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先端社会研究所個人業績・活動報告(2012年1月~2012年12 月)

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(1)

先端社会研究所個人業績・活動報告(2012年1月∼

2012年12 月)

雑誌名

関西学院大学先端社会研究所紀要 = Annual review

of the institute for advanced social research

9

ページ

103-107

発行年

2013-03-31

(2)

先端社会研究所 個人業績・活動報告

(2012 年 1 月∼2012 年 12 月)

所長 山口 覚

2012年 3 月までは「景観/空間プロジェクト」の指定研究員として地方公共団体における 景観行政、あるいは超高層住宅の立地状況など昨今の不動産資本の空間的展開について調査・ 研究してきた。そうした研究はそれ以降も継続的におこなっている。また 4 月以降では「日本 班」の一員として、もともとの研究テーマである労働力移動に関連づけながら、高度経済成長 期における集団就職や外国人技術研修生などに関する資料収集をおこなっている。また先祖調 査(系図学、genealogy)に関する研究も進めている。 ◆著書(分担執筆) 「関西私鉄系不動産事業の展開と空間の再編成──阪急不動産を中心に」『関西私鉄文化を考え る』(金明秀・三宅正弘・島村恭則・難波功士・山口覚)、関西学院大学出版会、2012 年 3 月、 pp.55−72。 ◆論文 「超高層住宅の展開──「高級さ」と「大衆化」をめぐって」『関西学院史学』第 39 号、2012 年 3 月、pp.67−105。 ◆研究ノート 「阪急不動産の首都圏進出──空間の再編成と「阪急文化」のゆくえ」『関西学院大学先端社会 研究所紀要』第 7 号、2012 年 3 月、pp.115−131。 ◆報告 「近現代都市の変遷をたどる──中之島クルージング+近鉄沿線郊外居住地巡り(エクスカー ション報告)」(山口 覚・松田敦志)『関西学院大学先端社会研究所紀要』第 7 号、2012 年 3 月、pp.191−200。 ◆講演 「集団就職をひらく──韓国人技術研修生導入問題との関係を中心に」、2012 年度日本寄せ場 学会総会、2012 年 12 月。

(3)

副所長 李 建志

2012年度の研究活動は 他者問題を基礎に排除と包摂のプロセスを検討した。中でも李は、 雲南での調査を経て、伝統的家屋の文化的な意味 その表象上の意味などの比較研究を行っ た。これらは都市部における伝統的家屋の維持の難しさや、それが近代生活を送る上でいかに 合理的に残していけるかということを、東アジアにおける近代の流入とそれに合わせた生活の 変化から考察した。それは近代生活が排他的に個人のプライバシーを守ることが当然視される ため、いかにして自他の境が曖昧な前近代的家屋を適応させ、折り合いをつけるかということ を考えることであった。この成果は、来年度に関西学院大学出版部から単行本として公開され る。また、在日朝鮮人文学についても研究対象とした。 ◆国内研究会発表 「ピラミッド高しといえども…──平壌高等普通学校時代の金史良」、於大手前大学、2012 年 10 月 12 日(国際シンポジウム「1930 年代東アジア文化交流の研究」、大手前大学交流文化研究 所、2012 年 10 月 12 日−13 日) ◆海外研究会発表 「京都じゃっかどふに記録」、於雲南社会科学院、2012 年 8 月 20 日(「雲南災害の社会表象── 災害の実態・村落の軌跡・表象」、関西学院大学・雲南社会科学院共同研究会、2012 年 8 月 20 日)

専任研究員 川端 浩平

2012年の研究活動は、共同研究「日本班」プロジェクトに携わるとともに、研究会等のコ ーディネート業務を行った。また、ポスト大学院 GP 関連業務(大学院生の教育支援、書評誌 作成支援等)に携わった。オーストラリア国立大学で行われた JSGSS(Japanese Studies Gradu-ate Summer School)では、参加した 5 名の大学院生の英語による研究成果発信の教育支援を行 った。以下が、発表された(予定のものを含む)研究成果となる。 ◆著書(単著) 『ジモトを歩く──身近な世界のエスノグラフィ』、御茶の水書房、2013 年(予定)。 ◆著書(共著) 『現代エスノグラフィー──新しいフィールドワークの理論と実践』、新曜社、2013 年(予 定)。

“Liberated from stigma, fettered by freedom : A case study of young Zainichi Koreans living in my hometown”Futselaar, Ralf, and Buchheim, Eveline eds., Race at War : The development of racial

(4)

stereotypes in periods of Mass conflict, Amsterdam University Press, 2013(forthcoming). ◆論文(査読学術誌) 「二重の不可視化と日常的実践──非集住的環境で生活する在日コリアンのフィールドワーク から」『社会学評論』250 号、日本社会学会、2012 年、203−219 頁。 ◆ワーキング・ペーパー 『方法としてのジモト──地域社会の不可視化された領域をめぐるフィールドワーク』、GCOE Working Papers 次世代研究 91、京都大学グローバル COE プログラム「親密圏と公共圏の再 編成をめざすアジア拠点」、2012 年(編著)。 ◆事典 『現代社会学事典』、弘文堂、2012 年(共著)。 ◆口頭発表 「二重の不可視化と日常的実践」、2012 年度第 3 回先端社会研究所定期研究会共同研究「日本 班」研究会第 1 回、2012 年 11 月 30 日、関西学院大学。 「ジモトと在日」、朝鮮学校ダイアローグ 2012、旧岡山朝鮮初中級学校、2012 年 11 月 10 日。 「グローバリゼーションと移動・定住のフロンティアの現在」(若手企画テーマ部会)、第 85 回 日本社会学会大会、札幌学院大学、2012 年 11 月 3 日。 「方法としての〈ジモト〉──身近な世界をクリティカルに読み解く」、関西若手ルーラル研究 会、キャンパスプラザ京都 6 階第 8 講義室(京都大学サテライト)、2012 年 5 月 11 日。

