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色を使った、高齢者イメージの測定の試み

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Academic year: 2021

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(1)

色 を 使っ た 、 高 齢 者 イ メ ー ジ の 測 定 の 試 み

小 林 尚 司 1)・荻 野 朋 子 2)・ 伊 藤 孝 治 3)・ 園 井 葉 子 1)

安 藤 夢 子 4)・ 武 藤 よ し み 5)・ 大 平 政 子 2)

Using

Color

to Investigate

the Image

of Elderly

KOBAYASHI Naoji, OGINO Tomoko,

ITO Kouji, SONOI Youko

ANDO Yumeko,

MUTO Yoshimi and OHIRA Masako

キ ー ワ ー ド:色 、 高 齢 者 、 イ メ ー ジ Keywords:Color,  elderly,  image

【は じ め に 】   老 年 看 護 教 育 の 研 究 領 域 で は 高 齢 者 イ メ ー ジ に 関 す る 研 究 が しば しば 試 み られ て お り、 イ メ ー ジ の 測 定 に は 言 葉 を使 っ たSD法 を 用 い た もの が 多 い1-5)。 そ れ らの 研 究 で は 、 用 い ら れ て い る 形 容 詞 の種 類 や 数 、 あ る い は尺 度 目盛 りは 研 究 者 に よ っ て 様 々 で あ り、 得 ら れ た 調 査 結 果 も多 種 多 様 で あ る。   SD法 の デ ー タは コ ン セ プ ト、尺 度 、被 験 者 の3者 か ら 構成 さ れ て お り6)、尺 度 の 統 制 が 十 分 に な され な け れ ば 、 そ こか ら得 ら れ る結 果 に つ い て 比 較 検 討 す る こ とは 困 難 で あ る。 こ の た め 、こ れ ま で の 言 葉 を使 っ たSD法 に よる 高 齢 者 イ メ ー ジ の 測 定 方 法 で は 、 具 体 的 な 高 齢 者 イ メ ー ジ に 関 す る一 定 の 見 解 が 得 られ な い 状 況 に あ る 。   複 数 の研 究 で 得 られ た 結 果 を比 較 検 討 す る た め に は 、 高 齢 者 イ メ ー ジ を探 る 調 査 尺 度 の 統 制 が 必 要 と な る 。 こ の 尺 度 の 統 制 と い う視 点 か ら筆 者 ら は 、 松 岡 が 開 発 した カ ラ ー ・シ ン ボ リ ズ ム ・テ ス ト7)(以 下C.S.T.と す る) の 色 彩 表 に 着 目 した 。色 の 意 味 が 明 ら か に され たC.S.T. の 色 彩 表 を用 い て 、 高 齢 者 イ メ ー ジ を と ら え よ う と考 え た 。 色 彩 表 を 用 い る こ と に よ り、 尺 度 が 統 制 され て 結 果 を一 定 の 形 で 導 き出 す こ とが で き、研 究 者 の 興 味 や 意 図 な どの 諸 要 因 が 調 査 結 果 に 与 え る 影 響 を回 避 で き る 。 ま た 、色 は 言 葉 よ り は っ き り と 感 性 的 な意 味 特 性 を持 つ 特 徴 も有 して い る。   今 まで に 、 色 彩 表 を 用 い た 高 齢 者 イ メー ジ の 調 査 報 告 は 見 あ た ら な い 。 本 方 法 の 可 能 性 を探 る た め 、 高 齢 者 イ メ ー ジの 調 査 を実 施 した 。 【方 法 】 1.対 象 及 び 調 査 時 期   本 調 査 の 趣 旨 を理 解 し了 解 を得 ら れ た 、N市 内 の2校 の 看 護 短 期 大 学2年 生155名(A校56名 、B校99名)に 対 し、 老 年 看 護 学 講 義 を終 了 し老 年 看 護 学 実 習 の 前 の 時 点 で あ る 、 平 成11年12月 に 調 査 を実 施 し た 。 2.調 査 方 法   自記 式 質 問 紙 を用 い 、「高 齢 者 」 と い う言 葉 に 対 して イ 1)日 本 赤 十 字 愛 知 短 期 大 学(老 年 看 護 学)、2)名 古 屋 市 立 大 学 看 護 学 部(老 年 看 護 学)、3)愛 知 県 立 看 護 大 学(老 人 看 護 学) 、 4)公 立 春 日 井 小 牧 看 護 専 門 学 校(老 人 看 護 学)、5)愛 知 県 立 総 合 看 護 専 門 学 校(老 人 看 護 学)

