ス ポ ーツ テ ス ト の記録 を走 り 幅跳 びの学習 に生 かす た めの一考察
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長座体前屈 と50m 走、 立 ち幅跳 びの相関 をふま え た走 り 幅跳 びの日 標記録の作成 一
A Consideration to M ake Use of Sports Test Record for Learning of
Long Jump : Creation of Running Long
Bending, 50 m Running, Standing Wide
伊 藤 秀 郎*
ITO Syuro
Jump
Running
Targets from Long Seat Front
Jumping
Records
森 田 啓 之* *
MORITA Hiroyuki
近年 、 運動 をす る児童 ・ 生徒 と し ない児童 ・ 生従の2極化が進み、 学校の体育の授業以外 で は 「 ほ と ん ど」 ・ 「全 く 」 運 動 し な い児童 ・ 生徒が多 く い る こ と が明 ら かに さ れて い る。 現在の子 ど も た ち には、 よ り 限 ら れた場所 ・ 時間で 効率 よ く 「 運動」 ・ 「 生活活動」 を行 う こ と が求め ら れてお り 、 そ の点 で柔軟性 を高め る運動は他の運動 よ り 場所や時間 を選ばず手 軽 に行 え る と い う 利点があ る。 本研 究で は、 小 ・ 中学校のス ポー ツ テ ス ト の記録 に お い て長座体前屈 の記録 と 立 ち 幅跳 び の記録の相関関係 につ い て検討 ・ 考察 を行 っ た。 そ の結果、 長座体前屈 と 立 ち幅跳 びの記録 には、 小学生 で は男女 と も 0.4以上、 中学生 で は男女 と も0.67以上 と い う 相関係数がみ ら れた。 そ こ で 、 長座体前屈 の記録が どの程度あ れば、 立 ち幅 跳 びで どの程度の記録が得 ら れる のかについ て推測値 を得 て、 さ ら に そ こ か ら 、 実際の授業 で も 使え る 、 走 り 幅跳 びの目 標値 を算出 ( ノ モ グラ ムの作成) す る こ と がで き た。 キ ーワ ー ド : 長座体前屈 , 立 ち 幅跳 び, 走 り 幅跳 び, ス ポー ツ テ ス ト , ノ モ グ ラ ム1 . 目的
近年、 児童 ・ 生徒の生活環境や生活習慣の変化 によ り 、 児童 ・ 生徒の運動習慣 に変化 が生 じ 、 運動 を す る児童 ・ 生徒 と し ない児 童 ・ 生徒の 2 極化が進 んで お り 、 学校の 体育の授業以外 では 「 ほ と ん ど」 ・ 「全 く 」 運動 し ない児 童 ・ 生徒が多 く い る こ と が明 ら かに さ れてい る (文部科 学省 : 『平成25年度 全国 ・ 運動能力、 運動習慣等調査 報告書』) 。 そ こ で現在の子 ど も た ち には、 よ り 限 ら れた 場所 ・ 時間で効率 よ く 安全に 「運動」 ・ 「生活活動」 を行 う こ と が求 め ら れて お り 、 そ の点 で 柔軟性 を高 め る 運動 は他の運動 よ り 場所 や時間 を 選ばず安全 かつ手軽 に行 え る と い う 利点 があ る。 著者 ら は以前 に、 『児童期 の長座体前屈 と 反復横跳 び、 50m 走 の関係 に つ い て』 に お い て 、 身 体 の柔軟性 と 反 復横 跳 びお よ び50m 走 のパ フ ォ ーマ ンス に相関関係 が あ る こ と を明 ら かに し た (伊藤 ・ 森田, 2015) 。 その中 で 、 児童 が よ り 明確 な目標 を も っ て運動 で き る よ う に、 どの程 度 の柔軟性 が あ れば どの程度 の記録 (50m 走 ) が期待 で き る のか ノ モ グラ ムを作成 し た。 