〈論文〉FTAにおける原産地規則についての一考察--韓米FTAと韓EU FTAの原産地規則の比較
全文
(2) 第59巻. は. 韓 国 が2002年. 以 降,同. じ. 第3号. め. に. 時 多 発 的 に 自 由 貿 易 協 定(FTA:FreeTradeAgreement)を. 進 す る こ と に な っ た 背 景 に は,FTAだ. 推. けが 厳 しい世 界 市 場 で 生 き残 る た め の手 段 にな る. と い う こ と に 対 す る 理 解 と 期 待 が 反 映 さ れ た 結 果 だ と 考 え られ る 。 さ ら に,韓. 国 は,相. 対. 的 に 狭 い 領 土 と 乏 し い 天 然 資 源 に よ り,経 済 発 展 の た め に は 輸 出 に 頼 ら ざ る を 得 ず,FTA が 必 要 と す る 市 場 を 創 造 す る 唯 一一 効 果 的 な 方 法 で あ る と 考 え られ て い る 。 そ こ で,韓. 国 は,2004年4月,チ. リ と のFTAを. 初 め と して,シ. 月),EFTA(1)(2006年9月),ASEAN(2007年6月 2009年9月. 投 資 協 定),イ. 商 品 協 定 ・2009年5月. ン ド(2010年1月),EU(2011年7月),ペ. 米 国(2012年3月)とFTAを こ と に よ り,FTAに. ン ガ ポ ー ル(2006年3 サ ー ビ ス協 定 ・. ル ー(2011年8月),. 発 効 さ せ た 。 こ の よ う に 韓 国 が 多 国 間 でFTAを. 締結す る. 必 要 と され る原 産 地 認 定 規 則 に 対 す る関 心 が 産 業 界 を 中心 に高 ま っ. て い る 。 こ の こ と は,FTA締. 結 に 伴 う原 産 地 認 定 の 範 囲 に 応 じて,対. 象 品 目 ご と に適 用. 関 税 率 が 異 な る こ と に 基 づ い て い る 。 こ の よ う な 原 産 地 認 定 の 範 囲 に 応 じた 特 恵 関 税 率 は, 企 業 の 直 接 投 資 と輸 出取 引 を含 む 海 外 志 向 企 業 の 経 営 全 般 に影 響 を 及 ぼ す こ と にな る。 ま た,FTAの. 原 産 地 規 則 は,関. 税 障 壁 が 低 く な り,域. 的 待 遇 を 決 定 す る 主 要 な 基 準 に な る こ と で,貿. 内 産 品 と域 外 産 品 に 対 す る 差 別. 易 制 限 措 置 の 実 効 性 を 確 保 す るた めの 手 段. と 考 え られ て い る 。 こ の 場 合,原. 産 地 規 則 は,域. 外 産 品 につ いて 取 引 障 壁 の 原 因 にな る と. 分 析 さ れ て い る 。 こ の よ う に,原. 産 地 規 則 は,域. 内 の 貿 易 と 投 資 拡 大,及. 業 の 発 展 な ど の 経 済 的 効 果 を も た らす 役 割 を 果 た して い る 。 特 に,多 れ,各FTAの. 原 産 地 規 則 が 同 一 品 目 に つ い て,各. び特 定 の 部 品 産. 数 のFTAが. 国 ご と の 協 定 を 結 ぶ 際 に,保. 国 産 品 が 異 な る こ と に よ り生 じ た 関 税 率 の 差 が 関 税 率 に 一 貫 性 が 取 れ な い 状 態,い ス パ ゲ ッ テ ィ ・ボ ウ ル 現 象(spaghettibowlphenomenon)(2>を. (1)EuropeanFreeTradeAssociation:ス ン との 欧 州 自 由貿 易 連 合 。. イ ス,ノ. ル ウ ェ ー,ア. 締結 さ 護す る自 わ ゆる. 呼 び 起 こす こ と にな る。. イ ス ラ ン ド,リ. ヒテ ン シ ュ タイ. (2)複 数 のFTAを 締 結 す る こ と に よ っ て 実 際 の 貿 易 の 際 の 行 政 コ ス トが 増 加 し て,円 滑な貿易が か え っ て 妨 げ ら れ る 可 能 性 が あ る 。Bhagwatiは この 現 象 を ボ ウル の 中 で 複 雑 に スパ ゲ ッテ ィが 絡 み 合 う 状 態 に 例 え て,ス ま た,BhagwatiはWTOの. パ ゲ ッ テ ィ ・ ボ ウ ル 現 象(spaghettibowlphenomenon)と 呼んだ。 世 界 で は,WTO加 盟 国 の 産 品 で あ れ ば,ど この 国 の 産 品 で も同 じ. 関 税 率 が 適 用 さ れ る た め,原 産 地 規 則 が 通 常 は 意 味 を 持 た な い の に,FTAで は特 定 国 の 産 品 だ け 関 税 が 軽 減 ・撤 廃 さ れ る 品 目 を 特 定 す る た め に 原 産 地 規 則 が 意 味 を 持 つ こ と に 着 目 す る 。 こ の 仕 組 み の た め に 経 済 効 率 性 に 基 づ く最 適 な 生 産 ネ ッ ト ワ ー ク に 優 劣 が 付 け ら れ な い よ う な 人 為 的 な 生 産 ネ ッ ト ワ ー ク が 作 ら れ る こ と をFTAの 問 題 点 で あ る と 主 張 した 。(Bhagwati,Jagdish (1995)"U.S.TradePolicy:TheInfatuationwithFreeTradeAreas",inJagdishBhagwati/ -172(1298)一.
(3) FTAに 現 在,FTAの. お け る原 産 地 規 則 につ いて の 一 考 察(李). 数 が 急 増 し て い る に も か か わ らず,原. ん で い な い 。Krueger(1999)(3)に 原 産 地 規 則 は,生. よ れ ば,各FTAに. 産 地 規 則 に 関 す る研 究 が あ ま り進 よ り基 準 の 適 用 方 法 が 異 な っ て い る. 産 者 は 特 恵 的 な 貿 易 自 由 化 の メ リ ッ トを 享 受 す る た め に 域 内 生 産 や 中 間. 財 の 域 内 調 達 を 増 加 させ る た め,原 産 地 規 則 は 中 間 財 に 対 す る 「偽 装 さ れ た 保 護 主 義(hiddenprotection)を. 生 み 出 し,中. 間 財 市 場 や 企 業 の 直 接 投 資 行 動 に新 た な 歪 み 」 を 生 じさ. せ る と 論 じて い る 。DorotheaC.Lazaro&ErlindaM.Medalla(2006)(4)は,原 則 の 活 用 とそ の 発 展 の 歴 史,ま. 産地規. た今 後 の 原 産 地 規 則 の発 展 方 向 につ い て論 じた 。NamPungwoo・. AnnJyejin(2007)はEUの. 原 産 地 規 則 を 分 析 し,韓EUFTAで,特. 恵 原 産 地 規 則 に関. す る 統 一 基 準 を 設 け る こ と が 重 要 で あ る こ と を 指 摘 した(5)。 こ れ ら の 分 析 結 果 と して,韓 EUFTAの EU貿. 原 産 地 規 則 の 特 徴 は,そ. の 規 定 の 体 系 に お い て 議 定 書 方 式 を 採 用 し な が ら,. 易 委 員 会 に原 産 地 議 定 書 の 改 正 の 権 限 を 付 与 した もの と見 られ る こ とを 明 らか に し. た 。 続 い てJungJaewan(2008)は,国. 際 貿 易 に 適 用 さ れ る 完 全 生 産 品 基 準 に 基 づ く原. 産 地 規 則 に 関 す る 考 察 か ら対 外 貿 易 法 と 関 税 法,い 全 生 産 品 基 準 の 内 容 を 分 析 し,そ ま た,ア. くつ か のFTA協. 定 文 を 考 察 して,完. の 問 題 の 解 決 策 を 模 索 し た(6)。. ジ ア 地 域 を 対 象 に 原 産 地 規 則 を 研 究 したJoJeongran(2010)は. 原 産 地 規 則 の 比 較 に つ い て 分 析 し,韓. 日FTAの. 交 渉 時 に 原 産 地 規 則 の 設 定 の 基 本 的 フ レー. ム ワ ー ク を 提 供 し た(7)。KimSeokho・JungJaewan(2010)は 体 系 の 簡 素 化 に 関 す る 研 究 で,韓 税 特 別 法 な ど 多 様 に 存 在 す る が,統. 韓 国 と 日本 の. 特 恵 原 産 地 に関 す る法 律. 国 の 特 恵 原 産 地 規 則 は,関. 税 法,対. 外 貿 易 法,FTA関. 一一さ れ て お らず 別 々 に 規 定 さ れ た も の が 多 く,原. 関 連 法 令 の 適 用 で 混 乱 が 生 じて い る と 主 張 し た 。 彼 らの 研 究 で は,こ. 産地. の よ うな 問 題 を 解 決. す る 選 択 肢 と して 原 産 地 規 則 の 統 一一 化 と関 税 法 体 系 に特 恵 原 産 地 規 定 を 収 容 す る単 一 の 立 法 シ ス テ ム が 必 要 で あ る こ と を 主 張 した(8)。 こ の よ う に 韓 国 の 開 発 途 上 国 を 中 心 と して 締. \andAnnO。Krueger(ed.),丑. θDα ηg8zo配 ∫D峨. ∫oP君 罐r翻'01肋48Agr88〃. 昭η悶1-18,Washington. D.C.:AmericanEnterpriseInstitute.) (3)AnneO.Krueger(1999)"FreeTradeAgreementsasProtectionistDevices:Rulesof Origin",inJamesMelvinetal.(eds。)7rα46,τ ノo加Cぬ. 加ory侃4Ecoηo〃. 観rlc63,E∬. αy∫ 加Hoηor(ガ. ψ 配 αη,Routledge,London.. (4)DorotheaC.Lazaro&ErlindaM。Medalla(2006)"RulesofOrigin:EvolvingBest PracticesforRTA/FTAs,"D'3c麗. ∬'oηPα1フ6r∫. 副6&No.2006-01,PhilippineInstituteforDe-. velopmentStudies,pp.1-18. (5)AnnJyejin・NamPungwoo(2007)「. 韓EU原. 産 地 規 則 の 特 徴 と 対 応 法 案 研 究 」 『貿 易 学 会. 誌 」。 (6)JungJaewan(2008)「. 国 際 貿 易 で 適 用 さ れ る 完 全 生 産 基 準 に 関 す る 考 察 」 『韓 国 関 税 学 会 誌 』。. (7)JoJeongran(2010)「. 韓 国 と 日 本 のFTA原. (8)KimSokho・JungJaewan(2010)「. 産 地 規 則 の 比 較 分 析 」 『貿 易 学 会 誌 』。. 特 恵 原 産 地 立 法 体 系 の 簡 素 化 に 関 す る 研 究 」 『租 税 研 究. フ ォ ー ラ ム 』。. -173(1299)一.
