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mも 離 れた 地 点 においても 流 動 変 位 が 計 測 された 例 も ある ) 流 動 変 位 が 護 岸 から 内 陸 部 に 向 ってどの 程 度 の 位 置 まで 発 生 するかは 埋 立 地 における 地 震 防 災 対 策 や 橋 梁 基 礎 などの 耐 震 設 計 にとって 極

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Academic year: 2021

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清 水 建 設 研 究 報 告 第 87 号平成 22 年 1 月

護岸の水平移動による液状化地盤の流動量に関する新しい知見

張 至鎬 (技術研究所)

A Study on Ground Displacement of Liquefied Soil Caused by Quay wall Collapse

by Jiho Jang

Abstract

This study investigated the mechanism of liquefaction-induced ground displacement caused by the collapse of a quay wall. The investigation was based on case studies of past earthquakes, 1G tests, and centrifuge tests using a ground model. The ground displacement in the area of the collapsed quay wall was five to ten times greater than the thickness of the liquefied soil layer. The displacement ultimately extended 200~300 meters from the quay wall, which centrifuge tests showed was due to the inclination of the ground surface. This was verified through re-analyses of the ground slope measurements and case studies of the 1995 Kobe earthquake. The results of these tests and case study analyses were used to quantitatively measure the attenuation characteristics of the horizontal displacement of the liquefied soil behind the quay wall.

概 要 既往の流動事例分析による研究成果によれば、流動量が液状化地盤の層厚の 5~10 倍の距離の領域で急激に変化し、その後 の領域ではほぼ一定の流動量に漸近して流動変位が護岸より 200~300m 以上の広範囲に及んでいることが示されている。そこ で本研究では、流動変位が護岸より遠方に及ぶ原因を解明するため、兵庫県南部地震における液状化地盤の流動事例の再分析、 重力場の流動模型実験、および遠心載荷場の流動模型実験を実施した。その結果、地盤変位が広い領域までおよぶ原因が地表 面の傾斜によることを定量的に示し、護岸移動による液状化地盤の流動量と、護岸からの離間距離による地盤変位の減衰特性 を明らかにした。 §1. はじめに 1995 年 1 月 17 日に発生した兵庫県南部地震は、阪 神地区の埋立地を中心に広範囲な地域で液状化を引き 起こし、多くの構造物に甚大な被害を与えた1),2),3)。特 に液状化地盤の流動によって建物と橋梁の基礎および ライフラインの埋設管路が被害を受けた。液状化地盤 の流動による被害は、1964 年新潟地震および 1983 年 日本海中部地震などの既往地震でも発生していた 4),5),6),7) 液状化地盤の流動には、地表面の傾斜により液状化 地盤が傾斜の上方から下方に変位するタイプ、および 護岸の移動・崩壊に起因して、護岸背後の液状化地盤 が海や河川などの方向に移動するタイプがある 8)。ま た、両者の影響を複合的に受け、地盤が変位・移動す ることも考えられる。 兵庫県南部地震後、土木構造物の耐震設計基準が改 訂され、液状化地盤の流動が耐震設計法に反映される ようになり、これらの基準の改訂では、流動による地 盤変位の予測手法および流動に対する構造物基礎およ び埋設管路など地中構造物の耐震設計法が規定される ことになった。 護岸の移動に起因する背後地盤の流動に関しても、 いくつかの耐震設計基準の中に地盤変位の予測手法が 定められている 9),10)。これらの方法では、まず護岸の 移動量を護岸の構造形式や液状化の程度より予測した 後、護岸からの離れによる地盤変位の減衰曲線により 地盤の水平変位を予測している。護岸の離れによる減 衰曲線は、兵庫県南部地震における埋立地等の地割れ の幅を計測し、これを累計することによって算定した 変位分布に基づいている。これらの結果によれば、一 般に護岸から約100m 程度の離間距離で地表面変位は 収束するとされており、耐震設計基準でもこのことが 規定されている。 しかしながら、既往の研究グループによる地震前後 の航空写真を用いた測量によれば、護岸から200~300