本研究は、 前回の研 究 を路 ま え た一連の流 れに位置づ い てい る (図 1 .) 。 「長座体前屈」 と 「立 ち幅跳 び」 の 記録の相関関係 に つい て考察 を お こ ない、 「長座体前屈」 の記録か ら 類推 さ れる 「立 ち幅跳 び」 の記録 と 、 前研究 で得 ら れた 「長 座体前屈」 と 「50m 走」 の関係式 を基 に, 「長座体前屈」 の記録か ら 期待 で き る 「走 り 幅跳 び」 の記録 を得 ら れ る ノ モ グ ラ ム を作成 す る こ と を 目的 と し た。 こ れ を授業等 で用 い る こ と で、 児童 ・ 生徒がよ り 明 確 な目標 を も っ て、 効果的 に体力 を伸 ばす よ う に で き る こ と を ね ら い と し て い る c2 . 方法
本研 究 で は、 小 ・ 中学校等 の ス ポ ー ツ テ ス ト の デ ー タ を活用 す る。 ス ポー ツ テ ス ト で は、 次 の よ う な項目が計 測 さ れてお り 、 小学 5 年生 (10-11歳児童) ・ 中学 2 年 生 (13-14歳生徒) で は、 全国の悉皆調査 と な っ てい る。 そ し て、 その結果は毎年文部科学省 (現在はス ポーツ庁) から 「全国体力 ・ 運動能力、 運動習慣等調査報告書」 と し て 纏 め ら れて い る 。 ス ポー ツ テ ス ト で測定す るのは、 ①長座体前屈 ・ ②反 復横跳 び ・ ③50m 走 ・ ④立 ち 幅跳 び ・ ⑤上体お こ し ・ ⑥20m シ ャ ト ル ラ ン ( 中学校 で は20m シ ャ ト ル ラ ンか 持久走の選択) ・ ⑦ ソ フ ト ボール投げ (中学校ではハ ン ド ボール投 げ) ・ ⑧握力 の 8 項日 で あ る。 こ れら の項日 に よ り 児 童の運動能力 ・ 運動習慣が経年的 に調査 さ れて い る。 本研究では、 よ り 下半身の柔軟性 ( 建や筋) の影 響が記録 と し て現 れやすい ①長座体前屈 の記録 と 、 ④ 立 ち幅跳 びの相関関係 に つい て明 ら かにす る。 そ し て、 長座体前屈 の記録か ら 立 ち幅跳 びの推測値 を見出 し 、 前 の研 究 で 明 ら か に し た ③50m 走 の記録 と 合 わせ て 、 走 り 幅跳 びの目標値 を算出す る。 な お、 近年 、 「月建コ ン プ ラ イ ア ンス」 と い う 観点 か ら 運動のパ フ ォ ーマ ンス を指摘す る研 究が行 な われて い る c 月建コ ン プ ラ イ ア ンス が高い方が、 垂直跳 びや短距離走の 記録が良い、 と す る も の で あ る (福 永, 2010) 。 本研究 に おい ては、 主 に 、 「月建」 や 「筋」 の柔軟性 を 測 っ て い る 「長座体前屈」 と その他の運動項目 と の関係 に着目 し * 堺市立向丘小学校 * * 兵庫教育大学大学院教科教育実践開発専攻生活 ・ 健康 ・ 情報系教育 コ ース 准教授 平成29年 6 月26 日受理128 てい るが、 本研究 では、児童 ・ 生徒一人 ひ や 「筋」 の状態 を超音波画像診断な どはで 学校教育学研究, 2017, 第30巻 と り の き な い 簡便かつ大規模に調査 さ れてい る 「長座体前屈」
「月
建」
の で 、 の測定 結果 を使用 し て い る。 も っ と も 、 そ の測定結果が 「月建 コ ン プ ラ イ ア ン ス」 を 直 ち に 反 映 し て い る も の で は な い ( 長座体前屈 で は主 にハ ムス ト リ ン グと 腰部 の柔軟性 を み て い る ) 。 ・ 検討 1 長座体前屈 と 立 ち幅跳 びの記録 に相関関係 が見 ら れる のか ど う かに つい て検討 を行 っ た。 調査 1 で は、 一 つの 学校 に つい て、 調査 2 では、 よ り 正 確 な デ ー タ を得 る め に 、 全国の デ ー タ を用 い て相関関係 の検討 を行 つ0 調査 1