(4) 第59巻 結 され たFTA原. 第3号. 産 地 規 則 に つ い て 研 究 して い るが,韓 米 と韓EUの. よ うな 巨大 国 の 原 産. 地 規 則 を比 較 研 究 した論 文 は,筆 者 の 知 る と こ ろ皆 無 で あ る。 本 稿 で は,FTAの. 本 質 的効 果 を 推 進 させ る た め に は 原 産 地 規 則 の正 しい理 解 が必 要 で. あ る と い う観 点 か ら,韓 国 が 締 結 した韓 米FTAと. 韓EUFTAを. 研 究 対 象 と して,そ の. 原 産 地 の 決 定 基 準 につ いて 検 討 した。 韓 米FTAを. 選 択 した背 景 に は,米 国 は韓 国 の 主 要. な 貿 易 パ ー トナ ーで あ り,米 国 市 場 の 規 模 と今 後 の 可 能 性 を 考 え る と,持 続 可 能 な 貿 易 相 手 国 で あ るか らで あ る。 第 二 に,韓EUFTAに. つ い て は,EUは. 現 在,韓 国 の 二 番 目 に. 大 き い貿 易 相 手 国 で あ るか らで あ る(9)。これ ら2地 域 は先 進 国 ・地 域 とい う共 通 点 は あ る が,経 済 的 環 境 や 構 造 が 異 な り,特 に原 産 地 規 則 が 異 な る経 済 圏 で あ るた め,比 較 研 究 対 象 と した。論 文 の 構 成 は,1で 韓 国FTAの. は,原 産 地 規 則 の概 要 と先 行 文 献 を紹 介 す る。続 くHで は,. 米FTAと. 原 産 地 規 則 の 内容 と既 発 効 のFTAに 韓EUFTAの. つ いて 比 較 す る。 そ して,皿 で は,韓. 原 産 地 規 則 を分 析 して,韓 米FTAと. 韓EUFTAの. 原産地決定. 基 準 を比 較 し,対 応 を 考 察 し,お わ りに お いて 統 括 す る。. 1原. 1原. 産地規則の概要 とその重要性. 産地規則の概要. 原 産 地(CountryofOrigin)と. は,関. 税 の 賦 課,徴. に お け る 特 恵 貿 易 協 定 な ど が 定 め る 基 準 に 基 づ い て,物. 収 及 び 減 免,輸 品 の 生 産,加. 出入 物 品 の 通 関 等 工,製. 造 な どが 行 わ. れ た もの と み な す 国(国. 家 連 合 や 経 済 共 同 体,ま. ま た,原. 出 入 物 品 の 原 産 地 を 決 定 す る た め の 規 定 及 び 手 続 き と して 物 品 に. 産 地 規 則 は,輸. 対 す る 国 籍 を 判 定 す る ル ー ル で あ り,現 で は な く,各. た は 独 立 した 関 税 領 域 を 含 む)を. 状 で は国 際 的 に共 通 す る十 分 に整 理 され た ル ー ル. 国 又 は 各 地 域 貿 易 協 定 に 係 る 地 域 が 独 自 に 定 め て い る 。 こ の た め,原. 則 に つ い て は,物. い う⑩。. 産地規. 品 の 貿 易 に 関 す る 国 際 的 な ル ー ル で あ るGATT(GeneralAgreement. onTariffsandTrade:関. 税 及 び 貿 易 に 関 す る 一 般 協 定)に. す る 固 有 の 規 定 は 存 在 しな い(ll)。 ま た,GATT以. お い て さ え,原. 産 地 規 則 に関. 外 の 国 際 規 約 と して は,関. 税協力理事会. (9)韓 国 に と っ てEUは 中 国 に 次 ぐ 第 二 の 輸 出 先 で あ る。 し か も,対EU貿 易 収 支 は黒 字 基 調 が 続 い て い る 。 韓 国 の 対EU輸 出 の 上 位10品 目(2010年)は,船 舶(輸 出 金 額 全 体 に 占め る シ ェ アは 25.4%),液. 晶 パ ネ ル(10.1%),乗. 積 回 路 半 導 体(3.8%),個. 用 車(6.2%),自. 別 素 子 半 導 体(3.0%),軽. 脂(1.7%)で あ る 。 こ れ ら の 上 位10品 とが わ か る。 ⑩ (ID原. 油(2.7%),カ. を 除 く。 -174(1300)一. 〔法 律 第8852号. 線 電 話 機(5.6%),集. ラ ー テ レ ビ(2。3%),合. 目 だ け で 累 計 シ ェ ア は66.5%と. 自 由貿 易 協 定 履 行 の 関 税 法 の 特 例 に関 す る法 律 産 地 の 表 示 に 関 す る 第9条. 動 車 部 品(6.2%),無. 成樹. 特 定 品 目に 集 中 して い る こ. 〕 第2条4項. 。.
(5) FTAに. お ける原産地規則 につ いての一考察(李). (WCO:WorldCustomsOrganization)の. 「税 関 手 続 の 簡 素 化 及 び調 和 に関 す る国 際 規. 約(京 都 規 約)」 の不 可 分 の一 部 と され る付 属 書 ⑫が 存 在 す るが(③,同 改 正 京 都 規 約 の 原 産 地 規 則 に関 す る付 属 書 は,WTOで. の 原 産 地 規 則 を調 和 す る作 業 が 終 了 した 後 に再 度 見 直. す こ と を前 提 と して 必 要 最 小 限 の 見 直 しが 行 わ れ た もの で あ り,国 際 規 約 と して の 拘 束 力 は限 定 的 な もの とな って い る。 この た め,原 産 地 規 則 につ いて 国 際 的 に共 通 す るル ー ル が 十 分 に整 理 され て いな い こ とを 背 景 と して,様. 々な 貿 易 上 の 問 題 が 生 じて い る。 原 産 地 規. 則 は,協 定 ・法 令 等 の 区 分 に従 って 大 き く分 け る と,特 恵 分 野 に係 る もの と非 特 恵 分 野 に 係 る もの が あ る。 FTAで. は,加 盟 国 間 の貿 易 に対 す る関 税 は撤 廃 さ れ る が,非 加 盟 国 との貿 易 に関 して. は,加 盟 国 は独 自 の 関税 を適 用 す る。FTAは. 加 盟 国 で 生 産 され た物 品 に つ い て 免 税 と い. う形 で 優 遇 す る制 度 で あ るが,非 加 盟 国 で 生 産 され た物 品 が 関 税 率 の 低 い国 を 経 由 して 関 税 率 の 高 い 国 に輸 出 され る可 能 性 が あ る。 この よ う な ケ ー ス を迂 回 貿 易 と言 うが,FTA に よ る加 盟 国 に対 す る優 遇 措 置 が 意 味 を 持 たな くな って しま う。 そ こで,迂 回 貿 易 を 防 ぐ た め に,FTAを. 利 用 す るに は 貿 易 され る物 品 が加 盟 国 で 生 産 され た物 品 で あ る こ とを 説. 明 す る原 産 地 証 明 を 提 出 しな けれ ばな らな い。 この 原 産 地 証 明 を 取 得 す る に は原 産 地 規 則 を満 たす 必 要 が あ る。 そ の 際 ObtainedCriterion)と. 原 産 地 を 設 定 す る基 準 と して は,完 全 生 産 品基 準(Wholly. 実 質 変 更 基 準(SubstantialTransformationCriterion)が. あ. る。. 2完. 全 生 産 品 基 準 と実 質 変 更 基 準. 完 全 生 産 品 基 準 と は,FTA締 の 基 準 は 主 に 農 産 物,動. 植 物,鉱. 結 国 領 域 内 で,完. 物 な ど に 適 用 さ れ て い る 。 他 方,実. 品 の 生 産 に お い て 第 三 国 か らの 輸 入 原 材 料(非 に原 産 地 資 格 を付 与 す るの に十 分 な る 。 そ して,こ 第1は. 全 に生 産 され る こ とを 要 件 とす る。 こ. の 実 質 変 更 基 準 は,さ. 原 産 材 料)が. 質 変 更 基 準 と は,産. 用 い られ る 場 合 に,当. 該産品. 「実 質 的 な 生 産 ・加 工 作 業 」 の 内 容 を 定 め た も の で あ ら に 次 の3つ. の 基 準 に分 類 され る。. 「関 税 分 類 変 更 基 準(CTC:ChangeinTariffClassification)」. で あ る。 国 際. 的 に 取 引 さ れ る 物 品 に は,HS(HarmonizedCommodityDescriptionandCodingSystem)条. 約 に よ り,品. 料 と,最. 終 的 な 産 品 の 関 税 分 類 番 号 が 異 な れ ば,「 実 質 的 な 変 更 」 が 起 こ っ て い る と 考 え. ⑫ ⑱. 目 ご と に統 一 さ れ た 関 税 分 類 番 号 が 割 り振 ら れ て い る。 輸 入 した 材. 原 産 規 則 に関 す る付 属 書 。 京 都 規 約 は1999年 に約25年 ぶ り に改 正 。 -175(1301)一.
