3大都市圏における職業別就業者の空間的分布の動向 : 1970~1990年の分析
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(2) 14. 富. 田. 和. 暁・菅. 谷. 泰. 尚. よる職業別就業者の変化(1975-80年)を分析して,中心都市のシェアはすべての職業で 低下したが,管理職就業者と事務就業者の中心都市-の偏在はなお大きいことを指摘した。 富田(1984)は東京圏における1970-80年の変化を検討し,周辺地域における雇用増加の 中心はホワイトカラーであることや中心都市と周辺地域における職業構成の格差の縮小傾 向を指摘した。石水・Mydel. (1988)は大都市圏における3大職業分類別就業者の分布の時. 間的変動(1955-80年)を分析し,とくに中心都市からの距離帯による変動に基づいて大 都市園内の分布動向のモデルを提示している。総務庁統計局監修(1990)では,. 3大都市. 圏を含む日本の7大都市圏における職業4区分による就業者構成比(常住地ベース)の分 析から中心都市におけるホワイトカラ-,周辺地域におけるブルーカラーの居住が多いこ となどを指摘している。 これらの諸研究のなかでの本研究の特徴はつぎの2つである。 も用いて3大都市圏における常住地と従業地の両面から分析する。. ①最新の1990年のデータ ②国勢調査報告で設定. されている大都市圏でなく,独自に日常的生活圏として適当な大都市圏の範囲を設定して, そこにおける変動を検討する。 分析にさいして重視する視点はつぎの2つである。ひとつは職業別就業者の郊外化の観 点から3大都市圏における変化を分析するという視点である。. 3大都市圏を対象とした産. 業の郊外化の観点からの分析は,富田(1995)などによってなされているが職業別就業者 に関する分析はみられない。いまひとつの視点は大都市圏の周辺地域の自立化の観点から の分析である。成田(1988)は大都市圏周辺地域(郊外)の自立化の棉標として従業地に よるホワイトカラー比率と就従比をあげ,この指標によれば1970-80年において東京圏と 大阪圏で自立化を強めたことを指摘している。本稿でもこれらの指標も用いて1970-90年. における変化を検討する。 このような目的から,本稀では大都市圏を中心都市と周辺地域に2分した分析が中心で あり,大都市圏の内部の詳細な地域的な変化(たとえば,都心地区の変化)については分 析しない。 Ⅰ. 研究の方法. 職業大分類のなかで本稿で分析対象とするのは,原則として1980年における全国の職業 大分類別就業者比率が5. %以上の職業である。ただし,例外的に農林漁業作業者は大都市. 圏においては重要な職業ではないことから除外し,これと逆に管理的職業はホワイトカラ ーを構成する職業であることから対象とする。この結果,本稿では第1表などに示した6 つの職業を分析対象とする。全国の全就業者数に対するこれら6つの職業の就業者数の割 合は1970年で75%, とえば,. 1990年では87%であった。. 3大都市圏ではさらにこの割合は高い。た. 1990年の従業地ベースでのこの割合は,東衷圏,京阪神圏,名古屋圏ともに約93. %であった。したがって,. 3大都市圏では就業者総数のほとんどを分析対象とした6つの. 職業で占めているといってよい。 以下では,職業大分類のなかで本稿で対象とした職業の名称をつぎのようにする。専門 的・技術的職業従事者を「専門・技術職就業者」,管理的職業従事者を「管理職就業者」,.
(3) 15. 3大都市圏における職業別就業者の空間的分布の動向. 事務従事者を「事務就業者」,販売従事者を「販売職就業者」,技能工,採掘・製造・建設 作業者および労務作業者を「技能・生産職就業者」,サービス職業従事者を「サービス職就L 業者」とする.本稿の表においては,スペースの関係からこれらの職業分類の名称はさら に簡略化した名称を用いた。たとえば,専門・技術職就業者を「専門・技術」に,技能工, 生産工程作業者および労務作業者を「技能・生産」に簡略化する。 本稿では上記の6つの職業に限定して分析するが,. 3大職業分類による分析も若干行う。. この3大分類はホワイトカラー,ブルーカラー,グレーカラーである。ホワイトカラーは 専門・技術職就業者,管理職就業者および事務就業者の計であり,ブルーカラーは技能・ 生産職就業者と運輸・通居従事者の計,グレーカラーは販売職就業者,保安職従事者およ ぴサービス職就業者の計である。このなかでホワイトカラーは大都市圏の職業別就業者の なかで最も重要であるという認識から,上記の6つの職業と同列に扱う。 分析対象とする期間は1970-90年として, 料とした。 ある。また,. 1970年, 1980年, 1990年の国勢調査報告を資. 3つの年次のなかで1970年の職業別就業者に関するデータは20%抽出の結果で 1970年の国勢調査報告においては,人口10万未満の市町村のデータは公表さ. れていないので,総務庁統計局所蔵のマイクロフィルムを利用した。. 1990年のデータにつ. いては,本研究を開始した時点(1993年夏)では未刊行であったので,総務庁統計局で作 成されていた原表を用いたo 1970-90年の間に職業分類の詳細な基準の変更l)があったが,下記の点を除いて分析対 1970年と1980年の国勢調査 象年次の国勢調査報告に記載の統計数値に基づいて分析し串。 1990年では技能・生産職. 報告では採掘作業者は独立した職業大分類のひとつであったが,. 就業者の分類に含まれており,独立した分類ではなくなった。本稿では統一的な年次間の 比較という観点から,. 1970年と1980年の技能・生産職就業者のなかにこの採掘作業者を加. えて分析する。 原則的に1970-80年と1980-90年に分けて分析するが, る場合もある。以下では1970-80年を1970年代,. 1970-90年のみの変化を分析す. 1980-90年を1980年代ということもある。. 分析対象とした大都市圏の範囲は1980年の国勢調査報告において, 市(東京都区部,大阪市・京都市・神戸市,名古屋市) 地就業者数に対する比率)が5. 3大都市圏の中心都. -の通勤者比率(市町村別の常住. %以上で,かつ3大都市圏の中心都市と連接した市町村お. よぴそれらに囲まれる市町村とした。これらの市町村を周辺地域という。. 1970年と1990年. の大都市圏の範囲もこれと同じとしたoつまり,圏域を1980年に固定して時間的変化を検 討する。. 3大都市圏の範囲は第1図-第3図のとおりである。. 総務庁統計局では国勢詞萱報告のなかで『大都市圏の人口』として3大都市圏を含む大 都市圏の各種の統計資料をまとめている。この場合の大都市圏の範囲は中心市への通勤・ 通学者数の割合が常住人口の1.5%以上の市町村であり,本稿の方法で設定した大都市圏の. 範囲より広い。また国勢調査報告における京浜大都市圏(東衷圏)の中心都市には横浜・ 川崎市も含む。本稿でも部分的にこの総務庁統計局の『大都市圏の人口』の資料も用いる (第11表と第12表)。この場合,東京圏の中心都市は東京区部のみとして,横浜・川崎市は 周辺地域に含めて独自にデータの集計を行い,この結果に基づいて分析する。.
(4) 16. 富. 和. 田. 暁・菅. 谷. 泰. 尚. 50km. 第1国 茨城鼎1.土浦市 2.阿見町 9.利根町10,肯河市. 3.茎崎町. 東京大都市圏の岡城 4.牛久市. 5.取手市. 6.伊奈町. 7.守谷町. 8.龍ヶ崎市. 栃木牌11.野木町12.藤岡町 埼玉県13.北川辺町14.栗橋町15.幸手市16.加褒市17.行田市18.熊谷市19.滑川村 20.嵐山町. 21.小川町. 22.鳩山村. 27.関宿町 白里町. 28.野田市. 29.栄町. 東京都. 35.青梅市. 36.五日市町. 神奈川県. 39.川崎市 46.秦野市. 40,横浜市 47.二宮町. 千葉騒. 23.越生町 30.成田市. 37.八王子市. 41.横須賀市. 注) :図中の凡例は第2図と第3図に共通である.. 24.飯能市 31.富里町. 25.大宮市. 32.佐倉市. 26.浦和市 33.千葉市. 34.大網. 38.立川市 42.相模原市. 43.城山町. 44.藤野町. 45.厚木市.
(5) 17. 3大都市圏における職業別就業者の空間的分布の動向. 0. 50km. IL__. l. _. 第2国 三重県1.島ヶ原村 滋賀県. 2.青山町. 京阪神大都市圏の圏域 7.八日市市. 8.近江八幡市. 京都府15・宇治市16.京丑町17.日吉町18.丹波町19.園部町 大阪府. _.!. 3.名張市. 4・能登川町 5.五個荘町 6.湖東町 11.石審町12.栗東町13.大津町14.志賀町 22.山城町. .. .....i__... 23.加茂町. 24.笠置町. 26.能勢町. 27.茨城市. 28.東大阪市. 33.貝塚市. 34.泉佐野市. 35.泉南市. 20.宇治田原町. 21.井手町. 31.和泉市. 32.岸和田市. 43.小野市. 44.加古川市. 25.南山城村・ 29.堺市 36.阪南町. 兵庫県. 38.猪名川町 39.丹南町 40.三田市 41.吉川町 45.高砂市 46.明石市 47.淡路町 48.東浦町. 奈良県. 49.奈良市 56.明石香村. 50.天理市 57.大淀町. 和歌山娼. 59.橋本市. 60.九度山町. 51.桜井市 58.御所市. 9.野洲町10.甲西町. 52.棒原町. 30.河内長野市 37.岬町 42.三木市 53.室生村. 54.菟田野町. 55.大宇陀町. !_. __--_!.