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mも離れた地点においても流動変位が計測された例も ある 3)。流動変位が護岸から内陸部に向ってどの程度 の位置まで発生するかは、埋立地における地震防災対 策や橋梁基礎などの耐震設計にとって極めて重大な課 題である。 本研究は、神戸市の埋立て地盤の水平変位の測定結 果の分析、重力場の流動模型実験、および遠心載荷場 の流動模型実験より、護岸からの離れによる地盤変位 の減衰特性を解明することを目的としている。 §2. 流動事例分析による研究の成果 液状化地盤の流動分析に用いたデータは、1995 年兵 庫県南部地震後に、濱田らによって測定された神戸市 の埋立て地の流動変位航空写真測量である 3)。これら の変位のデータから、以下の条件を全て満たしている 流動事例を選定し、護岸からの離間距離による地盤変 位の減衰特性を分析している。①噴砂などの液状化の 発生が確認されており、安定した地盤変位の観測が 3 点以上存在する。②側線から100m 以内に地盤ボーリ ングデータが存在する。③建物の地下室や構造物の基 礎杭などの地盤変位を妨げるような構造物が近くに存 在しない。④護岸天端の水平変位量が測定されている 8) 上記の条件により図-1、2に示すような総計17 本 の測線を新たに選定し、護岸からの離間距離による地 盤変位の減衰特性を検討した。事例分析に用いた水平 変位量、液状化層厚などの情報を表-1にまとめて示 すが、測線長さの最大は300m で、推定された液状化 層厚は概ね10~15m 程度となっていることが分かる。 なお、液状化判定手法は道路橋示方書の規定に準じて おり、判定に用いた設計水平震度は0.6 である。 全測線における地表面水平変位と護岸からの距離の 関係を図-3に示す。ここで横軸が0m の水平変位は 護岸天端の水平変位を示す。これによれば、地盤の水 平変位は護岸より50~100m 程度で大きく減衰するが、 その後も地盤変位が発生しており、0.5~1.0m の地盤 変位が護岸より 200m~300m の領域まで発生してい ることが注目される。 図-4の縦軸は護岸変位に対する地盤の水平変位の 比を表し、横軸は液状化層厚に対する護岸からの距離 の比を示す。破線で示した図-1 の本土側の埋立地であ る魚崎浜の対象測線のU1、U4 を除くと、地盤変位は 概ね液状化層厚の5~10 倍程度の距離で減衰し、その 後広領域に亘ってほぼ一定の変位が生じており、最大 で推定された液状化層厚の20~30 倍の領域まで 0.5m 以上の地表面変位が観測されている。 図-1 流動事例分析対象の本土側の測線位置図 (魚崎浜、麻耶埠頭、御影浜) 図-2 事例分析対象の人工島の測線位置図 (六甲アイランド、ポートアイランド) 表-1 事例分析対象測線のまとめ(単位:m) 図-3 地表面水平変位と護岸からの離間距離の関係 MF1 MF1 U1 U4 U2U3 U1 U4 U2U3 魚崎浜 麻耶埠頭 御影浜 大阪湾岸道路 港湾幹線道路 0 0.5 1.0km M2M1 R2 R1 P1 P8 P7 P6 P3 P2 P4 P5 六甲アイランド ポートアイランド 0 0 5 1 0km 0 0 5 1 0km M1 204 3.26 1.33 16.5 M2 132 3.62 0.50 14.5 摩耶埠頭 MF1 76 4.00 0.87 7.0 U1 208 3.09 1.65 10.5 U2 140 3.02 1.65 15.0 U3 216 3.05 0.83 14.0 U4 228 2.59 1.15 11.0 R1 112 3.53 1.89 15.5 R2 284 2.83 1.00 12.0 P1 126 4.00 1.95 13.5 P2 130 2.77 0.92 15.0 P3 216 3.10 1.25 16.5 P4 44 2.65 0.81 14.0 P5 330 4.50 2.52 12.0 P6 180 3.00 1.93 6.0 P7 258 3.30 1.15 14.0 P8 71 3.63 1.58 15.0 推定 液状化層厚 御影浜 地域 測線の長さ 水平変位量護岸の 鉛直変位量護岸の 魚崎浜 六甲アイランド ポートアイランド 測線名 0 100 200 300 0 1 2 3 4 5 水平変位 (m) 護岸からの距離 (m) 魚崎浜,御影浜,麻耶埠頭 六甲・ポートアイランド