(6) 第59巻 られ る 。 し た が っ て,関. 第3号. 税 分 類 番 号 が 変 更 され る ほ どの 生 産 工 程 が 行 わ れ た 国 を 原 産 地 と. す る と い う の が 関 税 分 類 変 更 基 準 の 考 え 方 で あ る 。 関 税 分 類 番 号 は,上2桁 Chapter」,上4桁. ま で を 「項:TariffHeading」,上6桁. と 呼 ぶ 。 な お,関. 税 分 類 番 号 の2桁(類)の. (項)の. 遡 る ほ ど,締. 「類:. ま で を 「号:TariffSub-Heading」. 変 更 をCC(ChangeinChapters),上4桁. 変 更 をCTH(ChangeinTariffHeadings),上6桁(号)の. inTariffSub-Headings)と. まで を. 変 更 をCTSH(Change. 称 す る 。 変 更 前 の 材 料 が,当. 該 産 品 の 生 産 工 程 を よ り上 流 に. 約 国 内 で よ り広 範 な 生 産 ・加 工 作 業 の 実 施 を 要 求 す る こ と と な り,原. 取 得 の 困 難 度 の 高 い ル ー ル と な る 。 一般 的 に は,CTHが. 産資格. 最 も原 産 資 格 取 得 の 容 易 な ル ー. ル で あ る。 第2は,付. 加 価 値 基 準(RVC:RegionalValueContent)で. あ る 。FTA締. 約国 内に. お い て 実 施 さ れ た 調 達 ・生 産 ・加 工 等 の 作 業 に伴 っ て 形 成 さ れ た 付 加 価 値 を 価 格 に換 算 し, そ の 付 加 価 値 が 一 定 の 基 準 値 を 超 え た 場 合 に,実. 質 的 な 変 更 が な さ れ た と み な し,そ. の産. 品 に原 産 地 資 格 を付 与 す るル ール で あ る。 基 準 値 が 高 い ほ ど原 産 資 格 取 得 の 困 難 度 の 高 い ル ー ル と な る 。CTCに. 比 べ て 域 内 で の 調 達 や 産 業 集 積 を 管 理 しや す い と 言 わ れ る が,他. で 原 産 地 の 立 証 に 際 して,付 な る な ど,産. 方. 加 価 値 や コ ス トに 関 す る 詳 細 な デ ー タ の 収 集 ・整 理 が 必 要 と. 業 界 の 作 業 負 担 が 大 き く,ま. た 材 料 の 納 入 先 に 対 して コ ス ト情 報 の 開 示 が 求. め られ る 場 合 も あ る 等 の 問 題 も 指 摘 さ れ る 。 第3は. 「加 工 工 程 基 準(SP:SpecificProcess)」. で あ る 。FTA締. 加 工 工 程 が 実 施 さ れ た 場 合 に 実 質 的 な 変 更 が な さ れ た と み な し,そ. 約 国 内で 特 定 の 生 産 ・ の 産 品 に原 産 地 資 格 を. 付 与 す るル ール で あ る。 関 税 分 類 番 号 の 変 更 で は実 現 で きな い工 程 を 具 体 的 にル ー ル と し て 記 述 す る の が 特 徴 で あ る 。 化 学 製 品 や 一一 部 の 農 水 産 物,半 る 。 な お,通 で な く,協. 常 のFTAに. お い て は,こ. れ ら3つ. 定 ご と あ る い は 品 目 ご と に,複. 導 体 等 に採 用 され る こ とが あ. の 実 質 変 更 基 準 は単 独 で 用 い られ るだ け. 雑 な基 準 が 組 み合 わ せ て 用 い られ る場 合 が あ. る ⑭。 完 全 生 産 品 基 準 あ る い は 実 質 変 更 基 準 は,特 を 満 た して い る か ど う か に 応 じて,完. 全 に 認 め られ る,あ. い う 判 定 を 下 す こ と に 特 徴 が あ る 。 例 え ば,原 用 す る 場 合,大. 経 済 産 業 省 通 商 政 策 局(2012)「. の基準. る い は ま っ た く認 め ら れ な い と. 産 地 を決 定 す る時 に関 税 分 類 変 更 基 準 を 適. 部 分 の 原 材 料 は 付 加 価 値 が 輸 出 域 内 で 発 生 す る け れ ど も,非. 分 の 輸 入 原 材 料 を 利 用 し た 場 合,輸. ω. 定 品 目 の 原 産 地 を 判 定 す る 際 に,そ. 常 に微 細 な 部. 出 品 の 特 恵 関 税 を 受 け られ な い 場 合 が 発 生 す る 可 能 性. 不 公 正 貿 易 報 告 書 』。 -176(1302)一.
(7) FTAに. お け る原 産 地 規 則 につ いて の 一 考 察(李). が あ り う る 。 こ の よ う な 原 産 地 判 定 規 則 は,製 る が,こ. れ を 緩 和 す る た め に,補. 定 の 主 な も の は,表1の. 完 的 な 各 種 の 救 済 規 定 が 設 け られ て い る 。 な お,救. 済規. と お りで あ る 。. 表1原. 区. 品 の 生 産 で 大 きな 歪 み を もた らす こ とが あ. 産地決定のための補完的な基準. 分. 内. 累 積 (aCCUmUlatiOn). ロー ル ア ップ (rollup). トレー シ ン グ (tracing). 容. FTA相 手 国 の 原 産 部 分 品 で あ る部 品 ・材 料 を輸 入 して 他 の産 品 の 生 産 に使 用 す る場 合,こ れ らを 自国 の 原 産 品 た る部 品 ・材 料 とみ な す もの 。 自国 貿 易 を 増 や し,ひ い て は 域 内 貿 易 を 促 進 す る効 果 や, 締 約 国 間 の 分 業 を 促 進 す る効 果 が あ る。 産 品 の 付 加 価 値 を 計 算 す る際,一 次 材 料 が 原 産 資 格 を 有 して い る場 合,当 該 一 次 材 料 中 の 非 原 産 部 分 の 価 格 に つ いて も原 産 材 料 の 価 格 に 切 り上 げ る こ とが で き る規 定 で あ る。 産 品 の 付 加 価 値 を 計 算 す る際,一 次 材 料 が 非 原 産 材 料 の 場 合,非 原 産 材 料 の 価 格 か ら,当 該 一 次 材 料 中 の 原 産 部 分 の 価 格 を 除 外 す る こ とを 可 能 とす る規 定 で あ る。 産 品 の 原 産 地 規 則 が 関 税 分 類 変 更 基 準 によ る場 合 で あ って,非 原 産 材 料 を 用 いて 産 品 を 生 産 した もの の 所 要 の 原 産 地 規 則 を 満 た す ほ ど の 関 税 分 類 の 変 更 が 生 じず,原 産 資 格 を 取 得 で きな い 場 合,当 該 非. デ ミニ ミ ス. (deminimis). 原 産 材 料 の 産 品 に 占め る割 合 が 産 品 の 価 格 又 は産 品 の 重 量 の 一 定 割 合 以 下 で あ れ ば 原 産 資 格 を 付 与 す る。 つ ま り僅 少 の 非 原 産 材 料 は 原 産 地 の 認 定 にあ た って 無 視 して も よい とい う規 定 で あ る。. 軽 微 な 加 工 に関 す る規 定. 仮 に,あ る産 品 が 形 式 的 に は 所 要 の 品 目別 規 則 を 満 た した 場 合 で あ って も,実 は締 結 国 内 で 実 質 的 な 生 産 ・加 工 作 業 が 行 わ れ て い な い 場 合,こ れ を 原 産 品 と は認 め な い 趣 旨を 記 述 した 規 定 で あ る。 物 流 ・運 搬 の 事 情 等 に よ り,仮 にFTA締 約国以外の第三国へ寄港 して も,積 み 替 え,産 品 の 保 存 等 の 一 定 の 軽 微 な 加 工 で は 原 産 性を. 積送基準. 失 わ な い こ とを 定 め た 規 定 で あ る。 (出所)経 済 産 業 省 通 商 政 策 局(2012)『. 3原. 不 公 正 貿 易 報 告 書 」 よ り作 成 。. 産地規則の重要性. 世 界 貿 易 機 関(WTO:WorldTradeOrganization)が. 発 足 して 以 来,加 盟 国 の 増 加. が 著 し く,そ の 結 果,意 見 の 統 一 が 難 し くな って き た。 特 に南 北 間 の 利 害 が 対 立 し,先 進 国 と途 上 国 の 経 済 発 展 が2極 化 し,途 上 国 側 よ り関 税 の 廃 止 あ る い は低 税 率 を 進 展 させ る ス ピー ドの 差 が 顕 在 化 して き た。 その 結 果,欧 米 諸 国 を 中心 に1990年 代 よ りブ ロ ック経 済 圏 を形 成 す る よ うな 形 でFTA交. 渉 が加 速 して き た。FTAの. 拡 散 と深 化 は依 然 と して 続 い. て お り,安 定 した海 外 市 場 の 確 保 と成 長 の 原 動 力 を 拡 充 す る た め に,主 要 国 は戦 略 と して 積 極 的 にFTAを. 推 進 して い る。 この よ う にFTAが. 拡 散 した こ と に よ り付 随 す る原 産 地. 規 則 の 重 要 性 も一 層 高 ま って い る。 原 産 地 の 認 定 範 囲 に応 じて 適 用 で き る関 税 率 が 異 な り,企 業 の 直 接 投 資 と生 産 に も影 響 一177(1303)一.
(8) 第59巻. 第3号. を及 ぼ して い る。 ま た,政 府 や 企 業 は,産 品 の 原 産 地 に応 じて,類 似 して い る品 目の 輸 入 を別 の 方 法 で 扱 う こ とが で き る。 この よ う に原 産 地 規 則 は,締 結 国 以 外 の 国 の 産 品 の 迂 回 貿 易 ⑮ の 防 止,特 恵 関 税 賦 課 に よ る締 結 国 間 の 貿 易 の 拡 大,特 恵 関 税 を 目的 と した 海 外 投 資 へ の 進 出 と拡 大 な どの 機 能 を 持 ち,ま す ます 重 要 にな って い る㈹。 ま た,原 産 地 規 則 は,ア ウ トソー シ ン グ に も関 連 して い る。 現 在,国 家 間 で 貿 易 され る 物 品 の 生 産 の た め,多. くの 国 で 生 産 され た物 品(原 材 料,部 品 な ど)が 利 用 され るな ど,. 国 際 的 な ア ウ トソー シ ン グが 増 加 して い る。 この よ うな 物 品 の 貿 易 の 増 加 は,原 産 地 の 決 定 規 則 を複 雑 にす る原 因 とな って い る。 そ して,こ の よ う に個 別 に決 定 され る原 産 地 規 則 は,国 際 貿 易 上 で 主 要 な 争 点 と して 浮 上 して い る。 この た め,原 産 地 規 則 は問 題 視 され て い るが,こ れ らを 解 決 す るた めの 方 策 は現 状 で は 不 十 分 と考 え られ る。 その 理 由 と して,原 産 地 規 則 が,そ れ ぞ れ の 国 ご と に異 な り,ま た 原 産 地 規 則 に関 連 した国 際 標 準 の 不 明 確 性,煩 雑 さ,差 別 的 な 適 用 の 可 能 性 に よ り,貿 易 障 壁 と して か な り作 用 して い るか,作 用 す る可 能 性 が 高 い こ とが あ げ られ る。 結 局,企 業 が 原 材料 を グ ローバ ル ・ソー ソ ング した り,物 品 の グ ロー バ ル生 産 を拡 大 した りす るな ど, 経 済 の グ ロ ーバ ル 化 が 促 進 され る につ れ て,物 品 の 国 籍 を 意 味 す る原 産 地 の 決 定 が 非 常 に 重 要 にな る。. H韓. 1韓. 国FTAの. 原産地規則の内容 と既発効のFTA. 国の原産地規則の法律体系. 韓 国 の 原 産 地 規 則 に対 す る法 律 体 系 は,特 恵 原 産 地 規 則 の 関 税 法⑰ と非 特 恵 原 産 地 規 則 の 対 外 貿 易 法 を基 本 と して い る。 関 税 法 は輸 入 品 に関 税 を 賦 課 す るた め に必 要 な 原 産 地 確 認 手 続 き を規 定 して い る。 特 恵 原 産 地 規 定 は,関 税 法 の ほか,FTA関 FTA履. チリ. 行 に 関 す る特 例 法,南 北 交 流 協 力 に関 す る法 律 な どが含 ま れ て い る。 関 税 法 上 の. 特 例 を定 め るFTA関. ⑮. 税 特 例 法,韓. 迂 回 貿 易 と は,第3国. 税 特 例 法 は,特 恵 原 産 地 証 明,確 認 手 順,お. の 原 産 品 を 協 定 締 結 国 経 由 で 輸 入 し,協. よ び罰 則 な どを 別 に規. 定 特 恵 税 率 を 利 用 す る行 為 を 意. 味 す る。 q④JohnJ.Barcelo皿,HarmonizingPreferentialRulesofOriginintheWTOSystem, Corη6〃Lαw5c乃ooljLθ8α15'麗4'65R656α κhPα1フ6r56r'65,No.06-049,CornellLawSchool,2006, PP。2-5。 qの 関 税 法 上,第229条. 原 産 地 決 定 基 準,第232条. 原 産 地 証 明 書,第233条. 原 産 地 証 明 の確 認 要 請 は. 多 角 的 特 恵 規 則 に 該 当 して い る 。 ま た 一 般 的 特 恵 制 度 の 規 則 に は 第76条. 一 般 特 恵 関 税 適 用 基 準,. 第3項. 原産地規則及び別表の書. に 基 づ い て 制 定 さ れ た 発 展 途 上 国 へ の 特 恵 関 税 供 与 規 則,第5条. 式 が あ る。 -178(1304)一.
