資本勘定、利益、原価配分
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(2) こそ評価でなく, 配分がとられる根本理由であると思われる。. 考えを深めていくと, 費用決定の仕方としての評価と配分は, 単に会計手. 続き上の違いでなく, 貸借対照表の内容そのものの理解の仕方に関わること. がわかる。 評価と配分には, それを支える利益決定方式に根本的な違いがあ ると思われる。 また,. 利益決定の方式は 資本勘定と密接に関係するであろ. う。 それ故に, 動的論がなに故に配分という方式を採択したかを明らかにす るためには, 資本勘定と利益決定方式の解明が不可欠である。. さて, 資本について次のような素朴な疑問点がある。 動的論では企業会計. の構造を損益計算の賎点から究明し, 収入, 支出計算から出発する。 収入 支出の中で当該期間に閃係する収益,. 費用を限定し,. ・. 損益 計卵書を形成す. る。 その結果, 損益計雰書が貸借対照表に対し優位におかれ, そして, 期間. 損益計算に関係しない項目は貸借対照表に収められる。 この限りにおいて借. 入金も資本金も同質である。 資本は負債とともに同列におかれ, その違いは 単に株主か債務者かという資金の源泉にすぎない。 事実, それらは両者とも. に一 括して, 収入にして未支出なる性質と解された。 総じて言えば, 負債も 資本も貸借対照表貸方項目として同質といえよう。 資本はもはやその独自の. 意味を失い, 貸借対照表の貸方項目というにとどまってしまうのである。 貸 借対照表の有する低い地位からして, 資本勘定の意義は小さい。 ところが,. 他方,. 動的論では財産比較による利益決定も是認する。 この. 時, 資産はプラスの財産, 負債はマ イナスの財産となって, この差額たる財. 産の期間比較によって利益を決定するというものである。 この財産は後述の. ように, 動的貸借対照表の意味における財産であり, 貸方の資本と照応する. ことはいうまでもない。 ここにおいて, 資本は明らかに負債と全く異なるの. である。 そして, ここでは資本勘定の積極的はたらきが期待されている。. 明らかに異質の資本に対する考え方の存在を前にして, 動的論がいずれの. 立場をも是認していたことに想い到れば, 我々は資本勘定の会計上の意義に. ついて疑問を感ぜざるをえない。 そして, このことは, 利益の決定を会計計. -no. C 236)-.
(3) 罪の中袖に裾え.. f計翡 対照表と国益叶鉾雹の計算構造を明らかにすることを. 試みた動的論にとり根本問悶といえよう。 このような資本勘定の違いは異な. る利益決定方式を均き. さらにこのことが配分か評価かの費用決定に関わる のではないだろうか。 そこで. 勁的論は何を測定し. それをいかに会計上表. 現しようとしたのか, このことを資本一利益決定方式を通して芯えてみよう. というのが本稿の怠図である。. II. 二つの資本観. 周知のように, 動的論は会計構辿を収入. 支出で表現する。貸借対照表は,. ・. 収入, 収益, あるいは支出• 四用の不 一 致を謁整する勘定として, あるいは, 当該期間に収益• 四用とならなかった収入. ・. 支出を次期以降に柏渡しする機. 能としての性格が付与されたのである。 それ故, 動的論の立場からすると例. えば設価は支出· 未費用として次期以降に費用化する項目と解される。 また. 資本は斯間似益叶邸に直核には関係しない項目として解釈された。 貸借対照 表の貸方項目としての資本は収入・支出によって次のように表現される (1) 0 貸借対照表項目. I. I_... 収支による表現. が「-. 収入• 未支出. I. 1...-------- - ....J. 第1図. ここに明らかなことは, 資本は侶入金とともに収入• 未支出として同一の. 辟に入ることである。 逆に言うなら, 我々が資本といい, 偕入金と称してい. るのは, 実は収入にして未支出という会計事象を指してそのようによんでい (1) Schmalenbach, E., Dynamische Bilanz. 4. Aufl., Leipzig 1 926. S. 120. 動. 的論における資木勘定については, 谷端長祐「劫想論における資本勘定」産業経理 1 9在9号, p. 34 . 以下に論及がある。. -111 C 237)-.
(4) るにすぎないことになる。 それならば, 収入• 未支出という同じ会計現象に も拘らず, 一方を資本とし, 他を伯入金とするのは何故であろうか。 その理 由は会計行為の相途(前者では株主,. 後者では債権者) にあると考えられ. る。 しかし, 動的論が収入・支出計鍔を出発点とし, それによって会計構造. が解明される以上, 会計対象による項目の区分はあまり意味を有しない。 そ. れ故に, 両者は収入• 未支出の町に合められるのであるから, 動的論上は同 一祝されるものと考えてよいであろう。 臼本という会計坦象を会叶行為によ. って区分しただけである。 この1月係を図示すれば, 次のようになる。 項目. 会計行為 株主からの払込. >. 資. 債権者からの借入. >. 借 入金. 収入・支出. 本. 二. 第2図. このように, 少なくともビランツ. ・. シェ. ー. 収入• 未支出. マを見る限りにおいて, 臼本は. 独自の位性を有していない。 これが動的論における資本の特質であり, 収入 ・支出に依拠することによる問源であったのである。. そこで資本がどういう位殴I虹係にあるかを図で示すと次の通りである。. 損益計算書 内用. 収益. 貸借対照表 I. I. 未決項目1 現金. 未決項目. 1. 資本. 借入金. 第3図. -112 (238)-.
(5) 貸借対照表上,. 資本はこのように位置づけられるので,. 表現 (2) を変えた. ところで会計上の資本に特別のはたらきが付与されたかといえば決してそう. ではない。 毀本は依然として期間1員益計邸に関わりのない項目として, 貸借. 対照表に掲げられたにすぎないのである。 つまり, それは他の貸借対照表項 目と同様な性格をもち, 貸方の一項目にすぎぬのである。 担益計算上, なん. ら特別の意味を有しない。. 思うに, 資本項目はやや異質な項目であった。 動的論では貸借対照表は当. 該期間収益. ・. 費用と収入. ・. 支出の食違いを調整する, いわゆる未決項目を収. 容する場であり, かつまたそれを年期以降にひき継ぐ機能をもつと理解され. てきた。 けれども,. 「資本勘定は既に収入. ・. 支出計算に現われ, 未決項目と. は関係ない」 (3) ことが指摘されてきたのである。 それは, 損益勘定を経るこ. となく, 直接に貸借対照表に示されえたのである。 しかし, それだけでは借. 入金と異なるところはないであろう。 要するに, 貸借対照表の貸方項目はそ. れが貸方に示される限りにおいて同質である。 それがいかに表現上区別され. ても, 収入· 支出の動きの相にすぎない。 それ故に, 負債, 資本の区分すら な<' 貸方として統合されたのである。 ところで, シュ. マー. レンバッハ以降の動的論の系譜では, 概ね, 資本に対. する見方は同様の経過をたどってきたといってよい。 その理由は, 資本項目. は法律上規定されたものとして, 会計上の究明を回避してきたことによると ころが大きい。 その結果, 賓本の会計上の意義は次第に低下していった。 例 えば, 資本はもはや総資本を意味し, 貸借対照表貸方を総称するに到って, (2) 後に資本は偕入金と区別され, 次のように表現された。. I I. 借. 資. 入. 金. 本. 一→ 収入 ・ 未支出. → 資本. Schmalenbach, E., Dynamische Bilanz. 13. Aufl., Koln und Opladen 1962. S.. 72. なお谷端長前掲稿参照。 (3) 谷端長著「動的会計論」(増補版) p. 69. 参照。 -113 (239)-.
