価格戦略の考え方
これまでの価格戦略で見えなかった数字マジック
2014年3月20日
構成
1. 価格の重要性 2. 価格の心理 3. 価格競争の事例:牛丼チェーンの価格戦争 に学ぶ 4. 価格戦略と利益モデル 5. まとめ営業利益に対する価格のインパクト
• 日本の優良企業100社に関する感度分析(1% 改善したときの営業利益へのインパクト) – 価格 :32.2% – 変動費:23.9% – 販売量:8.2% – 固定費:7.2% 出所:青木(2003)「プライシング:消費者を魅了する値ごろ 感の演出」営業利益に対する価格のインパクト
• 米国のS&P1000社に関する感度分析(1%改善 したときの営業利益へのインパクト) – 価格 :12.3% – 変動費:8.7% – 販売量:3.6% – 固定費:2.6% 出所:青木(2003)「プライシング:消費者を魅了する値ごろ 感の演出」店頭プロモーションによる売上比率(2010年)
資料:流通経済研究所 *大手スーパー15店舗のデータを利用して集計
店頭プロモーションによる売上比率(2004年)
資料:流通経済研究所 *大手スーパー8店舗のデータを利用して集計
プロスペクト理論
• トバスキーとカーネマンによって提唱された人 間の判断に関する一般的な理論 • 効用関数に代わる価値関数の提唱 – 意思決定に影響するのは確率そのものではな く,ウェイトづけられた確率である – 人間が感じる価値は,価値の対象となる変数(例 えば価格)の大きさそのものではなく,ある参照 点からの相違の大きさに影響される利得 損失 価値 プロスペクト理論の価値関数 参照点 3つの特徴 ・参照点依存性 ・損失回避性 ・感応逓減性
利得 損失 価値 プロスペクト理論の価値関数 a b a:b=1 : 2~2.5
プロスペクト理論と価格効果
• 対象となる変数に関してある参照点が設定されると,そ れより低い水準になったときのマイナスの影響が非常に 大きい • 低い参照価格が形成されると,それよりも高い価格で販 売したときに,消費者が感じる価値が大きく減少する • 一度低い参照価格が形成されるとそれよりも高い価格 ではなかなか売れなくなる • 低い参照価格の形成を防止する工夫が必要参照価格の低下を防止する方法
• プロモーションの理由づけ • プロモーション期間の明示 • 価格以外の購買理由の提示 • クーポンの利用 • バンドル販売 • 主力サイズ以外の特売参照価格の低下防止策の例
• プロモーションの理由づけと期間の明示 – 「○×の日」「○周年記念」というように,プロモー ション実施の理由づけを行う – 実施期間を明示する • 価格以外の購買理由を提示する – 価格だけではなく,製品,ブランドの特徴訴求,メ ニュー提案などを行う3.価格競争の事例:牛丼チェーンの
価格戦争に学ぶ
牛丼
3
チェーンの店舗数推移
既存店対前年売上推移 2009年1月~11月 80 85 90 95 100 105 110 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 吉野家 吉野家 吉野家 吉野家 松屋 松屋 松屋 松屋 すき家 すき家すき家 すき家
価格競争の推移
• 09年12月3日 – 松屋:通常価格値下げ.並盛り380円→320円 • 09年12月7日 – すき家:通常価格値下げ.並盛り330円→280円 • ~ – 吉野家:通常価格据え置き.並盛り380円→380円すき家の値下げ
• 値下げとともに,使用するコメを国産ブレンド 米からコシヒカリ100%に変更 • テレビ広告を積極的に投入し,値下げだけで なく品質向上も訴求 • 値下げの秘訣 – 「すき家は全国1350店舗(当時)ですが,ゼン ショーグループ全体では約3900店になります.グ ループ全体で原料の調達から加工・販売までを 一貫して行なうシステムを活用して,今回の値下 げを実現しました.」ゼンショー広報部吉野家のキャンペーンの状況
• 吉野家 – 10年1月11日~21日「創業111周年記念キャンペーン第 1弾」:牛丼80円引き(並盛り300円) – 10年4月7日~13日「春の牛丼祭り」:牛丼110円引き(並 盛り270円) – 10年4月20日~26日:75店舗限定で110円引き(並盛り 270円) – 10年7月28日~8月3日:「夏の牛丼祭り」:牛丼110円引 き(並盛り270円) • 創業111周年に関連させ,キャンペーンを実施既存店対前年売上推移