(6) 18. 富. 田. 和. 暁・菅. 谷. 泰. 尚. 30km. 羊3国. 名古屋大都市圏の圏域. 4.可児市 2.川島町 3.各務原市 5.御嵩町 6.噺良市 8.多治見市 9.海津町10.南濃町 愛知輿11.木曽川町12.尾西市13.祖父江町14.一宮市15.春日井市16.瀬戸市. 岐阜県1.笠於町. 17.長久手町18.日進町19.三好町 23.岡崎市 24.東浦町 25.半田市 三重県. 27.員弁町. 28.四日市市. 20.刈谷市 26.美浜町. 21.知立市. 7.土岐市. 22.安城市.
(7) 19. 3大都市圏における職業別就業者の空間的分布の動向. ⅠⅠ. 3大都市圏の対全国シェアの変化. 本章では3大都市圏における職業別就業者の変化を分析するのに先だって,日本の職業 別就業者数の変化と3大都市圏における職業別就業者の対全国シェアの変動を概観する。. 1.日本の職業別就葉者数の変化 日本の1970-90年における職業大分類別就業者数の変化のなかで,本稿の目的からみて 重要なことはつぎの2つである(第1表)。 (1) 1970-90年の全国における就業者総数の増加(921万)に対する職業別にみた増加寄. 与率は,分析対象とした6つの職業のなかでは事務就業者が最も高く45・7%であった。こ れについで高い寄与率は専門・技術職就業者の40.3%,販売職就業者の28.1%,技能・生 産職就業者の26.7%であった。事務就業者と専門・技術職就業者の2つの職業をあわせる と86%の増加寄与率であり,これ'8=管理職を加えたホワイトカラーの寄与率は91%であっ た。就業者の増加率と全就業者に占める割合の増加という2つの点では,専門・技術職就 業者が6つの職業のなかでは最大であった(増加率は107%,構成比率の増加は6・6%→11・6 %)。 このように事務就業者を中心とするホワイトカラーの絶対的かつ相対的な増加が最も大 第1表. 日本における職業別就葉書敦の変化(1970-1990年) 専門.技術管理事務販売技酔生産サ-ビス. 絶対数 (万人). 345.4206.2732.1629.91687.2.321.8. 1283.7. 1980年 1990年. 479.9260.6918:4813.11785.8388.I. 1658.9. 716.4249.91153.5888.81933.0443.7. 2119.7. .5581.1 6168.2 100.0. ll.64.118..714.431.37.2. 34.4. 100.0. 134.554.4186.3183.298.666.3. 375.2. 334.3. 198d-90年. 236.5△10.7235.175.7147:255.6. 460.8. 587.1. 1970-90年. 371.043.7421.4258.9245.8121,9. 836.0. 921.4. 1970-80年 士曽加率 1980-90年 (%) 1970-90年 1970-80年. 38.926.425.434.45.820.6. 29.8. 49.2△4.2.25.69.38.2.14.3. 27.8. 10.5. 65.1. 17.6. 107.421.257.641.114.637.9 40.216.355.754.829.5.19.8. ¢.4. 112.2. 100.0 100.0 100.0. 1980-90年. 40.3△1.940.012.925.19.5. 78.5. 1970-90年. 40.34.745.728.1.26.713.2. 90.7. 資料:総務庁統計局(1993) 注1). 5246.8. 24.5. 1970■-80年. 増加 寄与率 (%). 総数. 6.63.914.012.0.32.26.1. 1990年. 変化 (万人). カラー. 1970年. 1970年. 構成比 (%). ホワイト. 『平成2年国勢調査報告第4著その1』などより作成。. :総数は就業者総数の略である。これは本稿の他の表の場合も同じである。. 2) :ホワイトカラーは専門・技術職就業者,管理職就業私事務就葉音の合計。これほ本稿の第16表 を除く他の表の場合も同じである。 3 ) :. 1970年の絶対数は1980年国勢調査の職業分類に組み替えた数字であり,また20%抽出集計結果. による。 4) :△はマイナス。.
(8) 20. 富. 田. 和. 暁・菅. 谷. 泰. 尚. きな変化であったといってよい。ホワイトカラーの構成比率は1970年の250/.から1990年に は34%になった。 (2)ホワイトカラーに属す管理職就業者は1980-90年に10.7万人の減少を示した。これに ついて調べてみると,. 19糾-85年と1985-90年では変化に大きなちがいがあることが認め. られた.すなわち,全国の管理職就業者は1980-85年に29.9万人減少し, 19・2万人増加した(総務庁続計局,1990など)。したがって,. 1985-90年には. 1980-85年にかなり大幅に減. 少し, 1985-90年には増加に転じたが1980年の就業者数にほ及ばなかったのである。このよ. うな変化を考慮して,以下では1980-90年の管理職就業者の分析を省略した場合もある。 1900-85年の職業中分類別就業者の増減率をみると,. 56の中分類のなかで管理職に属す. 2つが最も減少率が大きかった2)。すなわち,減少率が最大であったのは「その他の管理的 職業従事者」のマイナス35%,ついで「管理的公務員」のマイナス22%であった(総務庁統計 局,1990,p・219)。管理職就業者のこの期間における減少のおもな理由は不明である。なお, 1980-90年の間に管理職就業者の分類上の定義に大幅な変更はなかったようである.. 2.. 3大都市圏の対全国シェアの変化. 1970年と1990年の3大都市圏の従業地による職業別就業者数の対全国シェアの変化は, つぎの5つにまとめることができる(第2表)0 (1) 3大都市圏計のホワイトカラーの対全国シェアは両年ともに50.3%と変化がない。し. かし職業別にみると,専門・技術職就業者のシェア増加,管理職就業者のシェア低下が認 められる。管理職就業者のシェア低下は3大都市圏に共通している。このシェア低下の要 因は不明であり,. 3大都市圏における管理的機能の相対的な低下を表しているかどうかに. ついてもこのデータからだけでは判断できない。 (2)就業者総数の3大都市圏計のシェアは1970年の38.9%から1990年には43.5%へと4.6 ポイント増加した。これは同期間における人口の2.8ポイント噂よりも大きい。この就業者 総数のシェア増加は,. 4.1ポイント増加した東京圏の寄与が大きい。京阪神圏と名古屋圏の. シェアの増加はそれぞれ0.2ポイントと0.3ポイントであった。つまり,. 1970-90年に就業. 者総数の東京圏-の一極集中傾向が明瞭に認められるo (3)上記の(2)の東京圏への一極集中傾向はその周辺地域の寄与が大きい。すなわち,莱 京圏の就業者総数のシェア増加(4.1ポイント)の88%にあたる3.6ポイントのシェア上昇 が周辺地城においてあったのである。これを職業別にみると,ホワイトカラーとくに専門 ・技術職のシェアの増加が大きいo東京圏周辺地域のホワイトカラーのシェアは1990年に は京阪神圏と同程度になり,専門・技術職などではこれを上回った。. 1975-91年の期間に 東京圏周辺地域における第3次産業の集積量は京阪神圏全体のそれにほぼ等しくなったが (富田,1994a),これと同様のことがホワイトカラーにおいてもみられるのである。 (4)大都市圏別のホワイトカラーを構成する職業別就業者のシェアの変化をみると,京阪 神圏においては販売職を除くすべての職業においてシェアが低下したことがわかる。この なかで他の2圏では低下がみられない特徴的な変化は,専門・技術職と事務就業者のシェ アも低下したことである。.
(9) 21. 3大都市圏における職業別就業者の空間的分布の動向. (5)技能・生産職とサービス職は3大都市圏ともにシェアが低下した。なかでも京阪神圃 における低下の程度が大きいo. これと逆に販売職就業者のシェアは3大都市圏ともに上昇. した。とくに東京圏においては3.6ポイント上昇したことが注目される。 第2表の各大都市圏の就業者総数のシェアを基準として各大都市圏において特化する職 業を把握できる。すなわち,このシェアを上回るシェアを示す職業はその大都市圏におい て特化した職業とみなされる。同表のなかのイタリックの数値は就業者総数のシェアを下 回る,つまり特化していないことを表している。第2表に基づいた3大都市圏における職 業別就業者の特化についての分析結果の要点はつぎのとおりである。 東京圏では1970年と1990年ともに第2表のすべての職業において棒化している。とくに その特化の程度が高いのはホワイトカラーを構成する3つの職業である。京阪神圏におい a)ホワイトカラー. ても東京圏とほぼ同様の傾向がみられるが,つぎの2つの点が異なる. を構成する3つの職業の特化の程度は東京圏よりも低い。. ②技能・生産職就業者のシェア. が1990年には就業者総数のそれを下回った。名古屋圏についてはつぎの2点において東京 圏・京阪神圃との相違が認められる.. a)ホワイトカラーの特化の程度が低い.とくに専門. ・技術職では就業者総数のシェアを両年ともに下回る。. ②1990年においても技能・生産職. に特化している。 ⅠⅠⅠ 3大都市圏における変化の概観. 1.人口と就従比の変化 3大都市圏における1970-90年の人口の変化は第3表のとおりである。この表のなかの 第2表. 従葉地による職幕別就業者数の対全国シェア(%). 専門.技術管理事務販売技能.生産サービス 東京.圏 周辺地域 東衷圏 京阪神圃. 名古屋圏. 3大都市圏. 人口. 10.4. 9.7. 12.8. 1990年. 15.612.113_.712.914.014.4. 14.2. 13.3. 17.3. 1970年. 27.032.529.424.121.926.3. 29.2. 20.9. 21.5. 1990年. 30.2.30.1蕉31.228.521.2萩26.0業. 30.7. 25,0. 23.9. 1970年. 14.017.616.215.615.316.1. 15.8. 1.3.0. 13.6. 1990年. l3.8※14.3減14.5媒15.912.9策13.8※. 13.2. 13.8. .14.3簸. 1970年. 4.55.55.55.36.75.2. 5.3. 1990年. 5.05.0#■5.55,56.3※5.1耗. 5.3. ・5.0 5.3. 5.0. 19fo年. 45.555.651.145.043.947.6. 50.3. 38.9. 39.9. 1990年. 49.049.4業51.249.940.43W44.9難. 50.3. 43.5. 42.7. :人口は常住地人口。. :. 総数. ll.4.9.910.19.611.911.2. 2) :イタリックの数値は同一地域における総数のシェアを下回ることを表す。 3). カラー. 1970年. 資料:国勢調査報告より作成。 注1). ホワイト. 「米」は1970年のシェアを下回る場合を表す。. 4) :周辺地域については東京圏のみ記載。. 4.8■.
