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JAIST Repository: 研究開発マネージメントプロセス支援スキル

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Academic year: 2021

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Japan Advanced Institute of Science and Technology

JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/ Title 研究開発マネージメントプロセス支援スキル Author(s) 馬場, 由佳; 森田, 真 Citation 年次学術大会講演要旨集, 12: 208-213 Issue Date 1997-09-26

Type Conference Paper Text version publisher

URL http://hdl.handle.net/10119/5624

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す るものです。This material is posted here with permission of the Japan Society for Science Policy and Research Management.

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2B6

研究開発マネージメントプロセス 支援スキル

0 馬場由佳,森田 真 ( 三菱化学 ) はじめに 近年、 研究開発におけるマネージメントの 重要性が益々高まってきている。 こ こでは、 プロジェク ト型研究開発のマネージメ ントプロセスを 支援するスキル や ツールに関して 調査・検討した。 当社は、 米国の S trategic D@e@c@i@ s@ i o n s Group

(S

D G ) 社のデシジョンマネージメント (

DM)

の手法 [ 1 ] をかなり 早い段階から 検討してきた。 D M は、 1 9 6 0 年代前半にスクンフォード 大学 で 誕生したディ シジョンアナリシスをビジネスに 応、 用したものであ る。 この手 法の特徴は 、 大きな不確実性とリスクを 持つ経営判断を 科学的 ( 宝号 的 ) かつ 論理的に行う 点にあ る o S D G 社は、 コンサルテーションを 通しこの D M 手法 を 多くの米国企業に 紹介し、 企業独自の研究開発の 解析手法を作り 上げるのに 貢献してきた。 最近では、 関係者の間でディシジョン & リスク アナリシス (D & R A ) と して親しまれているので 以後 D & R A と呼ぶ。 当社においては、 D & R A 手法を本来の 目的であ る、 経営判断のための、 研究開発の詳細解析あ る いはポート フォ リオ的解析と して全社的に 適用することはあ えて避けてきた。 これは、 当社の中の広い 事業分野や各種の 研究開発ステージの 這いなどを 鋒 み ると、 全社への画一的な 応用は難しく、 事業や研究開発の 実施場所の性格に 合 わせて施策を 組み合わせて 行くことが重要と 考えたからであ る。 更に D & R A 手法がもたらす 数値的価値 ( プロジェクトの 現在正味価値やリスクの 振れ 幅 ) のみが独り歩きするリスクを 考慮したことも 理由の一 つ であ る。

しか

し 本来の画一的, 客観的意思決定支援手法の 獲得というアプローチ 以外 にも、 D & R A 手法はプロジェク ト推進の重要因子の 解析スキルという 大変 魅

的な特徴を持ってお @ 当社では て 牟 * 、 、 リア ・ ・ 一のみならず 研究開発担当者が 活用する方向で 取り組んでいる。 研究開発におけるマネージメントは、 その対象となる 研究開発の性格 ( 事業の 維持拡大、 新規事業の創出、 基幹技術,共通基盤技術の 構築 ) 、 研究開発のス @ アーン 、 ・ 、 事業分野の性格、 研究開発の実施場所の 性格などによりマネージ

ト 手法や視点が 当然異なる。 今回は、 プロジェク ト型の研究開発におけるマネ 一 ジメ ント について、 D & R A 手法をはじめと したスキル ・ ッ一 ルの調査とそ の 有効性を検討した。

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2. マネージメント 手法の効果 一 " 視覚化 " D & R A 手法をはじめと したスキル ツールの期待効果は、 以下の点にあ る。 不確実要因の 重要性と緊急性の 整理に役立っ 技術課題と事業企画との 整合性の相関を 明確にする ,プロジェク トの共通認識に 役立つ ・ぬけ・ もれをふせぐ 方法に役立っ 失敗を少なくする 方法に役立つ 特に、 これらの手法は 研究開発者を 含む関係者が 持つ知識・理解 力 ・情報など を視覚化し試論しやすくすることに 有効性があ ると思われる。 プロジェク トに 関 わる担当者・マネ 一ジャの " 頭の中で推理された 情報 " を 「引出し」 、 簡潔 な 表現として実際に 「古き出す」 ことによって、 プロジエク トと して共有の " 見える形で推理された 情報 " を手にし、 バイアスの少ない 情報を 「解析・詰論 のたたき台」 と して " 推理する " ことが、 重要であ るⅠ プロジェクトの 構成 メ ンバ一の頭の 中にあ る情報,価値・ 優先順位などは 必ずしも一致しておら ヂ、 " 視覚化 " することが、 この過程に大きな 効果をもたらす。 次に、 実際に " 視覚 化 " するスキル やッ一ルほ ついて述べる。 3 「視覚化」 するスキル , ッ一 Ⅰ しノ 前述した 「引き出す」 、 「書き出す」 、 「解析や議論のたたき 台にすべく整理 する」 のような初口で 整理したのが、 表 1 であ る。 また、 図 1 は 意思決定の 表 1 , 各種スキル と ツールの分類例 引き出す 宙き 出す 解析用 スキル ツ ーノレ ビジ ンステー トメ 詩 ,点とチャレンジ、 前提条件の整理、 ロールプレーイ ング 各種質問視点、 決定事項の分類 インフルエンスダイアダム、 戦略図、 W B S 、 A@ H@ P@ 、 M@ A@ U 一ア リイ ッダ シ ス コ ン ジェ ツ ル デフ 感度分析、 リスクシミュレーション、 AHP 、 MAU WBS(W 廿化 Bm 女め w S Ⅰ

