61
投資分析用言語システムの構造
一INVALシステムの構造一
太
田
幸
工 は じ め に
手軽で小回りがきき,しかも低価格なパーソナルコンピュータの処理能力
が,近年になり格段と進歩してきた。また,近い将来には,16ビットvイク
ロコンピュータの使平等により,大型機種とのインタフェースも期待できる
ようになってきている。以上の理由から,パーソナルコンピュータにより言語
システムを開発し,エンドユーザに提供していくことは,有効であると考えら
れる。
ここでは,パーソナルコンピュータでの問題向き言語処理システムの一例
として,投資分析用言語システム:INVALシステム(INVestment Analysis
Language System)を取り上げる。以下では, INVALシステムの構造につい
て述べていくが,他の問題向き言語作成上の基本的なシステムとして,INVAL
システムを利用することは適当であると考えるものである。
III亙NVALシステムの言語
INVALシステム(以下,システムと呼ぶ)の言語は正整数で表わす行番号
と,それに続く命令行から成る。
命令行内の各命令文は粒”で区切られており,命令文の位置を示めす文名
は“/”で区切られている。文名は,英字より始まる英数字(以下,英数字と
呼ぶ),または数字で表わす。
*)文字は“eで囲み,表現する。
62 彦根論叢 第2/4号
注釈は,命令文の場所に㌧”を置いて表わす。その行内で,㌧”以降の
文字列はすべて注釈とみなされる。
命令行
行番号 命令文 文名 命令文 命令文 注釈
癬 1}1蹴1了1・:i :憩!工F::・:1 ::鎚::一::一三::韓土丁畠慶丁:$=:4
図2−1
言語の変数には,英数字による通常の変数と,INVAL言語特有の投資変教
として,投資パラメータと投資プランの対で表わしたものとがある。
投資変数は,スカラー変数と時系列変数め2種類あり,投資パラメータ.投
資ブラシおよび投資パラヌータ..投資プランで表わす。投資スカラー変数の
投資パラヌータは,PV, FV, RATE, PMT, BONUS, BALN, DOWN,
BOOK, SCRAP∫FACTの10種類であり,投資時係列変数の投資パラメータ
は,PV, FV, RATE’C PMT, BAL, INT, REDUC, OEP, ACCDEP, RE
MBKの10種類である。投資プランは,任意の英数字で表わす。例えば,投資
ブラシAの久カラー変数FVはFV.A,時系「列変数RATEはRATE..A
な.どと表現する。 ’.”
’感官時における期間め設定は,DATE文またはPERIOD文でする。それ
らの期間ほ,投資演箕での投資期間,あるいは命令文の繰り返しの期間として
用いる。
皿 互NVA垂システムの構成
システムの構成は,開始ルーチン,コマンド処理ルーチシ,翻訳ルーチン,
実行ルーチン,エラーメッセージルーチンの5部の処理部から成る。おのおの
の処理部の流れを図3−1に示めす。
開始ルーチンは,システム作動の最初に稼動するルーチシである。このルー
チンで,変数その他の領域の格保や,システムで使用する制御変数の初期値設
定を行なう。処理を終えるとコマンド処理ルーチンに移る。
投資分析用言語シス.テムの構造 63
開始ルーチン
コマンド処理ルーチン 一_=・==
翻訳ルーチン
一︷一 一 一 回 四 回 田㎞
実行ルーチン
層一b 一■一闘一。一 P:
エラーメ・ソ静心ジ
ルーチン
図3−1
処理の流れ
りのサのロロゆユーザのエラー時
の流れ
コマンド処理ルーチンは,ユーザの作成したINVALプPグラム(以下,
プログラムと呼ぶ)の編集およびフロッピー一・ディスク(以下,ディスクと呼