2009
年
12
月~
2010
年
8
月
70 80 90 100 110 120 130 140 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 すき家 すき家すき家 すき家 松屋 松屋 松屋 松屋 吉野家 吉野家吉野家 吉野家当時の吉野家の状況
• 2010年2月期決算 – 上場以来最大となる89億円の赤字 • 2010年4月14日 – 吉野家の出射社長が副社長に降格 – 吉野家HDの安部社長が吉野家社長を兼務各チェーンの特徴
• 牛丼に使用する牛肉 – 吉野家:ほとんどを米国産でまかなう – すき家:米国産と豪州産 – 松屋:豪州産,ニュージーランド産など – 米国産の牛肉は数年前のBSEの影響が価格が高い.豪 州産などの1.5倍 • メニュー – 吉野家:カレー,定食などもあるが牛丼単品への依存度 が高い.すき家にない豚丼がある – すき家:メニューのバラエティが豊富.牛丼にトッピングが 可能.まぐろたたき丼など,さまざまな丼メニューがある吉野家の価格戦略の特徴
• 通常価格の値下げには否定的 – 安部社長の発言「他社の値下げで顧客を奪われ たが,価格競争は愚策で,(通常価格の)値下げ はしない」(読売新聞,2010年4月17日) • 一時的な値引きキャンペーンの実施 – 10年1月,4月,7月に値引きキャンペーンを実施 – キャンペーンは,創業111周年と何らの関連をも たせて実施 – しかし,効果は限定的であり,業績回復には結び ついていない•
では,吉野家は,すき家と松屋の低
価格戦略に,どのように対抗すれば
よかったと考えられるでしょうか?
経営コンサルタント小宮一慶氏
• 「客が会社を判断する材料にQPSがありま す。Qはクオリティ、Pはプライス、Sはサービ スです。例えば、近くに吉野家とライバル店が あった場合、牛丼各店のQとSに大差はない と考えている客が多いでしょうから、あとはP (プライス)の勝負になる。そこで100円も違う となれば当然安いほうに行きます。私が社長 なら、まず値下げをします。今からでもいい。 たとえ50円でもいいから値下げをして『安く なった』という印象を世間に与えることが重要 です。」 出所:週刊現代09年12月26日・10年1月2日合併号エコノミストの吉本佳生氏
• 「吉野家が280円に下げたところで、他店は もっと下げてくる可能性がある。280円が底値 だという保証はない。いつまで続くかわからな い値下げ競争になど、付き合えるはずがあり ません。」 出所:同上低価格競合品への対抗手段
• 価格で対抗する – 価格変更(値下げ)→すき家(松屋に対抗) – 一時的な値引きやクーポンなどの価格訴求型プロモー ション→吉野家 – 低価格の対抗ブランド(ファイティング・ブランド)の投入 • 非価格手段で対抗する – 広告,SPなどによる価格以外の価値訴求→すき家 – 品質の改善→すき家 – 高品質ブランドの投入価格対抗ブランドのオプション • 既存ブランドの変更 – P&Gのキャメイなど • 既存ブランドのライン拡張 – メルセデスベンツ → Aクラス,Cクラス – メリーズ → メリーズE • 新規ブランドの投入
– GAP → Old Navy
– ユニクロ → GU – カップヌードル → スープヌードル • 新規ブランド+企業ブランドによる保証 – コートヤード・バイ・マリオット • 既存ブランドの買収 – ソニー → アイワ • 企業ブランドを出さない独立ブランド – リナクシーナ(資生堂の低価格香水)
利得 損失
価値
プロスペクト理論の価値関数
利得 損失 価値 プロスペクト理論の価値関数 380円 270円
利得 損失
価値
プロスペクト理論の価値関数
利得 損失 価値 プロスペクト理論の価値関数 380円 270円
スミノフの事例:背景
• スミノフはヒューブライン社の生産する,米国 のウォッカ市場におけるリーダー・ブランドで あり,1960年当時,全米で23%のシェアを有 していた • 1960年にウォルフシュミット社がスミノフと同 品質で1ドル安いと称するブランドを投入スミノフの事例:対抗策のオプション