芭の ) 、 AHP( 畑 Ⅰ 沖卸 Hi ⅠⅠ ヰ hy 片

邸 ) 、 MAU(h(u 憶 ・ A ㎡ bu ㏄ U Ⅲ i ヴハロ ys 七 ) 一 209 一

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C. 価値あ る、 D. 明確な価値 確かな情報 とトレードオフ B. 独創的、 実行 E. 論理的に正 可能な選択肢

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ヴ 理由ィサ け A. 最適な F. 確実な実行 フレーム い、 ‥ SDGG 社資料 より " 図 1 . 意思、 決定の質を構成する 要素 質を構成する 6 つの要素を示したものであ る ( S D G 社の資料 よ り ) 。 この 6 つの要素の質をあ げるプロセスには、 抜けやもれを 未然に少なく し、 失敗を減 らす スキルやツールが 有効であ る。 この 6 つの要素に従って " 視覚化 " するス キルとツールについて 以下に述べる。 ( A ) 最適なフレーミンバがプロジェクトにとって 最も重要かつ 必須な要素で あ り 、 「 S C O P E を定義」 し 、 「 P U R P O S E を明確」 にし、 意識的な 「 PERS PEC TI VE を提示」 の 3 つから成る。 これを支援するスキルとしては、 ビジョンを簡潔に 記述する 論点とチャレンジの 記述・双提条件の 明確化・ 異 なる意見や洞察の 抽出 ( ロールプレーインバ ) . 意志決定事項の 整理などがあ る。 問題をフレーミ ングするのに 役立っ、 シンプルでかっ 効果的なツール とし ては、 インフルエンスダイアバラム ( 重要不確実因子相関図 ) があ る。 これは、 重要な不確実性因子とその 相関を " 見える " ようにするのに 適している。 適切 な フレーム ( 事業あ るいはプロジェクトのモデル ) を記述するツールとしては、 W B S (Work Breakdown S tructure) 法 、 ケ ファー・ トレ ゴ 一社のプロジェ

クトマネージメント 手法の定義フェーズやビジネスデザイン 研究会の B D 法 [2] の 活用も有効であ る。 ( B ) 独創的・実行可能な 選択肢に関しては、 スキルと して独創的なアイディ アを刺激するテクニックと 選択肢の洗い 出し ( 戦略表 ) があ る。 ( C ) 価値あ る確かな情報は、 いかにバイアスをなくすかのスキルを 要する。 ここでも、 インフルエンスダイアバラムは 有効なツールであ る。

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( D ) 明確な価値と トレードオフに 関しては、 要求される事とそのトレー ドオ フを 明確にする為の 対話スキルがあ る。 ( E ) 論理的に正しい 理由付けに関しては、 デシジョン・アナリシス と 呼ばれ ている実際の 定里曲解析スキルとツールがあ る。 ここでは、 ( A ) や ( B ) で 述べた戦略表やインフル ェ ンスダイアグラムといったツールを 駆使し、 ビジネ スモデルと技術モデルをリンクさせ 推理する。 これを基本に、 ビジネススプレ ッ ドシー トを 作成し、 重要 影毎 因子の割だし (Tornado Diagram) を行い詰 詣の叩き台として 活用する o D.& R A は、 定量的には、 不確実要因を N P V ( 現 在 正味価値 ) という経済指標 と 成功確率で集約させる 手法であ る。 D & R A 以 外には、 不確実要因を 様々な指標のまま 重み付けをして 解析する M A U (M ulti

Attribute Uti Ⅱ ty AnaIysis い 3 ヒ判断あ るいは議論する 項目を階層別に

推理し、 不確実要因をやはり 重み付けする A H P (Analytical Hierarchy

Pr0cess パ 4 ヒ財務などで 使用されるオプション 理論 (Oplion P r i ce

TheoIy)[5]

を活用する手法などもあ る。

( F ) 確実な実行への 移行に関しては、 スキルとしては 早 い 段階から適切なメ

ンバーを巻き 込み、 問題の取組と 価値の共通認識を 持っことであ る。

表 2

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4 , 各種スキル・ ッ一 ルの情報入手に 関して

各種意思、 決定解析のツール (Dec ision An alysis S oftwa[e) に関しては、 こ

こ 数年で米国において 簡易なコンピューターソフトが 多数開発されており ( 表 2 ) 、 w e b からダウンロードも 可能であ る [6].[7 しただし、 ソフトを使用す るにあ たっては、 得られた解析結果を 間違った解釈なり 使い方をしないよう 充 分注意すべきであ ろう。 実際、 米国の企業間での 情報交換の場では、 quick & dirty な 解析に使用され 問題となる事例や、 報告用の資料作成のための 活用は推 度されていたものの、 多くのソフトはババが 多く 、 D & R A などのスキルの 活 用方法に関する 充分な社内理解なくして 安易に使用する 危険性を危惧した 声も 多かった。