(6) 借方, 財産と対照する。 財庄が具体的であるとすれば, 質本は抽象的分類項. 財産 100 (在高). � 財産. ] T ――. 目にすぎない。この関係は次のように図示される (4) 0. 資本 100 (人) 資本. 第4図. 資本は財月?が誰によって投下されたかを示す以外のなにものでもない。 そ. れ故に, 偕入金も出臼も人の表現であり, 同列におかれ, 同質として刑解で. きることになる。そして, 粘局, 会叶上は貸偕対照表箕方項日が 一 括して理 解され, その分類は会計外の間図に委ねられる。 「丘十鰐凪たる資本が人に応. . . . . . . . .. じた財並の由来についての分類を打乍容する時, それをこの人間の法律上の要 .. 求に分け, 出資と拘束状況ならびに経営の債務状況への洞察を得るのは明白. である。」 (5) (傍点筆者)要するに, 箕惜対照表貸方項目は法律上の状況に応. じて分類された内容を表わすというわけである。 釘本に対するこのような見. 方は シュマ ー レンバッハ以後の動的論の立場にある人の通割の見解といって よいであろう。. さて, 上記の立以によると. 収入・支出の中から期間伯益叶焚に政I係のな. い項目を貸借対照表が引受ける。 つまり, 狙益計 i�c因とその存在を前捉1こし. てはじめて, 貸偕対照表が成立する。それ故, 突き巡んでいえばJ1 l益計邸書. なしには資本勘定もないことになる。 上記のような臼本勘定に対する見方 そできることなのである。 収入• 未支出としての資本が表現されるのは,. こ. は, 実は, このような批益計邸苫の認味と貸偕対照表の役割が理解されてこ. (4) Ruchti, H., Der wirtschaftliche. Charakter der Passivseie der I3ilanz. In Festschrift fur Hermenn Nattarp Karlsruhe. 1961. S. 311. Jレフチについても. 谷鉛長稿,前提稿p. 39. て論及がある。 (5) Ruchti, H., a. a. 0., S. 311.. -114 (240)-.
(7) のような意味をもつのである。 それならば,. 1閉 {翡対照表は損益計邸書なしには成立しえぬものだろうか。. もし そうで あるとすれば,. 資本勘定もなく,. 利益も 決定できないことにな. る。しかしながら, 動的論を通じて知りうる事実は必ずしもそうではない。. というのは, 祖益叶罪書のない貸借対照表のみ単式窓品によっても動的貸借 対照表であることが示唆されているからである。この場合, 動的貸借対照表. であるためには,. 貸借対照表 そのものによる 利益決定が 不可欠なはずであ. る。 そして, その利益決定は資木勘定を通じて, その変勁によってなされる ほかはない。 かく考えてくると, 前述の収入. ・. 支出の未決項目を容れる貸借. 対照表とは別の貸借対照表の様能と構造が想定されねばなる まい。 その際,. 資本勘定についても, 当然, 収入• 未支出とは異なる解釈の査本勘定が考え. られるであろう。 それは財朋と対比される資本である。「また会計計罪の意 図が財産に向けられた成果でなくても, しかし利益ないし未殴消の利益によ. って財産変動を決定することをめざすなら, それは動的貸借対照表である。 またこの場合も, 貸借対照表の目的は利益計窮である。」 (6). . . . . . . . . . . . . . .. ここにいう財肛は, それが劫的論の意味における財陀概念であることに注. 意が必要である。ともかく, 1員益計卵口によらずとも, 貸借対照表のみによ. っても利益は計算されると言う時, 批益計卵書による利益決定と異なる利益 決定機能が存する。そして そこでは, 資本の積極的はたらきが動的論上, 期 待されていると考えてよい。. ツ. ところでこのような立畠から1閉借対照表の構造を考えていくと, ・. シェ. ー. ビ ラン. マはどう解されるべきであろうか。貨幣はもとより現金そのもの. の在高となるが, 例えは支出• 未費用とされる設価については在高(取得原. 価) の培と解され得よう。 逆に借入金等の債務は 在高の減となる。要する. に, 収入· 支出の流れよりもその粕呆としての在高に力点がおかれるのであ 161 Schmalenbach, E., Dynamische Bilanz. 4. Aufl., a. a. 0., S. 80.. -115 (241)-.
(8) る 。 故 に 資本勘定は個 々 の 在高 の 増 減 の 結 果を総合的 に 表現 し う る で あ ろ う 。 そ し て こ の 期 間 的 な 変動 が 利益 と い う こ と に な る 。 資産 ー 負債 (財産在高) —→資本 こ の よ う な 資本勘定へ の 理解 は 貸 借対照表の み の 単式簿記の下 の み な ら ず, 損益計算書を も 含 め た 複 式簿記の下で も 成 り 立つ で あ ろ う 。 そ の 場合に は , 損益計算害 の も つ意 味 は資 本 の 変 動 (つ ま り 利益) の 明 細 と い う こ と に な る 。 こ の 立場 か ら す る と , 資本勘定は利益決定に 決定的 な 役割 を担 う こ と が 明 ら かで あ る 。 そ れ は財産在高の 成 り 立 ち を 明記す る 。 前述 の 考 え方が, 資本勘定を借入金 と 同 一 に み た の と 対比す る と そ れ は 大 き な 違 い で あ る 。 そ し て , 大事な こ と は , 限 定 さ れ た 意味で の財産在高→資本勘定の 貸借対照表 を も 動 的 論 は あ え て 動 的 貸借対照表 と み な し た こ と で あ る 。 以上 の よ う に し て , 資 本 は 相 異 な る 二つ の解釈の仕方が可能 と い う こ と に な る 。 た だ前者が収入 · 支 出 計算か ら 貸借対照表 の 計 算構造が解 明 さ れ る こ と に よ っ て , 確 立 し た 位置を有す る の に 対 し , 後者 は 特異 な 位 置 に あ る 。 し か し,. いずれ も 動 的 論上,. 認 め ら れ う る 資本の 見方で あ る こ と に 変 り は な. しヽ。. さ て , 二 つ の 相 異 な る 資本 の 解 釈, そ し て そ れ と そ れ ぞれ に 結 び つ く 二つ の 利益決定方式の存在 に つ い て , そ の 意義 を ど う 考 え る べ き で あ ろ う か。 動 的論で は い ず れ を も 是認 し つ つ も , 前者の方式を根本 と 考 え て い た こ と は 疑 い な い 。 つ ま り , 複式簿記 を 前提 に し て こ そ 動 的論 は そ の思考 を十分 に貫 く こ と が で き る わ け で あ る 。 た だ, 貸借対照表 な い し 損益計算書 の み の 単式簿 記 を 用 い る 企業が存在す る こ と を考 え た 時, こ と に 貸 借対照表 の み を作成す る 場合, 資 本 の 期 間 的差額 に よ る 利益決定方式の ほ か な い 。 そ れ故 に そ れが 暫定的 な方式で あ れ利益決定を基礎に お く 以上, 動 的 論 か ら み て た と え 臨 時 的 で あ っ て も そ れを是認す る ほ か は な い 。 こ の 意味 に お い て 第 2 の方式は 一 時の 措 置 に す ぎず, 動 的 論 の根本思考 か ら や や外 れ た 位 置 に あ っ た 。 し か し そ れ も ま た 動 的論 に お け る. 一. つ の 資本観 た る こ と に 変 り は な い 。. -116 ( 242 ) -. このよう.
