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地震のほとんどは海側のプレート付近で発生する地震 ( 海溝型地震 ) と 内陸の断層で発生する地震 ( 活断層型地震 ) となります ミャンマーにおけるこれらの地震の特徴について下記いたします 1.1 海溝型地震 ミャンマーを含むニュージーランドからパキスタンにかけてのインド オーストラリアプレート

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6th July, 2015 【ミャンマーの自然災害リスク】<シリーズNO.2>

ミャンマーにおける地震リスク

インターリスクアジアタイランド

はじめに

今回はミャンマーにおける地震リスクについて解説いたします。 <シリーズ NO.1>1で概略をご案内しましたが、ミャンマー周辺は世界的に見ても地震多発地帯といえます。 地震多発地帯にも関わらず過去においてそれほど話題に上がらなかったのは、情報公開が限定的であった ことや、地震が発生したエリアの損害額が小さかったことなどから、ミャンマーにおける地震が大きなリスクとして 認識されてこなかった可能性があります。

1 ミャンマーにおける地震の特徴

図1は過去に発生した地震の震源を赤丸でプロットしたものです。震源が帯状に分布している箇所はプレー ト境界があることを示しており、ミャンマー周辺が地震多発地帯であることが分かります。 ミャンマーの地震リスクの特徴としては、主に以下の2 点が挙げられます。 ①ユーラシアプレートの端に位置し、インド・オーストラリアプレートが沈み込む環境にあるため、海溝型地震 の影響が大きい。 ②内陸の断層で発生する大きな地震のほとんどはミャンマーの中央部を約 1500km にわたり縦断するサガ イン断層で発生している。発生頻度は高く、また主要な都市(首都ネーピードー、マンダレー、ヤンゴン東 部の都市バゴー)の近傍を縦断しているため、地震が発生すると影響が大きい。 ミャンマーを含むニュージーランドからパキスタンにかけてのインド・オーストラリアプレートのプレート境界部 は、海溝型地震や活断層型地震の多発地帯となっています。 ミャンマーはユーラシアプレートの南端に位置しており、この辺りはインド洋方面からインド・オーストラリアプ レート(図1の右図の青い点線のエリア)がユーラシアプレートの下に沈込みながらミャンマー西部国境沿いを 北上します。 【図1】主なプレートと地震活動(出典:気象庁ホームページ) (左図の青色の点線のエリアがインド・オーストラリアプレート、右の拡大図の黄色い線のエリアがミャンマー) 1【ミャンマーの自然災害リスク】<シリーズ NO.1>ミャンマーの地理、気候と自然災害リスク(2015 年 6 月 23 日発行)

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地震のほとんどは海側のプレート付近で発生する地震(海溝型地震)と、内陸の断層で発生する地震(活断 層型地震)となります。ミャンマーにおけるこれらの地震の特徴について下記いたします。 1.1 海溝型地震 ミャンマーを含むニュージーランドからパキスタンにかけてのインド・オーストラリアプレート境界部は、海溝型 地震や断層型地震が頻発する地帯です。例えば、スマトラ島沖地震では2000 年以降だけでもマグニチュード 7 以上の地震が 16 回発生しています。またプレート境界部に位置するパキスタンでは 2000 年以降にマグニ チュード7 以上の地震が 3 回発生しています。 海岸部は津波がよく発生するエリアでもあります。特にミャンマーからスンダ列島、ティモール島を経てソロモ ン諸島沖に至るまでのプレート境界部周辺は世界有数の地震多発地帯であり、ミャンマーではスマトラ島地震 による津波の影響を受ける可能性があります。2004 年に発生したスマトラ沖地震の際にはミャンマーでは 80 人が死亡、43 人が負傷、3 人が行方不明となっています。2 【図2】インド・オーストラリアプレート境界部で発生している主な地震 2政府公表ベース。だたし、震源域に含まれるミャンマー領ココ諸島で多数の死者が出たという情報もある。

