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小型延縄漁具における魚類の釣針別摂餌反応に関する実験的研究II : 構造の異なる漁具による実験結果について

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Academic year: 2021

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(1)

小型延縄漁具における魚類の釣針別摂餌反応に関す

る実験的研究II : 構造の異なる漁具による実験結

果について

著者

盛田 友弌

雑誌名

鹿児島大学水産学部紀要=Memoirs of Faculty of

Fisheries Kagoshima University

15

ページ

83-90

別言語のタイトル

Experimental Studies on the Feeding Reaction

of Fishes to Each Hook in the Small Long-line

Gear II : On the Results of Experiments by the

Various Constraction Gears

(2)

Mem・Fac・Fish.,KagoshimaUniv.・ Vol、15,pp、83∼90(1966).

小 型 延 縄 漁 具 に お け る 魚 類 の 釣 針 牙 I 摂 餌

反 応 に 関 す る 実 験 的 研 究 一 Ⅲ

構造の異なる漁具による実験結果について* 盛 田 友 二 C * *

E

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toEachHookintheSmallLong-lineGear-II

OntheResultsofExperimentsbythe VariousConstructionGears TomokazuMoRITA** Abstract Onthefbedingreactionoffishestoeachhookinthesmalllong-line,someexperimentswereper -fbrmedinthefishing-pondofSakurashimaaquarium・Ontheconstructionofmain-lineperone basketoftheexperimentalgears,somegears(A-1,B-1,B-2,C-1,C-2)werethestandardgearsof equaldistancebetweenthebranchlinesonmain-line,others(A-2,B-3,B-4,B-5,C-3)werethe specialgearsoflongerbothendsbfmain-Iine・Thefbllowingresultswereobtainedbythose experlments. ’)The企edingreactionoffishestoeachhookinthestandardgearswereaboutsimilartothe resultsofthefbreperfbrmedexperimentsbyT・MoRITA7)(Report-I). 2)ItwasconsideredthatthespecialgealBhadthebetter企edingreactionoffishestothehooks inbothendsofthemain-linethanthestandardgea巧. ま え が き マグロ延縄漁具の幹縄の水中形状については吉原(1951)'),盛田(1955)2),柴田(1962)3) らによって明らかにされ,通常静水中においてCatenary形状をなすと言われている.また,

盛田(1961)4,5)は延縄の幹縄形状が釣針別にマグロ類の摂餌反応を変え,釣針別漁獲差の原

因になると推論している.なお,盛田(1962)6)は釣針数の異なる延縄漁具による操業試験 の結果について報告している.更に,盛田(1964)7)は,小型の釣針5本付け漁具を用いた 魚類の釣針別摂餌反応の実験により,各魚種ともその摂餌反応が幹純中央部の深い釣針にな るほど良好になると報告している.今回の実験では小型延縄漁具の構造を変え,漁具ごとに 釣針別摂餌反応を調べ,特に漁具の構造差による釣針別摂餌差について検討した. * ** 実 験 漁 具 この実験に用いた漁具は特に試作した小型な延細であり,その各1鉢分の構造はTablel 本報は昭和40年10月の日本水産学会秋季大会において発表した. 鹿児県大学水産学部漁具漁法学研究室(LaboratoryofFishingGearandTechnique,Facultyof Fisheries,KagoshimaUnive応ity)

(3)

84 鹿児島大学水産学部紀要第15巻(1966) およびFig.1に示すようなものである.なお,これらの延縄は,A-1,B−1,B-2,C-1, C−2のような幹細上の枝細間隔の等しい標準的な漁具とA−2,B−3,B-4,B−5,C−3のよう に標準漁具の幹縄両端の枝縄を1∼2本除去し,幹縄の両端を長く構成した特別な漁具とに なる.また,B−2,B-4,C−2の各漁具における枝縄間隔と枝縄長はそれぞれB-1,B-3, C−1漁具のそれらの約2倍に構成されている.更に,A−3漁具は特にFig.lのように幹細 両端の枝細に沈錘を取り付けて各釣針が成るべく同深になるようにしたものである. 3−Hooksgear 4−Hooksgear W:Waterline G:Float F:Floatline B:Branchline M:Mainline H:Hook S:Sinker 5−Hooksgear Fig、1.FormsofvariousexperimentalgeaIMbronebasket。

(4)

