今月のラインナップ
1.シロヴィエ・マシーヌィ
発電設備、変電器と配電器のロシア最大のメーカー・グループ。2003年12月、シロヴィエ・ マシーヌィは「合同重機械工場(OMZ)」との対等合併を発表、実現すれば年間取引額10億ド ルの大企業が生まれることになり、注目される。2.アエロフロート・ロシア航空
ロシア航空業界の最大手で、とくに国際便では突出した地位にある。株式時価総額はロシア 企業のなかで31位。赤字路線からの撤退、旧式機の廃棄で収益体質の改善をめざす。シロヴィエ・マシーヌィ
Power Machines Group
http://www.power-m.ru/
■基礎データ■ 沿革:2000年、ロシアの主要な発電機械企業と輸出企業が、持ち 株会社「インターロス」の支援の下にグループを形成。 所在地:本拠地はサンクトペテルブルグ市 売上高(2002年):106億ルーブル ロシア製造業売上高ランキング(2003年版):53位 利潤(2002年):150万ドル 従業員総数:1万9,125人経営トップ:ヤコヴレフ社長(YAKOVLEV, Yevgeny Kirillovich)。 1958年モスクワ生まれ。北西海運、ノリリスクニッケルなどイ ンターロス傘下企業の幹部を歴任。
概況
発電設備、変電器と配電器のロシア最大のメーカー。グループ傘下の企業を統合して単一 の企業にすることを目指している。主な生産・財務指標は改善しつつある。2002年の国際会 計基準での連結営業利益は2001年比で13%伸び2億7,640万ドルになった。 設立は2000年末で、ロシアの主要な発電機械企業が、持ち株会社「インターロス」の支援 の下にグループを形成した。傘下企業にはロシア最大の発電設備のメーカーであるレニング ラード金属工場(LMZ)、エレクトロシーラ、タービン翼工場(ZTL)、カルーガ・タービン 工場(KTZ)およびソ連時代からの関連機器の輸出企業であるエネルゴマシエクスポルトが 含まれている。 LMZはロシア最大のタービン製造企業で、GE、ウエスチングハウス、Alstom(ABB)に次 ぐ、世界第4位の蒸気タービンのメーカーである。同企業のタービンは世界40カ国の700の発 電プラントで使用されている。ZTLは、電力生産やガス輸送で使用される蒸気・ガスタービ ンのためのタービン翼の主要なメーカーである。同工場は、主要なロシアや外国の蒸気・ガ スタービン生産者、発電プラント、ガス輸送組織に製品を販売している。KTZは、電力部門の中小規模のタービンを生産している。
組織再編
2002年に第1段階の組織再編が始まった。グループのマネージメント部門とエネルゴマシ エクスポルトが合併して「エネルゴマシエクスポルト-シロヴィエ・マシーヌィ」となり、 同社が管理機能と販売機能を統括するリーダー企業になった。その後、「エネルゴマシエクス ポルト-シロヴィエ・マシーヌィ」はその主要株主であるLMZとエレクトロシーラの間で株 式の追加割り当てを行い、これらの企業の株を保有し、その結果「エネルゴマシエクスポル ト-シロヴィエ・マシーヌィ」をヘッドとする持ち株会社が、2003年3月までに形成された。 同持ち株会社の主要株主は、持ち株会社「インターロス」とシーメンスで、株保有率はそれ ぞれ94.2%と4.93%である。同持ち株会社はLMZ、エレクトロシーラ、ZTLの支配株を握り、 KTZの株の25%を保有している。同社は「シロヴィエ・マシーヌィ-ZTL、LMZ、エレクト ロシーラ、エネルゴマシエクスポルト」(略してシロヴィエ・マシーヌィ)と命名された。さ らに、2002年春、同社はポルズノフ・発電設備研究開発機関(NPO CKTI)の株を購入し、 2003年には同機関はグループに統合された。 2003年からは組織再編の第2段階が実施され、LMZ、エレクトロシーラ、ZTLがシロヴィ エ・マシーヌィに組み込まれ、単一の法人企業が誕生することになっている。 同社の発電設備は45カ国で使用され、総発電量は287GWで、世界の全設備容量の10%を占 める。 なお、2003年12月、シロヴィエ・マシーヌィは合同重機械工場(OMZ、当月報2003年11月 号を参照)と対等合併することを決定したとする、電撃的な発表を行った。合併が実現すれ ば、年間取引額10億ドルの巨大企業が生まれる。 財務・生産実績