ぶ)に対する入出力の処理を行なうルーチンである。ユーザは,コマンドによ
り処理内容を指示する。プログラムに対する実行コマンドのRUNにより,翻
訳ルーチンに移る。
翻訳ルーチンは,プnグラムを翻訳し,正の整数値による目的コ・・一ドを作り
出すルーチンである。翻訳が終わると実行ルーーチンに移る。
実行ルーチンは,目的コードの値から命令を選び出し,実行するルーチンで
ある。実行が完了すると,再びコマンド処理ルーチンに移る。
エラーメッセージルーチンは,コマンドのエラー,またはプPグラムの文法
および実行のエラー時に,エラーの内容に対するメッセージを表示するル・一一チ
ソである。メッセーtジ表示後は,コマンド処理ルーチンへ移る。
以上5部の処理部の他に,サブルーチγとして使用する処理部が4部ある。
それらは,入力ルーチン,分解ルーチン,コード化ルーチン,演算式翻訳ルー
チンである。おのおのの処理部の関係を図3−2に示めす。
64 彦根論叢第214号
一椰一一一一■璽一一冒曹一9一一一一一一一口囎一瞳層幽鱒昌.一一一一餉一一一層一一■騨一一騨「 コ コ I r・一r一一一一一一一一9一一噌一一一一一一一一一一一 ■ 1釦
開始ルーチン
コマンド処理
ルーチン
翻訳ルーチン
実行ルーチン
エラーメッセージ
ルーチン
入力ルーチン
演算式翻訳
ルーチン
コード化ルーチン
J 一 一 一 , 閂 O 曹 辱 隔 1 一 一 一 一 一 一 卿 諄 藺分解ルーチン
サブルーチンの
呼び出し
ロロロコロロ のユーザのエラー時
の流れ
図3−2
入力ルーチンは,システム内にキーボードまたはディスクより,文字の並び
を入力するルーチンである。1回の実行により,255文字までの文字の並びが
一行だけ文字変数に入力される。
分解ルーチンは,与えられた文字の並びを,指定の位置より順に単語に分解
していくルーチンである。このルーチンは,呼ばれるごとに単語を一つづつ取
り出して引き渡す。’
コード化ルーチンは,分解ルーチンで取り出された単語を数値に置き換える
ルーチンである。数値は単語が変数や定数の場合には,その値が置かれている
番地であったり,単語が“+”やNX一”のような演算子を表わす特殊文字の場
合には,演算の優先度であったりする。このルーチンは,呼ばれるごとに与え
られた単語一つを数値に変換する。
演算式翻訳ルーチンは,翻訳ルーチン処理の中での演算式の翻訳を担当する
ルーチンである。このルーチンは,コード化ルーチンで作られた数値から翻訳
し,目的コードを作成する。1回の処理で,一つの演算式の処理を行なう。
投資分析用言語システムの構造 65
IV開始ルーチン
開始ルーチンでは,システルで用いる各種テーブルの格保を行なう。各テー
ブルの役割は次のようである。
テーブル名(引数)
役
割
NA$(NN):
NV(NN)
LL$ (LN) :
NB(LN)
PP9.(PC)
LB$(BL) こ
POO/o(BL) :
CH$(CN) :
PQ9(.(LN)
ST(SN)
DD(DD9(o) ;
IK$(19) :
プログラム内の変数名のテーブル
NA$に対応する変数あるいは定数の値
プログラム内の命令行のテーブル
LL$に対応する行番号
目的コードのテーブル
プログラム内の文名のテーブル
LB$に対応する文名が存在している場所の目的コードを
収納している,PP%のテーブル番号
GO文の飛び先の文名テーブル
命令行の最初の目的コードを収納している,PP%のテー
ブル番号
作業用のテーブル
DATA文のデータのテーブル
投資パラメータ名を収納しておくテーブル
ft 4−1
BASICでNA$のように,変数名にxx$”が付くのは文字変数であり,文
字数が0の空文字NN t!から255文字までの文字の並びを値とする。