(9) FTAに. お け る原 産 地 規 則 につ いて の 一 考 察(李). 定 して い る。 対 外 貿 易 法 は,輸 出入 物 品 の 原 産 地 表 示,判 定 方 法 な どを 規 定 して お り,非 原 産 地 規 則 に は,対 外 貿 易 法 の ほか,農 産 物 品 質 管 理 法,水 産 物 品 質 管 理 法,表 示 広 告 の 公 正 化 に関 す る法 律,食 品 衛 生 法 な どが 含 まれ る。 特 に,農 水 産 物 の 品 質 管 理 法 は,農 水 産 物 の 特 性 を反 映 した原 産 地 表 示 規 定 を別 途 に定 めて,輸 入 品 は も ち ろん,国 産 品 に対 して も適 用 し て い る こ とが 特 徴 で あ り,表 示 広 告 の 公 正 化 に関 す る法 律 は第3条 で,内 外 国 の 物 品 に問 わ ず 原 産 地,価 格,品 質 な どす べ て の商 品表 示 事 項 の虚 偽 や 欺 隔 的 な 表 示 を禁 止 して い る。. 2韓. 国の既発効原産地規則の一般的特徴の比較. 韓 国 のFTAに. お け る原 産 地 決 定 基 準 は,既 に述 べ たが,完 全 生 産 品 基 準 と実 質 変 更 基. 準 を基 本 的 に導 入 して い る。 な お,実 質 変 更 基 準 と して は関 税 分 類 変 更 基 準(CTC)と 加 価 値 基 準(RVC)を. 適 用 して い る。 各FTA協. 付. 定 文 に規 定 され て い る原 産 地 規 則 を 検 討. した結 果,基 本 的 な表 現 と用 語 な ど少 々 の差 異 は あ るが,大 体 同様 の構 成 を保 って い る(18)。. (1)完. 全生産品基準. 完 全 生 産 品 基 準 は,農 る が,今. 産 物 と 工 業 製 品 な ど に つ い て は,依. 然 と して 有 効 な 評 価 基 準 で あ. 日 の よ う に 投 資 と 多 国 籍 企 業 の 活 動 が 活 発 に な っ た グ ロ ー バ ル 化 の 時 代 で は,適. 用 対 象 を 制 限 す る しか な い 。 こ の た め,韓 的 に 完 全 域 内 産 で は な い が,域. チ リFTAと. 韓 シ ン ガ ポ ー ルFTAで. は,実. 質. 内 産 認 定 範 囲 の 拡 大 と 経 済 統 合 効 果 の 増 強 の た め に,完. 全. 域 内 産 品 と み な さ れ る 物 品 も 例 外 と して 認 め て い る 。 水 産 物 の 場 合,韓. チ リ ・韓 シ ン ガ ポ ー ル ・韓EFTA・. 領 海 内 で 獲 得 し た ら,船. 舶 の 国 籍 の 如 何 を 問 わ ず,沿. 韓ASEANの. の 各FTAで. は,旗. 国 要 件(VesselFlyingtheFlagofaParty)⑲. 同 様 に,. 岸 国 を 原 産 地 と 認 め て い る 。 そ して. 領 海 外 の 公 海 上 で 獲 得 し た 水 産 物 や 船 上 加 工 品 に つ い て も,自 地 と認 め る 。 しか し,自 国 の 船 舶 を 認 め る 基 準 と して,韓. 各FTAで. 国 の 船 舶 が 獲 得 した ら 原 産. チ リ ・韓 シ ン ガ ポ ー ル ・韓ASEAN と登 録 要 件(Vessel. ㈹. 韓 チ リFTA,韓 シ ンガ ポ ールFTAは は付 属 書 で 規 定 され て い る。. 協 定 文 と付 属 書 に,韓EFTAFTA,韓ASEANFTA. ⑲. 国 際 的 な 航 海 を 行 う船 舶 に つ いて は,安 全 確 保 や 海 洋 汚 染 防 止 な ど様 々な 観 点 か ら,全 世 界 で 統 一 的 な ル ー ル を 作 成 す る必 要 が あ り,こ の よ うな ル ー ル 作 りが,ロ ン ドン にあ る国 際 海 事 機 関 (IMO:InternationalMaritimeOrganizationで)行 わ れ て い る。 国 際 法 上,船 舶 は 船 舶 の 国 籍(旗 国)を 持 た な けれ ば な らな い 。 公 海(1985年)5条 と国 連 海 洋 法 条 約94条 で,国 籍 取 得 の 条 件 と して 船 舶 と旗 国 との 間 に真 正 な 関 係(genuinelink)が 存 在 しな けれ ば な らな い と規 定 さ れ て い るが,国 連 海 洋 法 条 約 は国 籍 付 与 の 要 件,基 準 につ い て は 介 入 しな い とす る立 場 を と り, 各 国 の 国 内 法 に委 ね られ て い る。 一179(1305)一.
(10) 第59巻 RegisteredorRecordedwithaParty)⑳ 韓EFTAFTAは. 第3号 を 同 時 に 満 た す こ と を 規 定 して い る の に 対 し,. 旗 国 要 件 だ け を 規 定 して い る 。 な お,排. EconomicZone)で. 他 的 経 済 水 域(EEZ:Exclusive. 獲 得 し た 水 産 物 の 原 産 地 判 定 に 関 連 して,旗. 国 主 義 と沿 岸 国 主 義 が 対. 立 して い る 。. 表2FTA原. 区. 産 地 規 則 の完 全 生 産 品基 準. 分. 完全生産品基準. 自国船舶要件. 韓 チ リFTA. 完全生産品基準. 旗国要件+登 録要件. 韓 シ ンガ ポ ー ルFTA. 完全生産品基準. 旗国要件+登 録要件. 韓EFTAFTA. 完全生産品基準. 旗国要件. 韓ASEANFTA. 完全生産品基準. 旗国要件+登 録要件. (出所)各FTA協. (2)実 ①. 定 文 よ り作 成 。. 質変更基準 付 加 価 値 基 準(RVC:RegionalValueContent). 韓 チ リFTA,韓. シ ン ガ ポ ー ルFTA,韓ASEANFTAはDC(DomesticContent). 方 式 ⑳ を 付 加 価 値 基 準 と し て 使 用 し て い る が,韓EFTAFTAはMC(MarginalContent) 方 式 ⑳ だ け を 認 め て い る。 し か し,価 と に 多 様 で あ る 。 な お,FTAご 加 価 値 比 率 算 定 方 法 に は,控 method)が. 値 認 定 水 準 は,30%か. ら60%に. と の 付 加 価 値 基 準 の 違 い は 表2の 除 方 式(build-downmethod)と. 至 る ま で,FTAご. 通 りで あ る 。 こ の 点 付. 積 み 上 げ 方 式(build-up. あ る。. 控 除 方 式 は,非 方 式 は,原. 原 産 地 材 料 の 付 加 価 値 を 製 品 の 価 格 か ら控 除 す る 方 法 で あ り,積. み上 げ. 産 地 材 料 の 価 値 を 直 接 加 算 す る 方 式 で あ る 。 韓 チ リFTA,韓ASEANFTA. は 積 み 上 げ 方 式 を 選 択 的 に 使 用 して い る。 積 み 上 げ 方 式 は 貿 易 業 者 の 利 便 性 を 考 慮 す る が, 控 除 方 式 と 共 に,過 FTAは 表3の. 度 に 複 雑 で あ る と い う指 摘 が な さ れ て い る 。 他 方,韓. シ ンガ ポー ル. 控 除 方 式 だ け を 規 定 して い る 。 付 加 価 値 は 算 定 方 式 に よ っ て 産 品 基 準 価 格 が 異 な る が,現. 在,非. 原産地材料の計. ⑦ ① 国 際 航 海 に従 事 す る船 舶 は,旗 国 の 管 轄 権 の 下 で 登 録 され な けれ ば な らな い 。 登 録 され て な い 船 舶 か ら取 得 され た 水 産 物 の 原 産 地 は認 め な い 。 ⑳ 原 産 地 を 決 定 す るた め に必 要 と され る国 内 の 付 加 価 値 や 累 積 基 準 が 適 用 され る場 合,域 内 付 加 価 値 の 最 低 額 を 定 め る方 式 を い う。 ⑳ 輸 入 品 割 合 方 式:当 該 産 品 が 原 産 地 の 地 位 を 与 え られ るた め に 許 可 され て い る輸 入 部 品 及 び 材 料 の 金 額 や 数 量 に関 す る上 限 を 課 す 方 式 を い う。 一180(1306)一.
