Res.・Rep. Koch,レロniu。vol.43(1994), p.199-213, pis.1-6
北海道達布.:し古丹別地域の上部蝦夷層群よゾり得られた
十 ユイノセラムスの形態変異にう‥いて \:\ユ
新川 直子・早川 浩司・抽代 正之
(理学部地質学教室)
Morphological
variation⊃o卜inoceramids from
the Upper
Yezo \Group
o卜Tappu
and Kotanbetsuダarea,コHokkaidoト
NaokoニNlKKAWA,耳iroshiHayakawaヶand
Masayuki
Tashiro
ニ Departmentof Geology, Faculty of Science ニ
ABSTRACT: The Upper Yezo Group of Kotanbetsu, Hokkaido yields rich fauna of marine invertebrate fossilsトIt turnedしout十that various forms of inoceramidトbivalves exist and a
part 0卜them are unknown species. Some ofしthem 面り referred to lnoceramus(工)
amakusensisNagaoand Matsumoto and 7.(P.)mantelli.de Mercy and th6二)ther十represent intermediate forms and show close relationship with those species. \
十 There are surely wide variation of outline, ornaments, hinge structure and growth pattern in inoceramids, aside from their taxonomy. Figures represented here shows morphology of 弛oむeramids from the Santonian of上Kotanbetsu and adjacent area so that the careful observation will go t0 long・ way to the further understanding of eχtend of
variation of inoceramid. ‥
キーワード:イノセラムス,サントニアン,コニIアシアン Key word: oceramus,Santonian√Coniacian. 上
∧1.はじめに レダ
北海道達布・古丹別地域に広く露出する白亜系地質の研究は,十大型化石では主にイソセラ=ムズに
基づくイヒ石層序,∧対比を中心に行われてきた(棚部ほか,ダ1977∧;関根ほか, 1985).この地域の上 部白亜系からは多様な子ノセラムスが産出する・が,−その中でサン下Ξ・アjン階下部のいわゆ/る
Inoceramusamafeusensis帯から産出するイノセラムスは特に変異に富む.... ・・万……… 例えば, oceraraus(1)amakusensisNagao and Matsumotoはサン下ニアン階を2分すると きの下部を示す重要な指示化石とされているが,ゴ午アシアン階からザントニアン階にかけて=ぱ,
2 0 0 高知大学学術研究報告二第43巻(1994年)自然科学 来Inoceramusa.)amafeusensis=とされてきた標本の中には,△いくつかの異なる形態が認められ る. ニ ‥‥‥‥=‥‥ ‥‥‥‥‥ ‥‥ ‥‥‥ 古丹別地域のサ\ントヱアン階及び達布地域のコÅアシアン階から産出したイノセラムスについて 検討しレ具体的な個体変異あるいは相違点を明らかに示七,現在どの様な問題があるのかを明らか にするために,現在までに整理された標本の形態と産出層準の情報を報告する.分類学的な検討は 今回は行わない. ‥ 十 犬 ‥ ‥
形態に
個々
いて ‥
,特徴的な部分にっいてのみ以下に記す.観察される標本及び部分について
の記述であ7り,/種の記載ではない.現在の段階では今回使用した標木において,肋・条線・起伏な
どの装飾が成長線と斜交するのかどうかは分かってい/ないが,ここでは同心円的に発達する装飾は
成長線と平行なものとして記述した.≒蝶番部の形態については簡単に触れるにとどめる.用語につ
いては図3を参照のこと./標本番号の前半は産出した露頭番号(図丁)と同じである.犬Xは転石を
表す.イノセラムスの種の定義は基本的にNagao
and〉M八TSUM
・oし(1940)ソM八Ts皿回o皿dU皿人
(1962)に従う. 犬 ヶ 一一
産状についてレ 上∧ 犬 ト ‥‥‥ ノ 犬 I 今回取り上げた標本の産状としては以下のようなものがある.し.・.・.・ ・・ .・.・. .・ タイプA:直接泥岩中に単体で産出する. = ..・・・・..・ .・・.・・・・・.・.・ .・ ニダイプB:泥岩に含まれるノジュール中に単体で産出する.・..・・・. ・. ・.・ ・.・・・ タイプC:ノジュール中ににアンモナイトや他のイ√セラムスめ個体や破片,植物片.などとレ密 集して産出する. 犬 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥‥ 2。個々の標本に関す,る記述 <;]ニアシアン期のイノセラムスについて>▽ し ‥ ▽ ■ ■■ I・ 1 ●・ ● . ・. ・ . . \コニアシアン期のイノセラムスについては達布地域の小平藁川のルー下で調査=・∇採集を行9だ.つ 今回使用した標本はLoc. T1208, T1211から産出した. LOC.T1208は岩相その他からL0C.T1211 に相当する層準と考えられる/し ..・.. ・ .・. ・. ・・.・ Loc. T1211について 上 ノ ∧ 達布地域のLoc. T1211からは保存の良いアン升ナイ下類は余り産出しないが,イノ‥セデムス 類はほぼ自生と考えられる状態で産出する.詳しい産状・産出化石ぱっいては別の機会に報告する が,本論でφ議論の関係上無視できないイノしゼラムスが産出しでいるため,簡単にふれておくレ 達布地域のLoc. T121卜では第1表に示すアンモサ子ド化石が産出した...・ .・ ・.・ ・. ・イノセラムスの形態変異について(新川・早川・田代)
