どおりとされています(措 法81⑤、改正法附則 1 、42⑧)。

八 会社分割に伴う不動産の所有権の移転登記等の税率の

軽減措置の改正(措法81)

1  改正前の制度の概要

⑴ 株式会社が、平成24年 3 月31日までに新設分 割又は吸収分割により不動産に関する権利を取 得し、その不動産に関する権利の移転について 登記又は仮登記を受ける場合には、その権利を 取得した日以後 3 年以内に登記を受ける場合に 限り、その登記に係る登録免許税の税率は、次 のとおり軽減されていました(旧措法81①②)。 ① 平成23年 3 月31日までの分割に係るもの 登 記 事 項 本則税率 軽減税率 イ 所有権の移転登記 1,000分の20 1,000分の 8 ロ 地上権、永小作権、賃借権又は採石権の移転登記 1,000分の10 1,000分の 4 ハ 先取特権、質権又は抵当権の移転登記 1,000分の 2 1,000分の1.4 ニ 根抵当権の法人の分割による移転登記 1,000分の 2 1,000分の1.4 ホ 所有権の移転の仮登記又は移転の請求権の保全の ための仮登記 1,000分の10 1,000分の 4 ヘ 地上権、永小作権、賃借権若しくは採石権の移転 の仮登記又は移転の請求権の保全のための仮登記 1,000分の 5 1,000分の 2 ② 平成23年 4 月 1 日から平成24年 3 月31日までの間の分割に係るもの 登 記 事 項 本則税率 軽減税率 イ 所有権の移転登記 1,000分の20 1,000分の13 ロ 地上権、永小作権、賃借権又は採石権の移転登記 1,000分の10 1,000分の6.5 ハ 先取特権、質権又は抵当権の移転登記 1,000分の 2 1,000分の1.8 ニ 根抵当権の法人の分割による移転登記 1,000分の 2 1,000分の1.8 ホ 所有権の移転の仮登記又は移転の請求権の保全の ための仮登記 1,000分の10 1,000分の6.5 ヘ 地上権、永小作権、賃借権若しくは採石権の移転 の仮登記又は移転の請求権の保全のための仮登記 1,000分の 5 1,000分の3.25 ⑵ 株式会社が、平成24年 3 月31日までに新設分 割又は吸収分割を行った場合において、上記⑴ ①ホ、へ又は②ホ、への仮登記がされている不 動産について、その仮登記に基づき所有権、地 上権、永小作権、賃借権又は採石権の移転登記 を受けるときは、その登記に対する登録免許税 の税率は、その新設分割又は吸収分割を行った 日から 3 年以内に登記を受けるものに限り、そ の不動産についてのその登記の上記⑴①イ、ロ 又は②イ、ロに定める割合からそれぞれ次に定 める割合を控除した割合とされていました(旧 措法81③)。 ① 不動産の所有権の移転登記 イ 平成23年 3 月31日までの分割に係るもの 

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1,000分の 4 ロ 平成24年 3 月31日までの分割に係るもの  1,000分の6.5 ② 不動産の地上権、永小作権、賃借権又は採 石権の移転登記 イ 平成23年 3 月31日までの分割に係るもの  1,000分の 2 ロ 平成24年 3 月31日までの分割に係るもの  1,000分の3.25 ⑶ 株式会社が、平成24年 3 月31日までに新設分 割又は吸収分割を行った場合の登録免許税法第 7 条第 2 項〔信託財産の登記等の課税の特例〕 の規定の適用については、信託期間中に法人で ある委託者の分割があったために委託者の地位 が変更されたときにも、合併の場合(登法 7 ②) と同様に、これを法人の分割による財産権の移 転とみなして登録免許税を課税することとされ ていました(旧措法81④)。 (注) 信託による財産権の移転の登記又は登録に おいて、信託の契約時の委託者兼受益者と同 一の委託者に信託財産が戻る場合には、信託 の効力が生じた時から引き続き委託者である 者に対して信託財産が移転したときに限り、 当該登記又は登録に係る登録免許税が非課税 とされています(登法 7 ①)。