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図-4 地表面の水平変位/護岸の水平変位と 護岸からの距離/液状化層厚の関係 §3. 地表面が水平な模型地盤の流動実験 3.1 実験の方法と条件 護岸背後地盤の地表面が水平な場合について重力場 の模型実験を実施した。模型実験に用いた土槽および 模型地盤を図-5に示す。土槽は流動方向の長さ 5.0m、 流動直角方向の水平幅 1.2m、高さ 0.9m で、土槽側壁の 片面は地盤の変状が側面から観察できるようにアクリ ル板で製作されている。 模型地盤は砂と間隙液の混合体が均等になるように、 土槽内の間隙液を循環させながら地盤材料をかき混ぜ る方法とボイリングによる方法で作成した。本実験の 間隙液は水を、地盤材料は平均粒径および均等係数が それぞれ 0.16mm、1.46 の珪砂 7 号を用いた。地表面が 水平になるように模型地盤を作成した後の相対密度が 目標値に達しない場合は、模型地盤に微小振幅の振動 を与えて、所定の相対密度になるように地盤層厚を調 整した。模型地盤の相対密度の平均値は表-2に示す ように、54%である。また、本実験では水位を地表面と し、模型地盤の全層を液状化させることとした。 護岸模型はモルタル製のブロックであり、重力式護 岸を想定した。モルタルブロックの厚さは、転倒に対 する安全率が常時では 1.2、および加振時では 0.5 以下 になるように設定した。加振による慣性力および液状 化による土圧の増分により、模型護岸が水平に移動し、 背後地盤には側方流動が発生する。 図-5(b)に示すように地表面には変位測定用の標 的が設置されている。高速度ビデオカメラ(100 コマ /sec)により標的の動きを撮影した画像を解析し、地 表面変位の時刻歴を求めた。地表面の標的は図-5(c) に示すように直径 3.0cm、厚さ 1mm のプレートであり、 長さ 1.5cm のピンを模型地盤に差し込むことにより地 表面に固定されている。地表面標的は、流動方向に 20cm 間隔で地表面に 3 列設置した。護岸天端の変位の時刻 歴も、地盤変位測定と同様に高速度カメラにより測定 した。図-5(a)に示すように地盤中には間隙水圧計を 4 断面に設置し、土槽底版と振動台には加速度計を 2 箇所に設置した。さらに、模型護岸の天端と底部には ワイヤー変位計を設置し、護岸の回転モードを推定し た。 表-2に 4 ケースの模型実験の条件を示す。模型地 盤の層厚は 27.5cm、38.5cm、48.2cm、58.1cm の 4 種類 である。本実験の目的は護岸からの離間距離による地 盤の水平変位の減衰特性を明らかにすることにあるた め、なるべく遠方まで水平変位を計測する必要がある が、case4~case1 で模型地盤厚の 7~15 倍の長さを有 している。模型地盤を振幅約 450cm/s2の正弦波で加振 し液状化させ、いずれの実験ケースにおいてもほぼ全 層が液状化状態に達していることを確認した。 (a) 模型地盤の断面図 (b) 模型地盤の平面図 (c) 地表面標的 図-5 重力場における模型実験の概要 (case3:層厚 48.2cm) 0 10 20 30 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 地表 面水 平変 位 / 護岸変位 護岸からの距離 / 液状化層厚 魚崎浜,御影浜,麻耶埠頭 六甲・ポートアイランド U1 U4 500 1000 1000 500 1000 10 0 W12 W13 W14 900 50 0 W22 W23 W24 W32 W33 W34 W42 W43 W44 1000 AT AB 5000 4000 高速度ビデオカメラ 300 30 0 30 0 300 5000 AT AB 500 1000 1000 500 1000 1000 4000 20@200=400 200 15 30 200 200 :地中変位計 :地中変位計 :地表面標的:地表面標的 :模型護岸(モルタルブロック) :水圧計 :水圧計 :加速度計

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3.2 地表面が水平な場合の変位の減衰特性 図-6に模型地盤の層厚が 50cm の場合(表-2に示 す case3)の実験結果を示す。図-6(b)、(c)に示した 水圧計の記録によれば、加振開始より約 1.0 秒で、模 型地盤最深部の土槽底部より 5cm に設置した水圧計 W14、W24、W34 の過剰間隙水圧比の記録はほぼ 1.0 に達 したおり、模型地盤は完全な液状化状態に達したと考 えられる。図-6(d)に示した護岸と地表面の変位によ れば、模型地盤が液状化に達した 1.0 秒以降に、護岸 の変位は急激に増加し、護岸背後にも徐々に水平変位 が発生している。図-6(d)に示すように加振開始から 4.0 秒付近からは護岸の水平変位の増加の度合いは減 少する。このことは、図-6(c)に示す護岸天端と底部 の相対変位の記録から分かるように、4.0 秒付近からは 護岸底部の変位が大きくなり、護岸天端の海側への回 転が小さくなったためと推定される。 地表面変位の減衰特性の分析対象時刻は、地盤が完 全に液状化に達した後の時間領域であり、かつ護岸の 水平変位が安定して海側への変位が増加する時間領域 とする。分析対象時刻はいずれの実験ケースでも 2~4 秒であり、この時間帯の 1 秒間隔において分析した。 図-7は、表-2に示した全ての模型実験について、 解析対象の時刻毎に護岸からの離間距離と地表面の水 平変位の分布を示したものである。横軸の 0cm で表示 された値は護岸天端の水平変位である。これらの図に よれば、護岸からの離間距離により地表面変位の減衰 は、対象時間に関係なくほぼ相似形となっていること が分かる。 図-8は図-7に示した水平変位の減衰曲線の縦軸 を、護岸変位によって除し正規化したもので、それぞ れ対象時刻における減衰曲線の平均値である。図-8 によれば、地表面変位は護岸から離れるに従い小さく なっており、液状化層厚が厚いほど、地表面変位がよ り遠方に発生していることが分かる。 図-8の横軸を液状化層厚、すなわち本実験での模 型地盤の層厚で除し正規化した結果を図-9示す。こ れによれば、地表面の水平変位量は護岸背後の地点で 急激に減衰するが、それ以降の領域では変位が徐々に 減衰し、護岸からの距離が液状化層厚の 7~10 倍にな る地点で水平変位はほぼゼロに向かって収束している。 表-2 実験条件(重力場) (a) 土層底面の加速度 (b) 過剰間隙水圧比(W14、W24、W34) (c) 護岸天端と底部の相対変位 (d) 護岸と地表面変位 図-6 case3(層厚 48cm)の実験結果 図-7 地表面の水平変位と護岸からの距離の関係 case1 27.0 14.8 54.9 458 case2 38.5 10.4 54.8 476 case3 48.2 8.3 54.1 474 case4 58.1 6.9 52.6 469 加振加速 度 (gal) 実験名 模型地盤層厚(cm) 流動方向長 地盤層厚 相対密度 (%) 0 1 2 3 4 5 -600 -400 -200 0 200 400 600 時間(sec) 加速 度 cm /s 2 0 1 2 3 4 5 0 0 5 1 時間(sec) 過剰間 隙水圧比 W14 W24 W34 護岸からの距離:0 2m 護岸変位 0 6m 1 2m 1 8m 2 4m 3 0m 3 6m 0 1 2 3 4 5 0 5 10 15 20 25 時間(sec) 変位 (c m) 護岸変位 地表面変位 護岸からの距離:0 2m 護岸変位 0 6m 1 2m 1 8m 2 4m 3 0m 3 6m 0 1 2 3 4 5 0 5 10 15 20 25 時間(sec) 変位 (c m) 護岸変位 地表面変位 0 1 2 3 4 5 0 20 40 60 時間(sec) 相対変 位 (cm ) (+) 陸側 海側 0 100 200 300 400 0 5 10 15 地表 面変位 ( c m) 2.0秒 3.0秒 4.0秒 護岸からの距離(cm) 0 5 10 15 地表面 変位 (c m ) 2.0秒 3.0秒 4.0秒 0 10 20 30 地表面 変位 ( c m) 2.0秒 3.0秒 4.0秒 0 10 20 30 地 表面変位 ( cm) 2.0秒 3.0秒 4.0秒 case1,層厚:27cm case2,層厚:39cm case3,層厚:48cm case4,層厚:58cm