図1 標本採集場所
202
前
高さ h 高知大学学術研究報告=・第43巻(1994年)ニ自然科学・・ヒンジライン(鋏線)
ト
H L 背 靭帯面(リガ.メン、タルエ・しリア)L
ド心
一一
図2∇形態を表す用語 ヒンジ…………7 プ、レート 第士表. LOC.T1211より産出したアンモナイ下類 Kossm.at.icpras tfieobo.ldio.nij.m. Scaldrite・'S Sp√aff. mihoensis ゛ Leujesiceras aii、feau)o.sMtai. Damesites sp. \ MesopuEosia sp. 犬 アンモナイト群集はコニアシデン階を示す.この露頭でjは大型のイノゼラム1スが産出するがコニ レアシアン階では従来その=よう:な大型のイノセラ\みスは知られていないレザントニアン階には7. am ・や ocerarm.↓s ezoensisなど大型にな=る種が知られているがサyトニアン階を示すア ツモナイトはこれまでにこの露頭から産出していない.\早川偉か(1991)のflg.lでLOC.T1217ニと した産地はこのL(?c√T1211の間違いであり・,この塵地の大型イノセラ吟スを工amafeusensisとし て扱っている. \ ‥ 〉 : 尚 ニ < ‥十 脚註 * ; Pol'ypt:ych.ocerasに見られるような数本の直線状螺環とそれらをつなぐU一字型の螺 環からなる.チューロ土アン階上部からコニデジアン階にかけて産出する.イノセラムスの形態変異について=(新川・早川・田代) 203 標本:T12 1 1.=1(R&LV) < 犬∧ 上 ‥‥‥‥‥=‥‥ ‥‥‥‥‥ 図版:1 -1.∧ 十 レ ・.・・.. ・. ・・.・ .・ ・. ・・.. ・.・.・・ 産状:\タイプB. ニ \ j ・■ ■・・ ・ ■■ ■ ・ ・ ・ ・・ ■ . 』彭らみは殼頂の近くでは強いがすぐに弱くなり,全体としでは偏平にな剔犬殼の膨らみが強い間 は殻の前部及び中央部には稜が存在し√前背面は接合面に対して切り立らていレ右.‥ただ七多少後方 から圧迫される方向に二次的変形を受けでいると考えられるト翼状部は広いが,犬レ殼の:膨らごみが減少 すると殻主要部(翼状部以外の部分,\いわゆるディスカニとの境界は不明瞭になりレ区別が出来な くなる.装飾は内型では比較的弱い起伏からなりしその間隔は成長にどもなっ\七広くなる.そ・の起 伏体稜の所で湾曲するたレめ,I輪郭は亜四角形になる.殻か偏平で稜めほとんど認め\られない成長後 期では輪郭は扇形に近ぐなる.レ後縁から腹縁へは滑らかにうなが仏後背縁はやレや直線的である. 比較丿殼頂近くの膨らみが強く,ゲ稜の発達する部分ぱInoceramus(Gordicenamiぶな)ノ亜属の特徴を 有すると言える,成長後期比偏平になる五(Cordiceramus)亜属の標本は/. iCo几)□core恒戒tians (Seitz, 1961)などがあるが,それらの成長後期の装飾は1(Plat-yceraTTUts)し亜属の様な規則的で 比較的間隔の狭いものである/それに対してこの標本の偏平な部分のやや広くて不規則な装飾は=エ (Inoceramua)‥亜属に特徴的なものに似て:いる. 十……… ……:.・・.・・・ .. ・ 標本:T12 1↓.2 (R&LV)ト \ / ‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥ ‥ ‥‥ 図版:工−2. し \ ‥‥‥‥‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 産状:タイプB. 犬し づ‥‥ ‥‥> ダ 末 大右殻は左殻より上方にずれている.右殻は破損しており√ごく一部しか観察できないため,左殻 についてのべるレ膨らみは中程度だがその変化は非常に不規則である.殻主要部の前部,中央部に 稜かおり,翼状部にもご.く弱い稜がある.前部は接合面に対して切り立jうているが,多少二次的変 形め影響もあるか:も知れない.装飾は内型では不規則な起伏と間隔の狭い肋か石なる⊃起伏の程度 や間隔はやや不規則である.肋の強さや間隔はやや不規則であるが,基本的には成長に伴って弱く, 間隔が広ぐなノるト肋は稜の部分で湾曲し,輪郭は波状になjる. ・・.・・.・ ・・ ..・ 比較i稜の存在,そして殻の膨らみや装飾,稜め発達の不規則さなど,ゴレ(Co 「iceramuR)亜属 の特徴ご(Seitz, 1961)を持つ. \ ……= \ ト ……… 標本:T 1 2 1 1レ3(R&LV) ニ 尚‥ △ ∧ 図版:1こ3. \ 六十 犬 二 十 = 産状:タイプB. ニ ‥‥‥:: ニ ▽ ‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥‥ 右殻は左殻より上方にずれている.右殻は表面が多少風化によって損なわれていくるので左殻にづ いて述べる√殻頂のごく近くを除いて:は膨lらみは弱く√偏平レ翼状部は広く発達するが,境界は漸 移的で不明瞭.装飾は内型では弱い肋からなりレ成長にしたがってご徐々しに弱くノなる.ニ時的比肋の 連続性が悪ぐなる部分があるが,生存時に負った傷加あるいは二次的変形によ)るもめかもしれない. またまれに肋に平行な方向に浅い溝が現れるがノこれは二次的変形によって溝ぱ見えるもjのめ,ノ本 来は多少強い肋あるいは緩やかな起伏だったと考えられる/成長の後半には溝は幅広く√浅く犬なる. 肋はTl 2 1 1. 2であれば稜のあるあたりで緩く湾曲するが,およそめ輪郭=はぽぼ四角形である, 比較:殻頂近くでやや膨らみが強いこと.殻頂近くでは翼状部が区別できること,腹方に長い長方 形の輪郭を持つこと,および,やや波状に湾曲するが後背縁が直線的であることなどの特徴は,……7, (1)amafeuseasis\のものと同様である.ただし後背縁:とヒシジライ=ンのなす角はこの標本では90 度よ力もわずかに大きい.つ し ニ ……… し‥‥‥‥‥▽ フ…………