2  改正の内容

 この特例は、企業組織の柔軟かつ迅速な再編を 実現して国際競争力の強化等を図るため、会社分 割制度(平成13年 4 月施行)が創設されたことに 伴い、同制度の円滑な立上げを税制面から支援す る観点から、平成13年度税制改正において、( 5 年間の措置として)会社分割による登録免許税負 担が合併と同水準となるよう創設されたものです。  その後、初期の目的は達成されましたが、会社 分割による柔軟な組織再編成の支援の必要性がま だ一部で認められ、この特例を廃止することは時 期尚早であったことから、平成18年度及び21年度 の税制改正においては、軽減税率を(一挙に売買 (事業譲渡)と同水準に引き上げるのではなく) 段階的に引き上げることとされました(例.所有 権の移転登記:1,000分の 4 →1,000分の 8 →1,000 分の13)。  平成24年度税制改正では、「売買(事業譲渡) と同水準にする」との道筋を踏襲しつつ、売買の 税負担とのバランス等を勘案して、平成24年度か ら 3 年間の措置として、下表のとおり、軽減税率 が段階的に引き上げられることとされました。 ⑴ 上記 1 ⑴について、株式会社が取得した不動 産に関する権利の移転登記に係る軽減税率が次 のとおり見直された上、その適用期限が平成27 年 3 月31日まで 3 年延長されました(措法81① ②)。 ① 平成26年 3 月31日までの分割に係るもの 登 記 事 項 本則税率 軽減税率 イ 所有権の移転登記 1,000分の20 1,000分の15 ロ 地上権、永小作権、賃借権又は採石権の移転登記 1,000分の10 1,000分の7.5 ハ 所有権の移転の仮登記又は移転の請求権の保全の ための仮登記 1,000分の10 1,000分の7.5 ニ 地上権、永小作権、賃借権若しくは採石権の移転 の仮登記又は移転の請求権の保全のための仮登記 1,000分の 5 1,000分の3.75 ② 平成26年 4 月 1 日から平成27年 3 月31日までの間の分割によるもの 登 記 事 項 本則税率 軽減税率 イ 所有権の移転登記 1,000分の20 1,000分の18 ロ 地上権、永小作権、賃借権又は採石権の移転登記 1,000分の10 1,000分の 9

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ハ 所有権の移転の仮登記又は移転の請求権の保全の ための仮登記 1,000分の10 1,000分の 9 ニ 地上権、永小作権、賃借権若しくは採石権の移転 の仮登記又は移転の請求権の保全のための仮登記 1,000分の 5 1,000分の4.5  なお、先取特権、質権又は抵当権の移転登記 及び根抵当権の法人の分割による移転登記に係 る軽減措置(上記 1 ⑴①ハ・ニ、②ハ・ニ)に ついては、最近の適用実績等を踏まえつつ、租 税特別措置の整理合理化の観点から、適用期限 の到来をもって廃止することとされました。 ⑵ 上記 1 ⑵について、株式会社が上記 1 ⑴①ホ、 へ又は②ホ、への仮登記がされている不動産に ついて、その仮登記に基づき所有権、地上権、 永小作権、賃借権又は採石権の移転の登記を受 ける場合に控除する割合が次のとおり見直され た上、その適用期限が平成27年 3 月31日まで 3 年延長されました(措法81③)。 ① 不動産の所有権の移転登記 イ 平成26年 3 月31日までの分割に係るもの  1,000分の7.5 ロ 平成27年 3 月31日までの分割に係るもの  1,000分の 9 ② 不動産の地上権、永小作権、賃借権又は採 石権の移転登記 イ 平成26年 3 月31日までの分割に係るもの  1,000分の3.75 ロ 平成27年 3 月31日までの分割に係るもの  1,000分の4.5 ⑶ 上記 1 ⑶について、特例の適用期限が平成27 年 3 月31日まで 3 年延長されました(措法81④)。

3  適用関係

 上記 2 の改正は、平成24年 4 月 1 日以後に新設 分割又は吸収分割により不動産に関する権利を取 得する場合の登記又は仮登記に係る登録免許税に ついて適用され、平成24年 3 月31日までに新設分 割又は吸収分割により不動産に関する権利を取得 した場合の登記又は仮登記に係る登録免許税につ いては、従来どおりとされています(改正法附則 1 、42⑤~⑦)。

九 国際船舶の所有権の保存登記等の税率の軽減措置の改正

(措法82の 2 )

