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垂直姿態ヘリカルアンテナに関する理論的検討

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Academic year: 2021

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 垂直姿態ヘリカルアンテナに関する理論的検討 

2004MT058

丸地 智博

指導教員 稲垣 直樹

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はじめに

ヘリカルアンテナはらせん状の導線によって構成され ており,アキシャルモード・ヘリカルアンテナ(AHA) とノーマルモード・ヘリカルアンテナ(NHA)がある. AHAは1ターンが一波長程度のとき,らせんの軸の方 向に最大の放射が行われる.一方NHAは1ターンの長 さが波長に比して十分小さいもので,らせんの軸と垂直 の方向に最大の放射が行われる.軸と垂直な方向に垂直 偏波を放射し,アンテナが小形である必要がある場合に 用いられる.AHAは十分研究されているが,NHAは放 射効率が低く,幅が狭く,詳細な検討はまだされていな い.したがって小形,低背形が望まれる現在,NHAの 研究が必要とされる.そこで本研究では,モーメント法 を用いてNHAを積分方程式の離散化による方法によっ て解析し,共振,反共振の条件を各寸法に対して求める. 積分方程式の数値計算としてMathmaticaを用いる.

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積分方程式の離散化による解析

2.1 積分方程式 ヘリカルアンテナは線経dの導線が半径a,ピッチp のらせん状に巻かれたもの左右各N巻きによって構成 されているものとし,座標系を図1のように定める. 一 図1 座標表現 巻きの長さLは√(2πa)2+ p2に等しい.らせん状に沿 う座標をℓで表わすと電流分布J(ℓ)に対する積分方程 式は次のようになる. ∫ 2NL 0 G(ℓ, ℓ′)J(ℓ′)dℓ′ = −V δrect (ℓ − NL δ ) (1) ここでVは給電点(ℓ = NL)の電圧,δは給電点の間隙で ある.G(ℓ, ℓ′)はグリーン関数で次式により与えられる. G(ℓ, ℓ′)= − j 4πωεa(ℓ)[k 2I− ∇∇]exp(− jkr) r a(ℓ ′) (2) ここでk= ω √µε = 2π/λ,a(ℓ)はℓにおける導線の軸の 方向の単位ベクトル,Iは単位ダイアディック,∇と∇′ はそれぞれℓ(波源点)およびℓ′(観測点)に関するベクト ル微分演算子を表わし,rはℓとℓ′の間の距離とする. 2.2 離散化 式(1)を直接解くことは容易ではないので,らせん一 巻きの長さLが波長 λ に比して小さいことを利用して 以下に示すように離散化を行い,近似解を求める.図1 中の♯mの部分に対して座標ℓ′ を定めるとする.そし て,図2のようにℓ′に対して適当に定めた関数 f (ℓ′)に よって電流分布が次式のように表せれるものと考える. J(ℓ′)= 2N∑−1 m=1 Imf (ℓ ′ − mL) (3) 図2 離散化 式(3)を式(1)に代入することによって 2N−1 m=1 ImL −L G(ℓ, mL + ℓ) f (ℓ′)dℓ′ = −Vδrect(ℓ − NL δ ) (4) さらに式(4)にJ(ℓ)を乗じ,ℓについて[(n−1)L, (n+1)L] の範囲にわたって積分し,ガラーキン法を用いることに よって, 2N∑−1 m=1 InImL −LL −LG(nL+ℓ ′ , mL+ℓ′′) f (ℓ′) f (ℓ′′)dℓ′dℓ′′ = −VInδNn (5) 図2 離散化 式 (3) を式 (1) に代入することによって

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を得ることができる.Inは重み関数. ここで,♯n♯mの部分間の相互インピーダンスを導 入し, Znm=− ∫ L −LL −LG(nL+ ℓ ′ , mL + ℓ′′ ) f (ℓ′) f (ℓ′′)dℓ′dℓ′′(6) と置くと,次式が得られる. 2N∑−1 m=1 ZnmIm= VδNn (n= 1, 2,……, 2N − 1) (7) よって式(1)は式(7)の(2N−1)元の連立方程式となる. 2.3 Znmの計算 式(2)を用いて式(6)を変形するとZnmを得ることが できる. Znm= j 1 4π √ µ ε ∫ kL −kLkL −kL exp(− jkrnm) krnm [ a(ℓ′) f (ℓ′)a(ℓ′′) f (ℓ′′)− 1 k2 d f (ℓ′) dℓ′ d f (ℓ′′) dℓ′′ ] d(kℓ′)d(kℓ′′) (8) ここでrnmℓ = nL + ℓ ′ とℓ = mL + ℓ′′の間の距離であ り,(ℓ′− ℓ′′)と(n− m)に依存する.また,a(ℓ′)· a(ℓ′′) は(ℓ′− ℓ′′)のみに依存する.したがって式(8)の[ ]の 中が(ℓ′− ℓ′′)および(ℓ′+ ℓ′′)の簡単な関数であれば,式 (8)の二重積分は一重積分に簡略化することができる. そして得られる値は(n− m)のみに依存する.そのため に関数として,f (ℓ′)= cos2(πℓ′ 2L ) 選ぶ.この関数は両端 (ℓ′= ±L)で0,中央(ℓ′= 0)で1,ℓ′= ±L/2で1/2とな る. この電流関数に対して式(8)の計算された結果は以下の 形に表現できる. Z0,n= j 1 32π √ µ ε ∫ 2π 0 [(exp(− jkR n(u)) kRn(u) +exp(− jkR−n(u)) kR−n(u) ) F1(u)+ ((exp(− jkR n+1(u)) kRn+1(u) +exp(− jkR−n+1(u)) kR−n+1(u) ) F2(u) ] du (9) 2.4 電流分布と給電点インピーダンスの表式 Znm(n, m)要素とする(2N− 1)次の正方行列[Z]を 導入し, [Y]= [Z]−1 (10) を求める.[Y](n, m)要素をYnmとすれば,式(3)に よって電流分布を与える係数Imおよび給電インピーダ ンスZinは次式によって求められる. Im= VYmN (11) Zin= 1/YnN (12)

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数値計算の結果と考察

半径a= 0.006,ピッチp= 0.006,線径d= 0.001の NHAに対して巻数Nを1から20まで変化させたとき のインピーダンスを図3に示す.また,巻数を8から 11まで変化させたときの電流分布を図4に示す. 図3 巻数に対するインピーダンス変化 図4 巻数に対する電流分布の変化 図3からN= 9.5で共振状態となり,N = 17.5で反 共振状態となることが分かる.また,反共振の起こるア ンテナ長は共振長の2倍よりわずかに短くなっている. 図4からは,共振長付近での電流の振幅は急激に大きく なっていることがわかる.

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おわりに

本研究ではNHAについて,積分方程式を離散化する ことによって解析を行を理論を示し,共振長ついて数値 計算を示した.その結果,各寸法に対しての共振条件が わかった.今後の課題としては,アンテナの縮小率,共 振時の放射抵抗などについての計算も示す必要がある. そして,NHAを実際に作成し理論値との裏付けを行っ ていく予定である.

参考文献

[1] 稲垣直樹,田村克彦,藤本京平:“垂直姿態ヘリカ ルアンテナの共振長に関する理論的検討”,名古屋 工業大学学報,Vol.23,pp.335-342(1971).

[2] C.A.Balanis:Antenna Theory Analysis And Design Second Edition,John Wiley Sons(1997).

参照

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