(9) に, 励的論には二つ の 資本観が存在す る 。 それぞれがどの よう に 利益決定 に 結 び つ く か, そ れ を 以下にみ る こ と に し た い 。. IlI. 利 益 決 定 方 式ー そ の 1. と ころで,. 動 的 論 は 1J イ翡 対煎よ の 利 益計 『i- と して の 枯辿を明 ら かにした. が, 丈は貸 似対照よ そ の も の に 二 つ の 利 益 計 罪方 式 の 存 在 を 示 唆して い る よ う に 思 わ れ る 。 そ の 1 . 1又 式信 己 を 前 捉 と し た 畠 合, 利 益 は 似 益 計 邸占 と と. も に 貸 砧対屑・[表によって 二王に決定 さ 九 る 。 そ の 際,. 1ミ 借対照表 におけ る 利. 益 は どのよう に 均 か れ る だろうか。 「我 々 が 凪 紐 肋 定 を 作成し, 給 付 と 貨 用. の広買 によ っ て 利 益 を 決定す る 訂, そ し て 同 間 に 凪益勘定に計 上 さ れ ぬ 在高. を 合 む貸 伯対照表 を 作 る Iiむ, Jl l 益 勘 定 か ら 虹贄 ら れ る 残高に先ん じ て , 貸 借. 対照 表 の 残高か ら 同 4ぷにそ して i旦益 勘 定 と 同 じ 蚊値 の 利 益 が生 じ る 。」 (7) ま. た 単式約,]こを想定 し た 1均 に お いても, ;一己鯰すべ き 仝 て の 金額を1訂翡対煎表に. 記入す る と , 残高 と して 利 益が生ず る の で あ る 。 つ ま り , 1団 借対照表 の 利益. はイ翡方 と 負方 の そ れ ぞ れ の 総 計 の エ 頷 て あ る 。 これ は 式て 示 す と , 貸 借対照 表 の 借方合計 ー 1辻 似対閃表 の 貸方公計 = 利 益 に な る 。. そ の 2 . 印式節 品 を 息定 し , 貸 倍対照表 の みによって 利益を決定 す る 鳩合. は 次 の こ と も可能で あ る 。 「単式岱品が給付 と 費 用 の 確 定 や 計 冥 な しに済 ま. すこ と は , 給付 と 費 川 の エ 如 が 給付や 費 用 の 数{直 の 対照 1 こよ る た け で な く ,. 計 鉢 上 の 底 高 い わ ゆ る 在7".り の 対照 に よ っ て , 故 に 貸 儡対 照表 だ け によって 得 ら れ る こ と が で き る と いう事実に砧 囚 す る 。 こ の 森に, 資本の 払 込や資本の. 引 出 が 名応 さ れ る へ き で あ る 。」 (8) 汲する に ,. 兵 借対照表上 の 利 益決定は資. 本勘定 を 通 し て 行 う と いうこ と であ る 。 「我々が 貸 借対照表 の 中 か ら 前 期 の (71. Schmalenbach, E., Dynamische Bilanz. 4. Aufl., a. a. 0., S. 102.. (SJ. Schmalenbach, E., a. a. 0., S. 100-. -117 ( 243 ) -.
(10) 資本を引き 出 す 時,. た資本ではなく,. 本。 」. (9). 残高と し て 新 し い 資本が生ずる。 資本と し て 稼得され. 四用給付計 冥 に よ って 資本てある こ とが 手助け ら れた 資. こ こ では利益は 期末資本と期甘資本 の 差 額 である。 式で示すと, 期. 末 資本 一 期首査木 = 利 益. となる。. 前者のJ易合, 資本は負 伍項 目 となんら実質 的正沢はなく箕 伯 対照 表 の 貸 方. 項 目 と し て同 じ で あ る 。 と こ ろ が, 後者 て は 資本は仝 < 仄質で あ る 。 ビ ラ ン. /. ツ, シェ. ーマ において,. 資本勘定が収入· 未支 出 と し て借人金と 同 祝され,. 他の貸方項 目 と 同 質とされた り , 他方ては, 独立項 目 とされ た り し た の は ,. 動 的 論に ひ そ む箕借対照 表 に よ る利益決定の 二 つ の方 式 に 一 因 が あ る よ う に. 思 わ れる 。. 衷本を考えるに際 し ,. ビ. ラ ン ツ, シェ. れば, 動的 論で示される ビ ラ ン ツ , シ ェ. ーマ の分柘か ーマ. ら 出 発 し た 。 私見 に よ. には 一 つ の 前祝がある よ う に 思. わ れる。 そ れは校 式芯氾である。とい う の は , 収入 ・ 支 出 計 窮を板底 におく. と, 損益計算告に帰閲 し な い 収入 ・ 支出 を 貸 伯対照表 は 記 叔す る 諜図を担 う. からである。 つ ま り, 捐益叶 鉢書は未決項 目 を通 し て貸 伯対照 表と結 び つ い. て い る。 し か し , 勁 的 論では皐式笠 氾 に も 言 及 し , そ の 下で も 勁 的 貸 {翡対照. 表が成立 し う る こ とを 明言 し て い る 。 とすれ ば その間には, 動 的 貸 侶対照表 構迩の巽 な る解 釈 も 可能 に 溢 い な い。私 見では こ の点に資本励定の理節 の 仕 方に根本的差巽が生ずるので あ る。次 に こ の点を述べる こ とに し よ う 。. 先ず第 1 の畠合を 考 え てみ よ う 。 前節で 明 ら か に し た よ う に, 励 的 論にお. いて資本は兵質性を有 し て い た 。 投返 し 辿 べ れ ば その こ とは次の認味を も っ. て い る。 動的論か ら すれば,. 1訂翡対煎表の 内 容 は 本米は 当 該 拍益叶 狩 に 帰阻. し な い 収支の未決項 目 を示すが, 臼本 は それに 閃 係 し な い 項 目 とされた こ と. てあ る 。1ミ 伯対煎表1ミ方 頂 El と し て 0 宜本が末決項 日 でな いと い う こ とは,. そ の特異性の 一 つ で あ る。では何 故に, そ の収入は未決珀 日 と 杖I 係を も た ぬ 19). Schrnalenbach. E., a. a. 0 .. S. 87.. -118 ( 244 )-.
(11) であろ うか。 それは ほかで もなく, 捐益計 郷における収入は, たと え そ れが. 未収であっても, 財を手放した時の対価としてはじめて意味を も つものであ る。 給付 (Leistung) ないし収益 (Ert rag) がこれに相 当 する。 し か る に,. 株主か ら の払 込額についてみると, そこにはなん ら 財を手放す活動はない。 故に,. その収入は 狙益勘 定に屈さない。 大事なことは,. 収入そのものでな. く, その収入をもた ら す事 由 である。 も ち ろん, 株主は資本を払 込めば それ に対する配 当 を期 待するであ ろ う 。 しかし, 配 当 は 利益か ら 支払われるの で. ある。 そ の利益たるや費 用 と給付の結果であるか ら , 配 当 は給付とな ら ぬ。. 故 に, 資本は未決 項 目 と な ら ないとい う のが動的論の論拠 であった 00) 。 同. じことは借入金についてもいえる。. 資本項 目 の特異性をより詳細にみる前に, それが負似と同じ く 箕 偕対照表. の貸方で あることの意味を考えてみよ う 。 ジ ュ マ ー レ ンバッ ハの初 期の論稿 では貸借対照表に 関係した次のような式を示している ( 1 1) 0 資 産 = 自 己資本 (純資本) + 本来の負債 また株式会社で は. 資産 = 資本金 + 本来の負債. さ ら に, 一期間経過 後の等式として, 翌 産 = 資本金 +本来の負 債 + 利益. ここに示されるのは, 貸 借対照 表の貸 借を式で表現 し た に す ぎ ない。 あく. までわれわれの 閃 心は貸方項 目 がどう表現されるかにある。 それ故に それが. 勘定理論でいわれるような貸倍対照表等式を窓味す る か資木芍式かの論議は 問図外である。 この式 に おいて, 資本は負債とは明確 に 区 分されている。 そ. して心 目 すべき 点は , 負 俵があえて木 来の負 偵として表現されていることで. ある。 このこと は, 両者が同 じ く 貸方項 目 でありなが ら も, 本質的な追いを (10) Schmalenbach, E., Grundlagen dynamischer Bilanzlehre. ZfhF 191 9. S. 21. (11) Schmalenbach, E., Ueber die Anlage des Reservefonds. Bank Archiv 190304. 72.. s.. -119 ( 245 ) -.