大阪府下の A 男 女別 に 、 ス ポ 記録か ら散布図 線 を追加 し 、 R る こ と で、 相関 市 a 小学校の児童( 6 年生)
にっ ー ツ テ ス ト の長座体前屈 と 立 ち幅跳 た た (、 、 の び を作成 し た。 さ ら に その散布図 に近似直 2値 を 求 め、 ピ ア ソ ン の相 関係 数 を 求 め 関係 を検討 し た。O 調査 2
調査 1 で は、 A 市の 1 校か ら 得 ら れた デー タ で 、 長座 体前屈 と その他の運動項目に相関関係 を調査 し たが、 よ り 一層、 研究の妥当性 を増すために、 全国の小学 5 年生 ・ 中学 2 年生を対象に し た、 文部科学省 : 「平成26年度 全国体力 ・ 運動能力、 運動習慣等調査報告書」 の都道府 県別平均 デー タ か ら 、 調査 1 と 同 じ手法に よ り 散布図 を 作成、 R 2値 を求め、 相関係数 を求めたc ・ 検討 2 さ ら に、 児童が目標設定 を し やすい よ う 、 検討 1 で得 ら れた結果に基づ き 、 長座体前屈 の記録か ら立 ち幅跳 びの 推測値 を推測 し 、 前回の研究で示 さ れた長座体前屈 と50 m 走 の相 関関係 か ら 、 走 り 幅跳 びの日 標値 を算出 す る た めの ノ モ グ ラ ム を 作成 す る こ と を 試 み3
.
・結果
検言 O 調査1
1
長 座体前屈 と 反復 横 跳 び、 た0 長 座体 前屈 と 50m 走 の記 録の関連に つい て男女別 に調査 し た散布図 を以下に示す ス ポー ツ テス ト (長座体前屈 ・ 反復横跳び ・ 50m 走 ・ 立ち幅跳び ・ 上体お こ し ・ 20m シャ ト ルラ ン ・ ソ フ ト ボール投げ ・ 握力)r - - -
,, l 図 1 , ス ポ ー ツ テ ス ト を活用 し て目標値 を設定 す る研究の流 れ l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l 1(0
-電
)
( -田 ) (-m J) ) ( -) (図 2 .~ 図 3 .) 。 こ れら の結果は、 大阪府下の A 市 a 小学校 6 年生 (男子 : n = 60、 女子 : n = 56) のものであ
る (H27年 6 月測定) 。 250 cm 200 cm 150 cm 100 cm 50 cm 0 cm 0 om立ち幅とび (6年男子) n=60
◆ ◆ y = 0.5727x + 150.03 R2 = 0 0417 20 cm 40 cm 6 0 o rr ◆ 立ち幅とび 線形 (立ち幅とび) r = 0.2042 (長座体前屈) 図 2 . a 小学校 小学 6 年男子 長座体前屈と 立 ち幅跳 びの記録の散布図 と 相関 ( n = 60) 図 2 . の結果か ら 、 6 年生男子児童では、 長座体前屈 の記録 と 立 ち幅跳 びの記録では、 相関係数は r = 0.2042 で あ っ た (無相関検定では有意では なか っ た) 。 m 〇 m m m m m m m m m m m o 0 C C C 0 C C 0 0 C 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 8 6 4 2 0 8 6 4 2 2 1 1 1 1 -立ち幅とび (6年女子) n=56
◆ y = 0.5385x + 133.64 R2 = 0 0327 20 om 40 om 60 om ◆ 立ち幅とび-
