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東京電力福島第一原子力発電所事故による浪江町の土地利用に関する一考察

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Academic year: 2021

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東京電力福島第一原子力発電所事故による浪江町の

土地利用に関する一考察

著者

三瓶 勇樹

雑誌名

農業経済研究報告

52

ページ

38-38

発行年

2021-02-28

URL

http://hdl.handle.net/10097/00131579

(2)

令和 2 年度 資源環境経済学講座 修士論文要旨

(令和 2 年 9 月修了)

東京電力福島第一原子力発電所事故による浪江町の土地利用に関する一考察

三瓶勇樹(資源環境経済学講座・農業経営経済学分野) 【目的】 東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所事故の被災地である浪江町の震災前後 の変化と復興計画の進捗を整理し、町の中核となる中心市街地・農用地の利用実態の把握 し、その課題を明確化することで、今後の土地利用の一考察を得ることを目的とする。 【方法】 震災前後の浪江町を人口・家計・産業・土地利用の変化や復興計画の進捗を調査・整理 し、他の被災地の事例との比較及び土地利用の主体へのヒアリングやアンケートにより、中 心市街地及び農用地の土地利用の実態を把握した上で、課題を明確化し考察を行った。 【分析結果】 中心市街地の利用に関しては、帰還住民主体の計画策定をしてはいるものの、住民・自営 層の帰還が進まないこと、利用者側(訪れる人や帰還住民)に対しては充実した施策がある が、他の帰還していない住民や自営層、新規参入する主体に対しての条件整理ができていな いことがわかった。また、廃炉関係事業者の需要想定、産業団地への企業誘致による雇用の 増加など、住民増加に係る要素も土地・建物ストックの側面から注視する必要があることが わかった。 農用地利用に関しては、町内営農者は規模拡大を検討しており、農用地所有者への積極的 な「賃借」の斡旋の必要性があること、今後を担う経営体に関しては、組織的経営体に対す るポジティブな意向があることも示唆された。また、対風評被害としての再生可能エネルギ ー生産のための農用地利用では、太陽光発電用地としての利用に比して、非食用エネルギー 作物は栽培作物である点で理解が得られ、作物自体への生理・経営資源としての理解を促進 することで、町の従来の農用地利用の9割を占めた米の栽培に代替し、今後の農用地への栽 培作物として非食用のエネルギー作物の利用可能性が示唆された。 【結論】 今後の中心市街地及び農用地利用に関して、廃炉関係事業者や産業団地への企業誘致など 中心市街地の利用が先んじて進む可能性が考えられ、再生を目指す浪江町の農業との相互作 用に注視する必要がある。浪江町が震災以前に有していた景観や風土、文化的価値や職業選 択肢としてなど、多岐にわたる農業の社会的位置の継続のためには、非食用エネルギー作物 の栽培も視野に入れ、組織的な経営体を組成し、保全管理を含め土地を集約・集積すること が必要であると考えた。 今後の浪江町の土地利用について、現段階では、帰還者や営農者は限定的ではあるが、今 後の動向と土地利用を縦断的に検討することが課題である。また、浪江町は未曾有の被害を 被った地域ではあるものの、行政や東京電力だけでなく、土地所有者や住民自らが主体であ ることを再認識し、土地利用の可能性について取り組むべきであると考えた。 38

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