(11) FTAに. 算 方 式 で は,EXW(工. お け る原 産 地 規 則 につ いて の 一 考 察(李). 場 渡 し)価. andFreight)価. 格 ㈱,FOB(FreeonBoard)価. 格 ㈱ が 利 用 さ れ て い る 。 な お,韓. 格 ⑳,CIF(Cost,Insurance. ASEANFTAはFOB価. チ リFTA,韓. 格 を基 準 価 格 に,韓EFTAFTAは. シ ン ガ ポ ー ルFTA,韓. 工 場 渡 し価 格 を 適 用 して い. る 。. 表3付 区. 分. 韓チ リ. 産品基準価格. FOB. FOB. 控 除 方 式 ・積 み 上 げ方 式 選 択. 域外原産付加価値 比率. 55%以 下 又 は 70%以 下. 域内原産付加価値 比率. 45%又 は 30%以 上 45%. 付加価値水準 域内追加加工品 原産地認定 域内追加加工品 案地不認定. 韓EFTA. 韓 シ ンガ ポ ー ル. 付加価値算定方式. (出所)各FTA協. 加価値基準の差異. EXW. MC方. 50%又 は 55%以 上. 30%-60%. 式. 控 除 方 式 ・積 み 上 げ方 式 選 択. 40%以 上. 40-70%. (控除 方 式). (控 除 方 式). 100%認. 100%認. 国産材料費控除. FOB. 控除方式. 45-55%. 定. 韓ASEAN. (控 除 方 式 で 換 算 す る場 合). 定. 国産材料費控除. 100%認. 定. 国産材料費控除. 35-60%. 100%認. 定. 国産材料費控除. 定 文 を もと に作 成 。. 表4付 区. 加価値基準算定方式. 分. 計上方式 RVC=(AV-VNM)/AV×100. 控 除 方 式(build-downmethod). RVC=VOM/AV×100. 積 み 上 げ 方 式(build-upmethod) (注)RVC:百 分 率(%)で AV(AdjustedValue):調. 表 示 さ れ る域 内原 産 割 合 整 済 み価 格. VNM(ValueofNon-originatingMaterials):産 原 産 材 料(間 接 材 料 は 除 く)の VOM(ValueofOriginatingMaterials):産 使 用 す る 原 産 材 料(間. 品 生 産 にお い て 生 産 者 が 取 得 し使 用 す る非. 価 格 。 自己 生 産 され る材 料 の 価 格 は含 まな い 。 品 生 産 にお い て 生 産 者 が 取 得 ま た は 自己 生 産 し. 接 材 料 は 除 く)の. 価格. ⑳EXW(工 場 渡 し)価 格:産 品 の 製造 工 場 か ら搬 出 す る際 に,そ の 物 品 の生 産者 に 実 際 に 支 給 した か,支 払 わ な けれ ば な らな い価 格 で,そ の 産 品 が 輸 出 され る と き に還 付 され る内 国 税 を 差 し 引 い た 価 格(FTA履 2条12項)。. 行 の た め の 関 税 法 の 特 例 に 関 す る法 律 施 行 規 則[企 画 財 政 部 令 第30号]第. ⑳FOB(FreeonBoard)価 格:輸 送 の 方 法 に問 わ ず,産 品 の 生 産 の 買 い手 か ら当 該 産 品 の 売 り 手 に支 払 わ れ る当 該 産 品 の 本 船 渡 しの 価 格 。 ㈲CIF(CostInsuranceandFreight)価 格:価 格 と保 険 料 及 び 運 賃 の3要 素 か ら構 成 され る価 格。 一181(1307)一.
(12) 第59巻 ②. 第3号. 加 工 工 程 基 準(SP:SpecificProcess). 加 工 工 程 基 準 は,「 加 工 工 程 基 準 が適 用 され て い る か」,ま た 「加 工 工 程 基 準 が 適 用 され て い るな らば,ポ ジテ ィ ブ方 式 か,ネ ガ テ ィブ方 式 ⑳か」 の いず れか で あ る。 韓 チ リFTA と韓 シ ンガ ポ ールFTAは も,韓EFTAFTAと. ポ ジ テ ィ ブ方 式 とネ ガ テ ィ ブ方 式 の 両 方 を 適 用 して い る けれ ど 韓ASEANFTAは. 韓 国 が 締 結 したFTAの (HS50-60類)に. ポ ジテ ィ ブ方 式 だ けを 適 用 して い る。. 加 工 工 程 基 準 を 適 用 に して い る産 品 を 比 較 す る と,織 物 製 品. 関 して 韓EFTAFTAは. 染色工程や捺染工程を経た製品の原産地を認 め. て い る。た だ し,輸 入 され た 生 糸 の 価 格 が最 終 製 品価 格 の50%以 下 の もの に制 限 して い る。 衣 類 製 品(HS61-62類)の. 場 合,韓. シ ンガ ポ ー ルFTAと. 韓EFTAFTAは. と は無 関係 に,縫 製 工 程 を経 た 衣 類 製 品 の原 産 地 を認 め て い る し,韓. 織物の原産地 シ ンガ ポー ルFTA. は よ り厳 しい 自国 産 織 物 に原 産 地 を 認 め る た め,縫 製 工 程 を 経 る こ とを 要 求 して い る。 他 方,韓ASEANFTAは,一 韓 国FTA原. 般 的 に規 定 せ ず に品 目別 原 産 地 規 則 を 個 別 に規 定 して い る。. 産 地 規 則 交 渉 で 重 要 な 部 分 を 占 め る北 朝 鮮 開 城(ケ. の 韓 国 産 特 例 原 産 地 認 定 は,韓 チ リFTAを. 除 いて,す べ て のFTAに. ソ ン)工 業 団 地 生 産 品 関 連 す る規 定 を 設. けて い る。 開 城 工 業 団 地 生 産 品 を 韓 国 の 原 産 地 に認 め る と い う原 産 地 の 例 外 規 定 を 初 めて 協 定 文 に表 記 したの は韓 シ ン ガ ポー ルFTAで. あ る。 韓 シ ン ガ ポー ルFTAに. 地 域 は 「開 城 工 業 団地 と朝 鮮 半 島 内 の そ の 他 の 工 業 団地 例. よれ ば対 象. と規 定 して,北 朝 鮮 内 の 他 の. 工 業 地 区 も原 産 地 に含 まれ る。 ただ し,韓 国 か らシ ン ガ ポー ル へ の 直 接 運 送 要 件 を 満 た す 必 要 が あ る。 シ ン ガ ポ ール は既 に ほ とん どの 項 目 につ いて 無 関 税 を 適 用 して お り,域 外 加 工 認 定 に よ る実 質 的 な メ リ ッ トは期 待 しに くい,開 城 工 業 地 区 の 製 品 の 域 外 加 工 を 最 初 に 認 め たFTAと. い う点 で 大 き な意 味 を持 って い る。. 2005年12月 に発 効 した韓EFTAFTAは,特. に域 外 加 工 地 域 に対 す る制 限 はな いが,適. 用 対 象 品 目に対 して,開 城 工 業 団 地 で 生 産 さ れ る,あ (HS6桁. る い は生 産 され る予 定 の267個 品 目. 基 準)に 制 限 して い る。 域 外 加 工 地 域 や 生 産 品 を 大 幅 に拡 大 す る契 機 を 作 った と. い う点 で は意 味 が あ るが,EU及. び東 欧 圏 域 外 加 工 製 品 の 迂 回 輸 入 の 可 能 性 が 高 ま った と. い う点 で 憂 慮 の 声 が 出て い る。 他 方,韓ASEANFTAは,北. 朝 鮮 の 開 城 市 とそ の 近 隣 に. 位 置 して い る工 業 団 地 だ け を域 外 加 工 地 域 に認 めて い る。 これ に応 じて 当 該 品 目 も,開 城 工 業 団 地 で 生 産 され るか,生 産 され る予 定 の232個(HS6桁. 基 準)に 限 定 され る。 この よ. ⑦ ③ ポ ジテ ィ ブ方 式 と は,加 工 工 程 を 行 う際 に 特 定 の 工 程(捺 染 ・染 色 な ど)を 経 な けれ ば な らな い方 式 で あ る。 また,ネ ガ テ ィ ブ方 式 と は,加 工 工 程 を 行 う際 に 特 定 の 工 程(染 色 ・捺 染 な ど) を 経 て は い けな い方 式 で あ る。 ⑳. 韓 シ ンガ ポー ルFTA協. 定 文 付 属 書4B第2節 -182(1308)一. 。.
(13) FTAに う にFTAご. と に 開 城 工 業 団 地 を 協 定 文 に 含 ま れ る 方 法,原. 象 品 目 な ど に 違 い が あ り,そ. 3原. お け る原 産 地 規 則 につ いて の 一 考 察(李). の 違 い は 表5の. 産 地 認 定 要 件,対. 象 地 域,対. 通 りで あ る 。. 産 地 確 認 手 続 きの 比 較. FTA締. 結 に よ る特 恵 関 税 を適 用 す るか ど うか と迂 回 の 輸 出入 状 況 を 判 断 す るた め に は. 原 産 地 を確 認 す る行 政 手 続 きが 必 要 で あ る。 この 原 産 地 確 認 手 続 き は,原 産 地 証 明 制 度 と 原 産 地 確 認 制 度 に分 け る こ とが で き る。 まず,原 産 地 の 要 件 を 満 た す か ど うか を 判 断 す る 原 産 地 証 明 制 度 は,機 関証 明 制 度(authorizedcertification),自 cation),折. 衝 式 の3つ. は機 関 証 明 制 度 を,韓. に分 け る こ とが で き るが,韓 チ リと韓EFTAのFTAは. 他 方,原 産 地 証 明 書 を 確 認 す る過 程 で,輸. 己証 明制 度(self-certifi-. シ ンガ ポ ー ル と韓ASEANのFTA. 自己証 明 制 度 を 適用 して い る。 出国 の 関 係 機 関 や 輸 出者 に書 面 質 疑 書 を 送 信. して 資 料 の 提 出 を要 求 す る方 式 で 原 産 地 を検 証 す る こ と にな る。 原 産 地 証 明 方 式 は,直 接 検 証 方 法,間 接検 証 方 法,制 限 的 間接 検 証 方 法 に分 類 され る。 韓 チ リと韓EFTAFTAは, 直 接 検 証 方 法 を,韓EFTAFTAは. 制 限 的 間 接 検 証 方 法 を採 用 し,韓ASEANFTAで. は,間 接 検 証 方 法 を 原 則 と して 採 用 す るが,例 外 的 に直 接 検 証 方 法 も可 能 と して い る。. 表5開. 城工業団地原産地特例条項比較. 区. 分. 韓 シ ンガ ポ ー ルFTA. 条. 項. 包含方式. 原産地認定要件. 韓EFTAFTA. 韓ASEANFTA. 特定産品の取扱 と域外 加工. 領域原則の免除. 特定品 目の取扱. 開城工業団地の特例条 項+域 外加工方式. 域外加工方式. 域外加工方式. ・韓 国 か ら シ ンガ ポー. ・一 般 的 域 外 加 工 方. ・非 原 産 地 材 料 の 総 価. ルへの直輸入要件 ・非 原 産 地 総 価 値 が 輸. 式:最 終 輸 出 品 工 場 渡 し価 格 の10%付 加 価 値 まで 可 能 ・制 限 的 域 外 加 工 方. 値 が 最 終 財FOB価 格 の40%以 下+最 終 財 生. 出品 関 税 価 格 の40% 以 下+輸 出 国 の 原 産 地価値が関税価格の 45%以 上. 式:域 外 工 程 の 付 加 価値が最終財工場渡 し価 格 に比 べ て40%. 産 に利 用 され た 韓 国 産 材 料 の 総 価 値 が60%以 上. 以 下+輸 出国 付 加 価 値比率が最終輸出品 工 場 渡 し価 格 の60% 以上. 対象地域. 開城工業団地及び韓半 島全体. 地域制限な し. 地域制限な し. 対象品 目. 4,624品. 267品. 各 会 員 国 別100品 目. (出所)各FTA協. 目. 定 文 を もと に作 成 。. 一183(1309)一. 目.