1  改正前の制度の概要

 海上運送業を営む一定の者が、平成18年 4 月 1 日から平成24年 3 月31日までの間に受ける次に掲 げる登記に係る登録免許税の税率については、同 日までに登記を受けるものに限り、1,000分の 3 (本則1,000分の 4 )に軽減されていました(旧措 法82の 2 ①②)。 ⑴ 国際船舶で事業の用に供されたことのないも のを建造した場合若しくは外国法人から国際船 舶で建造された日から 5 年を経過していないも のを取得した場合に受ける所有権の保存登記 ⑵ 上記⑴の国際船舶の建造若しくは取得のため の資金の貸付け若しくはその建造の対価の延払 いに係る債権を担保するために受けるこれらの 国際船舶を目的とする抵当権の設定登記 (注) 国際船舶とは、専ら外航に使用される総ト ン数2,000t以上の、国際海上輸送の確保上重 要な日本船舶であって、乗組員の少数精鋭化 等による運航面の低コスト化がなされている 船舶、技術革新等に対応した質の高い船舶、 液化天然ガス運搬船などをいいます(海上運 送法44の 2 、海上運送法施行規則43)。 (参考) 国際船舶制度  日本籍船の減少に歯止めをかけるため、日 本籍船のうち国際海上輸送の確保上重要な船 舶を国際船舶とし、海外への譲渡・貸渡につ いて届出制・中止勧告をとる一方、国際競争

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力を確保するため、税制を含めた様々な支援 措置を講じています(平成 8 年10月~)。

2  改正の内容

⑴ この特例は、国際船舶制度の一環として、国 際船舶の確保・保有促進という政策目的を達成 する手段の一つとして創設されたものです。こ の特例により、我が国での船舶取得に係る初期 負担が軽減されることから、特例創設以降現在 に至るまで一定の効果が認められているところ ですが、トン数標準税制導入(平成20年)を機 に、国際船舶を含む日本船舶の需要が顕著に増 加していることを踏まえると、この特例による 政策効果(両制度の役割分担)が判りにくくな っています。 (注) この特例は、トン数標準税制の適用事業者 が取得する国際船舶に対しても適用されます。 ⑵ 他方、国内運航事業者(海運会社)の船員費 対策上、日本籍船の飛躍的な増加を期待するこ とは難しい状況となっていますが(注 1 )、多 くの先進海運国が、自国籍船と便宜置籍船(外 国船舶)を組み合わせた自国商船隊を作ってい る状況において、国際船舶を中核とした我が国 商船隊の競争力の強化を図りつつ、管轄権の及 ぶ自国籍船の確保による経済安全保障を確立す ることは、喫緊の課題であると言えます。 (注 1 ) 我が国商船隊の大半が便宜置籍船(外国 船舶)となっていますが、便宜置籍船は、 船員費の安い外国人船員を乗船させられ、 日本籍船取得による船員費負担の増加を抑 えられることが要因の一つと考えられてい ます。 (注 2 ) 「便宜置籍船」とは、船主が船籍を、船員 の資格・労働条件などの面で(自国よりも) 有利な外国に登録している船をいいます。 置籍国はリベリア・パナマなどが多く、船 主の国籍では米国・ギリシャ・日本などが 多いと言われています。 ⑶ こうした状況を踏まえ、平成24年度税制改正 においては、軽減税率が1,000分の3.5(改正前 1,000分の 3 )に引き上げられた上、その適用 期限が平成26年 3 月31日まで 2 年延長すること とされました(措法82の 2 ①②)。

3  適用関係

 上記 2 の改正は、平成24年 4 月 1 日以後に受け る登記に係る登録免許税について適用されます (改正法附則 1 )。

十 認定民間都市再生事業計画に基づき建築物を建築した場合の

所有権の保存登記の税率の軽減措置の改正(措法83)

1  改正前の制度の概要

⑴ 認定民間都市再生事業計画に係る特例(都市 再生)  都市再生特別措置法第23条に規定する認定事 業者(以下「認定事業者」といいます。)が、 平成25年 3 月31日までに国土交通大臣の認定を 受けた同法に規定する認定民間都市再生事業計 画に基づき特定民間都市再生事業の用に供する ため、その認定の日から 3 年以内に建築物を建 築した場合における所有権の保存登記について は、 登 録 免 許 税 の 税 率 を1,000分 の 3 ( 本 則 1,000分の 4 )に軽減することとされていまし た(旧措法83①)。 (注 1 ) 「認定事業者」とは、国土交通大臣から民 間都市再生事業計画の認定を受けた事業者 をいいます(都市再生特別措置法第23条)。 (注 2 ) 「特定民間都市再生事業」とは、次に掲げ る要件の全てを満たす認定計画において定 められている都市再生特別措置法第25条に 規定する都市再生事業をいいます(措令43 の 4 ①)。 ① 事業区域内に地上階数10以上又は延べ 面積が 5 万㎡以上の耐火建築物が整備さ

参照

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