204 高知大学学術研究報告 第43巻二(1994年)自然科学 標本:T 1 2 1 1.4 (R&LV) 一 上 ト = 〉 図版:1 -4. ト \ \.ト .・ ●・・● .. ・: .・ 産状:タイプB. 十 十万 ト レ \ \ ……… …… 膨らみは殻頂の近くでは強いが,/成長に伴って徐々\に偏平になるレまた,/殻頂近くでは翼状部と 殻主要部の境界は明瞭であるが,成長に伴って漸移的になる.装飾は殻頂近く=以外では内型でしか 観察できないが,‥強さや間隔の不規則な肋からなり,成長する=とそれらは緩やかな起伏とその上に のる細かい板状肋に分かれていく(板状肋とは板を積み重ねたように見える装飾のことで,イノセ ラムス類ではごぐ細かく√その規模は板状でなげれば条線と同程度のことが多い.内層や内型では 確認が困難T芒ある).殻主要部の前部と中央部√および後部に弱い稜かおる.肋は稜の部分で湾曲 し,殻主要部と翼状部の境界及び翼状部上では綾と関係なく\強く湾曲する√翼状部土での肋の湾曲・ のため,仁ンジラインと後背縁とのなす角はかな=り大きくなる.それらによって殻の輪郭は波うつ 多角形となるj \ づ 上 犬 ‥‥‥ ‥ ‥ ‥ヒンジプレートは薄く,断面は細長い楕円に近いト殻頂の前後にわたって発達する.靭帯穴は殻 頂下から後方に向かうて連続七,背腹方向に長い長方形である,その深さぱごぐ小さく,腹方に向 かってご減少する.また後方に向かって長さが増すため靭帯面は細長い三角形に近い:四辺形どなる. 比較:T±2 1 1ト1と同様に成長初期は7.(Cordiceramus)の,成長後期は1・(I)の特徴を有 する.殼頂近くの膨らみが強く肋が明らかに湾曲すること√膨らみが急激に減少することなどは田 村・田代(1966)のInoceramus amafeusensis(Plate1づigよ2)のものと同様の特徴である./T 12 1 1.4はより殻頂角が小さいが,前方から押される方向に二次的変形を受けているかも知れ ない. 上 \ \ 標本:T12 1 1.5(R&LV)十 ∧ 万 …… ∧ 万 図版:才−5 / し ト 犬 ‥ < …………万=・. \ ……… 産状:タイプB. 犬 ユ ト‥ ‥‥‥ ‥ 十 .・ ・.・. 右殻と左殻はかな万ずれており,左殻は偏平な部分の一部が観察されるだけであるた:め,右殻に ついて述べる.なお,左殻の観察される部分の装飾は右殻の=ものに似るレ殻頂のノごく近=くは保存が 悪く観察できない.殻の後方は保存されていない.二前方から圧迫されたような方向に二次的変形を 被って・いると思われるト膨らみは殻頂近くで多少強いものの,成長にともなって徐々に偏平になる. 殻主要部と翼状部の境界も成長と共に漸移的になる.\装飾は内型では強さや間隔の不規則な肋から なり,成長するとそれらは緩やかな起伏とその上にの石細かい板状肋に分かれでいく.ト殼頂近くの 肋はやや尖っている.主部の前部と中央部にごぐ弱い稜かおる.肋はその部分で湾曲し,①それらの 間では直線的である.\ \ ∧ ‥ I ‥十 \ / …………十 蝶番部の形態はT士2 11.4のものに似るト …………‥‥‥‥‥ ‥‥‥‥‥‥‥ 比較:稜あるいは弱い放射状の高ま力かおり,その部分で肋が屈曲し輪郭が多角型になるという特 徴は,1(Cordiceramus)あくるいは7.(Masadiceramus)∧の働のとも考え画れるが,〉蝶番部はT 12ト1.4やT 1 2 1 1.6のものに似るに………j ‥ ‥ ‥ = 標本:T 1 2 1 1. 6 (R&LV) ▽ ・・.・.・・..・ .・ ・. ・・. .・・.・ 図版:1 -6.上 ∧ ニ ト ……… 産状:タイプB. し.・・. ・・ ・. ・. .・・・.・ .・万 ……… 外形の’特徴は保存のよい右殻で良く観察できる√成長の前期はやや膨らみが強いが丿成長の中期 頃にほとんど偏平になる.翼状部は広く発達するが,成長初期以外は殻主要部と口境界は漸移的で
イノセラムスの形態変異についてノ(新川il早川・田代) 205 区別出来ない.装飾は,弱いがある程度規則的な間隔の起伏とレそ=の上にめる細かい板状肋から力 る.殻が偏平な部分では殻主要部と翼状部の境界の稜はほと:んど消滅仁肋がその部分T右わずかに 湾曲するだけである,それらは不規則だが広い間隔を持うごく弱い起伏と√その上にのるレ細かい板 状肋とに変わる.輪郭は成長初期にはしずく型に近く,成長するにづれで腹方に長い長方形に近く\ なる.但し後背縁とヒンジラインはかなり大きい角度をなす.膨らみがほとんどなくなる辺りから, 殻の前方よ引こ放射状の浅い溝か数本現れる.この部分め殼は剥げており,溝か観察できるの唸内 型の面上である.溝は殻の内側に残された筋肉痕と思われる.………: 一一= ・..・..・ .・ .・・ 土入蝶番部の形態はT 1 2 1 1/4・や5のものに似るが,それらよりトは靭帯穴が幅やや広く↓深さも 大きべ,また靭帯穴の腹方に発達する面がややへこんだ曲面をなすと言うよう方違いがみ.られるレ 比較:装飾の様式や成長するにともなって腹側に長い長方形型の=輪郭をとることなどは/. (I) ニamafeusensisに似るが,殻頂近くの装飾がより規則的でそれらの間隔も大きいこと,後背縁とヒン ジラインのなす角が大きいことなどの違いも見られる. < ト 標本:T 1 2 0 8.ト(R&LV)ニ 犬 ‥‥‥‥‥ ‥ 図版丿2−1. 産状:タイプR犬 ト ト .● y 左殻は右殻より上方ぱずれており,一部しか観察分きないため右酸についぞ述べる.殻の膨らみ は殻頂の近くでやや強く,徐々に弱くなる.主部の輪郭は先の尖らだ卵形.前背縁とヒンジライソ のなす角は比較的大きいが,後背縁とヒンジライツのなす角.はそれほど大き=くない.翼状部と主部 の境界は比較的明瞭である.両者の境界付近で装飾が緩く湾曲し,波状になる.ト装僻は成長初期に は強さや間隔のやや不規則な肋からなり,成長するにしたがって,弱い起伏とその上に乗る細かい 板状肋になる.ただし成長初期の装飾は内型から観察されるものであるため,殻表面の装飾とは異 なるかも知れない. 十 j ‥ 十万 蝶番部の形態では靭帯穴がごく小さいことが特徴的である√半円柱状のヒンジプレードの縁に微 かな点状の窪みが並ぶ.犬 し犬 上∧ ∧ 比較:T 1 3 1 1. 6と輪郭が似ているが,よ力殻頂角が大きいレこれは前背縁の前方への張り出 しがより強いことも影響七ている.また主部と翼状部の境界がより朋瞭である.し蝶番部の形態は大 きく異なる.輪郭がしuwaiimensis Yeharaのそれに似ているとも見えるが,装飾は似ていない
(N八GAO and M八TSUMOTo, 1939, plate 34 (12), fig.4.).