専任研究員 鈴木 晋介

本年度は共同研究プロジェクト「南アジア/インド」班の班員として計 3 回のスリランカ現 地調査を遂行した(第 1 回 2012 年 7 月 24 日∼8 月 3 日、第 2 回 2012 年 11 月 18 日∼12 月 1 日、第 3 回 2013 年 2 月 7 日∼2 月 25 日。第 2、3 回は外部資金による調査渡航)。同調査では 「南アジア/インド」班のプロジェクト目的と連動した新たな民族誌的データの予備的収集を 行い、次年度以降の継続調査の足掛かりを築いた(このうち第 1 回目の調査レポートは先端社 会研究所 HP に掲載している)。先端社会研究所の業務においては主として広報を担当、また シンポジウム等の企画運営に関しては、シンポジウム「女性の社会参加のための情報通信技術 (ICT)−香港と中国、日本をつなぐ」(総合政策学部吉野太郎研究室と主催、2013 年 1 月 13 日)および「南アジア/インド」班主催の 3 回の定期研究会のコーディネートを行っている。

(5)

◆著書(単著) 『つながりのジャーティヤ──スリランカの民族とカースト』法蔵館、全 398 頁。 ◆著書(共編著) 『スリランカを知るための 58 章』(杉本良男、鈴木晋介、高桑史子編)明石書店、2013 年 3 月 出版予定。 ◆論文 「つながりに己を定める方法──スリランカのプランテーション移民と民族名称」、国立民族学 博物館共同研究「生の複雑性をめぐる人類学的研究:第四世界の新たな記述に向けて」成果報 告論集所収予定(2013 年刊行予定)。

専任研究員 林 梅

2012年の研究活動は、以下の三つの課題をつまり、(1)前年の引き続き、中国朝鮮族の農 村村民自治や生活実践に関する研究。(2)中国朝鮮族の移住労働における女性の役割と「トラ ンスナショナルな家族」の研究。(3)中国雲南少数民族地域の生活実践に関する研究を行っ た。(1)「村民自治および生活実践」に関する研究に対しては、これまでの実証研究をもとに 執筆作業を行った。(2)「トランスナショナルな家族」の研究に関しては、2 回の現地調査を 行った。一回目は移動の女性化現象に対する調査を行い、二回目は村落社会の家父長制に対す る調査活動を展開した。(3)雲南少数民族地域に関する研究は、2012 年 8 月に現地調査を行 い、「歴史的文化遺産をめぐる観光開発の真正性−中国雲南の新平イ族タイ族自治県戛洒鎮を 事例に」と題した論文執筆を行った。 ◆論文(査読学術雑誌) 「国境を越えた労働移動に伴う村落における「留守」の仕組み」『日中社会学会』第 18 号、 2012. 1、pp.88−107。 「墓地をめぐる行政の力と村の意思」『ソシオロジ』第 173 号、2012. 2、pp.51−68。 ◆論文 「村民委員選挙から見る村民自治」『先端社会紀要』第 7 号、2012. 3、pp.99−113。 ◆翻訳論文 「環境の安全性をめぐる郷村発展と国家権力」『先端社会紀要』第 8 号、2012.10、pp.19−42。

(6)

◆国内学会発表 「村民委員会選挙から見る村民自治──中国東北地域の朝鮮族村を事例に」日中社会学会第 24 回大会(立命館大学)2012 年 6 月 3 日。

リサーチアシスタント 中川 加奈子

本年は、ネパールにおける食肉市場形成とカースト間関係の変容の関連について考察した論 文で博士学位キャンディデート認定を取得した。現在、学位申請論文の提出に向けて執筆を進 めている。また、指定研究プロジェクトにおいては「南アジア/インド班」の班員として、定 期研究会の開催補助を行うと共に、2012 年 8 月にカトマンズにおいて「カースト団体をめぐ る包摂/排除の社会動態」についての調査を実施し、その成果の一部として 2012 年度日本南 アジア学会全国大会にて口頭発表をおこなった。主な個人研究業績は、以下の通りである。 ◆論文(査読学術雑誌) 「食肉市場の形成とカースト間関係の変容──カトマンズ盆地における『カドギ』の商実践を 中心に」『南アジア研究』第 23 号、日本南アジア学会、p 74−99。 ◆国内学会発表 「ネパールにおける民主化過程とカースト団体の試み──ネパール・カドギ・セワ・サミティ を例として」日本南アジア学会第 25 回全国大会(東京外国語大学)、2012 年 10 月 6 日。 ◆国内研究会発表 「カトマンズにおける民主化・市場化と下からの社会的包摂──『カドギ』によるカースト・ イメージの読み替え」、国立民族学博物館共同研究「ネパールにおける『包摂』をめぐる言説 と社会動態に関する比較民族誌的研究」、2012 年度第 1 回研究会(国立民族学博物館)、2012 年 7 月 7 日。

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