第 656 回健康教育講座
「健康づくりのための運動指針 2006 について」
開催日 平成18年12月6日(水)
講 師 国立長寿医療センター病院 病院長
太 田 壽 城
健康づくりに必要な運動の種類、量などに関する「健康づくりのための運動基準 2006∼身体活
動・運動・体力∼」が定められ、その基準に基づいて広く運動を普及するための「健康づくりの
ための運動指針 2006、副題:エクササイズガイド」が発表されました。平成 5 年と平成 9 年に運
動指針・身体活動指針が発表され、その間は国民の運動量(歩数)が増加しましたが、その後徐々
に国民の歩数は減少し、運動の必要性、具体的な運動の種類と量、その普及に関する国民へのメ
ッセージが求められていました。
今回の運動指針では、広義の運動を生活活動と運動に分け、生活活動や運動の強度(メッツ)
と時間をかけた運動量を 1 エクササイズ=60 メッツ・時と表現し、1 週間に生活活動と運動の合
計は 23 エクササイズ、そのうち運動は 4 エクササイズが必要としています。同じことを「いつで
も、どこでも、楽しく歩こう 1 日 1 万歩」、「自分にあった運動でいい汗かこう、週 60 分」と一般
的な表現でも示しています。
広義の運動を生活活動と運動に分け、広く運動に親しみやすくした点は、この指針がいかに普
及を重要視しているかを表しています。また、運動量を 1 週間 23 エクササイズと規定したのは、
生活習慣病予防に関する科学的な文献レビューを根拠にしています。
一方、今回の運動指針は副題をエクササイズガイド、運動の単位もエクササイズ(Ex)と表現
されているように、指針の副題と運動の単位を示すエクササイズが運動を宣伝し、普及するキャ
ンペーンとなるよう配慮されています。指針の名前を呼び合い、自分の運動量をチェックするた
びにエクササイズを思い出し、エクササイズが定着する仕組みになっています。
この指針は今まで理解が難しかった運動の強度と量をできるだけわかりやすくして解説してい
ます。例えば、自分の現在の運動量を知るためのチェックシート、どのような生活活動や運動が
何メッツなのかを示す表、運動によるエネルギー消費と栄養によるエネルギー摂取との互換性の
確保、メタボリックシンドロームで腹囲を 1cm 減らすにはどの程度の運動が必要かもわかる表な
どが示されています。また、運動の動機付けと継続に関するいろいろなアドバイスも各個人の運
動に対する意識のステージにそって盛り込まれ、ライフスタイルに応じた身体活動を増やすため
の事例集も示されています。
運動指針の普及についても、添付資料に各種団体が主体的に関われ、各種活動などが具体的に
進展するための方向性が示されています。特に、指針に示された内容を理解し、実際に運動を指
導するマンパワーはこの指針を具体的に推し進める原動力として期待されています。
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