第 5 学 年 国 語 科 学 習 指 導 案
指導者 1 単元名 伝記を読んで、人の生き方に学ぶ読書会をしよう 「千年の釘にいどむ」 2 単元の目標 関心・意欲・態度 ○ 人間の生き方について書かれた伝記物・人物史・ドキュメンタリーを 進んで読み、生き方について自分の考えをもつとともに、読書会を通し て自分の考えを広げたり深めたりすることができる。 話す・聞く能力 ★話し合いのスキル ○ 読書会で、自分が読んだ本の魅力や自分の感じ方・考え方が明確に伝 わるように、メモを利用しながら話の構成を工夫して紹介することがで きる。 ★ 話し合う意図や目的に応じて、意見・感想を話し合う。 書く能力 ○ 「千年の釘にいどむ」や、読んだ本について、自分の考え方を明確に して感想をまとめることができる。 読む能力 ◆読みのスキル ○ 書かれている内容を的確にとらえるとともに、自分の感想を持ち、自 分の考えをはっきりさせながら読むことができる。 ◆ 題名や問題提起から、書かれているなかみを推論する。 ◆ 要旨をまとめ、自分の意見・考えを持つ。 言語事項 ○ 文章全体の大まかな構成を理解することができる。 3 単元の指導構想 〔児童の実態〕 ○ 本学級の児童は、「サクラソウとトラマル ハナバチ」で、文章構成をとらえて説明文 の要旨をまとめ、それに対して自分の考え を持つ学習をしてきた。その学習を通して、 筆者の考えに迫る中心になる文を意識して 読むようになってきた。しかし、どんなこ とが書いてあるかが分かっても、それに対 して自分の意見を持つ児童は少なく、自分 の経験や知識をふまえて考える力は十分で ない。 ○ 読書活動については、本を読むことが好き であるが、物語や料理などの解説本が好ま れ、内容も平易なものが多い。伝記等のドキ ュメンタリーは敬遠されている。読み方とし ては、ストーリーのおもしろさはわかるが、 かかれている内容を言葉に着目しながら正 しく理解することは苦手である。また、感想 については、あらすじを追うことにとどまっ て、考えを深く持ちながら読むというところ までにはいたっていない児童が多い。 〔単元観〕 ○ 本単元は、読書を通し人の生き方に目を 向けていろいろな本につなげて読んでい こうとする態度を身に付けさせることを ねらいとする。そのために、「千年の釘に いどむ」を読み、文章の構造に従って内容 理解をしながら自分の考えを持ち、友達と 交流することで考えを深めていく言語活 動を行うことができる。 本教材は、その題材のおもしろさとい う点でも、短くたたみかけるような文章 が生み出す緊迫感においても、児童の興 味を引く作品である。文章は、五つの意 味段落で構成されている。1の意味段落 で白鷹さんが千年の釘作りに挑むように なった理由、2・3・4の意味段落で古 代の釘の見事さ、5の意味段落で釘作り に挑む白鷹さんの姿と思いが述べられて いる。 また、この題材を読んで感想を交流す ることで読書の世界が広がることを知そこで、これまでの学習を生かしながら筆 者の考えにせまる表現の工夫や中心になる 文に着目し、要旨をとらえて自分の考えを持 ち、友達と交流することで自分の考えを深め たり広げたりすることは意義深いといえる。 り、さらにほかの人物の生き方について 書いている本を読み感想を交流すること で自分の生き方についての考えを深めて いくことができると考える。 〔指導の方法〕 【着眼1】言語活動への必要感を見出す単元作り ○ 指導にあたっては、「千年の釘にいどむ」を読むことで人の生き方についての関心を高め、 ほかのドキュメンタリーや伝記を読んで自分が関心を持つ人物が何を考えどう生きたかに ついて感想を持ち、読書会で友達と交流して読書の世界をひろげようとする目的意識をもた せるようにする。 そのために、導入では伝記やドキュメンタリーを読んだ経験について話し合い、児童にな じみの深い人物についての感想を交流しあう。考えの交流によりお互いの考えに違いがある ことに気付かせ、ほかの人についての伝記やドキュメンタリーを読み感想を交流すると、考 えがもっと深まるのではないかと投げかけ、「読書会」を開くことの意義をつかませる。そ して、「千年の釘にいどむ」に出会わせ、千年の釘の見事さを追求した白鷹さんについての 感想を伝え合い、自分と友達の見方・考え方を比べることで、考えを広げたり深めたりして いく方法を学習しようとする課題意識をもたせる。 次に、3~4人で同じ人の伝記やドキュメンタリーを読むグループを作り、気になる個所 に付箋紙をはったり感想をメモしたりしながら読書をさせる。