線形 (立ち幅とび) r = 0.1808 (長座体前屈) 図 3 . a 小学校 小学 6 年女子 長座体前屈と 立 ち幅跳 びの記録の散布図 と 相関 ( n = 56) 図 3 . の結果から 、 6 年生女子児童では、 長座体前屈 の記録 と 立 ち幅跳 びの記録では、 相関係数は r = 0.1808 で あ っ た (無相関検定では有意ではなか っ た) 。O 調査 2
調査 1 は小規模 な調査 で あ る ため、 よ り 一層、 研究の 妥当性 を増す ために、 文部科学省 : 「平成26年度 全国 体力 ・ 運動能力、 運動習慣等調査報告書」 の都道府県別 160 158 156 154 152 150 148 146 30 31 立ち幅跳び (小学5年男子) H26 ・ y = 1 .053x + 117.4 R = 0.2076 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 32 ・ ・ 33 r = 0.4556 34 35 (長座体前屈) 36 (cm) 図 4 . 小学 5 年男子 長座体前屈 と 立 ち幅跳びの記録の 散布図 と 相関 (文部科学省 : 『平成26年度全国体力 ・ 運動能力、 運動習慣等 調査』 よ り 作成) (im J) ) ( -田 、-_/ (u 1o )(
- 重
) (u 1o ) ( -田 ) 平均 デ ー タ か ら 、 調査1 と 同 じ手法 によ り 散布図 を作成、 R 2値 を求 め、 相関係 数 を求 め た。 以下 に そ の結果 を示 す (図 4 .~ 図 7 .) 。 なお、 こ のデー タ は、 先に も 述べ た と お り 、 全国の小学 5 年生 (10-11歳児童 男子 : n =550,573 ・ 女子 : n= 526,222) と中学 2 年生 (13-14歳
男子 : n= 513,440 ・ 女子 : n= 486,975) の悉皆調査であ
る。 大規模 な調査 で あ れば、 生ま れ月 の影響 も受け に く い も のと判断 し た (小学 5 年男女 : 図 4 .、 図 5 .、 中学 2 年男女 : 図 6 .、 図 7 .) 。 小 学 5 年生 で は、 相関係数が男女共 に0.4以上、 中学 ・ 4 , 2 5 5 1 1 150 148 146 144 142 140 34 立ち幅跳び (小学5年女子) H26 y = 1.3597x + 94.766 R2 = 0 2872 ・ ・ 35 ・ 36 ・ ・ ・ 37 38 39 r = 0.5359 (長座体前屈) 40 (cm) 図 5 . 小学 5 年女子 長座体前屈 と 立 ち幅跳びの記録の 散布図 と 相関 (文部科学省 : 『平成26年度全国体力 ・ 運動能力 、 運動習慣等 調査』 よ り 作成) 204 202 200 198 196 194 192 190 188 186 39 立ち幅跳び ( 中学男子) H26 y = 1.422x + 133.2 R2 = 0 5235 ・ ・ 40 41 42 r 43 44 0.7235 45 46 47 (長座体前屈) 48 (cm) 図 6 . 中学 2 年男子 長座体前屈 と 立 ち幅跳びの記録の 散布図 と 相関 (文部科学省 : 『平成26年度全国体力 ・ 運動能力、 運動習慣等 調査』 よ り 作成) 176 174 172 170 168 166 164 162 16C 158 41 立ち幅跳び ( 中学女子) H26 42 43 ・ 44 45 r = 0.7034 46 47 48 (長座体前屈) 49 (cm) 図 7 . 中学 2 年女子 長座体前屈 と 立 ち幅跳びの記録の 散布図 と 相関 (文部科学省 : 『平成26年度全国体力 ・ 運動能力、 運動習慣等 調査』 よ り 作成)130 学校教育学研究, 2017, 第30巻 生 で は0.7以上 と い う 高い値 に な っ て い る。 調査 1 よ り も相関係数が大 き く 、 長座体前屈 と 立 ち幅跳 びの記録に は、 相関関係 があ る と 考え ら れる。 中学生の相関係数が高い値 で あ る こ と か ら 、 平成25年 度の 『全国 ・ 運動能力、 運動習慣等調査報告書』 を基に 同様の調査 を行 っ た と こ ろ、 小学男子 r = 0.4329、 小学