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1.2 活断層型地震(サガイン断層) ミャンマーには多くの断層が存在しており、その 中でも特にミャンマーの中央部を縦断しているサ ガイン断層が有名です。インド・オーストラリアプレ ートがヒマラヤ山脈周辺に沈み込む運動に、大き な影響を受けているサガイン断層は、活動度の高 い断層で、過去に発生した大きな地震のほとんど が同断層もしくはその周辺で発生しています。 サガイン断層はインド・オーストラリアプレートと スンダプレート(ユーラシアプレートの一部で東南 アジアエリアにあるプレート)との境にあるトランスフ ォーム断層(プレート境界で生成される横ずれ断 層、右図の赤い矢印)です。 全地球測位システム3による観測では、毎年 の 変位量(活断層のずれ)は18 mm とのことです。 日本では陸域における活断層の変位量により 活動度をA 級から C 級の 3 段階に分けています が4、サガイン断層の変位量は日本において最も 活発とされる活動度A 級(1000 年あたりの変位量 1m 以上 10m 未満)の活断層よりも活動度が高い といえます。5 サガイン断層は、人口が多く、発展している都 市(首都ネーピードー、マンダレー、バゴー)の近 傍を縦断しているため、地震が発生した際の影響 は大きくなります。 3アメリカ合衆国で運用されている衛星測位システムで地球上の現在位置を測定するためのシステム。 4活断層の活動度とは、活断層の活動の活発さの程度であり、その活断層が長期間にずれを累積してきた平均的な速さにより表される。活動度を 簡便に表すため、ずれの平均的な速さから活断層を A~C のランクに分けて表現することが多い。 活動度 A 級の活断層は、1,000 年あたりの平均的なずれの量が 1 m 以上 10m 未満 活動度 B 級の活断層は、1,000 年あたりの平均的なずれの量が 10cm 以上 1 m 未満 活動度 C 級の活断層は、1,000 年あたりの平均的なずれの量が 1 cm 以上 10cm 未満 日本では、活動度A級の活断層は約 100、活動度B級の活断層は約 750、活動度C級の活断層は約 450 知られている。なお、海域には AA 級 もある 5 サガイン断層の変位量を単純に 1000 倍(1000 年分の変位量)すると約 18m となる。1,000 年あたりの平均的なずれの量が 10m 以上の活断層は、 日本の陸域では知られていない。 【図3】ミャンマー周辺のトラフおよび断層 (赤い矢印は断層がずれる方向) (出典:The Sagaing Fault, Myanmar (Burma))