(10) 22 田. 富. 第3表. 和. 暁・菅. 谷. 泰. 尚. 3大都市圏における人J)の変化 中心都市周辺地域. 絶対数. ■.妄 ・革 圏. 884.1134.2.3. 2226.4. I990年. 816.4.2143こ9. 2960.3. 1970-90年(万人). △7.759.7. 増加寄p与.率(%). △9.2.109.2. 構成比率. 1970年. (%). 1990年 ・1970年 1990年. 1970-90年(万人) .阪 神 圏■. 556.2p1147.9. △12.7308.3. △4.3104.3. 733.9 33.0 100.0 100.0 100.0 1408.5 ■'1704.1 295.6 21.0 100.0. i970年. 40.459..6. 1990年. 32.667.4. -100.0. 1970年■. 203.6297.1. 500.7. 1990年. 215.5408.6. 624.1. ll.9111.5. 123.4. 増加率(%). 5.837.5. 24.6. 増加■寄与率(%). 9.690.4. 100.0. ■40.759.3■. 100.0. (万人). 1970-90年(万人). 圏. ・568.9839.6. 増加寄与率(%). 絶対数. 良. 27.6.テ2.4. △2.236.7. (%). ■古. ・39.760.3. 増加.率(%). 構成比率. 名. △67.7801.6. 増申.率(%). (万人)■. 京. ・ .1.970年. (万人)-. 絶対数. 計. 構成比率. 1970年. (%). 1990年. 34.565.5. 100.0. 100.0. 資料:国勢調査報告より作成。 注1). :. 「1970-90年」は1990年の人口から1970年の人口を減じた値。. 2 ) :増加率と増加寄与率は1970-90年の率。. 3) :人口は常住地人口。 4):△はマイナスo. 中心都市と周辺地域における人口増加率に基づいて3大都市圏の変容段階を区分する。 中心都市と周辺地域における人口増加率から1970-90年の東京圏と京阪神圏は絶対分散 段階に区分される。すなわち,両圏では中心都市における人口の絶対的減少がみられた. これに対して名古屋圏は相対的分散段階に区分される。すなわち,名古屋圏では中心都市 における人口の絶対的減少はみられない。しかし,同園においても人口増加の中心は周辺 地域である。このような人口動態は産業立地,すなわち従業地による職業別就業者の空間 的分布に影響を及ぼしていると考えてよい。 就業者総数の就従此の変化(第4表)はつぎのとおりである。いずれの中心都市でも就 従比は上昇し,従業地としての性格が強まったことがわかる。なかでも東京区部の就従比 の増加程度は他の2圃よりも大きい。こうした中心都市の変化とは逆に,東京圏と名古屋.
(11) 23. 3大都市圏における職業別就業者の空間的分布の動向. 第4表. 就業者掩数とホワイトカラーの就従比(1970-90年). 中心都市. 1970年. 名古屋圃. 京阪神圏. 東京圏 周辺地域. 中心都市. 周辺地域. 中心都市. 周辺地域. 総数.W. 総数W. 総数W. 組数W. 総数W. 虚数W. 1.31.1.48. 0.800.64. 1.331.57. 0.780.61. 1.201.28. 0.920.81. 1.261.34. 0.890.81. 1980年. 1.481.65. 0.770.66. 1.411.65. 0.770.66. 1990年. 1.631.82. 0.760.67. 1.451.66. 0.780.69. 1.271.34. 0.880.82. 1970-90*. 0.320.34. △0.040.03. 0■.120.09. 0.000.08. 0.07.0.06. △0.040.01. 資料:国勢調査報告より作成。 注1 ) :就従此は「従業地就業者/常住地就業者」。 2) :総数は就業者総数の略。 Wはホワイトカラーの略。 3 ) :. 1970-90年の欄は1990年の就従比から1970年のそれを減じた値。. △はマイナス。. 圏の周辺地域における就従比は低下した。京阪神圃の場合は変化がないといえる。 市圏の周辺地域における就従此の比較から,名古屋圃の周辺地域が最も雇用の点で自立化 しているといえる。 以上のことから,. 3大都市圏においては中心都市と周辺地域の間の就従比の差は1970-. 90年において拡大したと結論できる。 就業者総数と同様の就従比をホワイトカラーについて算出した結果はつぎのようにまと めることができる。基本的には上記の就業者総数の傾向と同じであるが,中心都市の就従 比は就業者総数の場合よりも大きく,周辺地域においてはこれと逆に小さい。つまり,中 心都市は就業者総数の場合よりもホワイトカラーの従業地としての機能が強く,周辺地域 はこの機能が弱いことが明らかである。. 2.. 3大耽蕪分類別就菓者数の変化. 本節では3大都市圏における常住地と従業地による3大職業分類別就業者数を算出した 第5表に基づいて,中心都市と周辺地域および圏域における変化を分析する。この分析結 果の要点はつぎのとおりである。 常住地就業者-. 3大都市圏ともに中心都市と周辺地域におけるホワイトカラーの増加,. 中心都市におけるブルーカラーの減少などが明らかであるが,大都市圏間の差異もまた明 白である。この差異の一例は,同一年次でみた場合に中心都市などにおける3大職業分類 のなかで最多就業者である職業が異なることである。たとえば,東京圏の中心都市では1970 年においてすでにホワイトカラーが最多であったが,京阪神圏の場合は1980年に,名古屋 圏では1990年にホワイトカラーが最多となったo 従業地就業者-①3大都市圏に共通しているのは中心都市におけるブルーカラーの絶 対的減少である。この減少の中心は,後述するように技能・生産職就業者である。これに. 3大都.
(12) 24. 富. 第5表. 田. 和. 暁・菅. 谷. 泰. 尚. 3大都市圏における常住地と従業地による3大戦葉別就業者数の変化 (1970-1990年,万人) 常住地就業者 ホワイトブル-グレー. 従業地就業者. カラーカラーカラー. 総姦. ホワイトブル⊥グレー. 総数. カラーカラーカラ-. 中心都市 周辺地域. 163.2160.1121.6. 447」6. 24L¢195.2148.4. 587.5. 208.6253.2130.4. 638.2. 133.9.224.5105.2. 5o9.5. 垂. 計. 371.8413.3252.1. 1085.7. 泉. 1970年. 大 都. 422.6東. 278.2172.3#l70.2. 623.4. 306.8290.3195.3. 821.9. 202.6252.5152.7. 636.8. 計. 4丁4.9417.4320.4. 1244.5. 480.B424.8322.9. 1260.2. 中心都市 周辺地域. 192.7119,2#126.I. 1990年. 1970年. 中心都市 周辺地域 計. 圏. 計.. 京 阪. 1980年. 名 古 大 都 市 圏. 1990年. 300.13M.5191.8. 820.1. 643.8457.2387.6. 1524.7. 65ー.2465.4392.1. 82.9ー川.丁74,9. 444.6. 1545.0. 280.6. 129.9141.997.2. 372.4. 120.1165.98L2. 395.7. 73.0146.660.8. 309.0. 203.0284.6156.1. 676.3. 202.9288.6158.0. 260.7簸. 138.5115.4耗99,2. 367.9叢. 458.6. lO4.7150.183.9. 354.2. 計. 242.5269.5業191.8■. 84.097.3#79.2. ■681.4. 719.4. 243.2265.4#183.1. 722.1. 97.592.0#79.4. 274.1. 161.9112.2#l17.3. 397.4. 202.5'184.7132.4. 534.8.. 140.3166.495.3. 416.5. 計. 299」9276.7211.7. 808.9. 302.2278.6212.6. 813.9. 中心都市 周辺地域. 31.742.526.2. 101.5. 40.549.131.0. 121.7. 33.077.425.8l. 155.3. 26.875.022.0. 142.7. 計. 64.7119.952.1. 256.7. 67.4124.153.0. 264.4. 中心都市 周辺地域. 35.436.8#30.7. 101.9. 47.543.7叛36,0. 128.0. 48.283.035.7. 176.8. 39.0丁9.229.7. 157.7. 計. 83.6119.966.4. 278.7. 86.5122.9簸65.7. 285.6. 1?70年 1980年. 724.9. 1080.0. 158,5一丁2.2■112.6. 中心都市 19.90年 周辺地域. 局. 351.1164.8#200.3. 45ー.ー338.0261.5. 中心都市 周辺地域. 市. 圏. 1097.0. 中心都市 周辺地域. 1980年. 市. 神 大 都. 374.9419.7253.6. 168.1127.1#125.1. 中心都市. 引.838.731.3. 112.3. 57.243.6#40.5. 142.4. 周辺地域. ・67.395.442,4. 210.4. 54.789.T34.4. 186.0. 109.1134;173.7. 322.8. 112.0133.374.9. 328.4. 計. 資料:国勢調査報告より作成。 注1) :ホワイトカラーは専門・技術職,管理職,事務就薫者の合計,ブルーカラーは技能・生産職と運輸・ 通信従事者の合計,グレーカラーは販売職,保安職,サービス職の合計である。 2). :ゴシック体の数値はホワイトカラー,ブルーカラー,グレーカラーの3大区分のなかで最大の就業者 数であることを表す。. 3). :. 4). :百の位を四捨五入した数値。したがって、表中の中心都市と周辺地域の数値を加えたものと計の欄の. 5). :総数は「分類不能の職業」を含むために3大職業分類の計と異なる。. 「耗」の数値はその前年(10年前)より就業者数が少か、ことを表す。 数値は異なる場合がある。.
