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構造材料データシート資料 No.19の発行について

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Academic year: 2021

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1 構造材料データシート資料 No.19 の発行について 平成25年4月16日 独立行政法人物質・材料研究機構 【発行内容について】 高強度の鉄鋼材料やチタン合金では疲労限5)が消滅し、ギガサイクル域での 疲労強度が低下する。そのため、これらの材料ではギガサイクル疲労特性の解 明が急務となっている。そこで、物質・材料研究機構では一連のギガサイクル 疲労データシート6)を発行し、基礎データを提供してきた。一方、ギガサイク ル疲労試験を行う上では超音波疲労試験が有効である。超音波疲労試験を用い ることにより、100Hz では 3 年を要する 1010回までの疲労試験を1週間で終え ることができる。ただし、超音波疲労試験では繰返し速度が速すぎるため、繰 返し速度の影響がしばしば問題となる。そこで本報では、疲労データシートNos. 85, 87, 92, 93 で公表したデータに基づき、ばね鋼 SUP7 及び Ti-6Al-4V 合金 (900MPa 級)のギガサイクル疲労特性とそれらを評価する上での超音波疲労 試験の有効性について検討を行った。その結果、以下のことが明らかとなった。 (1)107回以上の長寿命域では内部破壊7)が主となるが、ばね鋼では主に介在 物が内部破壊の起点となるのに対し、Ti-6Al-4V 合金ではファセットの集合体が 起点となる。 (2)内部破壊となる場合には、通常の100Hz での試験結果と超音波疲労試験 の結果がよく一致するため、内部破壊によるギガサイクル疲労特性を評価する 上で超音波疲労試験は有効である。 (3)通常の表面破壊となる場合には、高速試験では疲労強度が高く測定され る等の問題が生じる場合があるため、超音波疲労試験の適用には注意を要する。 概要: 独立行政法人物質・材料研究機構(理事長:潮田 資勝)は、中期計画における知的基盤 充実に向けた取り組みの一環として、『物質・材料研究機構 構造材料データシート資料 19 強度材料の超音波疲労特性』を平成25 年 3 月 31 日付けで発行した。 今回発行したデータシート資料1)は、疲労データシートNos. 85, 87, 92, 93 で公表した

データに基づき、ばね鋼SUP7 及び Ti-6Al-4V 合金(900MPa 級)のギガサイクル2)

労3)特性とそれらを評価する上での超音波疲労試験4)の有効性について述べている。

同時発表:

筑波研究学園都市記者会(資料配布) 文部科学記者会(資料配布)

(2)

2 【発行に伴う波及効果について】 当機構のデータシートは中立的な立場から試験規格(JIS 規格疲労試験法な ど)に従い、信頼性の高いデータを30 年以上にわたって公表してきた。これら のデータシートは、国内外の約 660 機関(国内 460、国外 200)に配布するこ とにより、機械、構造物の強度設計における設計応力の設定や材料選択等での 基盤的な材料強度特性データとして、また、長期間使用された各プラント等の 金属材料の劣化状況や余寿命評価等を判断する場合の基準的参照データとして、 幅広く活用されている。今回発行したデータシート資料も、ギガサイクル疲労 や超音波疲労試験についての理解を深めることを補助することにより、同様に 広く活用されることを期待している。 金属材料の疲労強度に加え、クリープ、腐食、及び極低温強度に関する系統 的なデータの公開が、平成13 年度から当機構データシートステーションのプロ ジェクトとして開始されている。これらの知的基盤の充実に向けて当機構は積 極的に取り組んでいる。 (問い合わせ先) 独立行政法人 物質・材料研究機構 企画部門 広報室 TEL 029-859-2026 FAX 029-859-2017 (事業内容に関すること) 独立行政法人 物質・材料研究機構 材料情報ステーション 主幹研究員 古谷 佳之 TEL 029-859-2298 FAX 029-859-2201 E-mail: [email protected]

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3 【用語説明】

1)

データシート資料 データシートで公開したデータの分析結果をまとめた解説書。通常、データ シートでは数値データのみを公開し、データを分析した結果は開示しない。 2)ギガサイクル 10910 億)サイクルのこと。ここでは 1010100 億)サイクルまでのデータ という意味でギガサイクルと呼んだ。 3)疲労 材料が、繰返しの荷重、またはひずみを与えられた際に破損する現象。 4)超音波疲労試験装置 共振現象を利用することにより、20 kHz(1秒間に 2 万サイクル)という高 速で引張・圧縮の力を繰返して試験片に作用させることができる疲労試験装置。 通常の疲労試験装置は100 Hz(1秒間に 100 サイクル)程度が上限なので、約 200 倍の速度で試験することができる。なお、1010サイクルの試験は100Hz で は3年を要するが、20 kHz では1週間以内に終えることができる。 5)疲労限 それ以下の応力では無限回の繰返しを与えても疲労破壊しない限界の応力で、 通常は107回までの疲労試験で決定することができる。鉄鋼材料の多くは疲労限 を示すことが知られている。 6)ギガサイクル疲労データシート 疲労データシートNos. 85, 87, 89, 92, 93, 97, 98, 101, 102, 103, 104, 105, 106, 107, 111, 112, 115, 116, 117。通常の 100Hz で3年かけて取得した 1010 までの疲労試験結果や超音波疲労試験による疲労試験結果を開示している。 7)内部破壊 試験片の内部を起点とした疲労破壊で、フィッシュアイと呼ばれる独特の破 面様相が観察される場合が多い。通常の疲労破壊は起点が表面にある表面破壊 となるため、内部破壊は特異な破壊形態である。

参照

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