マンダレー

ネーピードー

ヤンゴン バゴー サガイン断層

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2 過去に発生した地震

ミャンマーにおいて過去に発生した主な地震は以下の通りです。 記録されてる地震の殆どは首都ネーピードー、マンダレー、バゴー近郊もしくはそれらの都市をつなぐ線 上で発生しています。つまり、これらの地震の多くがサガイン断層もしくはその周辺で発生していることがわか ります。6 20 世紀以降に発生したマグニチュード 7 以上の地震は 6 回記録されています。 【表1】過去に発生した主な地震 年月日 場所 マグニチュード・地震概要 868 年 バゴー管区 仏塔倒壊 875 年 バゴー管区 仏塔倒壊 1429 年 マンダレー管区 インワ 防護壁が倒壊 1467 年 マンダレー管区 インワ 仏塔など倒壊 1485 年 5 月 24 日 サガイン管区 仏塔倒壊 1501 年 マンダレー管区 インワ 仏塔など倒壊 1564 年 9 月 13 日 バゴー管区 仏塔倒壊 1567 年 バゴー管区 仏塔倒壊 1582 年 バゴー管区 仏塔倒壊 1588 年 2 月 9 日 バゴー管区 仏塔・建物倒壊 1591 年 3 月 30 日 バゴー管区 ブッダ像破壊 1620 年 6 月 23 日 マンダレー管区 インワ 地割れ発生 1637 年 8 月 18 日 マンダレー管区 インワ 川が決壊 1646 年 9 月 10 日 マンダレー管区 インワ 1648 年 6 月 11 日 マンダレー管区 インワ 1660 年 9 月 1 日 マンダレー管区 インワ 1690 年 4 月 3 日 マンダレー管区 インワ 1696 年 9 月 15 日 マンダレー管区 インワ 仏塔倒壊 1714 年 8 月 8 日 マンダレー管区 インワ 仏塔倒壊、堤防が決壊し洪水発生 1757 年 6 月 4 日 バゴー管区 仏塔損害 1762 年 4 月 2 日 ラカイン州 シットウェ県 マグニチュード7.0 ラカイン州からカルカタにかけて大きな被害 1768 年 12 月 27 日 バゴー管区 仏塔倒壊 1771 年 7 月 15 日 マンダレー管区 インワ 1776 年 6 月 9 日 マンダレー管区 インワ 仏塔倒壊 1830 年 4 月 26 日 マンダレー管区 インワ 1839 年 3 月 21 日 マンダレー管区 インワ 古い宮殿・多くの建物が崩壊 1839 年 3 月 23 日 マンダレー管区 インワ 仏塔や城壁が崩壊。地割れ発生。河川氾濫発生。死者300~400 人。 1843 年 2 月 6 日 ラカイン州 チャウピュー県 沖合いにあるRambye 島の泥火山噴火 1848 年 1 月 3 日 ラカイン州 チャウピュー県 土木構造物・建物に被害 1858 年 8 月 24 日 バゴー管区 ピエ県 ヤンゴンをはじめとする各地で仏塔・他建物の倒壊 1888 年 10 月 8 日 バゴー管区 仏塔崩壊 1913 年 3 月 6 日 バゴー管区 仏塔倒壊 1917 年 7 月 5 日 バゴー管区 仏塔倒壊 1927 年 9 月 10 日 ヤンゴン管区 1927 年 12 月 17 日 ヤンゴン管区 マグニチュード7.0 エーヤワディー管区の Dedaye でも被害 1929 年 8 月 8 日 バゴー管区 タウングー県近郊 線路、橋と下水溝が崩壊など (Swa 地震) 1930 年 5 月 5 日 ヤンゴン管区 カヤン郡区近郊 マグニチュード7.3 バゴーでの死者 500 名。ヤンゴンでの死者 50 名 1930 年 12 月 3 日 バゴー管区 バゴー県 マグニチュード7.3 線路に被害。死者約 30 名。(Pyu 地震) 1931 年 1 月 27 日 カチン州インドージー東部 マグニチュード7.6 クラック・割れ目が発生。(Myitkyuna 地震) 1931 年 8 月 10 日 マンダレー管区 ピンマナ市 1931 年 3 月 27 日 ヤンゴン管区 1931 年 3 月 16 日 ヤンゴン管区 1931 年 3 月 21 日 ヤンゴン管区 1946 年 9 月 12 日 マンダレー管区 Tagaung マグニチュード7.5, 7.75 1956 年 7 月 16 日 サガイン管区 マグニチュード7.0 複数の仏塔に大きな被害 (死者 40~50 名) 1976 年 7 月 8 日 マンダレー管区 バガン マグニチュード6.8 複数の仏塔に大きな被害(死者 1 名) 2003 年 9 月 22 日 マグウェ管区 Taung dwingyi マグニチュード6.8 民家や宗教建物の被害大(死者 7 名)

(出典:Hazard Profile of Myanmar)

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3 地震危険度マップ(Seismic zone map of Myanmar)