そして、自分の感じたことや 考えたことを組み立てを工夫して発表できるように準備をし、最後に、読書会を開いて友だ ちと感想を交流しあうことで自分の考えを広げたり深めたりすることの良さに気付かせる。 【着眼2】言語活動の学び方を獲得する学習指導の具体化 ○ 読みとる活動では、はじめに題名から内容のイメージを広げていきたい。「千年」からは 長い時の流れを、「釘」からは建物の一部だけど必要なものであることを、「いどむ」からは 挑戦するという人間の意志のある行動をつかませる。また、「だれが」「だれに」いどんでい るのかを想像させることで本文を読みたいという気持ちにつなげて本文に出会わせる。次 に、段落の大まかな構成をつかませて読みの見通しを立てた後に一人読みをさせてワークシ ートにわかったことや思ったことを書かせておく。段落ごとの読みでは、まとまりごとの中 心になる文にサイドラインを引かせたり要点をまとめてその理由を交流させたりすること で古代の釘の見事さを理解させ、その釘作りに挑む白鷹さんの生き方についての感想を書か せる。 ○ 単元全体を通して担任と指導方法工夫改善の二人で T・T に取り組み、個に応じた学習支 援をする。教材を読み取り自分の感想を持つ学習では一斉指導補足型とし、T2 は読みとる ことや感想を書くことが苦手な児童の支援に当たる。読書活動や読書会では、伝記によって 少人数グループに分け、教師が分担して指導に当たる。 ○ 伝記やドキュメンタリーを読んで書いた感想を読書会の目的に沿ってまとめ、話し合うこ とができるようにメモの書き方を工夫させる。 【着眼3】言語活動や言語能力を意識できる評価活動 ○ 古代の釘の見事さの読み取りやそれに対しての感想、話し合いの仕方、発表の仕方につい て評価カードをもとに自己評価や相互評価をさせる。
4 単元活動計画【総時数15時間】 次 時 主な学習活動と内容 評価規準 一 1 ○ 伝記やドキュメンタリーを読んだ経験につ いて話し合う。 ○ なじみの深い人物の生き方について考え、 自分と友達との見方・考え方の違いに気付く。 ○ 読書会をひらく計画を話し合う。 単元のめあて 【関】 伝記やドキュメンタリーを読 んだ経験について話し合いなが ら、読書を通し考えを広げたり深 めたりしようという単元の学習課 題に関心をもつことができる。 2 ○ 「千年の釘にいどむ」という題名からどん な内容だと思うかを話し合う。 ○ 本文を読んで初読の感想を交流する、 ○ 形式段落に分け、文章全体の構成を考え、 学習計画を立てる 【読】 題名から書かれているなかみ を推論する。 【読】 文章全体の構成を考えて、学 習の見通しをもつことができ る。 3 ○ 意味のわからない言葉の意味を調べ新出漢 字の練習をする。 ○ 一人読みをし、本文を読んでわかったこと や思ったことをワークシートに書く。 【言】 新出漢字や語句の意味を理解 することができる。 【読】 全文を読んで自分なりに読む ことができる。 二 1 ○形式段落①~⑤を読んで、薬師寺の釘作りを 任された白鷹さんについて読み取り、読みの めあてを設定する。 読みのめあて 【読】 古代の建物の再建にいどむ白 鷹さんについて読みとり、読み のめあてをもつことができる。 2 ○形式段落⑥⑦を読んで古代の釘の見事さ1 (材料の性質)を読み取り、白鷹さんについて の感想を交流しあう。 【読】 古代の釘の見事さと白鷹さん の行動について読みとることが できる。 【関】 白鷹さんについて感想をもつ ことができる。 3 ○形式段落⑧を読んで、古代の釘の見事さ2(釘 の形) を読み取り、白鷹さんについての感想 を交流しあう。 【読】 古代の釘の見事さと白鷹さん の行動について読みとることが できる。 【関】 白鷹さんについて感想をもつ ことができる。 ドキュメンタリーや伝記を読んで 読書会を開き、自分と友達の見方・ 感じ方を比べよう。 古代の釘の見事さを読み取り、それにいど んだ白鷹さんについての感想を持とう。