またPP%のように,変数名に“%”が付くのは整変数であり, NVのよう
な実変数が値を記憶するのに5バイト必要であるのに対して,整変数では2バ
イトで値を記憶する。システムで整変数を使用する理由としては,整数値のみ
の表現とメモリーの節約が挙げられる。
変数テーブルは,NA$とNVを用い,おのおの変数名と変数値を記憶す
る。また,定数のテーブルも同じNVで値を記1隠する。その場合,定数の値
に対応するNA$の文字は空文字となる。よって,目的コードにおいては,
演算される値はそれを収納しているテーブル番号で表わすため,変数と定数の
区別がない。この利点は,テーブルが一つでよいことと,変数と定数の間の区
66 彦根論叢 第214号
別がいらないことである。
NV(0)からNV(11)までの12変数は,制御変数としてシステムで使用する
ため,NA$とNVのテーブル番号は12より始まる。
NVのテーブル番号
自
1
二
,r
T;
箏
巳
7
s.一4.1蓼
12
NVの値
アニ1…瞬13、脱臼蓼1
103≡:El昌尽目1詮
;’::”’i1き営1.曽臼1
1’ヨξ睡.臼蓼臼き田、 一
1
二
・まI t :,,s1
DATE文の月次の期間数
〃 の始期
” の終期
PERIOD文の月次の期間数
〃 の始期
〃 の終期
PERIOD文の期種
月次の場合の月の増分値
.四半期の 〃
半年の 〃
月次の 〃
SERIES=O, NOSERIES==1
このNVの値は、
邉臼丁三 1タ1ヨ臼!1−1‘聖三1馨!1心置F8E擢lI口臼 H臼LF
PE:錘1工〔1〔:11’韮;1!三蓼一1塵鴛4!’9
卜4◎’三E汗:工ε雪
を実行した時の値て、期の月は1/10000の値で小数部に入る。
NV(11)の初期値は0である。
tc 4−2
プPグラムの行番号と命令行は,NBとしL$に記1擁し, PQ%には各命令
行の最初の目的コードを記憶しているPP%のテーブル番号が入る。 PQ%よ
り,実行時のエラーの場合,エラーのあった目的コードからその目的コードの
発生した命令行を捜し出すことが可能となる。
プログラムの命令文に付く文名と,その位置の目的コードのあるPP%のテ
ーブル番号は,LB$とPO%に収納する。また, GO文が出現することに,
その飛び先文名をCH$に収納する。これらのテーブルを用い, GO文実行
時の処理を行なう。
DDは, DATA文内のデータ値を収納する。 READ文実行時にはDDよ
り値を取り出し,変数に割り当てる。
投資分析用言語システムの構造 67
V システムのサブルーチン
5.1 入力ルーチン
入力ルーチンは,文字の並びをキーボードあるいはディスクより入力する。
ラ
入力される文字の並びは,一行ごとに機械語のサブルーチンで読み込まれ,文
字変数L$に転送される。文字の並びは,一行255文字以内で,キーボードから
リターンキーのみ押して1文字も入力しない場合のL$の値は空文字となる。
ディスクからは,プログラムの入力に使用する。機械語サブルーチンは,文
字の並び内の文字として“,”を入力するためである。
キーボードのプロンプト記号としてツを表示する。
処理 入力文字の並び一行分をL$に入れ,分解位置Cを初期値の1
とする。
5.2 分解ルt・・一チン
分解ルーチンは,L$とCから文字列,定数特殊文字のいずれかの単位で
取り出し,その値をV$またはNに入れる。
分解は,一つ以上の空白’”または特殊文字1文字の前後を区切りとする
方式で行なう。分解により取り出される単語の中には,空白は含まれない。
文字例は,英数字の他に,システムの特殊性から黙.”か黙..”がその中に
含まれている文字の並びである。