• 1ドル引き下げシェア維持 → 利益減少。 • 価格据え置き、広告・プロモーション支出増大 →シェア維持、利益減少 • 価格据え置き、シェア低下を放置 →シェアも 利益も低下スミノフの事例:対抗策のオプション
• 1ドル引き下げシェア維持 → 利益減少。 • 価格据え置き、広告・プロモーション支出増大 →シェア維持、利益減少 • 価格据え置き、シェア低下を放置 →シェアも 利益も低下 どうすればよいか?スミノフの事例:実際の対抗策
– 逆に1ドル価格を上げた上で、広告支出を増大 し、価格競争を回避 – 同時に新たにウォルフシュミットに対抗する同価 格のレスカを市場導入 – その上で、もう1ドル安いポポフを導入し下からも 対抗 スミノフ自体は相変わらず高いイメージを保ち、競 争社の力を弱めた。吉野家がその後採用した戦略
(1)10年9月:低価格対抗品の導入(牛鍋丼など) (2)11年12月:高品質商品の導入(豚丼十勝仕立てなど) (3)12年10月:低価格業態の出店 (4)13年4月:値下げ(380円→280円) (5)13年12月:高品質商品の導入(牛すき鍋膳) (6)14年4月:値上げ(280円→300円)吉野家がその後採用した戦略(1) 低価格対抗品の導入
•すき家と同等価格(280円)の「牛鍋丼」を10年9月7日に導入 •同じ価格の「牛キムチクッパ」を10年11月に導入
既存店対前年同月売上の推移 2009年12月~2010年10月 70 80 90 100 110 120 130 140 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 吉野家 吉野家吉野家 吉野家 すき家 すき家 すき家 すき家 松屋 松屋 松屋 松屋
0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 120.0 140.0 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 既存対前年同月売上の推移 2009年12月~2011年6月 吉野家 吉野家吉野家 吉野家 松屋 松屋 松屋 松屋 すき家 すき家 すき家 すき家
既存店対前年同月売上の推移 2009年12月~2013年3月 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 120.0 140.0 1 2 月 2 月 4 月 6 月 8 月 1 0 月 1 2 月 2 月 4 月 6 月 8 月 1 0 月 1 2 月 2 月 4 月 6 月 8 月 1 0 月 1 2 月 2 月 牛焼肉丼 牛焼肉丼 牛焼肉丼 牛焼肉丼 豚丼十勝 豚丼十勝 豚丼十勝 豚丼十勝 カレー カレーカレー カレー
0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 120.0 140.0 1 2 月 2 月 4 月 6 月 8 月 1 0 月 1 2 月 2 月 4 月 6 月 8 月 1 0 月 1 2 月 2 月 4 月 6 月 8 月 1 0 月 1 2 月 2 月 吉野家既存店対前年同月客数・客単価の推移 2009年12月~2013年3月 客単価 客単価 客単価 客単価 客数 客数客数 客数
吉野家がその後採用した戦略(3)
低価格業態の出店
築地吉野家極 12年10月に 出店(現在は4店)
吉野家がその後採用した戦略(4)
値下げ
13年4月18日 並盛り価格 380円から280円に 値下げ 出所:日経MJ13年4月26日値下げに伴う変更
• 牛丼の値下げと同時に,牛鍋丼の販売は終了
• さらに,低価格業態の出店も凍結
• それぞれの価格が同じ280円となったため,
吉野家 既存店売上・客数・客単価(前年同月比) の推移:2013年4月~9月 客数 客数 客数 客数 客単価 客単価客単価 客単価 売上 売上 売上 売上 80.0 90.0 100.0 110.0 120.0 130.0 140.0 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月