(13) 25. 3大都市圏における職業別就業者の空間的分布の動向. 対して中心都市ではホワイトカラーとグレーカラーが増加した。東京圏と大阪圏の中心都 市では1980年以降にグレーカラーがブルーカラーを上回った.. ②中心都市と周辺地域の間. のホワイトカラーおよぴグレーカラーの絶対的差は縮小している。たとえば,東京圏におけ るホワイトカラーの差は1970年には107万人であったが1990年には51万人となり,京阪神圏 では36万人から9万人に,名古屋圏では14万人から3万人と縮小した。. ③3大都市圏間の差. 異は前述の常住地就業者の場合と同様である。この一例は,ホワイトカラーが圏域で最多 の職業となった年次は,東京圏では1980年,京阪神圏では1990年であり,名古屋圏におい ては1990年においてもブルーカラーが最多であることである.. 3.周辺地頓における職業別就業者の特化 各大都市圏の職業別就業者数に対するその周辺地域に割合を算出した第6表によって周 第6表. 大都市圏の戦費別就章者に対する周辺地域の割合(%). 〔常住地就業者〕 専門.技術管理事務版_売技能.生産サービス. 東衷圏. 京阪神圃. 名古屋圏. ホワイトカラー 総革. 1970年. 58.351.756.552.36ー.ー47.8. 56.1(0.95). 58.8. 19gO年. 65.662.264.862.0一` `6!.755.8. 64.6(0.98). 66.1. 1990年. 71.566.270.068.374.363.6. 70.1(0.99). 70.8. 1970年. 61.659.158.353.057.947.2. 58.3. 1980年. 66.065.865.160.564.453.8. ・59.2(1.02) 65.5(1.03). 1990年. 67.667.067.063.766.857.5. 67.2(1.02). 65.8. 1970年. 51.345.351.650.365.646.8. 50.5(0.83). 6o.5. 1980年. 58.653.858.455.770.248.3. 57.7(0.91). 63.4. 1990年. 62.357.462.257.071.456.9. 62.0(0.95). 65.2. 63.7. 〔従業地就業者〕 専門.技術管理′事務販売技能.生産サービス. 東衷圏. 京阪神圃. 名古屋圏. ホワイトカラー総数. 1970年. 42.530.734.439.654.542.7. 35.7(0.77). 46.4. 1980年. 49.437.440.145.460.649.5. 42.1,(0.83). 50.5. 1990年. 51.740.443.945.365.T55.0. 46.1(0.87). 53.1. 1970年. 45.0■32.133..4■36.55ー.840.5. 35.9(0`.79). 45.2. 1980年. 51.538.939.942.256.546.4. 43.0(0,88). 48.9. 1990年. ■52.142.743.642.460.348.9. 46.3(0.91). 51.0. 1970年. 45.938.537.840.262.143.2.. 39.8(0.74.). 54.0. 1980年. 50.744.042.843.666.047.9. 45.1(0.82). 55.2. 1990年. 52.747.647.042.968.551.6. 48.9(0.86). 56.6. 資料:国勢調査報告より作成. 注1) 2). :ゴシック体の数値は同年における総数の割合以上であることを表す。 :. (. )内はホワイトカラーの特化係数。特化係数-周辺地城のホワイトカラーの割合/周辺地域の. 就業者総数の割合。.
(14) 26. 富. 田. 和. 呪・菅. 谷. 泰. 尚. 辺地域において特化する職業を検討する。ここでの特化係数の算出式はつぎのとおりであ る。各大都市圏のi職業就業者数に占める周辺地域の割合/各大都市圏の就業者総数に占 める周辺地域の割合oこの特化係数が1.0以上の場合は,. i職業就業者が特化していること. になる。周辺地域において特化係数が1.0以上の職業は他の職業よりも郊外化が進展してい ることをも意味するが,職業別就業者の郊外化の検討はⅠⅤ章において行うのでここでは特 化という観点からのみ分析する。第6表ではホワイトカラ-についてのみこの特化係数を 記載し,他の職業別就業者の場合は紙幅の関係から省略した。 常住地就業者については下記のようにまとめることができる。 (1) 3大都市圏の周辺地城はいずれも技能・生産職就業者に特化している。例外的に1970 年の京阪神圏ではわずかに棒化係数が1.0を下回っていた。 (2)京阪神圏の周辺地域は3つの年次ともにホワイトカラーおよぴこれを構成する3つ の職業(専門・技術職,管理職,事務就業者)が特化している。これと同様のことは他の 周辺地域ではみられないことである。したがって,これは京阪神圏の特徴といえる。なお, 東京圏においても1990年には専門・技術職就業者が特化している。 (3)東京圏と名古屋圏のホワイトカラーの特化係数は1970-90年に上昇した。とくに東京 圏の1990年の係数は1.0に近似したこと(0.99)が注目される。これに対して,京阪神圏に おいては変化がない。 以上のことから,技能・生産職就業者は3大都市圏の周辺地域において特化しているこ と,京阪神圏の周辺地域は他の圏域と異なりホワイトカラーにもわずかではあるが特化し ていることを指摘できる。 従業地就業者についてはつぎのようにまとめることができる。 (1)常住地就業者の場合と同様に,いずれの大都市圏の周辺地城でも技能・生産職就業者 が特化している。この特化の程度は常住地就業者の場合よりも大きい0 (2)京阪神圏においては1980年以降は専門・技術職が特化した。これは他の圏域ではみら れないことである。 (3)東京圏の周辺地城では1990年にはサービス職就業者が特化するに至った。これは同地 域におけるサービス業に関しての自立化の進展を表していると考えられるoすなわち,同 周辺地域全体としては個人サービス(理容業などのサービス職)の面での自立化の程度が 高いと判断されるのである3)0 (4)ホワイトカラーの特化係数は3大都市圏ともに高くなった.すなわち,周辺地域にお けるホワイトカラー従業地としての性格が強くなったといえる。なかでも京阪神圏のこの 係数は同年次で比較すると他の2固よりも高いことから,周辺地域におけるホワイトカラ -雇用の点での自立化の程度が相対的に高いといえるo東京圏と名古屋圃のこの程度はほ ぼ同じである。. 上述のことから京阪神圏の周辺地域と他の2圏のそれとの相違が明らかである。京阪神 圏の周辺地域の特徴は,常住地ベースでホワイトカラーに特化し,従業地ベースでも専門 ・技術職が特化していることである。これらの特徴には大阪市の市域が比較的狭いことや 大阪市およびその周辺地域の地形的な条件が関係していると思われる。.