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図-8 地表面変位/護岸変位と 護岸からの距離の関係(重力場の実験) 図-9 地表面変位/護岸変位と 護岸からの距離/液状化層厚の関係(重力場の実験) 3.3 地表面変位の減衰特性の考察 兵庫県南部地震による流動事例の分析結果、および 重力場における地盤が水平な模型地盤の実験による護 岸背後地盤の水平変位の減衰特性を図-10 に併せて示 す。図-10 の縦軸は護岸変位に対する地盤の水平変位 の比を表し、横軸は液状化層厚に対する護岸からの距 離の比を示す。前述したように、兵庫県南部地震によ る流動事例の分析結果では、護岸からの離間距離が液 状化層厚の 5~10 倍で地盤変位が急激に減少するが、 その後液状化層厚の 20~30 倍の領域でも護岸変位の 20~30%程度の地盤変位が発生している。 これに対し重力場の模型実験では、液状化層厚の 10 倍程度の離間距離で地盤変位がほぼ0に収束しており、 1995 年兵庫県南部地震による事例分析結果とは異なっ た変位の減衰特性を示している。模型実験と事例分析 との減衰特性の差については、以下のように解釈する ことが出来る。 1964 年新潟地震、1983 年日本海中部地震など既往地 震の傾斜地盤における航空写真測量を用いた流動事例 分析によれば6),7)、数 m のオーダーで地表面変位が観測 された地域の平均的な地表面勾配は、0.5~3%程度であ り、いずれも工学的に判断して極めて緩やかな斜面で あることが報告されている6),7)。また、本研究で対象と した神戸市・西宮市の埋立て地域も、わずかながらも 地表面傾斜を有しており、このことは、護岸の背後地 盤の流動変位は、護岸移動および地表面傾斜の両者の 影響を受けている可能性があると考えられる。すなわ ち、護岸の近傍領域では護岸移動による影響が大きい が、護岸から遠方になると護岸移動が地表面変位の発 生に及ぼす影響は少なくなり、地表面勾配の影響が卓 越していると解釈できる。 重力場の模型実験は、地表面を水平としているため、 護岸背後地盤の流動変位には護岸の水平移動のみが影 響したと推定される。このため、図-10 に示したよう に事例分析と模型実験では明らかに異なる減衰特性の 結果になったと考えられる。このことを考慮し、後述 する遠心載荷場の模型実験および流動事例の再分析で は、護岸背後地盤の地表面傾斜の影響を定量的に考慮 し、地表面の水平変位の減衰特性を検証する。 図-10 地表面変位/護岸変位と護岸からの 距離/液状化層厚の関係(事例分析、重力場の実験) §4. 地表面傾斜を考慮した遠心載荷場の模型実験 4.1 実験の方法と条件 遠心載荷場の模型実験に用いた土槽および模型地盤 概要の一例(case3)を図-11 に示す。土槽は流動方向 190cm、流動直角方向の水平幅 40cm、高さ 60cm で、上 下流端の壁および側壁ともに剛である。地盤材料は珪 砂 8 号で平均粒径および均等係数はそれぞれ 0.062mm、 4.27 である。 本実験では、護岸背後地盤の傾斜の有無による地表 面変位の減衰特性を把握することを目的としているた め、表-3に示すように地表面勾配のみを変化させ、 液状化層厚、相対密度、加振加速度などの実験条件は ほぼ同一とした。模型地盤の相対密度は 50%であり、地 盤の厚さはいずれの実験も 30cm とした。遠心加速度 30g を考慮すると、模型地盤厚は実物に換算して 9m と 0 100 200 300 400 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 護岸からの離間距離 (cm) 地表 面変 位 /護岸 変位 case1(層厚:27cm)case2(層厚:39cm) case3(層厚:48cm) case4(層厚:58cm) 0 5 10 15 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 護岸からの離間距離/液状化層厚 地表面変位 /護岸 変 位 case1(層厚:27cm)case2(層厚:39cm) case3(層厚:48cm) case4(層厚:58cm) 0 5 10 15 20 25 30 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 地表面変位 / 護岸変位 護岸からの距離 / 液状化層厚 事例分析(本土側) 事例分析(人工島) 模型実験(重力場)