定数は,数字のみか,小数点の”S.”あるいは指数の“E”とその符号を含
む文字の並びから成る。
特殊文字は,空白を含まず,英字および数字以外の1文字,あるいは空文字
である。
文字列の場合,V$は文字の並び, Nは文字列内のNN.”の数である。
定数の場合,V$は空白, Nはその定数の値である。
*)機械語サブルーチンは,安田寿明rTiny PASCAL移殖のすすめ」bit共立出版
1980,7月,VoL!2, No.8掲載の機械語プログラムを圧縮し,番地移動して作成し
たものである。
68 彦根論叢第214号
特殊文字の場合,V$はその文字, Nは一1である。
いずれの場合も,分解した後,分解位置Cの値が次の分解単位へ進む。
処理 V$とNに分解された文字と数が入り,Cの値は次の分解単位の
位置となる。
5.3 コード化ルーチン
コード化ルーチンは,演算式翻訳の前処理として,V$とNから2つのコー
ド用の数値を選び出しX1とX2に値を入れる。そしてX1とX2で翻訳ル
ーチンに値を渡す。
分解ルーチンによる単語とX1, X2との対応表を次に示めす。
変 数 X1
一般処理用とスカラー 1
時系列
定 数
数 値
演算子 X、X2 i
OR
AND
NOT
〈
〉
〈〉または〉<
=
<=または=〈
〉=または=〉
±
X
カッコ文字 X1
( 4
) 6
3 2.02 1
3 2.03 1/
5 5164 ii
3 3.os 1
3 3.06 1’
3 3.07 1
3 3.os 1
3 3.09 i
3 3.io l
g 2ill i
3 s.13 1
終文字
空文宇
’
2
1
X2
NA$のテーブル番号
ll
NVのテーブル番号
演算子
ズ
1緊
え♀壽
罐
含ll
鵬
∵∴罫・の他の文字”
i漁
Xl X2
3 5.14
3 6.15
3 8.17
3 8.18
3 8.19
3 8.20
3 8.21
3 8.22
3 8.23
3 8.24
3 8.25
3 8.26
Xl
o
表5−1
$
A
N
8タこ㌔ “ 翻 ■F o,酬卜.匹 . 虜 霜 o朧﹁喘 昌r=レい自自E‘雛N醒k.負τ配8E・8罐り園OB
鰺8TT珂し那騨り四竃U8躍TT﹂丁疑舜⊂暫
リリ画円白目0口C自一3・り肖白白NEε障L薮
PF擾PB后むB3FPF駐P爵1舜夢画陵
躍ε︷帽 露 翻 ■篇麺 8﹃瓢ε 踏 躍 冨 隔︸ポ一 8E変雛BF一露辱握握匿︵HT .■E .曾■冒り8熱営
曝露TT聾し耐=U浸癒隠縄τTLT自PC煙
り”サ︵琴曲∵U∴H自=”=し募り11二H麺・臼NEF驚Uε
PF舜PB已跡B剛”︸、働FPF段Pき王鐙夢自陀
号
嗜2345白7ウ隠う両王葺“4妄hテ警ご”p三︻∵き慧﹂三二u⋮自i23慧ゴhラ画聖一僧り二群三⋮4奪皇ニリロ尋臼12
カー1111111苧三冠ワ⋮.﹁章さ22三ξ﹂⋮,響≒雪馨﹃三三4母44曝444醤−蓉﹃.¢4忌3⋮﹃忌聖.﹃⋮らるら
一 テPり.自
Fり.自
擾画TE.自
P白丁.貞
E:〔lil・1し1:…8爵 E…葦蔚LH“庄≒ [,〔1珪」卜1翻肖 E;〔1梶⊃k■趨 1≡:c:凹凹Ft.ゴ≒F自。τ。自
Pりn配繭
Fl、」。8自 己:肖TE..爵P白丁・虜肖
E’肖L、.臼 1卜{丁罐。臼 罧「E:[〉り。。駆魯 [:崖EFt園昌臼 画1=!=£撃EP翻。爵 F:E「圏雪E蓬え星n自 Pり聞E; Fivl# E: 鐸1爵丁∈:躍E: P暦顕露εξ E奮コ聾し;∈i8 El ≡1耀し上露E: [:1〔=1し」卜1翻…i蓄 B〔:1〔重}く■1…1 …:⊂.鐸1自FI露E: F−1:1−r. E: F「し㌔.E;Fり縄■E
FII爵τE踏8EI
F虚日丁.躍El Elf≒L曾冨El 王卜4丁■隔E: EIE[:iLU::. . E: [)EF’s t E 自⊂:c£’IEP圏8El 搾:Et・蓬三旨紅8曜E:投資分析用言語システムの構造