(14) 第59巻. 1韓. 皿. 韓 米FTAと. 米FTAの. 原産地規則. 韓 米FTAで. 第3号. 韓EUFTAの. は,協 定 文 の 第6章. 原産地規則 の分析. と第7章 が,特 恵 関 税 の 適 用 対 象 で あ る原 産 品 の 要 件. と通 関 手 続 き を説 明 して い るた め,「 原 産 地 規 定 」 と特 に 関係 して い る。 この 内,前 「第6章. 原 産 地 規 則 お よ び原 産 手 続 き」 で は,産. に伴 う付 属 書 と して6-A「. 品 全 般 に関 連 した条 項 が 存 在 し,こ れ. 一一 般 注 釈 」,「特 殊 な原 産 地 規 則 」,付 録6-A-1「. て の 照 合 表 」,付 属 書6-B「. 者の. 履 物 につ い. 第6.6条(僅 少 量)に 関 す る例 外」 な どが あ る。 そ して,こ の. 協 定 文 で は,原 産 品 の 要 件 で あ る完 全 生 産 品 基 準 と実 質 変 更 基 準,直 接 運 送 の 原 則 な ど, 原 産 地 判 定 の 一 般 的 な 原 則 は,各 項 目の 個 別 原 産 地 判 定 基 準 付 属 書 で 規 定 され て い る。 付 属 書 に規 定 され た各 品 目別 原 産 地 基 準(PSR:ProductSpecificRule)で の 項 目(HS6桁. は,約5,000社. 基 準)の 生 産 プ ロセ スは,貿 易 パ タ ー ンと グ ロー バ ル ア ウ トソー シ ン グ環. 境 を反 映 して 両 国 間 の 貿 易 を促 進 し,貿 易 業 界 の 利 便 性 を向 上 させ るた め に詳 細 な 内容 が 定 め られ た。 ま た,域 外 加 工 地 域 で の 設 置 の た めの 個 別 付 属 書 を 採 択 し,今 後 の 開 城(ケ ソ ン)工 業 団 地 及 び北 朝 鮮 地 域 で 生 産 され た産 品 が 韓 国 産 と 同 じ特 恵 関 税 を 付 与 で き る よ う にす る制 度 的 な 枠 組 み を 用 意 した。 他 方,「 第7章. 関 税 行 政 と貿 易 円滑 化 」 に規 定 され た 通 関 関 連 の 内 容 は,主. に原産地. 証 明,迂 回 輸 出入 防 止 に必 要 な原 産地 確 認 手 続 き と両 国 間 の貿 易 物 品 の通 関 手 続 の迅 速 化 ・ 簡 素 化 に関 す る事 項 で あ り,両 国 の 関 税 当局 間 の 相 互 協 力 も規 定 され て い る。 特 に,原 産 地 自律 証 明 制 度 を 導 入 し,輸 出業 者 や 製 造 業 者 は も ち ろん,輸 入 業 者 も原 産 地 を 証 明 す る 書 類 を 自律 的 に発 行 す る よ う に して,通 関 手 続 きの 自動 化,輸 入 貨 物 の 迅 速 な 搬 出制 度 ・ リス ク管 理 方 法 に よ る税 関 検 査,原 産 地 で の 事 前 判 定 制 度 を導 入 し,通 関 手 続 きを 簡 素 化 し,企 業 が 輸 出入 品 の 原 産 地 を 効 率 的 に管 理 す る こ とが で き る制 度 を 設 けた 。 また,商 品 貿 易 委 員 会 傘 下 の 小 委 員 会 に よ る通 関 を設 置 し,米 国 の 現 地 通 関 時 に発 生 す る,韓 国 の 輸 出品 の 不 当 な通 関 手 続 きの 遅 れ や 苦 情 な どを 相 互 に協 議 して 解 決 す る こ とが で き る制 度 的 基 盤 を用 意 した。. (1)韓 米FTAの 韓 米FTA協. 第6章. の規 定. 定 文 の 「第6章. 地 規 則 」 「第6.1条. 原 産 地 規 則 お よ び原 産 地 の手 続 き」 で は,「 第1節. 原 産 品 の 定 義 」 を 見 る と,韓 米FTAで 一184(1310)一. 原産. 規 定 して い る原 産 地 規 定 の 特.
(15) FTAに. お ける原産地規則 につ いての一考察(李). 徴 を知 る こ とが で き る。 す な わ ち,Aに. よれ ば,完 全 生 産 品 基 準 を 導 入 して い る。Bに. れ ば,関 税 分 類 変 更 基 準 を 採 択 して い る。 付 属 書4-Aと6-Aは. よ. 関 税 分 類 変 更 基 準 に対 す. る事 項 が 規 定 され て い る。 関 税 分 類 変 更 基 準 は,非 原 産 地 材 料 だ け に適 用 され る。 反 面, Bの(2)に よれ ば付 加 価 値 基 準 を 採 択 して い る こ とが 分 か る。 ま た,第6.2条 に は域 内原 産 割 合 を明 示 して い る。 そ して,域. 内原 産 割 合 で は非 原 産 地 材 料 の 価 値 を 基 礎 とす る方 法(控. 除 方 式)㈱ が使 用 さ れ て い る。 ま た,原 産 地 材 料 の価 値 を基 礎 とす る方 法(積. み上 げ方 式). も使 用 して い る。 ただ し,自 動 車 ・自動 車 部 品 につ いて は以 上 に加 え て,純 費 用 方 式⑳ を 選 択 で き る。 最 後 に,Cに. よ る と,原 産 地 の 原 料 は,い ず れ か 一 方 また は両 締 結 国 の 領 域. で 生 産 され た場 合,原 産 品 と認 め る と規 定 して い る。. 第6.1条. 原 産 品 の 定義. 各 締 約 国 は次 の 場 合,産 品 が 原 産 品 で あ る こ とを 規 定 す る。 A一. 方 また は双 方 の 締 結 国 の 領 域 にお いて 完 全 に得 られ また は生 産 され た 産 品 の 場合。. B完. 全 に いず れ か 又 は両 締 約 国 の 領 域 で 生 産 され,. (1)産 品 の生 産 に使 用 され た それ ぞれ の非 原 産 材 料 が,付 属 書4-A(繊 の 品 目別 原 産 地 規 則)又 付 属 書6-Aに. 維や衣料品. 記 載 され て い る適 用 可 能 な関 税 分 類 変 更 基. 準 を 満 た して い る。 (2)産 品 が 付 属 書4-A又. は付 属 書6-Aに. 記 載 され て い る適 用 可 能 な領 域 内 の 価 値. を 含 む 割 合 や そ の 他 の 要 件 を 満 た し,そ. して,こ. の 章 の 該 当 す る他 の 全 て の 要 件. を 満 た して い る。 C原. 産 地 の 原 料 の み,完 全 に ど ち らか 一 方,ま た は両 締 約 国 の 領 域 で 生 産 され た 場合。 そ れ 以 外 の 場 合 は,こ の 章 に定 め る場 合 を 除 き,各 締 約 国 は次 の 場 合,産 品 が 原 産 品 で あ る こ とを 規 定 す る。. ⑳. 控 除 方 式(build-downmethod):RVC(域 原 産 地 材 料 価 格)/AV(調. ⑦9純. 費 用 方 式(netcostmethod):RVC(域. 産 材 料)/NC(産. 内 原 産 割 合)=AV(調. 整 済 み 価 格)-VNM(非. 整 済 み 価 格)×100。 内 原 産 割 合)=NC(産. 品 の 純 費 用)×100。 -185(1311)一. 品 の 純 費 用)-VNM(非. 原.