値下げ後の客数(前年同月比)推移 すき家 vs 吉野家 すき家 すき家すき家 すき家 吉野家 吉野家 吉野家 吉野家 100 110 120 130 140 150 当月 2月目 3月目 4月目 5月目 6月目 7月目 8月目
吉野家がその後採用した戦略(5)
高品質商品の導入
吉野家既存店売上(前年同月比)推移
2013
年
1
月~
2014
年
2
月
90.0 100.0 110.0 120.0 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 値下げ 牛すき鍋膳吉野家がその後採用した戦略(6)
品質の改善+値上げ
• 14年4月1日から品質改善を伴う値上げ
-牛丼並280円→300円
吉野家の主な対抗手段
• 価格で対抗する ④値下げ→13年4月 ①一時的な値引きやクーポンなどの価格訴求型 プロモーション → 即時 ②低価格の対抗ブランド(ファイティング・ブランド)の投入 →10年9月,11月,12年10月(低価格業態) • 非価格手段で対抗する – 広告,SPなどによる価格以外の価値訴求→随時 ⑥品質の改善+値上げ→14年4月 ③高品質ブランドの投入→11年12月 ⑤高品質ブランドの投入→13年12月など吉野家の対抗戦略の評価
• 主力商品の値引きプロモーションは弊害が大きい • 時間が経過してから主力商品を値下げしてもインパ クトが小さい • 低価格対抗商品(ファイティングブランド)の導入は 客数増加に寄与している • 高品質商品の導入は客単価向上に寄与している • 施策を逐次的に投入したため,施策間の整合性が とれないケースがみられる(牛鍋丼,低価格業態の 終了,凍結など)では,どうすれば良かったのか
• 主力商品を価格競争に巻き込むまずに,低 価格対抗品を導入する • 価格競争がさらに進展することを防ぐ意味か らも,低価格対抗品の価格は複数設定する( 競合と同価格,競合よりも低価格・・・) • 客単価向上を図るために,高品質・高価格商 品を導入する • 上記のような施策を,時間をおかずに実施す る価格設定と売上との関係
価格 販売数量 売上 売上 売上 売上 価格 販売数量価格設定と利益との関係
価格 販売数量 利益 利益 利益 利益 価格 コスト価格設定と利益との関係
価格 販売数量 限界利益 限界利益 限界利益 限界利益 価格 変動費価格設定と利益との関係
価格 販売数量 利益 利益 利益 利益価格設定と利益との関係
価格 販売数量 利益 利益 利益 利益 消費者余剰 =消費者のWTP (willingness to pay)と 実際の支払い価格との差 =売り手から見た逸失利益価格設定と利益との関係
価格 販売数量 利益 利益 利益 利益 未獲得利益 =消費者のWTPとコストの差獲得利益の最大化
価格 販売数量 コスト コスト コスト コスト 潜在利益 潜在利益からの獲 得利益を最大化す るにはどうすれば 良いか?獲得利益の最大化
価格 販売数量 コスト コスト コスト コスト 潜在利益を最大化 するにはどうすれ ば良いか?エアラインの例
価格 販売数量 ファーストクラス ファーストクラス ファーストクラス ファーストクラス ビジネスクラス ビジネスクラスビジネスクラス ビジネスクラス プレミアムエコノミー プレミアムエコノミー プレミアムエコノミー プレミアムエコノミー エコノミー エコノミー エコノミー エコノミー ツアー ツアーツアー ツアー価格対別製品ラインの拡充 価格 販売数量 低価格 低価格低価格 低価格 プレミアム プレミアム プレミアム プレミアム ポピュラー ポピュラー ポピュラー ポピュラー
価格対別製品ラインの拡充
価格
理想的な価格プロモーション
価格 販売数量 280円円円円 240円円円円 200円円円円 160円円円円 120円円円円獲得利益を最大化する価格設定
• 価格プロモーション • グレード別価格(ex.エアライン) • 購入時期による割引き(ex.エアライン) • 価格帯の異なる製品ラインの展開 • etc・・・ある店舗の価格設定の例
顧客セグメント 醤油 砂糖 味噌 A 600 400 200 ・顧客セグメントAは上記のようなWTPを持っている ・店舗では,醤油,砂糖,味噌の3商品を扱っている ・3商品ともに,仕入原価は150円 ・粗利益を最大化するには,それぞれの価格をいくらにすれば良 いかある店舗の価格設定の例