NV
1臼3臼
1
1臼;…15i2
日
前
Et虞
蓼
慈
縁
@ 定一
1…:臼童ヨ慈蓼臼6臼尽
唇
窃
藤
騒
騒苫i桑臼臼臼臼{ヨ臼
臼
量
ご1…1暮霧35ユ“ ヒ1ヒ1ヒ三重“雛iゴヒヌ懲
}き 々投資グループAの番号
ξ1臼蓼臼蓼曽1き自 1 i:一:t1繕
1t Ef・1・ .一 S嘩
懲
臼
臼
摩
魯
藤
1き懲
魯
!ヨ睡
敷
ス負醜角醗藺向画臼
曇
藪
臼
辱
融
i
表5−2
定数
e投資クループBの番号
69
70 彦根論叢ce 214号
演算子の中てX2=7.16が抜けているのは,“一A”のような単一演算子の
“一”
ノ対して用いるためである。演算子のX2の小数部は変換後の目的コー
ドであり,整数部は演算の優先度の値である。例えば,X2=4.11なら目的コ
ードは11,演算の優先度は4となる。
V$、とNは,X1が1から4と6の場合,次のコード化ルーチン処理後の単
語の値が入る。
投資変数をコード化する場合,その投資グループが,SET文により定義済
みでなければならない。投資グループの定義は,スカラーと時系例の各10変数
と投資グループの番号の21変数の領域がNA$とNVに作られる。
処理 V$とNより,コード用の数値としてX1とX2に値が割り当て
られる。
5.4 演算式翻訳ルーチン
演算式翻訳ルーチンは,演算式の翻訳において,X1とX2より演算実行の
ための目的コードを作り出す。
演算式は,プッシュダウンスタックとしてテーブルSTを用い,逆ポーラ
ンドの方式で目的コードを作る。
婆
ダ
f
テーブル番号
2345611111
X米A AND
NA$ NV
X o
A O
2
B O
3
逆ポーランド記法
目的コード
2−X (B十3) 一3
演算トリー
AND
/ x
米 一
1\ ハ
X A X 3
ハ
2 十
ハ
B 3
XA米2B3十米3 AND
x一一H−s .’一一一N x−NL−s 一A A .t−x.
1 12 1 13 13 ! 14 1 15 1 16 ll 13 1 16 12 3
(目的コード1は、次の値がNVのテーブル番号であることを示めしている)
図5−3
投資分析用言語システムの構造 71
処理 一つの演算式を,X1とX2を用いて翻訳し,目的コードを作り
出す。
VI コマンド処理ルーチン
コマンド処理ルーチンでは,
コマンド
空文字
行番号
BYE
NEW
CATALO(}
NOPRINT
LOAD
SAVE
DELETE
LIST
DEL
A TJ’liOREN
RUN
このコマンド処理ルー・一チンは,
空文字の入力で,
値と増分値であるSSとSCで定まる。 SSとSCには,開始ルーチンで初期値
10がそれぞれ設定されている。行番号は,プログラム内の行番号の最大値に
SCを加えた値となる。プログラムがない場合は, SSの値となる。 SSとSC
の値は,AUTOコマンドあるいはRENコマンドの指定値により変更でき
る。BYEコマンドにより, INVALシステムを終了し, BASICシステムに移
次のコマンドの処理をする。
機 能
行番号の自動発生(自動発生を終えるには,再び空文字を
入力する)
行番号による,命令行の追加,挿入,:更新,削除
システムの終了
プPグラムの削除
ディスク内のプnグラム名の表示
表示文字の同時印字
PRINTコマンドの解除
ディスクからのプログラムの取り出し
ディスクへのプログラムの格納
ディスクよりプログラムの削除
命令行の表示
命令行の削除
行番号の自動発生(行番号の始値と増分値指定)
行番号の再配置(行番号の始値と増分値指定)
プログラムの実行
tc 6−!