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なり、液状化層厚に対する護岸からの離間距離は約 5 倍程度となる。模型地盤の加振には正弦波加速度を用 いており、最大加速度は約 150m/s2で、実物に換算すれ ば 500gal に相当する。 模型地盤は、乾燥砂を空中落下させる方法で作成し た。所定の高さまで乾燥砂を空中から撒きだし、余分 な砂は掃除機を用いて吸い取ることで地表面に 1~3% の傾斜を設定した。本実験の間隙液は水で、土槽底部 より注入して模型地盤を飽和状態とした。遠心加速度 作用による間隙水の透水性に関する相似性は考慮され ていないが、これは、砂と水の混合体が液状化をおこ し流動するとき、護岸からの離間距離により地盤変位 の減衰性の解明に重点を置いているためである。 図-11(b)に示す位置に加速度計、過剰間隙水圧計が 設置されている。図-11(a)に示すように、地表面には 変位測定用の標的が設置されており、高速度カメラ (500 コマ/sec)により標的の動きを撮影し、地盤変位 の時刻歴を求めた。護岸変位の時刻歴も同様にして求 めた。また、模型護岸の天端と中間部にはワイヤー変 位計設置し、回転モードを把握した。 護岸を含む模型地盤を 30g の遠心載荷場で加振して 模型地盤を液状化させ、慣性力と液状化による土圧の 増加による護岸の水平移動を発生させ、背後地盤に流 動を生じさせた。 (a) 模型地盤の平面図 (b) 模型地盤の断面図 図-11 遠心載荷場における模型実験の概要 (case3、地表面傾斜 2%) 表-3 実験条件(遠心載荷場) 4.2 地表面が傾斜している場合の変位の減衰特性 図-12 に実験結果の一例(case3:地表面傾斜 2%) を示す。図-12(b)によれば、加振開始より約 0.05 秒 で土槽底部より 5cm の位置に設置された過剰間隙水圧 比の P1、P2 はほぼ 1.0 に達しており、模型地盤全体が 完全な液状化状態に達したと考えられる。図-12(d)に からは、加振開始とともに護岸と地表面には水平変位 が発生していることが分かる。図-12(c)に示した護岸 天端と中間部の相対変位の時刻歴を見ると、加振開始 より 0.15 秒以降では相対変位の増加は小さく、この時 間帯から護岸の海側への回転が小さくなったと考えら れる。 (a) 土槽底面加速度の時刻歴 (b) 過剰間隙水圧比(P1・P2) (c) 護岸天端と中間部の相対変位 (d) 護岸と地表面変位の時刻歴 図-12 遠心載荷場の実験結果(case3:地表面傾斜 2%) 加振方向 400 1550 110 240 200 200 15@100=1500 ビデオカメラ撮影範囲 高速度ビデオカメラ 1900 110 100 500 500 10 0 基盤層 100 50 240 81 P 2 P 4 P 6 P 1 P 3 P 5 BD1 BD2 1550 300 傾斜:2% ワイヤー 変位計本体 :加速度計 :加速度計 :地中変位計 :地中変位計 :過剰間隙水圧計:過剰間隙水圧計 :模型護岸 :模型護岸 :地表面標的 :地表面標的 case1 30 0 51 157 case2 30 1 49 138 case3 30 2 51 157 case4 30 3 49 138 加振加速度 (m/s2) 実験名 模型地盤層厚(cm) 地表面傾斜(%) 相対密度(%) 0 0.1 0.2 0.3 -200 -100 0 100 200 時間(sec) 加 速度 m/ s 2 (+) 陸側 海側 0 0.1 0.2 0.3 0 10 20 30 時間(sec) 相対変位 (m m ) 0 0.1 0.2 0.3 0 1 2 3 4 時間(sec) 変位 (cm ) 護岸変位 地表面変位 護岸変位 護岸からの距離:10cm 50cm 90cm 140cm 0 0.1 0.2 0.3 0 0.5 1 1.5 時間(sec) 過剰 間隙水 圧比 P1 P2