(15) 27. 3大都市圏における職業別就業者の空間的分布の動向. 第丁表. 中心都市と周辺地域の職業別就業者数の増加率による郊外化の段階区分. 〔常住地就業者〕 専門.技術管理事務販売技能.生産.サ⊥ビス 1970-80年. 革衷圏. 京阪神圏. 名古屋圏. ホワイトカラー 総数 3. 2. ■232233■. 2. 1980⊥90年. 2-#2233. ・2. 1970-90年. 232233. 2. 3. 1.970-80年. 23323#3. 2. 3. 1980-90年. 2-#2232. 2. 2. 1970-90年. 23#223#3. 2. 3. 197O-80年. 22223競2. 2. 2. 1980-90年. 2一策2223. 2. 2. 1970-90年. 232232. 2. _2. 〔従業地就業者〕 専門.技術管理事務販売技能.生産サービス 2.22232. 2. 2. 1980-90年. 2-#2132. 2. ■2. 1970-90年. 232232. 2. 2.. 1970-80年. 23.223禁3. 2. 3. 1980-90年. 2-#2232. 2. 2. 1970-90年. 23耗223米2. 2. 2. 1970-80年. 22223#2. 2. 2-. 1980-90年. 2-# 2122. 2. 1970-90年. 232232. ・2.. 1970-80* 東衷圏. 京阪神圏. 名古屋圏. 総数. ホワイトカラー. ・2 2. 資料:国勢調査報告より作成。 注1). 2は相対的分散,. :表中の1は相対的集中,. 3は絶対的分散を表す。. 2). :. 「-」は段階区分の結果を表示していないことを表す。. 3). :. r紫」は圏域の就業者数が減少していることを表すo. 4). :ゴシック体の数字は常住地就業者の段階区分が同期間における従業地就業者のそれとは異なる段 階であることを表す。. 中心都市についての上記と同様の計算結果は掲載しか-が,特化係数の算出式からわか るように,前述の周辺地域と逆の傾向があるといってよい。つまり従業地就業者でいえば, どの大都市圏においても中心都市で特化する職業は政売職,管理職,事務職である。 Ⅳ. 戦費別就業者による郊外化の分析. 本章では3大都市圏における職業別就業者の空間的分布の変化を郊外化の進展という視 点から分析する。この目的のために郊外化の段階区分および郊外化率に基づいて検討し, さらに周辺地域における男女別就業者数の変化を分析する。男女別就業者数を分析する意.
(16) 28. 富. 田. 和. 暁・菅. 谷. 泰. 尚. 味は後述する。. 1.職業別就業者の郊外化の段階区分 中心都市への集中化段階につづく大都市圏における郊外化は,相対的な分散段階から絶 対的な分散段階へ移行すると考えてよい(富田,1988など)。そこで,こうした段階区分か らみた職業別就業者の郊外化の状況を把握をするために,下記の「増加率法」にもとづく 段階区分を行った。 中心都市の増加率が周辺地域のそれを上回る段階を集中化段階,これと逆に周辺地域の 増加率が中心都市のそれを上回る段階を郊外化段階とする。郊外化段階はさらに中心都市 の増加率がプラスの場合とマイナスの場合に2分される。前者を相対的分散段階,後薯を 絶対的分散段階という。この方法による職業別就業者を指標とする段階区分の結果は第7 表のとおりである。 上記の郊外化段階は,. Klaassenら(1981)によれば圏域の人口などが増加していること. を前提としている。ところが第8表のなかに示したように,. 1970-80年の技能・生産職就. 業者の場合は京阪神圏と名古屋圏で減少している。したがって,圏域の就業者が増加した 場合と異なる段階と考えられる。しかしながら第8表で示されているように,この圏域に おける絶対減少は1980-90年には増加に転じている。このようなことから,本稿では圏域 における就業者が増加している場合と同様に区分した。 常住地による職業別就業者についての段階区分を検討した結果の要点はつぎのとおりで ある。. (1)技能・生産職とサービス職は専門・技術職,販売職および事務就業者よりも郊外化の 段階が進んでいるといえる。すなわち,前者の職業就業者は絶対的分散段階を示す大都市 圏が多いが,後者は相対的分散段階を示す場合が多い。 (2)ホワイトカラーは3大都市圏ともにどの期間においても相対的分散を示す.しかし, ホワイトカラーのなかの管理職就業者のみは3圏ともに1970-90年では絶対的分散を示すo これには管理職就業者の居住地指向が関係しているかもしれない。 (3)同一圏域における1970-80年と1980-90年の段階区分をみると,同じ区分を示す職業 が多いが,一部の職業では1970-80年に絶対的分散を,. 1980-90年に相対的分散を示す場. 合がみられる。この変化は一般に考えられている郊外化の段階的な変容とは逆の変化であ る.これに該当するのは,東京圏の就業者総数,京阪神圏の事務就業者,サービス職およ び就業者総数,名古屋圏の技能・生産職就業者である。 (4)同一期間の同一大都市圏の従業地就業者の場合と比較すると,常住地就業者のほうが 進んだ段階を示す場合が多い。これに該当する場合は第7表のゴシック体の数字で示され ている(東京圏における1970-80年の管理職など)。これらの場合は職業別就業者の住居の 郊外化が職場のそれよりも進展していることを意味している。 (5) ⅠⅠⅠ章1節で述べた1970-90年の人口の場合の段階区分と3大都市圏ともに同じ区分 であるのは,就業者総数とサービス職就業者である。 従業地による職業別就業者についての要点はつぎのとおりである。なお,常住地就業者と.
(17) 29. 3大都市圏における職業別就業者の空間的分布の動向. の比較については上記の(4)のとおりである。 (1)技能・生産職就業者は他の職業よりも進んだ段階を示す場合が多い。 (2)販売職就業者は例外的に東京圏と名古屋圏において1980-90年に相対的集中段階に 区分された。これは1970年代の周辺地域における増加率が中心都市のそれを大きく上回っ ていた相対的分散とは異なる(第8表参月?.).つまり,販売職就業者の増加率は周辺地域よ りも中心都市のほうが上回ったのである。増加率だけでなく増加数もこれと同様に中心都 市のほうが多かったことが第8表からわかる。ただし,東京圏における中心都市と周辺地 域の間の増加率の差はわずかに0.6ポイントである。第8表で1980-90年の京阪神圏の販売 職についてみると,増加率は周辺地域のほうが中心都市より多いがその差はわずかであり, また増加数は中心都市のほうが多い。この増加数の傾向は1970-80年にはみられなかった ことであるo. こうした京阪神園の変化から,同圏も1980-90年に東京圏・名古屋圏と同様. 第8表. 販売職と技能・生産聴就葉書の増加数と増加率 販売職 従業地 増加数(万人)増加率(%). 東. 1970-80年. 技能.生産職 常住地. 耗業地. 増加率(%) 増加数(万人)増加率(%). 中心都市. 21.022.9. 周辺地域. 33.655.8. ー5.¢. 24.6ー2.ヱ. 計. 54.636.0. 0.8. 3.10.9. 中心都市. 25.922.9. 周辺地域. 20.922.3. 17.4. 44.1柑.5. 計. 46.822.6. 10._3. 38.410.3. 中心都市. ll.017.6. 周辺地域. 17.949.7. 3.8. 計. 28.929.3. △6.4. △17.8△6.9. △21.5. △21.5△12.8. 京 圏. 京. 1980-90年. 1970-80年. 阪. △6.3. △20.5. △5.7△3.9. △20.0.△16.2 2.21.6. 神. 中心都市. 8.010.9. △4.2. △5.6△5.4. 圏. 周辺地城. 6,211.5. 8.0. 15.211.2. 14.211.2. 3.7. 9.64.0. 1980--90年. 計. 名. 1970⊥80年. 中心都市.. 4.321.5. 周辺地城. 5..440.3■. △14.0■. △5.0△11.7. 6.3. 3.4■4.9. △0.6. △1.6.△1.4. 計. 9..728.4. 屋. 中心都市. 3.5ーヰ.I. 4.9. 0.30.8. 圏. 周辺地域. 2.111.2. ー2.8. 9.613.1. 計. 5.613.3. ・■10.5. 古. 1980-90年. 資料:国勢調査報告より作成。 注1):△はマイナス。 2). :技能・生産職の常住地就業者の増加数の記載は省略した。. 3). :ゴシック体の数値は同期間の全国における増加率の1.5倍以上であることを表す。. 9.99.0.
(18) 30. 富. 田. 和. 暁・菅. 谷. 泰. 尚. の変化があったとみなしてよいであろう。すなわち,周辺地域における販売職就業者の増 加がかなり大幅に少なくなり,中心都市ではこの減少の幅が小さかったのである。 以上のことから,. 3大都市圏ともに販売職就業者は1980年代に集中化を示したといって. よい。この集中化は周辺地城における常住地人口の増加に対応したかたちでの販売機能の かなり著しい増加傾向が1980年代には鈍化したのに対して,中心都市では再開発などによ る商業機能の立地展開があったことなどによる影響と考えられる。こうしたことから, 大都市圏においては1980年代に販売機能の立地展開は新たな局面に入ったようにみなされ る。. 政売職就業者の中分類職業は商品版売従事者と販売類似職業従事者の2つであり,前者 は販売店員,小売店主,卸売店主,飲食店主などが中心であり,後者は商品政売や保険な どの外交員,不動産仲介人が中心である4)。したがって,販売職就業者は狭義の商業機能に 限定されない職業であり,中心都市における販売職就業者の増加に占める販売会社や保険 会社の外交員の増加がかなり大きいことも考えられる。いいかえれば,上述の販売機能の 新たな局面を検証するためには,小売業に限定されない第3次産業の販売関連機能を含ん だ機能の量的な変化を把捉する必要がある。. 2.郊外化率による分析 上述の段階区分法では,同一区分にある場合の郊外化の程度の相違についての把握はで きない。そこでこの把握をするために郊外化率を算出した。郊外化率は周辺地域における 人口などの増加率から中心都市のそれを減じた値であり,ある期間における郊外化の進展 状況と進展程度を把揺することができる(富田,1995)。同様の指標として郊外化進展指数 があるが,これはホワイトカラーと就業者総数についてのみ算出した。職業別就業者の郊 外化率を記載した第9表に基づいた検討の結果は以下のとおりである。 (1)職業別の1970年代と1980年代の郊外化率を比較すると,. 3大都市圏ともにほとんどす. べての職業において1970年代のほうが1980年代よりも高い。常住地就業者と従業地就業者 のいずれにおいてもこの傾向は認められる。つまり,多くの職業別就業者における郊外化 の進展程度は1980年代よりも1970年代のほうが大きかったと判断できる。これに該当しな いのは,常住地就業者では名古屋圃のサービス職や東京圏の専門・技術職とサービス職, 従業地就業者では名古屋圏の事務就業者と就業者総数である。これらのなかで名古屋圏に おける従業地ベースの事務就業者と就業者総数の傾向は,下記の(2)で述べるように名古屋 圏と東京圏・京阪神圏との大都市圏のレベルの差に起因するといえるo (2)大都市圏間の差異として,郊外化率はおおむね東京圏,京阪神圏,名古屋圏の順に低 くなる傾向にあるといってよい。すなわち,ある期間の郊外化の進展程度は中心都市(大 都市圏)の階層に比例するといえる。 (3)多くの場合,常住地ペースでの郊外化率が従業地ベースのそれよりも高い,すなわ ち,常住地の郊外化の進展程度は従業地のそれよりも著しかったといえる。これに該当し ないのは,京阪神圏におけるホワイトカラーとそれに属す職業,および名古屋圏の事務就 業者である。京阪神圏におけるこの現象はつぎのように考えられる。.. 3.