Table2Resultsofexperimentonthe企edingreactionoffishes toeachhookinthevarious3-hooksgea応. 85 盛田:小型延縄の釣針別摂餌反応の実験的研究一Ⅱ TablelPartsdimensionsofvariouskindsofexperimentallong-line. L ():Percentage, K = L − ' Lengthandnumberofparts Mark A−3 Mainline Length Floatline Length Branchline Intervalof branchs Sinker Numberof企edingreactiontoeachhook LengthlNo. Peried ofobs. (min.)

lOOcm. 〃 〃 lOcm・ 〃 〃 25cm、 20 25 123 −一一 AAA 002 Hookposition MarklDate

12345

−一一一一

BBBBB

100 200 90 180 210 008胴〃 12 加仙胴釦〃

00000

2 Total

1

A−2

5″〃

123 −一一 Ccc 90 180 105 858 1 858 1 15 30 15 000 54(27.1) 63(34.4) 33(27.7) 44(35.8) 68(34.2) 58(31.2) 36(30.3) 35(28.4)

I

m

i

m

I

32(36.0) 19(23.9) 26(28.3) 14(21.9) 7(35.0)

11jjj

″″〃″〃 Shorten‐ ingrate (K) 88( 79( 92( 64( 20( 11jj ″″″〃 77(38.7) 63(34.4) 33(27.7) 44(35.8) 23(26.1) 27(34.0) 72(29.7) 19(29.7) 5(25.0) 33(37.5) 33(42.1) 39(42.4) 31(48.4) 8(40.0) 199( 185( 119( 123( 3

1111

″″″〃 20( 54( 88( 33( 4(20.0) 29(53.7) 65(73.8) 22(66.6) 3(15.0) 11(20.4) 12(13.7) 2(6.1)

64, Sep、4 〃 〃 〃 〃 13(65.0) 14(25.9) 11(12.5) 9(27.8) A−I

(5)

侭u〃noRu〃 86 B−l Table3Resultsofexperimentonthe従edingreactionoffishes toeachhookinthevarious4-hooksgears. 7465 52(36.9) 38(36.9) 49(47.6) 56(51.4) 1234 ●●●● 0000 B−5 88(〃) 248(〃) 125(〃) 44(〃) 120(〃) 22(25.0) 64(25.8) 30(22.0) 5(11.4) 27(22.5) 26(29.8) 68(27.4) 39(28.9) 16(36.3) 31(25.8) Numberoffもedingreactiontoeachhook Peried ofobs. (min.) Shorten-ingrate (K) B−4 Mark Date Hookposition Total

01234

●●●●●

00000

1 2 3 4 64, Sep、3 〃 〃 〃 16(18.2) 60(24.2) 35(25.9) 14(31.8) 39(32.4) 24(27.3) 56(22.6) 31(23.0) 9(20.5) 23(19.2) 01234 ●●●●● 00000 貝﹄″〃〃〃 64, Sep、4 〃 〃 〃 ノリ 5 1 6 4 63, 0ct、2 〃 〃 〃 〃

01234

●●●●●

00000

127(23.2) 37(15.5) 26(6.5) 41(7.8) 17(6.7) 149(27.2) 80(33.5) 148(36.9) 158(30.1) 87(33.5) 118(21.5) 45(18.8) 71(17.7) 65(12.4) 27(10.4) 154(28.1) 77(32.2) 156(38.9) 261(49.7) 128(49.4) 548(100) 239(〃) 401(〃) 525(〃) 259(〃) 35(24.9) 20(19,4) 16(15.5) 19(17.4) B−2 27(19.1) 33(32.0) 33(32.0) 28(25.7) 1 1 2 Total Hookposition ︵翼u 日ロロ 餅如〃〃〃〃

1111j

″″″〃〃

くくくくく

帥師”加価

2111 26(〃) 89(〃) 141(〃) 127(〃) の①貝﹄″〃〃

J

141(100) 103(〃) 103(〃) 109(〃) “筈⑥①痢砦〃 0000●●●● 1234 4(15.4) 2(2.2) 35(24.8) 13(10.5) 8(30.8) 32(36.0) 64(45.4) 62(48.5) 9(34.6) 38(42.7) 32(22.7) 43(34.0) 5(19.2) 17(19.1) 10(7.1) 9(7.0) 3 27(19.1) 12(11.7) 5(4.9) 6(565) B−3 64, Au9.7 〃 〃 〃 5 K=_L二』 ():Percentage, L 鹿児島大学水産学部記要第15巻(1966) Hookposition Total 1 1 2

(6)

L 87 *乃α伽r“j“0"”s(TEMMINcK&ScHLEGEL) Table4Resultsofexperimentonthe企edingreaetionoffishes toeachhookinthevarious5-hooksgears.