図5 は、ミャンマーにおける地震危険度を色分けした地図です。7 過去の地震履歴をもとに想定される地表面最大加速度を色分けしたもので、地盤増幅度も考慮されてお り、エリアも細かく分けられています。この図によるとインド・オーストラリアプレートに近い国土の西側とサガイ ン断層周辺の地震危険度が高いことが分ります。 【図5】ミャンマーにおける地震危険度マップ 2012 年 7相対的な危険度評価としては最も精度が高いと思われるが、確率を考慮した評価ではない。 非常に甚大な被害が発生する可能性 マグニチュード 9.0 以上 地表面最大加速度 0.3g 以上 甚大な被害が発生する可能性 マグニチュード 8.0 程度 地表面最大加速度 0.2~0.3g 以上 大きな被害が発生する可能性 マグニチュード 7.0 程度 地表面最大加速度 0.1~0.2g 以上 ある程度被害が発生する可能性 マグニチュード 5.0~6.0 程度 地表面最大加速度 0.075~0.1g 以上 小規模な被害が発生する可能性 マグニチュード 5.0 以下 地表面最大加速度 0.075g 以下

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4 ヤンゴン・マンダレーの地震リスク

ここではミャンマーにおける主要な経済都市であるヤンゴン市とマンダレー市周辺の地震の特徴につい てまとめます。 4.1 ヤンゴンの地震リスク ヤンゴン管区(ヤンゴンはヤンゴン管区の州都)はアンダマ ン海に面しているため、スマトラ沖周辺の地震・津波の影響を 受ける可能性があります。 またサガイン断層がヤンゴン管区の東側を縦断しているた め、同断層で地震が発生した場合にはヤンゴン管区にも影 響が出ることが想定されます。また、ヤンゴン市街地は三角 州を形成していますが、現地でのヒアリングによると、地下水 位が高く、地盤は緩いとのことです。そのため地震発生時に は地表面で地震動が増幅される可能性があり、また液状化も 想定されます。 4.2 ヤンゴン周辺で過去に発生した地震 ヤンゴンならびにその周辺で発生した地震は以下の通りと なり、ほぼ全ての地震がサガイン断層ならびにその周辺で発 生しています。約 1000 年の間に 18 回の地震が記録されて います。また20 世紀以降に発生したマグニチュード 7 以上の 地震は2 回記録されています。 【表2】ヤンゴン周辺で記録されている歴史地震 年月日 場所 マグニチュード ・地震概要 868 年 バゴー管区 仏塔倒壊 875 年 バゴー管区 仏塔倒壊 1564 年 9 月 13 日 バゴー管区 仏塔倒壊 1567 年 バゴー管区 仏塔倒壊 1582 年 バゴー管区 仏塔倒壊 1588 年 2 月 9 日 バゴー管区 仏塔・建物倒壊 1591 年 3 月 30 日 バゴー管区 ブッダ像破壊 1757 年 6 月 4 日 バゴー管区 仏塔損害 1768 年 12 月 27 日 バゴー管区 仏塔倒壊 1888 年 10 月 8 日 バゴー管区 仏塔崩壊 1913 年 3 月 6 日 バゴー管区 仏塔倒壊 1917 年 7 月 5 日 バゴー管区 仏塔倒壊 1927 年 9 月 10 日 ヤンゴン管区 1927 年 12 月 17 日 ヤンゴン管区 マグニチュード7.0 エーヤワディー管区の Dedaye でも被害 1930 年 5 月 5 日 ヤンゴン管区 カヤン郡区近郊 マグニチュード7.3 死者:バゴー500 名。 ヤンゴン50 名 1931 年 3 月 27 日 ヤンゴン管区 1930 年 12 月 3 日 バ ゴ ー 管 区 バゴー県 マ グ ニ チ ュ ー ド 7.3 線 路 に 被 害 。 死 者 約 30 名。(Pyu 地震) 1931 年 3 月 16 日 ヤンゴン管区 1931 年 3 月 21 日 ヤンゴン管区