(12) 明示したものとして注目に価するので ある。 そこで, 本来の負債ということ. が会計上どのような意味をも つ か, このことを次に考えなくてはならない。 既に明らかにしたように,. ビラ. ンツ , シ ェ. ーマ で は収支の未決項目と それ. に無関係の項目が存する。 しかし問 題は, 貸借ともに性質の異なる項目が存. する中 で, それらはいかにして借方項目, また貸方項目として統合されるか という点である。 先ず借方項目,. るか。. ビラ. ンツ , シ ェ. つ まり資産の各種類はいかに統合されてい. ー マ にみるように,. それらは貨幣, 給付からの債権,. 商 品 貯蔵, 購入された 図定設備などである。 それらは, はたらきとしてみて. いくなら, なんらかの貢献をもたらすものといえるであ ろ う。 シュ マ ー レ ン. バッハは財のこうした側 而を前給付とした。 かくて, 貸借対照表の借方項目 は前給付として統合される <12) 。. 他方, 貸方項目はこれと反対の意味で 統合される。 前述のように貸方は,. 本来の 負債と資本金に 区分された。 先ず負債をみると, (費用・未支出), 借入金 (収入 • 未支出),. 負債には, 買掛金. 修繕引当金 (費用 • 未給付) な. どがあるが, いずれも, 未払の給付と考えられている. <13). 0. ところ が, 貸借対照表貸方項目には負債とともに資本がある。 資本勘定は. 資本の払込 (収入) とともに, 将来, その払戻の可能性をもつであ ろ う。 っ. まり結果として, 資本は負債と同じである。 かくて貸借対照表貸方項目の全. てが後給付として統合されるのである。. ビラ. 合され れば次のように表現で きるで あ ろ う。 前. (12). 給. 貸借対照表 付. 1 後. 第5図. 給. ンツ , シ ェ. ーマ は給付として統. 付. こ のよ う な 考え方は動的 貸借対照論に 一貨 し て み ら れ る 。 Schmalenbach, E.,. Grundlagen dynamischer Bilanzlehre. a. a. 0., S. 24.. (13) Schmalenbach, E., Dynamische Bilanz. 4. Aufl., S. 119.. -120 (246)-.
(13) このよう に 劫的論は貸 偕対照表の内容 を 給付という慨念で統合し, さらに. 偕方側は未解消の前給付, 貸方側は未解 消の後給付の集 合とした。 その差が. 利益ということになる (14) 。 また, 貸偕対照表は, 「企業の力の貯蔵所」 と も. 表 現される。 すると, 貸 偕 対照表の偕方は 「積極的力」 とな り , 桔極的力の 貯政として統 公 さ れ, これに対し, 貸方は 「 消 極 的力」 であ り , 負 偵 ・ 資本. ともに 消 極 的 貯蔵として統合されること に なる。 このことを式で表視すると. 次のよう になる。. 前給付(資庄) = 後給付(負 飢 + 査本) あるいは 砧 極 的 力の貯蔵 = 消 似 的 力 の 訂蔵 利 益のも つ 怠 味 は. 前給 付 ー 後給 付 = 利 益. 勁的論が貸 惜対照表箕方を後給付として統合し, この限 り において負債,. ことに倍入金 も 賓 木 も 同 一 祝 さ れ得た。 そしてこれによ り , 資本がなに故 に 負 債と同 じ 側つ ま り 消極側 におかれ る の か がわかったのである。. とはい え 動 的 論上, 負 債と資本 は 必 ずしも同 一 視し得ないことも事実であ. る。 それは, 負 伍 が 前辿の如 く , 本来の負債と さ れて資本と対比された り ,. ま た, 「灸本勘定 は 負 似のような真丈の消 極項 目 でない。」 という表現にも現. われている。 負偵をあえて本来の負 伍として資本と区分したの は , 実は前者. が将来, 確実に債権者 の 返 祈のための支 出 を 伴うのに対し, 資本金の場 合,. 株主への 帰屈頷を表 現しても, 支出を必ずしも伴わぬからである。 要するに 両者の そうした迩いは 示 さ れても, る。. W. 力 点はむしろ 共通点 にあると考えられ. 利 益 決 定 方 式一 そ の 2. 次に励 的 論 において示された第 2 の利益決定方式. ". 04) Schmalenbach, E., a. a. 0 , S. 1 19-121. -121 ( 247 ) -. つま. り 拍益計 邸書を用.
(14) い ず に , 貸借対照表 の み に よ る 利益決定方式 に お け る 資本勘定の は た ら き を みる こ とにしよう。 損益計算書を作成 し た 場合, 損益計算書 に 関 係 し な い 収入 ・ 支 出 は 直 接 に 貸借対照表 に記入す る 。 貸 借対照表 の み に よ る 利益決定で も こ の 考 えが貫か れ る 。 そ の 際 に は , 資本勘定が重要な 位置 を 占 め る 。 で は , 資本勘定は ど の よ う な 理 由 に お い て 重要性を も つ の か, 実 は こ の こ と が我 々 の 問 題 と す る 点で あ る 。 結論を先 に す れ ば,. そ れ は 資本勘定が財. 産, そ れ も 動 的 論 の 意味 に お け る 財産を示す と い う こ と で あ る 。 そ れで は そ の 財産 と は ど う い う も の で あ る の だ ろ う か。 第 1 に資本勘定は払込資本を示 し , こ れ に 加 え 資本払戻を 示す。 利益分配 と し て支払われな か っ た 利 益 は 払 込資本 に 等 し い 。 か く て , 資 本勘定は 払込資本, 資 本 の払戻そ し て 留保利益 を示す。 こ の 意 味 に お い て の み 「資本勘定 は財産の状態 を 示す 。」 (15) と い う わけであ る 。 動 的 論 に お け る 資本勘定が 限 定 さ れ た 意味で の 財産を表現す る と い う の は , 式で示す と 次の よ う に な る 。 左辺は貸借対照表 の 借方 に 相 当 し , 右辺は 貸方を意味す る 。 財産 = 資 本 財産は資産 ー 負債を意味す る 。 財産 = 資本 と い う 立場 を と る と , 負債が資本 と 同 じ く 貸借対照表 の 貸 方 に お かれ る の は , そ れが 資産 の マ イ ナ ス と い う 意味を有す る が 故に反対 に記入 さ れ た に す ぎ ず, 資本 と の共通点 の 故で は な い 。 つ ま り 貸借対照表の借方 と 貸方は式で示せば次 の よ う に な る 。 資 産 (プ ラ ス の財産) ー 負債 ( マ イ ナ ス の財産) = 資本 こ の よ う な 動 的貸借対照表 の 意 味 に お け る 財産 は , 期 間 経過 に よ る 変化 に よ っ て 利 益 を導 く で あ ろ う 。 「貸借対照表 に基づ く 年度計算 は ,. 年度始 の 資. 本勘定の残高 か ら 年度 の個人引 出 を 控除 し , 年度 に生 じ る 資本の払込を加 U5l Schmalenbach, E., a. a . 0 ., S . 123. -122 C 248 ) -.
(15) え , 結 果を年度末の資本勘定の状態と比較することによ っ て作成される。 差. 額は利益で ある。 年度末の資本が少ない場合には損失が生ずる。」. (16). かくて,. 負債は資本とともに貸 借対照表貸方に ある。 この立場からは, 貸借対照表貸. 方項 目 の負 債 は , 資本と統合できない。. 資本勘 定 は こ う して, 資荏, 負債の単なる残余概念でない。 勁的論の意味. での財陀と資本勘定は形式的には次のように理解できる。 箕 借 対照表. 財. 迎. (資庄 一 負 栢). 資. 本. 第 6図. 財産と資本とは対照されるべきもので あ る。 それ故に, ある起点と終点と. の問の財 庇変動の結果を資本は利益として明記しうるので ある。 財産 = 資本. による利益決定方式を図で示せば 次のようになる。 とする。. 期首を t '. 期末を t + l. 資本 (t) + 資本増 ー 資本減 = 資本 (t + l). 資本増, 狩本減は資本の払込と依遠をも含める。 期首と期末の財 産 (資産. ― 負 債) は,. 資本の大き さ に 等し い から,. る。 それが 利益で ある。. 期間におけるその差額を 計 窮す. 資本 (t) ー 資本 (t + l) = 利益. 単式箔記を前提とし, 貸 借対照表から利益を埒 く 時には, 二つの貸借対照. 表が不可欠で ある。 ところで シ ュ. マー. レンバ ッ ハ は, 上記の財 産 = 資本に抵づきその変動によ. る利益決定方式を論じるのに単式窃記を前提とした。 け れ ど も, 私見によれ. ば, 単式簿氾の下でこのような 利益決定方式が可能であるなら, 複式節記の. 下でも十分に成立し得るはずで あ る。 否 むしろ, 複 式涼記においてこそ, 拍 U6). Schmalenbach, E., Dynamische Bilanz. 1 3. Aufl., S. 74f.. -123 ( 249 ) -.