標本:T 1 2 0 8. 2 (RV) ・.・.・・ ・. ・. .・・.・・ 図版:2\− 2. … …… 産状:タイプB.し 十 し 十 殻頂付近では膨らみが強いが成長にともなうて徐々に弱くなっていく.膨らみが急に変化する部 分はない.殻頂は少し内傾する.主部の中央部と後部にはごく弱lい稜がある丁殼が偏平ぱな=るまで は殼主要部と翼状部の境界はかなり明瞭である.\両者の境界をはさん竹装飾が弱く張り出しレ波状 になっている.殻の輪郭は縦に長い長方形.大前背縁と灘レンジラインのなす角ばそれほ.ど大き:ぐない. 装飾は強さと間隔がやや不規則な肋からなり,成長にともなうて徐々に弱ぐ,……間隔が広くなる.十 ヒンジプレートは二次面が発達しない.靭帯面は上方を向ぐ.靭帯穴は幅も深さも大きめで,腹 方に成長しても深さの減少がそれほど大きくこないレ\ ‥‥‥‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ダ 比較:殼頂近くの殼の膨らみ,<殻頂の内傾jの様子はフInoceramus m1£'.haioaensisOTAT口池’,ニに:似 る(NAdAoこandMatsumoto, 1939, plate 3・2 (5), figs.ニ1・・a,1一一b・.)1・.=.・し.・カゝし殻め膨らみ.と,翼状部と
206 高知大学学術研究報告 第43巻(1994年)ノ自然科学 殻主要部の境界の明瞭さが持続する範囲は多少異なる.ト………
<サントニアン期のイノセラムスについて>
サントヰアン期のイノセラムスにつ=いでは主に古丹別川のルTザトで調査・採集を行い,他に幌立 沢に矢口沢め標本について検討した・.ニとのル十卜では主jにサン下平アy階を/2分する場合のサン:ト 万二アン階下部の中部から士部が露出してい芯\,万.2分する/場合の上部レすなわ\ちInocerarKois (Plat'vceramus)レjapomcusN八G入9and M入TSUMOTDが産出七始める層準より上位から産出するイ ノセラムスにういては今回は検討していノな/い.ここの層準で=に比較的よ]く共産するアyモデイト類は 第2表の通りである. ・・・.・・ ・・.・ ・.・=………ト ……… 第2表.下部サントニアン階下部から中部より普通=に産出するアンモナイド類 NeopKyllocerassubramosumトSPAtH‥‥‥‥ GaudrycerastenuiliratuniYabe / Tetro^onitesがabrus(JIMBO)ニ・ \ NeopuzosiaCKitcfiinitcs)iskiKa・mai(JiMBO) Damesiies dam・esi・(JIMBO) 十 ……… D. semicostatusMatsumoto ニ ……… HaitericerasangustuTTiYabe \ \ …… Åμ叩ach.'vd.iscus stip. ∧…………Menuites japonicus Matsumoto……犬上
Plesiotexanitesteaiuasafeii(K八WAD八)……
BacuUtes ii.p.dapMatsumぴTO and Obata∧………
Hyphantocerasorientale(YABE)\ト’ ∧ H、venustum.(YABE) 十九 \ ト< Poりpt;ycho、ceras Spp.‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥ 標本:K10±5 . 1 (L&RV) ‥‥‥ : △………l ………! ト 図版4,6-3ト \ ∧ニ ………万 : 六十 十 産状::タイプB. ・.・.・. .・ ・..・.・..・ .・ ・・ .. ・・..・ .・ ・・... ・・.・..・・. ・. 左殻jはより上方にずれており,全体を観察できないので右股について述ぺるレ殻頂の近くでは弱 い膨らみがあるしが,\それ以外の部分ではほとんど平らである二股に垂直な方向の二次的変形を多少 受けているかも知れな/い/翼状部は発達するが,く殻主要部との境界はほとんど不明瞭.前背縁と七 ンジラインのなす角はかなり大きい.殻め輪郭は背腹方にかなり縦長く,\十方の直線の長いゆが=ん だ扇型に近い.\しか七成長初期の殼頂近くの部分で:はそれほど長くな=くノほぼ正方形であくる/.十装飾は 間隔の広いやや強い肋とそφ間の細かい肋からなるレ成長にともなづて緩く=幅広い起伏とその上に 乗る細かい条線に変化すノをつま宍たどぢらもその間隔が徐々に広く∇なる.中央部ではI. hobetsensis に見宍られるように,肋がくいちがったり弱まらだ肛して弱=い溝の様に見える.…………:‥ ‥‥ ‥‥ 十ピyジプレTト\はやや薄い楕円柱状ぺ靭帯穴は背腹方に細長いト靭帯穴の中の面および穴め縁の
イノセラムスの形態変異について |・早川・田代) 207
高まりの部分が湾曲しているが,二次的変形によって潰れたのかも知れないト ニ : \ 比較:成長に伴い成長軸が朧側にずれでいく点,背縁と肋の交わる角度がぽぼ直角である点に成長
後期の殼表面に見ら=れる条線の幅が広いことなど, Nag祁and Matsumoto (1940), pl.5レfig.lに
図示された姫浦層群樋島層産のI,amaku&e几sis Nagao and Matsumoto の後模式標本と類似する.