(19) 31. 3大都市圏における職業別就業者の空間的分布の動向. 京阪神圏においては1970年代以前から管理職就業者の居住地としての大阪市指向が希薄 であり, 1970年以前において管理職就業者の周辺地域居住が進展していたので,全般的な 就業者の郊外化の進展のなかにあって,その郊外化の進展程度が相対的に低いと理解され る。このことは,既述の第6表の職業別就業者数の周辺地域の割合を分析したなかで指摘 したように,京阪神圃では他の大都市圏と異なり,ホワイトカラーとくに専門・技術職と 管理職の周辺地域居住が相対的に多いことと同一の現象と考えてよい0 (4)こうした変化のなかで,例外的に従業地ベースでの販売職就業者の1980年代の郊外化. 第9表. 敬葉別就業者の郊外化率. 〔常住地就業者〕 門.技術管理事務販売技能.生産サービス. 東衷圏. ホワイトカラー. l970-80#. 42.250.342.053.036.536.9. 44.1.(8,5). 1980-90年. 43.0-30.732.523.737.5. 32.4(5.5). 1970-90*. 126.164.891.7106.561」686.4. 観葉者総数 34.4(7.3) ・26.2(4.7). 98.2(14.0). 69.9(12.0). 1970-80年 京阪神圏 1980-90年. 25.029.531.838.624.327.9. 30.7(6.3). 23..0(5.4). ll.9-ll.216.012.218.4. ll.7(1.7). ll. 5(2.1). 1970-90年. 52.633.051.062.935.950.6. 51.0(8.0). 37.5(7.5). 30.139.833.228.320.38.3. 34.4(7.2) 21.5(4.3). 13.4(2.9). 22.9-20.65.57.936.5 80.454.367.839..129.755.1. 72.0(ll.5). 24.9(4.7). 門.技術管理事務販売技能.生産サービス. ホワイトカラー 就業者総数. 1970T80年 名古屋圏 1980-90S 1970-90年. 8.8(1.8). 〔従業地就業者〕. 東衷圏. 1970-80年. 39.837.731.432.925.032.2. 35.9(6.4). 18.9.(4.1). 1980-90年. 15.3-21.5△0.623.426.4. 21.9(4,0). 12.5(2.6). 1970-90年. 88.051.270.639.550.469.3. 78.4(10.4). 37.6(6.7). 1970-80年. 36.634.033.732.117.826.1. 36.8(7.1) ll.1(3.3). 15.8(3.7). 28.1(5.8). 京阪神圏 1980-90年. 名古屋圏. ■4..1-19.00.616.611.5. 1970-90年. 59.648.264.936.533.741.7. 67.6(10.4). 1970-80年. 29.826.426.418.816.621.4. 28.2(5.3). ll.9⊥.40.2△3.212.316.7. .1980-90年 1970-90年. 63.9.42.162.217.029.544.5. .19.9(3.8)_ 62.9(9.1). 資料:国勢調査報告より作成。 注1). :. (. )内は郊外化進展指数。この指数はホワイトカラーと就業者総数についてのみ記載。. 2) :郊外化率は周辺地域における増加率から中心都市のそれを減じた値。 3 ) :郊外化進展指数は第6表の周辺地域における割合の年次間の差。. 4) :ゴシック体の数字は同期間の常住地就業者の郊外化率(または郊外化進展指数)を上回ることを表 すo 5) :ト」は記載の省略を表す。 6):△はマイナス。. 9.6(2.1). 5.3(1.2) 6.6(1.4) p13.3(2.6).
(20) 32. 富. 第10表. 田. 和. 暁・菅. 中心都市周辺地域差. 京阪神圏. 名古屋圏. 泰. 尚. 中心都市と周辺地頓におけるホワイトカラーの構成比率(%) 常住地就業者. 東京圏. 谷. 従業地就業者. 中心都市周辺坤域差. 1970年. 36.532.7.3.8. 41.026..314.7. 1990年. 43.341.81.5. 48.436.611.8. 1970年. 29.330.4△1.1. 34.9-23.611.3. 1990年. 35.637.9△2.3. 40.733.77.0. 1970年. 31.221.210.0. 33.318.814.5. 1990年. 37.232.05.2. 40.229.410.8. 資料:国勢調査報告より作成。 注1). :梼成比率は就業者総数に対する比率。. 2) :差は中心都市の構成比率から周辺地城のそれを減じた値o 3):△はマイナス。. 率はマイナスを示しており,中心都市への集中化傾向が明白である。これについては前節 で述べたとおりである。. 第9表に記載したホワイトカラーと就業者総数の郊外化進展指数(算出式は第9表の注 に記載)から認められることは,基本的には上述の郊外化率のそれと同じである。 1970-90年において3大都市圏の中心都市とその周辺地域の職業別就業者の構成比率は どのように変化したのであろうかoこれについてホワイトカラーの比率に基づいて検討す る。第10表によれば,京阪神圏の常住地ホワイトカラーを除いて,常住地就業者と従業地 就業者ともに中心都市と周辺地域の間のホワイトカラー比率の差は縮小していることがわ かる。この縮小の幅は東京圏と京阪神圏では従業地ペースにおいて,名古屋圏では常住地 ベースにおいて大きい。この差の縮小は周辺地域におけるホワイトカラー比率の上昇の寄 与が大きい。たとえば,京阪神圏の従業地ベースの場合,中心都市では5.8ポイントの上昇 であったが,周辺地域では10.1ポイント増加した。なお,中心都市と周辺地域の農林漁業 作業者の比率の差は3大都市圏ともに数パーセントであり5),これが他の都市的職業の比 率に与える影響もまた小さい。 従業地ホワイトカラー比率の中心都市と周辺地城の間の差は常住地ベースの場合よりも 大きいことは3圏に共通しているoなお,京阪神圏の常住地ホワイトカラー比率は周辺地 城のほうが中心都市のそれよりも高い。これは既述のように京阪神圏の特徴である。. 3.男女別就葉音による分析 東京大都市臥こおける1986-91年の第3次産業の男女別従業者数の変化を分析した研究 によれば,つぎのことが指摘されている(富田,1994a)。同園周辺地域の第3次産業従業者 数に占める女性の割合は男性のそれを上回り,また同地域において1986-91年に増加した 従業者数に対する女性の割合も54%であった6).このことから,川口(1992)が論じている ように,東京圏における従業者の郊外化は,都市機能の本格的な郊外分散の結果であると いうよりは女性(とくに主婦)労働力の増大という寄与がかなり大きいことが推測される。.