(16) 益計舒む上の利益と一 致を確認すること に よってよ り 強力 な 相拠 づけを得る のでは な か ろ うか。 その 際 には財E信 を 枯成する資 庄, 負 偵 に ついての 第 1 の 方式とは異 な る枇念説定を 変するであろう ( 1 7 ) 。 店本 につ い て は 以上の応味. をもつと考えられる。. とこ ろ で, 動的論の出発点と な り, その会計 1,'り 込 UY)ぷ位を な す の は収入 ・. 支出計 邸である。 収入. ・. 支出計 仰 が 刊j捉となって, それが 年罠末 に 到 り 拍 益. 計 ぶ心と貸 伯 対照表 に 分解する。 こ の収 支 叶 符の分jj-『 こ そ 勁 的 論の支柱であ. る 期「{叫且益訂仰の 相 本 問 題で あ っ た (18) 。. 勁 的 論が こ のような息名 に立つと. すれば, ここ にある疑 問 が生 じ よう。収支叶 邸を根 底 に おいて, それを期末. に 貸 伯対照表と1且 益 計 節芯に 分jj','する こと に よって, 会計れり辿が 形成 さ れる. とすれ ば, 松 式 効 品は必要 な いのであろうか。 勁的論 に おい て 複 式 箔 氾はど. ういう位 四 を 占 めるのだろうか。 動的論に対するこのよう な 問 四 は 既に 古く. から指摘 さ れて き た。しかし, この問 屈は な お 砕約l な 検 請を要するの で 別 稿 に譲ることと して, 差 当 り, 投式節記 に お け るi行本勘定を 動的論 で はいか に. とらえられるかをみること に し た い。. 資本勘定は も と も と, 負 本の所有者 に 対して設けられて人 名 勘定たる性格. を有する。 営業者の 出 質額 を 佼 式 硲 氾 で 処理するとそ こ で は , 「所布者を他. 人として扱う こ とが必要」 (19). と い う わ け て ある。 所有名が仏祉省と迩うの. は , 利益の)品屈, そして担失の負担 に みられよう。利益が稼得 さ れれ ば所有. 者は引 き 出 す こ とがで き るし, また資本勘定に残す こ とが で き る。そこでこ. のような 利益の 由 来 を 明糾 に 品 録する必要があっ た 。. こ れが 拍 益 勘 定であ. る。それ故に, そ れは責木 勘定の 一 昂分と し て 位 四づ け ら れ た の で あ る (17). こ の見射は 既 に 古 く リ オ ン に あ る 。. (20). 0. Lion, M., Dynamische Bilanz und die. Grundlage der Bilanzlehre. ZfB 1928. S. 487 . ま た こ の 点 に つ いて, 谷端に1位i「勁. 的貸伯対照表の 三前捉」 企菜会計 12咎 1 号, p. 43. (18) 谷饂長著 「勁的会計論」 ( i将Jill版) p. 7 0. (19) Schmalenbach, E., Die doppelte Buchflihrung, Kain/ Opladen 1 95 0. S. 2 1. (20) Schmalenbach, E., a. a. 0., S. 30.. -124 C 250 )-.
(17) けれど も , 動的論 で は, 収入. ・. 支 出 計 冥か ら 出 発し. . m 益計勾を 目 的とし. た会 計の計符構辿 を 明 ら かにする。 投式笥記 も これとの関わ り において理解. されねばな ら な t ヽ。 このような立畠 に 立った 時, 資本勘定 は ど のように迎解. で き るだろうか。 営文の所有 者 が 捉 似 し た 財 i 底 例えば現金は, 現金在高と. しての収入で ある。 しかし, 複 式 袴口こ によるII 『, {翡方現金に対する貸方項 目 を 設定しなけ れ ばな ら ない。. つま. り , 臼本勘定 は . 出 資の 際 に {翡方呪金とバ. ラ ンスをとるために貸方に設定された勘 定 で ある。 そ して, これを可能にし. たのは, 紋 式芍 記 に ほかな ら ない (21) 0. か く 考えて く れ ば , 担 式笥 記 の 点か ら して, 資本勘定は負伍と は 明 ら かに. 別の も ので あ る。 というのは. 負 債 は i星かれ早かれ資庄の減 少 を もた ら す項 目 で あるが, 裟木勘定は資産減少としての性格を本来もたないか ら で ある。. かくて, f:i本勘定が 動的論の立場か ら 投 式岱記 に おいて出資された も のに対 し, 箕 似のバ ラ ンスをとるた め に貸方に設定された禎 目 とすれ ば, それがい っ たい会 叶上, どのような働き をするのかが 明 ら かにされねばなるまい。 資. 本勘定が 伯方項 目 とのバ ラ ンスを得るために設定される勘定とすれ ば, そこ. において既に資本勘定 の もつ忍味 を 表 わ しているといえる。 つま り , 査本は. 財 肛の変化をそのまま反 映する勘定て ある。 そして, 財庄培, 財疫減があれ. ば, その培 減 に限{応して資本は変 動 す る で あ ろ う。 こ の ようにみ れ ば, 資本. のはた ら き は変化にあるので はないだろうか。 励的論 は この点 に資本の特質 を求めたように思 わ れる。 かくて, 資本勘定のはた ら き は次のようになる。 「もし貸 借対照表が 時間的に妥 当 な利益決定の袖 助 手没であ り ,. 財陪紙災で. ないな ら , 資本勘定 は 実 際の財庄 を 表 わ さず, その変化の 巾 に経営利益か ら. 残った財庇培 加, 経営拍失あるいは経営 利 益 を 越える処分 に よ り 生じた財産. 減少のみを示す。」 (22) 財 並 変 化 の 象徽としての資本勘 定 が 浮彫になる。 も ちろん,. 資本勘定は ただ それだけでなく,. 株主か ら の 払込額 を 表現す. (21) Schmalenbach, E., a. a. 0., S. 50. 四 Schmalenbach, E., Literatur, ZfhF 1 909/10. S. 42.. -125 ( 251 )-.
