Cytometry Research 30(2):35 ∼ 36,2020 35 株式会社エスアールエル 音羽病院 SRL 検査室
FCM 認定合格体験記
第 22 回サイトメトリー技術者認定試験 合格体験レポート
寺内 翔
【Ⅰ.受験に至った経緯】 私は日常業務において主に血液分野の業務を担当し ており,血液像や骨髄像検査も実施しています。そん な中でやはり臨床からは細胞表面抗原解析の結果につ いて問い合わせや相談等が検査室へやってきます。ま た実際にCD34 定量検査等を実施してきた中で判断や 解釈に悩む事もありました。受験当時までに培った知 識や経験からこれまでにも臨床対応を行ってきました が不足している部分ももちろん私自身認識しておりま した。 骨髄像などの細胞形態学に関しては認定血液検査 技師としてある何か自身のスキルアップと臨床への フィードバックを可能とする手段はないか模索してい る中で,一定水準を満たしている指標となる本資格取 得を目指すことで知識・技術ともに習熟し更なる臨床 貢献に繋がると考え受験に至りました。 【Ⅱ.試験対策】 試験対策としては試験内容等の調査から始まりまし た。実務的な内容も問われるが筆記試験のみ(共通問 題25 問+専門領域問題 25 問で構成)であることを念 頭に置き,一旦学会HP にリンクが掲載されている過 去問を解くことにしました。試験は表面抗原コースを 選択しており,表面抗原解析に関する知識や技術につ いてのこれまでの経験も考慮し正答率80%以下の領 域について重点的に対策することを決めて自己分析を しました。結果からフローサイトメーターの基本的な 構造と機能や蛍光色素に関する基礎知識,共通問題の 中にも含まれている染色体についての基礎知識,DNA 検査に対する知識が不足している(正答率:65%)こ とが判明しその領域について最終的に正答率100%に なることを目標とし取り組みました。またCytometry Reserch 誌に掲載されている「認定サイトメトリー 技術者筆記試験用到達目標」を参考に各セクションの 到達目標に達しているかチェックし達成度と進捗管理 を行い試験に臨みました。(図1) 試験対策テキスト:スタンダード フローサイトメ トリー 第2 版 【Ⅲ.試験当日】 試験日当日は試験会場に到着して9 時頃から日本サ イトメトリー学会技術講習会から始まりました。 内容としてはテキストに沿った講習および症例演習 (図2)でしたが,テキストには載っていないような +α的な知識なども織り交ぜられており試験にも関連 した問題がいくつか出題されていたことを記憶してい ます。講習会は16 時頃まで実施されその後少し休憩 を挟んですぐに認定試験が開始されました。 図 1 試験対策チャートFCM 認定合格体験記 36 試験問題はテキストの内容・講習会の内容から全て を網羅する形で出題されており,直前の講習会で講師 の方々の講義を受講したということもあり苦手意識の あったDNA 検査に関する問題もクリアすることがで きました。 【Ⅳ.受験を終えて】 試験内容としては筆記試験のみでしたが,全体を通 して実務的な内容に関しても理解度を深めていないと いけないという印象でした。私の場合は担当している 業務の特性上,細胞形態学を中心に推定疾患等を頭の 中で展開していくことがほとんどですが血液疾患の分 類においてWHO 分類が用いられており細胞表面抗原や 細胞遺伝学検査が病型分類・包括的な診断に必須であ りその他分野においても同様で今後さらなる発展のあ る領域と考えています。我々自身もこれらの領域に対 する知識や技術の習熟が必要不可欠であり日々アップ デートしていかないといけないと改めて感じています。 今回,無事合格することができサイトメトリー認 定技術者として臨床貢献することが可能となり臨床医 からの結果解釈に関する問い合わせや相談に対しより リアルタイムに対応することができるようになりまし た。検査室からも細胞形態などから「〇〇解析セット や〇〇検査を検討してください」や「骨髄のリンパ球 割合が多く末梢と乖離あり,リンパ腫を否定できない 為表面抗原解析の追加を検討してください」など臨床 へのアドバイスによって実際に確定診断に至ったケー スも経験し臨床医からの信頼も獲得できていると実感 できる場面にも遭遇できており,チーム医療の一員と して患者様に対する質の高い医療の提供に微力ながら 貢献できていると思っています。 もし合格出来ていなかったとしても今回取り組んだ 経験は確実に今後に活かすことが出来るはずなので受 験に取り組んでよかったと思います。 図 2 日本サイトメトリー学会技術講習会 講習内容