1)Japanese  Red  Cross  Aichi  Junior  College  of  Nursing(Gerontological  Nursing)

,2)Nagoya  City  University  School  of  Nursing(Gerontological Nursing)・3)Aichi  Prefectural  College of  Nursing & Health(Geronto1ogical  Nursing) ,4)Public Kasugai-Komaki  Nursing  Co11ege(Geronto1ogical Nursing),5)Aichi  Prefectural  School  of General  Nursing(Gerontological  Nursing)

(2)

メ ー ジ す る色 とそ の 理 由 、 高 齢 者 と思 う年 齢 、 高 齢 者 に 対 す る 印 象 点 に つ い て 尋 ね た 。 イ メ ー ジ す る 色 は 、 C.S.T.の 色 彩 表 で 最 もそ う思 う もの か ら上 位3色 を選 択 させ 、 色 を表 す 言 葉 か ら の 影 響 を少 な くす る た め 色 彩 表 の 番 号 で 回 答 を求 め た 。 理 由 は 、 第1位 に選 択 し た色 に つ い て 、 な ぜ そ の 色 を イ メ ー ジ した の か 自 由 記 載 して も ら っ た 。 高 齢 者 に 対 す る 印 象 点 は 、 嫌 い を1点 、 好 き を10点 と して 、 そ の 点 数 を求 め た 。 3.分 析 方 法 学 生 が 選 択 した色 を 集 計 し、「評 価 型 」、 「活 動 型 」、「力 量 型 」 の 因 子 型 に分 類 し、 各 色 が 持 つ3因 子 そ れ ぞ れ の 意 味 特 性 を、 最 も ネ ガ テ ィブ を−2、 最 も ポ ジ テ ィ ブ を +2と して 点 数 化 し て 因 子 ご との 平 均 値 を求 め た 。 こ れ らの 分 類 と 因 子 ご と の 意 味 特 性 につ い て は 、松 岡 の 調 査 結 果 を参 考 に した 。(表1) 【結 果 】 調 査 対 象 者 の 平 均 年 齢 は20.03±0.95歳 で 、全 員 が 女 性 で あ っ た 。 高 齢 者 と 感 じる 年 齢 は 、55歳 か ら80歳 の 広 範 囲 に 分 布 し、平 均67.2±4.8歳 で あ っ た 。 高 齢 者 に対 す る 印 象 点 は 、1点 か ら10点 に分 布 し、 平 均6.068±1.877点 で あ っ た 。 高 齢 者 の イ メ ー ジ 色 と して 、 第1位 に挙 げ られ た 色 は 13色 で あっ た 。 こ の う ち 最 も多 数 が 選 ん だ 色 は 赤 紫 濁 の 44名(28.4%)、 次 い で 暗 褐 色 と 灰 色 が そ れ ぞ れ40名 (25.8%)で 、 こ れ ら 上 位3色 を 選 択 し た 者 が80.0%を 占 め た 。 ま た 全 く 選 ば れ な か っ た 色 は 、黒 、黄 緑 、黄 で あ っ た 。 ま た 、 第2位 ・第3位 に 選 択 さ れ た 色 の 上 位3色 も 、 第1位 に 選 択 さ れ た 色 と 同 じ3色 が 選 ば れ て い た 。 色 を 選 択 し た 理 由 は 、 服 装 や 髪 の 色 な ど が 多 く挙 げ ら れ た 。 (表2) 第1位 に 選 択 さ れ た13色 す べ て を 表1に 沿 っ て 因 子 型 に 分 類 す る と 、 「力 量 型 」59.4%、 「活 動 型 」34.2%、 「評 価 型 」6.5%で あ っ た 。 第1位 に 選 択 さ れ た13色 す べ て を 表1に 沿 っ て 因 子 ご と の 意 味 特 性 を 点 数 化 し 平 均 を 求 め た 結 果 は 、 「評 価 性 」 −0 .16、 「活 動性 」−0.89、 「力 量性 」0.56で あ っ た 。(表