これらの実験資料に基づいて,各漁具の釣針別摂餌率を幹細の短縮率別に算出し,各漁具

ごとに整理して表示するとTable2∼4のようになる.また,各漁具における釣針別の摂餌

率を幹細の短縮率ごとに図示するとFig.2のようである.これらの図表に基づいて今回の実

験結果を検討すると次のようである. 実験詰果と考察

M1肺臓瀞に,叫川州小’

0伽澗謝謹淵瀬I

01f1I州耀溌’

この実験は桜島水族館付属の釣堀中において各種構造の延縄漁具を用いて実施した.各漁

具はそれぞれ3鉢分を連結し,幹純は各回とも所定の短縮率を保持するようにして投入した.

なお,供試魚は釣堀中に極めて自然な状態で棲息しているアジ*を対象にした.

実験に当っては,3鉢の内中央の細鉢について釣針1本ごとにあらかじめ観測分担者を決

め,彼らに各釣針に対する摂餌回数を調べさせた.この摂餌回数は,供試魚のアジが釣針の

餌を自由に選び喰い付いて離れる動作を1回と数え,その動作が所定時間内に繰返えされた

回数である.また,この実験は延細の構造と各漁具の短縮率を種々変えて行ない,同一の実

験は通常3,4回繰り返して実施したのである. Total 実 験 方 法 138(〃) 158(〃) 87(〃) 170(〃) 116(〃) 530(100) 715(〃) 565(〃) 259(〃) ():Percentage, K = 67(〃) 42(〃) 19(〃) 53(〃) L − '

盛田:小型延縄の釣針別摂餌反応の実験的研究一Ⅱ

J1

4△︿⑥″幻牲︵、 21(15.2) 41(26.0) 13(14.9) 33(19.4) 1(0.9)

(7)

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88 FD O uonoEaI8u1p9等Joe犯迩● 口o這唾oQ壱○閏 。 夕 夕 ● @画寺のl園lllll胴 、 へ、姑 ● ● ●

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、 ●閏8即君旨①日恒axU目o宿同シ属望◎○二壱$gpo宮。3角即口毛@塁﹄。g何国・劇・即国 BIIIIIIIIIIIの。。②IllllllII因ooへ00000000000︻・◎い●や口角四口﹃回●胸。且の 鹿児島大学水産学部紀要第15巻(1966) 、 ︻ のI雪 ● ●

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59●

(8)