・顧客セグメントA~Cが,それぞれ上記のようなWTPを持っている ・店舗では,醤油,砂糖,味噌の3商品を扱っている ・3商品ともに,仕入原価は150円 ・粗利益を最大化するための価格設定の方法は? 顧客セグメント 醤油 砂糖 味噌 A 600 400 200 B 200 600 400 C 400 200 600全商品
400
円に設定した場合
顧客セグメント 醤油 砂糖 味噌 A 600 400 200 B 200 600 400 C 400 200 600 【店舗の粗利益】 顧客セグメント 醤油 砂糖 味噌 A 250 250 0 B 0 250 250 合計 C 250 0 250 1500 【各セグメントの消費者余剰】 顧客セグメント 醤油 砂糖 味噌 A 200 0 0 B 0 200 0 合計 C 0 0 200 600セット販売
顧客セグメント 醤油 砂糖 味噌 A 600 400 200 B 200 600 400 C 400 200 600 3商品セット=1200円 すべてのセグメントが購入 店舗利益=2250円 消費者余剰=0円 3商品セット=1000円 すべてのセグメントが購入 店舗利益=1650円 消費者余剰=600円全商品
200
円,会費
400
円の場合
顧客セグメント 醤油 砂糖 味噌 A 600 400 200 B 200 600 400 C 400 200 600 【店舗の粗利益】 顧客セグメント 醤油 砂糖 味噌 会費 A 50 50 50 400 B 50 50 50 400 合計 C 50 50 50 400 1650 【各セグメントの消費者余剰】 顧客セグメント 醤油 砂糖 味噌 会費 A 400 200 0 -400 B 0 400 200 -400 合計 C 200 0 400 -400 600コストコの売上高推移 (億ドル) 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011(年)
2.9 2.8 2.8 2.5 2.8 2.5 2.7 2.8 12.8 12.6 12.5 12.5 12.6 12.9 13.0 12.8 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 粗利益率と営業利益率の推移 (%) 粗利益率 粗利益率粗利益率 粗利益率 営業利益率 営業利益率 営業利益率 営業利益率 (年)
9.6 10.7 11.9 13.1 15.1 15.3 16.9 18.7 13.9 14.7 16.3 16.1 19.7 17.8 20.8 24.4 0 5 10 15 20 25 30 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 営業利益と会費収入の推移 (億ドル) 営業利益 営業利益営業利益 営業利益 会費収入 会費収入 会費収入 会費収入 (年)
69.4 72.8 73.1 81.6 76.5 86.3 81.4 76.5 0 5 10 15 20 25 30 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0 営業利益に占める会費収入の比率(%) および営業利益と会費収入の推移 (億ドル) 営業利益 営業利益営業利益 営業利益 会費収入 会費収入 会費収入 会費収入 (年) (%) 会費収入(%) 会費収入(%)会費収入(%) 会費収入(%)
一般的な低価格小売業の利益モデル
価格
販売数量
一般的な低価格小売業の利益モデル
価格
販売数量
一般的な低価格小売業の利益モデル
価格 販売数量 コスト削減による低価格化 消費者余剰の拡大 集客+点数UP 規 模 効 果 規 模 効 果 規 模 効 果 規 模 効 果 コストコストコの利益モデル
価格 販売数量 1.コスト削減による低価格化 2.消費者余剰の拡大 3.余剰部分を会費として獲得 4.会費収入による低価格化コストコの利益モデル
価格 販売数量 コスト削減による低価格化 消費者余剰の拡大 会費制 集客+点数UP 規 模 効 果 規 模 効 果 規 模 効 果 規 模 効 果 会 費 収 入 会 費 収 入 会 費 収 入 会 費 収 入コストコと類似した価格戦略,利益モデル
を採用している企業,ビジネス?