標本:Kl 0 3 5レ1ニ(RV)= 万 ………j ・・ .・・・.・.・.・ .・. ・. ・. ・.・ 図版3−2ト 十 \ ニ 産状:タイプA. .・. 八入. 一一. ・ 上・ 犬 ……万j. ・..・.・ . . . ・・. 泥岩中に産し,ト採集した標本はほとんどが内型であるトまた√全体が偏平なこと,殻が割れてや やずれていることことからに殻に対して垂直方向の圧力で変形していると考えられるト成長軸に沿づ て殻高35mm程度の所を境に殼の変形や破損様式が異なり,づこの付近を境に膨らみが弱く偏平になjつ でいためかも知れないレすなわち.成長初期はやや膨らみが強く,ある成長段階から急に偏平にな:ら ていたであろう. \ 十= ト 犬‥ / \ づ 〉殻の輪郭は背腹方に長く,後背縁は直線的で√成長軸方向にやや尖うている.ぞのため輪郭は五 角形に近い.ヒンジラインと前背縁のなす角度はかな少大きいが,後背縁とめなす角度はほぼ直角 である.成長初期の膨らみが強いと考えられる部分で/は比較的規則的な肋が見られ乱その後の平 らな部分では肋は弱くな仏不規則な起伏を挟んだ後,幅の広い肋に変わり,\全体に条線が見られ る. ト , ・ ■ ■・ ■■ ■ ■ ■■・ ■・ ■ 比較:成長軸方向にやや尖っているが全体的にはI. araafeusensisに近いと考え石れる.例えば√
Matsumoto and Ueda (1962), pl.22,上範.3に図示本れ/t /. anれafeusensisの標本は成長軸方向に・ やや尖る点,成長のある時期に膨らみが急に弱くなることなど,この標本に類似した外形的特徴を 持つ. ∧ト づ ∧ 標本:K 1 0 2 0. 1 (RV) 1 ■・ ■ ■■・ ■ ■・ ■ ■■■■・■I 図版:2 − 3. ‥ \ ∧ ニ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 産状:タイプB(ただしノジムールはかなり泥質でやわらかい)√ し \ノ ト 殻の輪郭は亜五角形で,殻の中央部と後部で肋が屈曲するご成長初期では殻高と殻長の間には大 きな差はないがレ成長と共に次第に殻高が殻長よ経巻大き\くなり=,\縦長い形にな/るレ膨らみは成長 にともなってかなりなめらかに減少する二輪郭に沿づて殻の湾曲の具合いが連続的に変化し,翼状 部と主部を区別ずるごとはできない.‥殻高55inin付近から細かい肋か弱くなり,代わり:=に不規則な起 伏が現れる.またこの成長段階から輪郭が亜五角形から長方形に近い形に変わる.:装飾はごく弱い 肋からなるレノその強さや間隔はやや不規則である.ただし殻め保存がjとても良いと言=う程ではない ので,実際の装飾とは少し異なるかも知れない.づヒンジプレー=・卜はその後半部分の縁をわずかに損 失しており,厳密にはヒンジラインを認識できるのは前半部分のみである/ つ っ 比較:翼部が明瞭に区別できない点を除くと,殻高80mm付近の輪郭は7.amakuserisisしに近い特 徴がみられる.I,amafeusensisではヒンジラインから殻頂が突出す右が,この標本では殆ど突出 しない点が異なるレ成長初期にはいわゆる1(Magadiceramus)属に近い輪郭を持う. NODA (1994)によると1(Co rdiceramus)亜属と氏M昭odicer[1m])し亜属の違うレ点は前者では前部が厚 く,側面主部との境界が角張って明瞭竹ある.=この標本では接合面に対=し緩やかに傾斜す・ることか\ ら,N池人(1994)での/.(Cordiceramus)亜属の定義に当てはまらない.レ ‥ ‥‥‥‥
208 高知大学学術研究報告 第43巻∧(!994年)自然科学 標本:K 1 0 2 2. I(RV) し ・..・.・.・ ・.・ .・.・・ ..・.・・ .・・ 図版:3-3. \ ・・.・・・.・ ・・ ・. ・・.・. .・.・ .・・.・・ 産状:タイプC..・・. .・ ..・・・・ .・.・ ・. .・..・・.. 前方からの圧力により変形していると思われくる.成長軸は背側に傾きレ初期には横に長いが,し次 第に扇形に近くなる.膨らみは弱くご成長方向が変化する当りから偏平になる.装飾は,緩やかな 弱い起伏と細かい条線からなるレ肋と背縁がなす角度は鈍角で,\背縁付近で肋は殻長の方に向いて いる. ト \ 比較:装飾や成長初期の成長方向などがいわゆるI. amakusensisとは異なり,むしろNoDA and TOSHIMITSU (1990),イ返几の/. iPlaiりceramus)m飢成だ: de Me如Yであると思われ乱 \ ニ
標本:Kl 0 3 2.」(RV) ...・・・ .・ .・・ .・ .・. ・・ 図版:3−4. 犬 二 十 < 1 ■■ ■ ・ 産状シタイプC.▽ 十 = 十 エ ニノ .十 殻頂のごく近く以外では最主要部と翼状部は漸移的である.成長と共に殻高が殻長よ町も大きく な肛,コ縦に長い輪郭を持つようになる/殻高30niin付近に肋に平行な溝か見られる√ヒンジラインノと 肋のなす角度は直角よりもやや大きい√殻の内層上回観察される.装飾は,ごく弱ぐ=幅の狭い起伏と その上に乗る細かい条線からなる. ニ \ 犬 十 比較:全体的にはI.〕amafeusensisに似ている.こ背縁と肋のノなす角度がやや大きいが,‥この角度だ
けについて見かとMatsum回o and U皿八(1962), pl.23, fig.3の標本と‥類似するレ 十