(18) る 。 故に, 「それとともに, 会 社におけ る 資本は, 会 社の権利あ る いは その. 本質蔀分を 数値的に社員の分配す る 問題 をもつ。」 (23) のであ る 。 けれども,. 動 的論においては, 後者よりも前者の諜屈が力 説され る ことはいうまでもな. い。 つまり,. 動的論は資 本のもつ会計上の 意、 義 を主に前者に おいたのであ. る 。 そして, 財産変 化の表現こそが資 本の本質的なこととしたといってよい. だろう。 持分としての資木の性格はいわば第二義的であった。 それ 故に, 勁. 的貸 借対照表 (Dynamische Bilanz) は, 財 産 変 化 を 示す資本勘定を 通して. の利益計 顎 を 窓味したことが判明す る 。 それ故にこそ, 動的貸 借対照表は成 果箕借対照表 (Erfolgsbilanz) ともい わ れ る のであ る 。. かく考えてくれば, 動 的貸 借対照表におけ る 資本勘定のはたらきが偵務の. 保全, 持分にあ る のでなく, 変化にあ る ことを石 抜いたところに, 動 的論の. 意義があったといえ る のではなかろうか。 このようにして, 資本は持続的に 変 化 す る 勘定であ る 。 財産変化が, 時間の経過の中で知られ, あ る 時点を起. 点にす る と, 切 断 時点で相対的な変化の大 き さが知られ る であろう。 これが 利益に他ならない。 それ故に, 資本の一 定時点での大 き さというのはあまり 窓味がない。 シュ マ ー レンバッ ハ が, 資本勘定について, 絶対的な数値を示. すことは少ないというのはこうした理 由によ る のであ る. (24). 0. 資 本 勘定の意味 を払込にのみおくならば, 借入金と同等であ る 。 両 者の違. いは単に資金の提供先が株主か伯権者かにすぎない。 それ故, 払込資本が,. 会計上, 特別の意味をもつためには, 資金の提供とは異な る 次元の要囚がな. くてはならないであろう。 この理 由 は, 動的論においても, あ る 特有の財肛 概念が存在したことによ る ものであ る 。 言い換えれば, 動 的論は収益価植 ,. 売 却価値など全 体価 値に茄づく財産概念は否 認したが, 限られた意味におけ る 財並概念を是認した事実であ る 。 そして, 動 的 論において, 限られた意味. におけ る 財産の変動 を表わすものが資本勘定であった。 図 ebenda.. ⑳ ebenda.. -126 ( 252 ) -.
(19) 以 上によって, 動的論におけ る 資本勘定の も つ特異なはたらきの邸味が明. らかとな る だろ う 。 資本勘定は財朋の増減,. つ. ま り 財産変動を表現す る 。 他. 方で資本 勘 定は株主の払込額を表現してい る 。 しかし, それは財産変動とと も に 変化す る 大 き さ とい え る であろう。 それ故, 過 去の払込の大 き さ はど う. で も よく, 財 庄 変動とと も に 変 化す る 資本勘定の 中 に その本質を認めたので. あ る 。 プラスの財 江としての質 庄とマイナスの財荘としての負 偵は, 財産と して一 括 さ れ る 。 負 産 や 負 債が財肥の具体的な個 々 の変動であ る とすれば,. 負本はま さ しく その変化を総合的に表現す る も のであった。 資 本 勘 定とい う. 表 現方 法がなければ, 財庄の全体的変化はとらえられ得なかったであろ う 。. V. 利 益 決 定方式 と 利 益の意味. 資本勘 定と複 式筋氾, 単式筋記が動的論においていか に 密接に関わってい. る かは既述 の 通 り であ る 。 このこと によって 明らかなことは, 動的論が真の. 応味において支 柱としてい る のは松 式翔 品であ る ことが了解され る と思 う 。. とい う のは, 単式笥記の下では, 貸 偕対照表を作成せず拍益計 符粛のみによ る と, 未決項 目 の明 記とと も に動的貸 借対照表の意味での財 荏表示をしない. からであ る (25) 。. その結果,. 貸 借対照表を も って未解決の収入・支出, 給付. . 費 用 の 計 符として名 えた動的論の考え方が根本からくずれ る からであ る 。. また, 1足イ/'i対照表のみを作成し, 拍益計 節宮を欠く場 合には, 期問狙益計鉢. という動的論の根本理念 に 反す る ことにな る であろ う 。かくて, 勁的論は複 式 笥 記とこ そ本来, 粘び つ く も のであ る 。. ところで私見によれ ば, 箕 借対照表によ る 二つの異質の利 益 決定方式の存. 在は, 鉗に方式の違いにとど ま る ことなく, 利益の意味その も の に 迅いを も. たらすよう に 思わ れ る 。 それは次のように考 え る ことがで き る 。 (25). Schmalenbach, E., Dynamische Bilanz. 13. Aufl .. S. 74.. -127 ( 253 )-.
(20) 先ず, 第 1 の方式つ ま り. 資 産 ー (負債 +資本) = 利益. と い う 方式を み る. と そ こ で は 資本 の 積極 的 は た ら き は も は や な い 。 資本 は負債 と 性格 の 違 う も の で あ っ て も , 共 に 資 産 に 対立す る 要素 と し て 同 等 の 位 懺 に あ る 。 そ れ 故 に, こ こ で 積極的 な 意味を も つ の は 利益で あ る 。 と い う の は , 利 益 は 資本勘 定 に 属 さ ず, 独 自 の 意義を も つ と 考 え ら れ る で あ ろ う 。 利益が資本勘定 と は 独立 と 考 え る こ と は 不可解 に思え る か も し れ な い 。 け れ ど も , シ ュ マ ー レ ン バ ッ ハ は , 初 期 論稿 に お い て , 利益が資本 と は全 く 異質 で あ る こ と を 印象づ け る かの如 く ,. 「利益 は 負債 の 中 に あ る の で な く ,. そ れ は資産の 余剰価値で. あ る 。 我 々 の 貸借対照表等式を正 し く 維持す る た め , そ れ は 貸方側 に 入れ ら れ る 。」 (26) と い う の で あ る 。 そ れ故, 資 産 ー (負債 + 資本). に よ る 利益決定. 方式で は , 利 益 の 本 質 は 資 産 の 余剰価値で あ る 。 そ れ は資 本 の 期 間 的差額 と し て の 利益 と 根本 的 な 達 い が あ る 。 次 に 第 2 の方式つ ま り 動 的 論 の 意 味 に お け る 財産, そ れ に照応す る 資本 の 変動 = 利益の方式を考え て み る 。 こ の 場合, 利益 は財産変化 を示す期末資本 と 期首資本 の差額で あ る 。 言 い 換 え れ ば, 財産変 化 の 結 果資本 の 増加 あ る い は 減 少 を生 じ る 。 そ れ故 に 利 益 は 明 ら か に 資本勘定の 一 部を構成す る 。 決定 さ れ た 利 益が資本 そ の も の で あ る と す れ ば, そ れ を処分 し た 結 果で あ る 留保 利益 も ま た資本 に 属 す る で あ ろ う 。 こ の よ う に し て , 財産変化 = 資本 に よ る 利益決定方式は, 利益が資本 に 属 す る こ と を 帰着 さ せ る と と も に , そ こ で は 資本勘定が重要な は た ら き を す る こ と が 知 ら れ る の で あ る 。 こ の こ と を統合 と い う 観点 か ら , 二 つ の 利益決定方式の 異質 な 存 在 に 着 目 す る こ と が で き る 。 期末資本 と 期首資本 の差額 と し て 利益を決定す る 場合, な に よ り 大事 な こ と は 資産 ー 負債 と し て 資本の 大 き さ を 決定す る こ と で あ る か ら , 考慮すべ き は 貸借対照表貸方項 目 と し て の 負債 と 資本 は ど う 違 う かを 明 ら か に す る こ と で な け れ ば な ら ぬ。 こ の 時, 負債は資産 に 似 て , か つ そ の 00 Schrnalenbach, E., Ueber die Anlage des Reservefonds. a . a . 0., S. 72.. -128 C 254 ) -.