尚 、 D ecision A nalysis 分野 [8] では、 米国の IN FO R M S(Institutc for

Operatlons

中・

Research and the M anagement Scl ・ ences) といっ粗織の 、

に、 Deci sion Analys is という部会があ り、 web site に各種情報が 提供され

ている [9] 。 5 おわり に 以上、 プロジェクト 型研究開発のマネージメン トプロセスを 支援するスキル や ツ 一 ルの 概要を簡単に 述べた。 研究開発アクティビティーや 成果は 、 目に見え にく く、 研究開発の成果は、 生産や営業などの 努力があ って初めて売上に 結 ひ 付く。 一般的に成果があ がるには、 かなりのタイムラグも 生じる。 研究開発マ ネージメン トはこのような 側面では本質的に 不確実性への 挑戦であ り、 研究開 発 担当者の独創性を 重視しかつスピーディ 一に克服する 必要があ る。 日常のア クティ ビティ一の中で、 重要性と緊急性の 混沌があ るのが現実であ る。 研究開 発の生産性を 以下の式で、 研究開発投資に 対する収益友 ぴ 研究開発 ( R & T D ) 成果で推理してみた。 R&TD 生産性 Ⅰ 収益 R&TD 投資 収益

成果

R &TD R&TD 成果 R&TD 投資 効果性 x 効率性 ミ ( 効果性, ) x ( 効率性, ) x ( 判断 / 洞察力 ) 企業内の研究開発担当者に 届くマネージャの 問いは、 投入資源 ( 研究開発費 ) に 対する研究開発の 効率に焦点をあ てた生産性に 関するものが 多い。 つまり「 ぃ

かに適切に研究開発を

行 うか 」 であ る。 しか し も う 一方、 得られた研究開発

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成果から得られる 収益「研究開発の 効果」 に関しては研究開発担当者とマネー 、 ジャでは共有する 情報に乏しくややもすると 詰論が不十分になりがちであ る。 研究開発の生産性に 関しては、 「いかに適切な 研究開発を行うか」の 詰論が重 要であ る。 効率の追及と 効果の追及はどちらが 欠落しても生産性を 損なうもの であ る以上、 効果と効率を 研究開発担当者とマネージャが 充分に護 論 する必要 があ る。 仝 回 紹介したスキル と ツールは、 「視覚化」 に よ りそれらの詰論を 容

にするものであ @

判断

/ 洞察力の向上に 有効な手法であ ろ トつ ここで更にも う 一歩踏み込み、 プロジェク ト型研究開発マネージメントの 視点 をい ) あ るプロジェクトを 成功させるためのマネージメント ( ミクロ的 ) といい プロジェクト 群の生産性 ( 踵 終成功確率 ) を高めるマネージメント ( マクロ的 ) にわけてみる。 (i いの視点にたっと、 的確な判断 / 洞察力を駆使し " マネージ できる 人 " を増やすことが 重要となる。 今回紹介したスキルとツールは、 判断 力や 洞察力の向上にも 役立っものであ り、 " マネージメントできる 人 " を生み 出す企業風土や 企業文化の育成に 寄与できるものと 思われる。 参考文献 I 1 ] [2] Ⅰ 3 ] [4 ] Ⅰ 5 Ⅰ [6 ] Ⅰ 7 ] Ⅰ 8 ] Ⅰ 9 ] J am es E . M at h e s on , M i chael M . M en ke , an d S teph en L . Derby, ( 訳 広田俊郎 ) 、 R & D 意思決定の質の 改善法、 研究・技術 計画学会誌、 V01 4 , N0 . 4 ( 1 9 8 9 ) 中 f オ 信夫、 「研究開発マネージメントの 基本」 ( 日本コンサルタント グループ ) 、 1 996

Ralph@ L@ Kenney@ and@ Ho ward@ Ra ffa , " DeC si ons@ W t h Mult iple@ Objective s:@ Preferences@ and@ Val ue@ Tradeoffs

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ridge@ U niversi ty@ Pres s ・ 1 993 , IS BN@ 0-52 1 -438 83 -7

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Anal ytic@ Hi erarchy@ Proces s@ for@ D e Ⅰ s i n s@ @@ a@ Comple x

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An@ I ntroduc tion@ to@ Deciso n@ Anal y s i s " ・ Wads wor th

Publ is Ⅱ ng@ Company , 1996@ 2 nd@ ed ・ , IS BN@ 0 -534-2 6034-9

www. inform s. or g/S ocie ty/DA

表  2     @@@"Decision  Analys@     Software" 

参照

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