• Amazon:プライム会員会費+商品代金 • 遊園地などの施設:入場料+乗り物などの料金 • TSUTAYA:Tカード年度更新料+レンタル代金 TSUTAYA発行の場合300円 Tカードのアクティブ会員=4千万人コストコと類似した価格戦略,利益モデル
を採用している企業,ビジネス?
• Amazon:プライム会員会費+商品代金 • 遊園地などの施設:入場料+乗り物などの料金 • 電話料金,電気料金など:月当たりの定額+従量課金 二部料金制究極の価格戦略?
価格 販売数量 コスト コスト コスト コスト“Pay as you wish”
プライシング
• 顧客が自由に価格を決める方式 • 一部のレストランや旅館などが採用している • 07年にイギリスのロックバンドのレディオヘッ ドが,新作アルバムのダウンロード販売で採 用し話題になったレディオヘッドのイン・レインボウズ
• 2007年10月発売 • ダウンロードした人は好きな金額を支払う • ボーナスCDがついた約80ドルのディスクボッ クスも選べる • 世界中で300万枚の売上(ダウンロード,CD のトータル) • 前作のアルバムのあらゆる形式における総 売上額以上を,ダウンロードだけで稼いだイン・レインボウズの結果
• 有料と無料の比率 38%:62% • 有料ダウンロードの平均価格 6ドル • 全ダウンロードの平均価格 2.28ドル • 価格の分布 資料:comScore,調査期間:07年10月1日~29日イン・レインボウズの結果
• 有料と無料の比率 38%:62% • 有料ダウンロードの平均価格 6ドル • 全ダウンロードの平均価格 2.28ドル • 価格の分布 支払い金額 構成比(%) 0 62% 0.01~4ドル 17% 4.01~8ドル 6% 8.01~12ドル 12% 12.01~20ドル 4% 資料:comScore,調査期間:07年10月1日~29日大規模テーマパークでの研究結果
• Gneezy et al.(2010)による研究 – 大規模テーマパークのジェットコースターに乗車した11万 3047人を対象とした調査 – コースターに乗っているときの自分の写真を,乗車後に購 入するか否かを調査 – 下記の4つの条件を設定*Gneezy(2010),“Shared Social Responsibility: A Field Experiment in
Pay-What-You-Want Pricing and Charitable Giving,” Science, vol.329 No.5989.
固定価格 (15.95ドル) 顧客決定 価格 チャリティ 寄付なし チャリティ 寄付あり
写真購入客の状況
固定価格 (12.95ドル) 顧客決定 価格 チャリティ 寄付なし 0.50% 8.39% (92セント) チャリティ 寄付あり 0.59% 4.5% (5.33ドル) 固定価格 (12.95ドル) 顧客決定 価格 両者の 比率(%) チャリティ 寄付なし 0.065 0.077 119.2 チャリティ 寄付あり 0.076 0.240 313.9 【写真購入客の比率(平均価格)】 【乗客1人当たり売上額】5.まとめ
• 価格の利益へのインパクトは非常に大きい • 価格戦略を評価・検討する際には,「潜在利 益の三角形」を考えることが役立つ • 値引きの繰り返しは,消費者の参照価格を低 下させ,通常価格時の売上を低下させる危険 性がある • 価格設定の方法にはさまざまなバリエーショ ンがあり,その方法によって利益モデルが異 なる本講義のポイント(1)
• 利益を最大化する価格設定を考える際には,潜在
本講義のポイント(2)
• 価格プロモーションを実施する際には,参照価格の低下を防