第2回高崎消化器研究会
日 時:平成 22年 3月 24日 (水) 19 時∼21時 場 所:ホテルメトロポリタン高崎 6階『白鷺の間』 代表世話人:高木 (独立行政法人国立病院機構 高崎 合医療センター) 当番世話人:藤田 欣一(真木病院) 和田 正浩(高崎 PET 合画像診断センター) 共 催:高崎消化器研究会, 高崎市医師会, エーザイ株式会社一般演題>
座長:藤田 欣一(真木病院) 1.特徴的な CT画像所見を呈した Fitz-Hugh-Curtis 症候群の1例 藤井絵里子,小林 正則,大下 栄作 (高崎中央病院 外科) Fitz-Hugh-Curtis症候群とは Chlamydia trachomatis により子宮頸管炎が起こり, 子宮付属器炎, 骨盤腹膜炎 と腹腔内に感染が広がり, さらに肝臓まで感染が広がり 肝周囲炎を起こすものである. 20代女性, 右上腹部痛を主訴に来院し, 十二指腸潰瘍 及び胆道疾患等を疑い入院. 絶食, 補液, H2受容体拮抗 剤投与にて治療開始. 入院翌日, CRP高値のため造影 CT を撮影したところ, 動脈相早期に肝右外側辺縁に濃 染が観察され,Douglas窩に少量の腹水貯留を認めた.そ の特徴的な CT 画像所見より Fitz-Hugh-Curtis症候群 と診断されたため, レボフロキサシン内服にて加療. そ の後検査したクラミジア抗体 IgA, IgG とも陽性であっ た. 右上腹部痛を主訴に来院した症例で, 腹部造影 CT が Fitz-Hugh-Curtis症候群の診断に有用であったため報 告する. 2.麻痺性イレウスに合併した門脈ガス血症の1例 矢島 義昭,黒沢 功 (黒沢病院付属ヘルスパーククリニック) 乾 正幸,高木 (独立行政法人国立病院機構 高崎 合医療センター 消化器科) 36歳の男性が頻回の水様 を主訴に来院した. 患者は 2日前に嘔吐・下痢で発症し, 高熱を伴った. 翌日も水様 性の下痢が続き当院の夜間外来を受診して点滴を受けて 帰宅したが, 当日の朝になっても頻回の下痢が続くとし て受診した. インフルエンザ抗原は陰性で, 白血球数も 増加していなかったのでウイルス性胃腸炎が疑われた が, 腹部は膨満しており, 腹部 US検査で keyboard sign が認められ麻痺性イレウスの状態であった. 肋間走査で は門脈本幹を肝内に流入する微小ガス像が認められ, 門 脈ガス血症と診断した. しかし, 肝内にはガス像は検出 されず,また直後に撮影された CT でも門脈ガス像,およ び腸管気腫の所見は見られなかった. 入院後の経過は順 調で第 3病日より経口摂取を開始し, 第 5病日に退院し た. 門脈ガス血症は腸管気腫を合併することが知られて おり, 腸管壁内のガスが門脈に流入し肝内に空気塞栓を 引き起こすと えられている. 本例では軽症例が US所 見としてのみ検出されたものと えられる. 3.各種治療により,高度黄疸からの改善が見られた肝 細胞癌の胆管浸潤とアルコール性肝炎の1例 星野 崇,乾 正幸,長沼 篤 工藤 智洋,高木 (独立行政法人国立病院機構 高崎 合医療センター 消化器科) 【症 例】 56歳 男 性 【主 訴】 全 身 怠 感・黄 疸 【既往歴】 糖尿病, 高血圧 (共に未治療), 十二指腸潰瘍 【嗜 好】 焼 酎 2∼ 3合/日 【現 病 歴】 平 成 21年 11 月初旬より全身 怠感と黄疸を自覚するようになった. 同月 7日近医を受診し, 黄疸と肝障害を指摘された. 同 月 9 日当院当科へ紹介となり, 精査加療目的に入院と なった. 【入 院 後 経 過】 T-Bil 42mg/dlと 著 明 な 黄 疸 と, 胆道系優位の肝障害を認めた. 腹部 CT では肝 S8を 中心にびまん性に濃染する腫瘍を認め, 門脈右枝腫瘍栓 の所見も見られた. また, MRCPでは上部胆管から左右 肝管の狭窄と,B2・B3の拡張を認めた.同月 10日に肝生 検 (腫瘍部, 背景肝) を施行したところ, 腫瘍生検では肝 細胞癌の組織像がみられ, 背景肝ではアルコール性肝 289 Kitakanto Med J 2010;60:289∼290炎・肝 変の所見を認めた.同月 11日∼13日までの 3日 間ビリルビン吸着療法を施行したのち, 同月 14日より PSL 60mg/日から投与を開始し, 漸減していった. また, 画像上, 閉塞性黄疸の所見が見られていたことから, 同 月 24日 に ERCPを 施 行 し, B3を 先 端 と し て ENBD チューブを留置し, 翌 12月 1日に再度 ERCPを施行し 狭窄部に EMSの留置を行った. T-Bilは次第に低下し, 12月 22日には T-Bilは 3 mg/dl台となり, CDDP動注 による肝動注化学療法を施行した. 【まとめ】 肝細胞 癌による胆管浸潤とアルコール性肝炎による高度黄疸に 対し, ビリルビン吸着を行った後, ステロイド投与, 胆管 ドレナージを行うこと黄疸の著明な改善がみられた 1例 を経験した. 高度黄疸を呈しながら減黄とその後の化学 療法まで施行し得た例は稀と えられ, 若干の文献的 察を加えて報告する. 4.当センターにおける DBEの現状 和田 正浩(高崎 PET 合画像 診断センター 内視鏡部)