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地表面変位の減衰特性の検討は、地盤が液状化に達し た後の時刻から、護岸の水平移動に伴い地表面変位が 安定して増加し続けている時間帯を対象とした。それ ぞれの実験によって若干の時間差はあるが、概ね 0.05 ~0.10 秒の時間帯を対象とした。 図-13 に遠心載荷場の実験で得られた減衰特性を示 す。同図の縦軸は、地表面変位を護岸変位で除したも ので、横軸は護岸からの離間距離である。分析対象時 刻によらず、地表面はほぼ一定の減衰特性を示してい ることが分かる。また、地表面傾斜を考慮していない case1 実験を除いた他の実験では、遠方まで地表面変位 が発生している。 図-13 に示した各々実験における地表面変位の平均 値を縦軸に、護岸からの離間距離を液状化層厚(本実 験では 30cm)で除した値を横軸にしたものを図-14 に 示す。なお、図-13 に示した変位の減衰特性の整理方 法は前述した重力場の実験と同様で、検討対象時刻の 平均値である。これによれば、傾斜 0%の case1 での地 表面変位は、液状化層厚の 4~5 倍の領域においてほぼ 0 に収束している。一方、地表面に傾斜を設定した実験 での地表面変位は、液状化層厚の 2 倍の領域からほぼ 一定の変位量を示しており、土槽端部においても護岸 変位の 30%~50%の地表面変位が発生している。また、 傾斜が大きいほど、概ね地表面変位量が大きい傾向を 示している。このような減衰特性の相違は、地表面傾 斜以外の諸条件を同一したことから、地表面傾斜の有 無にあると考えられる。後述する流動事例の再分析で は、実地盤において地表面勾配が流動地盤変位に与え る影響について定量的に検討する。 図-13 地表面変位の減衰特性(遠心載荷場の実験) 図-14 地表面変位の減衰特性(遠心載荷場の実験) §5. 流動事例の再分析と考察 5.1 事例分析の方法 前述した1995年兵庫県南部地震での流動事例につい て地表面傾斜の影響の検討を含めた再分析を行った。 再分析対象は、内陸から水際部に向かって連続的な勾 配であり、かつ護岸からの離間距離が 50m 以降の領域 においても一様な地盤変位が観測された測線とした。 これらの地点は、図-1、2に示した測線のうち、ポ ートアイランドのP1とP7、六甲アイランドのR1とR2、 および御影浜の M1、M2 である。上記の 6 地点の測線に ついて水際部から内陸に向かっての地表面標高を、地 震前の航空写真を用いて連続的に求め、これをもとに 護岸から測線終点までの地表面の平均勾配を最小 2 乗 法より求めた。 図-15 に再分析対象とした測線の地震前の地表面標 高と地表面変位分布を示す。図-15 によれば、分析対 象の地表面標高は、護岸から陸側に向かって高くなっ ており、平均的な地表面勾配は 0.4~0.7%であること が分かる。いずれの測線も 1%以下の緩やかな勾配では あるが、既往地震における流動事例の調査結果を考慮 すれば、十分に流動変位が発生し得る地表面勾配であ ると考えられる6),7)。図中に示した地表面変位の平均は、 護岸の変位量を除いた護岸背後地盤の変位量で、全測 線において 1m 前後となっている。 図-15 に示した測線での地盤変位は、護岸から 50m の離間距離で大きく減衰するものの、最大で 300m にも 及ぶ領域でも観測されている。護岸から 50m ないし 100m 以降の離間距離での地盤変位が、護岸崩壊の影響 によって発生したとすれば、前述の地表面傾斜を考慮 した遠心載荷場の実験結果とは矛盾することになる。 本論文の前半に述べたように、液状化地盤の流動変位 の発生は、護岸崩壊および地表面勾配の影響を同時に 受けることも考えられる。このため、護岸背後の遠方 で観測された地盤変位が、地表面勾配の影響を受けて 発生した可能性について、定量的に検討することとす 0 0.5 1 D / Dq t=0.05sec t=0.07sec t=0 08sec 0 0.5 1 D / D q t=0.05sec t=0.06sec t=0.07sec 地表面傾斜:0% 地表面傾斜:1% 地表面傾斜:2% 地表面傾斜:3% D:地表面変位、Dq:護岸変位 0 25 50 75 100 125 150 0 0.5 1 D / Dq t=0.08sec t=0.09sec t=0.10sec 護岸からの距離(cm) 0 0.5 1 D / D q t=0.05sec t=0.08sec t=0.10sec 0 0.5 1 D / Dq t=0.05sec t=0.07sec t=0 08sec 0 0.5 1 D / D q t=0.05sec t=0.06sec t=0.07sec 地表面傾斜:0% 地表面傾斜:1% 地表面傾斜:2% 地表面傾斜:3% D:地表面変位、Dq:護岸変位 0 25 50 75 100 125 150 0 0.5 1 D / Dq t=0.08sec t=0.09sec t=0.10sec 護岸からの距離(cm) 0 0.5 1 D / D q t=0.05sec t=0.08sec t=0.10sec 0 1 2 3 4 5 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 護岸からの離間距離 / 液状化層厚 地 表面変 位 / 護岸変 位 地表面傾斜:0%地表面傾斜:1% 地表面傾斜:2% 地表面傾斜:3%