標本:/K7 0 4 2. 1 (LV) し \ 犬 図版:3−5,6−4. 十 土入 土 産状:タイプCレ ト 十 ●●●●●● ●● ●● ●●●●●● 殻の膨らみは成長にと/も,なってほぼ滑らかに減少する∠殻主要部と翼状部を区別することは難し いレ殻の内層表面に観察される装飾は細かい肋からなレるレ観察される範囲での成長後期には,急に 肋の間隔が広く,少なくなるようである.成長にしたがって成長軸は前方に傾き√縦長になる.殻 長の割にヒンジライツが短い.輪郭は後腹方はかな万り張り出してく\る.背縁と肋のなす角度は直角 よりもやや大き/い.大前背縁から前腹縁にかげては緩やかに湾曲し√輪郭は前方に緩令かな孤を描い て張り出す.ヒンジプレートは半円柱状.ヒyジプレー……トの背方の縁に点状の靭帯穴が並ぶ.二次 面は広く発達する.‥ 犬 \ \ ▽ ニ 比較汀. amafeusensisと形態,装飾が類似するが,輪郭が成長軸方向に張り出七だ扇形である点 が異なる.既存の種でこれに近いも.のは本邦の上部白亜系では図示されていないト ‥ニ し 標本:K8 0 2 1. I 犬 し \ ‥‥‥‥ ‥ ‥ ‥ 図版:3-6. 丿 二 上 \ ・..・・・・ ..・ ・. ・.・J 産状:タイプC. 犬 ●●●●●● ●● ●● レ‥‥‥ 殻の膨らみは成長に=ともなってほば滑らかに減少する.殻主要部と翼状部を区別することは難し い.初期には殻長と殻高はほぼ同じであるが√\成長にともなっ七成長軸方向にやや張り出し,若干 殼高が大きくな少,殻の輪郭は腹方にわずかに長くなるよ成長軸ぱほぼ中央からやや前よりである. しかし全体的には輪郭は円に近い.殻の内層表面に観察される装飾忙は間隔の広い肋とその上に乗 る細かく弱い条線がある.』力の間隔はやや不規則で,ニ高ま/りの部分の幅は低い部分よりせまい.条
イノセラムスの形態変異について(新川丿早川・田代) 209 線も不規則になる部分がある.成長軸付近でやや肋がくいちがっているめが見られる.背縁の後方 をわずかに破損しているが,大殻の輪郭は前背縁から腹部を経七背縁まで滑らかに湾曲しでいること が分かるに 十 し 犬 :尚犬 比較;L ezoeTisisY収oY八H八とは同心円状肋が規則的でない点て異なる√I,aTnn.fej,sen,sisとは, ヒンジラインと後背縁のなす角が大きく,輪郭酔より丸みを帯びる点で異なる. NODA and TosHiMiTsu (1990), fig.6-4の才二(れ)トmantelliはこれと類似七だ形態を持づがレその成長輸方向 ぽこの標本とは異なり中央部付近にあ口輪郭は扇形に近いレ 上白 上白 レ \‥‥‥‥ 標本:K101X.1(RV) ●●●●●● ●●● ●● 図版に2−4.一一 犬 し ト〉 ト ニ \ 大 産状:タ不プC. 犬 上 し レ ……殻の膨らみは成長にどもな9て次第に弱くなる/殼主要部=と翼状部を明瞭に区別することは難し い.殻頂近くでは前背縁は接合面に対して切り立つているト前縁は前方に緩やかに湾曲する∠背縁 と前背縁,/後背縁のなす角はどちらも大きい.犬輪郭は上端が直線状に切れた細長い楕円に近い.く成 長軸は成長と共に前方に傾く.装飾はかなり広い間隔を持つやや強い肋とその間に発達する細かく 弱い肋からなる,どちらの肋も強か間隔ともやや不規則である.また連続性が弱く①時々分岐し たり消滅したりしている.成長にともなってどちらの肋も多少弱ぐなるト溝状の同心円装飾が2本 見られ,これを境に膨らみが変化している. ‥ ト 十 六大 ………l l・ 比較:装飾や輪郭は卜amahusensisに近いレしかし,腹縁部が丸みを帯び,………輪1 なるI. amafeusiensisとは異なる; また,背縁と肋のなす角度も直角よりもやや大きくトこの点も工 amafeusensisとの区別点である. 六大 ………… 標本:K1 0 3X.ト(RV)\ し ニ ……… 図版レ3 - 7 , 6 5 . ニ ニ 産状:タイプC. ニ \ ニ \ \殻の膨らみは弱く,およそ滑らかに変化している/殼主要部と翼状部を明瞭には区別できない/ 装飾は弱く,やや不規則な肋である.前腹方が多少前方に張り出すが,万全体として殼の輪郭は背腹 方に長い長方形であるこ 犬 上 1 ∧ 十 ‥‥‥‥‥: ヒンジプレートの断面は円柱状でに二次面が発達する.点状の靭帯穴が並ぶ.=‥‥‥ ‥‥
比較:NOE)八and TOSHIMITSU(1990)のイig.5 ―1, fig.6 ―5の/. (P.)Taantelli Iこ近いが保存が悪く
良くは分からない.ヒンジプレートに二次面が広がる点はこの標本と同じである.‥‥‥ ‥ ‥‥ 標本:K1 0 3χ.2(LV) ∧ ・・.・ .・ ・.・. .・ .・. ・・ .・ 図版:3-8. \ ト 産状:タイプC. ト 殻の膨らみは弱<,成長にともなって急変点がな<〉滑らかに膨らみが減少するレ主部と翼状部を 明瞭には区別できない/前背域はぺこんだ曲面になり,万接合面に対して切り立らでいるト後背縁と 背縁のなす角はかなり大きい.装飾はごく弱く不規則な肋からなる.ヒンジラインから殼長が突出 している. \ ツノ 比較:この標本に比較される標本は本邦の上部白亜系では図示されていない. ノ ‥
210 高知大学学術研究報告 第43巻………(1994年)……自然科学 ∧ 3..考察 ‥‥‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥ ‥‥‥ <達布のコニアシアン階産の標本について> j \ 犬 ト T↓2 1 1の露頭から産出するイソ‥ゼラムス類の産出層準はほば.同二で,産状もぽとんどがタイ プBである.またノ\ジュールはどの場合も菱鉄鉱質であ力√産状だけでなくト生息環境も似たよ∇うで あっただろうと考えられる.→方でそれら/の殻の形態はかなり変化ノに富む.,そ/の輪郭や装飾,膨ら み具合い√稜の発達の程度などは産出する個体毎にか=なり異なるト稜を持つ個体も〕あればエ(口 amakusensisに近い形態のものも\いる.そして似たような形態ごとに分けるなどということも難し いぼど個々の標本がそれぞれ異なる形態を持っている.