(3)

3)A校 とB校 で 、 選 択 され た 色 や 因 子 型 の 割 合 と因 子 ご と の 意 味 特 性 は類 似 して い た 。 印 象 点6点 以 上 の 高 得 点 群 と5点 以 下 の 低 得 点 群 で 、 選 択 され た 色 や 因子 型 の 割 合 に 有 意 な差 は な か っ た 。 高 齢 者 と思 う年 齢 が 後 期 高 齢 者 の75歳 以 上 の 群 と前 期 高 齢 者 の75歳 未 満 の 群 で 、 選 択 さ れ た 色 や 因 子 型 の 割 合 に 有 意 な差 は な か っ た 、, 【考 察 】 今 回 の 高 齢 者 イ メ ー ジ調 査 で は 、C.S.T.の 色 彩 表 を用 い る こ と で 測 定 す る尺 度 が 一 定 と な り、 結 果 を 因 子 型 と 各 因 子 の 意 味 特 性 で 一 定 の 形 に 導 き 出 す こ とが で き る と 考 え る 。 C.S.T.の 色 彩 表 の16色 は 、松 岡7)に よ っ て 、「評 価 性 」、 「力 量 性 」、「活 動 性 」の3つ の 因 子 で そ の 意 味 特 性 が ほ ぼ 明 ら か に され 、 さ ら に そ の 中 の ど の 因子 か ら と ら え ら れ や す い 特 性 を 持 っ て い る か に よ っ て 「評 価 型 」、「力 量 型 」、 「活 動 型 」に 分 類 され て い る,、3つ の 因 子 の 意 味 す る も の は 、 「評 価 性 」 は 、 快 一不 快 ・受 け 入 れ 一 拒 否 な ど の 観 点 か ら見 た 意 味 の 側 面 で あ る 。「力 量1生」 は 、た く ま しい 一 弱 々 しい ・ず っ し り と して い る 一軽 い な ど の 観 点 か ら見 た側 面 で あ る 。 「活 動 性 」 は 、 ス ピ ー デ ィ 一鈍 重 ・喧 噪 一 静 か な ど の 観 点 か ら 見 た 側 面 で あ る 。 この 意 味 特 性 や 因 子 型 は 、 年 齢 や 性 別 に よ り異 な る一 面 も有 して い る 。 今 回 の 調 査 で は 、 第1位 に選 択 さ れ た 色 と、 第2位 ・ 第3位 に 選 択 され た 上 位3色 は 同 じで あ っ た た め 、 第1 位 に選 択 され た 色 の み を分 析 対 象 と して も 問 題 な い と考 え る 。 第1位 に 選 ば れ た13色 を 因 子 型 に 分 類 した 結 果 か ら、 学 生 は 高 齢 者 の イ メ ー ジ を 「力 量 性 」 の 因 子 で と ら え 、 高 齢 者 の イ メー ジ を た くま しい 一 弱 々 しい 、 ず っ し りと して い る 一軽 い と い っ た よ う な観 点 で と ら え て い る可 能 性 が 示 唆 さ れ る 。 第1位 に 選 択 さ れ た13色 の 意 味 特 性 を検 討 して み る と 、 「評 価 性 」 や 「活 動 性 」 の 持 つ 意 味 特 性 は 共 に ネ ガ テ ィ ブ な も の で 、 「力 量 性 」 に つ い て の 意 味 特 性 は ポ ジ テ ィブ な 傾 向 を示 して い る 。 さ ら に こ れ ら意 味 特 性 の 強 さ に つ い て は 、「活 動 性 」ネ ガ テ ィブ 、「力 量 性 」ポ ジ テ ィ ブ 、 「評 価 性 」 ネ ガ テ ィブ の順 で 出 て い た 。 学 生 は 高 齢 者 に対 して 、 動 きが 鈍 い 、 ず っ し り落 ち着 い て い る とい っ た イ メ ー ジ を持 っ て お り、快― 不 快 ・受 け 入 れ 一拒 否 な どの 視 点 は あ ま りな い こ とが 推 察 さ れ た 。 