2001~2002年に同社の財務・生産指標は改善を見せたが、これは傘下企業の生産能力の結 合と販売機能と管理機能の集中化によるものである。 2002年末までの契約額は12億3,700万ドルで、2001年の実績10億100万ドルから23%アップ した。 2002年の利益のほとんどが、中国とインドの原子力発電所、中国の熱併給発電所、イランのブシェール原子力発電所、ロシアのブレイスク水力発電所やその他のロシア国内での契約 である。 契約による受け取りは、2002年は4億1,500万ドルで、2001年の4億3,700万ドルから5%減 少した。 2002年の販売は着実に伸び、ロシア会計基準での売上高は3.3億ドルで、2001年(2.5億ドル) より32%増大したが、その多くは中国とイランとの大規模契約の履行によるものである。同 社はルーマニア、イラク向けのタービンでの大きな契約を達成し、バシコルスタン共和国で のユマジグンスク水力発電所向けのタービンとイラクのプラント向けの設備を供給した。 2002年の販売利益は31%伸びて7,617万ドルとなったが、これは契約に基づく販売が増大し、 コストがほぼ安定していたことによる。これによって管理費の増大分がカバーされた。純益 は67%増大し3,883万ドルであった。資産は32%増えて、7.4億ドルとなった。
投資の動向
2002年の生産向け投資は、2001年実績の3,177万ドルから11%減少して、2,836万ドルであっ た。投資額の減少は、契約による受け取りが減ったことによる。経費節減でいくつかの生産 向け融資が減額され、次回に回された。 2002年に実施された重要な投資プロジェクトとしては、LMPへのガス放射暖房、エンジニ アリング建物における換気装置と空気清浄システムの建設、ガスタービン試験用スタンドの 建設である。エレクトロシーラには固定子巻上げ技術が導入され、横中ぐりフライス盤が更 新され、横精密加工台が購入された。ZTLには、ミーリング機と工具研磨機やその他の設備 が購入された。KTZは新しい工具研磨機とトラッククレーンを購入した。 同社は2003年の連結ベースでの純益を国際会計基準で2,000万ドル以上を見込んでいる。設 備の稼働率は高まり、生産費は減少すると見られる。 証券
同社の定款資本額は6,413万ドルで、額面1コペイカの普通株53.6億株と優先株10.1億株か ら構成されている。 2003年10月の臨時株主総会で株主は、定款にあらゆる優先株は普通株に転換できる、とい う条項を含めることを票決した(以前は、優先株を普通株に転換することはできなかった)。2003年10月、同社株はRTS(ロシア取引システム)のBランクに上場された。 同年11月初め、会社はHSBC銀行を仲介して1株当たり0.03624ドルで12億株(定款資本の 17%)の新株を発行した。発行額は4,400万ドルに達し、欧州の10の投資ファンドに売却され た。これはロシア株の取引としては最大のものであった。2004年の上半期に最近割り当てら れた株およびすでに流通している株の17%をADRに転換することを予定している。 現在、EBRDとの間で長期融資の話し合いが完了しつつある。
アエロフロート・ロシア航空
Aeroflot Russian Airlines
http://www.aeroflot.ru/
■基礎データ■ 沿革:歴史は1923年にさかのぼる。1992年7月、公開型株式会社 アエロフロート・ロシア国際航空として設立。2000年6月定時 株主総会で、社名をアエロフロート・ロシア航空に変更。 所在地:本社はモスクワ 利潤(2002年):32億ルーブル 旅客輸送量(2002年):176.5億人・km 従業員総数:1万5,000人経営トップ:オクロフ総裁(OKULOV, Valeriy Mikhailovich)。1952 年生まれ。1997年から現職。
概況