(21) マ イナスの性質をもつが故に. 資産と反対側におかれ. 結 果的に資本と同一. の側にすると理解するほかはない。 しかし.. 資産 ー (負債 十 資本) による利. 益決定方式では. 借方. 資 庄とともに. 貸方は負債. 資本がともに統合され ね ばならぬ こ とになる。. 以 上 の ように, 統合 (具柾の詔 禎 目 間の) という1混点から こ の二つの利益. 決定方式をみると. 全く異なる統合の仕方が得られる こ とに注意すべきであ ろ う。 そして. 動的論における貸借対照表の 内 容の解釈にいくつかの表現の. 仕方がみられ る のも こ のような こ とに理由があるものと思われる。. 動 的 論には, 資本のはたらきに対する こ のような考え方が存在しえたので. ある。 かく考えてくると. 動的論における資本勘定のもつ位置づけは一義 的. に決定し雉い。 それは一 言でいうなら. 貸借対照表における利益決定の方式 次第で変るぺきものである。. VI. 利 益 決 定方式 と 原価配分. 二つの利益決定方式がそれぞれ異なる資本の存在意義 に基因する こ とは既. 述の通 り である。 では こ のような資本の違いが何 故に起ったのであろうか。 シ ュ マ ー レンバッ ハでは,. 単式 箔 記か板 式 笥記かに よるものとした。 しか. し, それが必ずしも正しくない こ とは資本の期間 的差額として利益を求める こ とが, 複 式翔記の下でも成り立つ こ とから明らかとなった。 それ故に我々. は. 貸借対照表にお け る利 益 決定方式としては果していずれが本来のものか. をよく考える必要がある。 つま り , 未決項目と祖益計窮を通 過しない収入 ・. 支出 項 目 を容す る 貸借対照表と財庄 = 資本を示す貸借対照表が. それぞれい. ついかなる状況の下で適用 で き るものかを考えてみなければならぬだろう。. 第 1 の利益決定方式では, 前述のように資本の意義が失われ, 同時に, 負. 似との佐異がな< . また資 産の諸項 目 の分別もあいまいである。 こ のような. 結 果に到るゆえんも, 貸 借対照表が狙益計狩霊に該当 しない収入・支出や未. -129 ( 255 )-.
(22) 決 項 日 を表 現するJ品でしか な い か ら である。 そ れ は か り か, 利 益 ぱ 貸 侶 対閃. 表の貸借の残にすぎず, m 益 計 仰昌で決定 さ れた利益を15: 侶対照 表に写しか えただけの砥味しかなくなってしま う 。. ところで, 1足 {翡 対照表 に お け る上品 の 閻 凶 は lt'71 定望i .1 免費 rn の 決 足 : こ 最 も よ. く現れてく る と思 わ れる。 取得され た 政 (11/l に つ いて, 当 該期 間 此 川 (減 価 紅 却) にならな かった部分は 1足 侶対照表に収容 さ れる ( 同 定 直 I'砂) ;!;J訊叶iii頷) 。 そして, それ は 最終的 に 廃 菜処 分され, 泊 滅する。 こ の 使 用 期 間 中の費用 の. 大 き さ をど う 決定するか に ついて は , ilj心 分という方 法 を と る。 記 分 の 苫しい ―. 肋 歓 は , 取 得ii!」こ点に おいて 愕 末 の 紘 紅『(買 却 費 の 大 き さ が 賊 : こ 汰虞 す る こ と て あ る。 故にそ の 計 邸 要 索たる耐用 年 数 も 銭存 価 紐 も不冊定で あ る。 しかし,. 最も大 き な似L�』は, 設 価の仙用 期 間 l中 に 恥価がど う 記 分され る べ き か その払 準が不 明 なことである。 動 的 論 は も とよ り Jリ]Ii\] Jl.lぶ伍, 1- rr を 力 砂訊し, 当 該 期 間. へ の 止しい費 用 の 叶上を択木諜屈とした。 その ,己味 に お い て , 1国分 の 仕方 は 自 ら1札淵な会 はH打]}国を似示する こ とになった。 それが1予米へのア プ リ オ リ な. 決 定 に よる限り に おいて, そ こ にみ ら れるのはある伽州 ( 例 え は . J!.J· vJ 凪 託. が経過するパ タ. ー. ン ) にす ぎ ず , 恣 ぷ此 を 有 する。 そ の 糸,'i 呆, 減 価 訊 却 此 は. どのような会 汁 状況を反映するのか ,意味を失う こ とにな るU) で ある。. こ れに対し, 第 2 の利益決定方式では. 釘 本 額 の 広として 利益 が 汰 定 さ れ. るのであるか ら , も とより資木なくして は 利益が;; \· �/で き な い の で あ り , そ. の存在忍義 は 明 快で あ る。 貸 伯 対照 表 の (/.'iカ プ ラ ス )!オ花と 1 閉カ. マイ ナ ス )I. 応 J. が簡定し. そのJ竹 減の結 果として資 木 が 示 さ れる。 そして 期 間 的 変 化 が 利 益 として計邸 さ れる こ とからして,. 勁的 箕 借対照表とい う に 価する。 そ 札 故. に. 私 此ではこの方 式 は決して 杜 視 さ れ . ん 過 さ れ る べ き で な い 利益 汰 定方. 式のように思 わ れる。 加 えてい え ば, 在高を示し, そして そのJ竹減 を 社.L A 内. 記でと ら え , そ の 結 果を資本で表現すると き に 1\ 伯対閉 表 の 本 米 の 姿が あ る. よう に 息 え るからである。. 1沼翡対照表 に よ る 利 益 決丸 と いう11 j' ,. この よ う な. 資 本の存在必、氏 を 名 え ずして は 不可能 な ので あ る ま いか。 こ の 刑 由 は 第 1 Ci). -130 ( 256 ) -.
(23) 利益決定方式に おけ る 質本と 対比することに よっていっ そう 明らかとなっ. た。. この方 式の特徴は囚 定資 肪 費 用 の決定に も 現われる。 というのも, 設備が. 取得 (支 出 ) さ れ る のは, 会計行為の結果であ る 。 それは支 出 の結果得られ. た財 庄の在高 (物 の 凪) である 。 屈咋の在高はま さ し く 評価であ る 。 してみ れば, 期 間 経過後の 期末に は,. 当 該 没価を 取得した も の として評価しなけ. れば な らな い 。 つ ま り, シ ュ マ ー レンバ ソ ハが示した設価の ビ ランツ , シ ェ. ー マ , 支出· 未 費 川 は , 期 末 に 当 該 設 備を取得 (支 出 ) したと想定すること. ができ, 故にそれは取得価額で評 価されるであろう。 減価 伯却は期 問の評価. 額の差であ り , 配分は成立 し な い 。 第 1 の 利 益 決定方式では配分の選択基準. があいま い で, 恣 怠的でどのような会計事象をとらえ る のか不 明であったの. に対し, 第 2 の方式では, は っ き り と減 価 伯 却が財産評価のこであることが 判 明するのであ る 。 それならば. この利益決定方式の下ではいったい設備の. 減価 伯却はどのような方法でな さ れるのだろう か。 それにはなによりも 「こ のような計 邸方法に到 る ため に , 我々は そうした貸 偕対照表上の評価の甚礎 とな る べき 法 則 を 知らね ば な る まい。」 (27) そこで.. 箕 借対照表の偕方のプラ. ス財 庄の性格がどういうものであったかが愁起 さ れねばならな い 。 すると, プラスのJIオ 性 は 在 高としてとらえられ, それは手に入れた取得価額であり,. 物の贔0) それ故に, 支 出 によ る 叶 仙額とみてよいであろう。 つまり, 設備は. 支出によって測定 さ れ る 。 とすれば, 期 間 経 過後の設仙もまた 当 該設仙 (経 過 後 の 設仙 そのもの) 取得した時の大 き さ で表現 さ れ る であ ろ う。 その結果,. 減価 伯却は次 の 方 法で計 狩 さ れ る 。 設価の取得価額と 期 間 経過後の 当 該設備. の取得価頷と の ふ が減価 屈却。 これが第 2 の利益決定方式の下での減価伯却. であ る 。 それは配分でなく評価である。. ところで, 第 2 の資本, 利益決定方式 は もともと単式笥記を前祝において. 図 Schmalenbach, E., Dynamische Bilanz . 4. Aufl., a. a . 0., S. 105. な お こ の点 に つ い て は . 前述の リ オ ンの文献 に示 さ れ る 。. -131 ( 257 ) -.