女子r= 0.5047、 中学男子r= 0.6844、 中学女子r= 0.6779、
と い う 同様の傾向 を示す結果 を得 た。 小学生 よ り も 中学 生の方が高い相関係数 を示 し てお り 、 原因 はは っ き り し ない が、 成長期 には様々 な身体 の特性 や 「 コ ツ」 のよ 、つ な因子が相俟 つて記録 を伸ば し てい る こ と が推察 さ れる。 ・ 検討 2 検討 1 の調査 2 で長座体前屈 と 立 ち幅跳びの記録の間 に相関関係 がみ ら れたので、 前回の研究 で示 さ れた, 長 座体前屈 と 50m 走の間の相関関係 と 併せ て、 長座体前 屈 の記録か ら 、 走 り 幅跳 びの目標値 を算出す る こ と がで き た。 考察4-2. に詳 し く 記述す る。4 . 考察
4-1 . 長座体前屈 と 立 ち幅跳びの記録の相関関係について 図 1 .~ 図 2 . (調査 1 ) の調査結果はデー タ が少 な く 、 長座体前屈 の記録 も 立 ち幅跳 びの記録 も 、 良い記録 を持 つ数名 の児童の結果 に大 き く 結果が左右 さ れてい る こ と が考 え ら れ る 。 な お 、 人数 が少 な い デ ー タ で は、 児 童 の 年齢 (生ま れ月) の影響 も受けやすい も のと 考え ら れる。 し か し 、 調査 1 に対 し て、 調査 2 で行 っ た、 全国の小学 5 年生 (男子 : n = 550,573 ・ 女子 : 526,222) , 中学2
年生 (男子 : n= 513,440 ・ 女子 : n= 486,975) では, はっ
き り と し た相関関係 が表れてい る (小学生 r> 0.4、 中学生 r> 0.67 :
こ れ ら の 平成25年度の結果 を加味) 。 こ と か ら 、 長座体前屈 と 立 ち幅跳 びの記録に 相関関係 が認め ら れ る と いえ る。 なお、 小学生 よ り も 中 学生の方が高い相関係数 を示 し てい る原因 はは っ き り せ ず、 成長期におけ る運動生理学や 「 コ ツ (技能ポイ ン ト )」 の修得 と い っ た観点 か ら の考察 が必要で あ る と 思われる。 運動生理学の面か ら 言え ば、 ①児 童期 お よ び生徒期 には各種運動器官が統合 さ れ、 運動 に適 し た体は よ り 一層 、 運動 に適 し た体 に深化 し てい く 。 ②筋 が柔 ら かい と 、 そ う で ない場合 に比べ、 体 を動 か す時に弾力性が有利 に働 く 。 ま た、 同 じ動 き をす る 時のエ ネ ルギー消費が少 な く て済むこ と で、 効率 よ く 他 の必要 な部分 にエ ネ ルギ ー を尸由け ら れる。 こ の こ と は、 体が大 き く な る ほ ど顕著 に現 れる。 ③長座体前屈 と 立 ち幅跳びの記録が、 相関関係 だけ で な く 因 果関係 で も あ る と す れば、 柔軟性は、 他の運 動能力 の獲得 に大 き く 影響 し てい る と 考え ら れる。 そ の最適期 が中学生 く ら い で あ る と 思 われる。 と い っ た仮説が成 り 立 つ。 4-2. 