アエロフロート-ロシア航空はソ連時代のアエロフロート国営航空の飛行路線をほぼ引 き継ぎ、現在50カ国以上に運行し、外国とCISの78の目的地およびロシアの25都市に発着、 文字通り世界の翼である。近年の航空業界の世界的な不況の中でも比較的健闘しているが、 効率と生産性を高め、赤字路線からの撤退とより収益性の高い路線への集中を軸とするリス トラを推進中である。 ロシアの航空業界に占める同社のマーケットシェアは、国際線では、2001年の42%から、 2002年には35%と低下した。国内線では11%から10%に落ち込んだ。とはいえ、これは効率 を高めるための熟慮された計画によるものとされる。効率の悪いイリューシン(IL)-62の大 部分が使用を停止し、イリューシン-86、-76の使用が削減され、利益の上がらないチャータ ー便が廃止された。 活動実績
2003年初め、同社は104機の航空機を保有しており、そのうち72機が自社保有で32機がリミ国内航空(KomiInterAvia)からリースされたIL-86の2機が償却された。2003年には、アイ ルランドの輸送航空からDC-10-40Fを2機、またTorginvestからTu-1341機をリース形態で受 け取った。 同社は、2002年に54カ国に飛行し、外国とCISの78の目的地およびロシアの25都市に発着 した。5万9,849便のスケジュールフライトをこなし、549万人の乗客(2001年比で5.9%減) と10万9,500tの貨物・郵便物(同7.7%増)を空輸した。旅客輸送は176億人・km、貨物輸送 は21.5億t・kmであった。 旅客輸送の内訳は、CISおよびバルト諸国を含む国際フライトが71%、国内フライトが29% である。国内シェアは2001年から1.3ポイント増大した。定期便における旅客輸送は2.7%、チ ャーター便は70.6%減少し、この結果チャーター便のシェアは2001年の3.2%から2002年には 1.5%に低下した。 貨物輸送のシェアは国際路線が85%、国内が15%で、ほぼ前年並みであった。貨物・郵便 物の輸送は13.4%増大したが、チャーターによる同輸送は44.8%減少し、貨物・郵便物に占め るチャーター便のシェアは2001年の9.4%から2002年には4.7%まで低下した。 座席の満席率は2.6ポイント増えて68.4%に、商業積載率は2.9ポイント増えて56.4%になっ た。 フライト計画を改善することで、飛行時間が9.2%(2万1,232時間)短縮され、IL-62Mで は90%(1万9,206時間)、IL-86では58%(7,955時間)、IL-76では62%(6,848時間)短縮され た。一方、Tu-154では11%(4,316時間)、Tu-134では13%(2,965時間)、IL-96では10%(1,520 時間)、輸送機DC-10(2機)では100%(1,919時間)それぞれ飛行時間が延びた。外国機で の最大平均デイリーフライはボーイング-767の14.0時間、ボーイング-777の13.7時間であった。 国内機での最大平均デイリーフライはIL-96の7.9時間であった。
経営実績
2002年、アエロフロート社の純利潤はロシア会計基準で140%増大し、31億9,800万ルーブ ルとなり、税引き前利潤は50%増えて44億5,500万ルーブルになった。販売利益は450億ルー ブル(14.3億ドル)で2001年の415.2億ルーブルから、8.4%増大した。営業利益の内訳は、旅 客輸送が76.8%、貨物輸送が7.4%、郵便物輸送が0.3%で、外国の航空会社とのコードシェア による輸送は13.3%を占め、その他が2.2%であった。旅客輸送による営業利益は710万ドル増加したが、これは1人・km当たりの営業利益が増 えたことによる。アエロフロート社は営業利益を5,780万ドル伸ばしたが、一方、乗客フライ トの低下とルーブル高(対ドル)は、営業利益をそれぞれ3,950万ドル、1,120万ドル減少させ た。郵便物輸送は1.3%(140万ドル)増大し、t・km当たりの利益率は4.5%(470万ドル) 増大した。外国キャリアとの共同運航のための商業協定による営業利益は710万ドル増大した が、その他の営業利益は790万ドル減少した(主に輸出輸送にかかる付加価値税730万ドルの 返還による)。 オクロフ総裁によれば、2003年上半期にはSARSとイラク戦争の影響で、収益が約300万ド ル減ると見込まれている。