し ‥‥‥‥‥ ‥ ‥‥‥‥‥‥‥=…… しかし大まかに見れば,成長初期にはInoceramus(Cordiceramus)亜属め特徴を持Iち,成長後 斯には偏平になり,犬装飾がInoceramus(エ)hobetsensisや/.(/.)amafeusensisのような弱い起伏 と細かい条線になるという点竹共通する/とノ言えるかも知れない.しこの様な形態の多様さと産状の同 様ざに対して,形態の違いを分類群の違いや古生態の違いで理由付けるのは難しいと考えられる. これら‥は一種,∧あるいは数種の内部の変異め中にふぐまれる可能性も大きいのではないだろうか.⊃ 蝶番部の形態は殻の外形,生息環境,生息姿勢など外的要因によjつて規制されやすいと思われるが, 多少外形の形態の異なるT↓2トL/剣し5ソ6にお=いTご蝶番部の形態が似通っでいるのは興味深 い.これもI変異という考え方を支持する可能性があ乱 ‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥‥ ‥‥j ……… T1ト208ト1および2は,殻の外形を見るとT12±1寸産の標本の変異の続きのようにも見え るが,\蝶番部の形態がそれらとはかなり異なるレ殼の外形〕や産出層準,コ岩相等が似通つている,犬同 じ時代の地層から産した2個体の標本において蝶番部の形態が著しく異なる場合には,系統関係な どの内的要因を反映している可能性も考えられるレ‥‥‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥‥ この2露頭及びこの層準のイノセラムズ類は上記の理由によって大変興味深い資料懲ある.しか‥ し具体的な検討を行うのに十分な標本は未だ採集されていないため,トIこレれ以上の検討は今後の課題 である. ニ ●●●●●●●● ●●● ●● ●● ●. ところでこれらの2露頭の標本は偏平で大型になるレ下位方向の露頭からノレ(刀トuLuanraensis が産出すること,また共産化石が少ない層準であることから,以前の研究でここから産出するイノ セラムス類力江(I.") amafeusensisあ=るいごはInoceramus(Platyceramus)……ezoensisなどと誤認さ れてきた可能性がある(例えばレ対馬ほか, 1958 ;など).にめ大型イナセラムレスjめ誤認によって サントニデン階基部が設定されていた可能性も高いの懲はないだろうか.l <\‥‥‥‥ ‥‥ <古丹別のサント土アン階産の標本について>犬 犬上 、 鑑定については十分ではないがとりあえず比較が出来た標本は次ダ)通りである.
I. amafeusensisNagao and Matsumot〇ト l一八 ・ . ・ .・ . K1 0 1 5. 1 1 十 ノ
K1 03 5.1 し 大八 \
7.c{. amafeuscnsisNagao and MATsUMOToノ ト ト し …… : ニ K 10 3 2.犬1。.・.・. ・・ .・.・ ..・ .・・ ..・ = /. aff、amafeusensis、Nagaoand Matsumot〇 ノ 上 レ : ………… K7 0 4 2. 1 j ユ ● K 1 0 1 χ. 卜 \ ニ ‥ ‥‥‥‥‥I
/. (P.)mantelli.de Mercy ニ ∧ ・.・..・ .・ K1 0 2 2.1
/. (P.) cf.・mnntelli士 K 1 013 χ. ・1・ 7.(MagadiceramλiS)ニsp. \ ・ K。1 012 0.1 1noceramus sp. ノ ……K8 0 2 0.ト1 K 1 0 3 χ. 1 イノセラムスの形態変異について(新川・早川・田代) 211
」. amafeiiseixsisの特徴として,Nagao and Matsumoto (1940), Matsumoto and Ueda(1962) では大まかには次のように記載されている. つ ……… 万‥‥‥‥‥‥ 1.大型=で等殻・平らな殼を持つレ \ ニ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥ ‥‥‥‥ニ 2.成長初期には殻の輪郭は殻高と殻長がほぼ同じであるが,成体懲は殻高が殻長よりも大きくな 犬り亜長方形,あ=るいは亜五角形になる. ◇ 十に\ =エ\ ‥‥ ‥‥‥‥‥‥ ‥‥ 3.表面装飾の起伏は低く∧,峯が丸みを帯び,幅広く,ぞの大きさや幅が不規則であるレその起伏 十 は腹側に向かって次第に弱くな:り,同心円状の条線のみになる. 犬 ………:I …… などである. l 犬‥ ト 十六 \一般万にイノセラムス類では最が真珠層ト(内層)と稜柱層△(外層)△の境界で剥がれやすくに装飾の
印象が異なるこ=とが多い.N八G八〇面dM八TSUMOTO (1940)しや〉Matsumoto and Ueda (1962卜に図 示された標本でも細かい条線や肋の保存は標本によって異なるい古丹別の上部蝦夷層群産の標本で はK1ダ0 1 5レ 1とKl 0 3 5. 1の二つの標本が/. (/.)ojnakusensisの記載と一致する/前述 のようにKl 0 15. 1の標本は外型が亜長方形で,しK10し3 5.し 1.め標本が亜五角形の外型をし ている.\・K1015ト1は泥岩中のノジュこル中から得られ,K 1 0 3 0 . 1 は泥岩中より得られ たレこの両者は産状から自生に近卜と考えられる.一犬共存する化石はNd廠〕rmvis sacha=Z仇飢sis, Ezonuclamactraeformisなど深い泥底に生息七でいた二枚貝類である丿卜(D\ヶノamafeusensisは 九州では粗い砂岩から砂質泥岩まで幅広い岩相から産出する.