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る。 図-15 護岸からの距離と地表面標高・地表面変位の関 係(流動事例再分析、6 地点) 5.2 地表面勾配が変位に及ぼす影響の検討 濱田らは、重力場、遠心載荷場における流動模型実 験、および中空ねじり試験による液状化土の物性試験 から液状化砂の流動特性を明らかにして来ている11)、13) これによれば、液状化砂の粘性係数は液状化層厚、あ るいは鉛直拘束圧の約1.5乗に比例して増大すること、 相対密度の約 2.0 乗に比例して増大するが示されてい る11)、13)。これらの液状化砂の流動特性の知見を、実地 盤への適用性を考慮して図-16 に示すように液状化層 が複数層で構成されている場合を想定し、傾斜地盤に おける水平変位量の予測式を提案している。式(1)に濱 田らによる地表面変位量の予測式を示す。この式は、 地表面の平均勾配(θ)、液状化層の N 値、地盤の物性 値により地表面の変位量を予測するものであり、既往 地震の流動事例により検証されている。予測式による 水平変位は、1964年新潟地震、1983年日本海中部地震、 および1995年兵庫県南部地震における傾斜地盤での水 平変位の実測値とほぼ 2 倍から 0.5 倍の精度で一致す ることを示している12) 図-15 に示した 6 地点の地表面変位の平均値に平均 勾配が及ぼした影響を、式(1)を用いて明らかにする。

               n i i i i Vi i i i Vi s N H H H D 1 2 / 3 2 2 1 2 1 36

(1) ここに、 :i 番目の液状化層の鉛直拘束圧によって補 正されたN 値 VS:地表面の流動速度 θ:地表面勾配 Hi:i 番目の液状化層の層厚 Hi’:i 番目の非液状化層の層厚 γi:i 番目の液状化層の単位 体積重量 σvi:深さ方向に i 番目の液状化 層上面に作用する 全鉛直応力 τi:i 番目の液状化層上面に 作用するせん断応力 μi:i 番目の液状化層の粘性 係数 図-16 傾斜地盤における液状化層の流れ 0 1 2 3 4 0 1 2 3 4 5 0 50 100 150 200 標高 (m ) 地 表 面変位量 (m ) 護岸からの距離 (m) 地表面の平均勾配:0.45% 地表面変位の平均:1.24m P1 0 1 2 3 4 5 0 1 2 3 4 0 50 100 150 200 250 300 標高 (m) 地 表 面変位 量 (m ) 護岸からの距離 (m) 地表面の平均勾配:0.51% 地表面変位の平均:0.97m P7 0 1 2 3 4 5 0 1 2 3 4 0 50 100 150 標高 (m ) 地表面変位 量 (m ) 護岸からの距離 (m) 地表面の平均勾配:0.70% 地表面変位の平均:1.10m R1 0 1 2 3 4 5 6 0 1 2 3 4 0 50 100 150 200 250 300 標高 (m ) 地表 面 変位量 (m) 護岸からの距離 (m) 地表面の平均勾配:0.47% 地表面変位の平均:0.73m R2 0 1 2 3 4 0 1 2 3 4 0 50 100 150 200 250 標高 (m ) 地 表 面変 位量 (m ) 護岸からの距離 (m) 地表面の平均勾配:0.68% 地表面変位の平均:1.32m M1 0 1 2 3 4 0 1 2 3 4 5 0 50 100 150 200 標高 (m ) 地 表 面変 位量 (m ) 護岸からの距離 (m) 地表面の平均勾配:0.42% 地表面変位の平均:1.19m M2 i N VS θ 非液状化層 液状化層 H1’ H1 Hi σvi τ i τ μi τ Hi’ 第 1層 第 層i 第 層n