盛田:小型延縄の釣針別摂餌反応の実験的研究一Ⅱ 89 枝縄間隔と摂餌反応B-1,B-3,C−1の各漁具とB-2,B-4,C−2の各漁具との構造上 の相異は,Tablelにおいて両漁具の枝細間隔,枝細長がそれぞれ1:2の関係になってい るのに,実験の結果による釣針別摂餌率の状態は極めて類似している.なお,いずれの漁具 も中央部の釣針に対する摂餌率が大きく,幹縄の短縮の大きいほど高率となっており,第1 報で論じた結果とほぼ同様な傾向である.すなわち,延縄漁具は,各漁具の間に枝細間隔の 差異があっても,同一短縮率に基づきそれぞれの幹縄が同様なCatenary形状になれば,各 漁具間の釣針別摂餌反応の割合や変化傾向は余り変らないものと考えられる. 釣針3本付け漁具の実験この実験に用いた漁具の内,A−1は標準漁具である.A−2は釣 針4本付け標準漁具の4番の釣針を除いた漁具である.A−3は3本の釣針をほぼ同深になる ように工夫された延細である.これらの漁具の釣針別摂餌率は,いずれも2番の釣針が高率 になっているが,この釣針と1,3番の釣針との摂餌率の差はA-1漁具が特に大きく,A−2, A−3の順に少なく,平均化している.すなわち,釣針3本付け漁具の摂餌反応は,A-2,A−3 の構造がA−1のそれより良好になるものと思う.また,A−3漁具のように特別な方法で幹 縄を直線状にして各釣針の深度差を少なくすれば,その釣針別摂餌差は減少するものと考え られる. 釣針4本付け漁具の実験実験漁具の内B-1,B−2は標準漁具であり,B−3,B−4は釣針5 本付け標準漁具の1番の釣針を除いた延縄であり,B−5は釣針6本付け標準漁具の1,6の 釣針を除いたものである.これらの漁具による釣針別摂餌率は,やはり中央部の釣針が高率 になっているが,これらの釣針と細端近くの釣針との摂餌率の差はB−1,B−2の各漁具が概 して大きく,B-3,B-4,B−5の各漁具の順に少なくなっている.すなわち,後者の3漁具 は構造上それぞれ摂餌反応が概して良好であると考えられる.特に,B−5漁具は,その釣 針別摂餌差の極めて少なく,平均化しており,このように延縄の幹縄両端を長く構成するこ とはその延縄の各釣針に対する摂餌反応を良好にするものであると思考する.更に,B−3, B−4の両漁具における釣針別摂餌率は,最深部3番の釣針が最も高率となっているが,同深 の2番と4番との釣針では必ずしも同率となっていない.このことについては,4番の釣針 が高率になっていることからして,供試魚が釣針の餌料相互間の関係において釣針に遭遇す る確率の差異に原因するものと考える. 釣針5本付け漁具の実験実験漁具の内,C−1,C−2は標準漁具であり,C−3は釣針6本 付け標準漁具の6番の釣針1本を除いたものである.これらの漁具においても,釣針別摂餌 率は縄端から中央部の釣針になるに従って高率となり,このような摂餌率の変化傾向は,い ずれの漁具においてもほぼ類似している.しかし,各漁具の釣針別摂餌率の差は,C−1,C−2 漁具よりもC−3漁具の方が概して小さくなっている.なお,この実験では,いずれの漁具 も幹縄両端の釣針の摂餌率が他の実験漁具のそれに比して概して減少している.ゆえに,こ のような延細漁具では幹細両端の釣針1∼2本を除くことが有効になるものと考えられる. 結 び 今回の実験結果において,延細漁具の釣針別摂餌差は,幹細上における枝縄間隔の長短に は余り関係しなく,やはり,前報においても論じたようにその差は幹縄の短縮率などに基づ く幹縄形状の要因が大であると考える.また,この幹細形状を何らかの方法で直線に近い状

(9)

文 献 吉原友吉(1954):日水誌19,1012∼lOl4・ 盛田・藤田・田ノ上(1955):本誌4,8−11. 柴田恵司(1962):長崎大学水産学紀要13,9−17. 盛田友式(1961):本誌5,30−35. 鹿児島大学水産学部記要第15巻(1966) 111jj111234567 態に保持出来れば,その釣針別摂餌差は非常に減少するものと思われる.なお,釣針数の多 い延縄漁具では,幹細両端の釣針の摂餌率が極めて悪くなっている.ゆえに,これらの釣針 を1∼2本除いた漁具は,実験的に延縄構造による性能上の効果が期待出来るものと考える. すなわち,延縄漁具は,幹純両端の長さをその他の枝縄間の部分より長く構成し,且つ,そ の幹細が出来るだけ直線状になるように投縄された場合に魚類の摂餌反応が良好になるもの と思考する.しかして,実際の漁場において投縄された延細の幹純は通常自然懸垂形状をな すものであるが,時にはその幹細が緊張し直線状になることもあり,このような場合には, 通常余り好漁が期待されないのであり,この事実は前説に反することになる.しかし,この 場合の幹縄の緊張は潮境,渦流,混合などの特殊な海況条件に起因するものと考えられ,こ のような時には延縄の枝細は潮流に吹かれて幹縄に近接するなど極めて異常な細成り状態に なるため釣獲不振になるものと思われる.ゆえに,このような場合異常な海況でなく,平穏 な漁場において幹細が直線状に近くなり,枝縄がほぼ垂下の状態になるならば,おそらく前 述のように各釣針に平均した漁獲が期待されるようになるものと思考する. 終りに臨み,この実験を行なうに当り多大な御協力を賜わった桜島水族館長の中原官太郎 氏及び田中隆久,妹尾敏夫の両君に深く感謝の意を表するものである. 90 (1961):本誌5,36-41. (1962):本誌11,(1),8−13. (1964):本誌13,110−114.

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