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4.3 ヤンゴン周辺の地震危険度

前述のSeismic zone map of Myanmar によると、ヤンゴン市周辺は 5 段階中 Zone III(橙色のエリア)と なっています。一方でヤンゴン市から北東に約 70km の場所にあるバゴー市は最も地震危険度が高い Zone V(赤色のエリア)となります。サガイン断層はバゴー市のほぼ直下を縦断しています。 4.4 マンダレーの地震リスク マンダレー管区は内陸にあるため海溝型の地震による影響 はほとんど無く、津波による影響はありません。 一方で、サガイン断層がマンダレー管区を縦断しているた め、マンダレー周辺(インワやサガイン)では過去より多くの地 震が発生しています。 4.5 過去に発生した地震 マンダレーならびにその周辺で発生した地震は以下の通り です。ほぼ全ての地震がサガイン断層ならびにその周辺で発 生しています。約 400 年の間に 15 回の地震が記録されてい ます。 【表 3】マンダレー周辺で記録されている歴史地震 年月日 場所 マグニチュード・地 震概要 1429 年 マンダレー管区インワ 防護壁が倒壊 1467 年 マンダレー管区インワ 仏塔など倒壊 1485 年 5 月 24 日 サガイン管区 仏塔倒壊 1501 年 マンダレー管区インワ 仏塔など倒壊 1620 年 6 月 23 日 マンダレー管区インワ 地割れ発生 1637 年 8 月 18 日 マンダレー管区インワ 川が決壊 1646 年 9 月 10 日 マンダレー管区インワ 1648 年 6 月 11 日 マンダレー管区インワ 1660 年 9 月 1 日 マンダレー管区インワ 1690 年 4 月 3 日 マンダレー管区インワ 1696 年 9 月 15 日 マンダレー管区インワ 仏塔倒壊 1714 年 8 月 8 日 マンダレー管区インワ 仏塔倒壊、堤防が決壊し 洪水発生 1771 年 7 月 15 日 マンダレー管区インワ 1776 年 6 月 9 日 マンダレー管区インワ 仏塔倒壊 1830 年 4 月 26 日 マンダレー管区インワ 1839 年 3 月 21 日 マンダレー管区インワ 古い宮殿・多くの建物 が崩壊 1839 年 3 月 23 日 マンダレー管区インワ 仏塔や城壁が崩壊。地割 れ発生。河川氾濫発生。 死者300~400 人。 1956 年 7 月 16 日 サガイン管区 マグニチュード7.0 複数の仏塔に大きな被害 (死者 40~50 名) 1976 年 7 月 8 日 マンダレー管区 バガン マ グ ニ チ ュ ー ド 6.8 複数の仏塔に大きな被 害(死者 1 名)

(出典:Hazard Profile of Myanmar) ミャンマーにおける地震危険度マップ(拡大図) 4.6 マンダレー周辺の地震危険度

前述の Seismic zone map of Myanmar によると、マンダレー市は最も地震危険度が高い Zone V (赤色のエリア)に位置しています。サガイン断層はマンダレー管区のほぼ直下を縦断しています。

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5 設計基準(耐震設計)