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再事例分析対象 6 地点の護岸から 100m 以上離れた位 置での地表面変位の平均値と、式(1)により求めた地表 面変位の予測値の比較を図-17 に示す。図-17 の横軸 は式(1)の予測式による地表面変位量で、縦軸は実測の 地表面変位である。予測値算定に必要なボーリングの 資料は、(財)建設工学研究所発行の神戸の地盤データ ベース「神戸 JIBANKUN」をもとにした 14)。図中には、 傾斜地盤の水平変位の予測式構築に用いた既往地震よ るデータも併せて示した。これによれば、分析対象の 地表面変位の予測値と実測値は概ね一致しており、実 地盤において護岸より 200~300m の広く分布した地盤 の水平変位量は、地表面勾配によるものと推定できる。 以上のことを総合すると、護岸の水平移動による背 後地盤の変位は、図-18 に示すように 2 つの領域にわ けられる。すなわち、図-18 の ZoneA は護岸移動の影 響が卓越する領域であり、ZoneB は護岸移動による影響 は減少し地表面傾斜の影響が卓越する領域である。本 研究の重力場の模型実験、および流動事例の再分析結 果によれば、ZoneA の範囲は液状化層厚の概ね 5~10 倍で、ZoneB では 1%以下の小さい地表面勾配でも約 1.0mの地表面変位が発生しその範囲は液状化層厚の30 倍まで及んでいる場合もある。護岸背後地盤の地表面 変位は複合的な要因によって発生していると考えられ る。 図-17 地表面変位の予測値と実測値の比較 図-18 護岸背後地盤の地表面変位の減衰特性 §6. 結論 本研究は、流動事例分析、重力場の模型実験、およ び遠心載荷場の模型実験により護岸背後地盤の水平変 位の減衰特性を明らかにしたもので、以下のことが得 られた。 (1) 1995 年兵庫県南部地震の流動事例の分析から、液 状化層厚の 5~10 倍の領域で急激に減少するが、そ の後の 200~300m も離れた地点においても、1.0m 程 度の地盤変位が発生している。 (2) 重力場の模型実験から、護岸背後地盤の地表面が 水平な場合は、液状化層厚の約 10 倍の離間距離で地 盤変位がほぼ 0 に収束するが、これは、地盤を水平 としたことから、地盤の変位量には護岸水平移動の 影響のみが作用したためであることが示された。 (3) 護岸背後地盤の地表面が傾斜した場合の遠心載荷 場の模型実験から、地表面傾斜による流動変位の減 衰特性を明らかにした。地盤が水平な地盤と傾斜地 盤では明らかに異なる減衰特性であることを示し、 地盤傾斜の影響により地表面変位は護岸から遠方に まで発生することが示された。 (4) 1995 年兵庫県南部地震の流動事例の再分析を行い、 地表面傾斜が流動変位量に及ぼす影響を明確にした。 護岸から50~100m以降の領域で発生した一定の地盤 変位は、地表面傾斜の存在により発生したことを、 液状化地盤の傾斜地の予測式との比較を行うことで 検証した。 本研究により、護岸の水平移動による液状化地盤の 流動変位の減衰特性が明らかにされた。埋め立て地盤 において、液状化地盤の流動を考慮し基礎構造物など の耐震設計、ならびに人工島に対する液状化による地 盤流動の耐震性を評価するときに、地盤変位の考慮す べき範囲および地盤変位量の設定に基礎的な知見を与 えることができたと考えている。 謝辞 本研究論文の作成にあたり、早稲田大学創造理工学 部の濱田政則教授には、多大なご協力と有意義な意見 を頂きました。末筆ながら大変感謝申し上げます。 0 1 2 3 4 5 6 0 1 2 3 4 5 6 7 地表面傾斜による水平変位の予測値 (m) 地表面傾斜による水平変 位の実測値 (m) 1:1 1:2 1:0.5 既往研究(日本海中部地震) 既往研究(新潟地震) 既往研究(兵庫県南部地震) 本研究の事例 Zone A :護岸の水平移動の 影響が卓越する範囲 Zone B :地表面傾斜の 影響が卓越する範囲 傾斜による水平変位 L/H D/Dq D:地表面変位量,Dq:護岸変位量 L:護岸からの離間距離,H:液状化層厚

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<参考文献>

1) 阪神・淡路大震災調査報告編集委員会:“阪神・淡路大震災調査報告”土木構造物の被害 第 5 章 港湾・海岸構造物、第 6 章 河川・砂防 関係施設、地盤工学会、土木学会、1997.

2) 土木学会関西支部:“大震災に学ぶ-阪神・淡路大震災調査研究委員会報告書”、1998 年 6 月.

3) Hamada、 M.、 Isoyama、 R. and Wakamatsu、 K.: “The 1995 Hyogoken-nanbu (Kobe) earthquake liquefaction ground displacement and soil condition in Hanshin Area”、 地震予知総合研究振興会、1995.

4) 濱田政則、安田進、磯山龍二、恵本克利:“液状化による地盤の永久変位の測定と考察”、土木学会論文集、第 376 号/Ⅲ-6、pp.211-220、1986. 5) 濱田政則、安田進、磯山龍二、恵本克利:“液状化による地盤の永久変位と地震被害に関する研究”、土木学会論文集、第 376 号/Ⅲ-6、pp.221-229、

1986.

6) 浜田正則、安田進、若松加寿江:“液状化による地盤の大変位とその被害”、土と基礎、38-6(389)、pp.9-14、1990.

7) Hamada、 M. and O’Rourke、 T.D. (Eds): “Case study of Liquefaction and lifeline performance during past earthquake”、 Vol.1 Japanese case studies、 Technical Report NCEER-92-001、 1992.

8) 濱田政則、若松加寿江:“液状化による地盤の水平変位の研究”、土木学会論文集、No.596/Ⅲ-43、pp.189-208、1998. 9) 鉄道総合技術研究所:“鉄道構造物等耐震設計標準・同解説”、1998. 10) 日本ガス協会:“高圧ガス導管液状化耐震設計指針”、2001. 11) 濱田政則、島村一訓、柳瀬和俊、中村正樹、田中淳寛:“液状化土の流動特性に関する考察”、第 2 回構造物の破壊過程解明に基づく地震防 災性向上に関するシンポジウム論文集、pp.261-266、2001. 12) 濱田政則、若松加寿江、島村一訓、田島幸治、楡達郎:“液状化地盤の水平変位量の予測法に関する研究”、第 2 回構造物の破壊過程解明に 基づく地震防災性向上に関するシンポジウム論文集、pp.267-272、2001. 13) 濱田政則:“液状化砂の流動特性に関する実験的研究”、土木学会論文集、No.792/Ⅲ-71、pp.13-225、2005. 14) (財)建設工学研究所発行:“神戸の地盤データベース「神戸 JIBANKUN」”

参照

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