(21) 33. 3大都市圏における職業別就業者の空間的分布の動向. 第11表. 東京圏と京阪神圏の周辺地域における男女別・職業別 常住地就業者数の増加数と増加寄与率(1980-90年) 専門.技術事務販売技能.生産サービス. 東衷圏 増加数 (万人). (%). 男性 女性;. 53.620.133.7_31.69.6. 73.1. 154.5. 21.463.5.13.324.612.7. 86.2. 134.9. 17.23.211.49.83.4. 18.5. 44.9. 周辺地域. 男性 女性. 9.425.15.010.14.1. 35.2. 53.3. 東衷圏. 男性. 18.5-.6.911.610.93.3. 25.3. 53.4. 周辺地域. '女性. 7.421.94.68.54.4. 29.8. 46.6. 京阪神圏. 男性. 17.63.311.610.03.4. 18.8. 4畠.8. 周辺地域. 女性. 35二8. 54.2. 周辺埠域 京阪神圏. 増加 寄与率. ホワイトカラー 総数. 資料:総務庁統計局(1995). 9.625/55.110.34.2. 『大都市圏の人口』などより作成。. 注1). :東京圏と京阪神圏の圏域は総務庁統計局による京浜大都市圏と京阪神大都市圏による。 2) :東京圏の周辺地域の就業者には横浜市と川崎市のそれを加えてある。 3 ) :増加寄与率は周辺地域の男女総計の増加を100.0%とした寄与率。 4 ) :. 1980年の技能・生産職就業者には採掘作業者を含まか-0. 本節ではこのような観点から,男女別の職業別就業者の時間的変化を検討する。 しかし,上記の変化を把握するのに適当な資料はない。すなわち,市町村別の従業地ペ ースでの男女別・職業別就業者数のデータは得られない.常住地ペースによる男女別のデ ータは,総務庁統計局の『大都市圏の人口』に記載されているのでこれを利用して検討す る。. 第11表は東京圏と京阪神圏の周辺地域における男女別にみた職業別就業者の1980-90年 の増加状況を集計した結果である。同表から,東京圏と京阪神圏の周辺地域におけるホワ イトカラーの増加数は女性のほうが男性よりも多かったことがわかる。京阪神圏では女性 ホワイトカラーの増加は男性の約2倍であった。ところが,ホワイトカラーを構成する専 門・技術職と事務就業者では異なる傾向がみられる。すなわち,前者では両周辺地域とも に男性の増加が多いのに対して後者では女性の増加が多いのである.東京圏の場合でみる と,専門・技術職の男性就業者の増加は54万人であったが女性就業者のそれは21万であり, 事務職の男性就業者の増加は20万であったが女性事務就業者のそれは64万人であった。 周辺地域全体の就業者数の増加に対する女性事務就業者の寄与率も相対的に高く,女性 事務就業者のそれは東京圏では22%,京阪神圏では26%であった。つまり,勤務地は別と して大都市圏周辺地域における女性事務就業者の1980年代の増加は,事務就業者およびホ ワイトカラーさらに就業者総数の郊外化への寄与が相当に大きいことを指摘できる。 上述と同じ大都市圏の周辺地域における常住地就業総数に対する女性就業者の割合の変 化は第12表のとおりであるoこれによれば,東京圏と京阪神圏の周辺地域におけるこの割 合は事務就業者,ホワイトカラーおよび就業者総数のいずれにおいても増加したことがめ かる。とくに事務就業者の割合の増加は大きく,両地域ともに1980年には釣50%であった が,. 1990年には60%近くなった。就業者総数に占める女性の割合は1990年でも約36%であ. ることから,事務就業者のこの割合はきわめて高いといってよい。.
(22) 34. 富. 第12表. 田. 和. 暁・菅. 谷. 泰. 尚. 東京圏と京阪神圏の周辺地域における常住地 就業者数に対する女性就業者の割合 (%,1980年・ 1990年). Ⅴ. 取住の轟准程度の変化. 1.職住の轟離程度の変化 .事務ホワイトカラー. ・総.敬. 東.京圏. 1980年. 49.039.1. 32.4. 周辺地域. 1990争. 5.7.4.46.0. 35.8. 京阪神圏. 1980年. 50.5.41.2. 33;5■. 周辺地域. 199o年. 59.247.0. 36..9. 資料:総務庁統計局(1995). 『大都市圏の人口』などより作. 成。 注1). 3大. 都市圏では1970-90年に常住地就 業者の郊外化の進展が従業地就業 者のそれを上回っていたことが明 らかである。また,. ⅠⅠⅠ章1節で述. べたように中心都市と周辺地域の. :東京圏と京阪神圏の圏域は総務庁統計局による京浜大 都市館と京阪神大都市圏による.. 2). これまでの分析結果から,. :東京圏の周辺地域の就業者には横浜市と川崎市のそれ を加えてある。. 間の就従比の差が拡大したことも 認められた。これらの動向は常住 地と従業地の帝離,すなわち職住 の分離程度をいっそう拡大させた. と考えられる。職業別にみれば,とくに事務就業者などのホワイトカラーの場合にこの拡 大が相対的に大きくなったと仮定できる。本節ではこうした職業別就業者の職住の承離程 度の変化を検討する。 職業別にみた職住の轟離程度の把撞は,大都市圏単位の職業別就業者の通勤時間の変化 によってできるが,これに関するデータはないo間接的にこれを把握する方法として,職 業別就業者の従業地先の市区町村に関するデータを用いることが考えられるが,このデー タも得られにくい。こうした資料的な制約もあって,本節では大都市圏における職業別に みた従業地と常住地の帝離の程度を把握する簡単な指標として,つぎに述べる帝離指数を 考えた。 この轟離指数は大都市圏内の中心都市と周辺地域というおおまかな区分で職住の分離の 程度の尺度として考えたものである。この指数は,第6表の大都市圏全体の常住地ベース の職業別就業者数に対する周辺地域の割合から従業地ベースの同割合を減じた数値とした。 したがって,轟離指数は周辺地域の常住地就業者についての職住の承離程度を表すもので あり,中心都市の常住地就業者を含む大都市圏全体における帝離程度を表すものとはいえ ない.この指数がゼロの場合は,常住地と従業地の一致の程度が高い,すなわち,周辺地 城に常住する就業者の多くは同地域において従業するとみなされる。これに対して,この 指数が大きい場合は,周辺地域の居住する就業者の多くは他地域(中心都市など)で従業 する程度が高いことを表すと考えられる。この指数自体の大都市圏間のわずかな差は意味 がないといえようが,大局的な検討には有効な指標と思われる。 3大都市圏についての職業別の轟離指数は第13表のとおりである。この表によってわか ることはつぎのようにまとめることができる。 (1)職業別の差として,. 3大都市圏ともにホワイトカラーとこれに属す職業である事務就. 業者の轟離指数が高いことがわかる。東京圏と京阪神圏においては管理職就業者の指数も 高いが,名古屋圏では低い。技能・生産職就業者とサービス職就業者の指数が低いことは 3大都市圏に共通している。.
(23) 35. 3大都市圏における職業別就業者の空間的分布の動向. 第13表. 周辺地域における耽費別にみた常住地と従葉地の帝離籍数. 専門.技術管理事務販売技能.生産サービス 東衷圏. 京阪神圏■. 名古屋圏. ホワイトカラー総数. 1970*. 15.821.022.112.76.65.1. 20.4. 1990年. 19.825.826.123.08. 6、8.6. 24.0.. .12.4 17.7. 1970年. 16.627.024.916.5.6.16.7-. 23.3. 13.1. 1990*. 15.524.323.421.36.58.6. ・20.9.I. 5.46.813.810.13.53.6. 10.7. 9.6_9.815.214.12.9■5.3. 13.1. 1970年 1990年. 14.8 _6.5 8.6. 資料:第6表より作成。 注) :轟離揖数は第6表の常住地就業者の割合から従業地就業者のそれを減じた胤. (2) 1970年と1990年と比較すると,東京圏と名古屋圏ではすべての職業において1990年の ほうが指数が高い。つまり,. 1990年のほうが1970年よりも職住の帝離の程度が高くなった. と考えられる。京阪神圏ではホワイトカラーとそれを構成する3つの職業ともに若干の指 数の低下が認められるが,実態面での変化は不明である7)。 上記のことから東京圏と名古屋圏の周辺地域では職住の韓離程度が拡大した判断される○ この拡大は周辺地域における中心都市-通勤する就業者の増加や住宅事情などによる遠距 離通勤者の増大などによるところが大きいと考えられる。一方,京阪神圏における上記(2) の変化については,. ⅠⅠⅠ章3節で分析したように,同圏の周辺地域は相対的にホワイトカラ. ー雇用の点での自立化の程度が高いこと,およびⅠⅤ章2節で述べたように,従業地による ホワイトカラーの郊外化が常住地ベースにおけるよりも進展したことが関連していると考 えられる。. 2.アメリカ合衆国の大都市囲との比較 日本の3大都市への通勤・通学者の平均的な通勤・通学所要時間に関するデータとして 第14表に示した国勢調査に基づくものがある。これによれば,東京圏では中心都市である 東京区部-の特別区以外からの通勤・通学時間の平均は1時間15分であり,大阪市と名古 屋市への両市以外からの通勤・通学者の場合はともに約60分である0 通勤者だけのデータとしては,運輸省の大都市交通センサスをもとにして国土庁大都市 圏整備局が算出した東京都心3区(千代田区,中央区,港区)への定期券利用者の通勤時 間に関するものがある。これによれば東京都心3区への平均通勤時間は1970年の65分から 1990年には69分になった(国土庁大都市圏整備局編,1995,p.210)。また,この通勤時間が 75分以上の通勤人口の構成比率は1980年の37.0%から1998年には40.2%に増加した(国土 庁計画・調整局編,1993,p.164)。このデータは大都市圏の周辺地域(郊外)からの通勤者 だけのものではないが,一般に周辺地域から東京都心地区-の通勤時間は中心都市内から の通勤者よりも大きいので,周辺地域居住者のみに限定した通勤時間は上記よりも多くな ると考えてよい.こうした日本の大都市圏における通勤時間をアメリカ合衆国の大都市圏 におけるそれとの若干の比較をつぎにおこなう。.