長 座体 前屈 の 記録 か ら 推測 さ れ る 走 り 幅跳 びの目 標値 に つ い て さ ら に、 児童が目標設定 を し やすい よ う 、 3 . の検討 1 で得 ら れた結果に基づ き 、 前回の研 究で示 さ れた, 長 座体前屈 と 50m 走の間の相関 と 併せ て、 長座体前屈 の 記録か ら 立 ち幅跳 びの推測値 を求 め、 走 り 幅跳 びの日 標 値 を算出 し 、 走 り 幅跳 びの目標値 を算出す る ための、 簡 便 な ノ モ グ ラ ム を作成す る こ と を 試 みた。 目標 を持 っ て 運動す る こ と で よ り 一層 の運動の効果 を期待で き る ため であ る。 こ こ では実際に学校の授業 な どで日 標値 と し て と ら え る事 がで き る こ と を意識 し てい る。 児童 ・ 生徒 を 取 り 巻 く 環境は個人 に よ っ て異 な り 、 ト レ ーニ ン グ方法 も様 々で あ るが、 仮に長座体前屈で 「 こ れ く ら い」 の記 録 を示 し てい る な ら ば、 立 ち幅跳 びで、 「 こ れ く ら い」 の記録 を日 標 にで き る と 明示す る こ と を意識 し てい る。 長座体前屈 の記録 と 、 立 ち幅跳 びの記録は相関関係 で あ り 、 因 果関係 では ないが、 意識性の原則 か ら 、 数値目標 に あ る根拠 あ る目安 を 設け る こ と には意味 があ る と 考 え てい る。 ま た、 本研究 で は、 柔軟性 と 他の運動種日 の関 係 か ら 考察 を 進 め て い る た め、 筋力 の影響 は考 え ら れて い な い点 に は注意が必要 で あ る。 ま ず、 小 学 5 年生 に つい ては以下の よ う に考え る こ と がで き る。 ・ 小学 5 年生男子 ( 高学年) 図 4 . よ り , A= (長座体前屈 の記録) , B= ( 立 ち幅跳 びの推測値) と する と 、 B= 1.053 X A十117.4………① と こ ろで, 平成26年度の研究(伊藤 ・ 森田, 2015) よ り c = (50m 走の推測値) と す る と 、 C=-
0.039 X A十
10.7 ………② で あ る。 さ て , 一般 に (走り 幅跳びの目標値) = { (立ち幅跳びの記録) X1 5}-
{ (50m 走の記録) X 25} 十280 ………③ と い われる 。 よ っ て , ③式 に, ①式 お よ び②式 を代入す る と , D = ( 走 り 幅跳 びの目標値 ) と し て、 D = (B X 1 5)-
(C
X25) 十280………④ と な る。 よ っ て , ④式 を ま と め る と ,D (走り幅跳びの日標値) = { (1.053XA十117.4) X1 5}
-
{ (
-
0.039 XA十10.7) X25} 十280
= (1.58 XA十176.1)
-
( 0.975 XA十267.5) 十280
= 1.58 X A十176.1 十0.975 X A
-
267.5十280
= (1.58十0.975) XA十176.1 267.5十280
= 2.555 X A (長座体前屈の記録) 十188.6 ………⑤ と な る。 平成27年度, 小学校 5 年生男子の長座体前屈の全国平 均は32.87cm であ るので, ⑤式 に代入す る と ,2.555 X32.87十188.6= 272.58 (cm) と なる。
平成27年度, 小学校 5 年生男子の50m 走の全国平均 は9.38秒, 立ち幅跳びの平均は151.71cm であ るので, ④式 に ダイ レ ク ト に代 入す る と ,151.71 X15 9.38 X25 十280= 273.065 (cm)
と な 筋力 の り , かな り 妥当性のあ る数値日 標 と な る。 但 し , 影響 を考慮 し て い な い こ と に注意が必要で あ る c 同様 に、 図 5 .よ り 導 く と 、 小学 5 年生女子 (走 り 幅跳びの目標値)