コマンドの追加が容易に行なえる。
行番号が表示される。行番号の値は,行番号発生時の始
72 彦根論叢 第214号
る。その際,INVALシステムのプロンプト記号“)”』が, BASICシステム
のプPンプh記号匂”に変わる。
CATALOGコマンドで表示されるプログラム名の中で, INVALのプログ
ラムはテキストとしてディスクに格納される。よって,INVALプログラム
は,“T”の記号が示めすプログラム名よりLOADコマンドで取り出され
るσ)o自下自u旧
bl雲}くりOL塒慌254
趨Et7t; 1械楠L
s昌昌2 1卜IF’UT 30き臼一$臼
TE EI4 P一画憩
丁融魯4P鞠臼1
丁魯窃2NrJ一・7
丁琢臼写N心一一臼
T臼田2糾Q一ら
T臼臼3卜IO−3
’『窃鞍雲門}91一,“
丁魯痺霊NO一一・5
丁8ξ澱卜臆一1
T臼臼2円。一苫
T勇量昌EE拷1爵L−FILE
T寛寛2TE$Tl
TEtE13 HO一’ヨ臼
A;BASICプログラム
B:機械語プログラム
T:テキスト(工NVALプログラム、
ただしSERIAL−FILEはINVAL用の
ワークファイルで、プログラムではない)
次.の数は記憶の占有数で、INVALは
79×256以下のバイト数をディスク内に
占有している。
図6−2
W翻訳ルーチン
翻訳ルーチンは,次の各命令文に対し,目的コードを作り出す。
命令 交
目的コード
投資分析用言語システムの構造 73
処 理 内 容
DATE文
PERIOD文
SET文
WRITE文
IF文
GO:文
DATA交
READ文
INPUT:文
NOSER館S丈
SERIES文
RESTORE文
PRINT文
NOPRINT 」(
END:文
COMPUTE交
ANNUITY 31:
FUND文
PVFV文
ADDON交
IRR交
DEFSL:交
DEPDB:文
DEPSYD交
29
29, 35
30,その他
36, 33, 37
38.39,その他
40
なし
41
45
43
44
42
46
47
27
1t−26, 28
5!52
0r3 0r4 Jr556
Jr758
投資プランの登録期間設定
投資プランの実行期間と期種設定
投資プランの登録
変数値の表示
真偽判定による実行の流れの制御
文名への飛び越し
READ文のためのデータ設定
データの読み込み
キーボードからの変数値の入力
時系列処理をスカラー処理に変更
NOSERIES:文の解除
READ文のデータを, DATA文の最初
のデータからにする
表示文字の同時印字
PRINT文の解除
実行の終了
演算式の値を変数に代入
年金法
基金積立法
現価法・終価法
アドオン方式
内部収益率法
減価償却定額法
減価償却定率法
減価償却級数法
命令文追加の場合,
らの番号を利用すればよい。
SET文, COMPUTE文, IF文には演算処理が含まれるので,目的コード
は1から26と28の組み合わせが作られる。
DATA文は,翻訳ルーチンの段階で処理されるので目的コードは出な
いQ
表7−1
目的コードの48,49,50と59以下が空いているのでそれ
74 彦根論叢 ce 214号
皿実行ルーチン
実行ルーチンは,次の各目的コードに対して,それぞれの処理をする。表7
−1と対比させるとよい。
目的コード
処
理
内
容
126
@ 58
;箆293Q訂繊鈴鍛3536㎝銘39如皿翌娼艇菊妬貯∼
2
15
NVの値をスタックテーブルSTにプッシュダウンする。
STを用いて演算処理をする。
プログラムの実行を終了する。
スタックテーブルSTの値をNVヘポップアップする。
DATA文またはPERIOD文の期間を設定する。
SET文での時系列変数RATEとPMTに値を入れる。
実行期間の繰り返しの始点とする。
実行期間の繰り返しの折り返し点とする。
時系列変数より値を取り出す。
時系列変数に値を入れる。
PERIOD文の期種を設定する。
WRITE文での変数名の表示をする。
WRITE文の変数値の表示をする。
NOSERIESの状態の時,期間を終期のみとする。