4 ○形式段落⑨⑩を読んで、古代の釘の見事さ3 (釘のかたさ) を読み取り、白鷹さんについて の感想を交流しあう。 【読】 古代の釘の見事さと白鷹さん の行動について読みとることが できる。 【関】 白鷹さんについて感想をもつ ことができる。 5 本 時 ○形式段落⑪⑫を読んで、白鷹さんの思いを読 み取り、白鷹さんの思いや生き方について話 し合う。 【読】 古代の釘にいどむ白鷹さんの 思いについて読みとることがで きる。 【関】 白鷹さんの思いや生き方につ いて感想をもつことができる。 6 ○白鷹さんについての感想をまとめ、深まった 自分の考えを比べあう。 【関】 友だちと感想を交流しあい、 自分の感想と似ている点や違っ ている点に気をつけて聞くこと ができる。 三 1 ・ 2 ○計画に沿って本を選び、内容や感想について 整理してメモをする。 【関】 「千年の釘にいどむ」で学習 したことを生かし、読書を通し て自分の考えをもつことができ る。 3 ○読書会で話し合うためのメモを作る。 【書】 読書会の目的と方法に即して 組み立てを工夫し、メモを書く ことができる。 4 ○グループで読書会を開く。 【話】 話したい事柄がはっきり伝わ るように、話の構成を工夫して 話すことができる。 5 ○深まった自分の考えをまとめる。 【関】 友達の意見を聞き、自分の考 えを深め、自分の生き方につい て考えることができる。 6 ○全体で感想を交流する。 【話】 自分の感想と友だちの感想を 比べて聞くことができる。
5 本時の指導 (1) 学習内容 ○ 第二次の第5時 「白鷹さんの思いを読み取り、千年の釘にいどんだ白鷹さんの思いや生き方について感想を もつ。」 (2) 本時の目標 ○ 「白鷹さんが何本も何本も釘を作り直し改良を続けているのは、千年前の職人に負けな い仕事をしたいという職人の意地をもっているから」という白鷹さんの思いを読み取り、感 想をもつことができる。 (3) 準備 前時までの学習をまとめた表 教材文(⑪⑫) ワークシート 教科書 学習の進め方 (4) 展開 過 程 学 習 活 動 ○指導上の留意点 ◆評価 つ か む / 追 究 1 前時に読みとった内容を確認し、本時のめあ てを確かめ、学習の進め方を確認する。 めあて (1)学習の進め方の確認をする。 (2)学習場面を読む 2 白鷹さんの思いについて話し合う。 (1)白鷹さんの工夫や努力が分かる文にサイド ラインを引き、その文から分かることを話し合 う。 工夫や努力 ・なっとくのいく釘を完成させるまで、何本も何 本も作りなおした。 ○前時までに学習した千年の釘の見事さ と、白鷹さんの行動をまとめた表を提 示して類比し、古代の釘の見事さを追 求した白鷹さんについて話し合わせ る。 ○「学習の進め方」を提示し、問題解決 に向けての道筋の確認をさせる。 ○白鷹さんがしたことや思いのわかると ころを意識させて、一度目は音読、二 度目は黙読させる。 ○読み取りがうまくいかない児童には T1・T2 が分担して形式段落⑪の前半に 工夫や努力が書いてあることに気付く ように助言する。 ○「何本も何本も」「二万四千本もの」の 白鷹さんの思いを読み取り、千年の釘にい どんだ白鷹さんについて感想を書こう。 学習の進め方 ① ( )が分かる文や言葉を 見つける。 ② 表現の工夫を考える。 ③ 伝えたいことの中心と意味をは っきりさせる。 ④ 自分の考えと友達の考えを比べ る。
す る / 振 り 返 る ・釘を宮大工の人たちにわたすようになってから も、改良を続けた。 ・二万四千本もの釘を作ってきた。 ・(それでも)もっといい釘を作ろうとしている。 (2)白鷹さんはどんな思いで工夫や努力をした のか分かる文について話し合う。 文末表現 ・~分からんよ。 ・~ほしいなあ。 ・~うれしいね。 ・~はずかしい。 ・~いやだ。 ・意地だね。 3 白鷹さんについての感想をまとめる。 4 本時の学習を振り返り、次時の学習の確認を する。 表現から分かることを話し合わせる。 ○「それでも」を使うと、後の文が強調 されることを確認する。 ○工夫や努力を繰り返すのは、どんな思 いなのかを考えさせる。 ○白鷹さんの言葉に白鷹さんの思いが込 められていることに気付かせて、どん な思いなのかを話し合わせる。 ○文末表現に着目させ、どんな思いかを 話し合わせる。 主発問 ○「○○の意地」とはどういうことかを、 身近な例をあげて話す。 ◆古代の釘にいどむ白鷹さんの思いにつ いて読みとることができたか。 ○ワークシートに、白鷹さんや白鷹さん の仕事に対する姿勢についての感想を 書かせる。 ○何を書いたらいいのか分からない児童 には、白鷹さんの気持ちに共感すると ころや自分の経験と関連付けて感想を 書くとよいことを助言する。 ◆白鷹さんについて感想をもつことがで きたか。 ○次時は要旨をまとめて感想を書き、そ れを交流しあうことを確認する。 どの文末表現が白鷹さんの気持ちを 表していると思いますか。