(24) 36 田. 富. 第14表. 和. 暁・菅. 泰. 谷. 肖. 3大都市への15歳以上通勤・通学者の常住地別にみた 平均通勤・通学時間(1990年,時間・分) 常■住地. 通勤..通学先 市内(特別区). 市外(特別区外). 平均. 東京都特別区部. 0.35. 1.15. 0.53. 大_阪市. 0.26. 1.01. 0.46. 名古屋市.. 0.26. 1.00. 0.38. 資料:総務庁統計局(1994,p.833)より作成。 注1) 2). 第15表. :市内は大阪市または名古屋市,特別区は東京都特別区部。 :平均の欄はそれぞれの通勤・通学先への平均通勤・通学時間。. アメリカ合衆国の主事大都市圏 別の郊外居住者の通勤先別にみ た通勤時間の平均(1980年,令) 通. 大都市圏 中心都市 ニ. ヨ. 勤. 郊. 就業者数(万人) 外. 60 6. 19.7. 38 3. 18.1. ボ. ン. 25 0. 17.8. ゴ. 46 0. 19.7. 38 0. 22.5. 32 1. 20.6. 37 5. 18.6. ュ. ト. ス. シ. カ. ワシントン,DC ア. ト. ラ. ン. タ. サンフランシスコ ロ. サ ンゼルス. 資料:. Prey. and. り作成。. 31 2 Speare. アメリカ合衆国北部の大都市圏にお ける男性ホワイトカラーの居住地・ 従業地別にみた変化(1970-80年). 先. ーク フィラデルフィア. ー. 第16表. 19.5. (1988,pp.422-433)よ. ・居住地.従業地別. 1970年. 変化. 137.1. △16.5. 23.1. △4.7. 郊住居住.中心市従業 郊外居住.郊外従業. 94.8. △3.0. 162.1. 38.0. 大都市圏計. 417.1. 13.8. 中心市■従業東. 231.9. 郊外従業瀬. 185.2. 中心市居住.中心市従業 中心市居住.郊外従業. 資料: 注1). Freyand. Speare. △19.5. 33」3. (1988,p.399)より作成。. :北部の大都市圏はこユーヨーク,フィラデル フィア,ボストン,シカゴ,デトロイトなど 13の大都市圏。. 2) :ホワイトカラーは専門・技術職,管理職,辛 務,販売職の合計。. 「※」は従業地のみによる就業者数であり, 居住地・従業地別から集計した数値。. 3). :. 4 ). :変化の欄は1970-80年の就業者数の変化。△ はマイナス。. 第15表はアメリカ合衆国の大都市圏の郊外居住者の平均的な通勤時間である。これによ れば郊外居住者の場合,通勤先が中心都市であるか郊外であるかによる通勤時間の差は明 瞭であり,とくにニューヨークやシカゴなどの大都市圏ではその差は大きいoまた,中心都 市への通勤時間についてみるとニューヨーク圏と他の大都市圏とは大きな差があることが 明白であるoこのニューヨーク圏の中心都市への通勤時間を前述の第14表と比較すると, ニューヨーク圏では61分であるのに対して,東京圏では1時間15分であり,東京圏のほうが 14分長いことがわかる。京阪神圏と名古屋園の場合はニューヨーク圏とほぼ同程度である.
(25) 37. 3大都市圏における職業別就業者の空間的分布の動向. といってよい。したがって,中心都市の人口規模が同程度の場合の日米間の比較をすれば, 日本の大都市圏における通勤時間の長さが明らかである。 しかも上述したように,東京都心地区-の通勤時間は長くなる傾向がある。これは前節 で述べたように,周辺地域における雇用の増大が常住地就業者のそれを下回っていること が関係する。すなわち,周辺地域から中心都市への通勤者の増加も平均的な通勤時間の増 加に寄与する。アメリカ合衆国の主要な大都市圏では1960-70年と1970-80年ともに従業 者数の郊外化率が常住人口のそれを上回っている(Prey に示したように1970-80年に, し,. and. Speare,1988)。また第16表. ①男性のホワイトカラーの中心都市従業者は絶対的に減少. ②郊外に居住して郊外で従業する男性ホワイトカラーは増加している。第15表からも. わかるように,この②の場合の通勤時間は短いので, の通勤時間の短縮につながることが明白であるo. ②の増加は大都市圏における就業者 こうしたことから,東京圏などの日本の. 大都市圏全体の就業者の平均的な通勤時間とアメリカ合衆国の大都市圏七の差は拡大する 傾向にあると結論できる。 おわりに. 本稿の分析結果のなかで,ホワイトカラーの分布動向に関する結果を中心にした結論は 以下の4つにまとめることができる。 (1) 1970-90年において従業地ベースでのホワイトカラーの郊外化はかなり進展した。こ の結果,中心都市と周辺地城の間のホワイトカラーの量的な差および比率の差は縮小した。 しかし,. 1990年においても依然としてこのホワイトカラー比率の差はかなり大きい。. 蔑京圏と名古屋圏では1980-90年に,従業地ベースの販売職就業者の中心都市への相対 的な集中化がみられた。これは中心都市における販売機能の新たな立地展開と集積を示す ものと考えられる。 (2) 3大都市圏間の差異はつぎの2つにまとめることができる。ひとつは大都市圏の階層. に基づくと考えてよい差異である。具体的には,. ①東京圏と他の2圏との差異と②名古屋. 圏と他の2圏との差異がある。この①の例として,東京圏の中心都市においてのみホワイ トカラーの就従比の増加が大きかったこと,東京圏の周辺地域における従業地ホワイトカ ラーの対全国シェアの増加が大きかったことがあげられる。 いまひとつは京阪神圏と他の2圏との差異である。たとえば,京阪神圃の周辺地域にお いては,. ①常住地ホワイトカラーの比率が中心都市よりも高く,ホワイトカラーおよびそ. れを構成する3つの職業に特化し,. ②従業地ベースでも1980年以降に専門・技術職就業者. に特化したことである。こうしたことの背景・要因として,既述のように大阪市の行政市 域の範囲や地形的条件が考えられるが,同園域が3極構造であることも関係していると考 えてよいであろう.下記の(4)で述べる京阪神魔の特徴もこの3極構造と関係していると思 われる。. (3)東京圏と京阪神圏における常住地ホワイトカラーの増加に占める女性の寄与率は高 い。とくに事務就業者においてこれは顕著である。したがって,大都市圏の周辺地域にお ける従業地ホワイトカラー(とくに事務就業者)の増加に対する女性の寄与率も高いこと.
(26) 38. 富. 田. 和. 晩・菅. 谷. 泰. 尚. が推察される。このことからも,ホワイ′トカラー雇用の面での周辺地域の実態面からみた 自立化の進展は,数字に現れたよりも小さいといってよい。 (4)周辺地域における常住地と従業地の分離の程度を把握する尺度として帝離指数を考. えた。この指数を職業別にみるとホワイトカラーの轟敵指数が相対的に高く,また京阪神 圏のホワイトカラーを除いてこの指数は増大したことを指摘できる.したがって,東衷圏 の周辺地域における職住の轟離程度は拡大したと判断される.ホワイトカラー雇用の郊外 化の進展もかなり進んでいるアメリカ合衆国の大都市圏と比較すると,大都市圏周辺地域 住民の通勤時間の日米間の差は拡大傾向にあると推察できる。 上記の4つに関連する今後の研究課題はつぎのとおりである。 業者の変化の分析。. ①産業別にみた職業別就. ②職業中分類別就業者の分析。 ③周辺地域に居住する男女別の職業別. 就業者の従業地の分析。. ④上述の京阪神圏の特徴を,とくに同園の3極地域構造との関連. から実態的および三哩論的に研究すること.. 〔注】 1. )たとえば,. 1970年の国勢調査では幼稚園保母はサービス職就業者に属していたが, 1985年以後. は専門・技術職就業者に属している。 2. )管理職就業者の中分類別職業は管理的公務見合社・団体等の役員,その他の管理的職業従事 者の3つであり,. 32.2%であった(総務庁統計局, 3). 1988)。 (374万). 1985年の全国のサービス職就業者416万人のなかで,個人サービス職莫従事者は90% を占めていた。個人サービス職業従事者のなかで従事者が多いのは調理人:. 者: 83.5万人,美容師: 4. 63.1%,. 1985年の全国における管理職就業者に対する比率はそれぞれ4,7%,. 36.1万人,理容師:. 160.8万人,給仕従事. 26.7万人であった(総務庁統計局,1988).. )全国の販売職就業者に占めるその中分類職業である商品版売従事者と販売類似職業従事者の. 割合はそれぞれ60.8%と39.2%であった。また前者の中分類職業に属す販売店員の同割合は37.0 %,小売店主は14,3%,飲食店主は4.8%であり,後者に属す商品版売外交員は21.8%であった(総 務庁統計局,1988). 5 ). 1985年の3大都市圏の中心都市と周辺地域の間の農林漁業作業者の構成比率の差はつぎのと. おりである(総務庁統計局,1995より算出)。京浜大都市圏: 神大都市圏: 6. 2.9%。京阪. 3.9%。中京大都市圏:. 2.3%。. )事業所統計調査報告から算出した結果によれば,東京圏の周辺地域における1986-1991年の 産業別従業者数の増加に対する女性の割合はつぎのとおりである(富田,1994a)。 飲食店:. 63%,金融・保険業:. 79%,医療業:. /ト売薬: 63%,. 72%。なお,非農林漁業全体では47%である。. 7)京阪神圏における通勤距離の変化については石川(1990)の研究がある。これによれば1965-. 1985年の京阪神圏における就業者の平均通勤距離は大局的にみて増加傾向を示している。ただ し, 1980-85年には平均通勤距離の伸びの停滞傾向がみられた。これは人口の郊外化のピーク後. の雇用の郊外化が通勤距離を短縮する.作用をしていると考えられる。.
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