模式産地では合弁個体は砂質泥岩中 に多い.姫浦層群の砂岩から産出七た個体と古丹別の泥岩から産出すyる個体を比較すると,その外 形だけではなく,蝶番部の形態も多少異なるが,これらが棲息環境の違いを反映した形態なのか, それとも分類群が異なることによるのかは現在判断できない.早川(1989)は北海道古丹別地域の I.u切則imensisを用いて,浅海砂泥底と深海泥底のレ皿jojimeれstsが同種であると考え,深い静 かな泥底亡は殻の平らな大型の個体が,土ネルギーレペルの高い不安定な砂泥底では殻め小さな膨 らみの強い個体が密集して,しおそらくコロニーを形成して生息していたであろうことを示七た.‥こ めような底質や底層水の水質などめ・環境の違いによらてL amakusensisの形態変異が生じてお匂, その一部を観察しているのかも知れない. 十 .・・・.・・・ .・・. Kl 0 2 0. 1は,その角張った装飾及び輪郭から,これまでに産,出が余り報告されていない Inoceramus(M昭adiceramus)犬亜属に含まれる個体だと考えられる./‥‥‥‥‥ ‥‥‥‥‥‥ K8 0 2 1.1やK 1 0 1 X. 1はこれまで工(I ."5 amakusensis谷とされてきた標本(例えばT osHiMiTsu : 1985)に似ているが,前背縁と背縁のなす角がかなり大きく√はたして同種内の変異か あるいは別種なのか疑問がもたれる.ダ \ 犬 十 十 ……… 上Kl 0 3 2. 1やK7 0 4 2. 1は後腹方に張り出した輪郭が特徴的であるレK 1 0 3 X.士や K1 0 3X. 2等と同様により大きい標本の観察が必要である. ノ \
212 高知大学学術研究報告 第43巻(!994年)自然科学 4.まとめ ト ゲ ‥‥‥‥ 達布・古丹別地域の調査結果からは,イノセラムス類の古生物学的な,そして化石層序学的な検 討のためには,/外形だけでなく蝶番部の構造なども,産出層準・産出岩組等と併せ七総合的に判断 する必要があることが示唆されたレまた次のようなことが明ノらかになうた. ‥‥‥‥‥ ・コニフシアン階最上部には外形の形態が様々な大型で偏平になるイノセラムス類が産出するこ と.それらの内でも蝶番部に注目すると異なる数種類の形態があること.ト \ ・サントニアン階下部から産するイノセラムス類には,典型的なエ(I.^ amafeitsensisの形態を 持つ個体以外にも,:大型で偏平な何種類かの異なる形態を示す個体があることレ =▽犬 それらの形態の違いが個体変異に含まれるものなのか,別種に分けられるものなのかといった分 類学的な検討は,十分な数の標本に基づいてなされる必要がある.達布・古丹別地域では Inoceramus(A)amo.feij,Rfin.Ri.s他のイノセラム/ス類は多産はしても良い状態で採取することが難し いため,未だ標本の数が十分であるとは言い難い.それに関しては今後の課題である/
謝辞 ▽ し 犬
九州大学松本達郎名誉教授には多{の助言,\情報脊頂きに未公表のものを含む貴重な標本や文献
を見せて頂いた.また九州大学所蔵標本を親切に案内してレくださったレ大分県の野田雅之博士には,
長時間にわたり議論をして頂乱有益な助言や情報を頂いたレま=だ城南地質同好会所蔵の未公表の
ものを多数含むたくさんの貴重な標本を見せて頂きレその車の数個については模型を分けて頂いた.
九州大学理学部岡田博有教授ほかの九州大学の皆さんには√犬九州大学所蔵標本を見せで頂いた際に
大変お世話になったレ早稲田大学φ平野弘道教授には著者の=一人早川浩司が在学中に御指導頂いた.
地質調査所の利光誠一博士にはレ未公表の標本を見せて頂き,\様々な助言をいただいた.野外調査
の際には古丹別営林署,達布営林署,小平町教育委員会jの方々にお世話になった.ここに厚くお礼
申し上げますI.ト ………j 犬 ト \ \ ニ ト
参考文献
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平成6(1994)年9月30日受理 平成6て1994)年12月26日発行
Fig. 1.:712 1 1・. Fig. 2丁:T↓2 1 1. Fig. 3.:T 1 2 11. Fig. 4・.:Tl 2 1 1. Fig. 5. :\T1・2 1 1. F返.6八T:1=2 1 11. 1;右殻, 2;左殼, 3;左殼, 4;左殻, 5;右殻, 6 ; 右殻, ×0.5 ×0.5 ×0.5 ×0.5 ×0.5 〉く0.5
図版1説明
Fig. 1. Fig. 2. Fig. 3. F毎.・ 4. T 1 2 0 8 T 1 2 0/8 K1 0 2・0 Kl 0 1 X 1;右殻, 2;右殻, 1;右殻, 1;右殻, ×工 ×1 ×1 ×1
図版2説明
Fig. 1,:T 1 2 1 1. Fig. 2.:K工03 5. Fig. 3.:K 1 0 2 2. Fig. 4.:Kl 0 3 2. Fig. 5.:K7 0 4 2. Fig. 6.:K8 0 2 1. Fig. 7.:Kl 0 3X. Fig. 8.:K 1 0 3 χ. 2;左殻, 1パ右殻, 1;右殻, 1;右殻, 1;左殻, ト;右殻, 1;右殻, 2;左殻, ×1 ×1 ×1 ×↓ ×1 ×1 ×1 ×1
図版3説明
Kl 0 1 5. 1 ;右殻,×1
F塘 F鎗 F址 1 2 3 :.T1 2 1 1 :T12・11 :T 1 2 1 1
図版5説明
スケールの間隔は1皿 4;左殻の蝶番部 5 ; 右殻の蝶番部 6;左殻の蝶番部F址 Fig F毎 F址 F塘 1 2 3 4 5 T 1 2 0 8. T 1 2 0 8. .・Kl 0 1 5. K・7 04 2. K10ト3 χ.. 1 2 1 1 1 ;\右殻 ;右殻 ;右殻 ;左殻 ;右殻