5.1 建築

<シリーズ NO.1>でご紹介したとおり、ミャンマーにおける構造性能のレベルは日本の基準と比べて低いと 言わざるをえません。

国際水準を目指した建築基準法(Myanmar National Building Code, 2012)を作成中ですが、現時点では 草案の段階です。従って、国際水準を満たす耐震設計を行う際には海外の基準・規則もしくは本草案を準用 することになります。 ヤンゴン市街地で近年建設されている事務所・商業ビルは鉄筋コンクリート造、高層建物は鉄骨造が一 般的ですが耐震性については不十分な物件が多いと思われます。またヤンゴン市街地には旧植民地時代 に建設された 200 あまりの歴史的な建物が現存していますが、これらの建物についても十分な耐震性は期 待できないと考えられます。 5.2 土木 現地でヒアリングした結果では、土木構造物の耐震性についてはミャンマー地震工学会が推奨する基準 はありますが、必須の規準ではないため、予算に応じて設計水準を決めているのが実情です。実際には土 木工事には、ほとんどの場合十分な予算がつかず、従って耐震設計は行われないことが多いと見受けられ ます。 ただし、公共事業のうち ODA 案件などは耐震性を検討しており、その場合の水平震度は 0.2 が多いで す。これは日本における1939 年~1990 年にかけての構造物の耐震設計に近い水準といえます。8 日系ゼネコンが関与する場合には独自の基準で可能な限り耐震性を検討しますが、その際には他の国 の先進技術・法令を参考にすることが多いです。例えば日本の基準はもとより英国(BS)の基準が準用され ます。ただし、そうした規準に基づく設計が実現するかどうかは施主の予算によります。

おわりに

本稿ではミャンマーにおける地震リスクについて紹介しました。次号ではミャンマーにおけるサイクロンのリ スクについてご案内いたします。 8例えば橋や高架道路に関する技術基準を定めた道路橋示方書では、1939 年の「鋼道路橋設計示方書案」において、設計震度 の標準値として水平震度 0.2 と規定され、数度の改定により建設条件等により要求される水平震度に幅はできたものの(0.1~0.35 あるいは 0.1~0.3)、ほぼ同程度の基準が 1990 年まで使用された。その後兵庫県南部地震時に高速道路が倒壊したのを機にさ らなる検討が重ねられ、現在は従来の設計方法に加えて地震の影響の大きい部材に対する地震時保有水平耐力の考え方が導 入され、水平震度 1.5~2.0 に対する設計も行われている。

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Reference:

- Hazard Profile of Myanmar(ADPC) - 気象庁ホームページ

- The Sagaing Fault, Myanmar (Burma) http://www.sagaingfault.info/ - Google Earth - 道路橋の耐震設計基準の変遷(大塚久哲、運上茂樹) ほか - その他、現地でのヒアリング ※お詫び(訂正のお知らせ) 前号【ミャンマーの自然災害リスク】<シリーズ NO.1>ミャンマーの地理、気候と自然災害リスク(15-004)の 地震のパートに記載の 「インド・オーストリアプレート」は正しくは「インド・オーストラリアプレート」です。読者様 ならびに関係者の皆様にご迷惑をおかけしましたことをお詫びするとともに、訂正いたします。 ※文章中、出典のない地図は弊社にて作成したものです。 株式会社インターリスク総研は、MS&AD インシュアランスグループに属する、リスクマネジメントに関する調査研究およびコンサ ルティングを行う専門会社です。タイ進出企業さま向けのコンサルティング・セミナー等についてのお問い合わせ・お申込み等は お近くの三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保の各社営業担当までお気軽にお寄せ下さい。 お問い合せ先 ㈱インターリスク総研 総合企画部 国際業務チーム TEL.03-5296-8920 http://www.irric.co.jp/ インターリスクアジアタイランドは、タイに設立されたMS&ADインシュアランスグループに属するリスクマネジメント会社であり、 お客様の工場・倉庫等へのリスク調査や、BCP策定等の各種リスクコンサルティングサービスを提供させて頂いております。お 問い合わせ・お申し込み等は、下記の弊社お問い合わせ先までお気軽にお寄せ下さい。

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175 Sathorn City Tower 9th Floor. South Sathorn Road. Thungmahamek. Sathorn. Bangkok 10120. Thailand http://www.interriskthai.co.th/ Direct: +66-(0)-2679-5276 Fax: +66-(0)-2679-5278 本誌は、ミャンマー国の現地調査、研究機関より公開されている情報等に基づいて作成しております。 また、本誌は、読者の方々および読者の方々が所属する組織のリスクマネジメントの取組みに役立てていただくことを目的とし たものであり、事案そのものに対する批評その他を意図しているものではありません。

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