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特別セッション「人間と調和した創造的協働を実現する知的情報処理システム」(<特集>2014年度人工知能学会全国大会(第28回))

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630 人 工 知 能  29 巻 6 号(2014 年 11 月) 本特別セッションでは,平成 26 年度に新たに発足し た戦略的創造研究推進事業(CREST)領域「人間と調 和した創造的協働を実現する知的情報処理システム」に ついて,昨年度からの準備状況と本 CREST 公募概要に ついて報告することを企画した. 山口は,昨年 JST/CRDS により開催されたサミット 「知のコンピューティング―人と機械が共創する社会を 目指して―:Wisdom Computing Summit 2013」,およ び,三つの WS「知のメディア」,「知のプラットフォー ム」,「知のコミュニティ」における議論を出発点にして, 本 CREST に至った経緯を説明した. 岩野氏は,知のコンピューティングでは,知の創造と 蓄積と流通を促進し,人間の科学的発見を加速し,人々 が日々賢く生きるための仕組みづくりを行うことが目的 であり,①加速する知の集積・伝播・探索(人間だけで はできないことの追及),②予測・発見の促進(従来の 科学では難しいことの追及),③知のアクチュエーショ ン(社会適用を意識した研究開発)が重要であるととも に,研究成果のプラットフォーム化,新たな科学技術 の普及に伴う負のインパクトを含めた社会経済的イン パクト研究としての ELSI(Ethical, Legal and Social Issues)の研究の重要性を指摘した. 乾氏は,自然言語処理から知的情報処理システムへの アプローチとして,Web や SNS に蓄積された意見・情 報に対して,言語解析・意味解析・リンク解析・情報検索・ 知識獲得・談話解析などの技術を適用することにより, 信頼性分析・根拠検索・意見評判分析を実行することを 通して,議論支援・意思決定支援・科学リテラシー教育 の実現可能性について言及した.例えば,意見間の同意・ 対立・根拠関係を見いだすことにより,言論マップの自 動生成について言及した.また,背景知識を利用した仮 説推論を利用して,明示的に書かれていないが,人なら 常識的に推論できるさまざまな仮説を導き出す「行間を 読む」仮説推論の可能性について言及した. 松尾氏は,Deep Learning からの知的情報処理システ ムへのアプローチについて述べた.DL は,問題を的確 に表す「表現」を得ることを目指し,中間表現をつくる仕 組みの端緒を与えており,AI の長年の課題である,フレ ーム問題,記号接地,知識獲得ボトルネック,機械学習 の特徴生成などにアプローチできる可能性を指摘した. 津本氏は,医療分野における知的情報処理システムの 可能性について述べた.現在,電子カルテの普及により, 医療行為に関するさまざまな情報収集・管理が容易にな っており,今後,知的プログラムによる医療ワークフロ ーや診察のナビゲーション,リスク検知,レポート類似 症例,EBM の実践に必要なデータ収集のナビゲーショ ンなどが可能となり,医師と知的プログラムの共進化の 可能性について言及した. 萩田氏は,本 CREST は,社会が受け入れる知的情報 処理の研究を推進するものであり,情報科学・認知科学・ 社会科学・ロボティクスの融合が必要であることを述べ, 研究の必要性・社会インパクト・ELSI の視点・具体的 な中間および最終目標の設定が要件になることを指摘し た.また,研究イメージとその関連分野として,① ビ ッグデータによるセンシング機能(メディア理解,自然 言語理解,マルチモーダル IF,空間状況認識,センサ ネットワーク,環境知能など),② 安心してサービスア プリケーションが利用できる環境(ビッグデータ分析, 可視化,人・機械インタラクション,社会行動モデル, シミュレーション,機械学習,推論,予測など),③ 人(々) と機械の協働過程で生まれる知識や知恵の枠組み(知識 処理,オントロジー,意味ネットワーク,ソーシャルマ イニング,クラウドソーシングなど),④ 人(々)の特性(認 知科学,社会科学,脳・神経科学,数理科学など),な どを例示した後,研究実施体制についても言及した. 本特別セッションには,100 人前後が参加し,発表後 の QA では,深層学習,データのアベイラビリティと人々 のリテラシー問題,本 CREST と CREST ビッグデータ との違いに関する質問が出され,本 CREST への関心の 高さが示された.今回,JSAI としては,ファンディン グエージェンシー JST と協力して,公募周知と意見交 換を初めて実施したが,今後も,このような活動に積極 的に取り組めればと思っている. 「2014 年度人工知能学会全国大会(第 28 回)」

特別セッション「人間と調和した創造的協働を実現する知的情報処理システム」

オーガナイザ:山口 高平(慶應義塾大学) パ ネ リ ス ト:萩田 紀博(ATR,CREST 総括),岩野 和生(JST CRDS),乾 健太郎(東北大学) 松尾  豊(東京大学),津本 周作(島根大学) 図 1 特別セッションの紹介

参照

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