(24) 述べられたものである。 それ故に, 評価による減価 償却もそうした前提の下. においてのみ妥 当 し,. 一. 般的でないと考えられるかもしれない。 しかし, 前. 記のように, たとえ貸借対照表のみの利益決定によった時にも, 捐益勘定の. 存在を取定した 内容をもつ 貸借対照表 であることが 嬰請 さ れた。 し て み れ. ば, 以上の利益決定方式は複 式芯記の下でも 当 て はまるわけである。 板式簿. 記の下でこそ, 利益の一 致という検証を得るのであるから, 利益決定を 旨と する動的論にふ さ わしいといえよう。 要するに, 単式笥 記か複式翔記かとい. うことはこの場合に第 一 義的でしかな < ' 大事なことは, この利益決定方式. では減価償却が評価の方法に帰浙することなのである。 この利益決定方式は 必ずしも動的論の正統的な位脳を 占 めたわけでなく, いわば異端であった。. 評価に 基づく減価依却計算も 決して 積極的かつ十分に 示 さ れたわけではな. い。 従って , このような減価償却の可能性も, その論理を推し進めることに. よって存在を認めることができるのである。. ともかく, 動的論は減価償却について , 評価が実際上, 困 難であるからと. の理由で配分の方法を採択したのではないことが了 解 さ れよう。 配分も評価 もともに減価償却の方法としてあり得たのである。 問 頴は, それにも拘らず なに故に動的論は配分に重点をおいたかということになる。 このことは, も ち ろん, 第 2 でなく, 第 1 の利益決定方式がなに故に動的 論の核心となった. かという問題に ほかならない。. 動的論の立場から二つの異なった資本 • 利益決定方式は決して送択と さ れ. たわけではない。 あく までも第 1 の方式が動的論本 来の利益決定方式であっ. た。 ただ, 貸借対照表のみが作成 さ れる時には資本額の差として 利益を計算. する ほかはない。 それ故に, 動的論では単式簿記において は第 2 の利益決定. 方式の成立を認めたのであった。 減価依却が評価でなく, 配分であるという のもそれに結 び つく考え方である。 このような結果になるのは第 1 の方 式が. 第 2 の 方式に比べ て 勁 的 論上 意味のある 会計数値を提供しうるからであろ. う。 つまり, 動 的 論上, 第 2 の方式にはなく第 1 の方式によって の み 満た さ. -132 ( 258 ) -.
(25) れ る あ る 何 かが表現 さ れ得 る か ら で あ る 。 減価償却 に お い て , 評価 に対 し 配 分 の 方が意味 あ る 会計数値を表現 し う る か ら で あ る 。 そ こ で 問 題 は , こ の方 法を通 じ て 得 ら れ る 会計数値の 内 容 そ の も の に あ る 。 先ず第 1 の 利益決定方式で は 何 を と ら え た と い え る だ ろ う か。 こ の方式で は , 貸借対照表 は 収入 ・ 支 出 と 当 該 期 間 の 収益 · 費用 と の 食 い 違い を調整す る 機構 の 性格を有 し , 借方 は前給付に, 貸 方 は 後給付 と し て 統合 さ れ, 収入 ・ 支 出 で表現 さ れ る の で あ る 。 例 え ば. 所有す る 商品 に つ い て は , 支 出 • 未 収入 と し て 表現 さ れ る 。 こ れ は, 一言で 言 え ば, 会計行為 に よ る 物 の 増 加. 減少を収入 ・ 支 出 (価格) で 表現 し た に 等 し い 。 周 知 の 如 く こ こ で言 う 収入 ・ 支 出 が 収入. ・. 支 出 そ の も の で な < ' 価格を意味す る こ と は 既 に解 明 さ れて. い る 。 し て み れ ば. 動 的 論 の 立 場 に 立 っ た 損益計算書 と 貸 借対照表 の 説 明 か ら し て, 前者 も 後者 も と も に 価格を表現す る こ と が い え る 。 そ し て そ れ は ま さ に会計行 為 か ら く る 物 の 量の増減 と 対 に な っ た 価格で あ る 。 す る と 動 的 論 が意図 し た 表 現 内 容 は . 収支 と い う 価格を対比す る こ と に よ っ て . 余 剰 を 測 定す る こ と に あ っ た と い え よ う 。 こ れ に 対 し , 第 2 の方式で は 貸 借対照表 の 借方 は プ ラ ス の財産在高. 貸方 は マ イ ナ ス の財産在高で あ り , そ の 差額 と し て資 本が あ る 。 そ れ は 会計行為 の結 果. 増加 し た 在高で あ り , ま た 減少す る 在高で あ る 。 そ れ は 物 の 量 の 増 減 そ の も の で あ り , あ く ま で 会計行 為 の 結 果 と し て表現 さ れ る 。 そ し て . そ の 結果を総合的 に表現 し た の が資 本で あ る 。 か く し て , 会計行為 の 結果 た る 資本が 前 の そ れ と 比較 さ れ る こ と に よ っ て 利益が示 さ れ る 。 こ の こ と か ら , 第 2 の方式が物 の 量の増減 そ れ 自 体を と ら え よ う と し て い る こ と が分 る 。 繰返 し 述べ れ ば 動 的 論 は 第 1 の 利益決定方式を 力 説 し た 。 以 上 の 議論 に よ っ て 動 的 論 の 意 図 が何 に あ っ た か は も は や 明 白 に な る と 思 う 。. -133 ( 259 ) -.
(26) Vll. 結. 論. 動 的 論 は 貸借対照表 に 二 つ の 異 な る 資本 一 利益決定の方式を想定 し た 。 第 1 の方式で は , 収入 ・ 支 出 計算 か ら 出 発 し , 期 間 損益計箆 に 関 係 し な い 項 目 (未決項 目 ) が 貸 借対照表 に 収容 さ れ る 。 そ し て,. 貸借対照表の 借方合計 と. 貸方合計 の差額が利益で あ る 。 そ の 際資本 と 負債は 貸方項 目 と し て 同 一 次元 に お かれ,. 資本 の 独 自 の 意味 は な い 。 第 2 の 方式で は ,. 資産 ( プ ラ ス の 財. 産) と 負債 ( マ イ ナ ス の 財産) の 差 を表現す る 資本 の 期 間 の 変動 が 利 益で あ る 。 こ の 方式で は , 利益決定 に資本が直接 関 係 し , 主 た る 役割 を な す 。 い ず れの方式 も 動 的 論 の 立場 か ら 是認 さ れ, ま た そ れ に 適 う も の と さ れ た 。 し か し な が ら , 動的論は専 ら 第 1 の方式に力点 を お いて,. 2 の方式は 単式簿記の. 場合 に 限定 し た 。 そ れ故 に , 資 本 は 借入金 と 同 じ 位 置 に お かれて, 貸借対照 表貸方 と し て埋設 し た 。 資本勘定が動 的 論 に お い て そ の 存在意義 が 稀蒋化 し た の も こ の よ う な 経緯 に よ る の で あ る 。 そ れ な ら ば 動 的 論 は な に 故 に 1 の方式を 重視 し た の で あ ろ う か。. もちろ. ん , そ こ に は 複 式海記を前提 と し た 2 の方 式 よ り , い っ そ う 理論的 に整 っ た 考 え 方で あ る こ と に も 理 由 が あ ろ う 。 け れ ど も , 既述 の よ う に ,. 2 の方式も. 複式薄記の下 で こ そ 強 力 な基盤を も っ て い る 。 と す れば , こ の 理 由 は 別 の も っ と 深い と こ ろ に 求め ね ば な る ま い 。 実 は こ の こ と は , 動 的論が会計事象 に つ い て何 を ど う と ら え た か に 関 係 し た 。 第 1 の方式は 会計行為 を収入, 支 出 を 通 し て と ら え , 第 2 の方式は 会計行為 の 結果か ら 生 じ る 物 の 星 そ の も の の 増 減 を と ら え た 。 前者は そ れ を 収入, 支 出 の額で表現 し , 後者 は 在高で表現 し た 。 ま さ し く 動 的 論 は 前者を重視 し た の で あ る 。 そ し て そ れ は , 表現方法 と し て の 収支は収入 ・ 支 出 そ の も の で な く , 事 由 を 示す と さ れ る こ と か ら し て , 物 の 量の増減 と 一対 に な っ た 収支 を 示 す 利益 決定方式 と 考え る こ と が で き るであろ う 。 -134 ( 260 ) -.
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