IF文の処理をする。
GO文の処理をする。
READ文の処理をする。
RESTORE文の処理をする。
NOSERIES文の処理をする。
SERIES文の処理をする。
INPUT文の処理をする。
PRINT文の処理をする。
NOPRINT文の処理をする。
投資演算の実行をする。
表8−1
ここでは,
テーブルSTを演算用プッシュダウンスタックと,投資時係列
変数のディスクの入出力バッファに用いる。
投資分析用言語システムの構造 75
1X エラーメッセージルーチン
コマγド処理ル・一一チン,翻訳ルーチン,実行ルーチンでの各エラー時のメッ
セージを示めす。
コマンド処理ルーチンでのエラー
エラー番号 意 味
1 コマンドのエフー
翻訳ルーチンでのエラー
号
番2
一,34567
ラー
工
意 味
構文のエラー
命令語のエラー
未定義投資変数の使用
文名の2重定義
DATE文の2重定義
左右のカッコ数の不一致
実行ルーチンでのエラー
エラー番号
1
2
3, 4
5
6
7
8
9
10
11
!2
13
14
意 味
0による割算
演算の引数としては不適当な値
DATE文の未定義
文名の未定義
現価の未定義
終価の未定義
利率の未定義
支払額の未定義
帳簿額の未定義
定率法修正係数の未定義
利率が0と5の間に発見不能
IRR文で期間数が600以上
(期種が年次の場合,600年を超える)
DATA文のデータより多くのREAD文実行
表9−1
構文のエラーの場合,エラーの場所を“〈”で示めす。
76 彦根論叢第214号
IRR文では,テーブルSTを用いるが,要素の数が600である関係上,期間
数を600までとする。また,IRR文において,利率を求める範囲を0から5ま
でとし,その間に利率が得られなければエラーとする。
エラー時には,エラーメッセージとエラーのあった命令行を表示する。その
場合は,プnグラムがコンビ=一覧内に存在するので,エラー部分を訂正し,
RUNコマンドにより再度実行をする。
X お わ り に
INVA:Lシステムは, APP:LE皿のDOS 3,2からDOS 3,3に移行,修正し
た。それより,前回発表のINVALシステムに対し,若干の修正,追加がある。
コマンド処理ルーチンでは,コマンド名のEDITとENDをLOADと
SAVEに変名した。コマンドの追加として,行番号の自動発生と再配置のコ
マンド,および印字のコマンドがある。
実行ルーチンにおいても印字命令を追加した。
実行ルーチンでのディスク入出力時などのエラーでBASICシステムに移っ
た場合は,BASICコマγドのGOTO9999により,実行ルーチン開始前の状
態のINVALシステムに復帰できる。
言語システムの設計上の基本構成として,INVALシステムを例に述べてき
た。
システムをBASIC語で作成したのは,実行速度を犠牲にしても,システムの
変更や拡張に対処し易い点を重視した事による。特に,INVALシステムはデ
ィスクへの入出力処理を含むので,速度の短縮は効果的でない。また,それは
実務向きのシステム作成には,外部記億との入出力がますます必要となってく
ると思われる事より,処理の速度に特に注意を払う事はないであろうと考える。
参 考 文 献
1)拙稿「パーソナルコンビ=一・一タによる投資分析用システム」彦根論叢 第2ユ3号 昭
和57年。
2)拙稿「投資分析用のプログラム・システム」彦根論叢 第196号 昭和54年。
3)杉浦一平他編「STEPS」東洋経済新報社 昭和56年。
4)島内剛一旧著rFORTRANの実際」サイエンス社昭和49年。
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投資分析用言語システムの構造
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投資分析用言語システムの構造
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