(16) 第59巻. 第3号. ま た,韓 米FTA協. 定 文 の 第6.5条 で は,最 終 製 品 に使 わ れ る材 料 が 韓 国 あ る い は米 国 を. 原 産 地 とす る場 合,そ. の 材 料 は最 終 加 工 が 行 わ れ た国 を 原 産 地 と認 めて い るG① 。 また,付. 属 書6-Aに. 定 めて い る 関税 番 号 変 更 が 達 成 で き な い 場 合 で あ っ て も,産 品 の生 産 に使 用. す る非 原 産 地 材 料 の 総 額 が 当該 産 品 の 調 整 済 み 価 格 の10%以 下 で あ り,か つ 第6.6条 ほか の 全 関 連 要 件 を満 たす 場 合 は,原 産 品 と認 め られ る⑳。 た だ し,繊 維 ・繊 維 製 品 につ い て は, 例 外 扱 い繊 維 品 で は,繊 維 原 料 が 原 産 品 で あ る こ とが 条 件 と され る場 合 も あ るが,非 原 産 の 重 量 が 使 用 され る繊 維 原 料 の 総 重 量 の7%以 そ して,韓 米FTA協. 下 で あれ ば,原 産 品 とみ な され る。. 定 文 の第6.7条 「代 替 可 能 性 の あ る産 品勧 及 び材 料 」 で は,在 庫 に. お いて 混 在 して い る代 替 可 能 性 の あ る原 産 地 材 料 及 び非 原 産 地 材 料 が 産 品 の 生 産 に使 用 さ れ る場 合 に適 用 して い る。 そ して,韓 米FTA協. 定 文 で は,産 品 へ の 適 用 方 法 も異 な って. い る。 各 産 品 ご と に付 加 価 値 基 準 と関 税 番 号 変 更 基 準 の 条 件 が 異 な って 適 用 され る。 第39 類 に該 当す る プ ラ ス チ ック と その 製 品,第40類. に該 当す る ゴ ム とそ の 製 品 は,関 税 変 更 分. 類 基 準 が 適 用 され る。 も ち ろん,付 加 価 値 基 準 に従 っ た方 式 も あ るが,関 税 番 号 変 更 基 準 と付 加 価 値 基 準 を併 用 して 原 産 地 を決 定 して い る。 その 際,一 般 的 に積 み 上 げ方 式35%以 上,控 除 方 式45%以. 2韓EUFTAの 韓EUFTAの. 上 を 適 用 して い るが,自 動 車 品 目だ け は純 原 価 方 式 を 適 用 して い る。. 原産地規則 原 産 地 規 則 は,協. 定 文 に 記 述 せ ず に,「 原 産 品 の 定 義 」 お よ び 行 政 協 力 の. 手 法 に 関 す る 議 定 書(ProtocolConcerningtheDefinitionofOriginatingProduct's andMethodofAdministrativeCo-operation,以 こ の 原 産 地 議 定 書 で は,原. 下,原. 産 地 議 定 書)で. 産 地 判 定 の 一般 的 な 原 則 と 関 税 の 払 い 戻 し,ま. 産 地 証 明 書 と 原 産 確 認 の 手 続 き を 同 時 に 規 定 して い る 。 ま た,原 は,原. 産 地 の 議 定 書 で 規 定 し,各. た は,免. 除,原. 産地判定の一般的な原則. 項 目 の 品 目 別 原 産 地 判 定 基 準 は,原. に 規 定 さ れ て い る 。 こ の よ う にEU原. 定 めて い る。. 産 地 議 定 書 付 属 書II. 産 の 議 定 書 に 示 さ れ た 原 産 地 関 連 文 献 は,4つ. の付. 属 書 と の 共 同 宣 言 を 含 む34個 の 条 文 で 構 成 さ れ て い る 。. ㊨ ① 例 え ば,韓 国 で 最 終 加 工 が 行 わ れ た 製 品 に 使 用 され た 米 国 産 の 材 料 は 韓 国 産 とみ な し,原 産 材 料 に加 え る こ とが で き る。 ⑳ 僅 少 量(demininis)の 非 原 産 材 料(6.6条)。 働 「代 替 性 の あ る産 品 」 の 定 義 は,「 商 取 引 に お い て 相 互 に交 換 す る こ とが 可 能 な 産 品 あ るい は材 料 で あ って,そ れ らの特 性 が本 質 的 に 同一・ で あ る もの」(第6.22条)と 定 め て い る。 ま た 混 在 して い る材 料 が 原 産 材 料 で あ るか 否 か につ い て 決 定 す る方 式 につ い て は,代 替 可 能 性 の あ る産 品 及 び 材 料 を物 理 的 に 区 分 す る,又 を 導 入 す る と定 め て い る。. 「後 入 れ 先 出 し方 式 」 「先 入 れ 先 出 し方 式 」 と い っ た在 庫 管 理 方 式. 一186(1312)一.
(17) FTAに まず,EU原. お ける原産地規則 につ いての一考察(李). 産 地 議 定 書 に示 され たEUの. 産 地 議 定 書 第2条. お よ び第4条. 原 産 地 判 定 基 準 に完 全 生 産 品 基 準 が あ る。 原. は,特 恵 関 税 の 適 用 上,締 約 国 の 中で 完 全 に取 得 され た 製. 品 は,当 事 者 が 原 産 地 とみ な され る と規 定 し,完 全 生 産 品 基 準 を認 めて い る。 そ して 韓 国 とEUは,完. 全 生 産 品 基 準 に加 え て 実 質 変 更 基 準 と関 連 して 品 目別 の 特 性 に応 じて 関 税 分. 類 変 更 基 準,付 加 価 値 基 準,加 工 工 程 基 準 を適 用 す る こ とで 合 意 した 。 こ こで 関 税 分 類 変 更 基 準 は,実 質 的 変 更 で あ るか ど うか の 判 断 に お いて,最. も客 観 的 な 基 準 で 評 価 され て い. る原 産 地 の 決 定 方 法 で,こ れ は非 原 産 材 料 を 使 用 して 製 品 を 生 産 した 場 合 に は,非 原 産 地 材 料 の 産 品 〈HSCode>と. 変 形 され た製 品 の この一一 定 の単 位 〈HS2桁,HS4桁,HS6. 桁 〉 に基 づ いて 変 更 す る必 要 が あ り,当 該 製 品 の 原 産 地 を 認 定 す る基 準 で あ る。. 3韓 FTAを. 米 ・韓EUFTAの. 原 産 地 証 明 と検 証. 通 じた特 恵 関税 の 恩 恵 を域 内 国 に 限定 させ るた あ に,各FTAは. た め に,そ の 項 目の 原 産 地 証 明 を 厳 格 に要 求 して い る。FTA特 は,各FTAで. 協定関税適用の. 恵 税 率 を 適 用 す るた め に. 規 定 され て い る原 産 地 証 明 書 を相 手 国 税 関 に提 出 しな けれ ばな らな い。 輸. 入 後,輸 入 品 の 原 産 地 に疑 問 が あ る場 合 は,原 産 地 証 明 書 の 正 確 性 と輸 入 品 の 原 産 地 規 則 を満 た して い る こ とな ど を確 認 す る た め に,原 産 地 確 認 手 続 きが 行 わ れ て い る。 FTAご. と に原 産 地 証 明 方 式 は,協 定 当事 国 の 地 理 的 ・歴 史 的 ・政 治 的 状 況 や 関 税 制 度. と検 証 の 効 率 化,コ. ス トな どを 総 合 的 に考 慮 して 決 定 され るが,主. に米 国,カ. ナ ダ,チ. リ. な どの 国 は,直 接 検 証 方 式 を 採 用 して お り,ヨ ー ロ ッパ 地 域 で は,間 接 検 証 方 式 を 採 用 し て い る。 しか し,ア メ リカ と ヨー ロ ッパ 諸 国 が 採 用 して い る原 産 地 証 明 方 式 は異 な る。 原 産 地 証 明 方 式 に は,輸 出者,生 産 者 あ る い は輸 入 者 で はな く第 三 者 原 産 地 証 明 を 必 要 とす る機 関 の 発 行 制 度 と,輸 出者,生 産 者 や 輸 入 者 が 各 協 定 に定 め る方 式 や 手 続 き に基 づ いて 自律 的 に物 品 の 原 産 地 規 則 を満 た して い る こ と を確 認 す る 自 己発 行 方 式 が あ る。 米 国 と ヨ ー ロ ッパ 諸 国 が 採 択 した原 産 地 証 明 方 式 は,自 己発 行 方 式 で あ るが,ヨ ー ロ ッパ 諸 国 で は証 明 主 体 を認 証 輸 出者 に限 定 して い る と い う点 に違 いが あ る。. 4韓. 米FTAと. 韓EUFTAの. 原 産 地 決 定 基 準 の比 較. (1)完 全 生 産 品 基 準 完 全 生 産 品 基 準 は,韓 米FTAと 韓 米FTAは,両. 韓EUFTAで. は大 き な相 違 は見 られ な い。. 国 の領 海 内 で取 得 され る,あ るい は養 殖 され た漁 獲 物,領 海 外 の場 合,. 締 約 国 に登 録 され て 締 約 国 の 国 旗 を か け た船 で 得 られ た漁 獲 物 と生 産 物 につ いて は,完 全 一187(1313)一.
(18) 第59巻. 第3号. に生 産 され た もの とみ な す 。 韓EUFTAも,A.締. 結 国 の 地 層 や 海 底 か ら採 掘 され た鉱 物 性 製 品,B.締. 培 され て 収 穫 され る,あ る い は採 集 され る野 菜,C.締 動 物,D.締. 結 国 で 生 まれ,飼 育 され た 生 きた. 約 国 で 生 まれ,飼 育 され た生 き た動 物 を 使 っ た製 品,E.締. 狩 猟 に よ って 得 られ た産 品,F.締 られ た漁 獲 物,ま. 結国で行われた. 約 国 の 国 旗 を掲 げ た船 に よ って,そ の 国 の 領 海 外 で 得. た は,他 の 産 品,G.締. み で 製 造 され た産 品,H.締. 結国で栽. 約 国 の 国 旗 を 掲 げ た加 工 船 で 規 定 され た 産 品 の. 結 国 で 収 集 され た もの で,本 来 の 目的 を 実 行 す る こ とが で き. な いか,復 元 ・修 理 で きな い,廃 品 の 回 収 の み に適 す る,あ る い は,部 品 や 原 材 料 の 回 収 の み に適 され る材 料,1.締 廃 品,ま. 結 国 で行 わ れ た消 費 や製 造 工 程 の 結 果 と して発 生 した もの で,. た は,廃 棄 物,J.締. 約 国 が 自国 の 領 海 外 の 海 底 を 探 査 す る こ とが で き る独 占的. 権 利 を持 つ 場 合,そ の 締 約 国 の 領 海 外 の 海 底,ま. た は,海 底 下 か ら採 取 した 産 品 を 原 産 地. 決 定 基 準 に合 致 して もの とみ な す 。 な お,以 上 に提 示 され た商 品 で の み,そ の 国 で 製 造 さ れ た産 品 とみ なす な ど範 囲 を 拡 大 させ て い る。. (2)実 質 変 更 基 準 韓 米FTAと. 韓EUFTAの. 原 産 地 決 定 は,両 者 の 付 加 価 値 基 準,関 税 分 類 変 更 基 準,. 加 工 工 程 基 準 が 適 用 され る。 これ らの 区分 に よ る原 産 地 決 定 基 準 は.それ ぞ れ 個 別 に利 用 さ れ るが,混 合 され 一 緒 に使 用 され る場 合 も あ る。 これ は,韓 国 が 締 結 したFTAに. 多 く含. まれ て い る規 定 と して,一 般 的 に実 質 変 更 基 準 に分 類 され る。 実 質 変 更 基 準 は,韓 米FTAと. 韓EUFTAに. お い て違 い が あ る。 韓 米FTAは,域. で 創 出 され た付 加 価 値 が一 定 水 準 以 上 で あれ ば,そ. の 国 を 原 産 地 と認 め る方 法 を採 用 し. て お り,域 内付 加 価 値 を 算 出す る方 法 で,積 み 上 げ方 式(build-upmethod)と (build-downmethod)で (netcostmethod)を. 内. 控除方式. 選 ぶ こ とが で き る。 ただ し,自 動 車 ・自動 車 部 品 は純 費 用 方 式 選 択 的 に使 用 す る こ とが で き る。 反 面,韓EUFTAは. 域外の物品 ・. 原 材 料 の 金 額 や 数 量 が,一 定 基 準 以 下 で 使 用 され て い る場 合 は,原 産 地 の 資 格 を 付 与 す る 方 法(MC方. 式)を 認 め て い る。. 付 加 価 値 の 計 算 時 に利 用 され て い る製 品 価 格 基 準 は,韓 米FTAの. 場 合 はFOB価. 格を. 基 本 と して 域 内付 加 価 値 比 率 を 算 定 して 品 目 に よ って 積 み 上 げ方 式 と控 除 方 式 の 内,輸 入 者 と輸 出者 が 有 利 な 方 式 を 選 択 で き る。 他 方,韓EUFTAの 価 格 を基 準 価 格 と して 算 出 して い る。. 一188(1314)一. 場 合 は,EXW(工. 場 渡 し).