色 を 選 択 した 理 由 は 、服 装 や 髪 の 色 な ど高 齢 者 の 外 見 が 多 く書 か れ て い た 。 学 生 の 高 齢 者 イ メ ー ジ は 、 外 見 に よ っ て 強 く影 響 さ れ る と考 え ら れ た 。 今 回 のC.S.T.色 彩 表 を用 い た 高 齢 者 イ メ ー ジ の 測 定 方 法 が 、 異 な る2校 で ほ ぼ 同 様 の 結 果 を得 る こ と が で き た。 こ の こ とか ら 、 調 査 対 象 者 の 高 齢 者 イ メ ー ジ の 傾 向 を と ら え て い る と考 え る 。 しか し 、 こ の 結 果 の み で 今 回 のC.S.T.色 彩 表 を 利 用 した 方 法 の 効 果 や 特 性 な ど に つ い て 判 断 で きず 、 他 の 高 齢 者 イ メ ー ジ の 調 査 と比 較 検 討 す る こ とが 必 要 で あ る。こ れ ま で の 言 葉 を 使 っ たSD法 を 用 い た研 究 で は 、析 出 され た 因子 が 研 究 に よ り多 様1)8)で あ り、 今 回 の 結 果 と比 較 検 討 は 困 難 で あ る 。 今 後 、 色 を使 用 し た本 方 法 を検 討 す る に は 、 ま ず 色 に よ る 方 法 と言 葉 に よ るSD法 の 両 方 を 、 同 一 の コ ンセ プ トと対 象 で 実 施 して み る 必 要 が あ る と考 え ら れ た 。 【謝 辞 】 本 調 査 に ご協 力 い ただ い た学 生 の皆 様 に感 謝 い た します。 (本 調 査 は 、 平 成12年11月 に 第5回 日本 老 年 看 護 学 会 学 術 集 会 に お い て 発 表 した) 【文 献 】 1)大 谷 英 子,松 木 光 子:老 人 イ メ ー ジ と形 成 要 因 に 関 す る調 査 研 究(1)大 学 生 の 老 人 イ メー ジ と生 活 経 験 の 関 連,日 本 看 護1研究 学 会 雑 誌,18(4),25-38,1995. 2)大 塚 邦 子,正 野 逸 子,日 浦 瑞 枝 他:看 護 学 生 の 老 人 イ メ ー ジ に 関 す る 研 究 一SD法 に よ る イ メ ー ジ 評 価 と 描 画 特 徴 と を 中 心 に 一,老 年 看 護 学,4(1),98-104, 1999. 3)多 田 敏 子: 老 人 看 護 学 に お け る 臨 地 実 習 に よ る 看 護 学 生 の 高 齢 者 に 対 す る 印 象 の 変 化,老 年 看 護 学,1(1), 63-70,1996. 4)片 山 信 子,出 宮 一 徳:老 人 看 護 学 教 育 の 検 討 一 看 護 学 生 の 持 つ 老 人 イ メー ジ と教 育 の か か わ り一,岡 山 県 立 短 期 大 学 紀 要,33(2),165-173,1990. 5)寺 島喜 代 子,吉 村 洋 子:看 護 学 生 の 老 人 イ メ ー ジ に つ い て 一 老 人 イ メ ー ジ ス ケ ー ル を用 い て 一 ,福 井 県立 大 学 看 護 短 期 大 学 部 論 集,8,29-38,1998. 6)岩 下 豊 彦:SD法 に よ る イ メ ー ジの 測 定 そ の 理 解 と 実 施 の 手 引 き,2-42,川 島 書 店,東 京,1983. 7)松 岡 武:色 彩 とパ ー ソ ナ リテ ィー,115-142,金 子 書 房,東 京,1995. 8)保 坂 久 美 子,袖 井 孝 子:大 学 生 の 老 人 イ メ ー ジ 一SD 法 に よ る 分 析 一,社 会 老 年 学,27,22-33,1988. (平 成12年11月29日 受 稿) (平 成13年1月16日 受 理)

参照

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