(19) FTAに. お け る原 産 地 規 則 につ いて の 一 考 察(李). お. FTAの. わ. り. に. 経 済 的 メ リッ トを 十 分 に享 受 す る た め に は,貿. 易 額 が 多 い国 と締 結 す る こ とが. 望 ま しい。 韓 国 の 場 合,貿 易 額 上 位5力 国 ・地 域 の 内,EU,米 締 結 を終 え,残 は2012年5月. 国,ASEANと. され たの は 中国 と 日本 で あ る。 この 内,貿 易 シ ェ アが20%を. にFTA交. 点,韓 米 と韓EUに. 既 にFTA 占 め る 中国 と. 渉 を 開 始 し,早 けれ ば2年 以 内の 合 意 を 目指 す 状 況 で あ る。 この. 続 き,韓 国 は 中 国 とのFTAに. 積 極 的 で あ る理 由 は,韓 国 ・中国 間 の. 貿 易 が,韓 国 の 輸 出超 過 にな って お り,韓 国 と 中国 間 のFTAが. 締 結 され れ ば韓 国 企 業 に. は メ リ ッ トが 大 き い と考 え られ るか らで あ る。 な お,韓 国 が 中国 とのFTAを る背 景 に は台 湾 が 中国 との 「経 済 協 力 枠 組 み協 定(ECFA)」. 意 識 して い. を締 結 し,早 期 に物 品 の 関 税. 引 き下 げが 開 始 され て い る こ と も あ る。 韓 国 は,EU,米. 国 と い った 経 済 規 模 の 大 きな 国 ・地 域 とのFTAを. 締 結 した こ とで,輸 反 面,多. 競 合 相 手 に先 駆 けて. 出競 争 力 上,自 国 企 業 に優 位 な 状 況 が 生 み 出 され て い る。. くの 国 々が 同時 多 発 的 にFTAを. 締 結 す れ ば,国 ご と に異 な る原 産 地 規 則 と通. 関 手 続,基 準 な ど を確 認 す る た め に多 くの 時 間 と費 用 が 投 入 され,協 定 締 結 効 果 を 半 減 さ せ る こ と にな る。 先 行 研 究 で は,開 発 途 上 国 を 中心 と したFTAの 究 して い るが,韓 米,韓EUの. 原 産 地 規 則 につ いて 研. よ うな 巨大 国 の 原 産 地 規 則 を 比 較 研 究 した もの は,筆 者 の. 知 る と こ ろ皆 無 で あ る。 巨大 国 で のFTAで. は,自 動 車 や コ ン ピュー タな どを 考 え れ ば明. らか で あ るが,国 際 分 業 が 行 わ れ て い る た め,原 産 地 規 則 は非 常 に複 雑,か つ,重 要 な 規 定 にな る。 この た め,韓 米FTAと. 韓EUFTAの. 原 産 地 規 則 を 研 究 対 象 と して,関 連 事. 例 を具 体 的 に検 討 し,相 互 に比 較 す る こ と に よ りその 対 応 を 把 握 しよ う と した 。 この 点,周 知 の よ う に,韓 国FTAの 多 様 化 して い るFTA原. 産 地 決 定 基 準 で あ る。 本 稿 の 検 討 の 結 果 と して 次 の こ とが 明 らか. にな った。す な わ ち,韓 米FTAと 付 加 価 値 基 準(RVC),加 韓 米FTAは,締. 原 産 地 規 則 の 最 も重 大 な 課 題 は,品 目別 に複 雑 ・. 韓EUFTAの. 工 工 程 基 準(SP)が. 原産 地 決定 は,関 税 番号 変 更基 準(CTC), 適 用 され て い る。 ま た実 質 変 更 基 準 の場 合,. 結 国 内で 創 出 され た付 加 価 値 が,一 定 水 準 以 上 で あれ ば,そ の 国 を 原 産. 地 と認 め る方 法(RVC)を. 認 め て い る が,韓EUFTAで. は,域 外 の 物 品 ・原 材 料 の 金 額. や 数 量 が,一 定 基準 以 下 で使 用 され て い る場 合 に原 産 地 の 資格 を 付与 す る方 法(MC方. 式). を採 用 して い る。 な お,FTAに. よ って 関 税 を撤 廃 して も,厳. しい原 産 地 規 則 を 制 定 す る と,自. 一189(1315)一. 由な 貿 易.
(20) 第59巻 は で き な くな る 。 こ の た め,FTAの. 第3号. 原 産 地 規 則 は,国. 家 間 のFTAの. 効 果 を 半 減 さ せ る,. 隠 され た貿 易 障 壁 で あ るだ けで な く,国 別 で 複 雑 にな り,多 様 化 して い る原 産 地 規 則 に よ り,WTOを. 通 じた世 界 的 な 経 済 統 合 に対 して 妨 げ にな る と い う批 判 を 受 けて い る。 この. よ う に原 産 地 規 則 は重 要 な 争 点 にな って い る に も係 わ らず,韓 国 の 原 産 地 規 則 に対 す る関 心 と研 究 は,相 対 的 に脆 弱 で あ る。 特 に,韓 国 の 状 況 を反 映 した品 目別 原 産 地 規 則 は今 後 と も課 題 とな る。. 参. 考. 文. 献. AnneO.Krueger(1999)"FreeTradeAgreementsasProtectionistDevices:RulesofOrigin", inJamesMelvinetal.(eds.)τrα46τ. 舵oryα η4Ecoηo耀. 〃lc5,E∬ αy51ηHoηorρ プノo加Cゆ. 刑α艦. Routledge,London. Bhagwati,Jagdish(1995)"U.S.TradePolicy:TheInfatuationwithFreeTradeAreas",in JagdishBhagwatiandAnnO.Krueger(ed.),7加Dα. ηg6ro配5Drの'oPr昨rθ. η'∫ α1τ君α46Agrθ6刑 θ彫&. 1-18,WashingtonD.C.:AmericanEnterpriseInstitute. DorotheaC.Lazaro&ErlindaM.Medalla(2006)"RulesofOrigin:EvolvingBestPractices forRTA/FTAs,"D'5c配. ∬'oηPαρ6r56r'6&No.2006-01,PhilippineInstituteforDevelopment. Studies,pp.1-18. JohnJ.Barcelo皿1(2006)"HarmonizingPreferentialRulesofOriginintheWTOSystem," Corη6〃jLαw5c加01五6gα15加4'65Rθ. ∫θακ 乃Pαρθr5θr'65,No.06-049,CornellLawSchool,pp.2-. 5. AnnJeongju(2009)「FTA利 唱. 召. 暑剛列. 望 子 」 『社 会 科 学 研 究 」 第5巻. 叫喜. 第2号. 剖 祉 ス1テ 碧 到. 奇皇相斗. 。(邦 訳:FTA締. 剖 杢}ス1碧旦 到. 豆音瑚. 豊司世. 結 拡 大 によ る原 産 地 規 則 の 重 要 性 と原. 産 地 情 報 の 効 率 的 管 理 法 案 研 究)。 AnnJyejin・NamPungwoo(2007)障}EU宅 (邦 訳:韓EU原. 冠 ス1テ 碧 到. 与碧. 喫. 潮 号 唱 魁 望 子 」 『貿 易 学 会 誌 』. 産 地 規 則 の 特 徴 と対 応 法 案 研 究)。. ChungInkyo・JoJeongran・Banhokeyong・KimSokho(2005)『 子. 喫 碧 号 暑 司 』 韓 国 経 済 研 究 院(邦. GoYoungbu(2006)『 国FTA原. 重}テFTA組. 尋 琴FTA組. 訳:韓. 国FTA原. 杢}ス1テ碧 到. 潮 ロ1喫. 杢}ス1〒卜瑚91望. 産 地 規 則 の 研 究 と 実 証 分 析)。 君 碧71{}』. 対 外 経 済 政 策 研 究 院(邦. 訳:韓. 産 地 規 定 の 意 義 と 決 定 基 準)。. JoJeongran(2010)「. 重}≡ 苧斗. 望 早 到FTA皇1・. 望 子 」 「貿 易 学 会 誌 」(邦 訳:韓. 牡 ス1i子閣. 国 と 日 本 のFTA原. 司 工正甚 ・ 到 喫. 重}(蓉FTA割. ・ 牡 ス1テ 碧. 産 地 規 則 の 比 較 分 析 と 韓 日FTA原. 入1母 咽. 産地規則. の 研 究)。 JungJaewan(2008)「. ヨ掴1早9司. 瑚暑倒ゼ. ♀}冠 想 く}71歪 司. 毛}妊 ヱ.冠 」 『関 税 学 会 誌 』(邦 訳:国. 際 貿 易 で 適 用 さ れ る 完 全 生 産 基 準 に 関 す る 考 察)。 KimSokho(2006)障}号FTA碧. 相 潮 望 杢}ス1君噌 フ1歪 司 旦 」 『通 商 法 律 』(邦 訳:韓. 国FTA協. 定の. 原 産 地 決 定 基 準 比 較)。 KimSokho・JungJaewan(2010)「 ラ ム 』(邦 訳:特. 号 司 組 杢}ス1唱唱 司 刈 釧. 社 杢 糾 司1望 播}望. 子 」 「租 税 研 究 フ ォ ー. 恵 恵 原 産 地 立 法 体 系 の 簡 素 化 に 関 す る 研 究)。. LeeSeoyoung(2006)『. を テFTA剖. 杢}ス171碧 司. 叫喜. 日1皿 望 子 」 創 業 情 報 学(邦. 訳:韓. 国 のFTA. 原 産 地 規 定 に 関 す る 比 較 研 究)。 NoHeonryul(2010)障}号FTA耳 訳:韓. 国FTA特. 司普刈到. 暑暑. 喫 ム 叫 洲司 暑 潮. 君 瑚 皇q」. 恵 関 税 の 活 用 と ス パ ゲ ッ テ ィ ・ボ ウ ル の 決 定 要 因)。. 一190(1316)一. 『税 関 学 会 誌 」(邦.
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